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『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』第1話を観る

スーパー戦隊シリーズ最新作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』がスタートしました。
そのドン1話「あばたろう」があまりに面白すぎたので、3回観てしまいました。

私が脚本を担当した舞台『六番目の小夜子』でデビューした志田こはくさん(オニシスター)が出演。しかも、事実上の主人公(狂言回し)でした。めでたい、めでたい! これが映像作品では初演技とは思えない巧みさ。

セリフじゃなくて映像で語るということ。
一言でキャラを立てるということ。
何から何まで「初心に帰って勉強し直します」と平伏したくなる第1話。

『ゼイリブ』とか『トロン』とか、懐かしい洋画を思い出すビジュアル・デザインもあって嬉しくなりました。

しかし何より驚異的なのは、この思考が追いつかないほどスピード感あるお祭り騒ぎのような作品を、50代後半〜60代の重鎮プロデューサー・監督・脚本家の皆さんが制作していることでしょう。

志田こはくさん演じるヒロイン・鬼頭はるかのキャラクターの魅力について。
漫画賞の受賞パーティーでの第一声モノローグ「私は生まれながらの天才だ」からの、帰り道のタクシー内のモノローグ「あ〜あ。つまらない質問ばっかだったなぁ」。
ここがさりげないけれど巧みだと感じました。超短時間でキャラクターのセットアップになっています。

漫画賞で大賞を獲ったヒロインが大事件に巻き込まれるだけだと、ただの巻き込まれ型です。主人公として、狂言回しとして、キャラが弱いのです。
が、「あ〜あ。つまらない質問ばっかだったなぁ」というモノローグで、大人・社会・現実をどう見ているか分かる。退屈していて、若干ナメていると分かる。
そういう主人公が、ガツンと痛い目に遭う第1話だから面白いのですよね。

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