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映画 「主婦の学校」

「布とかかわいいし、あれこれ全体的にオシャレだし、北欧ってなんかステキ」
っていう層がターゲットなんでしょうか。
・・・と劇場へ足を運ぶと意外にマダム層(けっこうご高齢)が多かった。
私は冒頭のミーハーな気持ち半分、北欧が"主婦"というものをどう捉えているのか知りたさ半分で見にいきました(主婦ってなんなんでしょうね)。

すてきな料理、ていねいな暮らし、広大な自然etcを、学校の講師や生徒、卒業生の語りとともに紹介してました。「環境問題にも配慮します」とかなんとか。
冒頭からすこしイヤな予感がした。見るからに"食べ過ぎ"な人が多い。
その予感は、オイリーな調理シーンのたび強くなり「もしや・・・」と思った終盤、卒業生が「ここに来るとすごく太っちゃうんですよねw」と語った。

ついつい食べ過ぎちゃうような生活の気だるさ。そこへドロドロと埋もれていく感じは「ステキな北欧」でさえそうなのか。鑑賞前のミーハー心は粉砕され、北欧に対する曖昧な劣等感はなくなりました。むしろ、あきらかに食い過ぎな生き方をしてるのに「環境問題に配慮してます(キリッ)」って言えてしまう人間くささに安堵した。わたしのなかの"北欧なんかステキ"信仰が死にました。かなしいけど、これでよかったんだと思います。
"主婦"というものについては、「着れる服は直して着ようぜ」っていうところはよかったな。
他はすべて「ていねいにてづくり!」に集約される気がする。でもそこはまあ、好きなひとはすればいいし、そうでもない人はすなおに他の好きなことへ注力すればいいよね、と思います。

学校ではもっとディープなこと教えてるのかも知れないけど、映画で見るかぎりは"なんかステキな暮らししてる"っていうことの他に、なにかあるってかんじはしなかった。思いのほか内容がなかった。印象としては新興宗教のPR映像にちかかったです。雰囲気と結論だけつよくて、内容が「え?どゆこと?」という構造が。

そんなわけで北欧ステキ信仰を問い直したい人にはオススメだけど、いないかそんな人。

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