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映画 「ベイビー・ブローカー」

「なーんで母ちゃんばっかりに責をおわせるのかな・・・てか父親は不問なんスか?なんで?」というのは子を産んでから常に疑問です。子に対して、母が重要でないとは思わないけど、
それにしてもこの、他者からのプレッシャー、要るか?
ていうか「あなたのために」っぽい言い方だけど、わたしの役に立ってんのかこれ・・・?
いや、むしろ苦しいっつーか、抑圧されてねえかわたし・・・?
あんたら当然のようにマイクロアグレッションしてくれてるけど自覚あります・・・?
ああでも、あたし自身、だれかにやってるかもしれんな・・・(遠い目)

というモヤモヤに寄り添うだけでなく、赤子を中心に母、父、まわりの人間、社会はどう関わっていくのがよいのだろうか?と光をさがして自問してゆく映画です。

「女はオートマチックに母になるが、男はそうではない」
という自身の発言への後悔から、この映画を撮ったという是枝さん。さいきんわたしは、エラいおじさん(てゆーか政治家)を目の敵にしている節があるが、こんな風に弱者にコミットしようとするエラいおっちゃんもいるのだな、と思うとマジで救われるな。ありがてえ。

母になる戸惑いを表現するなら、第二次性徴をむかえたときの苦悩&混乱を想像してもらえれば、まあまあ近いんじゃないでしょうか。
あれもまあ、ツルッと女になるわけじゃあないよね。
「え、おれ男になるの?」「え、あたし女になんの?」
とか思うか思わない間に、ホルモンやら何やらで、訳の分からんこと考えだすわ、するわで、
それもまた恥ずかしいが、でも衝動に突き動かされちゃいそうなのに、社会はそれをしらんぷりするので、まるでじぶんが犯罪者かのように、なんとなく心細く、「じぶんって、人から見てちゃんと男/女やれてんのかな・・・」と七転八倒し、恥と傷を量産しながら、気がついたらなってた、ってやつです。
それがジャスト「わたし母親やれてんのかな」でございます。

世間や文化や社会の手垢がべっとりついた母親像に、
ひとりの女を軟禁させている(ひとりじゃないけど)ヤツら、自覚持てよなお前ら、
という映画でもあります。

このようにあかほしは触発されて殺気立ってマジメにしゃべってますが、映画はいたってたのしく観れます。おもしろかった。ひろくおすすめ。

是枝さんのインタビューもおすすめ。おもしろかった。https://www.cinra.net/article/202206-broker_iktaycl

公式HP
https://gaga.ne.jp/babybroker/

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