Rainrainrain

悲しみの雨と涙は血液だと教えてくれた彼女。
梅雨だと切り出し口走ったあの子は窓辺から見える海に少しうんざりしていた。「海は大きいはずなのに小さく見えてしまうの。」
岸辺に落ちてた東の贈り物を僕は颯爽と零さない様にじっと抱え込んでいた。
自分と僕との距離を測ってみたけど、5cmにも満たないのは雨道で湾曲した内部が玉砕したせいだろうか。血の味で滲む口内、サイダーを飲んでヒリヒリとしたが痛覚以上に落ち着かない心がそこにはあった。低気圧を題目に話しかけた彼女、視覚と視覚の狭間に清掃された降きしれぬ哀れみの運命。運命論者になりたかった17の四季の先端で僕の小雨は降やむだろう。
ニキビを潰した、猫を撫でてみた、「、」「、」
主語の強調となる記号的晴天
遥々、風を畳み夜のドライブに快感を覚えた18の9月。
ずっと小雨が降っているが何故か濡れた感じはしない。何処かで晴れ模様があるのなら教えて欲しい。傷は段々と痛みを増し膿は放出され湯気の丁度加減に微笑みを忘れた8月の6月。
馴らされた過去を走り去る数学者、言葉が端麗に配列されたら真宵に迷い込むのでしょ。
行方不明者が4月1日に発見された。場所は暖碧と尿器官の中通り。下通り巡り巡ってあの子と再開した。地学で習った梅雨前線に祈りを捧げるばかりで。
終わりにしようと月始めにビルの屋上から飛び降りた。僕は行方不明者になった。

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