今の思い
つまらねぇ。
はっきり言ってつまらねぇ。
まぁ正直に言うと、俺はあの子が定期的に表に出てくることがなくなってから、まず少し熱が冷めた。あの子が居てこその“場所”だと思ったからだ。あの子が目立つ活動をしなくなった以上、場所は単なる場所でしかない。
だから消えようと思った。でも、あの子から始まった流れの中で良い仲間たちと出会い、そこの縁は切りたくないと思った。だから消えるのは止めた。
あの子が出てこないのであれば、仲間たちともっと集える場所を目指そう。そうして新天地にも足を踏み入れた。
何のかんのあっても、その後も、あの場所から完全に足が遠のくことはなかった。
心のモヤモヤが晴れたのか、あの子も戻ってくるようになった。それは素直に嬉しい。
ただ、この時点で俺には不満が1つあった。それは“顔”を消したことだ。
姿を持たない者のために、一律で同じの借りの体を用意してくれたことは評価したい。そういう者たちが、唯一個性を発揮できたと言えるのが顔だった。シンボルマークとも言えた。あれがあったからこそ、共に写真を撮った時なんかに、後からハッキリと自身を認識出来た。
ところがある時から、その顔は消されるようになった。それはつまり、体を持たざるものの個性を完全に潰したことになった。
なぜそこまでする必要があるんだ。そんなに負荷のかかることなのか?
そして、今回決定打になったこと。
あの子の代わりとでも言いたげに始まったあの集まりでは、俺のような素人でも、自分の姿を見せることが出来るようになった。そうしてくれていたのだ。自分の姿を手に入れてからは、特にそのことには感謝した。
しかし、それすら無くなってしまった。それは一過性のものかもしれないが、衝撃は計り知れない。
結局、玄人好みに加速していくわけだ。俺に代表されるような、素人でも気軽に入り込める余地があったから良かったのに。
より小さな端末からの新規参入者を狙いたいのだろうが、その結果がこれか。これまでの中身を削ぎ落とす形だな。
気に入らない。個人的にな。別に大勢に賛同を求めるつもりはない。
楽しみたくばその道を必ず追求せよ。あるいは、自らが主となって場を開け。ようはそういうことなんだな? お手軽に楽しみたいというような層は要らないということか?
声も出せない、姿も出せない、顔すら出せなくなった。何を楽しめばいいんだ? 見ている側には個性なんか要らないという考えの現れなのか?
いっそのこと、加速の足枷になりそうな軽い存在はお断りと前面に出したらどうだ? 無理だよな。まともな話でさえ、ロクに告知だって出せないんだから。
あの子が嫌いになったわけじゃないし、悪いわけでもない。それは間違いのないことだ。ただ、あの子が関わっているあの場所のやり方を見ていると、今は本当につまらないとしか感じられない。
今はあまり行きたいとも思えない。
新しくなったあの場所で楽しみたい人は存分に楽しんでくれればいい。
今の俺は全然そういう気分になれない。
それだけの話。
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