#希望と絶望感想文

新型コロナの自宅療養期間が15日で終わったので、『日向坂46ドキュメンタリー映画第2弾 希望と絶望』を早速観に行ってきました。

推しメンのごとくいきなり話が脱線しますが、映画のチケットってなんでキャンセルなりリセールなりできないんですかね。公開初日に死券を作ってしまい申し訳なかったです。

さて、こんなことを呟きましたが実際のところこの20分後には凡そ感想がまとまっていたので、以下に書き残そうと思います。たぶん、皆さんが感じたこととほぼほぼ変わらないんじゃないかなーという感じです。というか、そうであってほしい(笑)

所感

まず、全編を通して、「アイドルも1人の人間」という佐々木久美の言葉に尽きる話だったなと。そして、それがビジネスとの二律背反であることを改めて突き付け続ける、今作はそういう軸の映画だと感じました。言ってしまえば、ある程度の域に達したタレント(アイドルに限らない)が通るフェーズの話でもあるのかなと思います。
そのうえで、「ファンとしてどう向き合うの?」ということを個人的には考えさせられました。この辺は後述します。

「人間であること」と「ビジネス」

シーンを挙げればキリがないくらい、この映画は「アイドルも1人の人間」であることをそのまま映していました。そこへの感情移入はこれまでしてきたつもりなので、今作ではそこは切り離して。淡々と受け止めようと無意識に心がけていた気がします。見方を誤ると、この作品の意図から逸れるだろうなというのは始まってすぐに察しました。

アイドルとファンの関係性は、大きな矛盾を孕んでいると改めて感じます。こちらがその存在を求める限り、ビジネスは止まることはないし、むしろ加速していき(現状維持が限りなく後退に近い業界だから)肉体的にも精神的にも大きく消耗させてしまう。ただそれはこの日向坂46に限ったことではなく、過去にも数多くのアイドルが直面してきた問題なので、今さらこの作品を通じてこちらがどうこう議論する話でもないのかなと。

「じゃあこの先どう向き合うか?」と言えば、変わらず応援するしかない。これはもう本当に罪深い無限ループだと思います。でも、後ろ盾がなくなることはそれはもうほぼ“終了”に等しいので、今作を経てファンとしての在り方が変わることはない。強いて言うなら、高望みはせずにある意味淡々と見届けるというスタンスに個人的にはなってくるのかな。まあ微調整はするかもしれないけど、この映画に大きく影響されるということはないです。

とはいえ、少し感情的な話をすると、乃木坂46で推している早川聖来が休養となったばかりなので、2021年上半期の加藤史帆に関するシーンはかなりキツかったですかね。早川聖来に関しては、ファンが求めている以上のものがビジネスとして走っている印象だったので、感情だけで言えば「何とかできなかったのかな」とは思ってしまうところ。ただまあビジネスとの天秤については、素人には分からない何かがあるのでしょう。

少しだけ気になったこと

2021年7月に開催されたW-KEYAKI FES.2021の様子は、今作で唯一引っかかったシーンかもしれないです。DAY2/DAY3のパフォーマンスについて苦言を呈されていましたが、あの炎天下であれ以上のものを求めるというのは、人間に対する要求としては度が過ぎているようにも感じました。

ハッパをかけている側面も大きいと思いますが、求めるパフォーマンスの水準が青天井になっている(ように感じる)のは、ショービジネスにおいて仕方のないことなのか。「そりゃツアーの中でバラバラになりかけもするよね」と思ったのが正直なところです。少なくとも鉄人レベルのメンバーが限界突破してやっと到達できる領域(ここにきて超抽象的)を、スタンダードとして求めていくのは、誰が望んでいるんだっけ?と。

ただまあショービジネスで飯を食っている人たちが言うことなのだから、おそらく一理あるのでしょう。一方で、観に来たファンとの乖離もありそうなので、『ぺこぱのオールナイトニッポン0』でシュウペイが話していた、ナオト・インティライミがライブでアンケートを取っているという件は、参考になるのかなとも思いました(余計なお世話)。

結局、あの辺の話はボヤっとしたまま終わった記憶なので、ちゃんと落としどころを見つけられたのかな、というのは少し気になっています。

総括

先に記した通り、「人間であること」と「ビジネス」の難しい関係が全編を通して映し出されていたので、既知の事実として観れた部分は大きかったと思います。衝撃映像、という感じは一切なかったです。前作『3年目のデビュー』はこちら側の解釈に委ねられる部分がところどころあったので、3,4回観た記憶ですが、今作は1回観れば内容的には十分というのが率直な感想ですかね。そういうのを抜きにして、感情を動かすためにあと1,2回は観に行く気はしますが(笑)

とりあえず、淡々とこの2年半を振り返れる映像作品だったなと思います。グループとして着実に前へ進んでいるからこその、この内容だったのかな。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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