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善意のフィルターと悪意のフィルター

以前、冷たい口調でダメ出しをしてくる上司がいました。
その方は顔つきがピリッと引き締まっていてクールな印象。
あまり表情を変えずに間違いやミスをズバリと指摘してくるので、少々怖い存在でした。社内の噂でも、その方の評価は「冷たい」「怖い」「正確」「ミスがないので信頼できる」と言われていました。

でも、不思議と、この方に嫌われているとか嫌に思ったことは無かったのです。
なぜかと言うと、その上司は間違いやミスに対しては厳しく指摘するものの、その後でネチネチと感情的になることはなく、裏でミスした部分を黙々と挽回してくれていることに気づいたからです。

クールな物言いなのは、そこに感情を込めてもなんの生産性も無いからでしょう。
相手が傷つかないように言い方に気を使いすぎると自分が疲弊するでしょうし、ただ起きた事実のみを伝えることは、お互いにとってメリットなのだ気付きました。

むしろ、間違いのまま仕事が進行しないように早めに手を打ってくれて行動してくれているから、結果的にチームの仕事は無駄がなく、社内でも頼りにされていることを知り、上司には信頼と尊敬の気持ちを抱きました。

そうなると、ミスを指摘されても感謝しかありません。
「ああ、なるほど!ここが間違えていたのですね。次回からは気をつけます。気づいてくださってありがとうございました」
と自然に言えるようになり、上司も信頼してくださるようになりました。
わたしもチームを率いる時にはこのような人でありたい、と強く思わせてくださった、尊敬できるかっこいい上司でした。

もし、わたしの見方が違っていれば。
「なによ、あの冷たい失礼な言い方。もっと言い方あるでしょうに。それに人の粗探しばかりしちゃってさ。あの人に嫌われてるのかな。あの人って仕事はできるかもしれないけど友達いなさそう〜!怖いし嫌だなあの人と働くのは。仕事もつまんないしさ。」
なんて、上司への苦手意識や仕事への不満しかなかったと思います。

同じ人でもこんな風に違った感情を抱く可能性があるのはなぜか?
これは、普段、他人に対してどのようなフィルターを通して見ているかによって変わってくるものだと思います。
言うなれば、善意のフィルター、もしくは悪意のフィルターのどちらを通すかによって、見え方って全く変わってくるということ。

善意のフィルターを通してみれば、この上司は冷静で仕事のできる尊敬できる上司です。
悪意のフィルターを通してみれば、この上司は仕事はできてもわたしに冷たく、粗探しばかりの他人に冷たい上司です。

つまり、人を見ている時には、あなた自身が無意識に何かしらのフィルターをかけているということです。
あなた自身のフィルターがどういう気持ちのもとに存在しどのようにフィルターをかけているかによって、人の見え方は全く変わります。

だから、もし人間関係であなたがどちらのフィルターで人を見るかを気づくこと。
あなた自身の考え方も価値観も変わってくるものですし、見方が変われば生きやすくもなるし生きにくくもなるということを知っておいてほしいなと思います。


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