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ICCのベンチャー投資プログラム「カタパルト・ファンド」スタート

新型コロナウイルスのワクチンも目処がついてきたこともあり、株式市場を含め明るい兆しとなってきた。

2021年2月の福岡開催をしっかり耐え抜けばICCの活動も継続してしっかりできそうだ。

ICCサミットそのものは2020年9月開催の開催の実績が大きく、次回の福岡開催のスポンサー収入や登壇者の内定状況は堅調だ。

一方、カンファレンス収入だけに依存するというリスクも実感した1年であっため新しいビジネスとしてベンチャー投資をしっかり行うという企画をスタートした。ベンチャー投資プログラム「カタパルト・ファンド」だ。

1年前にグロービス・キャピタル・パートナーズとの共同投資プログラムをスタートとしたが実績として投資につながらなかった。

結局のところ自分(自社)で投資判断しないと話が進まない。今回 取り組みそのもの解消し、ICCパートナーズの単独のベンチャー投資プログラムをスタートする。

新型コロナウイルスの影響を受けたためベンチャー投資をするお金を温存してきたのが2020年だった。ワクチンの開発の方向性が見えたこともあり、リスクをとって将来に投資するという考え方に転換した。

ベンチャー投資の原資と投資件数

ICCサミットの1開催あたりの売上規模は約1.5億円だ。その売上の10%に相当すると1500万円程度をベンチャー投資に振り向ける。年間3000万円程度の予算だ。

1社あたりの投資金額は300万円程度を想定。投資ステージは原則としてシード/アーリーステージだ。投資件数は最大10社程度を想定している。

少額の投資であるため単独での投資ではなく共同投資を基本とする。

投資ターゲット

投資分野はもともと自分が得意としていたIT/ネットセクターだ。「カテゴリーを定義する会社(Category Defining Company)に投資を行っていく。

「カタパルト・ファンド」というとカタパルトに登壇した会社に投資するイメージがあるが、今回はカタパルトに登壇するかどうかは関係なく、通常のベンチャー投資として幅広くソーシングをする。

保有期間と再投資

ICCパートナーズのバランスシート(BS)から投資するためファンドような償還期限もなく、報告義務もないため長期的な視点で投資することが可能だ。

ファンドを長らく運営したこともあり、株式を売却してファンドの投資家に還元する必要があった。しかしながら投資として面白さは「超長期」の投資であるため「含み益」を最大化するを目標ととする。

M&AなどでEXITするケースはもちろん想定されるが、再投資をしていく。

短期的な投資収益に左右されないのはICCサミットそのもの収益基盤があるためであり、ICCサミットが生み出す営業キャッシュフローから投資を行っていく。

カタパルト・ファンドから投資を受けるメリット

今回 カタパルト・ファンドの投資プログラムをスタートしたいと思った経緯はもともとベンチャー投資を行ったいたこともありますが、スタートアップ・カタパルトを通じて僕のメンタリングで事業の方向性がクリアになるスタートアップが多く存在するとうことだ。

ICCサミットそのものはイベントなので単発の関係性で終わってしまう。スタートアップ・カタパルトに応募があった段階では事業の方向性が決まってしまっており、「惜しい」と思う会社が実に多い。

例えば、スタートアップ・カタパルトに応募する1年前くらいから月1回くらいでもフィードバックしていくと非常に良いのではないかと考えた。

少額の投資であり、リソースは限れたているが以下のようなサポートを想定している。スタートアップ・カタパルトの審査は僕が担当しており、開催前に一般公募を行っているが投資先はシード権がある。

① カタパルト・ファンドが投資した会社は「スタートアップ・カタパルト」のシード権を得る

②  ICCサミットの参加枠(参加費22万円相当)を継続的に提供する(例:1回2名 無料)

③ 投資先を対象とした特別な学習プログラムとコミュニティと定期的なメンタリング

④ ICCサミットの参加企業などのネットワークを活用

過去のトラックレコード

ベンチャー投資経験は2001年から約14年間の景観があり、過去の投資事例はCategory Defining Companyに投資を好んだ。

Category Defining CompanyというのはシリコンバレーのVCのアクセル・パートナーズのWebサイトに当時記載があり、「こういう投資がいいな」と思っていた投資の考え方だった。

2005年はグロービス・キャピタル・パートナーズに在籍していたときに投資を担当したレノバとグリーという投資に恵まれた。2005年当時 両社とも時価総額(POST)は10億円くらいだった。投資金額は1億円だ(つまり10%)。

2020年現在の時価総額はレノバは1800億円程度、グリーは1400億円程度である。15年の長期投資をすると180倍と140倍みたいな話になる。

2008年からスタートしたインフィニティ・ベンチャーズでの投資案件はIVSのLaunch Padがあったこともあり、僕がメインで担当した案件だけでも良い案件に恵まれた。 

freeeはシリーズAの投資では時価総額14億円(POST)であり、現在は4000億円程度の時価総額となっている。他の会社の未公開でありながらも調子が良いのではないだろうか。

他にも投資したかったが、条件など合意に至らない・・・・といったケースも多々あり、個人的には反省が多い。もし自分だけで投資判断していたらもっと成果があったのではないか?と考える。

投資した会社の成功確率は高かった(が、今後どうなるかはチャレンジ)。

小さな一歩は大きな成果につながる

現在 ベンチャー投資の世界は大型ファンドが存在し、ICCパートナーズのような小規模な投資は価値はないかもしれません。僕自身も5年間 投資活動をしていなかった。

過去のトラックレコードはありますが、ほとんど人は忘れている・知らないという状態であり、完全なるニューカマーです。

「ともに学び、ともに産業を創る」というコンセプトを考えるとスタートアップ・カタパルトを活用したCategory Defining Companyの支援をすること。投資先同士が「ともに学ぶ」コミュニティを創ること。

最初は年間 数千万円の投資活動しかできないかもしれませんが、投資先が成功して資産規模が100億円くらいになったらもっと大きな投資ができる。

外部の資金を集めるファンドではなく、自らの投資のリターンで再投資をするという仕組みは長期的な視点がないと創ることができない。

30年くらいを見据えて投資ができる発想でしっかりやっていきたい。

(続)


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