走り出せ、群青

「距離、4km到達、1kmあたりの速度は、7分、５０秒です」 耳元で機械音が囁く。 ランニング初心者の私にしては、8分切ってるなら上出来の範囲だ。 フッフッハッハッ フッフッハッハッ フッフッハッハッ 小学生の時にやっていた、通信教材のおまけページに書いてあった、「マラソン大会で早く走れる呼吸法」を続ける。 2週間前に入れた、ランニング距離やペースを記録してくれるアプリは、一言だけ告げるとまた沈黙する。 沈黙の間は、ミュージックアプリに登録している曲がシャッフル再生。

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梅雨の晴れ間。 一人暮らし、社会人、アラサー、独身、女♀。 平日より3時間ほど寝坊して、溜まっていた洗濯物を5L洗濯機に放り込み、水栓を捻ってスイッチオン。 たちまち衣類が水の渦に巻き込まれていく。 これだけで家事が大分進んだ錯覚が起きる。 もう７年も使用している洗濯機が仕事を終えるには、あと４０分はかかる。 そうだ、こんな天気の良い日曜の昼は、インスタグラムを開いて「#ご報告」で検索をかける。 どんどん出てくる、誰だか知らない人たちの#ご報告。次から次へとスワイプ、スワ

#機能性ディスペプシア　 急に、ある日突然痛くなった胃は、ある日突然痛くなくなった。一体、何が原因だったのか…。