お絵かきをしたいのだ~黎明期編~

突然だが、私は絵が描けるようになりたい。方向性はいわゆる萌え絵だ。
先日、運良く格安で液晶タブレットを入手できたので、暇を見つけては慣れないお絵かきに悪戦苦闘している。

理由は非常に安直かつ不純。
私のマイナーな需要に対する供給が無いのだ。ならば自分で描くしか無い。
ついでに言うと、絵を描くことそのものよりも、絵をみんなからチヤホヤしてほしい気分がほんの少し強っている。

よって液タブで線を引いているのも基本的には苦痛だし、こうやってnoteに記事をガタガタ打っているのも「描かないと絵がうまくならないんだよなぁ…でも気分乗らねーなぁ…」って時である。

でも描き始めると6時間ぶっ通しで描いていたりする。
で、次の日に見返して「なんだこれ…ひっでぇな…やっぱ絵なんて向いてないか…」という気分になり続きが描けなくなり、更に数日して「やっぱり描こう」となる。やっぱり6時間ぶっ通しで描く。

駆け出しといえども、絵描きとしては非常に特異な立ち位置にいるのではと認識している。
そこで、描いた絵そのものではなく、「描いている時どんな気分・思考だったのか」をnoteのほうにリアルタイムで書き残していこうと思ったのである。

何年かして振り返ったとき、「あの頃は青かったなぁ。思えば遠くへ来たもんだ」と感慨にふけるのか、こっ恥ずかしくて記事を消したくなるのか、「あぁ、ずっと描き続けていれば違ったのかなぁ」と死にたくなるのか。未来は誰にもわからない。それが運命石の扉の選択だ。

ここでタイトル回収。
私は今34歳だが、今まの人生で「(絵が)うまいor悪くない」と褒められたことが4回ある。これを黎明期編として書き残しておく。

1.小学生の図画工作で描いた風景画
あれはたしか…小学5年生のころだったか。絵を褒められたのは、記憶している限りこれが初めてだった。
内容は漁船が停泊した港の風景。一人一枚に写真が配られ、それを元に絵を描け、というものだった記憶がある。
結論から書くと、市から表彰されて数年間小学校に飾られた。手元に返ってきたのは中学生になってからだった。なんでも、波の描き方と色使いが上手かったそうだ。当然嬉しかったが驚きもした。今までそんな評価は受けたことが無かったからだ。
探せば実家のどこかにあるはずなので、見つけたらPixivにでも放り投げておこう。

2.中学校の美術で描いた自画像
あれは確か…中学2年のころだったか。
内容はバストアップの自画像。一人一枚手鏡が配られ、それを元に自画像を描けというものだ。
クラスの中でも描き上げるのがかなり遅かった記憶があるが、なんとか出来上がって他生徒の作品と共に廊下に並べられたそれは、他のクラスメイトと比して怖気が走るほどリアル調に出来上がっており、たちまち「リアルすぎる。怖い」「浮いてる」「お前が描いたやつだけ遠くからでもわかる」と評判になった。
そのときの光景は私自身もよく覚えている。私がいた中学校には中庭があり、掲示場所は教室から中庭を挟んで反対がわの廊下だったのだが、中庭ごしからでも異様な存在感があった。
これも手元にあり、たまに引っ張りだして見返すのだが、今でも直視できないほど怖い。これも写真か何かで収めてPixivにでも放り投げておこう。

3.2014年にスケッチブックに初めて描いた二次絵
社会人になり、ガキの頃の思い出など頭の片隅に追いやられ、仕事に追われていた頃。2011年の東日本大震災をきっかけにTwitterを使い始めたのだが、色々あって当時から相互フォローに絵を描く人がたくさんいた。
その人達が描いた絵を見る中で、上記のエピソードを時々思い出すようになっていた。
当時、もののけ姫の猩々のマネで「神絵師の腕食う。神絵師食って神絵師になる」というネタが流行っており、それに乗って「神絵師になりてぇなァ~~~俺もなァ~~~」という話をしていたところに「んじゃあ簡単な講座やるわ」と言い出した同人作家がいた。真風(@makaze25)氏だ。
ここで「何かの縁では?」と感じた私は、なんとなく講座に参加してみた。そうして5時間ほど?の手ほどきを受けた結果がサブタイトルである。
画材は、2010年に入手した1/3サイズのドール。これを見ながら、バストアップをスケッチブックに描いてみた。つまりデッサンと二次絵の間の子みたいな感じである。時間がないため、色つけや陰影つけはしなかった。
評判は「初めてとしちゃ悪くない」「○○(氏の名誉のために伏せる)の調子が悪いときレベル」「伸びしろありそう」といった感じだった。
だが、同時に私自身としては「卒倒しそうなレベルでヘタクソ」と感じた。やっぱり向いていないようだ、というのが素直な感想だった。
もともと筆圧がおそろしく強く、長時間ペンを持てないタイプの人間なので、アナログ(スケッチブック)にまともに絵を描いたのはそれきり。仕事が忙しいのもあり、ここから6年、次の絵に手を付けることはなかった。

4.2020年、人生初のデジタル二次絵With液タブ
ようやく時系列は現代に戻る。2014年に絵を描いたきりだが、心のどこかで「もっと頑張ればそこそこのセンはいけるのでは?」という思いが残っていた。いや、もっと正直に話そう。驕りという言葉が最も似合うだろう。そういったものが心の底に残っていた。
ときどき液晶タブレットの値段を調べていたのが、それを如実に表わしている。「アナログは体質で無理だけどデジタルならイケるんじゃねえか?」と。
そんな中、詳細は伏せるが平日も趣味に没頭できる環境が訪れた。念の為言うと、無職になったわけではない。さらに、購入候補の一つだった液タブの中古が格安で放出されていたのを見つけ衝動買い。
こうして私は製図用0.3mmシャープペンシルからスタイラスペンに持ち替え、また絵を描き始めることを選んだのだ。
5月~6月にかけて、再び真風(@makaze25)氏に教授を乞うとともに、
・購入した有償ソフト「CLIP STUDIO Pro」
・WebのHowTo記事
・Twitterでこつこつと集めていたHowToツイート
・いつでも参照できるように「モルフォ人体デッサン」という物理書籍
・著名漫画家&イラストレーターの画集
・デッサン人形として、2014年の画材と同一のドール
を手に戦いに挑んだ。
画材は、2014年と同じくドール。ただし、着ている服は違う。
また、今回は自分に枷を設けた。
1.「アナログは握力の問題があるためフルデジタルで描く」
2.「すでに液タブに投資したという事実で退路を経つ」
3.「CLIP STUDIO Proという有償ソフトを購入し退路を経つ」
4.「Twitterに『液タブ稼働したwww』と投稿し退路を経つ」
5.「どうしても描き方がわからないところ除いてトレスしない」
6.「バストアップしか描いたことがないので、膝から上の全身を描く」
7.「たとえ何時間かけても、ペン入れしてフルカラーで描き上げる」
以上の7つだ。
かくして、期間約一ヶ月、のべ数十時間を費やした末の6月24日午前1時、上菖蒲初のデジ絵は完成した。最大の懸案事項だった筆圧の問題は、スタイラスペンではなぜか発生しないことも確認できた。
あえて載せよう。pixivのこのイラストだ。同じものをTwitterにも投稿した。
はじめての液タブ | 上菖蒲貞義 https://www.pixiv.net/artworks/82530103
これを書いている7/11日現在で、既に「なんでこんなもん投下したんだろう」と穴を掘って埋まって鉄板で蓋をして溶接して即身成仏でもしたい気分である。
さて、この絵に対する周囲の評価は、定量的なものが「Twitterで6RT・11Fav・フォロワー3減、pixivでview95・Fav5・ブックマーク4・フォロワー6増」、評判としては「初めてにしてはメチャメチャよく描けてる」「ドール写真を撮り続けていたぶん経験値が入っている」というものだった。
定量的な部分については、どういう意味を持っていたのか死ぬまで知ることはできないだろう。評判としては「ハチャメチャに嬉しい」の一言に集約される。

さて、ここまで読んでいてお気づきの方もいるかもしれないが、どうやら私は写真や鏡に写ったモノの模写は比較的得意だが、ゼロから何かを描くスキルはほとんど持ってないようだ。ついでに言うと、工業高校時代の製図の授業で学んだ知識が良くも悪くも影響しており、気を抜くと各パーツが真正面を向く形になりアタリが崩れるようだ。

この後、「モルフォ人体デッサン」という物理書籍を元に手や足のデジタルデッサン?に何度か挑んだあと、2枚目は「足を含め全身を描く」「背景も描く」という枷を設けて描き始めた。

お絵かき楽しいかもしれない運転編に続く。

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