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〜ゆりやんレトリィバァ単独LIVE〜笑いのバリエに度肝を抜かれたどころの話じゃない!【笑いのブン学】

小林 文/エディター


観て触れて理解が深まるほどに、今、西の笑いも東の笑いも、コントも漫才も好きだ、と前回書いた。

それを前提とした上で、「出てくるだけで笑っちゃう芸人」にも目がない。私にとって、笑い飯(西田氏)、天竺鼠、ランジャタイ、友近、そして、ゆりやんレトリィバァなどがそう。(敬称略)

先日、そんなゆりやんの単独LIVEへ出かけた。今回はそのときの驚きと幸せな記憶を綴る。

※前回の笑い飯回、5000字強で書いたら、仕事柄多くの活字に触れている姉にさえ、「大作だったね〜」と引かれてしまったので、今回はやや短めの2000字程度におさえます。なので、どなた様も(姉も)ぜひ安心して読んでくださいね。あ、でも熱量はそのままです!


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9月20日、敬老の日。有楽町のビックカメラが入っているビルの7F、よみうりホールで開催された、ゆりやんレトリィバァ単独LIVE『RE:RE:RE:RE:』(東京公演)。

席に座って会場を見渡すと、客層のまぁ若いこと! 20代の若い女子がわんさか。ふんわりシフォンワンピ系、かきあげヘアにショーパン(太ももが完全に見えてる)系、Tシャツ×デニム系…… ん? ここは渋谷のスクランブル交差点か!? 8:2で女性が圧倒的に多かったけれど、若い男子のふたり組パターンも結構いた。
(ちなみに8月に行った笑い飯単独LIVEは、平均年齢40歳オーバー。ひょっとしたら7:3で男性の方が多かったかもしれない)

30代半ばの私たち夫婦はソワソワ。そうこうしているうちに開演の合図が鳴った。

薄暗い舞台にゆりやん登場。

言葉を発する前のゆりやんを観て、「痩せてる〜」「かわいい〜」、そんな声があちらこちらから聞こえてきた。私も同じように心の中で思った。でも、その5秒後にはもうそんなことはすっかり忘れていて。

オペラかと思うくらいの声量とハリ。声が通る通る! …からの、男性マネージャー(本物)を巻き込み、下ネタで圧巻の開会宣言をして、LIVEが始まった。

下ネタ。ゆりやんのネタには下ネタが欠かせない。

”ファッション”切り口で私のことを知ってくれている方が多いので、あまり大きな声では言えないけれど、私、下ネタ、好き(笑)。といっても、お色気ムンムンのアダルティーなものではなく、小学生男子か女子校の高校くらいまでのレベル(←出身者です)。好奇心旺盛さがゆえの、バカバカしい類いのもの(今だいたい頭に浮かんでいるワードが3つくらいあれば正解です)。

「いや、やっぱ下ネタっておもしろいよね!」と再確認させてくれた。雑味や不快感なんかまったくなくて、ただただバカバカしくて。膝を叩いてお腹を抱えて笑った。隣りを見ると、夫も涙を流して笑っていた。

実際に教習所で出会った先生をベースした、めちゃくちゃな交通ルールと口癖の連続で笑わせるネタ、爆音の音楽とギラギラな照明の中、水着姿でセクシーにシャワーを浴びながら(水は出ていない)お墓参りするネタ、タキシード姿でバスケのプレーのようにタップを踏むネタ、『アテンションズ』という架空の関西漫才コンビに扮して、ひとりで漫才をするネタ(これR-1でやってほしい!)………

どれもゆりやんらしい、頭のやわらかい、最高に「この人、なにやってるの!」と思わせてくれるネタだった。

でも、それだけじゃなかった。

品川駅からマンションまでの道のりで、都度都度、現在地を知らせる電話をかけてくるネタは、懐かしのホラーキャラクター・“メリーさん”がモチーフ。そのことを理解した客席からは「ひゃーーー」と悲鳴があがって、肝を冷やした(オチの下ネタでホッとさせてくれるんだけれど)。

後日『ボクらの時代』(フジテレビ)に出演した際、「いつかストーカー系ホラー映画を監督として撮ってみたい。ホラーと笑いは通ずるところがあるから」と話していた。ああ、だからあのネタが生まれたのか…と納得した。

また別のネタでは、ちょっと愛情が重めの女子が、自分の部屋から意中の相手へ電話をする。嫌われたくないあまり、気をつかいすぎて遠回しな質問をしたり、それによって自分から別れを切り出したり、思ってもいない言動を繰り返し結局振られる。電話を切ったあと、ひとりで後悔の気持ちでいっぱいになり、うなり声をあげながら床をのたうち回る。おかしくって笑ってしまうのに、切なくて苦しくてたまらない。

下ネタや全身を使って笑わせるネタ、いわゆる「ゆりやんらしい!」と広く認知されているネタはもちろん、ホラー系や切ない恋愛系。ゆりやんにとって、”笑い”のジャンルは本当に多岐に渡っていて、私たちが思うより遥かに幅広い。テレビを観て知っているつもりになっていたけれど、テレビで観ているゆりやんなんて、ほんの一部なんだということを思い知らされた。私にとって、これは新鮮な体験だった。

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ラスト45分は、ゲストのジャルジャルが登場。

『ジャルジャルさんとゆりやんのただ楽しいだけの時間』。

今回のLIVEで登場した小道具や音響を使い、3人で自由に即興でコントをしていく時間。誰かが仕掛けると他のふたりは探り探りそれに乗り、3人でオチをつける。『楽しいだけの時間』と言いつつ、芸人たちのネタづくりの瞬間をのぞき見させてもらっているような、贅沢な時間。

明るいけど、内心何を考えているかわからない薄ら恐ろしさが笑える後藤氏、突拍子もない言動と繊細な雰囲気と他者への優しさとが、絶妙なバランスで混在する福徳氏、そして、そんなジャルジャルに、後輩だけれどまったく遠慮せず真剣にふざけるゆりやん。もう一度言うけれど、本当に贅沢なものを観た。

きっと通常時のLIVEだったら、終演時間が延長していたんだろうな…というほど、3人はまだまだ続けられそうな様子だったのも印象的。

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脇汗びっしょりになるほど笑って(ブラウンのニットを着ていったからわかりにくくて助かった)、心地よい疲労感とともに帰宅した。

前回の記事で、「配信も生もどちらもいい」と書いたけれど、やっぱり単独LIVEに関しては「生がいい!」。芸人の息つぎや額ににじむ汗、ネタの選定、時間に対しての計算、そして観客が息を飲んで見つめる会場全体の緊張感……生でしか体感できない貴重な瞬間の連続がある。
(今年配信で観た、シソンヌ、東京03、もう中学生、それぞれの単独LIVEもやっぱり生の方がもっともっと味わい深かったんだろうな…と思い返した)

よし!
今よりもっともっと生の笑いを浴びに行かねば! 


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【ここからは雑談】
10月2日。今夜は、いよいよキングオブコント2021決勝。
審査員を一新する(松本人志氏以外の4人)とのことで、私なりに希望も含めて予想してみた!

①東京03・飯塚氏
:2009年王者。近年は全国的にも実力派コント師として認知されているので適任!

②サンドウィッチマン・伊達氏
:キングオブコント・ファイナリスト経験者であり、圧倒的好感度で番組的にも安心。相方・富澤氏のM-1審査員に対して伊達氏はこちらで。

③友近氏
:女性枠は欲しい! でも女性だからというバイヤスはとっぱらいたい。それなら、男女問わずコントの実力を認められているこの方を!

④小藪氏
:新喜劇座長として、往年のコント視点での審査も聞きたい。今までのキングオブコントは、関東っぽさが強かった。関西圏の視聴者の心を掴む意味でも、彼が必要。


審査員はもちろん、ファイナリストたちの勇姿が楽しみで楽しみで仕方がない!!!


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