環世界と貴族道徳というレンズで多様性を覗く。
今回は、私が考えていた多様性の話と親和性の高い哲学概念があったので、紹介したい。
みなさんは、「環世界」という言葉を聞いたことはあるだろうか。環世界とは、ヤーコプ・フォン・ユクスキュルによって提唱された概念だ。個々の生物が自らの環境をどのように認識し、相互作用するかということについて言及している。生き物それぞれに認識の仕方があり、それぞれの世界が存在するのだ。
ユクスキュルの著書『生物から見た世界』で書かれているマダニの話はよく知られている。マダニは、視覚や聴覚を持たない