映画「燃ゆる女の肖像」

丁寧に作られた作品だと思います。
ねちねちと絵具がキャンバスにのっていくシーンが印象的。
島へ訪れた絵描きねえさんと、モデルをするねえさんが肖像画制作するなか惹かれ合うという話なんですが、観察する側だったはずの絵描きねえさんが、次第にモデルねえさんに観察され、2人の視線がぐるぐると循環していくんですね。そこがおもしろかったです。

絵具のもの悲しさと、この物語のもの悲しさは、あえて韻を踏んでるのかな。仮に「絵具を置くことを覚悟、絵はその集積」と考えてみるとストーリーともかなり響き合うな・・・あれ、ひょっとしてそういう映画だった?この物語のだいじな布石となる神話もでてくるんですが、絵の成り立ちはそこへもひっかけてあるのか。絵と女たちの生きざまと神話が幾重にも重なってますね・・・あちゃ〜今さら気づいた、わたしは何を見ていたんだ!(笑) オシャレなことするなあ。

ねちょーっとした湿度のある視点に伝統を感じました。いい意味です。

https://gaga.ne.jp/portrait/?fbclid=IwAR1sKt5Wo7RNYsysg3fwyCgIA50bBzelyO8LR47KpjXHG_epmE1zWikVBPg

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