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漱石印譜





































始2 3 4 5 6 7 8 9 80 m 1 2 3 4 0.8 3一〇〇〇〇〇〇〇一〇=11 12008030311
33.6.25
松下大三郞木村正辭井上賴〓監修東京續國歌大觀編纂紀元增補改版社歌集發吉田待郞氏寄贈本行
例言一本書は歌集、索引の二部より成り、古歌の一句に由りて其の出典を求むるに便ずるものなり。一歌集部は主として家集を採り、又諸種の歌合及び私撰集なる古今和歌六帖を收む。原本は皆流布本に據り異本を以て之を校訂せり。勅撰集及び萬葉集、新葉集は正編に收めたるを以て之を載せず。一歌集部には索引に便ぜむが爲に、各歌に數字番號を附せること正編に同じ。但し卷首より卷末に至るまで單一なる通し番號を用ゐたるを以て索引の際書名を須たずして直に其の歌の所在を求むべし。又その數字は五字の多きに亙るが故に、各歌の頭には略して終の二字をのみ記し、別に欄外に其の頁の最初の歌の番號の全數字を記せり。一索引部は歌集部に存する歌句を五十音順に排列し、且つ各句の下に歌集部と符合する番號を記入せるものなり。而して同一の句五つ以上ある時は其の句の次行に「-」を以て其の句を代表せしめ「-」の下に其の次の句を記し、以て徒に一々歌集部を繙くの煩を輕減せり。今左に索引の方法を例示す。
2例或る人の歌に「鳴立つ澤の」云々の詠あり。今其の全歌を求む索引部「し」の部を引くに「しきたつさはの七四五七」とあり。歌集部を繙き欄外の標記「七四三七」に由つて其の頁に「(七四)五七」を求むる時はな心無さ身にも哀は知られけりしぎ立つ澤の秋の夕ぐれとあるを知り、同時に山家集所載にて西行の詠なるを知る。平家物語小督の條に、「小鹿なく此の山里と詠じけむ嵯峨のあたりの秋の頃」とある引歌の本歌を求む。索引部「を」の部を引くに「をしか二五八〇二」とあり。なく」とありて下に番號無く、次に「-このやまさとの歌集部の欄外の標記番號「二五八〇〇」の頁に「〔ニ八大〇二」を求むる時は嵯峨にまかりて鹿の鳴くを聞きてよめる°小鹿なく此の山里のさがなれば悲しかりけり秋の夕暮とあるを知り、且つ基俊集所載同人の歌なるを知る。一今囘の新版は和泉式部集を補ひたり。記載の位置は時代順に據らずして特に之を卷末に置き、他の集の番號を舊版と異なる無からしめ、舊版をして索引に支障なからしめたり。大正十四年十月編者識言編者識續國歌大觀歌集部目次六家集長秋詠藻(俊成)秋篠月〓集(良經)拾玉集(慈鎮)山家和歌集(西行)拾遺愚草(定家)拾遺愚草員外(定家)千二集(家隆)歌仙家集柿本集躬恒集素性法師集猿丸太夫集、家持集0業平集川崎駅敦忠集4公忠集齋宮集敏行集宗于集〓正集興風集是則集小大君集能宣集兼盛集貫之集伊勢集赤人集遍昭集源順集元輔集朝忠集高光集則集集忠岑集賴基集源重之集信明集元眞集、仲文集忠見集中務集諸家集大江千里集元良親王御集·〓愼公集(藤原實賴)西宮左大臣御集(源高明)海人手子良集(藤原師氏)御堂關白集(藤原道長)本院侍從集〓少納言集紫式部集伊勢大輔集曾丹集(曾禰好思)四八西四元奏冨三八100三二九五一五二一·五三一吾五六八三八西口西四三五四四至五七癸表八五十三三七七0〓四一二三五四大六四三三三·四二八四元三四三五四三六三宅BAND四四三五四四三四六、·五八一五五五九〓五九九층·六〇五〓充츠三六人ル目次1
2目實方朝臣集前大納言公任卿集祭主輔親卿集馬內侍集藤原長能集惠慶法師集安法法師集小馬命婦集爲賴朝臣集閑院左大將朝光卿集權中納言定賴卿集藤原義孝集大貳三位集源賢法眼集出羽辨集祐子內親主家紀伊集大納言經信卿集辨乳母集津守國基集讃岐入道集(藤原顯綱) C〓輔朝臣集寂然法師集左京大夫顯輔卿集·故刑部卿集(平忠盛)·藤原基俊家集式子內親王集北院御室御集待賢門院堀川集(守覺法親王)權中納言俊忠卿集中納言雅兼卿集成通卿集登運法師集六三三六九九突、六七一六七六六合六九六百源三位賴政卿集相如集二條院讃岐集小侍從集按納言集忠度集(長方)前大納言實國卿集入道大納言資賢卿集鴨長明葉源師光集源有房朝臣集惟宗廣言集金槐和歌集(源買朝)慕景集(太田道灌)慶運法印集藤原隆祐朝臣集俊成卿女集菅原在良朝臣集兼好法師集私撰集並歌合亭子院歌合寬平御時后宮歌合古今和歌六帖天德四年内裏歌合六百番歌合高陽院七番歌合千五番歌合補遺和泉式部集公式八日八六八八四公元·八五六八五公山六九七六八五公々入五八人六大六八五20mか三二ひつ次cooさられ125七六1124六八2cm2其其ヒートロ1251賣喜000七七六大奏六日赤ロ-〓(00)△三ハンス一〇三一一〇三七一〇四一一〇四九一〇五四二三之一遺一一六四續國歌大觀松下大三郞編長秋詠藻1次く風の心と散らす花ならば梢に殘す春もあれかし道遠く何たづぬらむ山櫻おもへば法の花ならなくに櫻花待つと惜むとする程に思ひもあへず過す春かなヘ〓花麓の小田の苗代はたねよりさきに花ぞ散りけるル丈夫は同じ麓をかへしつゝ春の山田においにける哉〓行末の霞の袖を引止めて絞るばかりや恨みかけまし夏歌十首「夏くれば衣更して山賤のうつぎ垣根も白がさねなり二千早振かもの社の葵草かざす今日にもなりにける哉さらぬだに臥す程もなき夏の夜を待れても鳴郭公哉郭公鳴き行く方にそへてやる心幾度こゑを聞くらむ五月こそなれが時なれ郭公いつを迄とか聲惜むらむ夏もなほ哀はふかし橘の花散るさとに家居せしより五月雨はたく藻の煙打しめり潮たれ增る須磨の浦人ヘ庭庭面面苦苦のうへに唐錦しとねにしける當夏の花た小舟さし手折りて袖に移しみむ蓮の立葉の露の白玉三〇いいととも惜くやは非ぬ年月を御禊に捨る夏の暮哉秋歌二十首一八重葎さし籠りにし蓬生に爭でか秋の分て來つらむ〓〓の葉も葉ありてや秋風の訪づれ初むる妻となる覽七夕の舟路はさしも遠からじなど一年に一渡りする〓水〓つき植し山田にひたはへて又袖濡す秋は來に鳬長秋詠藻上久安の頃崇德院に百首の歌召しゝ時たてまつりし歌春歌二十首一春來ぬと空襲に著きは春日山嶺の旭のけしき也けりニ霞立も雪も消ぬや三吉野の御垣が原に若菜摘みてむ〓梅が枝にまづ咲花ぞ春の色を身に占初むる始也けるロ我が圃を宿とはしめよ鶯の古巢は春の雲につけてき五冬枯の裾野の原をやきしより早蕨あさり雉子鳴く也哀哀にも思ひ立つ哉歸る鳥流石に見ゆる春のけしきをセながめする綠の空もかき曇り徒然まさる春雨ぞふる入紫の根はふよこ野のつぼ菫ま袖に摘まむ色も睦ましカ山櫻咲くより空にあくがるゝ人の心やみねのしら雲〓いか計り花をば春も惜むらむ且は我身の限と思ひて一つらき哉などて櫻の長閑なる春の心に倣はざるらむ一散る花の惜しさを暫し知せばや心がへせよ春の山風一味氣なき何迚花の惜からむ我身は春のよそなる物を〓櫻花思ふ餘りに散る〓との憂きをぞ風におほせつる哉長秋詠藻上1
一何事も思ひすつれば秋は尙野邊の錦の妬くもある哉本終夜妻とふ鹿の胸分にあだしまはぎの花散りにけり七身の憂も誰かはつらき淺茅生に怨ても鳴く虫の聲哉ミニタされば野邊の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里218 露繁き花の枝毎に宿りけり野原や月のすみかなる覽〇〇石ばしる水の白玉かず見えて〓瀧川にすめる月かな「月よりも秋は空社哀なれ晴ずばすまむかひ無らまし一月の秋數多經ぬれど思ほえず今宵計の空のけしきは〓いかにして袖に光の宿る覽雲居の月は隔てゝし身をその時暫く爲地下故云々秋の月も又もあひ見む我が心盡しなはてそ更科の山10月も日も別ぬ物を秋來れば夜を長しとも誰定めけむ夢さめむ後の世迄の思出に語るばかりも澄める月哉〓此の世には見るべくも非ぬ光哉月も佛の誓ならずばAW衣うつ響は月の何なれや冴えゆく儘に澄み昇るらむ和山川のみづの水上尋ねきて星かとぞ見る白菊のはな0m元元の霜置添へて行秋はつらき物から惜くもある哉冬歌十首エいつしかと冬の徵に立田川紅葉とぢまぜうす氷せりニーム疎旗して洩らぬ時雨は木葉也鳬ヨ風さやぐさよの寢覺の寂きに班れ霜ふりたづさはに鳴一月月み千鳥鳴くなり沖つ風吹飯の浦の明けがたの空1月牙ゆる氷の上にあられ降り心くだくる玉川のさとメニ空にみつ愁の雲の重なりて冬の雪とも積るなりけり〓雪ふれば道絕えにけり吉野山花をぞ人の尋ねし物を冬冬の夜の月と雪とを見る程に花の時さへ面影に立つガム小野山や燒く炭竈にこり埋むつま木と共に積る年哉〓行年を惜めば身にぞ止るかと思入てや今日を過まし戀歌二十首〓思ふより頓て心の移りぬる戀は色なる物にぞ有ける〓散らば散れ岩瀨の杜の風に傳へやせまし思ふ言の葉年年れれと人の心はつれなくて涙は色の變りぬるかな味味なや思へばつらき契哉戀は此世に燃るのみかは深深ししも思はぬ程の思ひだに煙の底と成るなる物をおお山山岩岩ののききぬなは深き戀路に何亂れけむ人心浮田の杜に引くしめの斯てや頓てやまむとす覽メー涙川袖のみわたに沸返りやる方もなき物をこそ思へ九六露結ぶまのゝ梢のすが枕かはしてもなど袖濡すらむ〓〓戀をのみ飾磨の市に立つ民の堪ぬ思に身をや替てむいかにせむ蜑のさかてを打返し恨ても尙飽ずも有哉志草つみにこしかど住吉の岸にしもこそ袖は濡けれ思想び見し佛はさて置きて戀せざりけむ折ぞ戀しき〓いか計り我を思はぬ我心わが爲つらき人を戀ふらむ七此を人みのく何みけ憂憂を尙こふる心もつれなかり鳬戀しきに憂もつらきも忘られて心なき身に成にける哉厭ふべきこは幻の世中をあな淺ましの戀のすさびやNヒしき忍ぶ床だに堪ぬ枕にも戀は朽せぬ物にぞ有ける始なき昔思ふぞ哀なるいつより戀にむすぼゝれけむ本一言不足雜歌二十首神祇二首〓返りりのの木綿懸つらむ神さびにけり住の江の松〓思ふこと三輪の社に祈りみむ杉は尋ぬる印のみかは釋〓五首華嚴一ささ高高の花は匂へども麓の人は知らずぞ有ける方等聞初めし鹿の苑にはとかへて色々になる四方の紅葉般若雲雲皆皆しとゝくに空晴て月ばかりこそ澄增りけれ法華遙遙も匂ひけるかな法の花後の五百年なは盛りなり2五三上義詠秋長大經惜む哉月の御顏も影消えて鶴の林にけぶり絕えけむ無常二首世の中を思ひ列ねて詠むれば虛しき空に消ゆる白雲常にすむ鷲のみ山の月だにも思知れとぞ雲隱れける離別一首曉は聞きて出でつる別路をやがて暮すは涙なりけり〓旅五首。浦づたふ磯の苦やのかぢ枕聞きも習はぬ波の音かな一遙なるあしやの沖の浮寢にも夢路は近き都なりけりこはは山山の下葉を折敷きて今宵はさねむ都戀しも我が思ふ人に見せばや諸ともに隅田川原の夕暮の空生馴れしすみかも常の栖かは旅を旅とも何思ふらむ慶賀歌二首君が代は斧の柄くちし山人の千度歸らむ時も變らじ誠にや松は十返花咲くと君にぞ人の問はむとすらむ物名二首霞柳櫻花の色の飽ずみゆれば歸らめや渚の宿にいざ暮してむ月鈴蟲紅葉や峯績き山邊はなれず住む鹿も道たどるなり秋の夕暮短歌一首えききやややまと島根の風として吹き傳へたる言の葉は神の御代よりかは竹のよゝに流れて絕せねば今もはこやのやま風の枝も鳴らさず靜けきにむかしの跡を尋ぬれば峰の木ずゑも懸しより四つの海にも波立たず和歌のうら人數そひて藻汐のけぶり立ち增り行く末までの例しとぞしまの外にも聞ゆなるこれを思へば君が代にあふくま川は嬉しきをみわたに懸る埋れ木のなづめる言葉から人のみよ迄あはぬ嘆きにも變らざりける身の程を思へばかなし春日やま峰のつゞきの松が枝のいかにさしける末なれや北のふぢなみ懸てだに云にもたらぬ下枝にてした行く水にこされつゝいつゝの品に年ふかくとをとせ三も經にしよりよもぎの門にさし籠りみちのしば草老果てゝ春のひかりはこと遠く秋は我が身の上とのみつゆけき袖を如何とも訪ふ人もなき槇の戶になほあり明の月かげをまつとがほに詠めても思ふこゝろはおほ空の虛しき名をぞ自づから殘さむことも綾なくに難波のことも津の國の蘆のしをれの刈捨てゝ荒びにのみぞ成にしをきし打つ波の立ち返りかゝるみとの畏こさに入江の藻くづ掻つめてとまらむ跡は陸奥の信夫もぢずり亂れつゝ忍ぶばかりの節やなからむ反歌○山川の瀨々の泡消ざらば知られむ末の名こそ惜けれ堀河院の御時の百首の題を述懷によせて詠みける歌保延六年の頃のことゝかや春歌立春。去年も偖暮にきと思へば春立と聞より兼て物ぞ悲き子日°春春野の松の古枝の悲きは子日にあへど引人も無し霞。0いつしかと春は霞の越て行く音羽の山や我身なる覽鶯2花咲かぬ宿の梢はなか〓〓に春とな〓げそ鶯のこゑ若菜〓澤に生る若菜ならねど徒に年を積むにも袖は濡けり殘雪八六3
か春知らぬ越路の雪も我計り憂きに消せぬ物は思はじ梅b數ならぬ袖には占じ梅の花此世に止る妻ともぞなる柳xo春雨に玉ぬく柳かぜ吹けば一方ならで露ぞこぼるゝ早蕨からやかめやおどろの道の早蕨hibe 跡を尋ぬる折しありなば櫻の埋木となり果てぬれど山櫻惜む心はくちずもある哉春雨一春に逢はぬ身を知雨の降込めて昔の門の跡や絕なむ春駒かかかりと今は我身を水のえに何とて駒の立廻る覽歸雁雲の上に行通ひても音をぞ鳴く花咲時に逢はぬ雁音喚子鳥堪ぬだにあらましかばと思人戀しさ添ふる喚子鳥哉苗代〓ぬぬ共ひきはありかじ山水の有に任せむ小田の苗代菫菜菫咲く淺茅が原に分けきても唯ひと道に物ぞ悲しき杜若世を厭ふ宿には植ゑじ杜若思ひ立つ道かこひ顏なる藤ヘ播播潟藤江の浦にみつ汐の辛くて世にも沈みつる哉欵冬た身のうさに重て物を思へとや移ろひぬらし山吹の花三月盡°世の中を歎く涙は盡きもせで春は限となりにける哉夏歌更衣一花の色は今日脫更ついつか又苔の衣にならむとす覽卯花〓山賊の垣ほあたりに宿るかな世を卯の花の盛なる頃葵神山にひき殘さるゝ葵草時にあはでも過しつるかな郭公身のうさは問ふべき人も訪はぬ世に哀に來鳴く鵬哉菖蒲けけは又萬蒲の根さへかげ添へて亂ぞ增る袖の白玉早苗早苗をば懸し我身よ奧手とも思はゞ賴あらまし物を照射七丈夫は鹿まつ〓とのあればこそ繁き歎に堪へ忍ぶらめ五月雨N五月用はまやの軒端の雨灑ぎ餘なるまで濡るヽ袖哉花橋思思きき花花橋に斯ばかり憂身ながらにあらむ物と蟹螢cn閨の內も螢飛びかふ物思へば床のさ蓆朽やしぬらむ蚊遣火ニー白雨の灑ぎて過ぐる蚊遣火の濕りはてぬる我が心哉蓮「獨にもしまぬ蓮の身也せば沈む共世を歎かざらまし氷室理埋てれぬ消室の例にや世に長らへばなかむとす覽泉我といへば涼しき水の流さへ岩間に咽ぶ音きかす也六月祓11思思事事盡きねとて御禊する川瀬の波も袖濡しけり秋歌立秋上藻詠秋長〓〓きき〓と聞より袖に露ぞおく今年も半過ぬと思へば七夕に何事を我なげくらむ星合の空を見るにもみつ涙かな萩見見るからに袖ぞ露けき世の中を鶉鳴く野の秋萩の花女郞花加身のうさにえぞなづさはぬ女郞花花の名をさへ惜と思へば薄c浮浮には門させりとや思ふ覽出がてにする篠の小薄刈萱一荻原や繁みにまじる刈萱の下葉が露に萎れはてぬる蘭一一袴袴あらしたちぬる色よりも碎けて物は我ぞ悲しき荻我神は〓の上葉の何なれや戰めくからに露こぼる覽初雁歸歸てり又は又來る雁よ言とはむ己が常世も斯や住憂き鹿五世世中中の道よそこなけれ思入る山の奧にも鹿ぞ鳴なる露大葉栞する楢の葉柴に散露のはら〓〓と社音は泣れけれ霧セタタぐれ霧立渡る鳥部山そこはかとなく物ぞ悲しき槿xm咲てこそ消ゆとも消えめ露の間もあな美まし槿の花駒迎kk東路や引も休めぬ駒の足の稍なづみける身に社有けれ月〓慰むと誰か云けむ詠むれば月こそ物は悲しかりけれ擣衣一長き夜に衣搆つなる槌の音のやむ時もなく物を思よ蟲ユさりともと思ふ心も蟲の音も弱り果てぬる秋の暮哉菊五二憂身には餘なるまで見ゆる哉匂みちたる宿の八重菊紅葉〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓そへて脆くなり行く我が涙哉元九月盡五五うき身故何かは秋もとまるべき理なくも惜みける哉冬歌初冬がささはは野原もいとゞ霜枯れて物寂しくも成增る哉時雨4時時るもよそにや人の思ふ覽憂には袖の物にぞ有ける霜ハム皆との霜となれとや露の身を草の末葉に結び置けむ霰五なさゆる夜におつればこほる淚こそ枕の本の霰也けれ雪柚山や梢におもる雪折れて堪へぬ嘆きの身を碎く哉蘆〓身の憂に折臥ぬれば亂蘆の世をば難波の何か怨みむ千鳥行方なくあくがれぬ共濱千鳥止らむ跡を誰か忍ばむ氷春日山いかに流れし谷河の末を氷のとぢ果てぬらむ水鳥水の上に爭でか鴛の浮ぶ覽陸にだに社身は沈みけれ網代〓身を寄む方社無れ宇治河の網代を見てや日を送らまし神樂つつ〓〓〓と〓覺て聞けば里神樂詫言がましき世に時上藻詠秋長
〓あかつきとつげの枕を敬てゝ聞くも悲しき鐘の音哉松こううりりりりののの山に波こせとやは思置きけむ竹いかにせむ賤が園生の奧の竹かき曇る共世中ぞかし苔岩たゝむ山の片その苦むしろ長なへにも物思ふかな鶴1年年にも若の浦わのたづならに雲ゐを見つゝ慰てまし山が憂身をば我心さへふり捨てゝ山のあなたに宿求む也河最上川瀨々に堰るゝ稻舟の暫しぞとだに思ましかば野〓露けさは我身のさがぞ小倉山麓の野邊の秋ならね共關(二就)八か世中は關戶にふなる逆も木のもかれ果ぬる身にそ。けけれ橋20年經とも宇治の橋守我ならば哀と思ふ人もあらまし海路一磯隱れま楫しげぬき漕ぐ舟の早く浮世を離てしがな旅ニ天天鄙の長路に日數經て落ふれぬべき身をいかにせむ別思ふ人なしと思ひし世中にこは又いかに惜しき別ぞ山家谷川も枕の本に聞くほどに頓て寢覺の床ぞうきぬる田家1世の中は秋の山田の庵なれや畦の通路忙しかるらむ九懷舊我心あれ行く宿となりにけり昔を忍ぶ草のまもなし六鷹狩狩暮しあはする鷹の岑越に行く末知らぬ程ぞ悲しき炭竈メル煙立つ小野の炭竈我なれや歎を積みて下にもゆらむ爐火山賊の榾差合せ埋む火のあるとも無て世をも經る哉除夜〓さり共と思し程の年だにも暮るゝは易き空無りしを戀初戀一洩しては袖や萎れむ數ならぬ身を耻かしの杜の雫は忍戀ニ〓ににみみ沈む三稜のくり返し下に亂れて已ぬべき哉不逢戀三十恨ずや君にのみかは大方の世にも逢ふてふ〓とし無れば初逢戀達見ても夢かとのみぞ辿らるゝ嬉しき〓とは現ならじと後朝戀暮にしも契ざりせば世中に待事無てやみぞしなまし遇不逢戀物思に重ねし袖は更に又返してさへは歎くべしやは旅戀世の中はうき節繁し篠原や旅にしあれば妹夢にみゆ思ル胸にせく煙は高く立つ物を我身は人のしもに成ぬる片思憂身をは我だに厭ふいとへ共そをだに同心と思はむ恨ひとにかくに身には恨の滿々ちて面を拜む方ぞ覺えぬ雜歌曉上藻詠秋長夢しゅうき夢は名殘迄こそ悲しけれ此世の後も尙や歎かむ無常ハ石をうつ光の內によそふなる此身の程を何歎くらむ述懷四四方の海を硯の水に盡す共我思ふ事は書もやられじ祝○うき身也かけて思はじ中々にいふ限なき君が千年はto山櫻咲やらぬ間は暮〓に待たでぞ見ける春の夜の月大炊御門右大臣まだ納言に物せられし時三條の對の前に櫻盛りなるとて會せられし時00君が住む宿の梢の花盛けしきことなる雲ぞ立ちける其の後幾何の年も隔てず皇太后宮后に立ち給ひし時わざと此の歌の喜云はれたりき保元四年の春內裏の御會に花有喜色といふ〓とを詠ませ給ひし時加九重に匂をそふる櫻花いく千代春に逢はむとすらむ同じ春內裏の御會に禁庭の柳垂といふ心を〓春來れば玉の砌をはらひけり柳の糸や伴のみやつこ家の十首の歌の中に花一み吉野の花の盛を今日見れば越の白嶺に春風ぞ吹く三月朔日頃日吉に詣でゝ歸るに法成寺の花面しろかりしかば參りて金堂前花の散る下に佇みて〓古りにける昔を知らば櫻花ちりの末をも哀とは見よ歌好む者共法勝寺に會して十首の歌よみし時花の歌とて詠める一花に飽で遂に消なば山櫻あたりを去らぬ霞とならむ左大將實定の十首の題のうち花留客と云ふとを尋ね來る人は都を忘るなとねにかへり行く山櫻かな故女院彼岸御念佛の會の中關路落花と云ふ心を足柄の山の手向に祈れどもぬさとちりかふ花櫻かな同じ會の中の橋邊六八橋に翠の糸をくりかけてくもでにまがふ玉柳かな西行西住などいふ上人共詣で來て對花思西といふ心をよみしに散花を惜むにつけて春風の吹やる方に眺めをぞする田家鶯、彼岸の御念佛會の中ますらをが秋のをしねを松垣にまだ春深き鳥の聲哉三月盡日法印靜憲が許より贈りたりしな花は皆四方の風に誘はれて獨や春のけふは行くらむ長秋詠藻中春歌家に十首歌人々詠せける時立春の歌とて讀める。年のうちに春立ちぬとや吉野山霞かゝれる峰の白雪正月朔日の頃大原に詣づとて松原の霞めるをco春霞立ちにけらしな小鹽山小松が原の薄みどりなる右大將實定卿の許に十首の歌詠むとて贈られし題の中遠村の霞といふ心を50朝戶あけて伏見の里に眺むれば霞に咽ぶ字治の川波故女院醫白河の押小路殿にて彼岸の御念佛ありし七日の程人々毎日會せむとて歌詠みし中に羈中霞といふ心を何となく物哀にも見ゆるかな霞やたびの心なるらむ刑部卿賴輔朝臣歌合すとて歌加ふべき由云ひしかばよみて贈りし五首の中、歸雁o。聞く人ぞ涙は落つる歸るかり鳴きて行くなる曙の空崇德院近衞殿に御幸ありし日遠尋山花といふ心をよませ給ひし時詠める○面影に花の姿をすき立てゝいくへ越えきぬ峯の白雲山家にて望山待花と云ふことを此彼詠みしに7
返し°惜しと思ふ人の心し後れねば獨しもやは春の歸らむ夏歌十首の歌の中に、更衣一いつしかも更つる花の袂哉時に移るは習ひなれども夏の初によめる一時鳥暫しな待たじ歸りにし春の名殘の忘れもぞする樹蔭の夘花と云ふ心をニ身を知れば哀とぞ思ふ照日疎き岩陰山に咲ける夘花暮見卯花といふ心を〓人人の歸るみたにの追風に波よせまさる岸の卯の花花橘を人々よみけるに誰かまた花橘に思ひ出でむ我も昔のひととなりなば伏見にて相知れる僧の一を遂經に詩歌供養すとて近聞郭公といふ心をよみしに哀にもともに伏見の里に來て語らひあかす郭公かな左大將の許に會すとて歌くはふべき由有りしかば詠みて贈りし三首の中、時鳥に我心いかにせよとて郭公くもまの月の影に鳴くらむ家の十首のうちに、郭公さやかにも鳴き渡る哉郭公なれや皐月の光なるらむはやく常磐にて百首の歌よみける中に、曉時鳥たびびままおき行く空に郭公名殘多くも鳴き渡るかな法住寺殿にて院の御供花の時の會に兩方聞郭公といふことをcm時鳥ふたむら山を尋ぬれば峰を隔てゝ鳴き交すなり同じ御供花の時旅宿五月雨といふ心(を一梅雨をきそのみ坂を越侘びて懸路に柴の庵をぞさす左大將の會に贈りし中の、五月雨ニ梅梅は蘆の八重葺ふきそへて空の氣色も隙なかり鳬崇德院の御會の時六月朔日更戀時鳥といふ心を詠ませ給ひし時尋ね見むまぼろしもがな郭公行方も知らぬ六月の空賴輔朝臣の歌合の歌、納涼夏夏日日の厭ひて來つる奧山に秋も過ぎたる松の風哉崇德院にて泉邊納涼といふ心を1水水の面に夏の日數を掻遣ればまだき袂に秋風ぞ吹く秋歌初秋の歌とて詠みける草草木木色色づく秋の初風は吹初るより身にぞ浸ける保延の御時內裏の御會に七夕の心を詠める七七夕はうら珍しく思ふらむこよひは雲の衣かへさで賴輔朝臣の歌合のうち、七夕ハ七七ののええ契契をそへむとや羽根をならぶる鵲の橋遠〓萩といふ心をお此里のま萩にすれる衣手をほさで都の人に見せばや二條院の御時東三條におはします頃應製五首の中、風動野花co君が代は遠里小野の秋萩も散さぬ程の風ぞ吹きける鹿聲何方一吹き迷ふ嵐にたぐふ鹿の音は一方ならず袖濡しけり左大將の十首の題の中夜泊聞鹿といふ心をニややいかに蟲明の松の風に又遙に鹿の聲おくるなり八月十五夜崇德院の御會1世に知らぬよはの空哉秋毎に冴ゆるは月の習なれ共法勝寺の十首の中の月二首四月〓み都の秋を見わたせば千里にしける氷なりけり〓いいなないば沈み乍らに年を經て代々の雲ゐの月を見覽二條院の御時也爲四代之侍臣尙在雲客之列故左大將十首の題の中、江上月x思思でよ神代もみきや天の原空も一つに住の江の月前馬助敦賴住吉の御社にて歌合すとて當世の歌8二ニo中藻誅秋長よみどもに歌すゝめ侍りし時三首の中、社頭月心心ききももなほぞつきはつる月さへすめる住吉の濱家に月の五首の歌よみし時、山居月人生住びて身を隱すべき山里に餘り隈なきよはの月哉田家月加丈夫は鳴子も曳ず寢にけらし月に山田の庵は守せて家の十首の歌の中に月cm世憂憂しと何思ひけむ秋毎に月は心に任せてぞ見る老の後の月を見てよめるニ眺むれば六十の秋も覺えけり昔をさへや月はみす覽九月十三夜崇德院にて月照菊花と云ふ心を詠ませ給ひし時五常よりも隈なき空の氣色哉月も此花見るにや有る覽擣衣何方と云ふことをよみける三十一つつはよその枕に響來て衣は誰になれむとすらむ二條院の御時內裏の五首の中紅葉出〓といふ心を五山姫や岩垣隱れたはるらむ紅葉襲ねの袖の見えつる西山に住みける比暮見落葉といふ心を五本木のもとに今唯暫し來ざりせば誠に夜の錦ならまし院の九月御供花の時の會に鹿聲何方といふ〓とをなくくはは峯か麓かとこの山たびの枕に聲おくるなり殘菊夾路匂ひ來る山下水をとめ行けばま袖に菊の露ぞ移ろふ九月盡日崇德院にて山路秋過といふ心を詠ませ給ひしに〓山路をば送し月も有る物をすてゝも暮るゝ秋の空哉家の十首の會の中、九月盡H暮れはつる夕の空を詠むれば雲こそ秋の名殘也けれ冬歌十月朔日時雨しける日〓〓早晚に降添ふ今朝の時雨哉露もまだひぬ秋の名殘に海路時雨といふことを神社らす小島が磯の泊かな松風さむみ時雨ふるなり敦賴が住吉の歌合の三首の中、旅宿時雨衰にも夜半に過ぐなる時雨哉汝もや旅の空に出つゝ嘉應二年十月法住寺殿の殿上の歌合に關路落葉といふ心を色々の木の葉に道も埋れて名をさへたどる白河の關賴輔朝臣の歌合に贈りし中、落葉四六降音も袖の濡るも變らぬを木葉時雨と誰かわきけむ法住寺殿の殿上の歌合の中、水鳥近馴君が代をのどかなりとや水鳥も玉の砌に翼しくらむ左大將の十首の題の中、曉天千鳥すまの關有明の空に鳴く千鳥傾ぶく月は汝も悲しや閑中雪、おなじ題の中降初めて友まつ雪は待附けつ宿こそ最ど跡絶にけれ保延の御時二條內裏におはしましゝ時雪庭樹花といふことを詠ませ給ひし時〓百敷やみ垣の松も雪ふれば千代の印の花ぞ咲きける法勝寺の十首の會の雪が煙立つ小野の炭竈雪積て富士の高ねの心ちこそすれ師走の十日餘り雪いといたう降りたる旦左大將新大納言と聞えし時贈りし〓〓朝朝は若君もや訪ふと眺れどまだ跡もなき庭の雪哉返し今ぞきく心は跡もなかりけり雪かき分けて思遣れ共同じ日大宮權大夫經盛卿まだ彼の宮のすけと云ひし時近き程に住みけるより贈れりし一雪雪れば憂身ぞ最ど思しる踏分て訪ふ人しなければ返し降降る憂身は雪ぞ哀なる今日しも人の訪につけても中藻詠秋長9
家の十首の會の中、雪七積れ唯道は絕ゆとも山里に日をふる雪を友と賴まむ鳥羽院北殿におはしましゝ比氷留水聲と云ふ心を殿上の人々よみしに御の名の冬くれば氷と水の名を換て岩もる聲をなど忍ぶらむ歲暮雪といふことを詠みける暮れ果てゝ越路を歸る新玉の年ふりこめよ雪の白山十首の會の中、歲暮中々に昔は今日も惜しかりき年や歸ると今はまつ哉賀歌鳥羽院田中殿におはしましゝ比八條院姫宮と申しゝ時彼御方にて竹週年友といふ題を講ぜられし時よめるN。我友と君が御禊の吳竹は千世に幾世の影をそふらむ故右大臣大炊御門の家に渡り初めて詩歌講ぜられし時鶴契週年といふことをえん君が植る松に住む鶴幾千代は長閑き宿に馴むとす覽仁和三年正月のことにやありけむ攝政閑院にて始めて詩歌講ありし時對松爭齢といふことをの植ゑて見る君が齡は限なし千たび花咲けやどの若松同じ人字治にて河水久澄といふ題を講ぜらるべしとて或る人の詠ませし時人に代りて「水上に千年すめとや定めけむ八十うぢ川の絕ぬ流は又人に代りて、千早振宇治の橋守言とはむ幾世すむべき水の流れぞこれはいださやりけるなるべし家の十首の中、祝君が代は普くそゝぐ春雨の數ぞ千年の數となるべき仁和元年の大嘗會の悠紀方の歌よみて奉るべきよし宣旨有りしかばさき〓〓つねは儒者などつかうまつるをいかゞと辭し申すを尙よみて奉るべきよし御氣色有るよし行事辨俊經朝臣度々しめし送りしかばよみて奉りし歌悠紀方近江國風俗歌十首稻春歌坂田郡近江路や坂田の稻を刈積て道ある御代の初にぞつく神樂歌長岑山萬代を祈りぞかくる長岑の山の榊をさねこじにして辰日參入音聲鏡山嬉しくも鏡の山を立て置きて曇なきよの影を見る哉同日樂破余吾海四四の海も風靜にぞなりぬちし聲治れるよごの浦波同日樂急眞木村ハ君が代はちへのなみくら隙もなく作重ねよ眞木の村人同日退出音聲音高山吹吹風枝も鳴さで萬代とよばふ聲のみ音たかの山巳日參入音聲石根山0行く末を思ふも久し君が代はいはねの山の峯の若松同日樂破安河「安川に群居て遊ぶ眞鶴も長閑なる世を見する也けり同日樂急木綿園ゆゆ園の日影の蔓かざしもて樂しくも有るか豊明に同日退出音聲高御倉山エ動動き高御倉山祈置きつ治めむ御代は神のまに〓〓同悠紀方御屏風六帖和歌十八首別紙にあり甲帖正二月小松崎子日有遊客眺望湖海子日して小松が崎を今日見れば杏に千代の影ぞ浮べる龜岳有採若菜女人少女子も君が爲とや龜岳に萬代かねて若菜摘むらむ梅原山梅花多開敷四中藻詠秋長春の日の光は際もなけれどもまづ花咲くは梅原の山乙帖三四月櫻山櫻花盛開松樹交枝t松松えに枝さしかはす櫻山花も千年の春やにほはむ山吹崎欵冬臨岸水ス水水色色花花の匂も一つにて八千代ぞすまむ山吹の崎大西口卯花蔓開山脚民家多布さらす麓の里のかずそへて卯の花咲ける大瀧の山丙帖五六月長澤池端午日人採萬蒲0長澤の池の菖蒲を尋てぞ千代の例にひくべかりける吉田〓植田之所多。堰く水も吉田の里に植る田は兼て年經む影う見えける玉蔭井水邊水蔭有納涼之人。0岩間もる玉:の井の凉しきに千年の秋を松風ぞ吹く丁帖七八月高宮郷七夕有引絲之家所二0七夕に今朝ひく絲も長かれど君をぞ祈るたか宮の里志賀浦月浮水上人見所o。照る月も光をそへて見ゆる哉玉よせ返す志賀の浦波玉野原秋花開敷10露繁き玉野の原の萩ざかり風も長閑に見ゆる秋かな戊帖九十月吉水〓多人家菊花臨水わ幾ちよの秋かすむべき菊の花匂をうつすよし水の里大藏山山脚民家多積稻之所〓數數らら秋秋の刈穂を積てこそ大藏山の名には負けれ松賀江岸松樹茂盛邊山有紅葉xo紅葉ばを染むる時雨は降來れど綠ぞ增る松が枝の岸己帖十一十二月千坂浦千鳥群飛行客見所かの幾千年幾榮ゆかむ御代なれや千坂の浦に千鳥鳴く也勢多橋白雪積敷人馬過所〓東路や日次の貢絕えじとて雪ふみ分くる勢多の長橋吉身村一君が代は吉身の村の民も皆春をまつとや急ぎ立らむ仁安元年十一月三日詠進之戀歌保延の御時纔見戀と云ふ心を詠ませ給ひし時一深深み岩片かくれ行く水の影ばかり見て袖濡せとや同院の御會に思不言戀と云ふことをニー ががは浪こす磯の濱楸沈み果つれど知る人もなし又曉戀と云ふことを詠ませ給ひし時〓ででのみ伏見の里に立つ鳴の羽數におつる我が涙哉未對面戀と云ふことを詠みける1人知れぬ心や兼てなれぬらむあらまし〓との俤ぞ立つ月の五首の歌よみし中に月前戀と云ふことを戀しさの眺むる空に滿ぬれば月も心の內にこそすめ顯輔卿の家に歌合すとて歌加ふべきよし云ひ遣したりしかば詠みて贈りし中、後朝戀心をば留めてこそは歸りつれ怪しや何の幕をまつ覽秋の比さがの山のかたに遊びけるに行きくらしてほの見ける女の許に屢文遣しけれど返事もせざりければ遣しけるんうかりける秋の山路を踏初て後の世迄も感ふべき哉つれなくのみ見えける女に遣しけるか好さらば後の世とだに賴めたけつらさに堪ぬ身共社なれ返し定家の母と新古今にあり〓賴めおかむ只さ計を契にて浮世の中の夢になしてよ逢ひ難くて逢うたりける女に一つらさにも落ちし涙の今は唯おし只管に戀しかる覽いかなるあしたにか人に遣しける
二いかにせむいかにかせましいかに寢て起つる今朝の名殘なる覽返しいいに寢〓しいかなる夢の名殘ぞと怪き迄に〓〓〓我〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓又女に遣しける戀戀とと言言はヾ愚に成ぬべし心をみする言の葉もがな返し無してふ僞いかにつらからむ心を見する言の葉無ば怨むることありて暫し言はざりける女に又文遣すとてた怨ても戀しき方や增る覽つらさは弱る物にぞ有ける春の比忍ぶことある女の許に遣しける一思ひ餘り其方の空を眺むれば霞を分けて春雨ぞふる又雨のふりける日人に遣しける〓思遣れ降ぬ空だにある物を今日の霖雨の袖の氣色を返した歎つゝ日をふる宿は春雨も袖より外の物にやは見る怨むることありける女に遣しけるc唐唐の人迄遠く尋ねばやか計りつらき中はありやと返し一尋ね見よ類ひもあらば慰めむか計りつらき中の契を人の許にこまかに書きて遣りける文の奧に一一何となく落る淚に任すればそことも見えぬ筆の跡哉返し見れば先そこはかとなく流來て涙落ちそふ筆の跡哉忍びて物いひける女のことさまになりぬべしと聞くことありける比遣しけるニ人人れれ入入の浪に潮垂ていかなる空の煙とか見む忍びたる所にいきたりけるに人目しげく夜もむげに明けぬべかりけるをとかく構へて歸りてつとめて遣しける包み餘り袖の涙にせきかねて顯れぬとも覺えつる哉返したせきかぬる淚也せば小夜衣袖にのみやは包果つべき忍びけることありて逢ひ難かりける女の許に夜ふけていきたりけるに今夜はびんなき由云ひければ曉近くなるまで門の外にありて侍りける朝になほ文遣したりける返しに女にしし如如何ありけむ我身だに靜心なく明しつる夜を返しシニメーさん夢歸かとのみ路り來て今朝とふに社現ともしれ忍びて物いふ女の住所少し近き所に日比ありけるを又遠く罷りなむとての日みづから言はずなりぬることなど言ひ遣りたる文のうらに女の書きつけたりける15問問はつる心細さに我世さへ今日を限と成ぬべき哉返し00戀〓る命は知らぬ命あらば問ふ言葉のいつか絕べき故女院の彼岸の御念佛の時の會白河の押小路殿にて文をたかふる戀と云ふ心を一これや誰有りしやそれと思ふにも心を亂る筆の跡哉戀隣女ニ知るらめや宿の梢を吹き交す風につけても思ふ心を隱名戀50ののるるのるのをへつゝ名草の濱を尋侘ぬる人におほする戀眞柴こる賤の妻木と名告らせて我が人知れぬ思にぞたく閑居增戀思ひやれ春の朝の雨のうちに軒に爭ふ袖のけしきを會後戀かいかにしてかげ絕ぬ覽共に井手の玉水掬びし物を以上六首彼岸の御念佛の時の會也怨むることありける女に遣しける三= =中藻詠秋長〓し戀もさる忘るばかりの憂きとに弱きは袖の涙也けりをとこいかにぞなりける女に遣しけるxx慰めて暫し待ちみよ先の世に結置きける契もぞある四月朔日比雨のふりける夜忍びて人に物言ひて後びんなくて過ぎければ五月雨の頃遣しける加油ぬれし其夜の雨の名殘より頓て晴せぬ五月雨の空法勝寺の十首の會の中、戀cmよと共に絕えずも落つる淚かな人は哀もかけぬ袂に左大將の家に會すとて歌加ふべき由有し時戀歌「戀戀ずば人は心もなからまし物の哀も是よりぞ知る同じ人の十首の題のうち、戀二首寄催馬樂戀ユー達でのみ歸る野原の露なれどかふるは惜き萩が花摺寄源氏名戀恨恨みてもなほたのむ哉澪標深き江にある印と思へば二條院の御時思出舊女戀といふことを高倉の內裏の御會昔昔し野中の水に尋ね來て更に袖をも濡しつるかな一院の法住寺殿の五月の御供花のときの會契後隱名戀といふことをエイ賴めこし野邊の道芝夏深し孰くなる覽もずの草ぐき同院の九月の御供花の時遠人を戀ふと云ふ心を〓同じ世にいきの松とは聞き乍ら心盡しの中ぞ悲しき家の十首の會のうち、戀な難波江の蘆の古根は我なれや戀路にひぢて年の經ぬ覽賴輔朝臣の歌合によみて贈りし五首の中、忍戀xいいにして知るべなく共尋見む信夫の山の奧の通路法住寺殿の殿上の歌合の時臨期變約戀といふことをな思ひきや榻の端書掻つめて百夜も同じ圓寢せむとは長秋詠藻下雜歌保延元年のことなるべし七月九日故人教中義者の忌日に鳥部野の墓所の堂に參りて懺法にあひて夜更けて歸るに草の露しげかりければ0分分來つる袖の雫か鳥べ野のなく〓〓歸る道芝の露保延五年ばかりの〓とにや母の服なりし年法輪寺に暫し籠りたりける時より嵐の痛く吹きければ〓浮世には今は嵐の山風にこれやなれ行く始なるらむ日比籠りて出づる日籠りたる僧の庵室の障子にかきつけゝる草の庵に心は止ついつか又頓て我身も住まむとす覽同じ比西山なる所に籠りゐたるに正月司召など過て雪のふりたる朝人の訪らひたる返事の序に思ひやれ春の光も照しこぬみ山の里の雪のふかさを、永治元年にや御讓位近くなりての比霜月十餘日面白かりしに土御門內裏の南殿の御前にあけがたまでありてよめる忘れじよ忘るなとだに云てまし雲ゐの月の心有せば其時春宮昇殿未被聽故云々又の年こもりゐたりけるに新嘗會の日皇后宮の御方に侍りける親しき人につかはしける珍珍しき日影をみても思はずや霜枯はつる草の綠りを崇德院より御草子かきて進らせよとて給はりし書きて奉るとてつゝみ紙に數ならぬ名をのみと社思しか斯る跡さへ世にや殘らむ御返りごと女房の手にて水莖の跡計りしていかなれば書流す覽人はみえこぬ四品に叙してのち崇德院の御方の還昇はまだ申さヾりし比百首の歌部類して奉るべきよし仰せ下藻詠秋長
られたりし次でに奉りしハ雲雲よりなれし山路を今更に霞隔てゝなげく春かな御返りごとはなくて還昇仰せ下されしをぞ仰せ下されたりける〓長卿奉書也前左衞門佐基俊と云ひし人に古今の本をかりて返すとて君なくばいかにしてかは晴けまし古今の覺束なさを返し基俊の君〓かきたむる古今の言の葉を殘さず君に傳へつるかな左京のかみ顯輔卿撰集承りたるとて歌尋ねて侍りしにまづ故中納言の歌をつかはすとて。木の本に朽果ぬべき悲さよ古りにし言の葉を散す哉返し顯輔卿一家の風吹傳へずば木の本にあたら紅葉の朽や果まし故左の大臣の仁和寺の德大寺の堂に上西門院前齋院と申しゝ時の女房あまたわたりて歌ども詠み置かれたりけるを後に見出でゝ其の返事せよと大炊御門右大臣ホット教育のありしかば書きそへつゝ遣しける歌どもおむ霜霜君君爲爲にしてさかり久しきやどの白菊返し千代代ももはは宿の菊なれば心長くを人も來て見よ又女房の花は枯れ紅葉散ぬる折しもぞ雪見まほしき冬の山里返し折につけ哀をそふる山里は雪ふる儘を思ひおこせよ又嵐風み紅葉殘らぬ木の本に花見し春は劣らざりけり返しx花花春春葉の秋に非ぬまも唯には見えぬ木の本ぞ是又No水水上の月に心のしみぬれば疾氷りつゝえ社歸らねかへし冬の池に影を止ても澄まば社月に浸ける心とも見め又〓曇なく磨ける宿の池水はちりもまよはぬ鏡とぞ見るかへしううししももののを置きて人の心の程を見る哉又見る人の立つ空もなき宿なれば汀の鴦も住馴にけりかへしよよ共に見馴はせまし水鳥の立空もなき宿と思はゞ又此やさは常に住なる月ならむ鷲のみ山に入時もなき返し見る人の心も常に澄ぬれば入る時もなし山の端の月近衞院の御時四位の後昇殿ゆりて初めて御物忌に籠れる夜近衞殿の遣水に月宿りたるを見て土御門の內裏のみかは水思ひ出でられてよみける古の雲ゐの月はそれながら宿りし水のかげぞ變れる近衞院かくれおはしまして御葬送の又の日近衞殿に參りたるに日のおましの御さうぞくもあらためて佛などかけ奉りたるを見ておぼえける登りにし夜はの煙の悲しきは雲の上さへ變る也けり鳥羽院かくれおはしまして諒闇なりし秋鳥羽の北殿に故女院おはします頃庭の前栽いとおもしろき中に蘭の殊に萎れて見ゆ、るを折りて人に贈りけるなべてよの色とは見れど藤袴分けて露けき宿にも有哉故女院霜月の二十三日かくれさせ給ひて後御遺誠にて御舍利をば高野の御山になむ納め奉りしを師走の四日にや彼の御山につかせ給ひし日雪14八六三下藻詠秋長のいみじく降りし朝に侍從大納言 通道ふ御山につかせ給ふらむことなど消息ありし返事の次でにつかはしける0後れゐて思遣る社悲けれ高野の山のけふのみゆきをかへし入道大納言一悲しさは云盡すべき方ぞなき我心にて人を知らなむ同じ十日比押小路殿にて御かうなどまだしきほど久我の內のおほいまうち君源大納言葉振公と聞えし時物語などして日數の過ぐるにつけて夢の心ちのみすることなど云ひて又の日彼の大納言の許よりおくられし定めなきこのよの夢の優さを言ひ合せても慰めし哉かへし悲しさの慰理すめのきき心には云合せても夢かとぞ思ふ御三七日のそふくの人々など數多參りたりしに御かう果つるほどにたゝう紙にかきつけて云ひたりし〓輔朝臣人なみにあらぬ袂は變らねど涙は色になりにける哉かへしいでにければ夕かたぞつかはしける墨染にあらぬ袖だに變るなり深き涙の程をしらなむ年も返りて御忌日に御誦經の使にていづとて親隆の卿のもとにいひ置きける墨染の袖をつらねて慰めし日數にさへも別れぬる哉返し親隆卿日數さへ過ぎ別れぬと思ふにも離れぬ物は涙也けり前中納言師仲卿下野國より歸京して後配所にして詠みたりける歌どもとて見せに遣したりしを返すとて添へてつかはしけるいい計計り露繁ければ東路の言の葉にさへ袖のぬる覽返し師仲卿慈遺れむろの八島に潮たれて煙になれし袖の氣色を西行法師高野に籠りゐて侍りしが撰集の樣なる物すなりと聞きて歌かき集めたる物おくりて包紙にかきたりし西行法師。花ならぬ言の葉なれど自ら色もやあると君拾はなむ返し。世を捨て入にし道の言の葉ぞ哀も深き色は見えける釋〓歌康治のころほひ待賢門院の中納言の君法華經二十八品の歌結緣のため人々に詠ますとて題を送りて侍りしかば詠みて贈りし歌序品廣度諸衆生其數無有量0。渡すべき數も限らぬ橋柱曜いかにたてける誓なる覽方便品深著於五欲如犂牛愛尾30高砂の尾上の櫻みし毎に思へばうゑし色にめでける譬喩品其中衆生悉是吾子〓孤と何嘆きけむ世の中に斯る御法の有りけるものを信解品無上寶聚不求自得エ0迷ひける心に晴るゝ月影にもとめぬ玉や袖に映りし藥草喩品無有彼此愛憎之心わ春雨は此面彼面の草も木もわかず綠に染むる也けり授記品於未來世咸得成佛も如何計嬉かり劔さらでだに來む世の〓とは知ま欲きに化城喩品以大慈悲身度苦惱衆生x0世の中の苦しき道は憐れびの力車のはこぶなりけり弟子品世尊於長夜常愍見〓化加長夜も尙偖のみや過ぐさまし哀と見つゝ〓ざりせば人記品壽命無有量以愍衆生故〓限なき命となるもなべてよの物の哀を知れる也けり法師品漸見濕土泥決定知近水一武藏野の堀兼の井も有る物を嬉く水の近づきにける寶塔品若暫持者下蘿詠秋長。
一卷卷をかざれるひもの玉ゆらもたもてば佛喜び給ふ提婆品採薪及菓繭隨時恭敬與ニ新こり峯の木實を求めてぞえ難き法は聞き始めける勸持品我不愛身命但惜無上道數ならば惜くやあらまし惜からぬ憂身ぞ聞ば嬉かりける安樂行品深入禪定見十方佛1靜かなる庵を占て入りぬれば一方ならぬ光をぞ見る涌出品從地而涌出池池水の底より出づる蓮葉の爭で濁にしまずなりけむ壽量品現有滅不滅かりそめに夜はの煙と昇りしや鷲の高ねに歸る白雲分別功德品若座若經行除睡常攝心怠す常に心を治めつゝいつか浮世のねぶり覺むべき隨喜功德品最後第五十聞一偈隨喜谷川の流の末をくむ人も聞くはいかゞは驗有りける法師功德品又如淨明鏡悉見諸色像°濁濁く〓き心に〓かれて身こそますみの鏡なりけれ常不輕品而打擲之避走遠住一其かみの荒きたぶさの杖に社遂に懸りて導かれけれ神力品於我滅度後應受持斯經是人於佛道決定無有疑この法をこの頃保つこれぞこの佛の道に定めたる人囑累品今以附囑汝等衰けふ御法のすゑを聞く〓とも讓り置きける驗也けり藥王品卽往安樂世界頼むかな露の命の消ゆる時蓮の上にうつし置くなる■妙音品及衆難處皆能救濟荒き海嚴しき山の中なれど妙なる聲は隔てざりけり普門品弘誓深如海誓ひける心のやがて海なれば人を渡すも煩ひもなし陀羅尼品乃至夢中亦後莫惱〓現には更にも云ずぬば玉の夢の中にも離れやはする嚴王品又如一眼之〓我や此浮木に逢る龜ならむ甲はふれ共法は知らぬを勸發品卽往兜率天上遙なるその曉を待たずとも空の氣色はみつべかり鳬無量義經船師大船師『続は生死の岸に解き捨てゝ解脫の風に舟よそひせよ普賢經衆罪如霜露惠日能消除ニ露露と結べる罪の悔しさを思ひとくこそ旭なりけれ心經二春の花秋の紅葉の散るも見よ色は空しき物にぞ有ける阿彌陀經11法法御御御御迄も彌陀の〓ぞ尙殘るべき故女院より極樂の六時の讃の繪にかゝれたるを其の心どもの歌をかゝるべきに歌なき所共のなほ多かる詠み添へて奉れと仰せられしかば詠みて奉りし所々の歌六時讃晨朝朝に定より出づる程髴に天の樂を聞く=四灰なる雲のあなたの笛の音も聞けば佛の御法也けり黃金瑠璃の庭に出でゝ人々ともに花を採る11未来露露露きをどは玉しく庭に玉ぞ散りける次に被加を蒙りて十方諸佛供養せむ虛空界を飛び過ぎて歡喜の國をさして往かむ本手折つる花の露だにまだ干ぬに雲の幾重を過てきぬ覽彼"至至ハ霞の地を歩みて進み行けば香像白香像此等の大士に値遇すヒト春のくる方をさしつる徵にやこち吹く風に花の散覽日中時他方界より還りては次に飮食經行す16四-二下藻詠秋長NO遙かなる佛の御國めぐりても時の程にぞ立歸りける飮食畢ヲニハ座より起て經行せむ七重寶樹の風には一實想の理を調へ八功德池の浪には無生滅の義を唱ふカル影〓き七への植木移りきて瑠璃のとぼそも花かとるころ三○おり立て世をすぐせとや池水の淺さ深さも心なる覽或は宮殿樓閣に上りて他方界を見む一曇なき玉の臺に登りてぞ杏なる世のことも見えける日沒時金色世界の文殊師利菩薩ともに來至すたたちちめの來ますけしきに此國も更に光は增る也鳬或國界悉ッ白銀光さかりにて普賢大士來至す一百妙に月か雪かと見えつるは西をさしける光也けり或國界悉〃無數大雲遍滿す聞けば地藏大薩埵聲聞出家の形とて今又爰に來至す四夕暮の哀立ちそふ雲間より家を出でたる姿をぞ見る毗舍離城に住せりし維摩居士來至す古は靜けき室にゆか立てゝ住みし人にも逢見つる哉時に大衆法を聞きて彌歡喜瞻仰せむ即時に自然に無數妙花散亂す色々に空より花とちり紛ふ此をや法の雨と云ふらむ今今是是るるを來し彌陀の御國の夕暮の空初夜時見佛聞法事畢て本の坊に歸るべし或は金の花の中金色淨土の如く也或は瑠璃の閣の上淨瑠璃淨土のごとくなりN〓歸り來る玉の臺も花のうちも光はおなじ住か也けり半夜夜の境靜にて漸く中夜に至る程三五の人々共に出て金繩界道歩みつゝ衆寶國土の境界の寂靜安樂なるを見光も聲も靜にて晝の界に異ならず加深きよの光も聲も靜にて月のみ顏をさやかにぞ見る後夜曉到て浪の聲金のきしに寄するがほど欲曙する風の音玉の簾をすぐるあひだ多し古へのをのへの鐘に似たるかなきしうつ浪の曉の聲エ明方は池の蓮にひらくればたまの簾に風かをるなり見佛聞法綠なくば此地を踏者難有ニュー佛を見法を聞べき身ならずば斯る汀を爭で踏まゝし人の弔二品經供養しける時序品の心を三二りりくくすす光に尋ぬれば昔の〓ともくもらざりけり又ある所の一品經に方便品の其知惠門難解難入の心をよめるユス入り難く悟り難しと聞く門を開くは花の御法也けり譬喩品の號曰花光如來の心を五行行の花の光の名をきくに兼てぞ春にあふ心ちする今此三界皆是我有其中衆生悉是吾子の心をよめるネ子を思ふ道こそ聞けば嬉しけれ心の闇も悟晴るなり道因法師#日妙覺寺にして一品經の供養して八講を行ふとて以佛〓文出三界苦と云ふ文を人々によませし時よみける〓谷川や三の峡にや沈まゝし山路の月の送らざりせば妙覺寺の八講のはての日聽聞に女車のさまにて罷りて講はつるほどに車より見出しける歌AP和和の浦波に年ふる諸人も法の浮木に今日も逢ぬる妙音品の心也其の日とかれし也道因が住吉の社の歌合の時一品經人々にすゝめて歌加ふべきよしいひ侍りしかば信解品をかきて奉りて周流諸國五十餘年の心をよみけるなん美し磯路の浪に萎れてもかひある浦に廻りあひけむ又或所の一品經の供養に法師品の寂寞無人聲讀誦此經典我爾時爲現
訪ふ人の跡なき柴の庵にもさしくる月の光をぞ待つ或る法師の一品經すゝめし時法師品に歌加ふべきよし云ひしかば愍衆生故生於惡世廣演此經の心をよみける〓是ぞ此憂世の爲と生れきて斯は御法をとくと社聞け又人の許に一品經供養せし時提婆品の心を袖の上の玉の光のほどもなく南の空の月とすむらむ勸持品我等聞記心安具足かくばかり心はれける月影を姨捨山と何おもひけむ安樂行品若於夢中但見妙事樣々に妙なる花ぞ散りまがふ法を保てる春の夜の夢壽量品常在靈鷲山末の世は雲の遙に隔つとも照さヾらめや山の端の月同品爲度衆生故方便現涅槃の心をよめる花花散散紅〓〓るゝ山河も人を渡さむ爲とこそ聞け法師功德品の是人有所思惟籌量言說皆是佛法の心をよめる二つなき道に心のすみぬれば思ふ〓と皆法とこそ聞け神社歌三品に叙してのち初めて諸社の奉幣使に參りたるに賀茂の使にあたりて下の御社より夜更けて上の御社に參る程むかし若くて百度詣などしけるを久しく參らで河原の有樣もはやく見しには變りたる心ちするも思ふこと多くてよみける普わが祈りし道はあらねども此は嬉しな賀茂の河波住吉の社の歌合に述懷の歌とてよめる徒らにふりぬる身をも住吉の松はさりとも哀知る覽其の後廣田の社に御うらやみあるよしの夢の〓げ有りとて同じく歌合すゝめし時よみて加へし三首の中、社頭雪○潔よき光にまがふちりなれやおまへの濱に積る白雪述懷一千早振神に手向る言の葉は來む世の道の知べともなれ賀茂の神主しげやす彼の社に歌合といふこと人々に勸めてよませ侍りし三首の歌霞そまくたし霞たなびく春來れば雪げの水も聲合す也花身に占しそのかみ山の櫻花雪降りぬれば變らざり見述懷通常の後立歸り捨てし身にも祈る哉子を思ふ道は神も知る覽撰集の樣なることしける時ふるき人の歌どもの哀なるなどを見てよめる行く末は我をもしのぶ人やあらむ昔を思ふ心習ひに安元二年にや九月二十日比より心ち例ならず覺えて二十七八日限になりにければさまかへむとする程皇太后宮大夫辭し申すよしなど左大將の許に消息つかはす次でに副へける歌普より秋の暮をば惜みしに今年は我ぞ先だちぬべきかへし大將霧はれぬ心ありとも止りゐて尙此秋も惜めとぞ思ふ遁世の後にぞありける其の度希有にいきとまりにける年の暮に人の消息したる返事の次でに〓身に積る年の暮こそ哀なれ苔の袖をも忘れざりけり又の年の秋九月十餘日の月殊に隈なく見えけるに思きや別れし秋に廻合ひて又も此よの月を見むとは右大臣家百首立春0天の戶の明る氣色も長閑にて雲ゐより社春は立けれ一逢坂に今朝は來にけり春霞よはにや立ちし白河の關今日といへば唐土迄も行く春を都にのみと思ける哉18〇六四下藻詠秋長鷺のゐる池の氷のとけ行くは己が羽ぶきや春の初風四年暮れし涙の氷柱解けに鳬苔の袖にも春や立つらむ鶯いいししつとかとたかきに移れ春日山谷の古巣を出づる鶯山深み霞のそこの鶯に春をあさしと聞くぞあやしき雪間よりよそに聞くこそ哀なれあさくら山の鶯の聲春春ても谷に殘れる鶯はうらみたる音に聲ぞ聞ゆる惜しきかな誰か聞くらむ陸奥のしのぶの奧の鶯の聲初戀〓驗あれと祝ひぞ初むる玉箒とる手ばかりの契也とも一何何むに踏初つらむみ山路の苦しかるべき岩の氣色を〓草草に萎れ初めぬる缺哉露霜おかむほどぞ知らるゝシー照射する端山が裾の下露やいるより袖は斯萎るらむ知るらめや君をみ嶽の初いもひ心のしめも今日懸つとは忍戀1人人はは袖袖をぞ露と云つべし涙の色をいかに答へむ身のうさの涙に馴ぬ袖ならばいかに云てか戀を包まむ袖は見ゆ枕にもまだ知せねば遣る方もなき我が涙哉A散散なよ篠のは草の假にても露懸るべき袖の上かは如何にせむ室の八島に宿もがな戀の煙を空に紛へむ花雲の上の春こそ更に忘られね花は數にも思出でじを。今は我吉野の山の花を社宿の物とは見るべかりけれ。雲の波岩こす瀧と見ゆる哉名に流れたる白河のはな01照月も雲のよそにぞ行きめぐる花ぞ此世の光也ける〓吉野山花や散るらむ天の河雲のつゝみをくづす白浪初逢戀xo怨俺び命堪ずばいかにして今日と賴むる暮を待ましかさり共とたのむの雁を賴來て入さの里に今日ぞ入ぬる。やこれも今深きえにとを思知れ淀の若菰假寢なりとも。賴まずば飾磨の褐の色を見よ逢初て社深くなるなれね解き返し井手の下帶行き廻り逢瀨うれしき玉川の水子規〓待つとしも今はなけれど郭公馴し心の空にもある哉待つ程も聞くにもいかヾ郭公心を盡す妻となるらむ一むかし思ふ草の庵のよるの雨に淚なそへそやま時鳥-三雨そゝぐはな立花よ風過ぎてやま郭公雲に鳴くらむ〓郭公鳴くやと思へば聞かぬ夜もさ月の空は哀なる哉後朝戀一曉の別を知で悔しくも逢はぬつらさを怨みけるかな〓坂坂を越えてしもこそ中々にしがの浦波袖に乾かね別れつる淚の程をくらべばやいづる袂ととまる枕とべとなせ川岩間にたゝむ筏士や浪に濡ても暮を待つ覽な忘るなよ世々の契をすがはらや伏見の里の有明の空五月雨〓降初て幾日になりぬ鈴鹿河やそせも知らぬ梅雨の空一梅雨はみなそこの橋名に負ひて浪社渡れ人は通はず一下草は葉末ばかりになりにけり浮田の森の梅雨の比三いかなれや雲間も見えぬ梅雨に晒添ふらむ布引の瀧梅雨は高ねの雲のうちにして長きぞふじの煙也ける遇不逢戀よと共に俤にのみ立ち乍ら又見えじとはなど思ふ覽えよななばばも止なむうき物は馴てもつらき契也鳬蘆分の程こそあらめ難波舟沖に出ても酒合はじとやへねね立立いいささは戀む笛竹の一よの節も逢ならぬかは=加淺ましやいかに掬びし山の井の又もあひぬ見契也けむ月05月は秋秋は月なる時なれや空も光を濕添見見見見見見らむ一眺むれば雲は浪路に消盡きて明石の沖にすめる月哉我庵はをば捨山のふもとかはなぐさめ難さ秋の月影數ならぬ光を空に見せ顏に月にやどかす袖の露かな世の中を背きて見れど秋の月同じ空にぞ猶廻りける=下藥跡秋品四八R. 19
祈111111けけ雲雲の上をは萬代と天つやしろも照しますらむ〓百千度浦島の子は歸る共はこやの山は常磐なるべしせいく千代と契りおきけむ春日山枝さし交す峯の松原三ハチ千せとも中々さゝじ三笠山松吹く風に聲聞ゆなり=〓榊葉を小鹽の山に挿添へて祝ひし千代や君が代の爲草花〓ははづづ都の西を尋ぬれば嵯峨野の花ぞ咲始めける一二ににし風に靡くも女郞花秋の妻とは見する也けりニー最最や袖は萎れし野べに出て昔も秋の花は見しかど三小小咲咲く野べをぞ人の栖にて鹿は宿にや鳴かむとす覽可可しや露けき野べに立つ鹿の上毛に移る萩が花摺旅見るまゝに慰みぬべき海山も都の外は物ぞかなしきメ日日行行く草の枕を數ふれば露おきそふるさよの中山ba哀哀なら野じまが崎の庵哉露おく袖に浪もかけけりA〓〓見潟浪路さやけき月を見て頓て心や時をもるべき加難波人蘆火焚屋に一人ゐてすゞろに袖の潮たるゝ哉紅葉al染め渡す梢を見てぞ山里は秋深くなる日を數へける一雲となり雨となりてや立田姫秋の紅葉の色をそむ覽二心とや紅葉はすらむ立田山松は時雨にぬれぬ物かはユニ秋深み靑葉の山も紅葉鳬名をば時雨に染じと思ふにエト春は花秋は紅葉となぞや此よもの山べよ人誘ふらむ述懷エド儚書ぞぞののををききし家を出てぞとふべかりける短醒で思ふ過ぎにし方は古の六十の夢を見けるなり鳥〓今も尙心の〓ははれぬ哉思ひすてゝし此のよなれ共〓〓春日野のをどろの道の埋水すゑだに神のしるし顯せねェ枯々に成來し藤の末なれどまた下枝とは思ざりしを雪cx空晴てちり來る雪は久方の月の桂の花にや有るらむ〓卷もくのたまきの宮に雪ふれば更に昔の朝をぞ知る〓紫の庭の雪には尙しかじ皆しろたへのみよしのゝ山百妙のいさごまきしく天の河月の都のみ雪なるらし跡訪ふ人もさらてもあらじ山里に深くも道を埋む雪哉神祇神神やいすゞの河の宮柱幾千代すめと立て始めけむ其かみに祈りし末は忘れじを哀はかけよ賀茂の河波秋の暮民の家をば出でしかど尙春の日の賴まるゝ哉敷敷に賴みをかけし住の江の松とや今は思ひすつ覽なべて世を照す日吉の神なれば遍く人も賴む也けり歲暮。暮暮つる年は我身に積る也冬の行らむ方ぞ知られぬ〓暮れて行く冬は北にや歸るらむ尙越路には雪積る也引引むむ方方なけれ行年は紀の關守が弓ならなくに衰なりよに數ならぬ老の身を尙尋ねても積る年かな老いぬとて又もあはむと行年に涙の玉を手向つる哉釋〓法華經四要品所警官品方便品無量無數切聞是法亦難量なく數なき世々を盡しても一たび聞くは難き法也安樂行品不親近諸外道梵志尼繼子等及世俗文筆讃詠和和歌の浦や波にかきやる藻鹽草此も由なき住ひ也息壽量品出釋氏宮去伽耶城不遠菩はや悟晴れにし月影を今宵み山を出てしとや見む普門品受其瓔珞分作二分衰とやともに光を照しけむ二つに分けし玉の飾りを勸發品從東方來所經諸國普皆震動雨寶蓮花黄にまた花ぞふりしく鷲の山法のむしろの夕暮の空千五百番歌合之百首オカ沙彌釋阿春二十首〇人八重霞やそ島かけて立ちにけり千代の初の春の曙ヘ〓鶯も千代をや契る年を經て變らぬ聲に春を告らむニムト春きぬとみ垣が原は霞め共尙雲さゆるみ吉野の山〓〓毎每の子日の松の千代は皆我が君が代の例也けりハ神袖の香に梅は變らず薰りけり春は昔の春ならね共■八人春はなほ柳がえだも限りなし綠の絲に露のしら王五から詠め侘ぬ誰かは訪はむ山里の花待比の春雨のうち入七いくとせの春に心を盡しきぬ哀と思へみ吉野の花入八角白妙にゆふ懸てけり榊葉に櫻咲きそふ天のかぐ山九かん讐譬へてもいはむ方なし山櫻霞に薰る春のあけぼの〇円田君が代に春の櫻も見ける身を谷に朽ぬと何思けむ一面今ぞ我吉野の山に身を捨む春より後を訪人もがなニ白白やや尚雪深き越路には歸る雁にや春をしるらむ請御狩せし交野の冬やつらからむ春の山路に雉子鳴也ストロ哀哀を〓る〓雀かな芝生の巢をば思ふ物からハム 美し苗代水をせく賤も心のほどはまかせこそすれ六〓尙誘へくらゐの山の呼子鳥昔の跡をたゝぬ程をば七〓松〓に咲ける菫は藤の花散敷く庭と見えもする哉七ハ〓ロ春暮ぬ今や咲らむかはづ鳴く神なび川の山吹の花替惜むとて春は止らぬ物故に卯月の空は厭ふとやみむ夏十五首。衣社かふとも更へめ春の色に染し心はいつか移らむ。卯の花のかきねの露に宿り來て春忘れよと夕月夜哉。夏夏尙心はつきぬ紫陽花のよひらの露に月も澄けりエリ忍び妻待つにぞ似たる郭公語らふ聲はなれぬ物ゆゑ郭公公月月雲雲ちちり置きて人の心を空になすらむ10夏の夜の長くもあらば郭公今一聲も待たましものをねよそへても昔は今はかひもなし花橘の袖の香もがな6橘橘ああめの枕かをる夜ぞ昔を忍ぶかぎりなりける。早苗月五月雨初むる初とやよもの山雲曇り行くらむなの梅用は沼の浮草岩越えてかはづの床もねや絕ぬらむ有十首個者土御門内大區道有効定去年高照反無別一番梅はすまの鹽屋も空とぢて煙計りぞ雲に添ける一同大夫やは山わくらむともしける螢に紛ふ夕闇の空一 大井川篝さし行く鵜飼舟幾瀨に夏のよを明すらむ三山山井を掬て夏は暮ぬべし秋や立なむ志賀の浦波一四、瀧瀧や西の河瀨に御禊せむ岩こす波も秋や近きと=秋二十首エ汐路より秋や立らむ明方は聲變るなりすまの波風*-大風風の音を萩の葉のみと聞來しを葛の裏にも秋は見え見七七七ののかか名名ののよりや秋は露けき比となる覽八八番夕月夜木の間もり來る宵の間は心盡しの初也けり九九井夏の野は草の茂みのさゆり葉も秋は露にや萎れ果覽ニー朝朝露に儚くうつす月草も秋の形見の色となるらむ一蘭に洗ふ唐錦とも見ゆるかな野島が崎の秋萩の花=ニー名名ああめめも懷かし女郞花枝さへ花の色に匂てニ關紫の色をば殘せふぢばかま露は嵐に碎けちるともニテル花露露もいかに心を碎けとて秋に野分の吹始けむ-五ニルしまお秋山の蓬が本に松蟲の鳴く六キート渡荒渡る秋の庭こそ哀なれまして消えなむ露の夕暮七七兩秋の夜は光を殊にそへよとや月の都に定置きけむハニ秋秋月月のははええ冴え寒し雪と思ふは庭の白露〓九ニ人人ははいいかに語らむ秋の山松の嵐に有あけの月cm 月はこれ哀を人につくさせて西に終にはさそふ也見=曲故〓に獨も月を見つるかな姨捨山をなに思ひけむ=ニー衣うつ音社あやな賴まるれ夜の枕のさゆる霜夜は三三田立田姫立田の山は我などや紅葉も殊に思ひ染めけむニー類賴おおく形見やあらむ歸る雁心を遣て惜むけふ哉.冬十五首五正宗おお〓すきののののの露霜こそ結べ冬やきぬらむ六大阪染捨てヽ立田姫もや神無月風に任せて散る紅葉哉。21
七セラ植植きて秋の形見と見る菊の冬の色こそ尙優りけれ人気山廻る時雨は頓て過ぬれど木葉にぬるゝ袖の上哉〓九た三初初瀬山夜深き鐘に驚けば旅寢の床も霜ぞさえける〓〓〓〓さ〓る〓〓〓〓さんる。野原に來て涙ぞ頓て氷る也ける一むむ雲雲の時雨し空はそれ乍ら冴ゆる嵐に霰ふる也ニタクはは暮が燒くとや炭がまの煙にきほふ大原の里ニ關ニ恐りびははの枕は冴つれど今朝は嬉しき庭の初雪三■四季雪よ是雲さへ氷る冬の雨の空に結べる名に社有けれ五〓〓〓〓〓〓りけり雪の旦ぞ限りだになし大事業ゆる夜は汐ひの波も氷けり玉ぞ碎くる床のさ蓆七七個埋火のあたりに近き轉寢は春の花社夢に見えけれ人間鳴鳥鳴繪島が崎を繪にかゝば友呼聲や聞えざるべき入九大貫けふ毎に今日や限と思へ共又も今年に逢にける哉祝五首014神神やや裳濯河の細れ石も君が御代にぞ岩と成べき一番君が代は幾千年にか葵草變らぬ色に神もまもらむ二五君君經經千千の例と理小松原小鹽の山も祝初けむ三番君が代を日吉の神に祈置けば千年の數や志賀の浦波-一個住吉の松も涼しく思ふらし君が千年の和歌の浦風戀十五首工事導入る道もしられぬしのぶ山袖計りこそ栞也けれ五メニ哀なり轉寢にのみ見し夢の長き思に結ぼゝれなむ七色色に出ず人の袖には露かくる君はうけらの花にや有覧^人チ関係は打も寢ぬとも徒に歸る戀路はかひなかり鳬カル年年經ぬ宇治の橋守君ならば哀も今は懸まし物を〇六四堰きをびぬ逢瀨もしらぬ涙河片しく袖や井手の柵一〓幾年に馴にし床のふりぬらむつげの枕も莓生に見請陸奧の荒野の牧の駒だにもとればとられて馴行物を三ニート綾綾しな戀やてふ名は立田川袖をぞくゝる紅の波12諸島出よ忘やしぬる若狭ぢや後世の山と契りし物を武田夢にだに逢瀨ありやと待べきに枕のみうく涙川哉토賛現には思絕行く逢事をいかに見えつる夢路なる覽七ヒムト云云通ふ道だに絕えぬ逢事の長良の橋はさ社朽なめ八ハムま昔見し人のみ今は戀しきを又逢まじき〓とぞ悲しきハチル事野の変の笹の庵しのに露散る夜はの床哉九雜十首°〓夜を重ね寂しき床にすが枕幾度鐘の聲を聞くらむ一押押や濱の南の松原も幾きの千代を君にそふらむ一百色替ぬ御垣の內の吳竹も君が御代にぞ千代は知覧諸和歌浦の風にたづさふ友鶴の君が千年に逢ぞ嬉しき■一四四治治るきく龜のを山も波ぞよせ來む五北京音し聞のべの岩やぞ哀なる嵐の底を夢に見えけむ舊掛ていへば厭ひもす覽春日山さりとて如何賴ざるべき七吉吉河河岩こす浪を詠むれば絕せぬ水の心をぞ知る七ル〓落落たぎつちゃの流は積れ共變らぬ物は沖つ白波八ないいにして憂身乍に君が代の千代の初の今日に逢覽能崇德院讃州にしてかくれさせ給ひて後御供なりける人の邊より傳へられて斯る〓となむありしとて折紙に御宸筆なりける物を傳へ贈られしなり筈への須磨の浦には藻鹽たれ蜑のなはたき漁りせしその言の葉は聞しかど身の類ひには鳴き渡る岩うつなみの懸てだにおもはぬ外の名を止て沈み果てぬるわれ舟の我にもあらず年つきも空しくすぎの板ぶきのならはぬ〓とに目も合で思ひしとけば前の世につくれる罪の種ならでかゝる歎きになるとはあらしの風の激しさに亂れしのべの糸ずゝき葉末にかゝる露の身の置きとめ難く見えしがばそのくれ竹のよを籠て思ひ立ちにし麻ごろも袖もわが身も朽ぬれど流石にむかし忘れねばくもゐの月をもて遊びやまぢの菊を誰かまた時につけつゝ圓ゐして春あきおほく過にしを今は千とせを隔て來て初がりがねも言づてず馴れにし方は音も絕ぬ本のこゝろし變らずはとにつけつゝ君はなほ言葉のいづみ湧らめど見しは斯だに汲て知る人もまれにや成ぬらむ更にもいはず悲しきはとをたちにしから國のむかしの跡に習ひてや深きうきめにねも絕ぬかつ身の程を厭へどもこゝろの水し淺ければ胸のはちす葉いつしかとひらけむとは難けれどたどる〓〓も暗きよをいづべき道と入ぬれば一たびなどもいふ人を捨ぬひかりに誘はれて玉をつらぬる木の下に花ふりしかむ時にあはヾちぎり同じき身と成てむなしき色は染置きし言の葉ごともひる返しまことの法となさむ迄あひ語らはむ〓とをのみ思ふこゝろを知るや知らずや、夢のうちになれこし契朽もせでさめむ旦に逢〓ともがな宮におはしませえんししかかうう道道もつかうまつりし人は多かりしをとりわきおぼしめし出しけむこともいと悲しくて人知れず御返事をかきておたぎのへんになむ遣らせける須磨浦や藻鹽たれけむ人もなほ今を見るにはうき波のうき例しにはなほ淺し哀れうき身の其かみを思ふにつけて悲しきは荒れにし宿の壁に生るみなしご草と成しよりふるすに殘る葦たづの澤べにのみぞ年經しをはじめて君が御代に社雲のかけはし踏み通ひたつのみ顏に近づきて時につけつゝ空しくは過ぐさず見にしあづさ弓まどひし末に連なりて花のはるより時鳥待つ曉も秋の夜の月を見るにも九重にふり積む雪のあした迄物思ふことも慰さめし九の重を出しだに袖のこほりはいかに有し天の羽ごろも脫替へてはこやの山に移りしもやまぢの菊を忘れしをいかに吹にし山しろの鳥羽田の面に悲しみてゆふべの空と推なべて野べのかや原むば玉の夢うつゝともわたの原むなしき船を隔てつと聞きし別れの無に似て蜑のかるてふ方もなくむなしき空にまつ山の嶺のくもにも留め置し大和みことのもろ共に玉のこゑ〓〓たち混りかゝる類ひは如何あらむさても年つき立ち返りくもゐの月に有しかど月のまへには君を思ふ只とことはに埋れ木のしづめるとはをによせむ立てゝし道と空しさはあゆむ草には自づから溜るゝせよりかつ消て哀れしるべき立ち返る波もやあると外にして秋のみそらに露けぬと汐路へだてゝ夕べより今ははかなき泣々も後の世にだに生れあはヾむかしも今ももろ人はこの言の葉をさそはざらめや手折つゝ過るよはひもはつ秋のあらし也けむ日影くれもりのまつ風なりし時人のこゝろも亂れつゝ迷ひしほどはわかざりき更にもいはず漕き離れ波路はるかに悲しきはたとへむ方ももしほ草搔てもやらむ仰げどもこゝろ計りはまつしけむ唯かたみとは言の葉を見れば涙も連なりて錦 いろ〓〓古ヘも今行くすゑも移りゆくしきしまの道誘はるゝ夜な〓〓稀に昔おぼえ花のもとにも嘆きつゝいつも變らぬとのねを昔したちけむ遁れつゝこゝろ一つの袖ぬれてことばの露は時もあれと淺茅がしたに人もなしさりとも稀に思ひしをつひに千里の月かくれ旅のみゆかに吹く風の原にもこえし夢の中にあひ見む〓とは契あらではちすの池にこの道に心をひかむえむとしておなじみ國に
さきたゝむ人は互に尋見よ蓮の上にさとりひらけむ八月十五夜月蝕ありし年右少將こまひきの引わけにすけの參るまじとて殿下より催されしかば參れとて月現じたりと申しゝかばあたりとりてなむと申しゐたる程曉歸りたるつとめて駒ゐて來たりと申すをあれぞあけなる駒なりしかば(歐脫熙)攝政内大臣うせ給ひて後おもひながらへ申さゞりし程に四月五日とく法印の御もとよりは絕えて少將入道寂蓮にて故內大臣〓に二位中將の御歌どもを遣したりしにつけて御返事申す次でにいかにいひいかに問むと歎く間に心も盡て春も過にき又內府の御歌のごとおぼしくてちりにける花の詞を今日見ても春の別は尙ぞ悲しき其の後に三日ありて法印の御もとより言の葉思ひの程になほえ仰せられず法印返事おほせらるべきよし仰せらるればとてつかはしける別にし名殘の春はくれぬれど長き恨は盡せざりける又內府の御返事とおぼしくて浮浮かな詞の花を殘しつゝ身をば嵐の物となしつる今の攝政左大臣殿あら〓〓とて皇皇門院かくれさせ給ひてその御思ひとは承りながらたのみし老いたる人の思にてかきこもりたりけるかの大い殿よりおほせのよし問へかしなよの墨染は變れ共我のみ深きくせはいかにと其の頃まだ諒闇なりし頃なるべし御返事墨染の袖はいかにと思ふにも同淚にくれてこそふれ侍從の許に權中將公衡卿補任をかされたりけるが定賴の中納言の手跡とて反古のうらにかきたるうらの本御なか故御子古大納言の御手跡の消息にて月日の下に權大納言長家とかゝれたる名をみ出でゝ物に書きつけて返しける古の跡はさしても忍ぶべしわが其家と見るぞ悲しき年頃もちながら知らざりけるなどありつゝ返事公衡中將一世世を經て偖のみ過し言の葉の今梢にぞ色を染ける歌合と云ふことする人。々勝負定むることをこなたかなたよりふれ遣すことのみあるをとかうかつさひ申しながらいなゝひ難きは覺えぬかたながら誓ひたりとてせめことになりにしを圓位聖にと云ふは昔より申し交すものなりしをわがみみつめたる歌どもを三十六番につかひて伊勢の太神宮に奉らむずるなりとてこれを勝負しるしてと强ひて申しゝかばおろ〓〓かきつけて遣はしける歌合のはしに聖人かきつけたる歌ニ藤藤を御裳濯河に堰入れて百枝の松に懸れとぞ思ふ返事に歌合のおくにかきつけゝる〓藤浪も御裳濯河の末なれば下枝もかけよ松の百枝に藤原ももとは大中臣なりし故にや又おくの歌契置し契の上にそへおかむ和歌の浦わの蜑の藻鹽木ここの道の悟り難きを思ふにも蓮開けばまづ尋ね見よ返し二首後日に送る圓位上人和歌浦に汐木飾れる契をぞかけりたくまの跡にぞ有ける悟悟て心の花し開けなば尋ねぬさきに色ぞそむべき少將成家の朝臣賀茂の祭の使せし時出立は右のおとゝの六條堀河なりき權大納言定家卿とぶらひ渡りて舞人の座の二献の勸盃といふことなどせられて後又の日これより昨日のしたくことごと宜しかりしこといでたちの右大臣家なかにて御座當時ゐられて事行はれきありがたき例なりなどいはれて侍りし返事の次でに遣はし侍りしかかけなびく玉の臺の筵にも澄み給ひてぞ光そひにし24三八六下藻詠秋長立ち歸りて返事えいいややその光迄とは知らね共思ふ心は色に見えけむ又返事さらにまた昔の故もしのばれて袖の涙も色ぞ增れる權中納言公衡朝臣もいでたちの所にとぶらひ來て舞人の初献初盃などせられしことヾもよろこび申さむとせし程に祭の日北のぢんにて御覽ありけるを少し雨ふりたりけることなむといひて少將の許よりいはれたりける中將。昨日しも潤す雨の氣色にて時にあふひは昔とぞ思ふ少將。村村も時にあふひの印とは君がとふにぞ思知りぬるとぞ令返報ける法性寺座主要百首の歌をよみて人々にもすゝめらるべしと聞えしを入道兩社百首といふ物よまむとすなりおなじくばこれにぐして我がよめるをもぐして日吉にも進らせよとて侍りしをよみかふるとは思ひ侍りしかども人々にぐし申すべしとも思ひ給へず給ひて詠むこともありがたしと申したりしをなほなど勸め遣して消息の奥に法印oいいでかは君が光をそへざらむ神に手向の百草の花返し手手べき心計りは有ながら花に並ぶる言の葉ぞなき左少將が中將になりて侍りしにつね家の三位の許より10ににへへ花咲く宿の梢かなはねの林に枝を連ねて返しお今朝やしる花咲增れと思ふ哉三笠の山に枝は連ねつ文治五年十一月七日雪いとたかくふりたりしつとめて菩提院權中將公衡消息あり冬籠り跡かき絕ていとゞしく雪の內にぞ薪つみける返し○冬ごもり薪つむ共山里は雪よりやがて花ぞ咲くべきかく聞えたりし後師走のつごもり追難の次でに三位せられしかば三日すごしてこれより加雪のうちにこえしも著く梅枝に早晩花の開けぬる哉三位中將。今ぞ知る雪より花は咲くと云し其言の葉に驗有とは文治六年正月三日主上御元服なり同じ十一日は殿下女御の御入內なりきその料の御屏風十二帖の歌三十六首いるべきを人々各よみて奉るべきよしさきの年の霜月頃より仰せられしかばよみて奉りし歌正月小朝拜列り立つ所九重や玉しく庭にむらさきの袖を連ぬる千代の初春子日小松原山野に霞立ち渡りたる所、住吉の松あり一かすみしく春の光に見渡せば千年はしるし住吉の松二月花中鶯ある所人の家あり谷を出て高きに移る鶯は花さへ闇のあかすなりけり人の家並に野べに梅の花咲きたる所野 に べ の に く の の も も もえぬれば宿の花こそ主也けれ三月澤邊春駒あり1春駒の野澤になるゝ氣色にて蘆の若葉の程は知るゝ山野〓に人の家に櫻の花咲きたる所霞立ちたり一峰の雲野べの霞も薰り合て春に結べる宿と、そなれ人家の庭に藤の花盛りに咲きたり山吹もあり(歌不見)四月下藻詠秋長九九六23
更衣、人の家に卯の花のかきねあり百妙に今口立着たる夏衣千代に變らぬ色こそ有けれ賀茂の社に葵つけたる人參りたる所ヘ神代よりいかに契て御誕ひく今日は葵を翳し初らむ早苗植ゑたる所數知ず田子の多くも見ゆる哉千町の早苗とれば也是五月人の家、雲ゐに時鳥あり〓雲ゐにてよはに語ふ鵑千年聞くともあかじとぞ思ふあやめ刈りたる所、人の家にふきたる所もあり一絶えずひく淀野の里の菖蒲草尙萬代もねは留むらむ人の家の庭に撫子咲きたる所一宿からに盛久しき常夏は千代の秋にも逢むとやする六月山井の邊に人々納涼したり又人の家もあり立止る程だに涼し山の井に住らむ里の人をしぞ思ふ野べの杜の夏草しげき所夏深き野べのさゆりば風過ぎて秋は覺ゆる森の蔭哉河邊に六月はらへしたる所君がため今日の禊にいづみ川萬代すめと祈りつる哉七月山野〓に人の家秋風吹きたる所、荻もあり松松風を裾野の〓の傳へきて千年の秋と宿に告ぐなり野の花さかりに開けて人々あつまり見る又刈り取る所もあり諸人のちぐさの花の時にあへる心々を野べに見る哉春日山に鹿ありル春日山萬代呼ふ松風に鹿も秋をば知るにや有るらむ八月人の家池の上に人々翫月所た池水にのどけき月を映しても心はれたる宿のもろ人あふ坂の關に駒むかへcm君世世あふ坂山のせき水も影靜かなるもち月の駒田の中に人の家ある所ニー秋の田の五百代田より家居して千束や食稻積まむとす覽九月ある山の中菊盛に開けたる所、仙人これを見る三仙人のをる袖匂ふ菊の露打拂ふにも千代は經ぬべし山野〓に人の家に紅葉さかりにして人々翫ぶ所三尋ね見る麓の里の紅葉にこれより深き奧ぞ知らるゝ海のほとりに霧立ち渡りたる所須磨の關秋の日數をやらじとや心を込て霧立にけり十月海べに千鳥あり海士人の汐やくもあり四四方の海蜑の鹽屋も數そひて浦わの千鳥千代呼ふ也網代に人あつまりたる所に紅葉あり一絕ず住む八十字治河の網代木に幾世紅葉の錦懸く覽江澤の邊に寒蘆しげりたる所、つるあり〓難波潟蘆べの冬のけしきにて變らぬ物はつるの毛衣十一月五節の舞の所ヘル少女子が雲の通路空晴れて豊のあかりも光そへけり賀茂の臨時の祭上の御社の社頭のけしき2月さゆるみたらし川に影見えて氷にすれる山藍の袖野べに鷹がりしける所またもなほ人に見せばや御狩する交野の原の雪の曙十二月内侍所神樂のけしき〓理りや天の岩戸も明けぬらむ雲ゐの庭の朝くらの聲山野の樹竹に雪つもりたる所、人の家あり一籠籠り野山しめたる氣色まで花の春ともなせる雪哉年の暮に山より妻木こりて出でたる所ひきつれて山路に松のこゆる哉春の迎へに急ぐ也息泥繪の御屏風に和歌二首夏の樹蔭に納涼したる所mm君が代の四方の山べも繁ければ木蔭涼しく〓水汲鳬池の水雪つもり水鳥あり多くれば池の鏡に氷居てみがきそへたる千代の影哉かくて人々同じ數に三十六首泥繪二首よみて奉られたりけるをみな給はせてよろしからむ歌どもにしるしつけて奉るべきよし侍りしかばしるして奉りて後又左のおとヾの御もとにもつかはしたりければしるしつけ奉られたりけるを又殿にて定められたるとぞこれよりは自らの歌はむげにやはとて且一首ぞしるしつけて奉りしいかに定められけるにか七首を御屏風にぞかゝれける左のおとゞの歌の數も同じ數なりけり歌奉りける人々殿下左右のおとヾ左大將殿季經卿隆信朝臣左少將定家朝臣入道以上八人なり少將またいとヾ歲わかし若き者の數にいれられたることは事の外のことなれども若きものなればよしなるにや三首ぞ入りたりけるされど初の小朝拜の歌いりたるなむ面目なりと承りし七首入りけるはこのてんあひたるともなり其のうちいと思はずに入るまじき歌こそ入りにけれ屏風の歌久しく絕えたるを上東門院の御入內に長保の例にて此の度おこされけるなるべししきしかたは大納言忠親卿左大將殿中務少輔伊經となむかきける此の道めづらしき手にておろ〓〓しるし侍るなり圓位ひじり歌どもを伊勢の內宮の歌合とて判うけ侍りし後又同じき外宮の歌合にて思ふ心あり新少將にかならず判してとてとかきければしるしつけて侍りけることに其年文治河內のひろかはと云ふ山寺にて煩ふことありと聞きて急ぎつかはしたりしかば限なく喜びつかはして後すこしよろしとて年のはての頃京にのぼりてと申しし程に二月十六日なむかくれ侍りける彼の上人先年にさくらの歌おほくよみけるに同じくは花のもとにて春死なむその二月の望月の比かくよみたりしををかしく見給ひしことにつひに二月十六日望の日をはり遂げけること哀に有りがたく覺えてかきつけゝる願置きし花の本にて終りけり蓮の上も違はざらなむ秋篠月〓集秋篠月〓集一花月百首花五十首No昔誰かゝる櫻の種をうゑて吉野を春の山となしけむ加谷川の打出づる浪に見し花の峰の梢になりにける哉21尋尋ねてぞ花と知りぬる初瀨山霞の奧に見えし白くもス花花れや山の高ねの雲居より春のみおとす瀧の白糸ニュー立田山折々見する錦かなもみぢし嶺に花咲きにけり五かからきの嶺の白雲かをるなり高間の山の花盛かもエル比良の山は近江の海の近ければ浪と花との見ゆるぐま一五更更又及の浪もかをるなり花の香おろす志賀の山風五な秋秋まだ鹿のね〓げじ高砂のをのへの程に櫻一むらはそ明け渡る外山の梢ほの〓〓と霞ぞかをる宇治の春風世の中よさくらに咲ける花なくば春と云ふ頃も遮莫ね九九重の花の盛になりぬれば雲ぞ雲居のしるし也ける五
立ちよれば御階の櫻盛也幾代の春のみゆきなるらむ→我が宿を花に任せて此頃は賴めぬ人の下待たれつゝ眺眺くのす宿の櫻の花盛庭の木かげに旅寢をぞする誰となく待たるゝ人を誘へかし宿の櫻をすぐる春風都人いかなる宿を尋ぬらむぬし故花は匂ふものかは今日こずば庭にや跡の厭れむとへかし人の花の盛を六窓の內に時々花のかをり來て庭の梢に風すさむなり何となく春の心に誘はれぬ今日白川の花のもとまでス〓今日も又去年栞せし山に來て契知らるゝ花のかげ哉我が厭ふ春の山守思知れ折らずば風の殘すべきかはcかかみみく宿の梢ぞ哀なるまだ見ぬ山の花の通ひぢ"はる〓〓と我が住む方は霞にて宿かる花を拂ふ山風〓あはれなる花の木蔭の旅寢かな嶺の霞の衣かさねて村村の鳥枝に馴るゝ氣近さに花に宿かる程ぞ知らるゝ待待促ぬ更に人をや尋ねまし花故とてぞ來つる山路を散らぬ間に今一度と契るかな今日諸共に花見つる人〓ふふき同じ山路に分來ても花故をしくなる此世哉葉せで吉野の花や尋ねましやがてと思ふ心ありせばN花花吉野のみねや雪の山法もとめしよ道はかはれど鷲の山御法のにはに散る花を吉野の嶺の嵐にぞ見る〓く〓もに惜め共思入りたるみ吉野の山〓花宿る櫻が枝は旅なれや風たちぬれば根に歸るらむ〓るるもも世を浮雲となりにけり虛しき空を寫す池水色も香も此世におはぬ物ぞとて暫も花をとめぬ春風ははも皆うき世の色と眺むれば折哀なる風の音かな吹く風や空に知らする吉野山雲にあまぎる花の白雪高高の松に浦風通ふなり尾上の花のあたりなるらむ浦風に花や散るらむ志賀の山たかねも沖も同じ小波〓ととししにけり吉野の瀧の末の白波か高ねより谷の梢に散りきつゝ嶺に歸らぬ櫻なりけり山山のたにゝ櫻をさそひきてなほ岩たゝく雪の下水"風よりも過ぐる日數のつらき哉いつかは散し春の初花明方の深山のはるの風さびて心くだけと散る櫻かな花ちれば頓て人めも枯れはつる深山の里の春の暮哉歴庭散散散雨雨をぞしをれける梢に風を恨み〓〓てエちちをを代代來て山田のかはづ聲薰るなり猶ちらじ深山がくれの遲櫻またあくがれむ春の暮方高砂の尾上の花に春くれて殘りし松の榮えゆくかな月五十首三三月月の秋ほのめかす夕暮は心に〓の風ぞこたふる大大大に身にしむ風も秋の夜は月故とのみ成にける哉。春夏の空に哀を殘しける月を秋にてこよひ見るかな。さらぬだに更くるは惜き秋夜の月より西に殘る白雲。鹿鹿侘び蟲も恨むる所とて露けきのべに月ぞ宿かる1月月の殘る草なき野原かな葛のうらまで見する秋風〓。照る月に哀を添へて鳴雁の落つる淚はよその袖までxの里とよむ音も靜になりはてゝさ夜更け方にすめる月影お雲きゆる千里の外に空さえて月よりうづむ秋の白雪6〓〓見潟遙に沖の空はれて浪より月のさえのばるかなxo潮風の與謝のうら松おとさえて月影よする沖つ白波衰哀かかに心ある海士のなかるらむ月影霞む鹽竈の浦なるみがた荒磯浪の音はして沖の岩こす月の影かな一むしあけの瀨戶の潮干の明方に浪の月影遠ざかる也思ひやる心にかすむ海山も一つになせる月の影かな一廣澤の池におほくの年ふりてなほ月のこる曉のそら猿澤の玉藻の水に月さえて池に昔のかげぞうつれる〓我が宿は姨捨山に住みかへつ都の跡を月やもるらむ更科の月やは我をさそひ來し誰がする〓とぞ宿の哀は七月宿る野路の旅寢の笹枕いつ忘るべき夜はの氣色ぞ〓今宵誰すゞの篠屋に夢さめて吉野の月に袖濡すらむ-篠深き野中の庵に宿かりて露まどろまずみつる月哉九。あたらしや門田の稻葉ふく風に月影ちらす露の白玉一集〓月德秋一月だにも慰めがたき秋の夜の心も知らぬ松の風かな一一寂しさや思ひよわると月見れば心の底ぞ秋深くなるニ奥奧に浮世離れて住む人の心しらるゝ夜はの月かな四二獨ぬる閨の板間に風ふれてさむしろ照す秋の夜の月誰誰なむ今宵の月は見るやとて蓬が下の道を分つゝ照る月も見る人からの哀哉我身一つの今宵ならねどによもの海波も一つにすむ月の影傾ぶかぬ君が御代哉〓雲の上遙に照す月影を秋のみやにて見るぞうれしきた獨寢の夜寒になれる月見れば時しもあれや衣うつ聲○濁る世も尙すむ影ぞ賴もしき流たえせぬ御裳濯の月一朝日さす春日の嶺の空はれて其名殘なる秋の夜の月=さらしなを心のうちに尋ぬれば都の月も哀添ひけり三一待つ人も覺えぬ物を槇の戶に嵐や叩く月を見よとて秋ぞかし今宵ばかりの寢覺かは心つくすな有明の月11浮浮世ははつつささ社は思へ共心のたけを月に知ぬるかか曇曇る心は厭ふな夜半の月なにゆゑ落る秋の涙ぞ中中に月の隈なき秋の夜はながめに浮ぶ五月雨の空ス〓厭ふ身も後の今宵と待れけり又こむ秋は月も眺めじた浮世厭ふ心の闇のしるべかな我が思ふ方に有明の月cm橫雲の嵐にまよふ山の端に影定まらぬしのゝめの月一紅葉ばの散るに晴行く住ひ哉月疎かりし深山隠れもニッ谷ふかき葎が下の埋水それにも月のひまもとめけり112雲雲のしぐれて過ぐる梢より嵐にはるゝ山の端の月さよ深き嵐の音に山さびて木の間の月の影の寒けさ61M有明になりゆく月を詠めても秋の名殘を打數へつゝメ長月の有明の月の明方を誰まつ人のながめ侘ぶらむtep秋の色のはては枯野と成ぬれど月は霜こそ光也けれ二夜百首霞五首Xひひきかへて四方の梢も霞むなり今日より春の曙の空カおおろろるるなに哀をかさぬれば霞も月の光なりけり〇山山のそともの岡のほどなきを遙に見する朝霞かなエみ吉野のおくに住むなる山人の春の衣は霞なりけり三藻鹽燒く浦の煙と見る程にやがてかすめる須磨の曙梅五首五ささばばこそ宿の梅がえ春立て思し〓とぞ人の待たるゝ〓〓のこゑのにほひとなる物はおのが塒の梅の春かぜ五宿宿は梅にゆづりて立出でむ花の主は人や問ふとて、本此此は梅をばおのが匂ひにて通ひてしるき春の山風一軒軒かか梅梅の梢に風すぎて匂ひにさむる春の夜の夢歸雁五首春春いへばいつしか北に歸雁越路の冬を送る也けりな一雨はれて風に隨ふ雲間より我もありとや歸る雁がねc唯唯ぞ歸ると〓げて行く雁を心に送る春のあけぼの〓朝ぼらけ人の涙も落ちぬべし時しも歸る雁がねの空忘るなよたのむの澤を立つ雁も稻葉の風の秋の夕暮照射五首足足の山の雫に立濡れぬ鹿まちあかす夏の夜すがら六照射するは山茂山里遠み火串もつきぬ明けぬ此夜は照射しに出ぬる跡の賤のめは獨や今宵めを合すらむ六後世を此世に見るぞ哀なる己が火串を待つに附ても秋の野に妻とふ鹿を聞せばや照射する身は情なく共納涼五首ハ日をさふる松より西の朝凉爰には暮ぞ待れざりける奥山に夏をば遠くはなれ來て秋の水すむ谷の聲かな〓〓一重なる蟬の羽衣厭ふまでまだき秋ある夏の夜の月→古〓の板井の〓水年をへて夏のみ人のすみかなる哉シ影深き外面のならの夕涼み一木がもとに秋風ぞ吹く霧五首三七誰が宿に深き哀を知りぬらむ千里は同じ霧の内にて跡たえてもとより深き山里の霧にしづめる秋の夕暮秋のきり冬の煙となりにけりまだ炭やかぬ大原の里一集〓月篠秋
音音れし木の葉散りぬるはては又霧の籬を拂ふ山風セン霧深き明石の沖に漕行くを島隱れぬと誰ながむらむ擣衣五首昔より白き衣をうつなれど聲には色のありける物を山賊の谷のすみかに日は暮れて雲の底より衣うつ也〓衣うつ折しもつらき鐘の音の紛るゝ方とならぬ物故〓夜もすがら月にしてうつ唐衣空まですめる槌の音哉槌の音はみねの嵐にひヾき來て松の梢も衣うつなり鹿五首ヨ野野山山遙に遠き鹿の音を秋の寢覺に聞き明しつゝ四八露深き籬の野べをかき分けて我に宿かるさを鹿の聲私紅葉ふく嵐につけて聞ゆなり林の奧のさを鹿のこゑな稻葉吹く門田の風に埋もれて仄に鹿の聲たぐふなり秋の夜はをのゝ篠原風さえて月影わたるさを鹿の聲時雨五首片山に入日の影はさしながらしぐる共なき冬の夕暮か物おもふ寢覺の床のむら時雨袖より外もかくや雫は0程もなく過つる時雨いかにして月に宿貸名殘とむ覽で過ぎ來ぬる嵐にたぐふ村時雨竹のさ枝に聲は殘りてニ昨日けふ都の時雨風さむしこれや越路のはつ雪の空本音音志賀のうら梢にかよふ松風は氷に殘るさヾなみの聲大井川せヾの岩波音たえて井せきの水に風凍るなりけけさ見れば池には氷隙もなし偖水鳥の夜枯しけるを丸山深き水のみなかみ凍るらし〓瀧川の音のともしき難難がた入江のあしは霜がれて氷にたゆる舟の通路寄雲戀x知知ぬらぬ山の雲を遙に尋ねつゝ昔は人にあひける物を〓今宵とて入日の空を眺めわび雲の迎へを待たぬ儚さ°C量なき戀の煙やこれならむ空に滿ちたる五月雨の雲。戀死む身ぞと云しを忘ずば此方の空の雲をだに見よ。曉曉風風に別るゝ橫雲をおき行く袖のたぐひとぞ見る寄山戀三三野野の山より深き物やあると心に問へば心也けりの知るや君末の松山こす波に尙も越えたる袖の氣色をなな通通へうつの山べの現には絕えにし中の夢路計を0わ姨捨の山は心のうちなれや賴めぬ夜はの月を眺めてわ消え難き下の思はなき物を富士も淺間も煙たてども寄川戀00思思ふすみだ川原に鳥も居ば我も昔の〓と問はでやはわいかにせむ身を宇治川の網代木に心をよする人の有かは〓廣瀨川袖つくばかり淺きこそ絕え〓〓結ぶ契也けれ一石ばしる水やはうとき貴船川玉ちるばかり物思ふ頃一飛鳥川瀨となる末もある物を袖には淵の朽果つる迄寄松戀一友と見よ鳴尾に立てる一つ松夜々我も偖過ぐる身ぞ枝繁き松の隙より洩る月の僅にだにも逢見てしがなエ前前にいかなる種を結びけむうしとも今は岩代の松本來ぬ人をまつに恨むる夕風に友思ふ鶴の聲ぞ悲しき浪かくる繪島に生ふる濱松の朽ちぬ歎に濡らす袖哉寄竹戀ヘ君故に虎伏す野べに身を捨てむ竹の林の跡を尋ねてがあふ人もなき類ひ哉山伏のすゞわけ〓ぶる峯の通路〓我が友と賴みし人は音もせで籬の竹の風のこゑのみ一笛竹のよ深き音こそ哀なれ又類ひなき我身と思へば〓戀に惑ふ心の闇にくらき哉竹のは山の霧のうちかは三禁中五首三紫の庭の春風のどかにて花にかすめる雲のうへかな10春をへて盛久しき藤のはな大宮人のかざしなりけり正萩の戶の花の下なるみかは水千年の秋の影ぞ映れるた冬の朝衞士の煙を立つる屋のあたりは薄き九重の雪に春も秋も葉替ぬ竹は昔より常磐なるべき君が御影に一集清月篠秋五昨日けふ千里の空も一つにて軒端に曇る五月雨の宿0ニ秋秋又又は路そよに成にけりよ渡る月の影に任せてニュははゝゝの星の光に類ひ來て同じ空よりおける白露三かかててこそ誠に秋は寂しけれ霧閉ぢてけり人の通路四五秋は猶吹き過ぎにける風迄も心の空に餘るものかは五天の川氷をむすぶ岩波のくだけて散るは霰なりけり極長き夜の人の心におく霜のふかさを鐘の驚かすなりセ春春花花きき月月もも殘りける心のはては雪の夕ぐれ地儀十首Al吉吉山空しく峯に跡とぢて憂世を聞かぬ風の音かなな高砂の浦の松をも隔て來て友こそなけれ八重の汐風〓白波の跡をばよそに思はせて漕き離れ行く志賀の曙〓大井川朝げの煙はる〓〓とくだす筏の遠ざかり行く舊にける昆陽の池水み錆ゐて蘆間も月の影ぞ乏しき法騎れれ伏伏のを田の畦傳ひ苗代水にとだえしに鳬哀いかに旅行袖の成ぬらむ木の下わくる宮城野の原秋は皆千々に物思ふ頃ぞかし信太の森の雫のみかは六分けくらす木曾の梯たえ〓〓に行末ふかき嶺の白雲足柄の關路こえ行くしのゝめに一むら霞む浮島が原居所十首入百敷や玉のうてなに照る月の光をえたる秋のみや人天の下樂しき御代は煙立つ民の竈のけしきなりけり。我我ふ人だに住まば陸奧のえびすの里も疎き物かは〓疎らなる不破の關屋の板廂久しくなりぬ雨も溜らで〓古〓はあさぢが末になりはてゝ月に殘れる人の面影三つつももききややは待ちし山里は軒の下草道もなき迄山山の穂波を寄する夕暮に袖こそ濡るれ山田もる庵七我宿は野路の笹原かき分けて打ぬる下にたえぬ白露五七六夕なぎに波間の小島顯れてあまの伏屋を照す藻潮火山伏の岩屋の洞に年ふりて苔にかさぬる墨染のそで草部十首神社五首御裳濯のひろき流に照す口の普き影は四方の海まで石石〓水すむも濁るも世中の人の心をくむにぞ有ける05我が祈る心の末を知れとてや袂にとほき賀茂の川風ニ契あれや春日の嶺の松にしも懸り初めける北の藤波一一生吉の岸に生ひける松よりも猶おく深き秋風のこゑ佛寺五首長き夜に朝日まつまの心こそたかのゝ奧に有明の月三雲にふす人の心ぞ知られぬる今日を初瀨の奧の山本11難難江や座のあとに年くれぬ月日の入るを思送りてた絕えずたく香の煙や積るらむ雲の林に風かをるなり浪にたぐふ鐘の音こそ哀なれ夕さびしき志賀の山寺山家五首山里に心の奥の淺くてはすむべくもなき所なりけりなかか便便りに聞けば都には我が住む谷を知人もなしcm奧奧谷谷谷谷の煙に煙もたゝば我宿を猶淺しとや住うかれなむ一山深み人疎かりし友猿のともとなりぬる身の行方哉二心ありし都の友も山人となりて思へば岩木なりけり海路五首ニ明明より浦傳ひゆく友なれや須磨にも同月を見る哉I播磨潟をりよき今朝の船路かな浦の松風聲弱るなり10秋秋夜夜哀深深深磯寢かな苦もる雨の音ばかりして大阪鷗かか波ち遙に漕ぎ出でぬよそめ計やおきの友舟哀なり雲に連なる波の上に知らぬ船路を風に任せて建久元年十二月十五日月蝕於內裏直虛詠之亥一點始之丑終詠六十首同十九日戌終重始之子刻終百首篇抒兩夜之外不詠之雖一首不廻風情者也十題百首天象十首ヘル空さえし去年の景色も打解けて朝日ぞ春の始也けるかびさかたの雲居に見えし伊駒山春は霞の麓なりけり一集〓月篠秋九こ
メル難波潟まだうら若き蘆葉をいつかは舟の分侘なましささ衣衣こは世に知らぬ匂かなあやめを結ぶ夢の枕に〓秋の夜に竹打戰ぐ風の音よ花有とても厭はざらまし〓此の暮に音すべかりし人は來で蓬が柚に秋風ぞ吹く一移し植うる庭の小萩の露雫もとの野原の秋や戀しき女女郎花靡き伏す野の眞葛原したの恨は風ぞ知るらむ古〓は風のすみかとなりにけり人やは拂ふ庭の荻原繰繰返しゆく秋風にそなれきて色も變らぬ靑つゞら哉松谷川の岩根の菊や咲きぬらむ流れぬ波の岸に懸れる繁き野は蟲の音ながら霜がれて昔のすゝき今も一本木部十首春は皆同じ櫻となりはてゝ雲こそなけれみ吉野の山梅梅香香香忍忍の露に留めても軒端の風は猶うかるべし行く人のまづ立ちとまる柳かげ春の川風もと拂ふ也〓行末に我が袖の香や殘るべき手づから植ゑし軒の橘ニ月月みしぐれぬ夜はの寢覺にも窓うつ物は庭の松風一楢の葉にそよや秋風戰ぐ也忘られたりし人のつらさを片片岡の正木の下葉色づきぬ山のおくには霰降るころ尋ねこむ人しらぬ迄なりぬべし軒端を茂る嶺の杉村山寺の奥の通路來て見れば嶺のしきみは本つ葉も無色かへぬ白玉椿老いにけり幾よの霜の置き重ねけむ鳥部十首花花色色おのが鳴く音の匂にて風におちくる鶯の聲おほとゝぎす心を染むる一聲は袂の露に殘るなりけり。秋の夜の月に待出づる初雁の霞みて過ぐる春の古〓。秋なればと計り見まし我宿の眞垣の野邊は〓伏す迄。一野野には今こそすらし小鷹狩山の繁みに雀かたよる50集を戀ふる心よいかに燕かへる野中の秋のゆふぐれ。風寒し友なし千鳥こよひなけ我も磯寢に衣かたしく鴨居る汀の風にゆられきて鳰の浮巢は旅寢してけりお明けぬなり山田の澤にふす鴫の羽おと催す友の一聲〓朝な〓〓雪のみ山に鳴く鳥の聲に驚く人のなきかな獸部十首%。ががつの裾野に放つ春駒はひらきてけりな草の下道。かたぐへ來る松の嵐や弛むらむ尾上に歸るさを鹿の聲。夜の雨の打も寢られぬ奧山に心しらるゝ猿のみ叫び主知らぬ岡べの里を來て問へば答ぬ先に犬ぞ咎むる一古〓の軒のひはだに草あれてあはれ狐のふし所かなミあら熊の棲みける谷を隣にて都に遠き柴のいほかな道のべに過ぎける牛の跡みれば心の罪は類ひあり鳬驚かぬ伏猪の床の眠哉さらでも夢に過ぐる此の世を一世中に虎狼はなにならず人の口こそなほまさりけれ後世に彌陀のりさうを冠らずばあな淺ましの月の鼠や蟲十首〓我宿の春の花園見る度に飛びかふ蝶の人なれにけりれ風吹けば池の萍かたよれど下に蛙の音を絕えぬかな°夏夏夜〓枕を渡る蚊の聲の僅にだにもい社寢られね一大方の草葉のつゆに風過ぎて螢ばかりの影ぞ殘れる一皆人は蟬の羽衣ぬきすてゝ秋は今なる日ぐらしの聲三露そむる野べの錦の色々を機織る蟲のしたり顏なるひとり居て有明思ふ夕闇にまた松蟲の聲もありけり二11秋秋けぬ衣手寒しきり〓〓す今いく夜かは床近き聲た軒端より籬の草にかたかけて風を限のさゝがにの糸七古〓の板間にかゝる養蟲の漏りける雨を知せ顏なる神祇十首シ君君祈祈時時ももあれや神風の身に浸渡る伊勢の濱荻九月のすむ秋の最中の石〓水こよひぞ神の光なりける〓昨日かも絕ぬ御誕を御手洗に雲居の使けふや立添ふ一稻荷山嶺の杉むら風ふりて神さびわたるしでの音哉三浮世にも露懸るべき我身かは三笠の森の陰に隱れて三宮居せし年もつもりの浦さびて神代覺ゆる松の風哉賴むべき日吉の影の普くは開路の末も照さゞらめや八七九一集清月篠秋五三神垣のおまへのはまの濱風に波もうちそふ里神樂哉=加八雲たつ出雲八重垣今日迄も昔の跡は隔てざりけり=稀稀なな跡を尋ねし熊野山みし昔より賴みそめてき釋〓十首地獄ヘミ燃る火も閉る氷も消えずして幾代迷はぬ長き夜の闇餓鬼加身を責る餓の心に堪兼ねて子を思ふ道ぞ忘果てぬる畜生05水水住住住み雲居にかける心にも憂世の網は如何悲しき修羅一浪立ちし心のみちの末は又苦しき海の底に住むかな人一夢の世に月日傳く明暮て又は得難き身をいかにせむ天三五かけしあとには露を置きかへて色衰ふる天の羽衣聲聞果もなく空しき道に消なまし鷲のみ山の法に逢ずば緣覺ながめてイエル奧奧にうりうき世は悟りにき常なき色を風に任せて菩薩大秋の月望は一夜の隔てにてかつ〓〓影ぞ殘る隈なき佛上げ暗しし雲は宛らはれつきて又上もなくすめる月哉歌合百首元日宴A新新ののをを居居に迎ふとてけふ諸人に御酒賜ふなり餘寒空空猶猶霞みもやらず風さえて雪げに曇る春の夜の月春水0本木の間より日影や春を洩すらむ松の岩根の水の白波若草ユ雪きゆる枯野の下の淺綠こぞの草葉や根に返るらむ賭弓二今日はわれ君のみ前にとる文のさして片寄る梓弓哉野遊五人都人宿を霞のよそに見て昨日もけふも野邊に暮しつ雉四武武野に雉子も妻や籠るらむ今日の煙の下になく也雲雀五斤片ののも深き木隱れに朝日待つまの雲雀なくなり遊絲な面面に千里をかけて見するかな春の光に遊ぶ絲ゆふ春曙〓見ぬ世まで思ひ殘さぬ詠より昔に霞む春のあけぼの遲日人秋ならば月待つ事の憂からまし櫻にくらす春の山里志賀山越なか遠やまだ見ぬ嶺は霞にて猶花おもふ志賀の山越三月三日〓る花を今日のまと居の光にて波間にめぐる春の蓋蛙ス雨そゝぐ池の浮草風こえて波とつゆとに蛙なくなり殘春吉野山花のふるさと跡たえて空しき枝に春風ぞ吹く新樹花は散ぬいかに云てか人待む月だにもらぬ庭の梢に夏草夏草のもとも拂はぬ古〓に露より上を風かよふなり賀茂祭〓雲居より立つる使に葵草幾とせかけつ賀茂の川なみ鵜河一集〓月德秋五三〇ー33
大井川井はな山陰に鵜飼舟厭ひかねたる夜半の月かな夏夜せうたゝねの夢よりさきに明けぬなり山郭公一聲の空夏衣かかねねもも涼しかりけり夏衣うすき袂にやどる月影扇本手にならす夏の扇と思へども唯秋風のすみか也けり夕顏。片片の垣根の日影ほの見えて露にぞうつる花の夕顏晩立一入日さす外山の雲ははれにけり嵐にすぐる夕立の空蟬一鳴く蟬のはにおく露に秋かけて木蔭涼しき夕暮の聲殘暑うちよする波より秋の龍田川さても忘れぬ柳蔭かな乞巧星合の空の光となるものは雲居の庭に照すともし火稻妻ははななややれたる宿の轉寢に稻妻かよふ手枕の露鶉六七獨ぬる蘆のまろやの下露に床をならべて鶉鳴くなり野分昨日日遂遂にとぢし柴の戶も野分にはるゝ岡のべの里秋雨メル降す小萩が本の庭の雨を今宵は〓の上にきく哉七秋夕物思はでかゝる露やは袖におく詠めて鳬な秋の夕暮秋田山山きき門田のすゑは霧はれて穗なみに沈む有明の月鳴一波よする澤の蘆邊をふしわびて風に立つ也鴫の羽掻廣澤池眺望心には見ぬ昔こそうかびけれ月にながむる廣澤の池蔦エううの山こえし昔の跡ふりて蔦の枯葉に秋風ぞ吹く柞柞はら雫も色やかはるらむ森の下ぐさ秋ふけにけり九月九日12雲の上に待來し今日の白菊は人の詞の花にぞ有ける秋霜霜結ぶ秋の末葉の小篠原風には露のこぼれしものを暮秋龍田姫いまはの頃の秋風にしぐれを急ぐ人の袖かな八落葉〓散果てむ木葉の色を殘しても色こそなけれ嶺の松風殘菊樣樣の花をば菊に分けとめて垣根に知らぬ霜枯の頃枯野見し秋を何に殘さむ草の原一つに變る野邊の景色に霙一風さむみ今日も奚の古〓は吉野の山の雪げなりけり野行幸芹川の波も昔に立ち返りみゆきたえせぬ嵯峨の山陰冬朝雲深き峯の朝げのいかならむ槇の戶しらむ雪の光に寒松〓〓水水るる谷の戶ぼそも閉ぢはてゝ氷を叩く嶺の松風椎柴山山の寂しさおもふ煙ゆゑたえ〓〓立てる嶺の椎柴衾さゆる夜に爲の衾を重ねきて袖の氷を拂ひかねつゝ佛名34六六〇一一集〓月德秋一一とせの儚き夢は覺めぬらむ三世の佛の鐘の響きに初戀x知知ざざしし我戀草や茂る覽昨日はかゝる袖の露かは忍戀えももすすよよ居居る嶺の初時雨木の葉は下に色變る共聞戀0谷ふかみ遙に人をきくの露觸れぬ袂よ何しをるらむ見戀。忘れずよほの〓〓人を三島江の黄昏なりし葦の迷に尋戀50たどりつる道に今宵は更けにけり杉の梢に有明の月祈戀0幾夜われ波にしをれて貴船川袖に玉ちる物思ふらむ契戀〓いけらばと誓ふ其日も猶こずば邊りの雲を我と眺よ待戀00達生の末葉の露の消え返り猶此世にと待たむ物かは逢戀お唐衣かさぬる契くちずしていく夜の露を打拂ふらむ別戀も忘れじの契をたのむ別かな空ゆく月の末をかぞへて顯戀50袖の波胸の煙は誰も見よ君がうき名の立つぞ悲しき稀戀ね有し夜の袖の移香消果てヽ又あふ迄の形見だになし絕戀。休らひに出にし人の通路を古き野原と今日は見る哉恨戀一波ぞよる偖もみるめは無物を恨馴れたる志賀の里人舊戀一末迄といひし計に淺茅原宿も我身も朽ちやはてなむ曉戀一月やそれほの見し人の面影を忍びかへせば有明の空朝戀獨獨寢の袖の名殘の朝じめり日影に消えぬ露も有けり晝戀エ物思へば隙行く駒も忘られて暮す涙をまづ抑ふらむ夕戀君もまた夕やわきて詠むらむ忘れず拂ふ〓の風かな夜戀見し人のねぐたれ髪の面影に涙かきやるさ夜の手枕老戀人君故に厭ふも悲し鐘の聲頓て我が世も更けにし物を幼戀た行末の深きえにとぞ契りつるまだ結ばれぬ淀の者菰遠戀〓戀しとは便につけて云やりき年は還りぬ人は歸らず近戀一葦垣の上吹きこゆる夕風に通ふもつらき〓の音かな旅戀一枕にもあとにも露の玉ちりて獨起き居るさ夜の中山寄月戀神袖上ななゝも人の形見かは我と宿せる秋夜の月寄雲戀シ君君りりとうきぬる心迷ふらむ雲はいくへぞ空の通路寄風戀エいつも聞く物とや人の思ふらむこぬ夕暮の松風の聲寄雨戀た深き夜の軒の雫を數へても猶あまりある袖の雨かな寄煙戀に忍びかね心の空に立つ煙見せばや不盡の嶺に紛へて寄山戀一集清月篠秋七九〇一
12未の松まつ夜幾度すぎぬらむ山こす波を袖に任せて寄海戀た與謝の海の沖つ潮風浦に吹けまつ也見と人に聞せむ寄川戀〓〓野野川早き流をせく岩のつれなき中に身を碎くらむ寄關戀一古〓にみし面影も宿りけり不破の關屋の板間もる月寄橋戀二三戀渡るよはのさ筵波かけてかくや待けむ宇治の橋姫寄草戀三人待ちし庭の淺茅生茂りあひて心にならす道芝の露寄木戀思思ね打ぬる宵も有なまし吹きだにすさめ庭の松風寄鳥戀11時時ももれれ飛飛ぶ鳥の一聲も思方よりきてや鳴く覽寄獸戀此此の心の底をよそに見ば鹿なく野べの秋の夕ぐれにつらからむ中社あらめ萩原や下松虫の聲をだにとへ寄蟲戀寄笛戀スト笛笛の聲の限を盡しても猶うきふしや世々に殘らむ寄琴戀加え故君悲しき〓とのねは立てつ子を思鶴に通ふのみかは寄繪戀增鏡うつしかへけむ姿故かげ絕えはてし契をぞ知る寄衣戀一打打けけ誰誰衣衣を重ぬらむまろが丸寢も夜深き物を寄蓆戀ニ人人つつとあれゆく閨のさ蓆に拂はぬ塵をはらふ秋風寄遊女戀三十誰誰ななく寄せては返る波枕うきたる舟の跡も留めず寄傀儡戀四一夜のみやどかる人の契とて露むすびおく草枕かな寄海人戀一潮潮の吹きこすあまの苦廂したに思のくゆる頃かな寄樵夫戀加戀路をば風やはさそふ朝夕に谷の柴舟行き歸れども寄商人戀セッ年年かか入入の秋の月みても別をしまぬ人や悲しき治承題百首立春Ar鐘のおとの春をつぐなる曙にまづうち拂ふ霜の狹筵加窓のゆき池の氷も消えずして袖に知られぬ春の初風cm三吉野は山も霞て白雪の降りにし里に春は來にけり五あさみどり松にかすみは龍田山森の雫や氷とくらむユこほりゐし水の白波いは越えて〓瀧川に春風ぞ吹く鶯三春春色色都の空もかすみぬと鶯さそへ山おろしの風四五鶯の凍りし涙こほらずばあらぬ露もや花におくらむ五 五鶯の聲にほひくる松風は軒端の梅に吹かぬばかりぞ五九九重や雲居の庭の竹のうちに曉ふかきうぐひすの聲深草や鶉の床はあとたえて春の里とふうぐひすの聲花ハかかむより深山に消ゆる松のゆき櫻にうつる春の曙〓三芳野は花の外さへはななれや槇たつ山の嶺の白雲のこりける都の春の光かな昔がたりの志賀の花ぞの〓山陰や花の雪散る明ぼのゝ木の間の月に誰を尋ねむ花花みな霞の底に移ろひて雲に色づくをはつせの山郭公郭公我をば數にとはずとも今年になりぬこぞの古聲うちも寢ず待つ夜更行く時鳥軒に傾く月に鳴くなり四郭公鳴く音や袖にかよふらむ露おもりぬる蟬の羽衣36八二ーー一集〓月篠秋たたばばなの花ちる里の庭の面にやま時鳥昔をぞとふ〓郭公聲絕え〓〓に消果つる雲路もつらき水無月の空五月雨ハ五五月雨は雲と波とを軒端にて煙も立てぬ須磨の浦人五五五五雨雨の降にし里は道絕えて庭のさゆりは波の下草○ささだだににの庵は傾きて軒の雫のおとぞみじかき〓花にとひ月に尋ねし跡もなし雲こす嶺の五月雨の空一五五月雨の雲をへだてゝ行く月の光はもらで軒の玉水月秋風に木の間の月はもりそめて光をむすぶ袖の白玉薄霧の麓にしづむ山の端に光はなれてのぼる月かげ〓〓見見がた浪の千里に雲きえて岩しく袖によする月影山深み苔の筵に旅寢して霜にさえたる月を見るかな横の戶のさゝで有明に成行を幾夜の月と訪人もなし草花萩原や末こす風のほに出でゝ下露よりも忍び兼ける嵐はらふ〓のとこの露の上に枕ならぶる女郞花かなo茂茂野となりゆく庭の萱が下に己れ亂るゝ蟲の聲々「まのゝ浦の入江は霧の中にして尾花が末に殘る白浪ひとけてねぬ鹿の音ちかし小萩原露吹き結ぶみ山颪に紅葉龍田姫いくへの山を行廻り松の外をば染め渡すらむししれれるる外山の雲は晴に見夕日に染る嶺の紅葉ば秋風の龍田山よりながれ來て紅葉の川をくやる白浪か山人の木の下道は絕えぬらむ軒端の正木紅葉散る也〓朽にけり森の落葉に霜消えて變りし色の又變りぬる雪ししれれししをを高嶺に吹きためて風に雪ちる冬の曙八山山ととの雲の梢にながめつる松さへ今朝は雪の埋木co庵さす甲斐の白根の旅枕夜すがら雪を拂ひかねつゝ一雪の夜の光におなじみねの月雲にぞかはる更科の里楚杖ゆふ葛城山のいかならむ都も雪のまなく時なし歲暮〓ををつつののも鳥の音も暫しこもれる山の奧かな山川の氷も知らぬ年波の流るゝ影はよどむ日ぞなき10春の爲いそぐ心もうち侘びぬ今年のはての入相の鐘九〓磯の上ふる野の小篠霜をへて一夜ばかりに殘る年哉〓げだに暫しな晴れそ嶺の雲あすの霞は立變るとも初戀山の端に思へばかはる月もなし唯佛ぞ今宵そひぬる足足の山の雫のかけてだに習はぬ袖に立濡らしつゝ∞。時時雨ふる深山べの下紅葉したに心の色かはりぬる。深き江に今日たてそむる溶標涙にくちむ印だにせよO○難波人仄にあし火たき初めて恨に堪へぬ煙たてつる忍戀エン忍ぶるにまけぬる人や思ふらむ打忘れては歎く氣色を0人人ははいいかゞ云てか詠めまし君が邊りの夕暮の空10人めみぬ岩の中にも分入りて思ふ程にや袖絞らましお思兼ね庭の小萩を折敷きて色なる露を袖にまがへむや後もうし忍ぶに堪ぬ身とならむ其煙をも雲に霞めよ初逢戀。oかか猶たゞ思ひ寢に見しことの床も枕も面變りせでね。吳竹の葉末の霜のおき明し幾夜過して臥初めぬらむ有明も暫しやすらへ今こむの人まち得たる長月の末一消えはてぬ後の契を重ねずば今夜ばかりや袖の移香一絞りこし袖もやほさむ白露の奧手の稻はかりね計に後朝戀又ももむ秋をたのむの雁だにも鳴きてぞ歸る春の曙暮を待つ空もくもらじ橫雲の立別れぬる今朝の嵐に一休ひに笹分くる朝の袖の露ゆふ附鳥のとはゞ答へむ立ち出でゝ心と消ゆる曙に霧のまよひの月ぞ友なる今はとて涙の海に楫をたえ沖をわづらふ今朝の舟人一集〓月篠秋37
遇不會變ヘ忘るなよとばかりいひて別れにし其曉や限なるらむた影とめぬ床のさ筵〓おきて契らぬ月は今も夜がれず°鳥羽玉の夜の契は絕にしを夢路にかゝる命なりけり見し人の歸らぬ宿はあともなし唯朝夕の葛のうら風ううろひし心のはなに春くれて人も梢に秋風ぞ吹く祝三四方の海久しくすめる春に逢て蓬が島の宿も思はじ古〓に千世へて歸る蘆鶴や變らぬ君が御代に逢らむ一代々の春秋の宮人をりかざせ雲居の庭にはぎの盛を松風を竹の籬に隔てゝも千年に千世のつゞく宿かなに末までと八十氏人は祈りけりふるき流の絕えぬ川波旅出しより荒れまく思ふ故〓に閨もる月を誰と見らむた三島江に一夜かりしく亂蘆の露もや今朝は思置く覽○浦傳ふ袖に吹きこす潮風のなれてとまらぬ波枕かなあけがたのさ夜の中山露おちて枕の西に月を見る哉표ニュ宮城野の木の下草に宿かりて鹿鳴く床に秋風ぞふく述懷三世中はくだりはてぬといふ事や偶々人の誠なるらむニ誰誰皆皆ててにによよ草世に故〓はげにぞ住み憂き理理ぬぬの名さへやとめざらむ做事無て此世暮なば髪世かなひとり岩屋の奧に住む苔の袂も猶萎るなりセいか計り覺めて思はゞうかりなむ夢の迷に猶迷ぬる神祇AP鈴鈴川八十瀨白波分け過て神路の山の春を見しかなた濁濁世世なや石〓水流に月の光とむらむcmか山山の麓の柴のうす綠こゝろの色も神さびにけり一春日山森のした道ふみ分けて幾度なれぬさを鹿の聲円ニーももほ草儚くすさむ和歌の浦に哀をかけよ住吉の神釋〓五波羅密檀波羅密ニ恨恨なよ月と花とを眺めても惜む心を思ひ捨てゝき尸羅波羅密四此法はうけて保てる玉なれば長き夜照す寶なりけり屬提波羅密胸の火も淚の露も今は唯もらさで下に思ひけちつゝ四毘梨耶波羅密朝朝に三世の佛につかふれば心をあらふ山川のみづ禪波羅密bp心をばこゝろの底に納めおきて塵も動かぬ床の上哉二集清月篠秋秋篠月〓集二南海漁夫百首春十五首人四四の海風も長閑に成ぬなり波の幾重に春の立らむ50春春野の若菜は袖にたまれ共猶ふる雪を打拂ひつゝcal唐崎や春のさゞ波うちとけて霞をながす志賀の山風エ難難津に咲くや昔の梅のはな今も春なる浦風ぞ吹くニ春春色色花花ともいはじ霞よりこぼれて匂ふ鶯のこゑ三五春風に柳や岸をはらふらむ波にかたよる池のをし鳥澤に住たづの心もあくがれぬ春は雲路の打霞みつゝ11春は唯おぼろ月夜と見るべきを雪に隈なき越の白山〓今はとて山とび越ゆる雁がねの涙露けき花の上かな〓初初山をのへの鐘のあけがたに花より白む横雲の空ス又又もこむ花に暮せる故〓の木の間の月に風薫るなりな面面に紅葉のあきの龍田山ながるゝ花も錦なりけり〓るなり芳野の瀧の雲の波其の水上を花のみをにて〓見るまゝに花も霞もなかりけり春を送るは嶺の春風〓ややいま相坂こえて歸るらむ木綿附鳥の一聲ぞする夏十首山の端も霞の衣なれ〓〓て一夜の風に立ち渡るなり夏の夜も闇はあやなし橘をながめぬ空に風薰るなり〓〓卯の花をおのが月夜と思ひけむ聲も曇らぬ郭公かな雨はるゝ軒の雫に影見えて菖蒲にすがる夏の夜の月名殘まで暫し聞けとや郭公松の嵐に鳴きて過ぐなりス〓故〓の庭のさゆりば玉ちりて螢とびかふ夏の夕ぐれ杉杉ふかきかた山陰の下涼みよそにぞ過ぐる夕立の空ヒヒト川川の岩間すゞしき暮ごとに筏の床を誰ならすらむ〓。原作しぐれぬ程の秋なれや夕露涼し日ぐらしのこゑ今日暮ぬ秋は一夜と吹風に鹿の音ならす小野の篠原秋十五首神に散る〓の上葉の朝露に涙ならはす秋のはつかぜ暮れかゝる空しき空の秋を見て覺えず溜る袖の露哉秋の色やいま一しほの露ならむ深き思の染みし袂にかか山山の麓の稻葉すゑさわぎ月よりおつる嶺の秋風外山より鹿の音おくる秋風にこたへて落る萩の下露メン露宿す蓬を庭のあるじにてよる〓〓蟲の音信ぞするかばはかかる常世離れて鳴く雁の雲の衣に秋風ぞ吹く松松吹吹み山の嵐いかならむ竹うちそよぐ窓の夕暮「寂さに人は影せず成行けど月やはすまぬ淺茅生の宿長き夜の月は遙に更けにけり板まに影のさし變る迄須磨の浦のとま屋も知らぬ夕霧に絕々照す蜑の漁火下草は秋にもたへず片岡のつれなき松に時雨もる頃三三野の花は雲にもまがひしを獨色づく嶺の紅葉ばれまのゝ浦波間の月を氷にてをばなが末にのこる秋風し深草の鶉の床を今日よりやいとヾ空しき秋のふる里冬十首ハ月宿す露のよすがに秋くれて賴みし庭は枯野也けりかい猪名野山道のさゝ原埋もれて落葉が上に嵐をぞ聞くcoももかかるる端端の月に雲すぎて時雨を殘す庭の春風→消返り岩間にまよふ水の泡のしばし宿かる薄氷かな今宵たれ眞菅片數き明すらむそがの川原に衛鳴く也ニー枕にに袖にも涙つらゝ居てむすばぬ夢をとふ嵐かなPl麓麓くのせきの水や凍るらむひとり音する嵐山かな山山の袖に馴たる松の風雪げになればいとゞ烈しき浮雲を嶺に風の吹きためて月の名殘を雪と見るかな限ありて春明方になる年を宮も藁屋も急ぎくらしつ戀十五首ハ大大ににめし暮の空乍らいつよりかくは思初めけむ九かそそもも風風のしるべはある物を跡なき浪の舟の通路○鶏鳥の隱れも果ぬさゞれ水下に通はむ道だにもがな。槇の戶もさゝで更けゆく轉寢の袖にぞ通ふ道芝の露。誰が爲ぞ契らぬ夜半を臥わびて眺果てつる有明の月00間べしと待たぬ物故萩の葉に夜々露のおき明すらむp〓今こむの宵々ごとに眺むれば月やはおそき長月の末1ちぢべき袖の雫を絞りても馴にし月や影離れなむ大〇曉の嵐にむせぶ鳥の音に我もなきてぞ起き別れにしto秋の田のかりねのはても白露に影みし程や宵の稻妻10尋ぬべき海山とだに賴まねばげに戀路こそ別也けれか思ほえず今や藻に住虫の名も人を恨のねに返りつゝ。其かみに絕なましかば注繩の斯引はへて物は思はじ一見し人の袖に浮にし我魂の頓て空しき身とや成なむ一〓死なむ我世の果に似たる哉かひなく迷ふ夕暮の雲覊旅十首もろ共に出でし空こそ忘られね都の山の有明のつき菅原や伏見に結ぶさゝ枕一夜の露もしぼりかねぬる〓岩がうへの苔の狹筵露けきにあらぬ衣をしける白雲まだ知らぬ山より山に移り來ぬ跡なき雲の跡を尋て袂こそ潮くむ海士の友ならめ同じ藻屑の煙立ちつる〓又人の結捨てつる野べの草雙ぶ枕と見るかひぞなきた忘られず都の夢や送るらむ月は雲居を字都の山ごえ
〓高砂の松も別や惜むらむ明けゆくなみに嵐たつなり一〓見がたひとり岩屋の秋の夜に月も嵐も頃ぞ悲しき三古〓に主やいづくと人とはゞあづまの方を夕暮の空山家十首三吉野の槇立山に宿は有ど花見がてらの音信もなし折々の深山を出る鳥の聲眺めわびぬと人に告げこせ山深み露おく袖に影見えて木の間わけゆく有明の月山かげや友を尋ねし跡ふりてたゞ古への雪の夜の月ヒ己れだに絕えず音せよ松の風花も紅葉も見れば一時べつま木をる便りに見れば片岡の松の絕間に霞む故郷た之めてけり朝げの煙たちそめて鄰となれる杉の庵哉〇二心をぞうきたる物と恨みつる賴む山路もまよふ白雲ニこの里は雲の八重立つ峯なれや麓にしづむ鳥の一聲一一待つ人の知べ計の栞せば歸果つべき身とや知られむ述懷十五首君が代にいでむ朝日を思ふかないすゞ川原の春の曙四あきらかに昔の跡を照さなむ今も雲居の月ならば月= 112神神崇崇め法を廣むる世ならなむ偖社暫し國を治めゝたはかなくも花の盛を思哉浮世の風はやすむ間もなし一緒もさはすまば住むべき世中の人の心の濁果てぬるNU思解けば此世はよしや露霜を結びきえける行末の夢〓〓我〓ら心のはてを知らぬ哉捨て難き世の又厭はしきcol人の世は思へばなべてあだしのゝ蓬が本の一つ白露一大方に夢を此世と見てしがな驚かぬこそ現なりけれニ山山の曉がたの鐘の音にながき眠をさましてしがな1月のすむ都は昔惑ひ出でぬ幾世か暗き道をめぐらむ心こそ浮世の外の宿なれどすむこと難き我身也けりささりともと光は殘る世なりけり空ゆく月日法の燈火加水上に賴みはかけき佐保川の末の藤波波にくたすな44和和の浦の契も深し藻汐草沈まむよゝを救へとぞ思西洞隱士百首春スタ冬のゆめの驚きはつる曙に春の現のまづ見ゆるかな加誰にとて春の心を筑波山このもかのもに風渡るなりcmはれやらぬ軒ばの梅や咲ぬらむ雪に色づく春の山里ユとけにけりこほりし池の春の水又袖ひぢて結ぶ計に二五鶯の鳴きにし日より山里の雪間の草も春めきにけり五霜がれし春の萩原うちそよぎ裾野に殘る去年の秋風〓歸る雁雲のいづこになりぬらむ常世のかたの春の曙五十と霞雲ももわかぬ夕暮に知られぬ程の春雨ぞ降る極谷川の岩ねかたしく靑柳のうちたれ髪をあらふ白浪花に似ぬ身の浮雲のいかなれや春をばよそに三吉野の山xx色にそむ心の果を思ふにも花に見るこそ憂身他也れな山深み花より花に移りきて雲のあなたの雲を見る哉〇三吉野の花の影にて暮れはてぬ朧月夜の道や惑はむ〓花はなみまき立つ山は末の松風こそ越ゆれ雲の通路今年またいかに心を碎けとて花さきぬれば春の山風二心あてにながめし山の櫻花うつろふまゝに殘る白雲〓人の入野の露を命にて散りかふ花に雉子鳴くなり主ももき霞の袖をよそに見て松浦のおきを出る舟人悔しくぞ月と花とになれにける三月の空の有明の頃行てみむと思ひし程に津の國の難波の春も今日暮ぬ也夏花のいろの面影に立つ夏衣ころも覺えず春ぞ戀しきな卯の花は雲にも疎き月なれば波ぞ立ちそふ玉川の里〓〓橘の花ちるさとにみるゆめは打ち驚くも昔なりけり〓ほとゝぎす外山を渡る一聲の名殘を聞けば嶺の松風ニ菅原や伏見の暮の寂しきに絕ず里とふほとゝぎす哉山里の卯の花くたす五月雨に垣根をこゆる山川の水此軒の雨枕の露も今日は唯同じ菖蒲のねをかくるかな梅雨の雲間待出でゝ眺むれば傾きにける夏の夜の月池の上の菱の浮葉もわかぬまで一つに茂る庭の蓬生〇二三ー二集清月篠秋七夕立の名殘の雲を吹く風に鳥羽田の早苗末騷ぐなりNo憂憂〓とも知らぬ螢の己のみ燃ゆる思はみさを也けり〓〓秋ならで野べの鶉の聲もなし誰に問はまし深草の里〓志賀の海士の袖吹返す山下風にまだき秋立つ鳰の湖〓夏深き入江の蓮咲きにけり波にうたひて過ぐる舟人ニ、亂れ葦の露の玉ゆら船とめてほの三島江に凉む頃哉外外は夏あたりの水は秋にしてうちは冬なる氷室山哉時時おのが皐月の暮れしよりかへる雲路に聲恨む也=今日迄は色に出でじと篠薄末葉に秋の露はおけども秋風はなほ下草にこがくれて森の空蟬聲ぞすゃしきか早き瀨の歸らぬ水に御禊して行年波の半ばをぞ知る秋梢ふく風より秋の龍田山下葉に露やもらしそむらむ七七夕にかせる衣の朝じめり別の露を干しや初めつるca渡の原いつも變らぬ波の上に其色となく見ゆる秋哉"秋といへば裙野に馴す敏鷹のすゞろに人を戀渡る哉〓たた誰誰すすみかとも白菅のまのゝ萩原秋は忘れずヨシ鯛く鳴の鳴く山陰は暮れはてゝ虫の音になる萩のした露秋秋の紫くだく草むらに時うしなへる袖ぞつゆけきエよよののま麓の野邊の秋の色に忘れやしなむ春の曙〓三吉野の里は荒にし秋の野に誰をたのむの初雁の聲古〓は軒端の荻を詫言にて寢ぬ夜の床に秋風ぞ吹くハム山陰や眺め暮せる霧の中を槇の葉わけてとふ嵐かなかさを鹿の獨妻とふ奧山にこたへぬよりもつらき松風〓白雲の夕ゐる山ぞなかりける月を迎ふる四方の嵐に。〓見潟むら雲はるゝ夕風に關もる波をいづる月かげ。久人の月を宮人誰が爲に此の世の秋を契りおくらむx0衣うつ袖にくだくる白露の散るもかなしき秋の故〓〓〓露霜のおくての稻葉風を痛み蘆の丸屋の寢覺とふ也10霜霜ふ庭のくず原色かへて恨みなれたる風ぞ烈しき〓我淚木々のこの葉も誘ひ落ちて野分悲しき秋の山里〓有明の月より後の秋くれて山にのこれる松風のこゑ冬xo秋を惜む袖の時雨の今日は又今年の冬の景色なる哉〓古〓の本荒の小萩枯しより鹿だに鳴かぬ夜半の月哉一霜さゆる刈田のはらに居る鳥のすみか空しき冬の曙一若草のつまもあらはに霜枯て誰に忍ばむ武藏野の原神無月木の葉吹きおろす明方の嶺の嵐に殘る月かげ一秋の色は己が木蔭に殘りけり四方の嵐を松に殘して照す日を掩へる雲の暗きこそ憂身にはれぬ時雨也けれエしぐれこし外山も今は霰ふり正木の葛散やはてぬる住吉の松の下枝を洗ふ波こほらぬ聲ぞいとゞ寒けき明石潟浦こぐからに友千鳥朝霧がくれ聲かはすなり風風いたみ波に漂ふ鳰鳥の浮巢ながらに水居にけり〓難波がた蘆のしをれ葉氷とぢ月さへ寒しをしの一聲〇山人のくむ谷川の朝ばらけ叩く氷もかつむすびつゝ一山下風の吹きそふ儘に雪落ちて軒端の外に靡く白雲一宿宿の薄おしなみ降る雪に籬の野べの道ぞ絕えぬる三旅人のみの代衣うち拂ひ吹雪をわたる雲のかけはし此頃の小野の里人いとまなみ炭やく煙山にたなびくニ霜八度おきにけらしな神垣や氷室の山にとれる榊葉六一年を眺めはてつる山の端に雪消えなばと花や待つ覽〓窓のうちに曉ちかき灯の今年のかげは殘るともなし雜ル敷島や大和言の葉尋ぬれば神の御代より出雲八重垣加玉津島たえぬ流を汲む袖に昔をかけよ和歌の浦なみ〇2風の音も神さび增る久方の天のかぐ山幾代へぬらむニ浪浪わぐ蟲明のせとのかぢ枕都にきかぬ濱風ぞ吹く三山深き雲の衣をかたしきて千里の道に秋かぜぞ吹く三今朝みつる雲のあなたの山風に月をば出て獨かも寢むははかかるるゆゆく舟の數見えて波より白む須磨の曙三山山端端有有無無ののの上に月を待つる八重の潮風
住住ぬ世の憂よりはと計も覺えぬ迄の草のとざしに4枚故〓通〓夢路もありなまし嵐の音を松に聞かずば人山山に殘る雲も煙もたえ〓〓に昔の人の名殘をぞ見るな浮世かなと計いひて過しけむ昔に似たる行末もがな0曇なき星の光を仰ぎてもあやまたぬ身をなほぞ疑ふ一人の身の遂には死ぬる習ひだに心々に任せざりけりニ前前の報の程の悲しきは見に附けてもつらさそふ覽苔の下に朽ちざらむ名を思にも身をかへてだに浮世也見四斯てしも消えやはてむと白露の置所なき身を惜む哉1數數ならば春を知らましみ山木の深くや谷に埋果なむカル氷き世の末思ふこそ悲しけれ法の燈火きえがたの頃頓てさは心の間のはれねかしみ空の月に雲の懸れる院初度御百首春スルク方方の雲居に春の立ちぬれば空にぞ霞む天のかぐ山加吉野山ことしも雪のふる里に松の葉白き春の明ぼのco春春なは淺間の嶽に空さえて曇る煙は雪げなりけりユ春日野の草のはつかに雪消えてまだうら若き鶯の聲二都人野原に出でゝ白妙の袖もみどりに若菜をぞ摘む梅の花うすくれなゐに咲きしより霞色づく春の山風四水るし池のをし鳥うち羽ぶき玉藻の床に小波ぞ立つ一霜枯のこやの八重葺ふき替て蘆の若葉に春風ぞ吹くな唐衣すそ野の雉子うらむなり妻もこもらぬ〓の燒原4常常なる山の岩根にむす苔の染めぬ綠に春雨ぞ降る〓春は又いかに問はまし津の國の生田の森の明方の空な長関なる春の光に松島やを島のあまの袖や干すらむの〓〓見がた心に闇はなかりけり朧月夜のかすむ波路に一歸る雁いまはの心有明に月と花との名こそをしけれ枝かはす花さきぬれば靑柳の梢にかゝるたきの白糸春の池の汀の櫻さきぬればくもらぬ水にうつる白雲大休はで寢なむ物かは山の端にいざよふ月を花に待つゝ今日も又とはで暮ぬる古〓の花は雪とや今は散る覽泊泊山移ろふ花に春くれてまがひし雲ぞ嶺に殘れる明日よりは志賀の花園稀にだに誰かは訪む春の故〓夏夏きぬといふばかりにや足引の山も霞の衣かふらむか春の色も遠ざかる也菅原や伏見に見ゆる小泊瀨の山〓〓郭公忍び〓〓に來鳴くなり卯の花月夜ほの見ゆる頃一今こむと賴めやはせし時鳥ふけぬる夜はを何恨む覽たたちばなの花ちる里の夕暮にわすれそめぬる春の曙三五五雨雨に雲間待出でゝもる月は軒の萬蒲に曇る也鳬郭公今いくよをか契るらむおのが皐月の有明のころ七此せさ火火の昔の光ほの見えて蘆屋の里にとぶ螢かな〓玉鉢の道の行く手のすさびにも契ぞ結ぶ山の井の水柚川の山陰くだす筏士よいかゞうきねの床は涼しきNo 我妹宿が宿のさゆりの花鬘長き日暮しかけて凉まむ〓富士の山きゆれば頓て降雪の一日も夏になる空ぞなき0小山田の昨日の早苗取も敢ず頓てや秋の風も立なむ〓秋近きけしきの森に鳴く蟬の涙の露や下葉染むらむ御御川波のしらゆふ秋かけて早くぞ過ぐる六月の空秋風の音に今日より秋の龍田姫身にしむ色を爭で染覽七七夕の待ちこし秋は夜寒にて雲にかさぬる天の羽衣〓ののににくく嵐嵐の秋なるを待ける夜半の棹鹿の聲〓〓蘆の穗向の風の片よりに秋をぞ見する眞野の浦波押しなべて思ひし事の數々になほ色まさる秋の夕暮〓こ萩咲く山のゆふかげ雨すぎて名殘の露に蜩ぞ鳴く藻に住まぬ野原の蟲も我からと長き夜すがら露に鳴也とと世出でし旅の衣や初雁のつばさに懸る峰の白雲"秋の田の稻葉の露の玉ゆらも假寢さびしき山陰の庵山本のあけのそぼ舟ほの〓〓と漕出る沖は霧罩て鳬天つ風みがきてわたる久方の月の都に玉や散るらむ二集清月篠秋〓更科の山のたかねに月さえて麓の雪は千里にぞしく〓辛崎やにほてる沖に雲きえて月の氷に秋かぜぞ吹く背みばといひし計の人はこで槇の戶たゝく庭の松風三日月の有明の空に變る迄秋の幾夜を眺めきぬらむぬしや誰いづくの秋に旅寢して殘る里人衣うつらむきき〓〓〓〓鳴くや霜夜のさ筵に衣片敷き獨かもねむ〓龍田川ちらぬ紅葉のかげ見えて紅越ゆる瀨々の白波。忘るなよ秋は稻葉の山の端に又こむころを松の下風50今年みる我が元結の初霜一千に 十二三の餘の秋のふけぬる冬。明方の枕の上に冬はきて殘るともなき秋のともし火。棹鹿も分こぬ野べの古〓に本荒のこ萩枯まくも惜しTO山下風に人やは庭を楢柴の暫しもふれば道もなき迄ね村時雨すぐれば晴るゝ高嶺より嵐に出る冬の夜の月笹の葉は深山もさやに打そよぎ凍れる霜を吹く嵐哉N。風を痛み漂ふ池の萍もさそふ水なくつらゝゐにけり加吉野川たきつ白波こほりゐて岩ねにおつる嶺の松風。明石潟須磨も一つに空さえて月に千鳥も浦傳ふなり一片敷の袖の氷も結ぼゝれ解けて寢ぬ夜の夢ぞ短かき一時雨より霰に變る槇の屋の音せぬ雪ぞ今朝は寂しき一本枯につれなく殘る奧山のまきの梢も雪をれにけり誰を訪ひ誰を待たましと計に跡たえはつる雪の山里11花殘る頃にや分かむ白雪の降り紛へたる三吉野の山かかきくらす嶺の吹雪に炭竈の煙の末ぞ結ばゝれ行く一一とと春春を待つらむ年月は今日吳竹の雪の下をれ戀〓戀をのみ須磨の種人藻潮垂れ干敢ぬ袖の果を知ばやな吉野川岩もる水の湧き返り色こそ見えね下騒ぎつゝ00伊勢島や潮干に拾ふ偶々も手にとる程の行方知せよ一楫を絕え由良の湊による船の便も知らぬ沖つしほ風せせ返す袖に時雨や餘るらむ人も梢に秋ぞ見えぬる三二我かくて寢ぬ夜の果を詠む共誰かは知らむ有明の頃しかすがに馴こし人の袖のかの其かと計いつ殘り劍稀にこし頃だにつらき松風を幾夜ともなき寢覺にぞ聞是は皆空しき〓とぞと計は契るにつけて思ひ知りにきせいはざりき今こむ迄の空の雲月日隔てゝ物思へとは霧旅ル昨日まで雲のあなたにみし山の岩根に今宵衣片敷く散り積る森の落葉を搔つめて木の下乍ら煙立てつる〇雲は閨月は灯かくしても明かせばあくるさ夜の中山一、武藏野に結べる草の緣りとや一夜の枕露なれにけり=ニうう枕枕風の寄邊も白波のうちぬる宵は夢をだに見ず山家白雲の八重たつ山を深しとも覺えぬ迄に住馴にけり三栞せで獨分けこし奧山に誰まつかぜの庭に吹くらむ四山深み岩しく袖に玉ちりて寢覺ならはす瀧の音かな大雲かゝる山の梯踏分けて入りにし路は苔生ひにけり=ヒー忘れじの人だにとはぬ山路哉櫻は雪に降り變れども=鳥NF渡の原沖のこじまの松風に鵜の居る岩をあらふ白波=た遠遠や岸の柳にゐる鷺のみのげなみよる川風ぞ吹くcm惜き哉人もてかけぬ敏鷹のと歸る山に頃も經にけり一夕まぐれ木高き森に住む鳩の獨り友よぶ聲ぞ悲しき一二田筵のいつぬき川の玄き波に群居るたづの萬代の聲祝三十三色色變變變變ともはこやの山の御代はつきせじ曇なき雲居の末ぞ遙なる空行く月日はてを知らねばエロ吳竹の園より移る春の宮兼ても千代の色は見えにき加え葉葉さす玉のうつ木の枝毎に幾代の光磨きそふらむセット島島や大和島根も神代より君が爲とや固めおきけむ院第三度百首春ハムおしなべて今朝は霞の敷島や大和諸人春を知るらし二集清月篠休
ko落ちたぎつ岩間打出づる泊瀬川初春風や氷とくらむ051吉野山雪ちる里もしかすがに槇の葉白き春風ぞ吹くエ時しもあれ春の七日の初子日若菜摘野に松をひく哉「一ののねね妙に降るゆきを打拂ふにも梅の香ぞする三妻戀る雉子なく野の下蕨したに燃えても春を知る哉四野野山山同同綠綠に染めてけり霞より降るこのめ春雨エミわたの原雲にかりがね波に舟かすみてかへる春の曙〓津の國の難波の春の朝ばらけ霞も波も果を知らばやセー更科やをばすて山の薄霞かすめる月に秋ぞのこれるハム山櫻いまか咲くらむ陽炎のもゆる春べに降れる白雪な誰誰今今日待つとはなくて山陰や花の雫に立ぞ濡ぬる〓春風は花と松とに吹替て散るも散ぬも身にしまずやは〓章鴨の下の氷はとけにしを上毛に花の雪ぞ降りしく〓花花うつろはむとや山の端の薄紅に今朝はかすめる明明てば戀しかるべき名殘哉花の影もる可惜夜の月云うち眺め春の三月の短夜を寢もせで獨あかす頃かな初初瀬山花に春風ふきはてゝ雲なき峯にありあけの月〓花散て木の本疎くなるまゝに遠ざかりゆく袖の移香手に掬ぶ石井の水の飽でのみ春に別るゝ志賀の山越夏メニ島江や茂り果ぬる蘆の根の一夜は春を隔て來に鳬ないののとりかへれるおく山に心あるべきおそ櫻かな。有明のつれなく見えし月は出ぬ山郭公待つ夜乍らに〓須磨の浦の浪に折はへ降雨に汐垂衣いかにほさましニ時しもあれ花ちる里の軒の雨に己が皇月の鳥の一聲飛ぶとりの飛鳥の里の郭公昔の聲になほや鳴くらむ鶴の雲のかけはしほどやなき夏の夜渡る山の端の月真萬原玉まく數やまさるらむ葉におく露に螢飛ぶ也水土江の菱の浮葉にかくろへて蛙鳴くなり夕立の空塵をこそ据ゑじとせしか獨ぬる我常夏は露も拂はず山ひめの瀧の白糸くりためて織るてふ布は夏衣かも七松松風のはらふ汀のはちす葉に〓き王ゐるなつの夕暮〓蜩の鳴く音に風を吹きそへて夕日凉しき岡のべの松〓原原や聲もほに出ぬさを鹿の深く夏野に戰ぐなる哉織女の天の川原に戀せじと秋を迎ふる御禊すらしも秋シ深草の露のよすがを契にて里をばかれず秋は來に見四大方の夕はさぞと思へども我がために吹く荻の上風白露も色そめあへぬ龍田山まだ靑葉にて秋風ぞ吹く旅びとの入野の尾花手枕に結びかはせる女郞花かなむさを鹿の鳴初しより宮城野の萩の下露置ぬ日ぞなきハ〓草葉にあらぬ我が袖の露を尋ねていかで鳴くらむ常常にていづれの秋か月は見し都忘れぬ初雁のこゑC物物へとする業ならし木間より落たる月に棹鹿の聲一古〓はわれまつ風をあるじにて月に宿かる更科の山秋なればとて社濡す袖の上を物や思ふと月は訪ひ鳬蟲蟲音音音なならの落葉に埋もれて霧の籬に急雨ぞふるかか人人道道科の木幡のみねの秋の夕霧五千度打つ砧の音を數へてもよを長月の程ぞ知らるゝ丸裾野ゆく衣に摺れる月草の移り易くも過ぐる秋かな〓〓風風にはし鷹ならす片岡の柴の下草いろづきにけり秋秋猶萬の裏風恨みてもとはず枯れにし人ぞ戀しき〓のの霜霜のさ筵〓きしのぶ方こそなけれ淺茅生の宿○寢がてに庵もる田子の假枕よはに奧手の露ぞ隙なき。苔の上に嵐吹きしく唐錦たゝまくをしき森の蔭かな。答ふべき荻の葉風も霜枯れて誰にとはまし秋の別路冬50風の音も早晩寒き槇の戶に今朝より馴るゝ埋火の本。〓原ややびびに秋の置きし露凍りなはてそ忘れ形見にx0夕暮の一むら雲の山廻りしぐれはつれば軒ばもる月霜理む刈田の木葉踏みしだき群居る雁も秋を戀らし〓難波潟ひかりを月の滿つ潮に葦べの千鳥浦傳ふなり二集〓月篠秋歎かずよ今はた同じ名取川せヾの埋木朽果てぬとも雜かか人人哀哀れかし嶺の鹿野べの雉子のおのが聲々入ニ=皆人の世にふる道ぞ哀なる思ひいるゝも思入れぬも○0船の內波の下にぞ者にける蜑のゑわざも暇なの世や一岩がねの凝敷く嶺を踏鳴し薪こる男のいかゞ苦しきニ春春田田の心を作る民もがなおり立てのみ世をぞ厭はむ我心その色としは染めねども花や紅葉を眺め來に鳬79月日のみ爲す事無て明暮ば悔しかるべき身の行方哉四エ押押ししををふふ苦苦ききに知ず顏にて世をや過ましだ浮沈み來む世は偖もいかにぞと心に問て答へ兼ぬる〓君に斯逢ぬる身社嬉しけれ名やは朽せむ世々の末迄老若歌合五十首春スル今朝よりは都の空もかすみぬと櫻に〓げよ春の初風加古の子日の御幸跡しあればふりぬる松や君を待らむC冬冬枯の梢にのこる去年の雪ことしの花の初なりけりユニ霞よりつゝみかねたる梅が枝の朧月夜に誰誘ふらむ12葛城や高間の山の雲間より空にぞ霞むうぐひすの聲ニー明明潟湯すすみて歸る雁がねも島隱れ行く春の明ばの梓梓弓おしてはるさめ小山田に苗代水も今やひくらむ五いいまま雲か雲を雲とも詠めけむ霞理想 發く三吉野の山な風ふけば己が雲よりおのが雪を散して見する山櫻哉七花の色は彌生の空に移ろひて月ぞつれなき有明の四夏ハ昨昨まで霞みしものを津の國の難波あたりの夏の曙九里人の卯花かこふ山かげに月とゆきとの昔をぞとふ○郭郭なく夜はいはず鳴かぬ夜も詠めぞ明す軒の立花〓五月山雨にあめそふ夕風に雲よりしたを過ぐる白雲長閑に袖のあやめを片敷きて枕も夢も結ぶともなし鵜飼舟下す戶無瀨の水馴棹さしも程なく明るよは哉xの霜の上に己が翅をかたしきて友なき鴛のさ夜深き聲加網代もる宇治の里人如何計いざよふ波に月を見る覽〇ー朝日さす氷のうへのうす煙まだ晴れやらぬ淀の川岸一御室山峯の檜原のつれなきをしをる嵐に霰降るなり〓山里はいくへか雪の積るらむ軒端にかゝる松の下折一嵐吹く空に亂るゝ雪の夜に氷ぞむすぶ夢はむすばず鳩の海や釣するあまの衣手に雪の花ちる志賀の山風〓ははゝゝ雪のひかりや白妙の衣ほすてふ天のかぐ山柚くだす丹生の川波あと絕えぬ汀のこほり峯の白雪一月よめば早くも年の行く水に數かきとむる柵ぞなき祝入れれてほす玉串のはの露霜に天照る光幾世へぬらむが君が代に法の流をせきとめて昔の波や立ち返るらむ〇久かたの空の限もなき世かなみつの座のすまむ限は一ゐる塵の山を幾重に重ねてもげに我國は動なき世を二人の世を何定めなく思けむ君が千年のありける物を戀ニ知知ばや戀を駿河の田子の浦恨に浪の立ぬ日はなしこうち忍びいはせの山も谷隱れ水の心をくむ人ぞなき我幾はまだ知る人も白すげのまのゝ萩原露もらす哉荒磯の波寄せかくる岩根松云ねどねには顯れぬべしによそながらかけてぞ思ふ玉かづら葛城山の峯の白雲ル下萠の名にやは立てむ難波なる蘆火焚屋に燻る煙を2本木隱れの身は空蝉の唐衣ころもへにけり忍び〓〓に00行き通ふ夢の中にも紛るやと打ちぬる程の心休めよ一繰繰し賴めても猶あふ事の片糸をやは玉の〓にせむ11暮しつる日はすがの根の菅枕交しても猶盡ぬよは哉三身にそへし其俤も消えなゝむ夢なりけりと忘る計に〓廻り合む限はいつと知らね共月な隔てそよその浮雲我我もとめて袖に宿れ月さりとて人の影は見えねど残とこそ眺め馴にし山の端にそれも形見の有明の月二集清月篠次
尋ねきてこゝには夏も嵐山木隱れてこそ秋は有けれエ螢螢ぶぶ澤にしげる蘆の根の夜な〓〓下に通ふ秋風郭公なくねも稀になる儘にやゝ影すゞし山の端の月床夏の花も玉ゐる夕暮を知らでや鹿の秋を待つらむ秋秋を秋と思ひ入りても詠めつる雲の旗手の夕暮の空鶉なく野べのしのやに一夜ねて袂ならはす萩の下露〓白〓の〓めか置きし人はこで霧の眞垣に松蟲のこゑ一誰が秋の寢覺とはむと分かず共唯我爲のさを鹿の聲〓露露上の雁に涙の涙も置きてみむ暫しな吹きそ荻の上風雲は皆拂ひはてたる秋風を松に殘して月を見るかな〓狹筵に獨寢待のよはの月しきしのぶべき秋の空かはル月のこる古郷人のあさぢふに忘れず秋の衣うつなり覚渡せば松に紅葉をこきまぜて山こそ秋の錦也けれ草も木もおのが色々改めて霜になりゆく長月のすゑ冬N秋秋にあへず散りにし楢柴の空しき枝に時雨ふる也〓馴馴れし蘆の丸屋も霜枯てうちもあらはに宿る月哉〓風吹く梢に波のおとはして松の下水うすごほりせり"水上や絕え〓〓こほる岩間より〓たき川に殘る白波1月ぞすむ誰かは爰に紀の國や吹上の千鳥獨なくなりままの戶を朝げの袖に風さえて初雪おつる嶺の白雲朝朝ややちち外山に出る日の氷をみがく志賀の唐崎山人のたきすさみたる椎柴の跡さへしめる雪の夕暮〓呉竹の葉末にすがる白雪も夜頃へぬれば氷とぞなるい吉野山花より雪に詠めきて雪より花も近づきにけり雜〓國國は天照神の末なれば日の本としも云にぞ有けるか昔より三國つたはる法の水流れてすめる四の海かな民もみな君に心をつくば山しげき惠の雨うるふ世にユ此此は關の戶さゝず成果て道ある世にぞ立返るべきかかる世に契ありてぞ逢坂の小川の末は君に任せむ世中はあるに任せて過ぐす哉答へぬ空を打眺めつゝ知るや君星を戴く年ふりて我世の月も影たけにけり20年年の花と月とになれ〓〓て心の色を人に見すらむ世々をへて君が御代をや松の風殘るかひある住吉の岸和歌浦の葦邊のたづのさし乍ら千歳を懸て遊ぶ頃哉句題五十首初春待花No春春てもつれなき花の冬籠待たじと思へば峯の白雪山路尋花ねを花て去年の栞は跡もなし雪にぞ紛ふ三吉野の山山花未遍。花もまだ咲かぬ方には山川の打出る波を春の物にて朝見花。ほの〓〓と花は外山に顯れて雪に霞の明け離れゆく遠村花。尋ねばや誰が住む里の一村ぞぬし思ほゆる花の奧哉故〓花50かはらじな志賀の都のしかすがに今も昔の春の花園田家花°なれ〓〓て門田の澤に立つ雁の涙の露は花に落ち鳬古寺花00遁れすむ小泊瀬山の苔の袖花の上にや雲に臥すらむ花似雪わ。吉野山このめも春の雪消えて又ふる度は櫻なりけり河邊花鈴鹿川波と花との道すがら八十瀨を分けし春は忘ず深山花xoかへり見る山は遙にかさなりて麓の花も八重の白雲暮山花お茶山出て花の鏡となる月は木間わくるや曇るなる覽二集〓月徭次古溪花ししととゆふ葛城山の谷風に花の雪さへまなく散る也關路花一逢坂の關ふみならすかち人の渡れどぬれぬ花の白波霧中花一般寢する花の下風たち別れ稻葉の山の松ぞかひなき湖上花雲のなみ煙の浪やちる花の霞にしづむにほの水うみ橋下花東路の佐野の舟橋しら波の上にぞかよふ花の散る頃花下送日〓〓〓〓〓〓〓〓〓覽我が世へぬべき花の蔭哉庭前落花た春雨の我身世にふる詠めより淺茅が庭に花も移りぬ暮春惜花佐保姫の霞の袖の花の香も名殘はつきぬ春の暮かな初秋月〓秋は來ぬ露は袂に置初ぬ木間の月の洩らぬよぞなき月前草花た古〓の本荒の小萩咲しより夜な〓〓庭の月ぞ移ろふ雨後月〓深き夜のはしに滴る秋の雨の音絕ぬれば軒端もる月松間月一松蔭のまやの餘りにさし入りて梢に月は傾きにけり山家月一月見ばといひし計の人はこで槇の戶たゝく庭の松風月前竹風獨獨もかは月ちいでゝ吳竹の長々し夜を秋風ぞ吹く野徑月行末は空も一つのむさし野に草の原より出づる月影澤邊月1月影の忘れずやどる忘れみづ野澤に誰か秋を契りし月前聞雁たこし路より千里の雲を隔てきて都の月にはつ雁の聲浦邊月七假枕月を亥きつの衣手に立寄る波もうらぶれにけり月照瀧水山人の衣なるらし白妙の月にさらせる布びきのたき杜間月たふりにける龍田の森は神寂て木の本照す秋の夜の月月前秋風〇その色と思ひ分けとや秋風の心盡しの月に吹くらむ江上月一旅人を送りし秋のあとなれや入江の波にひたす月影月前蟲ニ誰誰なな人人松蟲を知べにてさそふか野べに獨ゆく月=月前聞鹿三さを鹿もをのゝ草臥臥侘て月夜よしとや妻を戀らむ旅泊月〓忘るなよ出でし都のよはの月〓見が關に廻り逢ふ迄月前草露秋夜はませもる露の儚さも月の夜すがらならぬ物かは菊籬月一月月すす空空にまれなる星の色を籬に殘す白菊のはな暮秋曉月〓秋は今末野にならすはし鷹の戀しかるべき有明の月=寄雲戀NEW移ゆゆく人の心は白雲のたえてつれなき契なりけり寄風戀行き通ふ風のつてにも馴ぬれば吹來ぬ宵は戀しき物を寄雨戀cm忘られて我が身時雨の古〓にいはゞや物を軒の玉水二集〓月篠秋
寄草戀一休らひに賴めて出でし跡しあれば猶待物を庭の蓬生寄木戀一誰秋の心木葉に枯に劔待とし聞かば世々もへぬべし寄島戀深き江に思ふ心はみがくれて通ふばかりの鳰の下路寄嵐戀秋ははゝゝ深山烈く吹く嵐あらじ今はのなげの言の葉寄舟戀100波高き蟲明の瀨戶に行く船のよるべ知せよ沖の潮風寄琴戀戀〓びてなくねも通ふ琴の音に凍れる水の下結つゝ寄衣戀45我幾は大和にはあらぬ唐藍の八しほの衣深く染てき五本春やとき軒ばの梅に雪さえて今日迄花の枝に殘れる院の十首の歌合、若草が春風の吹にし日よりみ吉野の雪まの草ぞ色增り行く同じ歌合に落花をな可惜夜の詠めし花に風吹けば月を殘して晴るゝ白雲院の選歌合の十首の中、霞隔遠樹AI詠めこし沖つ波まの濱楸ひさしく見せぬはる霞かな同じ歌合に覊中花な今日もまた櫻に宿をかり衣着つゝなれ行く春の山風同じ御會に、松間鶯〓〓折折の松を春風吹くからにまづ打ち解くる鶯のこゑ同じ御會に、朝若菜一都人けふの爲にとしめし野に朝露拂ひ若菜をぞ摘む同じ御會の三首、春風不分處押なべて民の草葉も打靡き君が御代には春風ぞ吹く梅花薫曉袖折袖の露の詫言に影見れば有明の月も梅の香ぞする晩霞隔春山重ぬべき霞の袖もたゞ一重いかにやどらむ山の夕蔭建仁三年春上皇大內の花御覽じけるに散りたる花を御手箱の葢に入て給ける御製今日だにも庭を盛とみつる花消すば有とも雪かとも見よ面比で誘はれぬ人の爲とや殘りけむ明日より先の花の白雪大原に罷りて花見侍りけるに日の暮れにければ花にあかぬ名殘を思ふ春の口の心も知らぬ鐘の音哉家の歌合に曉霞をハ岩岩あけし神代も今の心地して仄に霞む天のかぐ山池岸梅花春の池の汀の梅の咲きしより紅くゝるさゝ波ぞ立つ朝花43一四七ー三集清月篠秋秋篠月〓集三春部春立つ日雪の降りければヘ〓野野山なほしら雪のふる里は去年とやいはむ春の曙春のはじめにカル年くれし雲居の雪げ晴初めて絕え〓〓靑き東雲の空cm動きなき山の岩根は答へねど春をぞ〓ぐる雪の下水ニ此頃は谷の杉むら雪きえて霞も知らぬ春のやまかぜニ千千までけしきにこむる霞にも獨春なきこしの白山鶯雪はのこり花も匂はぬ山里にひとり春なる鶯のこゑ殘雪〓〓坂坂の杉の木蔭に宿かりて關路にとまる去年の白雪春の歌よみける中に〓朝嵐に峯立つ雲の晴れぬれば花をぞ花と三吉野の山山花一都には霞のよそにながむらむ今日見る峯の花の白雲春の歌とて〓程もなく枯野の原を燒しより春の若草萠え變るなり三七霧おつる朧月夜に窓をあけて衣手さむき春風ぞ吹く七霜きえて打出づる波やこたふらむ霞める山の曉の鐘■〓ぬぬ夜のるなの夢なき夢と知られぬる春の櫻に殘る灯火歸雁桃むれば霞める空の浮雲と一つになりぬ歸る雁がね春の歌よみける中に紫紫庭庭庭庭庭の庭も長閑にかすむ日の光ともなふうぐひすの聲〓里わかず眺めし秋の月よりも深山の花の人しをる覽えああののののだだの鹽燒暇あれや磯山櫻かざす海士人〓ふるきあとぞ霞みはてぬる高圓の尾上の宮の春の曙初瀨山春ははせ山花に浮世や殘るらむ庵哀なる春の木のもと內裏の直廬に侍りける頃大乗院座主無動寺より申しおくれりける一都には彌生のそらの花盛しるや深山はまだ雪のちる返し知らざりつ今日九重の花を見て猶白雪の深き山とは同じ頃又山より見せばやな志賀の唐崎麓なる長柄の山の春の景色を返し我我ふ心や行て霞むらむ志賀のあたりの春の景色は花盛に大内におはしましける頃公衡卿の許より女房の中へ風の音は長閑けれ共日數へて花や雲居の雪とふる覽返し女房に代りてむ此春は君を待ける花なれば散で日數をふると知ずや同じ頃南殿の花を折りて人の許へ遣しける宮びとのかざす雲居の櫻花この一枝は君がためとて前齋院大炊御門におはしましける頃女房の中より八重櫻につけて古〓の春を忘れぬ八重櫻これや見し世に變らざる覽返し〇八八櫻櫻折知る人の微せば見し世の春に爭であはまし宇治平等院にて一切經の會の後朝の會に一法の水八十字治川に堰止めて花の友にや春を待けむ同じ日當座の會に依花客といふ心を〓春ごとの花の契に馴々て風よりかれむ頃をしぞ思ふまたの日中宮の女房ども船に乘りて公卿殿上人など物の音ならして遊びけるにはてつかたに人々、舟中見花といふことを詠みけるに麓ゆく舟路は花になりはてゝ波に波そふやま颪の風當世の女房の歌よみどもに百首の歌よませて披講せしついでに五首の歌詠みける中に春の心をあたら夜の霞み行さへ惜しき哉花と月との明方の山花の歌よみける中に〓櫻さく比良の山風ふく儘に花になりゆく志賀の浦波えれはれくもり峯定まらぬ白雲は風に天ぎる櫻なりけり深深路路まじとて松の下ゆく谷の岩橋〓りりふふ櫻を風の吹きよせて深き浪たつ勝間田の池喚子鳥を舍利講の次でにお時しもあれ我答へよと呼子鳥傾ぶく月の西の雲居に春の暮に°山里の人もこずゑに春くれて淺茅が末に花は移りぬ。古巢うづむ雲の主となりぬらむ馴れし都を出づる鶯三月盡co驚かす入相の鐘に眺むれば今日まで霞む小泊潮の山夏部三集〓月篠秋49
更衣c0佐保姫に馴し衣を脫ぎかへて戀しかるべき春の袖哉No花の袖かへまく惜しき今日なれや山郭公聲は遲きに夏の歌よみける中にx0片岡のはなも殘らぬ梢より綠かさなる松のしたしば卯花100かか心心秋秋ああぬぬべし卯の花月夜うち眺めつゝ薄暮卵花眺めつる月よりつきは出でにけり卯花山の夕暮の空〓曉更廬橘xたた花花花句句句ささいにしへの面影になる有明の月廬橋を加風薫る軒の立花年ふりてしのぶの露を袖にかけつる院の選歌合の十首の中、雨後郭公〇五月雨を厭ふとなしに郭公人に待たれて月を待ける松下晩涼一蟬の羽に置く夕露の木がくれて秋を宿せる庭の松風院にて人丸の影供ありしに、海邊夏月一夏の夜を明石のせとの浪の上に月吹き返す磯の松風同じ御會の次での當座の御會に、竹風夜を一呉竹の起臥し風にそなれきて夜な〓〓秋と驚かす也山家五月雨転新きまきの梢に居る雲の重なるまゝに五月雨の空院の十首の歌合に、菖蒲を1今日といへば袖も枕も菖蒲草かけてぞ結ぶ長き契を郭公ををかかり軒端にきなけ郭公はな橋に雨そゝぐなり院の城南寺の御會に、雨中郭公一草苗とる鳥羽田の面に雨をえて折はへ來鳴く郭公哉野亭水凉ん野中なる松の木蔭に堰入れてぬるき〓水の庭に凉き家の歌合に、暮郭公な公公とともにや出でぬらむ外山の峯の夕暮のこゑ郭公〓忍びねぞ色はありける郭公卯花やまの露にしをれて一足引の山はとゝぎす來鳴く也待ちつる宿の夕暮の空一聞く人の袖に讓りて郭公なく音に落つる淚やはある一分分て鳴け物思ふ宿の郭公ねに類ふべき心ある身ぞ海上郭公尋ぬべき方こそなけれ郭公行方も知らぬ波に鳴く也五首の題の中に、夏の心を一打ちしめり萬蒲ぞかをる郭公鳴くや皇月の雨の夕暮早苗梅梅に取らぬ早苗の流るゝをせく社頓て植る也けれ古池菖蒲ヒ浮草は野邊も一つの緣にてあやめぞ池の匂なりける菖蒲をべ隠れぬに今日引殘す高蒲草いつかと知で朽や果なむ五月五日中宮大夫の許よりあやめの長根を贈れりける返事にた君を思ふ心の底の深さにや斯る菖蒲の根を宿しけむ返し中宮大夫a思思らら心心の底は君よりも深き菖蒲に引き增りけり五月雨の歌とて一空は雲庭は波こす五月雨に詠めも絕えぬ人も通はず鳥羽殿にて五百の歌講ぜられける中に城外納涼〓山城の鳥羽田の早苗取も敢ず末こす風に秋ぞ仄めく池上見月池にすむ光を見よと思ひけり木の下くらき庭の月影三家々納涼三大方の夏なき年となりやせむ又此の里に〓水せく也關路晩涼哲しこそ小川の〓水むすびつれ月も宿りぬ相坂の關夏の歌よみける中に「龍田川岸の柳の下かげに夏なきなみを風のよすなり一夏は猶くれもおそくや思ふらむ柚山川をおろす筏士雨後夏月タタタの風に別れて行く雲におくれて昇る山の端の月船中夏月夏の夜をやがて明石の楫枕波に傾ぶく月をしぞ思ふ夏月co夏夏夜夜雲のいづくに宿る共わが面影に月は殘さむ一月影に凉み明せる夏の夜はたゞ一時の秋ぞありける蚊遣火ニすするなる難波わたりの煙哉蘆火焚屋に蚊火立つる頃螢風そよぐ楢の木蔭の夕涼み涼しくもゆる螢なりけり戀ひわたる宵の螢もかげ消えぬ軒ばに白き月の初に四一ににてゝ〓ぬ計ぞ螢こそ秋は近しと色にみせけれ螢火秋近よゆゆ養養て雲路や思ふらむ雁鳴きぬべき風の景色に院にて影供に、草野秋近宮城野の露をよすがに立つ鹿は己鳴かでや花を待らむ水路夏月bl高瀨舟棹も取敢ず明くる夜にさきだつ月の跡の白波雨後聞蟬加村雨の跡こそ見えね山の蟬なけども未だ紅葉せぬ頃影供の次でに、夏月を當座cm大空は霞も霧もたなびかて木蔭ばかりに曇る月かな一此頃は富士の白雪消えそめて獨や月の峯にすむらむ秋部二二草草露露きそへて秋の來るけしきの森に鯛ぞ鳴く三五くる方は西と聞け共今日の日の出るより社秋は立けれ水邊立秋松蔭や夏なき年の〓水にもげに秋風は今日ぞ立ける秋の始に〓〓茅〓秋風立ちぬ是ぞこの眺めなれにし小野の古〓一己れのみ岩に碎くる波の音に我もありとや磯の松風〓露の下に道あり迚や秋はこし葎の庭に月のみぞすむ〓〓色變る露のみ袖に散りやせむ峯の秋風木の葉靑くてね〓梢ふく風の響きに秋はあれどまだ色わかぬ嶺の椎柴院の選歌合の十首の內山家秋月を時時ももれれ〓〓人は音もせで深山の月に秋風ぞ吹く湖上曉霧〓志賀の浦の漣白む霧の内にほの〓〓出づる沖の友舟院の八月十五夜の選歌合に十首の歌に月多秋友一月月らら誰誰ははむむ君が代に秋の今宵の幾廻りとも月前松風秋の夜の光も聲も一つにて月のかつらに松風ぞ吹く月下擣衣里は荒て月やあらぬと恨みても誰淺茅生に衣打らむ海邊秋月立返り煙な立てそ須磨の蜑の潮くむ袖に月ぞ宿れる湖上月明遂坂の山越えはてゝ眺むれば鳰てる月は千里也けり古寺殘月鐘の音に初瀨の檜原尋來て分くる木の間に有明の月深山曉月深深らら外山の庵の寢覺だに嘸な樹間の月は寂しき野月露凉秋秋の野の篠に露置すゞの庵はすゞろに月も濡るゝ顏なる田家見月〓〓秋の雲しくとは見れど稻筵伏見の里は月のみぞすむ
河月似氷一是もまた神代は知らず龍田川月の氷に水くゝるなり同じ夜の當座の御會に、月前雁ニ雁雁ねね雲雲の衣を厭ひけり己が羽風にすめる夜の月院の十首の歌合に、浦月一月かげや波をむすばぬうす氷敷津の浦によする舟人山嵐打しぐれ四方の木葉は色づきて深山の嵐秋を吹く也院にて和歌所始之後初度之影供歌合に初秋曉露秋秋來來來來ものらぬ萩原や曉つゆの袖に馴れぬるL關路秋風メル人すまぬ不破の關屋の板廂あれにし後はたゞ秋の風聞旅月鹿(暗月間鷹景)定本忘れずよかりねに月を宮城野の枕に近きさを鹿の聲故〓蟲N高高の尾上の宮の秋はぎを誰きて見よと松蟲のこゑ院の影供の歌合に、江月聞雁花を重ね玉えにおるゝ雁の聲葦間の月に立空やなき夜風似雨〓宮城野の木のした風のはらふ夜は音も雫も村雨の空同じ夜の當座の御會に、山家擣衣〓古〓を夢にだに見む山賤の夜はのさ衣打も寢なゝむ同じ影供に、月前秋風行行り月と松とに吹く嵐はれての雲に露ぞこぼるゝ水路秋月ス九久の天の川より歸るらしくだすうき木を送る月影關路曉霧怠るなよ霧の迷に一夜ねて關こぎ出づる須磨の友舟院にて八月十五夜の當座御會に秋月の和歌五首嵐ふき村雲迷ふ夕より出でやらぬ月も見る心地する〓聞捨てゝぬる夜も一よ有なまし庭の松風月に吹ずばかのち見むと行末遠く契る哉今宵はふけぬ秋の夜の月ひ露といへば必ず月ぞ宿りけるそれ故おかぬ雁の涙もか昨日迄秋の半ばと待ちし夜は唯今宵ぞとすめる月哉八幡若宮の歌合院より侍けるに六首之內初秋風〇八幡山にしに嵐の秋吹けば川なみ白き淀のあけぼの野徑月一遠近の限も知らぬ野べの月行きつくはてや峰の白雲故〓霧ニ大和にも敷島の宮しきしのぶ昔をいとゞ霧や隔てむ海邊雁白雲に翅しをれし雁がねの下ゐる磯も波やひまなき字治の御所にて院の御會に、山風〓末遠き朝日の山の嶺に生ふる松には風も常磐也けり水月今宵しも八十字治川に澄む月を長柄の橋の上に見哉野路都より分けくる人の袖みれば露深草の人ぞ知らるゝ八月十五夜の五首五辻殿の初度の御會に松間月今よりは爰に千年を松蔭にすまむ月とは知や知ずや野邊月ここの里は北野の原の近ければ隈なき月の賴もしき哉田家月が寢に幾夜を積てみたや守苦も顯はの月に臥す覽覊旅月0都には月の雲居にながむらむ千里の山の岩のかけ道名所月。今宵ならで外に見し夜は闇なれや今社月はすまの浦波八月十五夜翫月、同じ當座の會にco行秋も今や半ばに過ぎぬらむ月にねぬ夜の鐘の一聲家の選歌合に、山月一足足の山の高嶺は久かたの月の都のふもとなりけり野風袖の露斯れとてやは占し野にすゞの篠屋を拂ふ秋風秋の夕暮にx何何と思ひもわかぬ袂かなむなしき空の秋の夕ぐれxo秋の色を心にそめて後ぞ思ふ露も時雨も人の爲とは60秋といへば夕暮每の詠めゆゑ其の故もなき物思かなx0袖の上は唯此頃の露おきて世をば恨みず秋ぞ悲しき見もしらぬ昔の人の心まで嵐にこもる夕ぐれのくも古〓秋。來ぬ人をうらむる宿の夕暮に思ひすつれど〓の上風秋風に荻のはすさむ夕まぐれ誰が住捨てし宿の籬ぞ出ていにし人は歸らで葛の葉の風に恨むる古〓の秋ー眺めわび誰いでにけむ古〓の秋を殘せる荻のうは風露の袖霜の狹筵いかならむ淺茅かたしく小野の古里秋の歌よみける中にみよし野を秋の春にて眺むれば曙よりも夕暮のそら春春そそ明明ぼのごとに眺めしか又この頃の薄霧の空七深深しと計見つる淺茅原くるれば蟲の聲もみちぬるヘ庭深き籬の野べの蟲の音を月と風との下に聞くかなね村雨は程なく過ぎて日ぐらしの鳴く山陰に萩の下露°草深き野べは一つに見しかども思ひわくべき花盛哉一野中なる葦の丸屋に誰住みて鶉の床の友となるらむ〓打靡く入江の尾花ほの見えて夕波まがふまのヽ浦風庭草露滋一置く露を拂はで見れば淺茅原玉しく庭と成にける哉蟲聲非一四二樣々の淺茅が原の蟲の音を哀一つに聞きぞなしつる田家秋風の音は蘆の丸屋に時雨來て非ぬ雲しく秋の小山田風破曉夢見る夢は深山颪に絕果てゝ月は軒端の嶺にかゝりぬ萩〓古〓の庭の小萩の花盛鹿なけとてや野邊になりにし女郞花風風けば玉ちる野邊に折れふして枕露けき女郞花哉鹿私秋の風尾上の松に言とへば人はこたへずさを鹿の聲01武藏野のしのゝ小薄寒き夜に妻も籠らぬを鹿鳴く也初雁一一私も來ぬ風も涼しく成ぬとや寒き越路を出る雁がね三初初の涙おちそふ萩のうへに下露よりも色ぞ有ける=水風三〓〓せ〓松く松の下風吹き迷ひ波にぞ浮ぶ口ぐらしの聲ニうちなびく岩もる小菅玉ちりて嵐もおつる山川の水三名所を四季によせて詠みける中に、宮城野秋11宮宮野の木の下露を片數て袖に小萩の形見をや見む須磨關月類須の關ふけゆく波のうき枕伴ふ月ぞ浦づたひゆく月前草花ミニ晴るゝ夜におのが下露數見せて月にぞ宿る庭の萩原月照窓竹ハニ吳竹は窓うつ雨の聲ながら曇らぬ月のもり明すかな林中曉月な諸共に嶺の木の間を分け行けば袖に溜らぬ有明の月連夜見月〓曇らばと賴む夢路も忘られて幾夜の窓に月を見る覧詠月五首、未出月一やすらひに山越えやらぬ長月のつき待暮す袖の白露初昇月山陰の水に光もみちぬらむ峰をはなるゝ秋の夜の月停午月歌の夜もふけぬる程は殘りけり暫し急ぐな月の行末
漸傾月立果てゝ眺むる方ぞ變りぬる寢ぬ夜の月の影に任て入唐片xp猶愛きは曇らぬ名のみ殘る夜の月はとまらぬ曉の山山月山山かか都を雲のよそに見て誰ながむらむ更科の月山居月山深みげに通路や絕にけむさらずば月に音信もがな八月十五夜座主の許よりxx今宵かも心の空に待し秋は山の端にだに雲のなき哉加類ひなき光に色もそひなまし今宵の月を君と見たらは返しcol晴初めてまたたなびかぬ雲迄も思し儘の山の端の月「君と見むその面影をやどしても袖哀なる我が宿の月內大臣のこと侍りける頃無動寺の法印のもとへ遣しけるニとへかしな影を並べて昔見し人なき庭の月はいかにと返し此二首度に本入之復行程郡に入吾の影なき宿にすむ月は心をやりてとふと知らずや月のくまなかりける夜ながめあかして袖の上に宿かす露の溜らずば唯雲居なる秋の夜の月すす月月す幾月よ幾里人の袖の上に光を分けて宿りきつらむ大物思ふ我かはあやな秋の月尋ねて袖の露にすむらむ女身やはうき空やはつらき秋の月いかに眺て袖濡す覽xx今年とて秋やは變る月影にならはぬ程の心そひぬる見る月は山より山に移り來ぬ寢ぬ夜のはての曉の空いかなりける時にか思思でで泣く〓〓月に尋ずば待てと契し中や絕なむ月の歌よみける中に〓春は猶心あてにぞ花は見し雲もまがはぬ三吉野の月泡雪を春の光に見しよりも雲間の月の庭のむらぎえヲそれも猶心のはてはありぬべし月見ぬ秋の鹽竈の浦〓廣澤の池の水草を吹きよせて風より晴るゝ波の月影手に汲みし山井の水にすまれ共あかで別るゝ東雲の月へへけけな今年も春を三吉野の今更科に秒ふくる迄一二三を句の上にすゑて秋の歌よみける一むらの昔の薄思ひ出でゝしげき野分る秋の夕ぐれメニもとの杉の梢は初時雨ふる川のべに色もかはらず三日月の有明の空に變る迄槇の戶さゝぬ秋のよなく°〓四の海風靜かなる波の上に曇なき世の月を見るかな一五五山照射に洩れしさを鹿の秋は思に身をしをる覽〓六月の空に厭ひし空蟬の今は秋なる音をや鳴くらむ七夕の秋の七日に知られにき忍兼ぬべき空の景色は八重しげる葎の門に夕霧のかさねてとづる秋の山里九九やや長き夜すがらもる水の音さへ寒きにはの初霜メニヤトりり花咲松も朽に島朝顏のみやはかなかるべき秋の夜に契置かぬ中こそあらめ秋の夜の長き思を間人もがなNとくらき夜の窓うつ雨に驚けば軒端の松に秋風ぞ吹く梵聞き明す松の嵐の聲なくば時雨ぬ隨や夢路ならまし〓物思ふ千夜を一夜も限あれば窓より西に月は廻りぬ秋の歌よみける中に〓秋ぞかし草にも木にも露見えて月に鹿なく有明の山1本木ももも積る木の葉をかきつめて露暖むる秋の盃秋と云へばなべて草木も萎れ鳬我袖のみと思ける哉〓曉の鳴の羽音は時雨にてすゞの篠屋に月ぞもりくる町分けて草草木木野分にたへの夕暮に裾野の色の露ぞ碎くる霧時時ららし山さへ時を知りに島富士の煙を霧に紛へて山里はひとり音する松風をながめやるにも秋の夕霧座主無動寺に侍りけるに遣しけるM、君が住む山の奧をも見つるかな長き夜頃の夢の通路世のうきをよそに聞くなる山の奥に猶鹿なかば同秋風62年へにしわが立つ柚の杉村に幾秋風の君をとふらむ「哀いかに志賀の秋霧ほの〓〓と浦ごく舟の跡眺む覽「傳傳くくる跡はつきせじ岩が根の動く〓となき寺の印は座主返しふふ見ても我が思をも思ひしる忍ぶ日頃の夢の通路鹿は鳴けど世の憂事をよそに聞く山の奧にはあらぬ秋風風ならで君がとふこそ嬉しけれ我立つ柚の杉の印に〓辛崎や秋の朝霧ほの〓〓と島なき舟の跡をしぞ思ふ一岩がねや君が緣りの君なくば動かぬ寺も跡無らまし九月九日作文しける時中宮大夫詩を送るべき由かねていへりけるを其の日になりて賜はせざりければ後朝に遣しける白白の眞垣寂しく見えし哉君が言葉の花をよそにて中宮大夫返し白ぎくの花もてやつす言の葉は中々なりや君が籬にさて十三夜にこそ詩を送らめと侍りければ○さりともな其夜の月の曇らずば詞の露を磨かざらめや返し中宮大夫。磨くべき詞の露の置かば社其夜の月の影も待たれめ又10磨き偶像おく詞の露のもりこずば其夜の月ぞ梅雨の空返しにつけて詩を送るとて中宮大夫10大方の今宵の月は隈なきに言葉の露に五月雨ぞ降る返し。言の葉は空に知らるゝ光にて今宵の月は磨かれに見終夜擣衣。〓うう哀ははは物物れれや月入りぬれば聲たゆむ也擣衣ねかへるべき越の旅人待ちかねて都の月に衣搆つなり時雨を聞きてto大方の哀に過ぐる村時雨聞きわく袖に色は見ゆらむ菊No山川の末の流もにほふなり谷の白菊咲きにけらしも紅葉な龍田山松のあなたの薄もみぢ時雨おくある秋の色哉0庭霜。古〓の拂はぬ庭に跡とぢて木の葉や霜の下に朽なむ燕子樓中霜月夜秋來只爲一人長と云ふ心を一獨のみ月と霜とに起居つゝ頓て我世も更やしにけむ秋の暮に一宿さびて庭に木の葉の積るより人まつ蟲も聲弱る也一月影は有明がたに弱りきて烈しくなりぬやま颪の風霜結ぶ秋の末にもなりぬれば裾野の草も風傷むなり長月の末葉の野べはうらがれて草の原より變る色哉九月盡眞葛原秋かへりぬる夕ぐれは風こそ人の心なりけれ冬部冬のはじめに遙かなる峯の雲間の梢まで寂しき色の冬は來にけり木本の葉散て後にぞ思ふ奧山の松には風も常磐也けりた流れよる谷の岩間の紅葉ばに小川の水の末ぞ焦るゝ板間もる月は夜々影消てまやの軒端に木葉をぞ聞く一本の葉散て後は空しき外山より枯野の草に嵐おつ也院の選歌合の十首の內、嵐吹寒草雪似白雲一峯の雪もさらに麓の心地して雲をかさぬる越の白山院の十首の歌合の內、曉雪一夜もすがら重なる雲の絕間より月を迎ふる峯の白雪=水鳥さゆる夜に群居る鳥の音なれや氷の上に波を聞く哉三集〓月篠〓
院の影供に、寒野冬月行く年を飛火の野守出でヽ見よ今幾日迄冬の夜の月又影供に、山家朝雪打打ひ〓朝だに人のとひこにし軒端の杉の雪の下折家の會に、野徑雪深白雲も一つに冱て武藏野の雪より遠は山の端もなし千鳥聲遠〓方方の浦人今や寢覺してとわたる千鳥近く聞くらむ行路雪玉玉ののゆゆく袖の白妙にそれとも見えず置ける朝霜遠山雪〓行きて見ば今日も暮れなむ足引の山の端白き雪の曙行路朝雪一行人の跡にぞ雪は知られける月より後の山の端の月遠近千鳥一遠方や友よび捨てゝ立つ千鳥後るゝ聲ぞ空に殘れる家の選歌合の十首の內、庭雪三三ふる雪に籬かたしく吳竹の庭のふしどは下凍りつゝ家の歌合に、寒樹交松三しぐれこし色や綠に返るらむ木葉晴れのく松の嵐に~池水半氷池水をいかに嵐の吹分けて凍れる程の凍らざるらむ山家夜霜〓草結ぶよはの戶ざしの枯しより內も顯はに置ける霜哉關路雪朝鈴鹿山せきの戶あくる東雲になは道たゆる峯の白雪水鳥知主〓鳥鳥の波に任する浮巢だに馴れぬ汀にわきてよる覽旅泊千鳥己だにを問ひこなむさよ千鳥須磨の浮寢に物や思ふと霧中曉嵐〓嵐吹く露のかども數そひては山の裾に宿りわびぬる湖上冬月〓志賀の浦の汀ばかりは氷にて鳰てる月をよする白波爐邊懷舊一下にのみ忍ぶ昔のかひなきや掻き顯さぬ夜はの埋火寄歲暮戀ニ忘れずば逢ふ夜を待たむ淚川流るゝ年の末を數へて家の會に河氷をかつこほる浪や嵐に碎くらむ〓瀧川のあかつきの聲吉野山寒月一一年を詠めはてつる吉野山むなしき枝に月ぞ殘れる伏見里雪里わかぬ雪のうちにも菅原や伏見の暮は猶ぞ寂しき雪の朝座主のもとへ遣しける雪雪跡跡跡けり君待つ宿の庭を詠めて返し座主xp我宿は人を分てぞ跡を惜むしづしも雪を厭けるにぞ雪の朝三位入道の許へ遣しける分分來べき人なき宿の庭の雪にわれ跡つけて君を訪哉02君が住む松の扉の雪の朝猶降りゆかむ末をこそ思へ返し入道釋阿一君がとふ跡つけそむる初雪を積む覽末も賴まるゝ哉ニふりはてゝ雪消えぬ共君が代を松の扉は猶尋ねみよ田家時雨エををねねむ田田の〓は秋過て袖を時雨にほさぬ頃哉山家冬月山山の氣色ばかりや冬ならむ都なりせば秋の夜の月十月ばかりに宇治にてエ秋秋色色今は殘らぬ梢より山風おつる宇治の川なみ草枕まだ音づれのなきまゝに浪におどろく古〓の夢霜さゆる杉の板間のめも合ず誰まつ袖に月凍るらむ三集〓月篠秋〓よよすがら凍れる露を光にて庭の木の葉に宿る月影冬の歌の中にな霜凍る眞菅が下に閉ぢてけりそがの河原の水の白波〓度度か寢覺しつらむ袖の露凍れるよはの明し難さに一 子 ふ き き こ そ な けれ世中の貧き民の寒きよな〓〓閑居聞霰さゆる夜の槇の板屋の獨寢に心くだけて霰降るなり山水始氷吉野川瀧の水上こほるらし今朝よわりゆく岩波の聲池氷曉結明方の浪間の月やさえぬらむそれより凍る廣澤の池池氷似鏡年年へへ影影る池の凍れるや昔をうつす鏡なるらむ網代眺望浪の上に心のすゑのかすむかな網代に宿る宇治の曙氷波よする志賀の辛崎氷ゐて沖は汀となりにけるかな千鳥照る月の影にまかせてさ夜千鳥傾く方に浦傳ふなり水鳥山川のつらゝの床にすむ鴛の己が羽ぶきにそふ嵐哉樵夫。花と見するつま木の雪の僞を負ひてぞ歸る冬の山人深草里人〓深草や鶉もすまぬ枯野にて跡なき里をうづむしら雪野亭深雪ニ野中なる蘆の丸屋に秋すぎて傾く軒に雪おもるなり山家雪憂かりけるまた山深き宿もあらば人をもとはむ雪の曙雪をれの嶺の椎柴拾ふとてあと見せそむる冬の山里社頭雪三三山山の月を思ひ出でゝふりさけ見れば嶺の白雪雪中遠望雪白き四方の山邊を今朝みれば春の三吉野秋の更科雪ふりけるに定家朝臣が許へ遣しける難面くば君もや訪と思つる今朝の雪にも遂にまけぬる返し〓我宿の庭の跡にも難面くてとはむ心の深さをぞ知る山里にて雪の朝に詠める都都ははしぐれし程とおもふよりまづ此の里は雪の曙冬の歌よみける中にo重重ても人まつ庭の氣色かな雪に宿れる冬の夜の月〓下折の竹の響きに散る雪を拂ふとすれど袖ぞ寒けき寂しさはいつもながめの物なれど雲間の嶺の雪の曙行行年年流流ゝゝは早けれど折しも聞くか谷川の水真五香世の中は春の隣になりぬれど垣根のほかも同じ白雪雪雪もも木末に雲は隔つれど花に近づく三吉野の山歲暮明けぬより春の霞も立やせむ今宵はさすな白川の關家の選歌合に、冬述懷世に住めば早くも年の暮るゝ哉心の水はかつ凍れ共院於春日御社歌合三首の內、落葉を鹿鹿たた森森木本の唐錦ふきしく風は神のまに〓〓北野の宮の歌合、時雨か村雲に後れ先だつ夜はの月知らず時雨の幾廻りとも秋篠月〓集四祝部女御入內の月次の御屏風の歌
第一帖小朝拜列立所立初むる雲居の春は諸人の袖を連ぬる庭に見えけり野邊の小松原に子日する所→春日野の小松に雪を引添へてかつ〓〓千世の花咲に見山野に霞立ちわたりたる所、住吉の松もありニ詠めやる遠里をのは仄かにて霞にのこる松の風かな第二帖花竹の間に鶯ある所、人の家もあり〓春の日の長閑にかすむ梢よりうちとけそむる鶯の聲春日祭社頭儀幾春の今日のまつりを三笠山みねの朝日の末も遙に人の家〓に野邊に梅の花さきたる所梅の花匂ふ野べにて今日くれぬ宿の梢を誰尊ぬらむ第三帖澤邊春駒霜枯れし原のゝ澤のあさ綠駒も心ははるにそめけり山野〓に人家、櫻花盛に又咲きたる所、霞もありしおおななて雲に際なき花盛いづくも同じ三吉野の山人の家の庭に藤盛に花咲きたる所山に木もあり萬代の春知りそむる藤の花宿は雲居にみする也けり第四帖人の家に更衣したる所、卯の花垣もあり今日よりは千代は重ねむ始とてまづ一重なる夏衣哉賀茂社祭神館儀式葵つけたる人の參詣したる所00今日みれば賀茂の御誕に葵草人の變にも懸てける哉早苗植ゑたる所。早苗とる田子の心は知らね共戰ぎし秋の風ぞ待るゝ第五帖雲間郭公鳴き渡る所、人の家あり。思ひ知れ有明がたの郭公さこそは誰もあかぬ名殘は菖蒲かりたる所、人の家に葺きたる所もありニ風風けばよはの枕にかはすなり軒の萬蒲の同じ匂を人の家の庭に罌麥咲きたる所。〓ませの內に君が種まく常夏の花の盛を見るぞ嬉しき第六帖山井の邊に人々納涼したる所、泉ありx0山かげや出る〓水のさゝ波に秋をよすなる檜の下風野邊の杜の間に夏草茂る所ね。涼みにと分け入る道は夏深し裾野につやく杜の下草河邊に六月被したる所to夏夏日日の兼て御禊にすつる哉あすこそ秋の初と思に第七帖山野〓に人の家秋風吹きたる所、荻ありxo夕されば野山の景色いかならむ秋風立ちぬ庭の萩原野の花さかりに咲きて人々集りたる所また掘り取る所もありおかの野の千草の色を我宿に心よりこそ移し初めつれ山野〓林間鹿有所〓春日山松の嵐に聲そへて鹿も千年のあきとつぐなり第八帖人家池邊人々翫月所一雲はるゝみ空や池に映るらむ水底よりも月は出けり相坂の關に駒迎に行きむかふ所、〓水あり一東よりけふ相坂の關越えて都に出づるもち月のこま田の中に人の家ある所山田もる下賤が庵に音づれて稻葉にやどる秋の夕風第九帖山の中に菊さかりに開きたる邊に仙人有る所君が代に匂ふ山路の白菊は幾度露のぬれてほすらむ山野〓に人の家に紅葉盛りにしたる所、人々これを祝ぶ三集清月德秋秋霧の晴行く儘に色みえて風も木葉をそむる也けり海邊に霧たちたる所大ほの〓〓と明石の浦を見渡せば霧の絕間に沖つ白波第十帖海邊に千鳥ある所、海士人の鹽屋有り友千鳥沖の小島にうつるなり岸の松風夜寒なるらし網代に人集りたる所、落葉ありヘ紅葉ばを都の人の心迄日をへてよする瀨々の網代木江澤の邊寒蘆茂りたる所、鶴もありル難波潟あしは枯葉になりにけり霜を重ぬる鶴の毛衣第十一帖五節參入所さよ更けて豐の明のもろ人の少女むかふる雲の通路賀茂臨時祭上社社頭儀式一御手洗の川邊にさよは更に鳬立舞ふ袖に霜互ゆる迄野邊に鷹狩したる所一今日暮ぬ明日も狩來む交野原枯野の下に雉子鳴く也第十二帖內侍所御神樂雲の上に神も心やはれぬらむ月さゆる夜の赤星の聲山野の竹樹などに雪ふり積みたむ所、人家あり詠めやる心の道も辿りけり千里の外の雪のあけぼの歲暮に下人等山より松などきりていづる所一千世經べき松さへ山を出に鳬春を營む賤に引かれて泥繪御屏風夏樹蔭納涼〓夏草の風にみだるゝ夕暮は秋のみ深き大あらきの森冬池上氷池水にさゆる光をたよりにて氷は月の結ぶなりけり院にて入道釋阿に九十賀給はせける屏風の歌に春帖霞〓春霞しのに衣を織りはへて幾日ほすらむ天のかぐ山若草た三吉野は草のはつかに淺綠高嶺の深雪今朝や消らむ花ce老ちくの今日こむ道は殘さなむ散かひ曇る花の白雪夏帖郭公一「弱しをる人や頼めし郭公三輪の檜原に來つゝ鳴く也五月雨ニをを田田引引繩の打はへて朽ちやしぬらむ梅雨の頃納凉三一紀の國や吹上の濱〓による浪=の寄邊涼しき磯枕かな秋帖秋野三さを鹿の入野の秋の下露に誰つま籠めて草結ぶらむ三月エ此此は秋つしま人ときを得て君が光の月を見るかな紅葉山山ゆゆ雁の翅に霜おきて四方の梢は色づきにけり冬帖千鳥濱千鳥跡ふみつけよいもが紐ゆふは河原の忘形見に氷一初初瀬女の白木綿花はおちもこず氷にせける山川の水雪たふふにける友とやこれを眺む覽雪積りにし越の白山今上の一品宮生れさせたまひての七夜人々盃とりて詠みけるco光そふ雲居の月をみかさ山千代の始は今年のみかは中宮の初度の御會に、月契秋久四集〓月篠秋
一萬代の月をば秋の光にて絕えぬ契はくもゐにぞ見る庭梅久芳我袖に軒端の梅の香をとめよ花は幾代も春ぞ匂はむ渡新所之後初度之會に、松延齢友三千代代で契る心や通ふらむ松に答ふる風の音づれ大臣の後の初度の會に、松不改色春春れば今一しほの綠こそ變らぬ松の變るなりけれ春日山を祝によせて詠みける10曇なき千代の光は春日山松より出づる朝日なりけり祝の歌とて詠みけるが其も猶千代の限の有ければ松だに知らぬ君が御代哉霜や度置けど變らぬ松も猶君が御代にや生ひ替るべき〓深山より松の葉分けて出る月千代に變らぬ光也けり加千代やちよ年波こゆる末の松朽ち變る共君は常磐に61自ら治まれる世や聞ゆらむはかなくすさむ山人の歌ニ神神や御裳濯川の流こぞ月日と共にすむべかりけれ院於鳥羽殿初度の御會に、池上松風ニ傳傳こし深き流の池水になほ千代までと松風ぞ吹く院の選歌合に、寄神祇祝五君君代代のしるしとこれを宮川の岸の杉村色も變らず院の十番の歌合、神祇神風や御裳濯川にちぎりおきし流の末ぞ北の藤なみ同じ庭の松エル庭の石も岩と成べき君が代に生添ふ松の種ぞ籠れる院の影供に、松邊千鳥x高砂の松を友とし鳴く千鳥君が八千代の聲や添らむ家の歌合に、春祝45春日山都の南しかぞ思ふ北の藤なみはるに逢へとは院の御會に、初春祝〓春と云へば八重たつ霞重ねても幾萬代を空にこむ覽和歌所おかれて初度の御會に、松月夜深ね松風に今日より秋を契り置て月に住べき和歌の浦人城南寺にて祈雨御會に、社頭祝〇大民の戶も神の惠にうるふらし都の南みやゐせしより京極殿の初度の御會に、松有春色押押なべて木芽も春の淺綠松にぞ千代の色は見えける戀部高陽院の初度の御會に戀の歌よみけるに氷ゐる志賀の浦吹く春風の打解けてだに人を戀ばや白雲のた靡く空に吹く風の思ひたえなむ果ぞ悲しき君は邊り邊て分患とと時時しもあれそこはかとなき夕暮の空契暮秋戀秋は惜し契は待たるとにかくに心にかゝる暮の空哉北野の宮の歌合に、久戀石上ふるの神杉ふりぬれど色には出でず露も時雨も構他人戀知れても厭れぬべき身ならすばなをさへ人に包むべしやは嵐前戀人獨ぬるよはの衣を吹き返しさても嵐は見せぬ夢かな聞虫聲增戀獨寐の枕に蟲は宿りけりおのが聲より露をおかせて晝夜思戀°C畫は夜よるは晝なる思かな涙にくらし床に起きゐて月前戀一君に我踈くなりにし其の日より袖に親しき月の影哉舟裏戀。浮舟の便も知らぬ波路にも見し第のたゝぬ日ぞなき戀耻傍輩とふ人は忍ぶ中とや思ふらむ答へ兼たる袖の氣色を三島江戀高高舟ほほみみしま江に漕返り葦間の道の猶や障らむ後朝戀〓曉の〓の迷に立ち別れ消えぬる身とも知せてしがな五首の歌被講し中に戀を吹吹く風も物や思ふと問ひがほに打眺むれば松の一聲戀の歌よみける中に凄まじく床も枕もなりはてゝ幾夜有明の月を宿しつ〓物物ふたゞ獨寐の狹筵にあたりの塵よ幾夜つもりぬえむおもひねの夢に慰むほどばかり枕の露のよはの村消oよよ返返る荒磯浪のしき波に間なく時なくぬるゝ袖哉〓涙せく袖に思やあまるらむ眺むる空も色かはるまで〓夕暮の雲の旗手の空にのみ浮きて物思ふ果を知らはや〓とめこかし君松風のかひなくば物思ふ宿の花の折々落たぎつ川瀨の波の岩越て堰敢ぬ袖の果を知らばやu忍ぶ〓と思はざる覽難波女のすくも焚火も下ぞ焦るゝなそれはなほ夢の名殘もながめけり雨の夕も雪の朝も山の井にむすびもはてぬ契哉あかぬ雫にかつ消る泡水無瀨殿にて九月十三夜戀の十五百の歌合に、春戀鶯のこほれる涙解けぬれど猶わが袖の結ばゝれつヽ夏戀ね草深き夏野分行さを鹿の音を社たてね露ぞこぼるゝ秋戀〇せせ袖に涙の色やあまるらむ詠むる儘の萩の上の露冬戀一輩鴨の拂ふ翅におく霜の消え返りても幾夜へぬらむ曉戀〓もり明す水の白玉岩こえてたゆむも知らぬ袖の上哉タ何故と思も入らぬ夕だに待ち出でし物を山の端の月霧中戀ううののうつゝ悲しき道たえて夢に都の人は忘れず山家戀山がつの麻のさ衣梭を荒みあはで月日や杉ふける庵九故〓戀やすゑまでと契りてとはぬ故郷に昔語の松かぜぞ吹く旅泊待てとしも賴めぬ磯の假枕蟲明の波の寢ぬ夜問ぬる關路戀〓我戀や此よを關と鈴鹿山すゞろに袖のかくは萎れし海邊戀お打打れににして須磨の餘りに恨兼つる河邊戀。泊瀨川井手こす波の岩の上に己れ碎けて人ぞ戀き寄雨戀。こぬ人を待夜乍らの軒の南に月をよそにて侘つゝや寢む寄風戀。荻原やよそに聞來し秋の風物思ふ暮は我が身一つに院の選歌合に、遇不會戀〓暫し社こぬ夜許多と數へても猶山の端の月を待しか院の影供の歌合に忍戀を〓泊泊川なびく玉藻の下亂れ苦しや心みがくれてのみ同じ影供の當座に、月前戀x0わくらばに待ちつる宵も更に見さやは契し山の端の月同し影供に、依忍增戀わせきかへす袖の下水したにのみ咽ぶ思の遣方ぞなき同じ影供、旅曉戀わわくらばの風のつてにも知せばや思をすまの曉の夢和歌所の初度の影供に、初戀〓須磨の海士の藻汐の煙忽にむせぶ思をとふ人のなき久戀わ難波人いかなる江にか朽果む逢事波に身を盡しつゝ家の選歌合に、夏戀〓空蟬の鳴音やよそに森の露ほし敢ぬ袖を人のとふ迄家の會に、變契絕戀引かへてあだし心の末の松待夜の果は波ぞ越しぬる
宇治にて院の御會の五首の中、夜戀一待ちわびぬ今宵もさてや山階の木幡の峯の遠の白雲北野の宮の歌合、忍戀一もらしわび氷り纏へる谷川の汲人なしに行惱みつゝ轟旅部旅の歌よみける中に〓筏淀むせヾの岩間の波の音に幾夜馴たる浮寢なる覽隔て行く都の山の白雲を幾重になると誰に問はまし〓草結ぶ野原の露の深き哉誰があかしけるよはの枕ぞ← 手手くくののこめて舟路にまよふ淀の川岸水水をを麓の入江霧はれて山路秋なる雲のかけはし九加茂りあふ爲も楓も跡ぞなきうつの山邊は道細くして〓明方になるや白露數そひぬかりの庵の葦のすだれに一友なくて草葉に宿る秋の野に螢ばかりやよはの燈火有有のつきせざりける詠かないく浦傳ひ心すましつ三隔てゆく雲と波とを幾重とも知らぬ泊りの夢の通路ニあふ人もなき夢路より言づけて現悲しきうつの山越正馴にけり一夜宿かす里の蜑の今朝の別も袖萎れつゝた昨日けふ野にも山にも結びおく草の枕やつゆの古〓七國かはる堺幾度越えすぎて多くの民に面馴れぬらむル浪枕一夜ばかりに馴れそめて別もやらぬ須磨の浦人物へまかりけるに天の川原といふ所を過ぎ侍るとてニ加きく天の河原に尋ねきて跡なき水を詠むばかりぞ公卿勅使に伊勢へくだりける道にて〇相相の山越えはてゝ眺むれば霞につヾく志賀の浦波『遙なる三上の嶽をめにかけて幾瀨渡りぬやすの川浪海路眺望ニ忘るなよ今はの月をかたみにて浪に別るゝ沖の遠舟海路秋三行く舟の跡の白波きえ盡きてうす霧のこる須磨の曙家の選歌合に、秋旅ニ松松やや風寒き磯寢かな海士の刈藻をひじき物にて院の字治の御會の五首、秋旅1橋橋の我をば待たぬさ筵によその旅寢の袖の秋かぜ院より八幡若宮にて歌合有し六首の中覊中戀をキ〓古〓を命あらばと松浦潟かへる人をし夕なみのそら院の影供の次でに當座、月前旅を忘忘じじに製りて出でし面影は見ゆらむ物を古〓の月院にて當座に旅の心をN都人そのことづてはとだえして雲ふみつたふ山の梯雜部五行を詠める、木五年へたる檜原の柚の久しきにたつきの音の仄なる哉火cm思ふべし薪の上に燃ゆる火は世の理を明すなりけり土一押なべて天下なる物は皆土を本とて有りとこそ聞け金一こむ世まで永き寶となるものは佛と磨く金なりけり水習〓くすむ水の心の空しきにさればと宿る月の影かな東月も日もまづ出初むる方なれば朝夕人の打眺めつゝ西エリ秋風も入日の空もかねの音も哀は西に限るなりけり四南x玉玉ささを待つらむ里の秋風に遙にむかふはつ雁の聲北〓其方しも冬の景色の烈しとや閉たる戶をも叩く風哉中N昔より都しめたる此里はたゞ我が國のもなか也けり62ニニー四集〓月篠秋靑x0波あらふ岩根の苔の色までも松の木蔭を寫す也けり四黃〇m秋の日の光の前に咲く菊の枯野の色にまがひぬる哉赤ユニ赤ねさす峯の入日の影そへて千入そめたる岩躑躅哉白一霜うつむ賀茂の川原に鳴く千鳥氷に宿る月や寒けき黑三ふふ深山のさとの夕間に塒もとむる鴉鳴くなり曉觀佛横田の言えにし空におもふかな悟はれにし月の光を夕聞經117入相の鐘の音こそ類ふなれ是とて法の聲ならぬかは夜尋僧ねふけぬれば露と共にや宿らまし岩屋の洞の苔の筵に曉惜しきかな入方近き曉のまだ開深き此の世と思へば山家の心をAN獨さは深山の春に暮せとや今日まで人のとはぬ櫻をないかげや軒端の苔の下朽ちてかはらの上に松ぞ傾く〓〓里里枯れにし草は春の夢一夜に秋の風ぞおどろく〓月見ばといひしばかりの人はこず蓬が上に露滋き庭世のうさのねをや絕えなむ山川の嬉しく水の誘ふ萍栞せで入りにし山のかひぞなき絕えず都に通ふ心は六かりそめの浮世出でたる草の庵に殘る心は古〓の夢三三野野も春の人めは枯なくに花なき谷の奥を尋ねむ麓ままおおじ德原あともなし深山のいほの露の下道いか計り夢の世あだに思らむ深山の庵のよはの嵐に六〓待つ人のなきに懸れる我が身哉物思ふ秋の入相の空茶瀧音音の響きの寂しきにつれなくあかす岩枕かな°〓獨こそ思ひ入りにし奧山に鹿も鳴くなり峯の松かぜ一足引の山陰ならず夕まぐれ木葉色づく日ぐらしの聲七ニををりり思ふ住ひ悲しき山陰に玉ゆらかゝる朝顏の露院より八幡若宮の歌合六首之內、山家松住みすてゝ人は跡なき岩の戶に今も松風庭拂ふなり院より春日の社にて歌合三首之內、松風露しくれ袖にもらすな三笠山くも吹き拂へ嶺の松風七夢中述懷轉轉寢のはかなき夢の中にだに千々の思の有ける物を誠にも世の理を知る人は〓ともおろかに厭ふべきかは述懷世のうきは人の心の憂きぞかし獨をすまむ都也とも〓淵淵瀨も瀨もひまなくかはる飛鳥川人の心の水や流るゝなんはらはでや軒ばの草に任せまし古きを忍ぶ心茂りて七o染染きし憂世の色を捨てやらで猶花思ふ三吉野の山〓蕾むより散るべき色の物なれや嵐に花は宿る也けりニをを〓〓〓の心にそめて年も經ぬ秋毎の月春ごとの花長き夜の更行く月を眺めても近づく闇を知人ぞなき〓照すらむ月日の光曇らずば空を賴みて世をや過まし皇太后宮大夫入道が許へせうそこして侍りし返事にかくいひ遣したりける秋の時すてゝし谷の埋木を嬉しくもとふ松の風かな返し君をとふかひなき頃の松の風我しも花をよそに聞哉前大僧正の許より世世を思ひつらぬる枕には涙の玉のせくかたぞなき徒に蓬が露と身をなして消えなむ後の名こそ惜けれ返しか世中に猶立廻る袖だにも思ひ入るれば露ぞこぼるゝcm君ももし蓬が露と身をなさば頓てや消えむ法の燈火天王寺にて四集〓月篠伏九「二二
『西思ふ心有てぞ津の國の難波わたりは見べかりける院にて三體の歌を召しけるに高歌春春霞あづまよりこそ立にけれ淺間の嶽は雪げ乍らに夏松立てる與謝の湊の夕すゞみ今も吹かなむ沖つ潮風瘦歌秋萩原やよはに秋風つゆ吹けばあらぬ玉ちる床の狹筵冬山里はまきの葉凌ぎ霰ふり堰入れし水の音信もせぬ艶歌戀忘れなむ中々またじ待つとても出にし跡は庭の蓬生旅九夢にだに逢夜稀なる都人ねられぬ月に遠ざかりつゝ瀧水を詠める天天川川ながれや峯にかよふらむ白雲おつる瀧の水上和羽林次將大原之作有明の月まつ山の麓にてうき世の闇は思ひ知りにき舍利講の次で、思を0ささ〓〓の人の思の末やいかに同じ煙の空に霞める八月十五夜前座主の許より。やよや月去年又今や一昨年も今宵の空は搔曇りしを〓いかなれば晴行く空の月を見て我心のみ雲かゝる覽返し。〇三年まで曇りし月も晴れぬれば猶光そふ空を待つ哉。今宵とて晴行く月のかひぞなき君が心の雲隱れせば宜秋門院御樣變らせ給ひて次の日座主の許より0家家出出今今は嬉しき道芝によそには露の猶や置らむ加入る人のしるべよそなる心より眞の道に葛のうら風返しtoよそにして濡す袖こそはかなけれ是ぞ誠の道芝の露xししべべなぬそのよの道の行末になほ立返れ葛の裏風院にて當座の御會に松をね住吉の神やまことに言の葉を君につたへし松風の聲。一時の色は綠になほしかじ龍田のもみぢ三吉野の花一悔しくぞ月に吹く夜の松風を宿の物とも眺來にける基礎嵯峨故内府の墓所にて懷舊の心をよみて座主一山里は袖の紅葉の色ぞこき昔をこふる秋のなみだに返しよそに思ふ我袂には猶しかじ君が時雨の色は見ね共年頃のちぎりはかなくなりて後その墓所に行きて詠める稀に來て昔の跡を尋ぬれば知らぬ松にも風咽ぶなり並べこしよはの枕も夢なれや苔の下にぞ果は朽ぬる-權中納言道家の母失ぜ給ひて後おなじ頃三位入道の許より限なき思の程の夢の內は驚かさじとなげきこしかな返し見し夢に頓て紛れぬ我身社とはるゝ今日も先悲けれ無常部前內相府幽靈一辭吏閣之月永化北部之煙以來去文治第四之春忽入我夢以呈詩句今建久第三之春又入人夢和語波只傷永夕之別是也乗開曉之詞實知婆婆之喜漸積泉壤之眠自驚者歟爰依心棘之難 抑奉答夢國思而已見し夢の春の別の悲しきは永き眠の覺むと聞くまで八月十五夜山の法印の許へ遣しけるかとへかしな影を並て昔見し人も無世の月はいかにと64一九二二四集清月篠秋返し〇古の影なき宿にすむ月は心をやりてとふと知らずや西行法師みまかりにける次のとし定家朝臣の許へ遣しける一去年のけふ花の本にて露消し人の名殘の果ぞ悲しき返し二花のもとの雫に消えし春は來て哀昔にふりまさる人定家朝臣が母の中陰三月盡にあたりけるに遣しける一春霞かすみし空のなごりさへ今日を限の別なりけり返し別れにし身の夕暮に雲消てなべての春は恨果てゝき觀性法橋うせて後彼の西山の往生院にて如法經かゝむとて罷り入り侍りけるに前座主一人のいふ秋のあはれは主もなきこの山寺の夕暮の空返し大主ありし昔の秋は見し物を荒れたる宿と聞くぞ悲き世のはかなきことを思ひてヒ消果てし幾代の人の跡ならむ空にたなびく雲も霞もル後の世はあす共知らぬ夢の內を現がほにて明暮す哉烏部山おほくの人の煙立ち消えゆく末は一つしら雲神祇部伊勢にてca神神や御裳濯川のそのかみに契りし〓との末を違ふな三露磨く玉串のはの玉ゆらも懸し賴みの忘れやはする述懷の中に二伊勢島や潮干も知ず袖濡て生るかひ無世にもふる哉春のはじめに一今日といへば春のしるしを宮川の岸の杉村色變る也新一の新やの年や神代にかへるらむ御裳濯川の春のはつ風神祇の歌よみける中に和和るるにしるし春の日の惠みに花は咲く世なり鳥旭三笠山我世を松の蔭に居てよそに過ぐさむ梅雨の頃一頓もしな佐保の川風神さびて汀の衛八千代とぞ鳴く日吉七社本地大宮釋迦心いにしへの鶴の林に散る花の匂をよする志賀の浦風二宮藥師2朝日さすそなたの空の光こそ山陰照すあかし也けれ聖眞子四九九道道かかててのの世に跡を垂るゝかな終迎へむ紫の雲八王子千手ニ枯枯ははるる梢に花も咲きぬべし神の惠の春の初かぜ客人十一面円こゝに又光を分けてやどすかな越の白嶺や雪の故〓十五郎地藏このもとにうき世を照す光こそ暗き道にも有明の月三宮普賢皆人に遂にしたがふ誓よりあまねく匂ふ法の花かな院の春日社の歌合に、曉月を10天天戶戶戶戶戶戶明より神代の月の影ぞ殘れる釋〓部舍利講の次でに十如是を相す四朝毎に鏡の上に見る影の空しかりける世に宿るかな性th樣々に生れきにける世々も皆同じ月こそ胸に澄けれ體No春の夜の煙に消えて月かげの殘る姿も世を照しけり力加ふり積る雪に撓まぬ松が枝の心强くも春を待つかな四作cm日をへつゝ巢がく笹蟹一筋に營み暮す果を知らばや四集清月篠秋〇二三二
因一一種しあれば佛の身共成ぬべし岩にも松は生ひける物を緣ニ岸に到る風の知べを思ふ哉苦しき海に舟よそひして果三秋秋く成果てにける深山哉花見し枝に木の葉色づく報過來ける世々にや罪を重ねけむ報悲しき昨日今日哉本未究竟等五末の露もとの雫を一つぞと思果てゝも袖は濡れけり内秘菩薩行獨のみ苦しき海を渡るとや底を悟らぬ人は見るらむ舍利講を願はくは心の月をあらはして鷲の御山の跡を照さむ同じ講のはてに花を〓草木まで心あるべし法のには花たてまつる春の山風喚子鳥ない奥子鳥うき世の人をさそひ出でよ入於深山思惟佛道立秋x西西思思心心の最ど涼しきはそなたより吹く秋の初風〓吹き返す衣のうらの秋風に今日しも玉をかくる白露旅于時七月十五日旅の世に迷ふ諸人今宵こそ出でし都の月を見るらめ川爲人誅之シ濁る江に法のながれの道を得て人をぞ渡す白川の里池遂に我が願ふすみかは極樂の八功德池の蓮なりけり舍利講の次でに蓮をこの世より蓮の糸に結ぼゝれ西に心のひく我が身哉拾玉集一第卷集玉拾拾玉集卷第一百首和歌花十首山高み嶺の櫻の散るときは麓のさとに雪ぞふりける押なべて風の谷にも云なさじ心に花の散にも有る覽八六山櫻咲きなむのちは春霞梢をよきてへだてましかば九六盛なる花を二たび見つる哉散りしく庭とちらぬ梢と。山櫻みるにつけてぞ惜るゝ花なき里にいざ住ひせむ一人每にとひて聞かばや櫻花散るを惜まぬ心ありやと〓〓故故に故〓人に逢見てはまた來む春を契りけるかな三春くれば櫻狩すとあくがれてともの山べに日を暮す哉春風を厭ふ心をひきかへてしたがふ花を今は恨みむ咲き咲す散につけても苦しきは花社御代の例也けれ郭公十首來鳴くやと夘花垣はしたれどもまだ音もせず山郭公〓と郭公初音を聞くや山賤のあやしき身にもとり所なる〓時時まだ里なれぬ忍び音を聞くらむ人の心いかにぞなな〓〓〓何何語らふ時鳥もの忘れたき夜はの一聲〇郭郭一一ににそ尋ねつれ名殘なしとて何かうらみむでふり積る雪とや見まし卯花を山郭公來鳴かざりせば山里に家居しすれば郭公待つも待ぬも同じ音ぞ聞く郭公公橋になく聲は思ひなしにやなつかしきかな五五五雨雨の隙しなければ郭公笠とり山をさして鳴く也諸共に語らひおきて郭公死出の山路の知べにもせむ月十首か大井川すむ月影のいるを見て小倉山とや云初めけむここののに映れる月の光あれば蘆の下葉の露も隱れず中々にいたくなさえそ秋の月見れば涙に曇る由なしな山のはを何か厭はむ〓見潟浪間に月は入りける物を01何となく物ぞ悲しき詠むればあな味氣なの月の光や一山里に我は年頃住みぬればさし入る月の主がほなる中々にもりくる月の爽けきは暗き木蔭にはゆる也鳬秋の月冴行くよはの哀れさを何に喩へて人に語らむ宿もあれ主もなけれど月のみぞ澄も變らぬ廣澤の池〓〓見潟月すむよはは富士のねの絕ぬ烟も心してたて雪十首今朝見れば庭もはだれに雪降て冬めきに鳬賤の山里〓雪深み人も問來ぬ先に來て道ふみ初めつみ山べの里ハ雪ふれば其とも見えず稻荷山孰くなるらむ杉の村立淺ましや雪踏分けし深山路の栞を見れば梢なりけり〓志賀の浦の冴る氣色の異るは比良の高嶺に雪や降覽。冴々えて雪降敷けば筵田のいつぬき川ぞ先氷りける孰くより降來ると社見えわかね風に隨ふ雪の氣色はニット蟹小舟苦引き懸て漕きつけよ濱風寒み雪もよこ入四分co天の戶はまだ明ぬ間に孰くより降出つらむ庭の白雪10新玉の年は我が身に積れども消え行く物は庭の白雪戀十首なる厭我身の咎は各ならで人のつらさのつらくも有哉to君を我戀初しより名に愛て坂逢山は行かぬ日ぞなき〓o夢にだに逢見むとを祈るかなよるの衣を返す〓〓も〓厭ふとも思初めてし紅のやしほの色は如何かへさむ笹蟹のいとほしとだに聞えねば蜘手に物を思かひなし濡衣をきると聞く社嬉しけれ變らぬ袖を厭つらさに强ちに何厭ふらむ前の世の報にてこそ戀しかるらめ命こそ戀する人の限なれ逢ふてふ〓とを何と知らねばつれなさを恨もはてじ逢初て後は思の增りもぞする同じ世にあるかひもなき身なれども命計は哀なる哉旅十首차津の國の蘆のしのやに泊る夜は難波の〓とも哀なる哉←露しげき秋の野原を朝立てば思はぬ袖の萩が花ずりさらぬだに草の枕は露けきに淚すゝむる蟲の聲ごゑをむむそれもそもとえ見えず春霞都の方は立ちな隔てそ。波のよる磯の苦やに旅寐してさし非ぬ袖を濡しつる哉儚くも都の方ぞ戀ひらるゝ我を思出る人はあらじな我のみと何思ふらむ草の庵月も宿をばかりける物をニ沖つ風けあしけれ共漕出ぬと都の人にいかで知せむ草枕かへす衣におく露をうらの玉とや人の見るらむ1ああななと何か思はむ草枕孰くか終の住かなるべき祝十首一磯の上ふりにし人に言間はむ君が齡のたぐひ有やと君が代を何に譬へむたづのゐる濱の眞砂も數ならぬ哉たたささかに花咲桃の君が代になるてふ〓とは千度百度住吉の松の千年と君が代と孰れ久しき神に問はヾやcmか山山嶺嶺月影は君が齡を照すなりけり三濁るらむ川瀨の水も君が代にすむべき數の限なき哉三いつしかと春の初めに鶯の君が千年をもゝ色となく君が代は限なしとて有りぬべし例へていへば尙愚也蘆鶴の雲の上よりおり居るを齡を君に讓るとぞ聞く三雙葉なる松は千代經物ぞとも君が見たてゝ語るにぞ知る述懷十首如徒らに明し暮して高砂のまつ〓ともなき身を如何せむ後世の〓とをしぞ思ふ數ならず鳴海の浦の波の立居に所しつゝ果はいかにか成べきと思續けてね社泣るれた何事も思ひもわかで世中を明ぬ暮ぬとすごしつる哉SLおおななて浮世の中を恨むかは我身一つの歎也けり一程もなき露の世にだに住侘ぬ消なむ後の身をいかにせむニいかにせむ過る月日は止られば思でもなく年の經ぬべき二世の中を心高くは思へども人とひとしきとのなき哉
數數らぬ我身の程を知ぬれば人をもえ社恨ざりけれ111入日さす西に心をかへる身は暮行く年も惜からぬ哉無常十首AN露露すす蓬蓬が原を見渡して思ひとくこそ哀なりけれ■しく過る此世を夢ぞとはさめて後こそ思ひ合せめ〓今日知らぬ憂世の中の例には何か我身の成むとす覽九四世中は河瀨に見ゆる泡の消えみ消えずみ過る儚なさcm名計りは夢現とてかはれども儚き〓とは違はざりけりユ水水面面映映る〓の譬ひにて有か無かの世にも有哉一程もなく哀うき世の例かな積ると見れば消ゆる淡雪跡もなく漕行く舟の見ゆる哉過ぬる〓とは是に譬へむ朝顔の傳き物といひ置きてそれに先だつ人や何なる111昨日見し人も儚く成にけり夜の間に散か花に紛はで釋〓十首短罪人は法の御舟の微りせば苦しき海を渡らましやは〓賴もしな佛の道に入〓とは憂身なれ共もれずとぞ聞く〓〓し〓親を親とも知ずしてこはいかにして立歸る覽ねん假の屋に暫し宿れと〓へしは心ありける道しるべ哉六蜑小舟法の心をしりぬればむつの渡りも辿られぬ哉→蓮葉に法に反きし人だにも遂に佛に成るとこそ聞け六鷲の山すむ月影を見ぬ〓とはみの浮雲の蔽ふなりけり誰も皆佛の道に入る〓との定まりぬると聞くぞ嬉しき思きや我がもりたてし嬰兒の誠の道の知べせむとは罪もなき草の葉に置露なれば消行とや程なかるべき當初爲練習始所詠之百首也未入其境左道之百首和歌三年まで御法の花を捧げつゝ九品をもねがひつる哉述懷諸共にすむらむ物を年を經て結ぶあかゐの水の心をいいつとなく動かぬ君に仕ても心は四方にあくがれに息〓乳乳も又垂乳めも失果てゝ賴む蔭なき歎をぞする〇七孤の類ひ多かる世なれども只我のみと思ひしられて一春霞かすみこめたる山里のはれぬ心を人しるらめや朝夕に心盡しの歎して我が身のうさを思ひしりぬる三大方は世をも人をも恨じな憂身の程ぞ知らぬ物なる位山まだ見ぬ嶺も願れず榮行べくもなき身と思へばとに斯にせむ方もなき我身哉一方ならぬ歎のみして死なばやと云ぞ儚き後世も賴有るべき我身ならぬに長らへば難波の〓との善惡も思知らすと人や見るべくルト子日する野べの小松の雙葉より曳人もなき身をいかにせむ〓〓後の世も此世も共に沈みつゝ幾返まで廻り來にけむoよよささば心の儘に成なゝむ心のほかに心なければ數ならぬ身のうき雲を吹き拂へ我を思はむ心合の風あくがるゝ心に身をば任す共昔の跡をいかゞ尋ねむ一世中はとても斯ても有ぬべしと云し人の心をぞしる諸共に伴ふ人のあらばこそいひ合せつゝ慰めにせむ何故に思ひそむとはあらずとも衣は墨の色に任せむ兼てより深き山べの獨ゐの寂しかるべき氣色をぞ思ふ身のうさを慰めつべき〓ともがな思も入れで明し暮さむ入相の鐘の響を聞くからに我心さへつきにけるかな世を渡る我身のさまは弱けれど倒れぬ物は心也けり0世中に面もなくて隠れなば恨ばかりやなほ殘るべき一我が心過ぎにし方を忍ぶらし思出れば打泣かれつゝ一夜を重ねやよや〓〓と語へどかひ社無れ山のはの月說說ける法を賴まぬ身也せば斯る心の起らましやは我願ふ心の花し開きなば佛のみにやならむとすらむ物思ふ類は又もあらしほの鹽の八百會神や知るらむかつかへつる神はいかにか思ふべきよその人めは遮莫意ひては絕ずもやあらむ住馴れし峰の松風谷の川音忍ぶべき人もあらしの山寺にはかなく止る我が心哉淺淺春吹く風に誘はれて花と共にや散りうせぬべき四四四二一第卷第玉拾。後の世を深く思ふをよそにては心淺しと人や議らむ。憂身にはしゃまをだにもえ社せね思餘れば獨言たれて。ととすすれば過ぎにし方ぞ忍ばるゝ今行末に思比べて三〇はははは出もなき昔をや思暮してはてむとすらむ。思侘び侘しやとのみ云るゝはこや數ならぬ人の言葉10おしかへし深く思へば我厭ふ花の都もかりの宿りぞ〓恨あれば物思ふ〓との苦しさは後世とても此に優らじto斯計せむ方もなき有樣をさしもやはとやよそに見覽Noふじ川になどや今日迄身を投ぬ有にかひなき世とは知々加人數に入らばやとのみ思つる心に似ぬは我身也けり〓數ならず鳴戶の浦の浦人は波の夜晝物をこそおもへ一大空の思はむ〓とも耻かしな差仰ぎつゝ斯てすぐさば一思ふすぢいと斯ばかり多かれば心は常に打亂れつゝ身にも似ぬ身に成なむと思こそ心にも非ぬ心也けれ數ならぬ身とは思ひし數ふれば物思數の有ける物をかか暮暮し晴れぬ思の隙なさに雨雫ともなかれける哉おな人に心のそこを見せたれば深き思を憐みやせむ歎かずば心もなきに成ぬべし思へば苦しこはいかにせむ〓事事はよそに見だに苦しきを身の上にては如何堪べきた差離れ三笠の山を出しより身を知雨に濡ぬ間ぞなき0年ふれど人數ならぬ身の耻をすゝぎ〓めよ雪の下水一斯しつゝふくる我世に驚て長き夢をも覺してしかな二二後世にそむる心をよそにてはあらぬ色にや思做す覽三二我身にて身の歎をぞ慰むるうき身の程を思知りつゝともすれば變る氣色を見咎めて言とふ人の情だになし正いかにせむ思出よと云置て立離るべき人だにもなし忍ては何にかはせむ行末も賴有るべき我身ならねば七春秋の花や紅葉に事寄て忍ばれぬべき我身ともがな〓荒磯海の浦吹風に非ねどもやむ時もなく物を社思へ石石潟法云にかひなき世中のつらさに堪ぬ身とや成なむ〓〓身身をば何にか今は喩べき長柄の橋も〓とふりにけり一春山に世を鶯のこゑなくば友なきねをや獨なかまし戀しとも誰かは云むと思にも只つく〓〓と音社泣るれさぞといはゞ誠にさぞと跡打てなやそやと云人だにも無さりとては喞つ方なき身にしあれば只過たぬ世をぞ恨る11身身を思ひ有むるかひもなく騒出でぬる我淚哉加明は西に心をかくる哉月日の入るをうち詠めつゝセ此此にて來む世の〓とを歎ずば何を待べき儚さぞこはN法法の池に流れも入らではかなくも心の水の滯るらむ加思ひ立つその道芝の露にそふ泪はいろに顯れやせむ○戀すべき我身ならねば等閑に心の止る妻だにもなし一四數ならで惑出なむ舟路には蜑のみるめや優しかるべき四こええすすすそそ物の哀は知と聞けいざ陸奥の奧へ行なむニー何故に思入ぬる山路ぞと問ふ人あらばいかゞ答へむ憂身にはさらぬ住ひも由なしや只さは借て明し暮さむ1人人にに戯戯ぶれし氣色にも見えけむ物を今の氣色は何となく有りますとと思しを頓て誠の道になりぬる45我報む日吉の影は奧山の柴の戶迄もさゝざらめやは八四あさくらの返す〓〓も祈る哉神の惠を賴む身なればねぇうしとのみ思て社は出ぬとも尙故〓や戀しかるべき■二二諸諸共に哀いつ迄なづさひて斯る浮世に住まむとす覽一何事を待つにか今は斯るべき憂身は藤の末葉なれ共ユニ忘るなと大宮人に賴めおかむたちもぞ歸る花の都へ三山深く身を隱してむ行末に悔しきとやあらむとす覽自ら惜む人もやありぬべきと思ひなすこそ愚也けれいつとなく心に澄る月のみや憂身離れぬ友と成べき〓命あらばん〓〓尙故〓に歸り來て馴にし友の心をも見む42かかそその別と人や思ふらむやがて眞のくさの枕を八五都にて詠めし〓との變らずと月ばかりをや思出づべき九五奧山に搔籠りなむ後はさはすがるまじくや友と成べきとに斯に哀智もなき身乍らも流石に物を思取りぬる〓數ならぬ身にし成なば仕つる神も佛もなをやなるべき一第卷集玉拾
さほ姫は睦月にくだる雨にてや春の色をば染始む覽春駒望月のみまきにあるゝ春駒は秋の半や人にひかれむ歸屬時時ももあれ膓歸る也こし方に花に優れる花や咲らむ呼子鳥〓呼子鳥霞の關に聲すなり過ぎ行く人を立ち止れとや苗代苗苗の種まく賤はかねてより秋の盛や先づ覺ゆらむ菫菜數數らであれ行く宿に獨ゐて心すみれの花を見る哉杜若おしなべて澤邊に茂る杜若何を隔つる名には立らむ藤一松は岸庭は水かと見ゆるかな藤なみかゝる宿の砌は款冬"花每に散る習ひこそ悲しけれ又山吹も惜むかひなし暮春諸人の惜むに止る今日ならば春にてのみや年の暮まし夏十五首更衣櫻色のひとへを尙も懷かしみ夏の衣にやがてする哉卯花卵花の波か雪かとおぼ吸収息さ見えし〓とは櫻のみかは葵我宿のこずゑをはやす萎こそ賀茂の社の惠なりけれ郭公〓斯計り待つかひ有て郭公里なれぬ間の知べにもせよ菖蒲かあやめ草ふくべき隙も見えぬ哉葱茂れる宿の軒端は早苗山川にかき流しつるうたかたを儚きとの例とは見よ六人知れぬ歎の本に積りぬる此言の葉を散さずもがな브k身の上と思做しつゝ誰も皆哀なるべき筆ずさみかな九十九曾任之一首落千日の山ごもりのころおもふことはたゞ諸佛の本懷なれば心もすみておばえしことを書きつけしかば百首になりにけりそのかみのことにて無下に左道之百首和歌堀川院題春二十首立春春たつといふばかりにも霞むなり吉野の山の曙の空子日春來ては子日の松に類ひつゝ憂身も人に引れましかば霞春露印の杉をこめつればそことも見えず三輪の山本鶯〓千年ふる千年の松の枝にゐて百色となく百千鳥かな若菜改まる春にしなれば人毎に年も若菜も摘にぞ有ける殘雪ce越越にはいつも消せぬ雪なれば冬の形見と見人も有じ梅七一〓なくに手折る袂の移香や散行く梅の形見なるべき柳ニ春春に降りかゝれども綠なる柳の眉は亂れざりけり早蕨ニ武武野の草葉にまじる早蕨をげに紫の塵かとぞ見る櫻花に砲で遂に此世を背きなば吉野の山を栖にはせむ春雨一第卷集玉拾堀川院題〓早苗とる安のわたりの片嵐去年の刈田は寂しかり鳬照射さを鹿の聲立て鳴秋ならばいかに照射の哀ならまし五月雨梅雨の日をふる儘に水馴川水馴し瀨々も面變りつゝ廬橋我宿に花橋を植ゑ置かむなからむ跡の忘れがたみに蚊遣火夕されや立出て凉むかひぞなき蚊遣火燻る賤が垣ねは螢夏ふかみ螢とびかふ宵の間は秋の哀になる心ちして氷室かすべらぎの長閑き御代の徵とて夏も氷の消せざる覽泉眞〓水の岩間を潛る音聞けば掬ばぬ先に凉しかり鳬蓬〓我願ふ蓬の上にゐる見ればあだなる露も美まれけり荒和祓昔より命のぶてふ例とてなごしの祓せぬひとぞなき秋二十首立秋〓とことはに秋の心になれる身は風の音にも驚かぬ哉。ひこ星の妻迎舟けふこそは天の川風こぎ出でぬらむ七夕萩3住住の遠里をのにきて見れば眞萩が枝に花咲にけり女郎花00世を捨つる我墨染の袖ふれてをるも優しき女郞花哉〓0人侘宿の宿には荻をうゑおかじ風吹く度に哀そひけり薄x0を薄に吹く秋風は行く人を招きとめよと思しもせじ刈萱おう強ちになに亂るらむ刈萱のわきても風の吹かぬ物故蘭bo年をへて秋の野毎に匂へども着る人もなきふぢ袴哉雁Noこし方を思ひ列ぬる時しもあれ折知顏に雁の鳴らむ鹿。鹿の音を心にしめて聞く人や秋の哀を殊にしるらむ露〓草木まで秋の哀を忍べばや野にも山にも露こぼる覽霧一霧隱れ裾野の鹿の鳴くなべに外面の荻も音計りして駒迎一東路や秋の半にひく駒はみな望月の影にや有るらむ月隈もなく冴行く月を見る程や身の浮雲の晴增るらむ槿傳さを思はむ宿の垣ねにはたゞ槿を植うべかりけり四擣衣秋の夜を寢覺て聞けば菅原や伏見の里に衣うつなり蟲蓬生生蟲蟲ちちわぶる曉は我が夜床まで露けかりけりしいとせめて移ふ色の惜しき哉菊より後の花し無れば菊紅葉ル紅葉する秋しもなれば音に聞靑葉の山も名のみ也息暮秋な幾秋もわかれぬ年はなき物を習はず顏に何惜むらむ冬十五首初冬〓散り殘る秋の紅葉をけふは又我物顏に冬の見るらむ玉拾一第卷
時雨一山里の庭の木葉にふる時雨散ぬる色を尙や染むらむ霜霜汗て衣手寒し尾上にはうつ人もなき鐘やなるらむ霰三しなが鳥猪名の笹原分行けば拂ひもあへず降る霰哉雪庭の雪に我跡附て出でつるを訪はれに見と人や見覽:千鳥ささの浦千鳥しばなく夕さればをり哀なる松の風哉寒蘆た津の國の難波わたりを來て見れば茂し蘆も霜枯に見氷廣澤の池に氷はみちにけり何にかやどる冬の夜の月水鳥水鳥のすだく音こそ聞ゆなれ浮寢の床や氷らざる覽網代た年をへて瀨々の網代に寄るひをを哀とや見る字治の橋姫神樂cm暁星はほどにや古へのあまの岩戶をあけ初めけむ鷹狩ニ狩狩朝たつ野べにいか計りうら悲しくも雉子鳴らむ炭竈一冬くればやく炭がまの煙故よそにもしるし大原の里爐火終夜わが枕なる埋火のしたに燻るをよそにやは見る歲暮四春秋に別しよりも行年の身に止るこそ悲しかりけれ戀十首初戀1君に今日知せ初めつる徵にややがて涙の色に出らむ忍戀嬉しさにあらぬ物ゆゑ忍ぶとて涙を袖に包みつる哉初逢戀隙もなく落つる淚の積りては逢そめ川と成にける哉不逢戀〓身に換て思見とは知らる共偖戀しさはかひや無らむ片戀加强ちに厭ふをしひて戀る哉片思とは是にや有るらむ後朝戀00從ふと見えつる今朝の面影を暮待つ程の慰めにせむ遇不會戀一副て後變る氣色に戀死なば逢に替つる名をや留めむ旅戀草草まどろむ夢に君を見て寢馴ぬとこと思ひける哉思汲てしる人や無らむわたつ海の千尋の底の深き思を恨藻鹽やく磯べの蜑に非ねども恨みて年の積りぬる哉雜二十首曉1すす月月の山のは近くなるまゝに物哀れなる有明の空松〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓れば神さびにけり住吉の松竹40唐人の共に賴みし吳竹を我もまがきに添へて見る哉鶴No蘆たづは晴たる空に遊べども千年の雪は消せざり息山bn憂身迄樂しかるべき萬世と呼ばふ三笠の山の峽かは河ニュ葵葵釵にさせる其日こそ賀茂の川原は優しかりけれ一二六二一第卷集玉拾野一二露結ぶ淺茅が原に風過きて哀はかなき野べの暮かな關〓東路を遙に來つるかひありて都の人にあふ坂のせき橋三世世渡渡橋をもいかゞ造べき心工もなき身と思へば海路漕出でゝ果なき海を見渡せば先だつ舟の雲に消ぬる旅1都をも遠かりぬと思ふより最ど山路ぞ苦しかりける別旅旅つひにそぼちむ折々は別れし袖を思ひおこせよ山家〓物毎にものゝ哀をすゝむるは片山里の住ひなりけり田家ふななここくくが門田の村雀畦傳ひして立ち騒ぐなり夢長き夜の夢のうちにて見る夢は儚き中に儚かりけり懷舊同じくば思出ある我身にて過にし方を忍ばましかば無常一ななやや日も暮ぬと云々て夜はの煙と何か昇らむ釋〓鷲の山五つの雲の晴れてこそ波間の月も顯れにけれ祝さされれに苦のむすまで座せと君をぞ祝ふ今も昔も述懷墨染の袖をぞ絞る垂乳根のとらましかばと思續けて百首和歌春二十四首さい山に懸の衣懸てけり春のきぬとや人の見るらむ山深み月日の數を數へずば春立今日を爭でしらまし山深み都のかたは霞めども氷もとけず鳥も來鳴かず朝霞我より先にたなびきて子日の松も見えぬ野べ哉谷深み岩本小芹摘みに出てそをだに春の徵と思はむ〇七今よりは宿のまがきに竹うゑて鳴く鶯の塒さだめむいつしかと霞みにけりな鶯は谷の古巢を今や出らむ梅梅花のぬ飽ぬも惜しからず佛の爲にをるにしなればヒー野べ毎にもゆる蕨の煙こそ四方の山べの霞なるらめ兼てより見に物うき蕨哉をられじとてや手を握る覽〓春毎に四方の山べに咲く花を宛ら宿に移してしがな〓人人吉吉の山と急ぐかないづくも同じ櫻なれども蒲ならぬ長柄の山の小波は散交ふ花のよそめ也けりルト野野山尋入にし其かみは花見むとしも思はざりしを花の色に心を染めて常磐なる身の歎をば忘れぬる哉or柴の戶に匂ふ櫻を見ても先吉野の山の峰をしぞ思ふ一何事も思ひ捨てたる山里に忘れよしなく匂ふ花かなニーぬぬれば七日も待たで且ぞ散る哀あだなる花の上哉ななて吹く風の氣色も唯ならじ花の梢を渡る折には〓櫻花惜み乍も木の本にちりかもくると持つぞ割なき春春み吉野の里を來て見れば花の八重葺せぬ宿ぞなき淺浅ましや散行花を惜む間に檣も摘ずあかもくまれずかこし方を思ひつらぬる夕暮に山飛越えて歸る雁がねをを田田の苗代水をまかするやながき春日の賤が慰み夏十五首〓今日とても何かは替む常とはに只一重なる墨染の袖20部郭さ夜ふけがたの一聲は夢に聞つる心ちこそすれ〓數ならぬ身の浮雲の類哉晴るゝ間もなき五月雨の空一澤田川槇のつぎ橋うきぬれば人も渡らず五月雨の比五五月雨の日をふる儘に眞菰生る沼の岩垣隱れ行めり世を背く宿には葺かじ菖蒲草心のとまる妻となり鳬住住ぶる山里からす郭公おなじなくねも哀そひけり一第卷集玉拾
か五月雨の降りしむ空も哀也はと吹く秋の風ならね共身のうさを數に社とれ五月雨の軒の菖蒲に傳ふ雫を〓橘の匂はぬ宿にすむ人はなにをつまにて昔戀ふらむ〓露の世のつひの思と見ゆる哉蓬がもとにもゆる螢は0年を經て物かくしせぬ螢かな思の程を色に見せつゝ。下燃の思は044誰も劣らねど色に出づるは螢なりけり。我宿を訪ふべき人もなき物を叩くはよはの水鷄也見30外面なる楢の木蔭に隱ろひてまだき秋めく夕月夜哉秋二十三首。てて秋秋立ちぬれば物思ふ袂にぞまづ露はこぼるゝ〓〓女女稀稀の稀に逢ふ夜の吳竹は絕えぬ契ぞ常磐なりける七七夕のけさの涙はまたるらむ紅葉の橋に色や紛はむ°Cいはれ野に尋來たれば女郞花口なし色ぞ哀なりけるNoはに出て招く尾花や秋の野に人まつ蟲の使なるらむ加oののの荻の上葉に風吹てこぼれにけりな萩の下露。身にしみて秋の心を勸むるは荻に音なふ野べの夕風一女郞花艶く樣もめに立たず花の袂をぬげる身なれば袖にゐる淚の露をたよりにて袂にやどる秋の夜の月ニ糸糸吹きな亂りそ野べの風機をる蟲に任せてを見む心あらむ都の人にかたらばや片山里の秋のあはれを1年をへて影も變らず澄月は浮世の中と知るや知ずや女郎花なまめく野べの思草尾花が本に茂りぬるかな身のうさや月の光に類ふらむ秋の心ぞ空に知らるゝル暫しだに慰む方や無らまし月も憂身を厭はましかばを聞く人の心ぞたへぬすが原や伏見の暮のさを鹿の聲〓よを重ね妻よぶ鹿はいか計小野の草臥露けかるらむ一春夏は何か心をなぐさめて秋しも鹿の聲をたつらむ秋は只嘸や悲しき宜しこそ鹿も聲をば惜まざるらむ今よりは宿をぞ野べに移すべき野を移すには鹿の鳴ぬに〓山山葉は露や染めつらむ時雨は冬の物と社聞け山里の竹のかけひのほそ水に心して散れ峯の紅葉ば行行秋秋惜〓袂の夕露やあすはわりなく袖に殘らむ冬八七何方へ廻り行くらむ初時雨柴の編戶を今ぞ過ぐなる〓紅葉の散果てぬれば槇のやに降時雨社紛れざりけれださほ山の柞の杜の木の本は散を見る社侘しかりけれ20寂しさを何に譬へむ世を捨つる吉野の奧の冬の夕暮一冬の夜は籬の竹に吹く風の度々夢をおどろかすかな三汝のみぞ絕えず音すと思ひつる筧の水も氷しにけり三雪解の雫の音の絕えぬるはよはの嵐に垂氷しぬらむ天天だだる神の御前に庭火たく煙は雲の心ちこそすれ雜十六首焉の音に鐘の音さへ打添ひて明くるは著き東雲の空旅旅す〓ゑゑがあきの磯枕波に立ちそふ我が淚かな一日にそへて數ならぬ身の慰めは過にし方を忍ぶ計ぞN住住て濁れる世をぞ厭ふかと人數ならぬ人に問ばやかかててり思ふも悲し獨ゐてうち眺むべき夕暮の空〇円あしかりし身社變らね皆人は難波の〓とも昔ならぬに一斯しつゝ明ぬ暮ぬと長へてまつとは何味氣なの世や二七咲咲ぬぬ数に沈む行末は何の身にかはならむとす覽三四高さ深深き谷こそ哀なれさならぬ人は音づれもせず庭もせにおつる木實にめがれすな峰の檜原に猿鳴也150し 山山にむべきを何と浮世に留る心ぞ加浮世には何に返らむ大海の片ゆく波の立もいでなば草草ぶぶぞおかぬ岡のべの蟲の音ゆゑに落つる淚に人〓岩ねふみ重なる山を數へつゝ遠かりゆく都をぞ思ふ自ら心をすます時もあらじ寂しきとをなれぬ類ひは21頼べき方こそなけれ風渡る尾 花が末の露計だに戀十四首ユ我我心心感めかねつわぎも子が姨捨山の月ならねども二我戀は人知れぬまの菖蒲草君が心にひくと聞かばや忍ぶとて逢と難き戀なればよその人をも恨べきかは一第卷集玉拾四五待じとはいつか知べき一筋に心の裏は逢むとのみぞ五いかなれば涙の雨はかゝれども燃る思の濕らざる覽かかくしつゝ戀の涙に沈む身は後世とても浮びしもせじ〓おおづづららえが情こそ戀の病の藥なりけれささももし厭厭心のつらければ逢見てきとや云散さまし五苦しさは劣らじ物をあながちに厭ふ心も戀ふる心も今は唯つらき思はさて置つ逢ふ嬉しさを我に〓へよづいかにせむ見ゆる思を遂にさは心の中にけちて巳ぬるさしも斯袖に隙なく置露の言の葉每に懸らぬぞうき妹は山憂身は空の雲なれや思懸かれば打時雨れつゝ打打き逢はぬ夜數の積る哉幾度ばかり夢に見つらむ不爲百首之義自然所詠之拙歌等取集書之滿百首也日吉百首和歌春二十首東より日を數へてや春はこし今朝しも霞む音羽山哉妹せ山霞の袖を引懸ていはでぞ見する春のきぬとはしふじのねの雪げの雲を吹のけて霞にかふる春の初風〓霞しく松浦の沖に灌ぎ出でゝ唐土までの春を見る哉六な心なきひとに見せばや霞しくたかつの宮のはるの曙〓〓くれ竹を宿の籬にうゑつれば鳴く鶯も友となりけり一夕まぐれ雉たつ澤にる。ぐ摘めば春の哀に袖ぞ濡ぬる梅梅花花の花匂ふ垣ねを尋ぬればそなたの風ぞ知べ也ける山田は春こそ人は待たれけれ梅の立枝に宿を任せて影うつす柳の絲をたよりにて波のあやおる立田川哉〓見見し人の煙や吉野山花にまがへるくもとなるらむ〓野野もも住住人人尋尋ぬればねたくも花の主顏なる吉野山浮世を厭ふ神かとは花見ぬ人やいひ初めけむ〓味氣なや花に心のあらばこそ惜む思の程も知られめ花の色をこむとも何か恨みまし風を隔つる霞也せばの歸る雁雲ゐはるかになりぬれど霞に殘る鶴のもろ聲一定なく行返るにぞ知られぬる孰くも同じ假の宿とは〓〓〓〓〓〓と〓れ行けば心とゞまるつぼ菫哉山山の移ろふ水にみがくれてゐでの蛙の聲恨むなり君に逢て厭ひし鳥の聲す也春に別るゝよはの寢覺に夏十首〓色色に衣をたゝばぬぎかへし山郭公鳴きてとがめよ武隈のまつかひもなく郭公二聲とだに鳴かで過ぐ覽郭公來鳴かぬをりは橘の梢にこゑはあるこゝちして〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓るとも庵もる秋は心すむべしか五月雨はさのゝ入江に水こえて出ぬ尾花や瀧の浮草20五五雨雨の晴れぬみ空を眺めつる袂にふるは淚也けり「見る月の草も搖がぬ日盛りに暑さぞしげる蟬の諸聲山陰や岩もる〓水音さえて夏の外なる日ぐらしの聲夕されば外面にたてる楢の木のうれ吹風も空や凉き夏祓更け行く空を眺むれば頓て身にしむさほの川風秋二十首れいかにとよ殘多かる哀かな今朝吹き過ぎぬ秋の初風織女はかへす衣の袖朽ちて今宵は何をひき襲ぬらむ〓小萩原上には露の玉ちりて下には蟲の聲みだるなり秋の野の花には主もなき物を誰が圍ひける霧の色ぞ夕まぐれ難波わたりを行雁や蘆手の上にかける玉章〇高砂の尾上を戀ふる鹿の音は松吹く風の匂なりけり。都出て又歸らじの栖には鹿鳴く野べを占べかりけり。逢坂は月の關とぞなりにける東の駒も今宵こそ引けニ月月のくもる夜もなく見ゆる哉千里の氷幾へ重ねつ照る月の光とともに流れきて音さへすめる山川の水10月影の隈なき秋の程計り夜舟こぐらむ蜑とならばや〓山の端は天の川瀨の島なれや月のみ舟の漕隠れぬるto住吉の松吹く風も神さびて夜渡る月の影たけにけり00月影の入りぬる跡を思ふかなまよはむ闇の行末の空加月を見てすめる心の行末は同じ西にぞ廻り逢ふべき
。衣うつ砧の音の身にしみて哀も夜はも深くなるかな野べの蟲尾上の鹿よりト汝汝は又秋の哀を何ゆゑか知る立田山深くなりぬる秋の色は峰の紅葉に顯れにけり一世の中を思も入ら躍め人にさへ心をつくる秋の山里行く秋の今はかぎりの夕暮にいと心なき秋の風かな冬十首寂しさを梢ばかりに殘し置て庭の木の葉を拂ふ谷風〓時雨をも木葉とのみや思はまし槇の板やの疎ならずば村村雨槇の板やに訪づるゝ絕間をつぐは木の葉也鳬ル侘人の宿を時雨は過ぎぬれど尙ふり止まぬ袖の上哉神神無月時雨は過ぬ竹の葉にはげしき音や霰なるらむ〓宿もなし今朝侘しらに越來つる荒地の山の雪の夕暮一降る雪に浦の松かぜ埋れて磯うつ波の音のみぞするニ木枯の蓬が柚に月さえてよわりし蟲の聲ぞさびしきニ沖つ波をり哀なる千鳥哉うら悲しさを思ひ知れとや獨ゐてうち眺むれば年月の暮れ行く空に鐘聞ゆなり戀十首紅に千しほそめつる色よりも深きは戀の淚なりけり我戀は龜の上なる山なれや名をば聞け共見〓ともなしヒ人知れず逢見ぬ先の俤をあらぬ樣にや思ひつくらむ〓思寐の夢は儚き物なれどセンタ見見つる名殘は嬉しかり鳬知思出る戀路にすゝむ俤はかへさを知らぬ知べ也けりcm脫置むむ我が後世の人も見よ泪に曇る袖のけしきを一人はうし慰めつべき方もなしこはいかにして長へよとぞ三是をだに君が情と思ひなむあらまし〓とも誰か緣りぞ三人つなぐ浮世の中の綱や何戀にまとはる心なりけりかねて思へ限知られぬ恨哉幾後の世か報い果つべき三述懷五首1世の中に草の庵は多かれど露のうき身ぞおき所なき朝朝に野山にかゝる心哉つひの住かや我身なるらむ山田み寂しき宿の主とは成おほせたる身にしも有哉9年年れれ春春のよそなる身にしあれば心は何も秋の夕暮加世を厭ふ心の深くなるまゝに過る月日を打數へつゝ無常五首cc火の車けふは我門やり過て哀いづちに廻り行くらむ一四朝附日さすや岡べの草の葉に縋れる露をよそにやはみる二四閣路には誰かはそはむ死出の山只獨社越むとすらめ醫三況て思へ譬ば西に生るとも死なむ別は悲しかるべき四いへば憂し死ぬる別の遁れぬを思も入れぬ世の習こそ四雜二十首立立初し八雲の色やいかならむ心にしめぬ人のなき哉如かくばかり浮世に猛き武士の慰む程の言の葉もなし四君君代代は澤邊のたづのゐる跡の千尋の底管理成成成成成にる迄NH聞渡る長柄の橋の古をほの見しまへと思はましかばAP秋風に我が故〓を來て見れば暫し止れと鶉鳴くなり2月月のさすかと見れば柴の戶に明くと告也鴨の羽掻一族の世に又旅ねして草枕夢のうちにも夢を見るかなニー東路や山踏み越ゆる旅寢には夢は都を隔てざりけり三夕おきに都遙に眺むれば心のはてもなきしほぢかな夕まぐれ唯獨ゐて眺むればあはれ過ぎたる庭の松風ささぬぬだに心細きをさゝがにの軒に糸引く夕暮の空ねわか心がつきはてぬとや庵さす姨捨山のいりあひの空〓吉野山思入る共かひも有じ浮世の外の住かならねばNE跡絶る岩の懸路の奥の庵や世の憂目見ぬ住ひなる覽〓秋とのみ眺めし夜はの月影は心の空にすみけろ物を〓蓮の上の露を長閑に眺ればかけこし玉も顯れぬべし〓皆人の心のたねの生立ちて佛のみをば結ぶなりけり故〓の鶴の林に入る月のわくる光はかめゐにぞすむ神がきや願をみつの濱風に心すゞしきしでの音かな六泡沫のはかなく結ぶ山川を神の心にまかせつるかな六御裳濯百首二見春二十首一第卷集玉拾今日も尙霞る空に雪散りて花の春をも知らせ顏なる吉野山入にし道も遙けかれ岩ねの松になほ子日せむ東にはたえぬ煙を便りにてむろのや島や先霞むらむ鶯はつげて出らむみ山べを春のよそにも思ひける哉かか〓〓〓若若つつめとや片岡の朝の原の雪の村消え〓〓色見れば分れぬ物を春の夜の闇こそ梅の匂なりけれ〓立田川波もてあそぶ靑柳のうち亂れ髪をけづる春風一更級や姨捨山の夜はよりは吉野の奧の春のあけぼのヨみみ野野の吉野の山の山よりも春ぞ心に色は見えける吉野山あだに眺むる花よりも儚く散るは涙なりけり花花かぬ山はよそにも著き哉いつかは懸る峰の白雲紫の戶に匂はむ花は遮莫眺めてけりな恨めしのみや吉野山尙しも奧に花咲かば又あくがるゝ身とや成なむルよよ野山春の梢をながむれば風にぞ消ゆる花の白雪〓ん春もまた霞をわくる聲すなり越路の秋は歸る雁がね0玉章のうらひき返す程なれや霞とびわけ歸る雁がねぬしからに春も寂しき山里と思ひも知らぬ呼子鳥哉藤の花匂ふ盛は田子の浦による白波の色もなつかしシ山吹の散るを待間の程計をらでを見せよゐでの川波日にそへて霞晴行ふじのねは煙ぞ春の名殘なるべき夏十首春夏をへだつる宿のうつぎ垣咲かぬ方には鶯ぞなく九宮ゐせし昔にかゝる心かなそのかみ山の葵ならねどい人待つと更に睡む槇の戶をしらで叩くや水鷄なる覽〓郭公いかで聞まし忍音をさらしの岡に尋ねざりせば梅梅に軒の菖蒲も萎るめり浮寢をかくる袂のみかは2部都なく一聲に明くる夜を物思ふ身はなほ殘しつゝ「夏蟲の思のみかは暮行けばゐでの蛙も聲たてつなり一宿さびて夏も人めは枯にけりなに茂るらむ庭の村草嵐の音も秋に先つ心ちして鹿なきぬべき野べの夕風山深み岸の小萩も咲にけり今口や名越の祓するらむ秋二十首夕ままれ秋と覺ゆる風の音に思も敢ず露ぞこぼるゝ山里に鹿鳴く秋の初つゆは袂よりこそおき初めけれ一月を見る心のやがて嬉しきは闇路の末を思ふ也けり〓唐國の空も一つに見ゆる迄あやしの沖にすめる月影かさえ渡る月の光にふる雪は晴行くまゝに積る也けり○恨めしやか計誘ふ月を見ていかに心の變らざるらむ。月かげに衣しでうつ音さえて鹿鳴きかはす秋の山里co衣うつ音に知れとや秋の夜の深きあはれも深草の里00片岡のかやが茂みに鳴く蟲の聲に亂るゝ我が心かなpoはかなさを思ひもしらで長らふる人の心や朝顏の花〓〓〓津津野の尾花が末にほの見えて霧立渡る勢田の長橋る藻鹽やく煙も霧もうづもれぬ須磨の關やの秋の夕暮。東雲や關の岩かど霧とぢて鳥の聲にも尙明けぬかな〓0秋の野のすゞの篠屋の夕暮も尙身におはぬ住ひ也鳬加白菊の花はいかなる宿なれば移ふ色のまづ待るらむ0日にそへて色變行く秋山の行方思ふも味氣なの世や一紅葉散る賤機山のさを鹿は錦をきてや妻を戀ふらむ一小萩原露涸々になりにけり戀しかるべき庭の面かなタまぐれ弱り果てぬる蟲の音に急ぎ時雨る我が涙哉有十九首在之一首落也冬十首宿店しかひも有哉初時雨庭の木の葉に訪づれて行く立田山梢にすぎて見ゆるかな麓の里の庭のあはれさしなが鳥ゐなの旅寢のさゝ枕哀に辿る夢路なりけり山里の木葉踏分けとふ人もなかりし庭に雪は積りぬル勝間田の池に浮寢の床絕てよそにぞ過ぐる鴨の村鳥鹿の音に哀をいかで殘しけむ聞明しけるさよ千鳥哉〇み山べの心細さの眺せりやく炭竈のけぶりばかりを一寢覺するよはの埋火かきのけて問ふ灰占も憂身也鳬一朝倉の聲ばかりをば返せども昔は遠きしめのうち哉-第卷集玉拾
一終夜みよの佛の名を聞けば現も覺むる心ちこそすれ戀十首奥山の谷の埋木苔むしてしる人もなき戀にくちぬる一我戀は難波堀江の蘆のねの水隱れてのみ年をふる哉絶えぬ哉逢はぬ歎をこりつみて思にくゆる宿の煙は獨獨の夢路の空の袖の雨は覺めてぞ最ど降增りける〓淚川我もしづみぬ猿澤の池の玉もをよそにおもはじ自ら睡む夢に妹を見て寢ても覺めても物をこそ思へ〓戀路には浮世を出る門出とも思もわかで入にし物を一世を厭ふ心を頓て誘ひ來て戀を嬉しき物と知りぬる〓我妹子に限りしもせじ大方の戀とは人の情なりけり一夕まぐれ露をば袖の物にして我立つ草に秋風ぞ吹く述懷五首みこそあらめ我心なる心さへ人數ならで長へにける1思思るるのの末を尋ぬとて暫し浮世にめぐるばかりぞだせめて尙浮世に止る身とならば心の內に宿は定めむ七大空の眺をだにもせざりけり身を知雨の雲に紛ひて古へにかへす心のたどるかな弘めし法の道と思へば無常五首加鳥邊山よはの煙の立つ度に人の思やいとゞ添ふらむcm永き世の夢の別と思へども又此世にはあはむ物かは一皆人の知べもなくて行道に尙惑ぬる身をいかにせむ惑ぬる昨日もけふも見し人の夢に成行く永きよの空一ななさにいかで堪へまし是ぞ此世の理と思爲さばや雜二十首人は皆哀も知らで止みなまし秋の夕暮春のあけぼの〓〓覺覺して物思ふ宿の有明に月影わくる鴫のはねがきカ浮浮して都へ歸る浦風になさけをかくる波の音かなth待て暫しわりなく通ふ心かな見ぬ唐土の山の奧まで人〓身身そそ隠しかねぬる理学院に奧なる谷も浮世也見加草の庵を厭ひても又如何せむ露の命のかゝる限りはcoll ひひむむ木々の梢のうきぞとは打見度に涙おちしてユ入る月よ隱れな果てそ世の中をいとふ心は有明の空三朝夕に梢にすだく村鳥の手飼ひになるゝみ山邊の里廃さす片山岸のみゝづくもいかゞ聞きなす峰の松風山深みなか〓〓友となりにけりさ夜ふけ方の梟の聲五柴ぐりの色づく秋の山風に梢をちらぬ木の葉猿かなねいかにせむ友社なけれ山の犬聲怖しきよはの寐覺に〓松松が枝に枕定むるかもじゝのよそ目あだなる我庵哉〓〓谷川の音に月すむみ山べはそれさへさゆる語鼠の聲五人人むむ熊棲む山の谷に來て其に馴ぬる身ぞ哀なる〓此世うし虎伏野べはまだ知らずいざや疎らの谷の栖へ一後の世も樂しかるべき鳥なれや三の寶を聲に任せてニ津の國の蘆毛の駒に法の跡は我思入る道にぞ有けるシール身身ばば神にぞ祈る神風や伊勢の濱荻波にくたすな此一首御奧書歟二十首之外也人並に我言の葉を散らさばやいすゞ川原の秋の夕暮依圓位聖人勸進文治四年秋詠之爲大神宮法樂也云々只結緣也厭離百首四季五十首文治三年十一月時日三時之用訴之和同行建體春六ななききの夢見はてゝむ大ぞらや心にねがふ春の曙つつににほほひ入るべき山のはを哀れ隔つる夕霞哉世中も厭ふ我が身もおしなべて皆鶯の音こそ聞ゆれル梅の花手折りて瓶にさす春はありか優しき墨染の袖九六住侘びてあらぬ筋には亂るとも春は忘れじ靑柳の糸〇木木本本本住住に儚くも散行く花に心つきけり色色そそむ心そむれば山櫻咲も待たれず散るも惜まずはかなしややがて散りぬる花故に思は殘る春の山里二人かたの月もあはれと照すらむ風に音なき花の匂を七春の花櫻が枝に宿かりていかに程なくねに歸るらむ七一第卷集玉拾唯思へ風待程の露の身は何かは花をよそに見るらむ我も又もとの都へ歸らばや越路の方へ雁も行くなりセ世の中を厭ふ思も早蕨ももゆる煙は目に見えばこそNo春春田田打任ても世に住まば又罪をさへ作べきかは野べやけば冬の命をのがれ來て今は限と雉子鳴く也夏〓花の色ぞよそになりぬる夏衣ひとへに今は墨染の袖一世を厭ふ軒ばに薰る菖蒲草今年計りや妻は見るべき世中にあな卯花と見ゆる哉いつ迄とてか垣根占らむいつ迄か斯も思はむ郭公鳴ぬをまつと鳴くを嬉しとほほゝゝすす〓橘の枝にゐて昔の人のうへかたるらむ〓儚しや今日は早苗と急つゝ秋待附けむ身とや成なむハム時わかぬ心の空の五月雨も草の庵にはれざらめやはハ賤の男も照射に向ふ鹿を見て物の哀や思ひ知るらむ〓身を棄る火取蟲こそ哀なれなど後の世を斯は思はぬな澤水にすだく螢の光だに尙あるまじき闇路なりけり秋0世の中の憂きをも知らで長らふる人驚かす秋の初風心なき人に心をつけとてや秋と云比の世には有らむ二々織女も幾世の秋のほどまでか花の姿も凋まざるらむいつまでかなまめきたてる女郞花花も一時露も一時打盹眺め眺むる空の夕暮に此世ばかりと鳥ぞ鳴くなるされ鹿を鹿の何心なく鳴く聲をなど妻よぶと聞爲さる覽ははななにねねて物のはかなきや風の前なる槿の露新月のわれて入とは見ゆれ共山のあなたは思滿なむ〓ををね西へのみ行く月なればそも睦じく眺られ島世を厭ふ心の空の廣ければ入る〓ともなき月も澄なむ○日にそへて世にも嵐の身にしめば苔の衣ぞ尙願るゝいとゞしく秋の心の催すは嵐にたぐふ紅葉なりけり蟲い音も植し小萩もはかなくて皆枯々に成にける哉心心らむ人も聞けとや松蟲の秋くれ方の夕されの聲〓說く御法菊の白露よも置て夙めて消むとをしぞ思ふ。冬エロ深山より山廻りする時雨には哀袂のぬれむとすらむ。思ひやる其山寺の寂しさよなれなむ後の心いかにと一首落も霰ふる賤がかや屋の板びさし現の夢を殘さましかば〓自雪のふる程もなき身なれども儚き罪は尙積りけり世世ふとてすはのと渡る旅人は心さへこそ滯りぬれ〓水鳥の寄方もなき身にしあれば浮れて物を思也けり一水の泡に思よせつるひをは皆瀨々の網代に消にける哉一行年は痛くぞ惜しき深山木の老行く末も賴なければ徒らに暮れぬと惜む年月は唯ことわりを思ふ也けり雜五十首山深み我か入るべき道なれど先だつ人は美まれけりなほ深く心はかけむ吉野山浮世出たる身とは思はじ一柴の庵を思やるより身にぞしむ鹿なく峰の秋の松風←あさりする蜑ならなくに我袖の打鹽垂て孰ち行らむ-思思つ道に暫しも休らはじさも非ぬ方に迷もぞするかみこしとて浮世は捨てじ大方の理にてを思ひ入なむ諸諸に忍ばれましき憂身とは背かぬ先に思知られぬ梓弓なれし圓居をよそに見てあらぬ山路に思入る哉墨染の袖に包める嬉しさは後世にこそ身には餘らめ一世を背く人に問ばや誰も皆誠になれば悲しかりきや思ふ人絆とならぬ身の爲は苦しくもなき山路也けりこはいかに又こはいかにとに斯に唯悲しきは心也見朝夕に頭の火をもはらふ哉浮世の〓とを思ひけつとてヒ知らずとよ水の眞菰を假世に濡す袂は劣りしもせじ〓深き江に番はぬ爲と成ぬれば行へも知ず蘆のねぞ鳴加本本に賴む陰とは我を見よ信太の杜の千枝ならず共〓いはけなき其かみ山に別にし我垂乳女の道を知ばや〓たらちめを戀ふる袂の夕露は別れし人の名殘也けり一第卷集玉拾
ニ法法道道道道道の道知べはすとも老の身の杖とならずば惜む也鳬半山深く入行く人の別をば嬉しと見るぞ惜むなりける世世を背く心の友となる身社我物からに嬉しかりけれ一尋入る誠の道を知らぬ間は雲ゐの鶴にのる由もがな煙雲雀あがる春の山田に拾ひおく罪の報を思ふ悲しさ一悲しとよ心の闇にくらされて出でし都の月を詠めぬ世々をへてもとの都を尋ぬとも三の界に迷ひぬる哉たいつか我苦しき海に沈行く人皆すくふ網をおろさむco睡睡みて又驚くは夢路よりやがて夢ぢに傳ふなりけり習四聞くとても驚く人もなき物を明暮鐘を何とうつらむ蓬生にいつかおくべき露の身は今日の夕暮あすの曙三十の露本の雫をよそに見て浦傳する海士ぞはかなき阿彌陀佛と十度唱へて睡まむ頓て誠の夢ともぞなるエ出出息息息入の待を待たぬは我なれや歸らぬ道に思ひ入ぬる如人さそふ峰の嵐の耳なれて驚かれぬは夢路なりけり七十日きより暗く成なば如何せむやよ待て暫し山端の月闇路には過る月日を徒に眺めし社は悔しかるべき加夢の世は罪を罪とも知らね共報い事件む折や思合せむ0世世共にあるかひもなき身にしあれば世を捨に一一〓置置々ひて黃なる肌とならば社あらめ位位さかゆく峰にのぼるとて誠の道をよそに見る哉二春の日の長き命と見し人も峰の櫻にたぐひぬるかな〓紅葉ばの散るは理り色かへぬ松の下葉も浮世也けり11世世渡る心の蘆は難くとも隙行く駒の味氣なの世や短渡川我れ沈むともいかにして人を助くる舟裝ひせむ一鳥鳥野に送りて歸る人も皆死出の山路のつひの友哉〓山櫻我が手にたをる家苞も古里人ははかなくや見む〓先ちて落つる涙やつひに行く空しき野邊の道芝の露よび鴉とくゝとやせむ兼てより我身の枝も怖しき哉心有て折につけては世を厭ふ人だにもなき此世さぞみる阿彌陀佛やあらまし〓とは深江に其言の葉は沈ぬる哉ニ津津の國の蘆の八重葺隙もなく唱て過よ南無阿彌陀佛同前一首御奧書歟五十首之外也思ひあへず心ぞ惑ふ終になほ別の道の別れなれども僧晴眞擬草庵同行者也偷有思事先蟄居大原別所其刻諷吟百首之詠予不堪感情則時和件詠耳二第卷集玉拾拾玉集卷第二楚忽第一膽百首讀八不知春之部立春朝まだき春の霞は今日立ちぬ暮れにし年や岡の古里子日子日しにいざ諸人よ春日野へ待こし物を春のけふをば霞八八霞霞春をばよそに見すれ共哀を籠むる三吉野の山鶯鶯の出でぬる聲を聞き初めて舊巢にぞ見る春の面影若菜遮莫春の野ざはの若菜ゆゑ心を人につまれぬるかな殘雪c消消殘る垣ねの雪の隙毎に春をしみする日影草かな梅一咲きぬれば大宮人も打むれぬ梅こそ春の匂なりけれ柳霞しく春の川風うちはへてのどかになびく靑柳の糸早蕨草蕨の折にしなれば賤の女が春手にかくる野べの夕暮櫻讀八不知散りまがふ花に心の結ぼれて思亂るゝ志賀の山ごえ七春雨春かさは雨うちそゝぐ山里に物思ふ人のゐたる夕暮春駒水くもりに角ぐむ蘆をはむ駒の影逆さまになれる此世か歸雁七雁がねよ名殘をいかで忍ばまし花無き山の別也せば晩子鳥〓眺めする心を知るか喚子鳥おのが栖の山はいづくぞ苗代簑なり山田のしづは苗代の水にのみこそ心ひくらめ菫菜菫だに匂はざりせば故〓の庭の淺茅の枯葉ばかりを杜若一紫の色にぞにほふ杜若ゆかりの池もなつかしきかな藤〓紫の雲にぞまがふ藤の花つひの迎へを松にかゝりて款冬ニ春深み井手の河風長閑にてちらでぞなびく山吹の花三月盡くれなゐに霞の袖のなりてけり春の別の暮がたの空夏更衣飽なくに春は過ぬる衣手に厭ひし風の立ぞわりなき卯花三輪の山身を卯花の垣占て世をすさみくる徵ともせず葵七年を經て賀茂の御誕に葵草かけでぞ思ふ御代の契を時鳥郭公聞きつとや思ふ五月雨の雲の外なるよはの一聲菖蒲萬蒲草軒の雫は隙なきをいかなる沼に根を殘すらむ早苗堰堰も敢ず谷の小川も流めり山田の早苗採るに任せて照射一照射する賤が行への哀さも思ひしちする五月闇かな五月雨一梅雨はいかにせよとて山里の軒ばぞ雲の絕間也ける盧橋一橋の花散る里のすまひかな我もさこそは昔語るよめ蚊遣火九涼しきか凉しからぬか蚊遣火の煙吹卷く野べの夕風螢れよそにかく見るも儚し夏蟲の思ひ計の身に餘るかは氷室望の長閑き御代の氷室山あたりまでこそ涼しかりけれ泉吉野山もとの住ひも涼しきに重ねてぞせく山川の水蓮池水にめでたく咲ける蓮かなことも愚に心かくらむ荒和祓かみそぎする立田川原の河風にまだき秋立つ夕暮の空秋立秋〓今日よりは如何はすべき世中に秋の哀の無らましかば七夕。織女の待ちこし程の哀をば今宵一夜に盡しはつらむ萩二0賤の男が麻の衣の花摺は萩のなをれの物にぞ有ける女郞花50をみなへし花の匂に秋立ちて情おほかる野べの夕暮〓ニ第卷集玉拾
〓思寢に結ぶ夢路の〓の音はさめても同じ哀なりけり薄10わきてしもなになびくらむ花薄風の哀は己のみかは刈萱わ。主あれど野となりにける籬哉尾花が下に鶉鳴くなり蘭か秋の野に誰が爲とてか染置きし主ほしげなる蘭かな雁〓ををこそ振捨しかど雁がねの月をば愛づる心有けり鹿bo鹿の音をおくる嵐にしぐれけり山の奥なる秋の哀は露。侘人の秋の夕の眺より野原の露をおくにぞ有りける霧一思へ唯とほつ縫の里の哀まで一つにこむる霧の夕を槿一朝顏の日影待つ間のはかなさも浮世の花と同じ匂を駒迎いかにして駒にちぎりを結びけむ秋の半の望月の空月秋の月遍き影をながめてぞ千島のえぞも哀知るらむ擣衣ここににれれが衣の槌の音に秋の哀の籠るべしやは蟲なれにしも劣らぬものを我が宿を蓬が柚の蟲の主よ菊浮世哉齡のべても何かせむ汲まずば汲まず菊の下水紅葉ル原原色づき初むる梢よりかねてぞ思ふ秋のなごりを九月盡今宵唯露におくちね我袖よ時雨にとても乾べきかは冬初冬〓寂しさよ秋は過ぎぬといひがほに皆山里は冬の夕幕時雨一眺れば袖こそかねて時雨めれ云計りなき空の氣色に霜草枕むすぶ袂に霜さえて尾上のかねの音ぞ身にしむ霰秋風を人に知らせて荻の葉の枯れにし上に霰ふる也雪=降閉ぢて庭に跡社絕えにけれ雪にぞ見ゆる人の情は四寒蘆心あてに眺め行くかな難波潟雪の花咲く蘆の枯葉を千鳥だなにはがた夕波千鳥心せよあはれは松の蔭に籠りぬ氷結びおく氷も水も一つぞと思解けどもなほ憂身かな水鳥〓覺覺する心の底のわりなきに答へても鳴く鴦の聲哉網代網代もる賤の心もさえぬらむ宇治の川風波に宿りて二神樂2神神やしで吹く風に誘はれて雲ゐになびく朝倉の聲鷹狩「思ひあへず袖にぬれぬる狩衣交野のみのゝ慕方の空炭竈一一をの山も大はら山も炭がまの煙はおなじ哀なりけり爐火一人知るや夜はの埋火下燃て空しく幕るゝ年の行へを歲暮諸諸の身に止りぬる年月の別れぬさへぞ尙惜まるゝ二第巻集玉拾戀初戀形茂合はむ筋をも知らず戀種の宿の籬に芽ぐみ初ぬる忍戀残我が戀は忍の岡に秋暮れて穂に出でやらぬ篠のを薄初逢戀三盡しこし心に兼て知られにき逢見る迄の契ありとは不會戀〓木のよそにのみやはと思つゝ〓き伏屋に身を任す覽後朝戀歸るさをあらましとにせしよりも尙類なき橫雲の空逢不遇戀四偖もいかに逢見ぬ先を厭しはよそ耻しきかたは也鬼旅戀一時しもあれすみだがはらの郭公昔の人の心知れとや思■我が思煙をみする世也せば虛しき空にみち社はせめ=片思是是これ心づからに思ふかなおもはぬ人を思ふ思よ恨夕まぐれ玉まく葛に風たちて恨みにかゝる露の命か雜曉寂しとよやこゑの鳥の聲さえて月も傾ぶく有明の空西松ナ四住吉の神さびわたる松風も聞く人からの哀なりけり竹雪〓らで冴たる夜はの風の音は籬の竹の物にぞ有ける鶴蘆蘆づづ汐ににるる聲聲に繫がれにける海士小舟哉苔加えのきる苔の衣の寂しきも春の色をば忘れざりけり円山07世の中を心高くもいとふかなふじの煙を身の思にて河ユながむれば廣き心も有りぬべしみもすそ川の春の曙野深深きかな玉ちる秋の暮よりも春の燒野の跡の哀れは關一族寢する不破の關やの板廂肚雨する夜の哀知れとや橋かかししやや昔のまゝのつぎ橋を忘れず渡る春霞かな海路一藻鹽草しきつの浦に船とめて暫しよ聞かむ磯の松風旅〓懸懸る都の空を眺めつゝ今日ぞ越えぬるさやの中山別獨さへ涙すゝむるたよりかな別れしほどの袖の面影山家〓岡のべの里のあるじを尋ぬれば人は答へず山颪の風田家ねぇ賤の男はなどや語ぬ小山田の庵もる夜はに止る哀を懷舊世の中を今はの心つくからに過にし方ぞいとヾ戀しき夢〓思ひとけ夢のうちなる現こそ現の中の夢には有けれ無常〓人人知知〓顏に顏てらぬ哉必ず死ぬる別ありとも述懷こはいかに返々もふしぎ也暫もふべき此世とやなる祝六君を祝ふ心の底を尋ぬれば貧しき民をなづる也けり二第卷集玉拾
都遠からぬ山寺に幼きちごありけり學問などもしつべしとておやの師につけたりけるなり倶舍などもいとようよみけり晝つかた若き僧達聚りて遊びけるに今の世の歌よみたちの百首とて 税込み合ひけるをことの外にのどまりて聞きければ僧達歌よみてむやといさむるを聞きて題書きたる物や侍るといひけるけしきとざま蓆たく覺えて堀川院の百首を取り出でゝ取らせたりけるをとりて我がゐたる方にたて籠りにけり次の日もさしいでざりければいかになど云ひける程に第三日午の時ばかり此の百首を幼きやうなる手にて書きつけて堂の廣廂のかたに要文うちふぐしてたて〓りけり僧ども集りてよみ罵りければ房主も聞きて皆なきにけりさてしもあらじこれがやうに人々に詠ませて末の世の物語にもせばや大人だにかやうの百首はいと有り難きとなりなど云ひけるを聞きて詠まむなど申す人々數多出で來にけりとなむ十二月十一日の申の時ばかり十三日の午の時ばかりまでにそれもひきつゞけ苦もなくひま~〓にぞ詠み果てたりける古く人のよみたりけるかなど申し合ひければ住吉大明神の憎まれかぶらむとぞ誓言立てける世の末なれどかゝる〓ともある物かな〓〓さて此の百首の名をば早卒露膽の百首と名づけてぞ披露し侍りける詠百首和歌(春脫飯)元日立春1年年內內は霞む山べも見にざりき春立今日ぞ春は來に皇對る兼待子日君がへむ千代の例と思ひより松は久しき子日也けり霞隔行舟八重櫻露沖こぐ舟を隔てゝや波路の宿の通慣るらむ雪中聞鶯鶯の聲は隱れず梅が枝に天ぎる雪はなべてふれども獨摘若菜著菜摘野澤に宿る影をのみまだ數ならぬ友と見る哉梅有遲速-〓〓梅の花越路の枝にちる雪は咲き遲れたる匂なりけり七門前垂柳「我が〓とを尋ても見よ春のくるしるしの杉は靑柳の糸早蕨未遍一むむらにかゝる霞を煙にてところ〓〓にもゆる早蕨櫻花盛開芳野山峰の白雪深きかな花の盛りに成りぞしぬらむ遙見春駒難波江の汀をあさる駒ながら蘆手にみなす蜑の釣舟七曉天歸雁七こしの山雪げの雲も晴れのきて綠を分くる雁の諸聲晩學子鳥七夕まぐれ宿とふ人もなき物を心にくゝも喚子鳥かな蛙鳴苗代一春春田田の苗代水をまかすればすだく蛙の聲ぞ流るゝ故〓桃花〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓みや昔の春を忘れざるらむ杜若浮水杜杜若影も隱れず見ゆる哉水をばえこそ隔てざりけれ七杜間菫菜oななかかくく匂ふ菫の色はえて薄みどりなる森の下草款冬傍岸「來ても見よゐでの河岸水たえて波に後れぬ山吹の花樵路〓躅山人の爪木に咲ける岩躑躅心ありてや手折ぐしつる藤花初綻〓咲きそめて松にかゝれる藤波は殘多かる匂なりけり惜春似友情ありて東の方へ別れにし人にたがはぬ春の暮かな夏貴賤更衣ml賤のをが麻の衣の袖までも夏來にけりと思ひ顔なる八卯花繞家卯花の垣ねをこめて咲ぬれば夏に入ぬる宿と社見れ水鷄何方さよふけて宿も定めず叩く也人には非じ水鷄鳴く也郭公數聲みにかへて待ちける宿と知顏に聲も惜まぬ郭公かな沼邊高蒲か年をへて引人絶ず見ゆる哉ありすの沼に生る菖蒲は雨中早苗0小山田に流るゝ水を堰止て今日の早苗は雨に任せむ廬橋遍砌一軒近き花たちばなの夕風に〓吹く秋の暮はものかは久愛 麥麥ニ撫子のめがれぬ色におく露を朝な夕なに打拂ひつゝ螢火透簾軒近くまがふ螢のすき影にげに玉垂のみ簾かけて見深更鵜川m大大川更行く夜はの鵜飼舟是も世渡る道にぞ有ける夜々照射一夜を重ね絕せず見ゆる照射哉鹿すむ山の此面彼面に馬上聞蟬何となく駒に任せて行道を事あり顏に蟬ぞ鳴くなる近見池蓮心心すむ池のみぎはの蓮こそ濁にしまぬ色も見えけれ泉爲夏栖山陰の岩井の水に宿しめて夏をよそにも過しつる哉家々夏祓孰くにか荒ぶる神は宿るらむ今日祓せぬ宿し無れば秋風音秋便%〓の葉に〓つる風は何なれや秋の袂に秋ぞ來にける庚申七夕。今年社待えてかひも無るらめ今日は寢ぬ夜の星合の空萩散潺湲- 30野べうつす宿の籬に風吹けば下行く水に萩が花ずり女郎花飄交墻90女郎花本は垣ねに隔つれど末は一つに尙なりにけり刈黃亂籬coかるかやの茂る籬に風過ぎて心みだるゝ秋の夕ぐれ蘭香薰枕。〓草草の枕に匂ふなり誰れぬぎおけるありかなるらむ荻聲驚眠わ。夜もすがら物思ふ宿の獨ねに夢だに見せぬ〓の音哉薄妨往友。花薄招けば野べに留る·そ人さへ風に靡くなりけれ寢覺聞鹿〓山里の哀いかにと人とはヾ寢覺の鹿の聲をかたらむ雲間初雁たつれてこし友はいくらぞ初雁の雲間を分る聲聞ゆ也淺茅露重。白露の宿となりぬる淺茅生も人の住かの行へ也けり霧中聞鶉一夕霧のへだてぬ宿の垣ねだに鶉の聲は寂しきものを隣家槿花一ささを今日までよそに聞きつるや宿より外の槿の花夜半駒迎二第卷集玉拾
ひく駒の影こそ見えねあふ坂の中空にすむ月の光に湖上翫月〓〓賀賀の浦や浮寢の床に夢さめて長柄の山に月傾きぬ擣衣聲幽一槌の音を誘ふ風だにある物をいかなる里に衣擣らむ蟲聲非一乞クノに身にしむ野邊の蟲の音は千種の花に譬ふ也鳬菊花色々秋深み移ろひ果てぬ白菊に心の色を添へて見るかな雨後紅葉紅葉には時雨過ぬる濡色に染てけりとは見ゆる也鳬毎人惜秋ル人人の袖に露こそかゝりぬれさこそは秋の暮方の空冬閑居初冬〓〓と〓し〓の草も冬がれて物の哀ぞ身にはそひける庭草帶霜一故〓の庭の淺茅に霜おりて眺じとても寂しからずや草庵聞霰一目もあはぬ草の庵にいとゞしく霰ふる也小野の山里雪朝眺望詠めやる心にあとはつきにけりあしやの里の雪の曙寒蘆滿江難波江の水の面なるやへ葺は蘆の枯葉の積る也けり:古渡千鳥〓〓思ふ淀のわたりの友千鳥通ひなれたる聲聞ゆなり氷閉瀧水冴る夜の深き氷に閉られて音羽の瀧も名のみ也けり水鳥駭筏一後おろす〓瀧川のをし鴨は心ならずや床をたつらむ網代群遊心さ夜更て網代になるゝ諸人も心すめとや宇治の川風禁中神樂〓雲のうへのをみの衣に霜さえて星歌ふなり明方の空鷹狩歸路01御狩野よ朝たつ音は急がれてかへさ物うき夕暮の空遠近炭竈一炭竈のあたりの空を眺むれば外の煙も匂ひ來にけり爐火忘冬一理埋のあたりをぬるみ思寢に夢に見えぬる花櫻かな五節舞姫一少女子が姿もよそになりにけり豐明に影さゝぬ身は除夜佛名靜にぞ三世の佛の御名を聞く今夜限りの今年なれ共戀老後初戀1敏敏の戀てふ〓ををよそに見し老の波こそ立歸りけれ忍尋綠戀人人れ知尋てぞ行く妹せ川戀渡るべき橋は有りやと馴不逢戀焉鳥の逢瀨もしらぬ河に來て人め計はみなるなる哉俄初逢戀思ひきや心も空になる神の俄に人にあひ初めむとは歸無書戀た歸るさに又立歸る玉章の君に初めて書き絕えにけり絕互悔戀cl諸諸共に大かた通ふ心かな絕えしつらさも悔ゆる情も城外間戀一〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓を今宵孰處の旅寢なるらむ等思兩人こゝゝへへの妹と心ぞ隙もなき夜枯るゝ今宵身には夜枯で尋常片思86三一二三二第卷集玉拾とことはに心かよはぬ濱に來て鮑の貝を拾ふ悲しさ四人傳恨戀恨恨むとは風の傳にぞ知れぬる葛の葉茂き野べの夕暮雜曉見漁舟エル島かけて沖のつり舟かすむなり明石のうらの春の曙澗底古松谷深みいくら千年の殘るらむ松の木立の神さびに見窓前栽竹七千代代べべ宿宿の籬に植つれば竹もや君を友と見らむ苔爲石衣山川のながれ久しき谷かげに苦の衣をきぬ岩ぞなき仙洞鶴多カルをのゝえの朽し砌や是ならむ群居る鶴の主あけになる遊山催興21吉野山花や紅葉の折々はならすかひある岩の蔭かな白鷺立汀〓〓きき賀賀茂の川原の河風に身毛亂れて鷺たてるめり野亭聞鐘ニー庵さす野邊吹く風に村消えて尾上の鐘の聲ぞ物うき夜過關路是柄の關をよるさへ越ゆる哉空行く月に駒を任せて行客休橋arkの橋に又くる人も止りけり元より休む友に引れて海路日暮11湊湊今月の泊りをめにかけて夕日にいそぐ沖の友舟覊中風吟なさらぬだに都戀しき旅の庵を身にしみ渡る松の風哉遣唐使餞44君ゆゑにしのぐ波路を立ち歸り見ぬ唐土の物語せよ山家送年山里はあはれなりけり獨ゐて今幾年かとしを送らむ田家老翁ねこぞよりも老にける哉苗代の水に映れる知らぬ翁は社頭祝君三三山松の村立隨をなみさらでぞしるき君が千年は夢語故人古古の人に逢見る通路はまどろむ夢の裡にぞ有りける深觀無常三目の前に變り行くめる世中の心の底に留りぬるかな山寺懷舊六おもひ出る心露けき山寺のひじりの跡に秋風ぞ吹く聞法述懷六法の門に心を入て思ふ哉唯浮世をばいづべかりけり■文治三年十一月二十一日詠之自九條殿給題與寂蓮禪門相共風吟頗不宜詠歟一日百首十但二時一該間之花まま咲咲かぬ花の梢を眺むれば枝にまどある春の山風ただり來て花とは知りぬ山櫻よそめは尙や峯の白雲九重の人さへ春はうつりきぬよし野の山は花の都か六〓〓宿宿は花に讓りて立出でぬ尋ぬる人をよそに數へて春をへて心を花につくば山櫻ならでは繁らざりけむce身の程も心もおはず人なみに唯花咲けばしがの山越〓春來れば櫻が枝に風ちりてはなの波こす末のまつ山〓散たれば小波寄する心ちして風も嬉しき志賀の花園三あかで散る花より後の白雲は花よりも尙嬉しかり鳬七散も尙ねに歸行く花なれば又くる春も春にぞ有ける郭公1年年へへささのみは如何郭公尋ても聞く折もあれかし七二第卷集玉拾三四二三87
浮世思ふ我が類ひかな郭公さ月待つ間の卯の花の上郭公軒ばに落る聲の色は秋風よりも身にぞしみぬるわが君のおもひ出はこれ郭公はな橘の枝に鳴かせて〓と〓る〓な梢めて郭公聞かで聞きつるたゞ今の空○深山木のふかき綠に雲消えて聲もはれたる時鳥かな〓をちかへり軒ばにを鳴け郭公聲送るべき秋風もなしながむべし軒の菖蒲に雨落ちて郭公なく夕暮のそら三人毎にとひて聞かばや郭公同じ聲をば如何聞きなす汝が名をしでの田長と聞しより遂の友迄賴むとをしれ月秋の夜の月を爰にて詠めてや明石の浦と云初めけむいかでかはなぐさめか寢む更級や姨捨山の有明の空詠れば心もさらぬ秋の月己がみ空の晴るゝのみかは類ありや哀も深きみ山べに木の間の月を見る心こそ秋野のすゞの篠やの獨寢にもり來る月の無らましかば0月月の哀をそへぬ夜はならば唯や聞ましさを鹿の聲一孰就ににか月は宿りぬ然はあれど影を磨くは玉井の水〓吉野川岩にせかれて散る玉を磨くは月の光なりけり一月影のさゆる光をながむれば草をうづまぬ庭の白雪廣澤の池の波間に月さえてむかしにかへる有明の月雪ひらの山に雪げの雲は見ゆれ共都の空は時雨のみして何となく物哀れなり山里の庭のあさぢの今朝の初雪庭の雪に跡の附ぬに思ふ哉人知れぬ身も嬉しかり鬼九雪積るときはの森の下紅葉忘れぬべきか花も紅葉も九〓春秋のをりの哀を過ぐし來て深くなりぬる雪の山里00みわの山孰くに今宵宿らまししるしを埋む雪の夕暮。雪積る深山の里に思ふ哉今日迄消えぬ身の儚なさよ冬冬雪雪雪雪雪の雪みり荒みたる空こそは眺はいつも哀なれどもco冬深しみ山も深し雪ふかしすめる心はなほ淺くのみ降雪のかつ〓〓花と散來れば春の隣を兼て知れとや戀x0人しれぬ思ふ思はかひもなし戀初て社戀しともせめわふじのねも淺間の山も自らたえ〓〓にこそ煙立なれto君故に今よりは知れ逢初て其色よりも深くなるとはxo歸るさは萎れぞまさる道芝の露に袂の露をそへつゝ加。こをでめへさでの道すがら心休むる有明の月。君故にいとゝぞ思ふ身の程はかねても暫し心なれ共一春くれば花のありかを眺めても思出るは君が言のみ一郭公鳴きてかたらふ夏の庭もながく思ひは秋の心に三君戀ぬ人に問はゞや其もなほ月は涙に雲かゝるやと我が戀る君だにもこば庭の雪に幾らの跡も只つかばつけ松1千年まで葉かへぬ松の綠をば君が心の色とたとへむ吹吹きそめし神代もいかに住吉の松の嵐の夕ぐれの空一武隈の松に心を並べてぞみきとは人に語るべらなるルゑに書きて今唐土の人に見せむ霞渡れるこやの松原我身こそ鳴尾に立てる一松よくも惡しくも又類なし〓あかぬ哉明くれ罪罪れど玉櫛笥二見の浦の松の村立一はやはれよ松の奧こそゆかしけれ霧立渡る天の橋立二蜑の子も千代へぬmmししゃ思しむ思むむににるゝ松が浦島をしほ山小松がはらの淺綠春の色をば神のめぐみに一千千ふふつる身の憂ことは岩代の松竹一冬來れど寂しくもなし霜や度置け共枯ぬ竹の友にて浮浮世いでゝしむる庵には片岡の一村竹ぞ便なりける夕まぐれふしにくげなる竹にしも時あうそふ村雀哉燈火はうてなのうへに消えなくに竹にも殘せ鶯の聲を散ふるみ山の里に小夜ふけて外面の竹に風荒むなりce衣をば竹のさ枝に懸置きて虎に身投し人をしぞ思ふ一身のうさに人の友をば離れきぬ籬の竹よ我を厭ふな三河竹の起臥思ふ〓とやなにいかで浮世に立はなれなむ六七二三二第卷集玉拾ゆられこし其唐土の笛竹の身を吹程の身を思はゞや梓梓春春にも逢じまの竹のあな床しやと見ゆる此世は山家山山の哀はおほきものなれど鹿つま戀ふる秋の夕暮大山山は哀れ憂身の栖哉ひらくる人もけしきかはりて都にて住みし心は山里に思ひまぎるゝ時よりもなきル身のほどを思ひ知りにし其日より深き哀は大原の里加山ははくくえももききににもてもも葉も見かひぞなき〇みみべの葎が下の蟲の音にうちぬる袖の重り行く哉「物毎にたゞ思ひやれ物思ふ人のながめはみ山べの里わ。人びわのののににたたなり尾上のかたの松風の音四心なき人をばよせじ山のべの庵は中々主きらふなり奥までは心もいかゞ及ぶべきしばし麓のみ吉野の山海路眺めやる心さへこそ晴れやらね霞こめたる淡路島山〓〓磨のの唐の焚藻の煙絕々にうら寂しくも見え紛ふ哉浮浮する夜はのなごろの程更てよさの浦松風恨む也漕出でゝ今は沖にもなりぬらむ庭の松風聲弱るなり加入ててりりああなしの風を思ふより心筑紫の波路也とは20蟹蟹舟舟つ島々傳ひつゝたゞ哀ともつみて行くかな一一人人の心にもあらぬ別には幾たび袖に波をかくらむニュ波波音音の松に宿る覽なべて身にしむ須磨の夕暮二後の世は沈まむことも思はずや遙に浮ぶ海士の釣舟同じくば唐土舟に乘りて行かむ波路の果に心盡して述懷何事を思ふ人ぞと人間はゞ答へぬ先に袖ぞぬるべき11何事も思ひ透らぬ身なれども心計りは留らざりけり一世世をいとふといはむ人每に我心をば比べてしがな〓身ばかりはさすが浮世に廻れども心は山に有明の月な松松の門の跡を思はぬ身なりせば誠に家を出まし物を0本人毎にみな極樂を願へども我が心にはなほ深くのみ一六此度を限にはせむと思ふ哉身もうけ難く法もえ難し三三山蔭を頼ぬ身也せば身をしる雨にぬれや果まし暫暫しだに晴るゝ心や無らまし日吉の影の照さヾりせば六願くは終亂れぬ身となりて十度唱へむ南無阿彌陀佛隆閣梨詠百首於一日之由來語仍誠企風吟之間午終又未始歟右筆則酉一點書付了建久元年四月八日詠之也住吉の神も新に御覽ぜよ三時にたらでちる言の葉を舊國に七步せし類ひとや三時にたらで散らす言の葉宇治山百首春立春谷川の底より春や立ちぬらむ氷の下に岩たゝくなり子日4年年へへ千千代の例にひく松を誰か子日と云初めけむ霞しほがまの浦の煙のうは霞深き哀ぞ立ちそひにける鶯c〓あはれなるみ山の松の曙に鳴きおほせなる鶯のこゑ若菜一野べに出てゑぐ摘む澤の淺綠春めきに見賤が氣色に殘雪〓春の月木の間もるかと眺むれば垣ねの雪の殘る村消梅山里の梅の匂をとめ行けば駒の氣色も泥まざりけり七柳風吹ば立田川原の波の綾を柳の糸のおるとこそ見れ七早蕨1春をへて片岡山の早蕨は折しれとてやもえ初めけむ櫻〓宿宿の庭の物とか眺めしを花も憂身も厭はましかば七二第卷集玉拾三三三三89
春雨待てとはむ物思なき人をすゑて春雨晴れぬ山里の暮七春駒〓東路の奧のまきなるあら駒をなつくる物は春の若草蹄雁己ががの月を思ひて雁がねは並ぶる春の花に別るゝ喚子鳥〓喚子鳥聞きわく〓ともなけれども眺めに止る夕暮の空苗代山里の外面の小田の平せ町あらしめはへて種蒔に鳬菫菜〓古里の春を忘れぬつぼ菫むかしの袖の名殘とを見よ杜若旅人を絶えず三河のやつ橋のくも手隔つる杜若かな藤榮ゆべき末に遙けき千年ふる松の梢にかゝる藤波款冬立田川岸の山吹咲きにけりしばしなをりそ水の白波三月盡〓我物といかなる人の惜らむ春は憂身の外よりぞ行く夏更衣花の色に我墨染は染めざりき衣更うき今日と思はじ卯花〓垣ねをば皆卯花と見るばかり絕間に晒せ乎作りの布葵か年をへて神も知らなむもろは草一方ならずかくる心を時鳥〇夏の月光は秋に霜さえてほとゝぎす鳴く明ぼのは春菖蒲一東路や野澤のかつみ今日計菖蒲の名をも假てける哉早苗〓小山田のをしれの苗の取々に見ゆる植ゑ女の姿なる哉照射ニーよよにても思分くかな照射する夏野の草の深き哀を五月雨〓心はれぬ類ともせむよしさらば曇らば曇れ梅雨の空廬橋警おもふたよりなりけり立花の花咲く宿の軒の葱は螢終夜われこそは見れ飛ぶ螢字治のを川のまつの梢を蚊遣火賤の男が垣根にたつる蚊遣火に涼み煩ふ夕まぐれ哉蓮鷲の山八歲の法をいかにして此花にしも喩置きけむ氷室夏も尙氷室と共にゐるをしの凉しく見ゆる谷の山陰泉。谷かげやいは間の水に夏過ぎて今は秋なる峯の松風六月祓。月を見る身の浮雲も六月の祓にはるゝ秋のみぞ來る秋立秋一何となく心のすみて覺ゆるは是にもたりぬ秋の徴は七夕10織織の待つとか今日の思より秋のあはれは夕暮の空萩〓我が物と移す計りの袖もがなけふ宮城野の萩が花摺女郞花x0女郎花いかなる花の姿ぞと見ざらむ人の我に問へかし薄加花薄夏野の鹿をまねきとりて我が物とする夕暮の聲七七三三二第卷集玉拾初冬一今日よりは冬に成ぬとつげに來て柴の戶叩く風の風時雨一晴曇り山廻りする絕間にも尙時雨るゝは涙なりけり霜〓草枕露に霜をばおきかへてかはく間もなき旅衣かな霰笠のうへに霰たばしる旅人は互によその哀をぞしる雪草も木も同花こそ咲にけれおい〓〓雪のよそめ也鳥千鳥一月影によさの浦波ふけ行けば松の風さへ千鳥鳴く也寒蘆〓深き江に茂りし物を難波潟かれては聞きし蘆の浦風氷た波の音は夜はの氷にとぢられて梢に殘る志賀の浦風水鳥〓須磨の浦見渡す沖にゐる鴨は人の哀の浮ぶなりけり網代一風さゆる宇治の網代の夕波は物の哀をまづ寄する哉ニ庭庭たく煙は空に曇れ共尙さやかなるあかほしの聲神樂鷹狩御御する片岡山の村柴にふるべかりけり今日の霰は炭竈Nななめやる人の思は大原や芹生の奥のまきの炭がま三爐火11夜夜はひびの下にも消ぬ火や忍べど絶ぬ思なるらむ歲暮厭兼ね頭の上に積る雪の幾へになりて消えむとす覽戀なみだれたる籬の萱が下折に宿のあるじの心をぞ知る刈萱蘭No藤袴我が旅衣幾日へて園をたよりにぬしとなるらむ〓か音せずば誰か忍ばむ吹過ぐる風こそ〓の情なりけれ雁。夕月夜ほのめく秋の黃昏に初雁がねの聲なかりせば鹿さを鹿の聲せぬ宿に住む人の秋の哀を爭でしるらむ露野べ毎にこぼるゝ秋の夕露を宛ら袖の物となしつる霧誰れよそに思ひやりけむ山里の哀につゞく霧の梢を槿花よりもはかなき身こそ槿の花に見らるゝ朝顏の花駒1月影に今日逢坂と見ゆるかな駒にひかるゝ雲の上人月〓秋の月曇らぬとは習ひなり心はれては誰か見るらむ擣衣〓うう。ははゝゝにじな槌の音をば風にゆづりて蟲有兼ねて後はと賴む山里の垣ねにも又蟲のわぶなる菊山川に移ふ菊のいかならし流汲みけむ人に問はゞや紅葉cかはらずな風を厭ふも吉野山秋の櫻は紅葉なりけり九月盡「さてもいかに秋の哀に慰むか心にも又こよひ別れぬ冬二第卷集玉拾七〇四三01
初戀いいししつとかつる涙を時雨にて紅葉始むる衣手の森忍戀〓今はたゞ袖の涙を色に出て物や思ふと人に間はれむ不逢戀たよしさらば後の世と唯契置け其に命を頓てかへてむ初逢戀〇人人るる人下裳の紐をとき初て君と契を結ぶ夜はとは後朝戀一明けぬとて歸り初めけむ古に變る例を今朝は殘さむ會不逢戀二戀をのみ飾磨のかちの逢初て歸べしとは思ざりしを旅戀離れ來し日數幾らに成ぬらむ眺めに暮るゝ旅の空哉思まだ知らぬ人の情を冬にしてかゝる世もなき思草哉片思四〓びたぶるに厭ふ君とは知乍ら思ふ心心のつきませぬや何恨戀衣ぬるゝ袂をおもひかへすことは恨の限なりけり雜曉東東や八聲の鳥の聲すなり關の鎖しも今や明くらむ松住吉のうらの梢に吹きとめて波にもやどす松の秋風竹加友となる憂身厭はぬ竹なれば皆斯の君と仰ぐ也けり苔anみぞわかぬ深き山べの山人はころもの苔か苔の衣か鶴一長世の己が千年も夢なれや吹飯の浦に鶴のねぶれる山世中に山てふ山は多かれど山とはひえの御山をぞ云河三四方の川は淀の流に落合ひて一つ渡りに成にける哉野〓春も夏も冬も眺はせしか共野べのふしきの秋の夕暮關111あふ坂の山路も雪にとぢられて關に關ある冬の夕暮橋極朽にける長柄の橋の跡に來で見ぬ昔まで行く心哉海路〓行きとまる心つくしの哀れさは蘆屋の里の松の夕風旅〓東路のくさの枕のあはれをば人にもいはじ有明の月別〓思ひ寢の旅の夜床に夢さめて二度人に別れぬるかな山家我が宿を人に見せばや山里の住ひは同じ住ひなれ共田家「夕風の稻葉の露のこぼるゝを庵もる袖に移しつる哉懷舊六昨日今日身のうきことを歎くさへ又行末の思出かな夢大方に過行くことは夢なるを驚く人のなきぞ悲しき無常今日迄はよその枕に眺めきぬ朝おく露も夜はの煙も述懷五六世中をすて出ぬこそ悲しけれ思知れるも思知らぬも祝君が代に兼て栽ゑける住吉の松吹く風は末も遙けし少人相語云可詠吟十ヶ日百首仍始自建久元年七三四三二第卷集玉拾五月十二日各以風吟大遣丸雖不堪頑質極被駈入畢同二十八日令詠畢號之字治山百首爲勅山家之等輩也勒句百首一時之間設之春三十首春くれば深山の里の谷の戶も軒の鎖も今朝ぞ明ぬる數へつる今日の子の日の朝霞小松が枝に靉きにけり春と知れば四方の梢も霞たつ山のかひある曙のそらco都よりはや來ても見よ山ざとに鶯來ぬる梅の立枝を〓賤の女が年と共にもつむ物は春の七日の若葉也けり〓雪消えぬ三輪の山べに尋來て春の徵にまどひぬる哉神に移る梅の匂にわぎもこが心の內に風や吹くらむ春をへて身はよそ乍ら靑柳の厭ふべき世に心亂れぬ東東ややききやさみたる春の野に早蕨あさる雞子鳴也山里のゆふべの空を眺むれば心もくもる今日の春雨櫻花匂はぬ山はなけれ共み吉野とのみ人のいふらむ〓〓〓波波澤澤のむにも尙荒行くは心なりけり〓吉野山はなの梢をかへるかり心えにくき心なりけり0山山に冬の嵐やのこるらむ苗代水にとゞこほりぬる〓山里のながめに暮るゝ夕暮に聲哀れなる喚子鳥かな桃の花その紅のあまりには彌生の空を色になすらむ12年年へへ咲藤波のいかなれば松の梢に懸り初めけむ今更にかへりすめとや菫つむ我が古里の春の夕ぐれ1年年經經知知れ人もがなゐでの山吹散果ぬ共八なか〓〓に物の哀を知りはてむ人には見せじ春の曙雉子なくかた岡山の曙に草の戶ざしを問ふ人もがな〓春の野に揚る雲雀の心をば空にもえこそ量ざりけれななつかしき春の野澤の杜若色に色ある夕まぐれかなn吉野山よしとや人の泥むらむ岩躑躅咲く岩のかけ道一君が代は春に春ある時ながら八千代こめたる玉椿哉ざほ姫の柳の糸を染懸けて花の綾おる春は來にけり山里に山梨の花咲きにけり野べの宿ともならぬ物改〓水の面に飛び交ふ春の燕巢たてむ〓とも思ひ遣られて〓心すむ水のうき草なびきつゝ蛙なくなりゐでの夕暮花の色を心のうちに染めきても涙に霞む春の暮かな夏二十首貰衣かふとはすれど墨染の色は薄くもならぬ也けり山里に卯の花垣ねしめおきて開に眺めむ夏の夜の月か年を經て心にかゝる葵草いかでか神も惠まざるべき〇雲かゝるまどの梢に雨落ちて山郭公鳴きて過ぐなり。宿わかぬさ月の今日の妻なれば賤が庵にも言蒲葺也二早苗とる山田のくるの夕暮に急ぐ植ゑ女を哀とぞ見る100我が宿に花橘の散りぬとも昔の袖をなにかわすれむco日數ふる眞野の入江の梅雨に河をば沖と見する浮草1大大川星こそ波にうかびぬれ螢とびかふ夕闇のそら山里は明けてあけぬる槇の戶を唯にて叩く水鷄也見co照射する外山隱れの夏草を分くる火串の行末の野にno梢には蟬の諸聲ひゃき來て暑さを添ふるみな月の空加〓のをが煙を立る蚊遣火にそなた知らする夏の夕暮。我妹子が物語する夕暮は扇の風のうつ草かにこそ中々にはらはでを見む夕まぐれ露に色ある常夏の花紫陽花の花に心の移る哉秋の野原を待ちもえなくに我宿の池の蓮にそむ心いつかは色にいでむとすらむ友誘ふを野の山べの氷山この凉しさは夏かあらぬか一夏深み袖に哀はかつ見ゆるむすぶ泉に秋をむかへてたた並ぶいくらのしでの川風に秋をも忘る夏祓かな秋三十首秋きぬと驚く風を尋ればめに爽かなる荻のうへ葉ぞル待えたる七夕つめに言とはむまだ乾かずや天の羽衣〓宮城野を尋來たれば秋萩の花は誠にこゝにとゞめずc秋秋野を分行く人は一かたに女郞花とや心ひくらむ一まねきけり秋の野原を吹過ぐる風に色ある花薄かな二第卷集玉拾
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友もなしたゞ汝のみぞ郭公語らひ過ぐるみ山べの里N時時ももれれをすます黄昏に名のりて過ぐる時鳥哉聞く人のあかぬ心に郭公とまるばかりの諸聲もがな過ぎぬるかたゞ一聲のなごりにはあかぬ心か山郭公とこなつ九年ふれど色も變らぬ常夏の花を見る社嬉しかりけれ心心にそヾ哀に思ほゆれ我が撫子の露重げなるいと九ななててならぬ物と社見れ我宿のま近く植る常夏の花〓を今朝拂はでぞ見る常夏の色に光をそふる玉とてはなたちばな11春春ぎて梅も櫻もなごりなしはな橘の匂はざりせばかなべて吹く風をおもへば橘の梢にとまる匂なりけりいたぐひなく哀をそふる匂かな昔を戀ふるやどの立花〓散りぬれど昔を戀る身にしあれば香をば袂に殘す橋かはかなしや昔語りになれる世はみな橘の匂なりけり○何ごとを思ふ宿とは知らねどもはな橘の軒に匂へる秋二十首をみなへし。思ふ〓となかりし物を女郞花さく野を過て今日の心は見る人を同じ心になす物は野べになまめく女郞花哉ニ0何事に露こばるらむ女郞花花も思のあるにやある覽00へにけりな四十の秋は女郞花色に染めてし心變らで10鹿の立野もせに見ゆる女郞花夕より妻は己が鳴ぬかはなずゝき〓遙々と野原を行けば花薄とまらぬ人をまねき暮しつto鳴く蟲の聲にとまるを尾薄の招きえたると思顏なるNすするるく野べの夕暮哀なり尾花が末に風を任せてね過過ぬいかに尾花の恨らむ歸さにはよも招きしもせじ霧罩てそことも見えず粟津野のすずるの薄孰くなる覽ふぢばかま一〓〓に歸り來てこそ關ぬしなき色をあはれには見れ一衆果てゝ今は色なき蘭誰かは野べに來ても見るべき一花の色はちぐさなれども紫のゆかりうれしき蘭かなかねてより待ちしもしるく蘭秋の野每に綻びにけりませの內に移し植ゑてし蘭色なつかしく匂ふ暮かなはじもみぢ太はかなさを思知るべき妻なれや色づき初る衣手の森←知るらめや我が園生なる儘紅葉其色よりも深き思をル毎每に秋の哀はありしかど心に染むは木葉なりけり道道のべを時雨と共に廻行けば我心さへ紅葉しにけり○散〓とは春の花にも習ひにきされど紅葉は色勝りけり冬十五首はつゆき晴れ曇る時雨の空の冴る哉さればよ頓て夜はの初雪一津の國の遠里を野の萩がえに雪の花咲冬は來にけり行行らで眺つる哉近江路や爰には降らぬひらのみ雪を〓昨日こそ落る本葉を眺めしか今朝又雪の空に散らむをのゝすみがま大方はさこそは冬の寂しけれ思知らぬや小野の炭竈転軒く煙をたつる炭がまを我がものと見る大原の里後世にまたすかるべき思をも思知らするまきの炭竈すごきかなやく炭竈に立つ煙心細さを空に見せつゝ見渡せば冬の山べの霞むかなこや炭竈の煙なるらむcmきくらす心ぞはれぬ大原ややく炭竈の煙のみかはニまき繁き深山の奧の炭竈にかよひて過ぐる賤が心ようつみ火三うしとのみ身を思知る轉寢の友とぞ賴む夜はの埋火罪も嘸消せざるらむ埋火も灰の下には絕せざりけり一身の思人の思と埋火の下にくゆるといづれまされる1人人るや夜はの埋火下もえてながき思にくゆる心を戀十五首おもかけに短思をばいかで知らせむ姿こそ其俤にあらはれぬともヒ物思ふ人の俤あらはれて夢ならずとも妹は見るらむN斯斯かり通ふ心の驗あらば我面影もたゝずや有らむ加今日までは俤にても慰めつ後世までも見る由もがなcu江江ぶ〓〓〓〓はどなほ面影は浮ぶなりけりこひわひて一此世には年はふれ共戀侘てかひなき名をや尙殘す覽二人の世に儚き物は何なれや戀渡る身の行へなりけりエンのの法の筵にとひきかむ戀侘ぶる身の報いかにと引返すかひこそなけれ戀侘びて絞る袂の色の深さは照る月も哀にいかに思ふらむ涙曇りて戀侘ぶる身をうちもねす本移ろひし人の現を夢と見てねぬ夜の數の積りぬる哉千千ににふふ淚の露の碎けつゝ寢ぬ夜の床に玉を敷哉ハ武夫は打も寢ずとや思覽戀する夜はの床も有る世に加盟ぬ夜はの數は幾らか積ぬる數へても見よ榻の端書〇すす墨墨洗ふ淚と思ひ知れ薄く書きつる今日の玉章雜十五首あかつきはニ秋はなほ妻よぶ鹿を聞き明す其曉のあかしなりけり一葛城の神の心を思ふかな明け行く空や侘しかるらむ三十盡もせず物思ふとは絕えね共今ひときつゝ有明の空聞く人の心を盡す物やなに嵐にたぐふあかつきの鐘五播播路やすまの浦わの有明は月の關とぞ云可りけるつゆふかし極罪にのみ譬へおきける露深し乾く計に照す日もがな14タ夕されば淺茅が末におく露の風まつ程を思知りつゝ〓〓吹過る風もや露を厭ふらむ花の色をば我になしつゝ斯許り儚き世とは知ながら野原の露をよそに分らむ知知人はよも有じかし轉てくも稻葉に懸る露の身ぞとはおもふこと一思ふ〓と何ぞと問はむ人もがないと爽やかに云顯さむ一藻鹽草いかで此世にかきつめて遂の思に煙立つべき故〓を〓づら傳ひて物思ふ浮世の中に落止まるらむ六九品品占品のたる國とのみ願ふこゝろを思ふことにて々常とはに思ふ〓と社盡もせめ欣求淨土と厭離穢土とを大勒句百首の一具に定羽林結構也同年同月同日翌日一時半之間詠之自已半至于午四點也賦百百春二十首あさがすみうめのはなたまやなぎかきつばた已上二十字每歌初可置之云以下同之焉以意閑隨其題名詠之了仍付此儀人々少々詠之ニュー夏十五首ほとゝぎすとこなつ花たちばな秋二十首をみなへしはなずゝきふちばかまはじもみぢ冬十五首はつゆきをのゝ炭竈うづみ火戀十五首おもかげにこひわびてうちもねず雜十五首あかつきはつゆふかしおもふこと一時半詠同御知見濫觴羽林は三時に詠之云々花月百首花五十首桑門時貞吉野山花まつ空の朝がすみ咲かぬ梢の色とこそ見れない匂いへへ〓眺へ咲かずばたれか尋ねても見む六〓春ならで誰か訪來し山里に花を待つこそ人を待けれ梢には花の姿をおもはせてまづ咲くものは鶯のこゑ〓山里の春のあるじを人とはヾ己が尋ぬる花と答へよ→吉野山花を尋ぬる人は皆わが類ひとや我を見るらむはじもみぢうちもねず
ニー初初むる花の梢を眺むれば雪になりゆく三吉野の山山櫻匂はぬ程の白雲はいつかはよその目にも懸りし花ゆゑにいとふ物まで詠むかな隔つる霞散らす山風見る人の心にかゝる物やなに春のやよひの白川の雲外はおはず宿の物とは九重の御階の花の盛のみこそ待つおもひ惜む歎のひまにたゞ哀ほどなき花盛かな山櫻思ふあまりに世にふれば花こそ人の命なりけれ七春の花詠むる儘の心にて幾程もなき世をすごさばや九〓主嫌ふ花ならね共咲ぬれば我物とこそ覺えざりけれ「眺むれば心もおはず山櫻うき世の外の花とこそ見れ〓ををてて花を哀れと思ひ知る心の宿はみよし野の山シ吉野山此住ひにぞ思知る憂身ならずば花を見ましや〓筑波山繁き梢を押なべてさながら花と思はましかば花の名を春とは云む山里に花無りせば春を見ましや花の色や尙濃からまし匂ふ枝に山郭公据て見たらば故〓と思ひしかども花故に歸住む身となりぬべき哉よしの山花にかさなる花なれや櫻が枝にかゝる白雲あくがれて多くの花を見しか共尙山里の色は有けり身のうさに思よそへて眺むれどのかぬは花の情也鳬〓花ゆゑに問ひ來る人の別まで思へば悲し春の山かぜ〓雲に紛ふ高嶺の花の俤は散らで心にかゝるなりけり〓花に吹く春のやま風にほひ來て心まよはす曙のそら汀にもあらぬ櫻の枝にさへさゞ波よする志賀の山風風わたる梢も道も春ながら雪のみ分くる志賀の山越風を痛み山こぐ我は舟なれや花の白波分て來つれば山櫻をしまぬ人もありぬべし風の心を我になしつゝ松松風に眺めし秋は花故に厭ふべしとは思はざりしをみ吉野の花の梢に誘はれてあだに散り來る春の山風○庵の上に幾重錦をふきつらむ花散る春の小初瀨の山。花の散る吉野の奧の寒き哉空に知らるゝ雪と見る迄一櫻花をしみ兼ねたる夕されは涙も風に散る心ちして00山高み雲に紛へて見る花の散るは晴ぬる心ち社すれ山里の峯の白雲ちりぬれば花見る人も又晴れにけりx0峯の花散りかゝれるを便にて流れぬ影をながす山水可可惜しやえぞが千島の春の花詠る人もなくて散なむtoみ吉野の外山の花は散りにけり奧の梢や盛なるらむ。Noうつろへど人の心の花は尙見えせぬ色に慰みもなし加斯計りえ難き物を月よりも花こそ世をば思知りけれ心心れれ惜まれてこそ花は散れ哀憂世の風を痛まぬ一かねて思ふ〓とは宛らたがふ世に此〓と計りを背く花哉一花はちりぬ又來む花は遙也折につけたる慰めやなにさらでだに散れば空しき花の色に染し心を思返しつ思ふべし今年計と詠め來て四十の春の花になれぬる散散花の故〓とこそ成にけれ我が住む宿の春の暮方月五十首三日月の仄めき初むる垣ねより頓て秋なる空の通路待得たる影は物かは夜はの月出る氣色の山のはの空ルやらぬ月をぞ思ふ待得ても頓て泪に曇るべければなすむ月に思ひしまゝの心哉秋と賴みし影を待ちえて◎尋ね來て見るもかひある廣澤の池こそ月の光也けれ一逢坂に駒ひく夜はの月影を秋のみ空の關とこそ見れ曇るとて今日のみ空を眺ずば名をえたる夜のかひらい秋秋夜夜に長月と思ひけむ今宵の月に明くる東雲秋の夜はよも更科と思ひしに姨捨山に雲のかゝれる秋の夜の月のあたりの村雲を拂ふとすれば荻の上風をを知知る秋の野原の花はみな月の光の匂なりけりヒさを鹿も今宵は聲や立てざらむ月の光の雪に埋れてル蟲の音を月と共にぞ詠めつる野原の露を袖に任せてた誰となく心に人の待たるゝや詠むる月の誘ふなる覽62曇れ月詠むる人や立入るといらずば空も心ありなむ三うちしぐれ晴行く空を眺むれば月の桂も色增りけり一月影の身にしむ音となるものは光を分くる峯の松風三第卷集玉拾詠めこし心は花のなごりにて月に春ある三吉野の山庵さす野路も山路も月さえてをりよき旅の草枕かなたみみべは木蔭も暗し浪路こそ遙に月は冴え增りけれた〓見潟月の光のさえぬれば浪の上にも霜はおきけり憂身には詠むるかひもなかり皇心に曇る秋の夜の月ハム我が涙こは何事ぞ秋の夜の闇なき空に闇を敷かせてた春春秋も思分れぬ深き山に住むなる人も月は見らむSU思ひ入る心の末に月さえて深き色ある山のおくかな一思ひ入りて詠むる夜はの月かげは都の空も姨捨の山二疊なく月はさりとも照すらむもの思ふ身の行末の秋皆人の心のうちにすむ月の外とや思ふ秋のみそらを曇りこし心の空も晴れぬべし浮世を誘ふ月を詠めてエリ歸照さなむ心に宿る山の端の月大口いつかわれ都の外の月を見て思ひし〓とを思ひ合せむ4我我に餘な冴そ夜はの月思ふとある身とは知らずや見る人の心よりすむ月なれば更行く儘に冴增りけり加はりま潟磯うつ波は耳なれて傾ぶく月に夢を殘しつ07月かげの流るゝ天の川水によどむばかりの柵もがな一野べしむるすゞの篠屋に鴨立て窓に傾く月を見る哉一浮世思ふ柴の庵の隙をあらみ誘ふか月の西に傾ぶく三有有の月の行方を詠めてぞ野寺の鐘は聞べかりける1月を待つ宵の袂のまゝよりもなほ露深き東雲のそら1月よりもなほすみまさる心かな獨寢ざめの秋の有明4月月げげに哀をそふる鹿の音にまた哀そふ鐘の音かなほええたた月月心心のかよふかな濱名の橋の有明の空〓人りぬれど涙の露に影とめて月はたもとに有明の空五山の端にあかで入りぬる月影は松の嵐に殘る也けり〇年年へへへ月や哀と思らむ詠むる人の變り體行くをば一木のもとに月も光を和げて神さびわたる峯の秋かぜ三笠山ながむる月は行く末の秋も遙けしあきの宮人 t =萬代の秋の例と見ゆるかなみもすそ川に澄める月影いかばかり暮行く秋を惜むらむ月の盛の別なりせば六有一首不足詠百首和歌當座百首學生安成春霞五首六いいししつとか立春立つ空を見渡せば山のかひある朝霞哉霞たつみ山の里の梢をば思込めてぞ見るべかりけるながめやる心の末をせくものは霞に殘るあはぢ島山吉野山花咲きたらば厭はまし霞を今日の詠にはして物思ふ心のうちの霞む哉それより外の春はなき身に梅五首co梅の花かねて心にそむ〓とや匂はぬ先の色となるらむ梅の花咲かねど色は見るものを俤なきは匂なりけり色も香も宿にはおはめ物なれや賤が垣ねに匂ふ梅が枝山里の梅の主や誰ならむ立枝ばかりをよそに讓りて梅の花ながめぬ人の袖までも情をかくる春の山かぜ歸雁五首此躍雁花を見捨る程なれば何につけてかやよ暫しともこし方は我も戀しき物なれば心あるべし歸る雁がね七秋は又我が都へと來る雁を越路の人はいかゞ詠むるル行返り宿も定めぬ雁がねも春と秋とは思ひわくめりかかかがねの歸る哀はとまりけり志賀の山べの春の曙七夏照射五首〇夏夏に秋の哀を先だてゝ色に見するは照射なりけり「照射する賤が心もいかでかは鹿哀とは思はざるべき我もする照射なれ共よそに見る火串の影は流石心に照射する外山が原の夏草をいかなる賤の思ふなるらむ外山なる照射の影を見ても先南無阿彌陀佛深き的には納涼五首學生安成三第卷集玉拾99
1夏の月の秋よりも尙嬉しきは凉みかねつゝ待出る程夏もなくて過ぬるかとぞ思ぬる立田河原の柳蔭にはいかにとよ板ゐの水を掬ぶとて夏の心は解にける哉山河の岩うつ音を聞くなべに心涼しきひぐらしの聲Rな凉みつる楢の木蔭の夕風のほに出ぬ萩に音を立つる-秋霧五首の霧深しそれも詠めぬ心には秋の哀もこもらざりけり一眺めやる秋の山べの朝霧は宿の籬に暮れかゝるほど秋霧も心あらなむ煙ゆゑ人に知らるゝむろの八島は立こむる霧はいづこも變らねど哀深きは三吉野の谷晴れやらぬ心のすゑも哀なりながむる宿の朝霧の空鹿五百衰知る秋になりぬと思ふより先待るゝはさを鹿の聲山里のさを鹿の音の無りせば心なき身と成果なまし秋の鹿われも〓〓と妻戀ひむその涙をばよその袂に40我厭ふ此世の中の思ひいでは鹿の鳴音に袖を任せじ山ざとのたゞ獨寢に夢覺めて鹿も鳴くなり庭の松風擣衣五廿。〓擣音にも色のあれば社只よそに聞く身には有らめ。衣うつとほぢの里の槌の音に寢覺の人や袖濡すらむ。〓衣うつ音を誘はぬ風だにも秋ふく色はうたゝねの夢30衣うつ賤が詠めのいかなれば槌の音まで哀なるらむ。ささを風にまかする寢覺には衣も擣たで哀うつなり冬時雨五首〓ひひせせも物ず思もははぬ袖の上に涙を流す初時雨かな大槇のやの時雨る音を聞袖に木の葉のみには限ざり鳬co我宿に時雨來にけり山の端に一村懸る雲とみたれば〓〓夕暮の空のけしきを見る人や時雨ぬ先に袖濡すらむ〓村時雨庭の木の葉に音はして人の心をそめて過なり氷五首。我が里の池さへ冬や知ぬらむ今朝は汀に氷しにけり一凍り行く氷をやがて汀にてしたしく返る志賀の浦波水鳥の床はいかにぞ冴る夜は孰れの池か氷ざるべき世の中の人のつらゝを思ふには我が心まで滯りけりとけやらぬ枕の下の氷柱にも通ふ心の色や見るらむのむとすらむイ別此一首多2戀寄雲戀五首村雲の絕間に出る星までも思よそへて見る〓とはたゞ君君に詠むる空の曇るかなやがて涙の雨とふりつゝしつらかりし宿の軒端に雲とちば哀なるべき身の煙哉〓雪騷ぐ夕の空を君はよも我がたぐひとは詠ざるらむ+戀ひ死なむ後を思ふも哀なりながむる空の行末の雲寄山戀五首〓思入て後にぞ思ふ吉野山うかりし人も嬉しかりけり一猶戀む越の白根に消ぬ雪の折しらぬ名は世に殘す共我幾はかさなる山を越えね共隔てゝ年の積りぬる哉かかもなし心變らで入ぬれば深き山路も戀路也けり〓〓〓びぬ身は山のはに隱してむ心よいかに夢の通路寄河戀五首袂までかけてぞ祈る神かぜやみもすそ河の末の白波思いかねかもの河霧かきわけて歸る袂に千鳥鳴く也七君が爲身を宇治川による波の行方知られぬ戀すもる哉おとは川音に聞きこし君ゆゑに袂にかくる瀧の白糸戀せじと御手洗川にする禊神は受ずもならばならなむ寄松戀五首二十年迄葉がへぬ松の枝よりも尙常磐也人のつらさは一戀しともまだ岩代の結び松とけぬ思を知る人ぞなき一慰むるかたもあるべし唯暫し聞けとよ嶺の松の秋風一松松否心のひくを知べにて我が子日には君を社せめ朝夕に絕えずも波のこゆるかな戀する袖や末の松山寄竹戀五首色かへぬおもひのそこを哀とや竹のさ枝に鶯のなくたあらましに幾夜か床を拂らむ竹ふく風の音を友にてそうちながめ人待つ宿のくれ竹に心亂るゝむら雀かなにゆられくる其笛竹もある物を人や都にあふ節のなき加君すむと人の聞けかし霰ふる籬の竹の音はかりだに雜禁中五首9雲の上けふ立初る春の色は立ゐる人の袖に見えけり一緒人の心と共にすみきつゝ流れ久しきみかは水かな二九九に匂ふみはしの櫻こそならの都に尙まさりけれます鏡光にかよふあかほしのこゑも晴れたる冬の曙1法の師は三世の佛を唱へつゝ千年を君に重てぞ行く神社吾115志賀の浦に五つの色の浪たてゝ天降りける古への跡和らぐる日吉の影も神さびて千世調ぶなり峰の松蔭三二ませに賴む思のあらはるゝ心の色やあけの玉垣〓とにかくに身にしむ物は神垣やひえの山風水の川波習數ならぬみ屑も捨てず照すこそ座に交はる光也けれ佛寺五首〇我我にかゝる寺こそ又なけれ高きみ山に殘る御法よユ中にすむ月の光は玉櫛笥明る方よりさすとこそ聞け二五とまりゐむ鷲のみ山の月影の光を移す峯のつゞきに一むむしし土土ののげをうつしとゞむる山川の水其のなかに賴むこゝろの深きかな南の山の月の明王山家五首五心心よりみ山の里に移り來て暫しになれば尙厭はれぬ厭ひゐる心の底のすみぬれば吉野の奧も尙淺きかなねさてはさは浮世出でたる山陰に轉て心の尙殘るらむ〓しめてけり片岡山の杉の庵に時どき立つは朝煙のみ本部にも尙山里は有りぬべし心と身との一つなりせば海路○心心りりありて物語せむ海人もがな舟こぎとめむ松が浦島「波の上に一つに見ゆる雲までは及びつきぬる我心哉思ひやれ波にまかする心をば磯の松風沖に吹かせて幾度か夢より夢にうつるらむあしやの沖の舟の通路覧人の心盡しに和歌の浦をかきぞ留むるもじの關守建久元年十二月十五六兩夜之間左將軍於內裏直盧伴定羽林令詠百首ニ"並五時之間被終其篇畢其後雖給題歲末之比御修法勤行之間無寸暇不似安成故障然而於幕內」大略越年而之間至正月二十二日猶御祈等雖不被結願乘急要令參大炊殿之時不堪議責不能默止愁以右筆自申半至西半四季五十首詠進退出翌日自辰終至午始戀雜五十首令詠進並二時餘也於今度落定歟尤爲恐爲耻而已學生安成記之十題十首和歌天象十首月、日、星、霞、雷、霧、時雨、雪、雲、風利ぐる光にあまる影なれやいすゞ河原の秋の夜の月幾返り浮世にあへる身と成りぬ朝日遙にまつ關の空六中々にやみなるべしと思ひけり秋の七日の星合の空ないかでわれ昔を近く思はまし春の霞を詠めざりせばが神神雲雲かかよひぢ閉ぢはてゝ雨に雨そふ夕立の空六〇夕夕まれれ山をも野をも霧こめて心の外の哀をぞ見る一宵の間はもらぬ木の葉に袖ぬれて時雨に成ぬ曉の空一雪の下をくるゝ萱屋の夕煙心ぼそさはなほぞ埋れぬ七三よそはいかに高ねに住ふかひなれや雲をば雲と思慣ぬるRE春も秋もすゞむ夕も木枯も哀は風にかぎるなりけり地儀
山、海、湖、浦、島、河、橋、池、野、關正ををめ我が山川の水上に御法の淵は有りと知ずや大七汐路まで哀も深き此世かなむなしき舟も波に沈みぬ昔思ふながらの山の寢覺には袂につゞく志賀の浦波ななむれば心の上もうす煙身を鹽竈の恨めしの世やかかきとめて物の哀を見るならばゑ島の浦の蜑の釣舟七なにとなく心の底ぞ浮きにけるかもの河原の春の曙まだふりぬ憂身をつれて思ふかな長柄の橋の古の跡八廣澤の池の昔を思ふとて月をながむと人に見えぬる誰誰聞聞秋の哀は野べなれや鹿聲立てゝ虫もわぶ也春と冬と逢坂山の關路には霞よりこそ雪も散けれ罪居所禁中、都、山家、田家、深山、旅宿、旅泊、關屋、網代、山科とことはに春の心やさかゆらむ藤壺にすむ秋の宮人大かたの都のやどの殿づくり年もかぎらじ行末の空山里は心ばかりは移りゐて何とか迷ふ憂身なるらむ〓唯今はいざ賤のをにかはりゐむ山田の庵の秋の夕暮九八つひに我が願ふ住かはみ吉野の奧なる谷の山陰の庵東路やよるは都にかへるかな旅寢の庵に衣かへして「藻しほ草しきつの浪を枕にて心ぼそきは苦の下ぶし〓是迄は物の哀も知らざりつ須磨の關屋の旅寢嬉しな待待ても末哀なる網代かなひをも昔の友ならぬかは哀也これも世渡る庵ぞかし其山科のうてくらめまで草竹、藤、躑躅、菖蒲、蓬、萩、茅、忍草、思草、忘草友と見る籬の竹に風吹けば我が心さへ靡くなりけり憩ふとむなしからざる都より春日の山にかゝる藤波躑躅咲く片山岸の岩角に夕日の色は見るべかりけり〓雨雨れれ夏の夕風かをり來て軒端涼しき菖蒲草かなつつににははが身と思ひ果ればやがて涙の○心して戀ふべかりける〓をしも宿の物とて偖も夕風-〇へにけりな淺茅が末の夕露を心にかけて身は四十迄60茂るべし心にものを忍草うき身の宿の軒端ばかりに30思草茂れるとしもなけれども心あるべきませの内哉〓いないはじ此世の人の門每に植うべき物は忘草かな木住吉松、三輪椙、吉野櫻、をふの浦梨、御室榊、龍田川柳、奧山眞木、あだちのま弓、ゐなのふし原、櫨100波にふけ霞の春のあさみどり風も色あるすみ吉の松古のしるしと見るも哀なり色もかはらぬ三輪の杉村〓三吉野の吉野の山の櫻花浮世に老いて急ぎちるらむcol偖もさはいかに成ぬる身なる覽思ぞ分ぬ苧生の浦梨かみむろ山榊にかゝる木綿しでは秋の月かげ冬の白雪。°それもなつ憂身の影と賴むこと龍田河原の柳計りか一奧山の槇の梢を軒に見て哀いつさは住まむとすらむ一昨日かも都の花を見し物をあだちのま弓紅葉しに鳬霰ふるゐなのふし舞屋風こえて衣手寒し道のべの冬植て鳬よもの山べの秋の色を田末に罩るはじ誰の紅葉鳥鶯、喚子鳥、郭公、水鷄、雁、鶉、鳴、千鳥、鴦、鷄深き山に鳥も今はの頃はまた更に待たるゝ鶯のこゑおりりくりとくりとり子鳥おぼえぬものを黃昏の空郭公たのむる妹と成に鳬更たればとてぬる夜無ればまださゝぬ槇の板戶を叩哉我ぞ水鷄と名〓なるべした鳴く雁よ己が涙をかさずとも人の咎めぬ袖の上かは加えた〓故〓は〓鳴鳴く野と成ぬれどなほ跡殘る庭のませがき一物思ふ心のかずや知りぬらむ此の曉の鳴の羽ねがきよさの浦獨うき寢のかぢ枕唯我がための友千鳥かなニ難波潟蘆間の鴦の一つがひ思ひ絕えたるみ吉野の山何となく涙落ちそふ寢覺かなゆふつけ鳥の曉のこゑ三獸獅子、象、羊、虎、熊、馬、猿、犬、猪、鹿位山浮世に社は降る共獅子の座にゐる身とも成なむ如法きやうかく道場の曉に日象天を見ぬはみぬかは極樂へまだ我が心行きつかず羊の歩しばしとゞまれ其心ありもしぬべき我身かはなど此國に虎の無らむた思ひとりて熊に宿かる山伏の心の底は凉しかるらむc東東やいくその山を越えぬらむ野原篠原駒に任せて一三山深みかつ〓〓ぬるゝ袂かな峯のひばらの猿の里聲ニー詠れば哀もさ夜も更けにけり賤が萱屋の犬の聲までこれも夢尙睡までありぬべし臥猪の床に身を任す共鹿の音を山の奧よりさそひ來て籬の萩につたふ秋風蟲蝶、蛙、日暮、松蟲、鈴蟲、養、蛤、蜘蛛、蝙蝠、紙蟲もし人の夢や現にあらはれて籬の花の蝶と見ゆらむなん晴けにけり稻葉の綠雨過ぎて山田のくろに蛙鳴く也セー立立の程ばかりこそ絕間にて晴るればやがて蜩の聲〓し〓よよ〓のこ萩はうら枯ていざよふ月を松蟲の聲加身身ななりぬる上に尙ふりぬ鈴鹿の山の鈴蟲の聲co蟋蟀蓬の宿に秋暮れて哀れをよそのものとなしつゝ一条薄萩の錦に植ゑまぜてはた織る蟲の聲を聞くかな二四笹蟹のいと哀なる此世かな軒端の宿をよそに思はじ蝙蝠は夜も戶たてぬ古寺に內外もなく飛びまがふ也いかにせむ御法の塵を拂にもしみの〓や尙殘るらむ置釋〓十波羅密擅、戒、忍、進、禪、惠、方、願、力、智今は我山のは近き月をだに惜むまじとぞ思知りぬるメー北南ももつ心は淺くともさづくる法は深しとを知れ45忍びづま忍びなれにし心こそやがて眞の心なりけれ嬉しくも佛に近くなれにける心に悟る身とぞ成ぬるか目を閉ぢて息を數ふる心には御法計りの殘る也けりcuひのの雪の窓うつ物やなに見殘す法も嵐なりけり一品々の人の心を思ふとてさま〓〓になる我が心かなエいつか我れ幾らの誓現して道より道に知べをもせむうきながら心たわまで長へぬ法の驗を賴むしるしに是ぞさは憂身を頓て佛ぞと心えつベき心ちこそすれ神祇日吉、貴船、住吉、稻荷、鹿島、大原野、春日、賀茂、八幡、伊勢五三世までに結びおきける契かな哀とおもへ七の御社煙貴船川たぎつ白波袖に見て乾きて歸る春を待つかなな思ふことつもりの浦の藻鹽草いくら茂りぬ住吉の神なちりとなる光に見せよいなり山すぎの庵のさとの曙〓かめめり逢ふ始終の行へかなかしまの宮にかよふ心はcxをしほ山松に千年を宿しおきて末も遙けき宮の內哉〓忍びこし昔を今に三笠山のどけかるべき天の下かな六.ニでで吹くかもの川風さ夜更けて心に籠る朱の田垣一石石水流久しき天皇の千代のみかげは神のまに〓〓大神風や御裳濯川の末の波昔の瀨にも立ちかへるかな秋日詣住吉社詠百首和歌雜五十首코法の如く蓮の糸をくりしかど尙みだれじな住吉の神A法のはな散りし筵にのぞみてや光をましゝ住吉の神石川のつかの昔を尋ねしをあはれとや見し住吉の神とにかくに昔をすくふおほ網に哀をかけよ住吉の神心心ししききあまりに尋ねきぬあはれと思へ住吉の神六oささももぞ思ふ心の末やなに行くへを守れ住吉の神〓世中の深き哀を知りながらよそぢに過ぎの住吉の神さのみやはとぞともなく世にもへむ哀いざゝは住吉の神三七世中の世中にてもあるならば悔しかるべき住吉の祠七松風にまかする舟を極樂のきしまでおくれ住吉の神神神げに今は浮世を厭ふらし住吉の名を改むるまで三第卷集玉拾
嵐も斯いかで此世を厭はでは今日迄もさは住吉の松斯計計住住ぶる世は住吉の神計りにぞ祈るべらなる〓我も人も唯心をぞ厭ふべき大かたの世は住吉のみやN浮浮をも尙住吉と思ふらむ人の心はげにもはかなきささででに尙賴むべき住吉に古里いとふ我が心こそ「住吉と思ふべき理を知り乍らいかに此世を捨る心ぞ一年ふれど色も變らぬ袂かないつかうき身は住吉の神ミッ我が袖を淚にのみやくたすべき惠をかけよ住吉の神厭ふべし偖長へば住の江のまつ〓と迚は世の憂目のみよそちまで憂への〓には繫れぬさて我許せ住吉の神住吉のきし方知らぬ身なりせば今行末も賴れやせむ夢の世をさまして住まむ行末に思ひ合せよ住吉の神ハ人も見よ神も憐れめ住の江に底の心を浮べつるかな住の江の深きながめの夕かな心の底を神は知るらむさても尙我思ふ〓とは住吉の松風くらで藏三吉野の山「浦風を松の梢に吹きとめて袖をもわする住の江の暮〓ののとながらの橋の舊き跡と心にたぐへ通ふ秋風住吉の海に傾ぶく夕づくひ憂身の影も哀れいつまで住吉の松の嵐に通ふなり阿波のなるとの浪の音まで九住よしの浦のうきねの寢覺には松風たゝむ沖つ白波梢より沖つしほ風わたらずば音には聞かじ住吉の神住吉の松の葉越に見るべきは遠ざかり行く沖の釣舟〓住吉の松の下枝にゐる鷺は立つ白波のかゝる也けりかあはち島月にぞいとふ住吉の松かぜはらふ有明の空00住の江のあから樣なる小舟まで哀を見する跡の白波。なが月は月のみならず住吉の濱にも人は盛なりけり住と神も所をわき吉ければ慕ひ來にけり秋の夜の月∞0住吉の庭火の煙のばれどもくもることなき曉のほしpo住吉に祈る心のすゞしきはしで吹きまくる庭の松風100住吉の岸も涙をかけつれば和歌の浦波何かあるべき加住吉の池に浮べる泡をうきにかへてぞ殘すはかなさ。つつ袖袖にたえねば住吉の神に心のかゝるなりけり〓尋ね來て我が住吉と思ふより神の心も知られぬる哉ね。住吉の神はさりとも數ふ覽虚しき舟のさしてこし浪。住の江の昔は今に成に見浮世の中もかゝらましかば一住吉の松の梢を眺むれば神さびにける程も知られぬ孰くにも松は常磐にある物をなど住吉に名を留けむ行く末も常磐なるべき綠かな神代はるけき住吉の松行末にまた住吉の松もがななほ浦づたふ眺にもせむ四季述懷各十首春但よしの松の梢のうは霞ことわり過ぐる春の色かな住の江の汀によする春の浪は氷をぐして歸る也けり一爲のこずゑにきゐる初音より色に色そふ住の江の松ル吉吉のさとのあたりに梅咲けばまつ風かをる春の曙朝霞たなびくほどは住吉の梢につゞくこやの松ばら住吉の松のあたりに咲く花は互に色をゆづる也けり一住吉の春の柳の靑みどり松なき庭のけしきなりけり一松風の沖より返る住の江は下枝に浪の花ぞ散りける一家を出て尋來たればめにぞたつ藤波懸る住の江の松住の江の松のうは葉に春ふけて變ぬ色に色ぞ有ける夏住吉の松にも來鳴け郭公さてこそ聲の色も見えけれ住吉の神も待つとや己が音を手向けて過ぐる郭公哉ヒ早苗とる菅のを笠のならぶさへ外に異なる住吉の峯住の江の汀の菖蒲からで見む外のは軒の物と成る共た五五雨雨の尙住の江に日をふれば海より池に通ふ白波〓00住の江のよるの螢の哀さをなほ思はする松の風かな一住の江の松風吹かぬ夏ならば暑さもいかゞ蟬の諸聲一一ののにそむる心は似たり共蓮の色はさやけかるべし一煙ゆゑ鹽屋とよそに思ふらし蚊遣火立つる住吉の里〓ささば松の嵐に納めおきて秋を浮ぶる住の江の池六ヒ九三三第卷集玉拾六住吉にいくかもあらぬ今日のまに匂ふ淚は百草の露もももほしきつの浪に朽ちぬとも哀は殘せ住吉の神俊成入道此の百首を見てよめる神もいかに心にそめて照けむ御法の後の言の葉の色返しに法の末を今こそ神も照らめ君が副つる言の葉を見て建久三年凉秋九月點定開之山寺披〓淨之道場半行半座之勤如說修之無二無三之〓如法書之則捧持二部妙典、遙往詣四天王寺於彼靈地忽經再宿然間或備十箇種之供養、或唱一畫夜之念佛翌日之朝底露之餘即詣上宮太子之古墳漢疑下化衆生之態地次過難波之海浦到住吉之社壇報賽已了瞻望忽催于時雲海眇花嵐日蕭索不堪感情聊述舊懷短略未過一日和言已滿百首其詞雖區恙置住吉之詞其心雖淺又顯滅罪之心丹誠無二玄應豈空扞退憶古今未聞雖跡仍雖恐藻思之拙竊納葉詞之中古松若有情言葉定無朽者歟我立柚門人三部傳法阿閣梨某記之左大將家六百番歌合百首春左後京極〓元日宴六1七六もゝしきや春を迎ふる酒盃に君が千年の影ぞ映れる"徐寒左有家朝臣〓名殘には春の袂もさえにけり霞よりちる雪の氣色に乘水左後京朽春春れれ氷ををらふ谷風の音にぞつゞく山川のみづ〓若草左季經卿◎霜置し去年の枯葉の殘るませに其とも見えぬ春の若草井賭射左顯秋風も嘸心盡しに來る秋を住のえとのみ待とりてさはおおつつああはれはいかに住吉の松の梢と〓の上葉と七一吹くからに浪の哀のうちそふはげに住吉の松の秋風〓思入れて松吹風を聞くとならば唯住の江の秋の夕暮加住の江のしまの村萩露もなし暫しな吹きそ松の浦風5000吉吉のいがぎの本の蟲の音よ己が聲にも松風のある一住吉のしきつの浦の夕されに鹿の音渡す武庫の山風二四おしなべて皆住吉の松の中に秋をこめたる蔦の色哉三暮暮秋秋江の〓とのゝ池に來て浪間の月に心すましつ住吉の遠里小野の萩が枝もうら枯れ渡る秋の寂しさ冬理はしの庭も梢も霜がれて冬こそ松の色はありけれ本木にに紛れぬ物は住の江の時雨にたぐふ庭の松風セキ住ののののの雨雨ずば葉かへぬ色もかひや無らむNE初雪の松のこずゑに散るほどは心あらなむ住吉の風かさ夜千鳥こゑ心せよ住の江の風の哀を松にまかせむ21日吉吉松松通ふ濱千鳥ながめにあまる聲こゆるなりユこはいかに霜冴る夜の鴦の聲を住の江に聞く冬の曙二五性吉の冬の朝の霰こそいがきのうちに玉はしきけれ三生住のこずゑの雪の下綠風よりもなほさむき色かな生在ははつもりの浦なれば神は年をや惜まざるらむ述懷極深き風松の梢に吹かずとも此の世みだすな住吉の神新るべし昔にかへる我が國をさて長らへむ住吉の神4四四の海に立つ白波を住吉のお前の鹽に納めてしがな〓〃亂れゆく世にこそ賴め唐土を我が國になす住吉の神ねうとけかれ三笠の山の藤波をかけても祈る住吉の松五いかでわれ人の心を住吉と思はむ國に身を宿さまし六「我が思ふ心はあれど〓とはなし唯住吉の神のまに〓〓露の身の消えむ夕をまづしらむ返す〓〓も住吉の神三第養集玉拾五三〇四
三第卷集玉拾ー七〇四徒徒に明る夜をのみ重ぬれば獨ふすまの床ぞ寂しき椎業の暫しと思ひし世中の四十の冬に成にけるかな梢には夜はのしら雪積るらし音よわり行く峯の松風〓軒內內に雀の聲はなるれども人こそ訪ね今朝の白雪一敏鷹も逢ふを嬉しと思らむ絕にし野べの今日の行幸に〓風渡る花のあたりの春雨は冬の空にも有りける物をね私の色の移ふ野べを來て見れば哀は枯ぬ物にぞ有けるNo花もかく雪のませまで見る菊の匂は袖に又殘さなむto閉雨つる峰の村雲晴のきて風よりふるは木葉也けり50。なな身のたぐひとも思ひこし秋も今はの夕暮の空〓〓葉は己が染たる色ぞかしよそげに置る今朝の霜哉〓〓今日と云へば八重咲菊を九重に重ねし跡も顯れに島〓。山めぐる時雨の宿か柞原我が物顏に色の見ゆをらむ50年をへて苔に埋るゝ古寺の軒に秋あるつたの色かな。更級も明石もこゝにさそひ來て月の光はひろ澤の池- 1鳥『廣澤池眺望榨冬鐵狀秋霜〓九月九日規範に日冬冬奧相野■殘菊〓落葉袋盛んだ野野幸左左左左左左左左左左左左左左左顯女兼有兼定顯女女季顯兼季季季經卿昭經房宗家經宗家昭房房經昭宗〓〓飼舟あはれとぞ見る武夫のやそうぢ川の夕闇の空昔より齋の宮に吹きそめて今日は凉しき賀茂の河風一夏草の中を露けみ分る野は我が故〓の垣ねなりけり〓〓れ〓秋をも知らぬ楓かな常磐の色を暫しぬすみてoまま採採らぬ早苗の末葉靡くめりすだく蛙の聲の響にお酒盃のながれと共に匂ふらしけふの花吹く春の山風道もせに花の白雪ふりとちて冬にぞ返る志賀の山越雲の上につるの諸聲訪づれて哀のどけき春の空かな思ひ出では同じ詠めにかへるまで心にのこれ春の曙七空に知れ春の軒端に遊ぶ絲の思筋なき身の行方をば〓春深き野べの霞の下風に吹かれてあがる夕雲雀かな『ききてたつ雉子の宿を尋ぬれば裾野の原の柴の下草七〓是そ此春の野べよと見ゆる哉大宮人の打群れて行く〓梓弓春九重にちる雪を今日たつひまの袖に見るかな|七山の端に匂ひし花の雲きえて春の日數は有あけの月有. #賀茂祭 ■夏草。新樹夏貳家蛙〓〓賀賀山越〓〓〓〓井春曙鵜川三月三日遊絲お雲雉〓野遊吉野山花のふるなしきに左左左左左左左左左左左左左左定顯顯顯後京極季經卿後京極季經卿顯家昭昭兼宗朝臣昭後京極昭季經卿定家朝臣後京極cmものおもふ心の秋の夕まぐれ眞葛が原に風渡るなりたさしも我が絕ず忍し中にしも渡して鳬なくめの岩橋〓〓えはてぬ情の山に雲消えてはるゝ心や星合のそらによしさらば逢で重ぬる濡衣の恨に朽る妻も有るらむ〓ししるる今朝の別にみつるかな心がゝりの行末の夢一運見てはまつと思ひし言の葉に心の露の尙重きかな〓青の鐘を聞過ぐすだに苦しきに鳥の音を鳴袖の上哉一只たのめ譬へば人の僞を重ねてこそは又も恨みむ元知一思かねそのこのあに本綿懸て戀こそ渡れ三川の橋心こそ行くへも知らね三輪の山杉の梢の夕暮のそら〓見ればげに中々にとて疎くとも尙俤の離るべきかはル鹿のねも嵐に類ふ鐘の音も聞よりこそは袖は濡しか〓我とはと思ふに斯る淚こそ抑ふる袖の下になりぬれ今朝までも斯る思はなき物を哀あやしき我が涙かな一唱唱つつ佛佛の御名は朝日にてやがて消行く一年の露戀"佛名胃恨戀〓絶戀n稀稀#顯戀〓〓〓〓〓〓〓〓お過戀〓待戀需契戀"新戀#尋戀席見〓〓戀〓忍戀n初戀左左左左左左左左左左左左左左左有顯顯有季定顯定顯女兼有定女女家昭昭家經家昭家昭房宗家家房房0旅まくら夜はの哀れも百はがき鴫立つ野べの曉の空かわきてなど庵もる袖の萎る覽稻葉に限る秋の風かは1個もさは如何はすべき身のうさを思果れど秋の夕暮廿日にそへて秋の涼しさ傳ふ哉時雨はまだし夕暮の雨靡き行く尾花が末に浪こえて眞野の野分に續く濱風11移植ゑし萩が籬の荒行くをまことの野べになす鶉哉山の端に殘れる雲の絕間より鳥羽田の面に通ふ稻妻七夕は雲の上より雲の上に心をかけて嬉しかるらむ秋淺き日影に夏は殘れども暮るゝまがきは〓の上風「茂りあふ靑き紅葉の夕涼み暑さは蟬の聲にゆづりぬこれもやと人里とほき片山に夕立すごす杉のむら立ルののがが同岡しめて住む宿をもてなす物は夕顏の花外まぐれならす扇の風にこそかつ〓〓秋は立始けれ夏衣ひとへなれども中々に暑さぞまさる裏と成ける夏の夜の數にも入れじ郭公聞かぬさきにぞ明る東雲貳質〓秋雨野分鶉m稻妻残り秋盛四夕顏扇鴫〓乞巧奠■殘暑蟬夏夏〓夏夜左左左左左左左左左左左左左左左定定女定定有兼女女定顯顯定兼後京極家家房家家家宗房房家昭宗昭家
ー三ー四若水をたが板井にか汲初て今朝年波の立を見るらむ七本山深み怪しく霞む梢かな我が通路に春やきぬらむ七拾玉集卷第四chf音羽山今朝の霞をかき分けて心ぞかよふ白河の關六年 年へへ春春立立添ふ朝霞幾よの冬を隔てきぬらむ九メニト野の花の盛を思ひやる心は空に幾かすみしつエル梅梅香が己を己が匂になしはてゝロルド花はまだし心は空に淺みどり春めく頃の白川の里ニ〓テききささき旦の原は草立て春雨はれぬ岡のべの里ニー武蔵野に春の氣色も知られ見垣ねに芽ぐむ草の緣にしたった川柳のまゆに見ゆるかな芳野の山の花の俤五四三北京を鹿なく秋の有明の哀まで霞にこむる春の夜の月ル中中中に花咲かずともありぬべし芳野の山の春の曙九ヒル空空海も一つに霞む波路哉海士の釣舟歸る雁がね八七右一首校本在之十五首之外也春十五首詠百首和歌左南海漁父垣ねを傳ふ春の山風右北山樵客しほたるゝ袖に哀の深きより心にうかぶ海士の釣舟立宿宿一夜計りの契だにさて長らふる人もある世を〓人人わきて待つらむ妻よりも哀は深き浪の上かな覚し人の舟の昔をおもふにも恨はふかき泪なりけり〓〓の男よ思は我もこりぬべし己苦しき爪木ならねA 『寄商人戀寄寄夫戀〓海海人戀寄佛儡戀〓寄遊女戀左左左左左兼有兼有兼宗=宗家宗家ニ東路の夜はのねざめを語らなむ都の山にかゝる月影ca匂匂來梢梢がりをなさけにて主は遠き宿の梅がえ聖雲づる宿の軒ばの夕ながめ戀より餘る雨の音かは心あらば吹かずもあらなむ宵々に人待宿の庭の松風四三してるしはる夜はの煙の雲とならば君が宿にはわきて時雨む「愚にも思ひやるかな君ももし獨や今夜月を見るらむた遙なるいく草枕結びてかその下紐のとけむとすらむ但くらべこし振分髪も其かみもつひの思や尙通ひけむ七戀初めし心の色につむ年は我が黑髪に顯はれにけり見せばやな夜床に積る塵をのみ有まし〓とに拂氣色を五四曙ば良りり忍忍べども今日をばいです春の夕ぐれかたぶかぬいもが心の日影かな中空にのみ物思して三寄煙戀〓寄雨戀〓〓風風〓寄雲戀〓寄月戀"旅旅近戀"遠戀ガ幼〓老戀a夜戀タ變書戀いざ命おもひは夜はにつきはてぬ夕も待たじ秋の曙朝戀一曉の淚やせめてたぐふらむ袖におちくる鐘の音かな〓〓戀〓一戀ひそめし心はいつぞいそのかみ都の奥の夕暮の空"舊戀左左左左左左左左左左左左左左左左定女女兼定定季女季兼女定季定定有家房房宗家家經房經宗房家經家家家セートの夏の窓の窓は水鷄に任てむ叩くとすれば明くる東雲なん曇曇る夜の月に譬へむ郭公鳴かではれぬる梅雨の空エムト故〓の軒の軒のたち花雨なれて寂しくかをる夕暮の空四十菖蒲葺忍の軒を拂ふなよ宿に生ひたる草の名ぞかし三〓卵花の靑葉の上に風見えてニチャくな野くれ山くれ[尋見む春は吾妻へ歸るとぞ聞一番花の色はむぐらが庭に移ろひて心に殘る故郷の春〇〓花は散りぬ春の鶯こゑ深く一むら竹に霞かゝれり四三わー秋の野の蟲の聲社弱るなれうら枯にたる萩に時雨て一番のののののくのりくのり行く限哉ニキト風風音〓島羽田の面に先ちぬ淀の渡りに秋やきぬ魔ニキル夏深きみねの松がえ風こえて月かげ凉し有明の山音手に掬ぶhe夏夏けて尙尋ぬれば郭公老曾の杜の下に鳴くなりなん賤賤のをが更行く闇の門凉好もしからぬMI夕夕立の烈しかりつる名殘哉晴行く野べに殘る雨水50 秋を秋と思知りぬる心より深く成行く身の愁かな九七九葉粟津のの花花が下に吹きこめて風は波こす山颪哉ㅍ小資深草は秋は由なき栖かな鶉の床にそでならしつる禁人わかぬ荻の上風吹きぬ也山かげならす秋の夕暮風やあらぬ月もやあらぬ物思ふ我身一つの秋の夕暮圖。〓秋の歸る道はいづくぞ立田山紅葉散り行く梢也けり〓 其も猶けふこそ= p 紅葉のはるゝ梢に風消えて鹿聲すさむ秋の暮かなニート雨灑ぐその雲ながらこめてけり柞の杜の霧の夕暮五日。「月月秋秋と思ひふりにし空乍ら今更科に驚かれぬる三〇 梢ままきききたたの音の誘ひ來てセン族の音もまねく尾花も松風も一つ哀の傳ふ也けり九七大冬十首秋十五首夏十首露すむ庭のませの夕暮衣うつなり庭の松風主の身にはしめ心より吹秋の初風音羽の瀧に夏寂て凉しくなりぬ杜の下風苔に波こす玉川のさと團居也けり〇よぬる人の夢は幾度覺めぬらむ返すかひなきさよ衣哉ね如如にせむ繪にかく妹にあらねども誠少き人心かな〓聞かじ唯つれなき人の琴の音に厭ず通ふ松の風をば蠶ふかきあはれを思へきり〓〓す枕の下の秋の夕暮-戀侘びぬむなしき床のさ席に幾夜幾度ご覺らむ終終よそに聞きつる笛の音の片しく袖に移りぬる哉11暮れかゝる裾野の露に鹿鳴て人待つ袖に泪そふなり懸思ぬぬる夜はの袂に風ふけて泪の川に千鳥鳴くなり三人人ふふ宿宿の櫻に風吹けば花も泪になりにけるかな眺めする心のねより生初めて軒の葱は茂るなるべしエ今も尙長柄の橋は造てむつれなき戀は跡だにもなし12人人ふふ我我が眺よと思ひけり須磨の關やの有明の月メル涙川逢瀨も知らぬ澪標たけこす程になりにけるかな渡渡海浪浪のあなたに人はすむ心あらなむ風の通路大四〓〓席戀寄衣戀寄繪戀〓〓吉野山戀の餘りに思入りぬ中々さらば人やとふとて藻鹽やく浦の煙を風に見てなびかぬ人の心をぞ思ふ〓寄笛戀寄蟲戀n寄獸戀寄鳥戀〓寄木戀〓寄草戀寄琴戀寄橋戀寄關戀n河河戀寄海戀寄松戀左左左左左左左左左左左左左左左兼有顯有有季女有兼定有女顯定季宗家昭家家經房家宗家家房昭家經
ng時雨くる雲の氣色を眺むれば心も散で物の寂しさねやや時雨物思ふ袖の微せば木葉の後に何を染まし九お初瀨山霜に答ふる鐘の音をもろくも誘ふ風の音哉一〓庭の松籬の竹を曇にて風に月すむ夜はのさやけさ月も出ぬ浦風通ふ高砂の松に答へて千鳥鳴くなりニー今今見れば雪も津守の浦なれや濱松が枝の波に包まで三四岡の秋月影冴しよはかとて尾上の雪に鹿や鳴らむエムふふる雪にかもの河原を見渡せば糺の竹も下折に鳬ヘルト珍千き千年の春の徵には三輪の里にも松やきる覽←一歲を送り迎ふる夢路よりかへればやがて春の曙戀十五首ルカ思寢の夢を片しく床までも猶恨めしき鐘の音かな九ーかやさりともと賴めて社は貴船川偖しも袖の濡增る覽〇三島県てばいざ洩してむ逢坂の關に鳥鳴山のゐの水一五難波潟蘆の枯葉に風通へ深き江よりぞほには出なむニーいいにせむ忍の山を越兼て歸る路には又迷ひぬる一等閑に誰が引き植ゑし篠薄秋よりのちも露深きにて噛みをたゝば驚く程の袂哉信太の森の露のあけぼのニート氣氣せせささ非ぬ樣に云做つ散なばいかに我言葉よ표たる徒徒心にかなか泪哉待ちとる袖をしぼり侘びつゝにててるる〓れが心の難面さを思へば人の恨むべきかは今は唯空だのめにもこりねとや待かね山の峯の椎柴九玉玉の跡だになしと詠めつる夕の空に膓鳴き渡る〇三變といふ心はよもに通へ共一筋に社身をば戀なれ一一種我袖を猶も時雨に濡せとや詠むる軒にまがふ叢雲三一今今とはへば駒も心やすみぬ覽詠めて歸る有明の月三一人人ふふ心あるべき我が身哉淚をつゝめ墨染の袖第十六甘在之一首多霧旅十首晴雨はれぬ旅のやかたに日數經て都戀しき浮雲の空エルトル楫まくら夢路はかなく驚けばふけひの浦の暁の空ㅍメート都都とと思立つよりこゆるぎの急ぐ信歸りこば重なる山の嶺毎にとまる心を栞にはせむ八モニ詠めつる空行く月の行末に思も出でようつの山寺ニャ都都ふふ〓だに見えぬ浮寢哉幾夜になりぬ苦の下臥九0mm草草淚かきあへぬ寢覺哉鴫の羽音に夢をのこして一個何ななく思ひ續けて眺むれば哀に曇る旅の空かな一一見見し人の情は立ちかへり心に宿る靑はかの里講通ひ馴てあづまも近し足柄の關路遙に思ひしか共三山家十首曜山里に獨詠めて思ふかな世に住む人の心づよさをm物にふれて情ぞ多き山里は心有てぞ住むべかりける四加田にに來來る人の言ぐさは此の住ひこそ美しけれ四国三吉野のまき立山に宿占て思ひし〓とぞ斯る住ひは七〓〓堪へ忍ぶ人やなからむ山里は物の哀の栖なりけり八賀置此もは、ともむ住ふらむ都にかへる大原の里九〓エ〓あありて花の盛に訪ふ人は風にぞかるゝ春の山里一五特ひとり聞く秋にさきだつ松風に蜩鳴きぬ夏の山里ニト小小原原にに鳴鳴野べの色を垣ねにぞ見る秋の山里三円朝夕に柴折りくぶる煙さへなほぞ寂しき冬の山里三述懷十五首五五君君聞も是け是ぞ懷を述ぶる〓と法を弘めて人を助けむ五百を風で御山に吹せまし葛の裏葉の返す〓〓も五本社哀にも袖社ぬるれ手に掬ぶ御法の水の末を思ふに七重徒に過ぎにし〓とや歎かれむ受け難き身の夕暮の空〓〓〓日〓〓日見し人はいかにと驚けど猶長きよの夢ぞ有ける八なん押返し思知る哉世の中に長ふるこそ憂身なりけれ九〇位位峰峰峰ははくぬ猶こえずとも立歸りなむ一本に一方に思取りにし心には尙背かるゝ身をいかにせむニキム世世ふ思の攻て餘るよに睡ろまれぬる夢の有明ニチ何故に此世を深く厭ふぞと人の問へかし易く答へむ크味噌いかにして今迄世には有明のつきせぬ物を厭ふ心は四な都都はは鳥も今はのほどぞかしいざ鶯の古巢たづねむ七暮暮かねつ憂身の末を思ふ空に猶鶯と鳥の鳴くなる花雲ははな花は雲とぞ今日過ぎぬ高ね遙けし春の夕暮眺めやる雲の梢に風ふけて花咲きまさる小初瀨の山112花花け〓春風いとふ木のもとに雲さ八へ靡く櫻狩かな〓春はけふ今幾日かは殘るらむ花見るとては庭を詠て尋ねべき跡こそなけれ吉野山花よりおくに峰の白雲郭公ひとり聞く心の底を知らせばやつひにと思ふ山郭公郭公頃く月に過ぎぬなりこゑより西に聲をのみして住みけりな思ひも入らぬ夏山の梢知らする郭公かな有明の月待つとてや郭公夜深き空に鳴きて過ぐらむ2部公もりの梢の見わたしに中やどしむる杜の一むら"浮世ゆゑ晴れぬ思や雲ならぬ心にやどる五月雨の空五月雨夏草も深くぞ春に歸りぬる五月雨越る眞野の入江は山山ははし違へたる住ひなれば心ぞはるゝ梅雨の比中々に秋は曇りぬ月影にならべつべきは五月雨の空山山の雪には跡も厭はれき問へかし人の五月雨の比月詠詠めつる心もすまで入ぬれば月より外の月をまつ哉思入らぬ人には露やおかざらむ我袖にのみ宿る月影Nはつせ山月の光にあまり行く心をせむる鐘の音かな浦風に波の帆かくる月の舟今宵あかしや泊なるらむ。待つ人の心の鳥や鳴きぬらむ雲に宿かる月を詠めて(羅熱股)。秋のよにあかで暮れ行く夕暮に風心ある荻の上かな。一種植し元の野べにぞ歸行く荒れて嬉しきませの內哉三〇三むのむむ薄たれかうゑしあるじ戀しき蟲の聲哉野べ占る籬は野べの內なれば霧の比方に花を見る哉六 いか計嬉かりなむきねが鈴の振捨て行道をせかずば표替代たのむ七の社のゆふ襷かけても六の道に返すな六立ち返る昔の秋をうれしとや神も三笠の山のはの月六百番左〓和和浦浦契契深深深藻草沈まむよゝを捨じとぞ思ふ六吉島山河の流に契るうたかたは幾代をふとも何か沈まむ六森八十六番述懷よ神威や御裳灌川のそのかみに契りしとの末を違ふな有酒呑神風まで思ひつゞくる淚より心にしげる伊勢の濱〓ひとり目による夫和歌者非鼓鼓鼓掉之歌-非我薪採芝之歌只遊=心四序放思於萬里之業也而今南海有一漁夫北山有一樵客居雖隔ニ山海契猶倚芝蘭因玆隨ノ分綴百番之篇什其終得一首之贈答左依風波月浦之冷表以心有之眇焉右依松嶺竹溪之寂抽以意根之森然是則內仰住吉之靈隱外慣=人丸之遺塵之故也若有披閱之客宜決優劣之詞而已建久五年仲秋記之詠百首和歌北山樵客立春〓いかにせむ年のこなたに年暮れて春より宵に春の曙吉野山初春風の今朝はまづ櫻が枝をいかゞとふらむ三つみとり春は霞にたつ田山よはにや年も獨行くらむ末のの年なみこゆる山の端のかすめばやがて春の曙衰にも春の憂身のよそ乍ら老の波より年は越えにき鶯〓〓ののぼぼのかけて鳴くなべに梅と竹とに春風ぞ吹く鶯の谷よりいづる羽おとにや筧の氷とけはじむらむ〓卵の花を出し山路の雪と見て歸り煩ふうぐひすの聲
10鹿も蟲も暮て哀とそふ野べに萩こそよるの錦也けれお訪ふ人に峯の紅葉の紅をおろして見せば窶れ社せめ紅葉よ。思ふ哉紅葉散敷く庭のなど我が獨居の山田間にしも00大井川波の外なる紅葉ばやたゞ見殘せる錦なるらむ加ののななに鳴きしも忘られぬ紅葉の下にさを鹿の聲〓秋も暮て紅葉も散りぬ山里にとまるは物の哀也けり雪一槇の屋に今は木の葉の音絕えて雪に成行く山颪の風春近き己が村芝ふりとぢて雪より下に雉子鳴くなり外山には時雨にぬるゝ捲り手の峯には雪を拂侘ぶ覽暮れて猶跡なき雪に分侘びぬ野寺の鐘よ音は孰くぞふりりきて晝こそ夜に返りぬれ千里の雪に出る月影歲暮キ年の明て浮世の夢の醒べくば暮る共闇を歎かざらまし今日ぞ思ふ年は我身に止る物を春秋とてもげに別かは〓今夜より春の門松立隱せ積ればつらき年にちかはむ年年暮暮暮〓もふけぬ山のはに隱れな果そ有明の月○身にとまる年をも人は送りけり顯はれぬべし法の理初戀戀やせしながめは同じ詠にて昨日にかはる夕暮の空我が戀は心づくしに行く舟のけふ漕ぎ初むる淀の曉三君が宿の荻の上葉のいかならむ今日吹初る戀の初風詠つる月は板間にもりそめて心の宿ぞ荒れ初めぬる有るかなきか心の末ぞ哀なる二日の月に雲の懸れる忍戀今暫し我戀路にもかくしてむ尙厭はれぬ末も耻かし七いかにせむ人めに懸る戀草の蒔てし種は作る世もなき御法こそ忍中にも嬉しけれなむあみだ佛もて隱しつゝださを鹿の夏野の草に隱ろへてまだ聲立ぬ戀もする哉〓獨だに包むけしきを恨みせば互に物は思はざらまし初逢戀ニ命をば逢ふにかへむと誓ひてき頓て今夜や別なる覽一慰めし日頃の夢もうとからず重ぬる袖や猶返さまし今宵猶心騒ぎぞせられつる賴めぬをこそ待ちし習に〓見し夢のやがて眞に成ぬれば長らへ行む末も賴もし一嬉しさを今夜つゝまむ賴めとや袖は泪に朽殘るらむ後朝戀た獨のみぬれし袂も乾き敢ず重ねて袖を今朝絞りつゝ思べし定なき世はありぬとて歸る習ひも嬉しかり鳬〓歸るさの月ぞ悲しき睡まで頓て有明を詠めしよりもた今朝ぞ思ふ歸る別の程を知で待ける宵の身社つらけれco現現そそ今朝は中々かなしけれ歸る恨は夢にまさりき逢不逢戀一更にまた越えて歸らぬ逢坂や人の思の關となるらむ二暫しこそ忘れ形見の移香も夜頃になれば遠ざかる覽契あれば又めぐりけり月影を宿すにつけて袖の白露幻の慰めだにも有りなまし別れの野べの別なりせば10我が戀は庭の村萩うら枯れて人をも身をも秋の夕暮祝加君が代を松の綠に眺むれば梢にかすむ行く末のそら45はま椿幾たび色を改めてなほ君が代の春を待つらむ鷲の山もとの命をあらはして爭ふ程の君が御代かな加えが代の久しき言の音に通ひ千代調ぶなり庭の松風az君が代は〓見が關にちり閉て富士の高ねに波越る迄旅「覺めて思へ旅ねの床に見る夢は都の宿の現なりけり一明けぬるか波の上なる橫雲は山のはよりも立增り見三十東路やいくへ都を隔つらむかさなる山のみねの白雲呼うつの山契りし月も出でぬれば昔に越て哀をぞ知る1月1ともぬはの草の枕のうたゝねは夢ぞ傾く有明のそら述懷四第卷集玉拾豆此世くるし今は昔吹返す体む程こそ山おろしの風「鈴鹿川浮世の波に袖ぬれて振捨てぬべき我身也けりハ打打し思ひ定むる恨かななどかゝる世に生れ逢けむな淺きと摩訶退こゝろぞ起りぬる眞俗一諦末のよの春九〇人人知知らじ誠の道を思ふとて誠の道をよそに見るとは神祇一御裳濯や五十瀨川なみ立ちかくれ神風おつる春の曙世中よ言葉に出てば石〓水心の底にすむをたのみて意きや賀茂の川なみ忽にかわきし袖にかけむ物とは押なべて日吉の影は曇らぬに涙あやしき昨日今日哉k片そぎの行合はぬまも荒ぬべし此世な捨そ住吉の神釋〓佛部今は上に光も有じ望月とかぎるになれば一きはの空蓮花部詠められ同じ聖のめぐりゐるきりしの蓮胸に開きて寶部かかれぞかし三十の上に二そへて寶の中に寶をぞ見る金剛部賴もしな浮世の中のやぶれ屋に獨くだけぬ法の里人羯磨部〓〓如何にして我悟らまし諸人の御法の庭を飾る氣色を一奮の矢を高間の弓に差はげて顯密の的に引外しつる俊成入道見此百首奧和尚たのむ高間の弓を放ちける手もとに響く密箭の音承久三年十二月擬作三人人らら月月ししもも厭まし寝待の宵の山のはの空詠百首和歌春十五首今日不知誰計會、春風春水一時來志賀の浦や解る氷の春風に今朝を今日とはいつか告劔春風先發苑中花、櫻杏桃李次第開一を春てへ咲花く〓の春風に咲く櫻あれば散る梅の花白片落梅浮 洲水〓を潜る谷の小川に春ぞかし垣ぬの梅の散ける物を黃梢新柳出城牆〓春の宿のつのく垣ねを見渡せば梢にさらす靑柳の糸春來無伴閑遊少淺淺春のながめも宿さびて狗くれぬる山の端のそら鶯聲誘引來花下七かううかへし鶯誘ふ身とならむ今宵は花の下に宿りて逐處花皆好、隨年號自衰春をへてまどなる花の色ぞこき我元結の霜は消ねど遙見人家花便入、不論貴賤與親疎花を宿の主と賴む春なれば見に來る友を嫌ふ物かは花下忘歸因美景春の山に霞の袖を片敷きて幾日になりぬ花の下ぶし落花不語空解樹、流水無心自入池花だにも心者やいかならむ庭に立つ波春の木のもと花落城中地、春深江上天夕霞深くなり行く住の江の都の花をおもひやるかな背燈其憐深夜月、踏花同惜少年春有明のつきに背くる灯の影にうつろふ花を見るかな歲時春日少、世界苦人多暮れて行く春は霞の色ながら怪しく濡るゝ人の袖哉留春春不留、春歸人寂寞惜めどもとまらぬ今日は吉野山梢にひとり殘る春風厭風風不定、風起花蕭索山櫻風になりゆく梢より絕え〓〓おつる瀧のしら糸夏十首微風吹袂衣、不寒復不熱夏の風に成行けふの衣手の身にしまぬ色ぞ身には染ける
殘鶯素思盡、新葉陰涼多鶯は夏のはつ音をそめかへてしげき梢に歸る頃かな盧橋子低山雨重一香をとめて昔をしのぶ袖なれやはな橋にすがる山水池晩運芳謝、窓秋竹意深嵐にほふ池の蓮に夏たけて夕ぐれ竹の色ぞすゞしき風生竹夜窓間臥、月照松時臺上行一松風に竹の葉におく露落ちて片敷く袖に月を見る哉靑苔地上消殘雨、綠〓陰前遂晩涼苦の上にはれ行く雨の岩陰に風こそ過ぐれ夕暮の空可是禪房無熱到、但能心靜即身凉心心をやみ法の水にあらふらむ獨凉しき松の戶ざしに暑月貧家何所有、客來唯贈北窓風夏をとふ人や哀れに來ても見む空しく拂ふ窓の北風蕭颯風雨天、蟬聲暮啾々異織あやしくにふる夕立にぬれ〓〓晴るゝ蟬の聲哉夏臥北窓風、枕席如凉秋小小夜ふけて窓をしあくる轉寢の枕凉しき庭の松かぜ秋十五首夜來風雨後、秋氣颯然新山のはに雨そぼ降て風ぞ行く是より秋の色や見ゆ覽九團扇先辭手、生衣不着身∞。衣衣扇は袖のよそながらうら珍らしき風を待つかな大底四時心惣苦、就中斷膓是秋天。あだに思ふ愁へは秋の空ながら雲に心や廢き行らむ八月九月正長夜、千聲萬聲無三丁時。一槌の音よいくらになりぬ衣うつ長月の夜の有明の空相思夕上松臺立、養思蟬聲滿耳秋二0番よる松風にこゑわびて明くるより又ひぐらしの聲遲々鐘鼓初長夜、耿々星河欲曙天鐘の音を寢覺めて聞や秋ならむ袖にま近き天の河波殘影燈閉〓、斜光月穿屬10秋の夜はかべに灯消えやらで共に傾く月ぞかなしき黃茅岡頭秋日晩、苦竹嶺下寒月低お宿しむるかた岡山のあさぢ原露に傾く月を見るかな月隱雲樹外、螢飛廊宇間や秋雨雨雨月さへ曇る軒ばより星ともいはじ釜なる覽礙日暮山靑簇々、浸天秋水白茫々no秋の水は秋の空にぞなりにける白き波間に映る山影寒鴉飛急覺秋盡、隣鷄鳴遲知夜永加如何にせむよはに待るゝ鳥の音を急がぬ秋と思ましかば前頭更有蕭條物、老菊衰蘭雨三聚〓〓の霜に移ろひ行くは蘭きて見る人も枯がれにして不堪紅葉靑苦地、又是涼風暮雨天一宿ぞいづれ空のけしきに苔むして秋暮方の松風の聲葉聲落如雨、月色白似雪〓〓夜夜月に霜おく槇のやに降るか木葉も袖ぬらすらむ萬物秋霜能懷色秋の色を冬の物にはなさじとて今日より先に霜の置ける冬十首十月江南天氣好、可憐冬景似春花『今日を冬と却て告る春の色はいかなる江より思初劔寒流帶月澄如鏡1月故ぞ月は管鏡と成にける木の葉隱れを拂ふ波間に策々窓戶前、又聞新雪下〓棋の戶を押明け方の空さえて庭白妙に雪ふりにけり爐火欲消燈欲ノ盡、夜長相對百憂生消えぬるかほのめく夜はの灯にたえぬ思は鳴の羽掻唯有數聚菊、新開籬落間白白の霜に移ろふませの内に今は今年の花も思はず南窓背燈坐、風霞晴紛々な思ひやれ風は霰の音散りて篠引きむすぶいほの燈火寂寞深村夜、殘雁雪中聲〓岡のべの杉の木のまに雪深み跡なき雁の雲に殘れる望春春未到、可在海門東一道のくや春まつ島の浦霞しばし勿來の關路にぞ見る雪盡終南又欲春一嶺續き春に先だつ春の色や消せぬ雪を空にけつらむ香火一爐燈一盞、白頭夜禮佛名經〓つもり行く頭の雪も消えやせむ三世の佛を拜む光に戀五首夜深方獨臥、誰爲拂牀塵見せばやな塵も拂はぬ枕より夢のたえぬる片敷の袖夕殿螢飛思消然、孤燈挑盡未能眠君故にうちも寢ぬ夜の床の上に思を見する夏蟲の影行宮見月傷心色いいにせむ慰むやとて見る月の頓て涙に曇べしやは夜雨聞猿斷膓聲木の本の雨に鳴なる猴よりも我袖の上の露ぞ悲しき舊枕古衾誰與共いかにせむ重ねし袖を片敷きて涙にうくは枕也けり由家五首從今便是家山月、試問〓光知不知秋の月は曇なければ知りぬらむ我が住庵の行末の空始知天造空閑境、不爲忙人留貴人〓思ずよ我のみぞ住む山里に世を行く人も立止れとは蘭有花時錦帳下、盧山雨夜草庵中〓草の庵の雨に袂をぬらすかな心より出し都こひしも人間榮耀因綠淺、林下幽閑氣味深三山陰や秋の木のもと色深み淺くも花を思ひけるかな何時辭塵網、此地來掩開いいよよかかべべき山の庵ならむかつ〓〓止る我心哉舊里時間就五首前庭後苑傷心中、只是春風秋月知四ありし世の宿の氣色をとふ物は秋の夜の月庭の松風蒼苦黄葉地、日暮旋風多紅葉ばを夕行く風に任すれば苔むす庭は打時雨つゝ挿柳作高林、種桃成老樹引植ゑし木々の梢に年たけて宿も主も老いにける哉閑日一思舊、舊遊如目前なながめわぶる軒の葱に露おちて昔をかへす夕暮の空黃壤誰知我、白頭獨憶君、唯將老年涙、一灑故人文〓かきとむる昔の人の言の葉を老の涙にそめて見る哉閑居十首但有雙松當砌下、更無一事到心中ニ庭庭松松ののならで心の宿をとふ物ぞなき山林太寂寞、朝鬪苦喧煩、唯茲群同門、囂靜得中間0いいくくももやや行かず成ぬらむ只我宿を我宿にして偶得幽閑境、遂忘塵俗心、始知眞隱者、不必必在山林一柴の庵に住みえて後ぞ思知るいづくも同じ夕暮の空更無俗物當人眼、但有ヨ泉聲洗我心二〓しし嬉しくも詠むる空はむなしくて心を洗ふ山の井の水盡日座復臥、不離一室中、中心本無繫、亦與出門同55獨獨みみののざざしに明暮て蔦はふ松をよそに見る哉外順世間比、內脫途中緣、進不厭朝市、退不戀人寰身の外に我身ありとや人は見む心になきは心也けり深閉竹間扉、靜掃松下地、獨嘯晩風前、何人知此意夕されの詠めを人や知らざらむ竹の編戶に庭の松風
頽然我堵容、蘿蕙爲巾帶、自得此道來、身窮若の帶に秋の山本夕まぐれなか〓〓今は物も思はず四心甚泰身閑仍當貴、富貴在此中、何必心足即爲富居高位谷かげや心の匂袖にみちぬ高ねの花の色もよしなし看雪尋花翫風月、洛陽城裏七年閑思ふべしすみかや心花と月と都に見ても七年は經ぬ述懷十首置心世事外、無憂必無喜カ移らじと思ひし〓とのうせ行くや此世の外の心なる覽欲留年少得富貴、富貴不來年少去ai心心ははいいゞゞか代の松計りにや年のつもらむ春去有來日、我老無少時ユ濱ゆふや年を重ぬるみ熊野の恨は老の殘りなりけり我有一言君記取、世間自取苦人多一取てもつ我言の葉を手向れば神も哀と照さゞらめや從導人生都是夢、夢中歡笑亦勝愁三現にもあるか心の有顏に夢に夢みる身とは知らずや生死尙復愁、其餘安足導導p消消るるききぬぬもも又身をなして富士の煙か春の曙身心一无繋、浩々如虛舟11渡渡海海に繋がぬ舟の鳥隱れ吹くともいはじ沖つ汐風委形老少外、忘懷死生間短思解くに形なければ心なし人てふ名をも汚しつる哉我若未忘世、雖閑心亦忙、世若未忘我、雖退身難藏、我今異於是、身世交相忘一世をもふふ又浮世にも厭れて止る心のなきぞ嬉しき人生无幾何、必寄天地間、心有千載憂、身無一日閑〓眺むれば天つみ空に風たちてたゞ何事も夕暮のそら身窮無常十首〓我がたぐひ今は渚に行く舟の又別るゝに潮垂にけり親愛自零落、存者仍別離近者不重廻、存者難久留六此世には二たびあはぬ別路に留る人のなきぞ悲しき往事眇茫都似夢、舊遊零落半歸泉一思出づる昔は夢の轉寢に友なき袖のぬれぬ口ぞなき秋風滿袂淚、泉下故人多わたり川ふかくも思ふ夕ぐれの袖の涙に秋風ぞ吹く原上新墳委一身、城中舊宅有何人菩の下に空しく朽ちむ心にも戀ふ故〓に誰忍ぶらむ生去死來都是幻、幻人哀樂繫何情生き死ぬるならひはすべて幻の花見る宿に山颪の風早世身如風裏燈、暮年髮作鏡中絲エ燈燈火火に風こそ渡れ增鏡空しき影の身を如何にせむ幻世春來夢、浮世水上遍ととかかにに世世を春の夢ぞとも水の哀に思知れとや耳裏數聞故人死、眼前唯覺少年多見るも聞も淺茅に縋る夕露にあな儚なやと嵐吹く也古墓何代人、不知姓與名、化作道傍土、年々春草生xれ埋名をだに聞かぬ苦の上に幾度草の生ひ變る覽法門五首追想當時事、何殊昨夜中ハ自我學心法、萬緣成一空野も山も皆大空に成にけり如何なる道に心行くらむ廻念發弘願、願此現在身、但受過去報、不待ニ將來因〓〓〓ばばととぶぶ契の行方かな過ぎにし方を思解くにも誓以知惠水、永洗煩惱塵一語べき御法の水のかひもあらば迷ふ塵をもすゝがざらめや六 四四四第拳集玉拾由季生老死三病長相隨、除却无生忍人間无藥治悟り行く聖の位それならで三つの病を誰かのぞまむ七此身何足戀、萬刧煩惱根、此身何足厭、一聚虛空座身を寄て戀ひじ厭はじ花櫻浮寢よりこそ思初めけれ四七唐國や詞の風の吹來れば寄せてぞ返すわかの浦波樂天者文殊之化身矣當和彼漢字和歌者神國之風俗也須述此早懷因玆忽翫百句之玉章愁綴百首之拙什法樂是北野社所願彼南無之誠定飜今生世俗文字之業爲當來讃佛法輪之緣者歟述顯之一往再往以詠密之淺略深秘旨和歌百首慮法樂于日吉覺二世於一時而巳老僧표七だの山有明の月は廻り來て我が立つ柚の麓にぞすむ普聞く三輪のひばらに春霞たなびく末はひえの山本一七七七色地社見ゆれ君を祈る春の日吉の山のかひよりNささとととととすす日吉を賴む哉曇らず思ふ心ばかりに蓑にも六十は春を迎へきぬおくらむ年の數ぞ悲しき〓思はざりき命ながらの山と又度々法の花を見むとは一八吉野山そもむつまじき詠かな花まつ峯にかゝる白雲二八雲もなしいざよふ空を松風の吹から出る山のはの月ニー春の花を折知らぬなや止るらむ歸るは雁の習なれ共=ややふふけて聲する雁の翅より吹捨てゝ行く荻の上風音羽山深き霞を分け入ればおほつの宮に春の花ぞの明明ぬるか横雲うづむ朝霧を拂ひもやらぬ松風の聲春のなみ打出の濱のはま風の花吹く山を志賀の山越〓櫻がり雨はふりこで雪ぞ散る花見る空は霞なりけり〓散積る庭の紅葉に霜さえてあかきは月の光なりけり八春深き野路立ちこむる夕霞つゝみ殘せる鐘の音かな「月の前に時雨過ぎぬる天雲を拂ふならひは秋の山風芳野山春吹く風を花と見て秋待露の身のはかなさよタまぐれ鴨立つ澤の忘水思ひいづとも袖ぞぬれなむ深草の里に鶉の夕まぐれふさで果べき秋のよはかはなな〓〓〓空空思思きにける何事もなき秋の夕暮簑なり門もなき庵のませの內にこぬ人まねく薄一本〓迷迷にに葉の何としてあられぬ世にも尙あくる覧五五百雨に山事公こゑぬれて軒の菖蒲の色になくなり木枯の雲さへ拂ふ冬の夜も風より月の出でける物を。聞く人も老曾の杜のほとゝぎす名殘露けき六月の聲。年暮るよはに小指を折さして只などやらむ音社泣るれ〓とひし人も水鷄に殘す名殘哉跡深き山の槇の板戶に50秋に慕ふ我袖の上の初時雨たが住む宿に廻り行らむ。poいかにせむ人も拂はぬ夏の池の菱とも物の思取られぬ10うせやらぬ心は尙も高せ舟さしも憂身と思しかども〓〓ぬぬるか待人は來で月は出ぬねぬ夜の數や鴫の羽掻○○ののをを友と賴みて幾夜かも寢ぬは習の小初瀨の山Noあだ人の空賴めより出る月は更行く袖の露に宿りぬ00槇の戶を過ぐるも悲し入も悲し山のはの月峰の松風。楫枕寢覺にふかき朝ばらけ夢も跡なき舟をしぞ思ふ一初雁の雲に入りぬる旅の空のすゑ色深き秋風ぞ吹く〓をはり思ふ心の末の悲しきは月見る西の山のはの雲三ひひくならひはしばし夕關の深くぞ賴む有明の月世中の人の心を思ふ空ににはかに月の雲かくれ行く山路深くうき身の末を辿り行けば雲に爭ふ嶺の松風〓ににくくのの花を厭ふより世にも嵐ぞ最ど待たるゝよそへ行く思ひの風の海吹けば心のうちに立つ涙哉ルいきて尙友なき闇に迷ふ哉誰が爲月の曇らざるらむ我我奧まで我れが知べせよ我が行道は我のみぞ知るニ心ある人も嵐の吹く夜にはたゞなきことも浮雲の空一誠とも人は思はで誠なるはたゞしなばやの思也けり一何とかく背く心の深からむ此世に社は生れたる身の一知知人人の有をぞ世とは云ふ背くは人の世も有じかし我心隠さじ監督はやと思へ共見る人もなし知人もなし四第二集玉拾
我が心隱さばやとぞ思へども皆人も知る皆誰も見る身計はなきになしては過ぐれ共偖もうせぬは心也鳬厭ひはつ心の儘の身なりせばいづく栖と知人もなし一世を歎く心の中を引明て見せたらばと思人だにもがな九二嬉悲我思ふ〓とを誰に云てさはさかとだに人に知れむ人もかく生れたる身の嬉しさを徒になす我が心かな一此身をば水に映れる月影の浮ぶとや云む沈とや云む〓通通べき道は遠に有物を知らばやとだに人の思はぬ人ならば恨もすべしいかにせむ我をすかすは我心也神よいかにうしや北野の馬場ゆふ埓の外なる人の心は二欸くとよ人の心は佛だに思ひ兼てぞ捨てたまひにし我命命のい迄迄いた迄にれなば殘るとなく世をば捨てむ一也也只けふ〓〓〓思思かし知も知らぬも今幾日かは〓吹拂へ何となき塵の身におくを家を出にし山颪の風施の月を心ばかりに磨き來て我も光を見ぬぞ悲しきccllななし友は宛ら夢のよを獨殘りて見るぞかひなき一儚しや見しよの人の殘居て物語するも有ば社あらめ一神も見よ佛も照せ人知れず法の爲とて今日迄はへぬ一朝夕に袖に隱して結ぶ手の憂世の綱を解ざらめやはいかにして罪の薪を樵果て我智惡の火に燒盡さまし護摩の火の灰なき灰に種蒔つ蒔つる種は薄き物かはハ今は世も感ひすてゝし六の道に歸らじ物を五相成身ti必必よよはの煙と身をばなせ以字燒字の法の報いに〓〓めめとや昔聖の立つ柚にたえにし小野の又音のする40逢難き法に近江の山高み三度消えける身を如何せむ〓〓歸り來て見るぞ悲しき諸人の柴舟繫ぐ法のみかさを一休み來て賴む心も有なまし法の坂行く山路なりせばニュー誠深く思ひ出べき友もがなあらざらむ世の跡の情に有を厭ひ無を忍ぶは習也さて戀られば身社つらけれ〓むむよ〓へむ竹の園の中に我後の世を思ひ忘るな契置かじ契ねばとて忘べくは只忘られて報をも見むねまはりこし餘波は末も久しかれはこやの山の松の村立〓心ざし君に深くて年たけぬ又生れてもまたや祈らむ人手手にに折から神や靡くらむしでに風まく夕闇の空な參る人のまろねの跡を殘す霜は神の心にあけの玉垣○思思なな思へば袖に露深しそよ春日野のさを鹿の聲〓賴む神よいますかいかにみ山べの深き梢に猿鳴く也賴むぞよその辛崎に立つ波のたえず心にかゝる計を法法の道奧の知るべと賴む哉尋ねよりぬる心つかひを法にあひて世に有り難き悟あり心に云て人に語らじ誠には神ぞ佛の道しるべあとをたるとは何故か云ふ旋頭歌古のみ山の寺にむす苔をうちはらふにぞ昔にかへる心ちのみする混本歌せうき物と我が心をば思ひ知りぬ知るかひはなし君を久しくまもれ沓冠きみをひさしくまもれきにけらし見てしもみまく思山聖の跡もさ社住けれ折句ひえのみや人每にえて嬉しきは法の花みよの佛の宿のものとて物名はしとの〓〓秋の心習はじとのみ思ふ宿に暫しなつげそ荻の上風誹諸一月も日も爽かにこそ照すめれいとけ穢きひとの心を二人心神に違はゞまの竹の緩まむ方を矯めて見よかし長歌四五〇やま川にながるゝ水の哀れにもあさ瀨しら波立つ春は野べの景色も靑やぎのいとも長こき君が代を祈るこゝろに御垣もり物しることはあきの蟲かれ行く聲も失果てゝたのむ御法は春の池の氷とけ行く心ちしてなげくみ山に千早ぶる神もいづちか行く雁の心ちはるかに軒端なる忍ぶとすれば昔にも飽ずのみこそ鳴る神のおどろく夢のよと共に寢にける身の儚なさをゆふべの露の消がてに法のともし火挑げよとすゝむる君を仰げどもそら行く月も晴遣らぬなみだの雲をよはの風拂ふまことの道しばも老にける身に置く霜の變りのみ行く秋の色に峯のこがらし吹來れば袖のうへのみうちしぐれつゝ神よ如何に心にもあらぬ山風に又消ぬべき法の燈火百草の花と思ひてたてまつる七ます中のとをの聖にかた山寺にこもりゐてはたゞ二諦の道理より外に思ひつゞくることもなし其の道理を歌によまむと思ひけるなるべしさてしも又かやうなれば未だ日吉に百首など詠みて奉ることのなかりければにや三度治山寄心於山王數年興〓容身於〓門今生知綠深來世能引導于時建曆二年壬申秋九月草之老僧記却初在梵王刧未屬釋尊漢家者孔子我朝者神宮三國之言音雖異片州之和字攝他者歟道理之一揆在中心始終之一念釐下愚黍受一諾神之苗裔懇彰百首心於風情而已神祇月風雨曉朝野海池川田鳥松タ夜山旅戀祝山家草花杜述懷釋〓右各寄四季合百首也詠百首和歌良山老僧慈鎭神祇賴むぞよ天照神の春の日に契りし末は何かくもらむ賴むぞよ賴もしき哉春の日に契りし末の曇なければ〓年をへて卯月のいみをさして社けふに葵を契置けれ2年年へへ賴賴ばば茂茂の河波やかけて嬉しき諸葛かな神神山つみ六月のゆふ襷かけて久しき君が御代かな〓、石〓水やどして見よと誓ひける神の光や秋の夜の月日吉には冬の光をさしそへて遙にちぎる雲の上びと月昔人月やあらぬと云ひしよの涙にかすむ有明のそら夏のよの夜のまをだにも慰めよ姨捨山の山のはの月海の果は有ける物を秋の夜の月を明石の浦に詠めて我心木の葉隱れもなき物をさやかに照せ冬の夜の月冬の夜の月は梢にくまもなし庭の落葉に霜を重ねて風つれもなき人の夜枯に習へかし花に待るゝ春の山風厭はでぞ心のどかに眺めつる花ちりて後の春の山風の圓居して暑さを厭ふ夏山の木の下風にしく物ぞなき〓いつも吹く風とは風も思ふなよ荻の上葉に秋の夕暮一漠よりかつ〓〓袖に露ちりて時しもしるき秋の初風一本葉落て染べき色もなしとてや時雨の雲を返す松風雨〓柳柳の糸に玉ぬく春雨の雲になり行く夕がすみかな梅のはな霞のくもの春雨にぬれてぞにほふ夕暮の空身のうさをこまかに思ふ夕暮に袖の上迄春雨ぞふるや五月雨はみつのみまきの水越えて堤の上に淀の川舟〓秋の雨の野分になれば眞葛原恨むる風ぞ最ど烈しき所せき夏の餘波の秋の雨のはれ行く雲の末ぞ凉しき○木の葉落て梢寂しき冬の山を空しく過ぐる夕時雨哉。覺東な雪こそ冬の雨なれや時雨は秋の物ならぬかは。寒からでふり來る〓とは無物を氷る雨をや雪と云らむ曉30おぼろなる月は入りぬる峯に又花に光の有明のやまp夏の夜はまだ宵ながら明けぬとや木綿附鳥の曉の聲四第卷集玉拾四七五四119
10夢を殘す我が袖の上に露深し秋の有明の月宿れとや∞。夜もすがら幾重に成りぬふる雪に松風よわる曉の空朝。春立ておくる朝に君が代を樂しといはぬ人は有じな月をだに詠る程もなき儘に明てぞ夏はぬる夜也ける九よはの蟲の姿を見るも哀なり朝露はらふ庭の小萩に明けぬるか梢によはの雪〓とぢて聞の軒ばに雀鳴く也野春の立つ朝の原の霞より野べも山べも色づきにけり夕立に夏野の草の露重み聲まつ鹿やぬれて行くらむ東路や旅行く駒も分わびぬ刈る人なしみ野べの夏草誰にとはむ秋の野もせに置露は鹿と蟲との鳴涙かは1主やたれ霜に枯行く野べの草に雪待頃の岡のべの里お野ににくくのの本下過て群ぬる鳥もゐる空ぞなき海せほの〓〓と霞の袖の紅にくヾるは白き和歌の浦なみ〓今ぞ知る行へに迷ふ渡つ海の果なきはては霞也けりが波の上に霞を分て舟ぞ行くやゝ山風の吹にまかせて°夏の夜は短きものを天雲の波にはなれて苦の下ぶし一吹き廻る鹽やの煙あだに消えて秋風早しいせの濱荻ニ冴きぬる冬の潮風北吹きてあはの鳴門の音ぞ烈しき一冬の波に淚つゞくる浮寢かな夜寒の友は蜑の藻汐火池〓水ならぬ人の心もとけぬべし池にのどけき春の初風池にさきて濁らぬ花に打返しそむは色なき心也けり等ふりて池の蓮の花ざかりそまぬ色にもそむ心かな一池に咲く花は濁りにしまねども心よ色に深くそむ哉如何にせむ人の心にみくさゐて月は昔の廣澤のいけた多のくる池は汀に草かれて鴨こそ獨あを羽なりけれ〇衰にも鳴きてぞ通ふよはの鴦池の氷柱の隙を尋ねて一冬の池の月の氷をわかぬ夜は嬉しく鴦の水馴ぬる哉河〓春雨に綠の糸をそめかくる立田がはらのたまのを柳三一づづのをようぢに鵜河の篝舟てらす光や行末のやみ秋深き我が友舟や湊川いく田の森の木の葉なるらむ一身にぞしむ駒うち渡す諸人の山藍の袖にかもの川風〓手手苦苦しき海をよそに見てうき世を渡す淀の川舟田七春の田にゐでの苗代水ひきて蛙の聲に任せつるかなn植植て皇まだ早苗なるうれ葉より細かに騷ぐ風ぞ凉き矩早苗取り手玉もゆらに見渡せば菅の小笠の靡行らむco露露がら稻葉に續く袂かな風もろきよの庵の寢覺に一鳴子ひく賤が門田のむら雀たちゐに物を思ふ頃かなニーをしね刈山田のくろの檜原より殘る嵐の音ぞ寂しき鳥鶯は花のたもとにかくろへて人の袖まで淚かすらむ四時時なほ如何せむ行きやらで山路に暮すよはの一聲裏れにも雁の涙ぞ袖に落つる月は有明の小夜の枕に如獨聞く須磨の關屋の小夜千鳥淚の跡ぞ袖にかわかぬ松45春春れれ今一入と聞く松の色こそ千代の例なりけれup春風に打出る波のこすなべに花咲きぬらし末の松山加案の松いろはさながら夏木立風のみ獨おのが聲なりcm おのが色を宿す梢は夏の山霜より後を松とこそ見れござぞなげに住吉の松に秋の風我淚をぞ打添へて聞く一色々の木葉に交る松がえは紅葉ぬさへぞ紅葉也ける衰なりし秋の形見の庭の面を拂へばひとり庭の松風タ四夕霞そめて色こき山櫻よのまの風をあすいかにせむ五月月いざ花には飽ずいかにせむ霞こめたる春の夕暮短夏のの木の下蔭の夕涼月待ちいでばいづちかもせむ一大大にあぐりあふ口の行へかは物思ふ宿の秋の夕暮五〇六四四第卷集玉拾最どしく戀する人にむすばれて涙に濁る山の井の水八〓の葉にたまらぬ露は秋の風獨かわかぬ我が袂かな頃は秋獨ぬる夜の鐘の音をいづちかさそふ庭の松風Mさらぬだに身にしむ秋の初風に置敢ぬ露や我袖の上神神月散さぬ人の言の葉を幾入そむる時雨なるらむ祝0年をへて子日に契る松の葉の哀色こき君が御代かな一行末もつきせぬ御代も年をへて祝ふは春の初也けり長きねを君が袂に菖蒲草契る五日のいつか戀ふべき君が代の長月每に見る菊の八重の數社八千代也けれ雲上の豐の明を幾らとも限らぬ御代を見るぞ嬉しき雪の中に最ど色こき松の葉の千年を契る君が御代哉山家かわれ住まむ昔乍らの花の枝をりに近江の志賀の山里山重をとひ來る人に我もならむ孰くも花ぞ主也ける九夏山の岩井の水をむすぶ手に亂れぬ物は心なりけり鹿も鳴すまだ紅葉せぬ木の下の凉しきのみやみ山べの里○山里よ唯秋と云ふ名ばかりに眺めし色の皆變り行く。山里はふり行く儘に寂しきをあらはす物は庭の白雪。〓〓〓〓〓詠詠詠過過ぎにし山里に雪うち散りて殘る松風草co知り難き春のこ草の習かな年を積ても若菜と云らむ〓〓菰〓みつのみ牧の賤の男はほし濡て敢ぬ袖ぞ短き00夏の雨に庭のさゆりば玉散て凉しくはるゝ夕暮の空xo秋風は宵の枕の萩の葉にふけてぞいねしけさは朝露の花薄なびくにつけて招くてふ風こそ草の心なりけれ00折につけて思ぞかふる冬と云へば枯るぞ草の茂る也ける花加春の山に花は待つやと間ふ人の袖に色ある朝霞かな。よしの山夢にも花をながむれば心の奧にかゝる白雲一春の月有明の空は忘られて花に夜ふかき三吉野の山〓〓秋の山を眺る宿の槇の戶に人な入りそと月は出らむ蠶身かも嵐に早き木の葉かな心にもあらぬ夕暮の空尤夜〓春の夜の現の夢に濡し初てまだひぬ袖の色ぞ悲しき吉野山夢にも花を見る人や春は寂しと云ひ初めけむ跡ふかき彌生の夢の行末に今日はなぐさむ春の宮人夏の夜の有明の月の山のはに一こゑをしむ郭公かな夏の夜は暮ぬと云に明に鳬寢ぬか臥すかと思紛れに物思へば長き夜とても寢ぬ物をねぬとや思〓の上風冴る夜の枕に消ぬ埋火のおこすにおこる世を祈る哉六山〓かかややははのにして花に夜深き三吉野の山麓なる志賀の里にやながむらむ我が山のはの春の曙夏の山紅葉せぬ木の木葉落て萎るゝ色に道埋れけり〓〓〓〓〓〓〓〓の〓る〓の〓る〓葉つゝ夏も埋るゝ由路をぞ行く〓さを鹿の立田の山の紅葉ばや己が涙の色もなからむ〓三室山冬の山もと神さびて庭の木の葉にみねの松風旅「波に行く心の果やこれならむ春の湊の春のあけぼの見つるかな春の湊にうきねして霞にもるゝ波の初花一夏刈の葦のまろやの旅衣かへす夢路にたつ空ぞなき夏かりの草の枕は名のみしてねぬ夜の數は有明の月〓夏の野の萩の初花をりしかむ臥猪の床に枕ならべて〓急ぐ舟を爰には寄せじ播磨湯就くも月は明石なれ共〓ふる不破の關屋の板廂時雨るよはの袖もまだひず東路やみな冬がれになりはてゝ寂しき旅の草枕かな旅のそらに月見るよはの思こそ秋の心の限なりけれ戀「春の夢を正しと聞けば唐衣裏に淚をかけぬ夜ぞなきn水鷄とはかつ知り乍ら嬉しきや人待宿の習なるらむ待つ程もなき宵ながら明に見思はぬ中は夏ぞ嬉しき匹第卷集玉拾
〓我が心むかしにかへる知るべかな花橋にすぐる夕風おほしたてゝかき撫子の花盛つゆの色こき朝姿かな紅の八しはの色の深見草卯のはな垣の庭に見るかな昔すみし人の淚や露ならむ世をうぢ山の秋の花ぞの白菊ののこりも花の名なれども雪の梢や三吉野の山杜返る年を春の霞やたなびきて老曾の杜に立止るらむ〔夏社あれ常磐の森も時雨せば梢のよそに名をや殘さむか紅葉ゆく梢の色やたぐふらむ柞のもりの秋の下ぐさ°ひひの山は冬社最ど寂しけれ雪の色なる鷺の杜より一雪雪を頂く年に成ぬれば人を見るだにはづかしの森述懷〓春の日の長き眠に驚かで夢路に暮す身をいかにせむ覺めじたゞはな橘の匂ふ窓に昔戀しき夢の入りぬる夏の夜はみじかと思ふ心よりも尙思ひ敢ず明る東雲正よそならぬ心を社は短けれ夏の夜とのみ思ひける哉秋やとき身の憂事や誘ふらむ思知ればぞ世は厭しきに如何にせむ獨昔を戀ひかねて老の枕に年のくれぬる誰に問はむふればぞ雪も積けるゝは何故に消殘る身ぞ釋〓たいかにせむその望月ぞ曇りぬる鶴の林のよはの煙に〓〓嬉しくも卯月の七日あくる日や此世に佛生れ給ひし一立柚やなむあみだ佛の聲引くは西に誘ふ秋のよの月一三世の佛三千數御名を聲にたてゝ此一年の罪ぞ消ぬる一ながれくる玉の泉のかげなれや霜おく月の有明の空書より法の光をみがくかなおく霜つきの有明のころ此のおほやまとの國は天てるおほむ神の御國なれば奉るべきことわり極まれり又歌と云ひて三十一字のことぐさ出で來たるはこの國の言葉なりこれにてよろづのことを云ひあらはして昔今のことわざとせり春秋の花と月と夏冬の雨とめぐり行く空のけしきまゐり來たる野べの色あるひは深きあはれをもよほすたよりなりあるひは淺きまことを契れる中だちなればこれに寄せて道のことわりをあらはしこれを詠めて神佛のめぐみをはかるなるべしされば傳〓大師は我が立つ柚に冥加を祈り慈覺大師は月日のすぐるにて老を知らせたまふめりよりて折々此のことわざをつかうまつりしを勅撰の集に度々選び入れられたれば海山のなさけをもみねば谷のあはれをも又春の花秋のもみち葉ちるにつけて心を動かし空の月山の嵐は夏のすみか冬のねやまでも人の少なき心を催すかた多ければ思をこれに寄せて志をおほむ神に手向け奉りなむ願はくは此の淺き狂言綺語にて深き讃佛乘轉法輪の道へかへし入れ給へとなり賀茂大明神者本地難測觀眞俗之道理於心垂迹惟新訪利生之神感於冥和歌者我朝之風俗也吟詠者雅意之所作也今染二諦之色於意識忽著三業之悟於法樂狂言又狂言此聲是觀音實語此意者又神慮如此之早懷豈背于聖意故爾云詠百首和歌春二十首1春春ちて賀茂の河原の霞むより心の色も顯れにけり谷谷の戶をたゝきし冬のあらしより鶯さそふ春の初風一春と云へばけふの子日を松のえに霞の袖の懸らぬぞなき〓祝ひ初むる民の竈の朝げより年も長閑に霞たなびく加今日ぞかし薺はこべら芹摘てはや七草のお物參らむ5片片や霞みこめたる吳竹におぼつかなみの鶯の音や一梅が枝に花かとてこそ手折つれよしなや雪の袖濡す覽二階春きても見よかし人の山里にこがら群居る梅の立枝を梅が枝に櫻がえだをさしまぜて花より花につたふ鶯山櫻瀧のしら糸亂れつゝ雪かともいふ雲かとも見る四第卷集玉拾鶏照櫻谷より落ちたぎつ波も花さく字治の網代木如暮暮す花の吹雪の春の山に祭りてなせそ志賀の里人4人春風に花の錦をたちきてや我が故〓へ歸るかりがねNo花花かり歸る雁をやよぶ子鳥朧月夜に聲あかすなりカル花のえに掛て數そふ鞠の音のなづまぬ程に雨注ぐ也〇2片岡のしだり柳のうは霞繪にかく物は是かあらぬか一春の駒の月毛のをがみ白妙に花ちる野べに櫻狩せむ一田子の浦に藤咲きぬらしいそね松梢そめ行く紫の波ニー殿殿りせくやり水の岩陰に白き色こき庭やなぎかな谷かけて岩ね寂しき奧山におそく櫻を見る人やたれ夏十五首夏きても暑さまさらぬ衣手に掬ぶ影ある御手洗の水極 手 心 を か を か を か て 思 ふかな春ばかりなる我が袂かは山山ふふむつま木とるをに言問ひて人傳に聞く郭公哉〓若楓青きひとへに紅のはかまと見ゆる岩つゝじかなないざ住まむ夏の木立の木の本に芝靑み行く岡のべの里〓此頃はいせに知る人訪づれてたより色ある花柑子哉〓夏木立庭の野すちの石の上にみちて色こき深見草哉ニ野野潟雨やゝはれて露重みふくによそなる花菖蒲哉ニななよりと聞ゆる瓜を大和路や爭で持っ夫に少し許さむ梅雨の晴るればとても賴れず出遣ぬ雲は尙山のはに六夕立の雲よりいづる月影ぞかわかぬ庭に氷をぞしく夕立の露より雲や返るらむ雨をぞ招く庭のさゆりば賤のめも大道ゐづゝに夕涼みふる帷子の足洗ひして〓〓秋近き梢に蟬の聲過ぎて松風はやみ口ぐらしぞ鳴く夏はつる今日の禊の菅拔をこえてや秋の風は立らむ秋二十首二十二首存之ce身に占て手向る人のゆふしでに答へてぞ聞秋の初風「今日よりは風に色ある衣手に人の心のうらを見る哉〓夏の萩の裾野になびく匂より秋に成り行く峯の松風納殿のくるゝの妻戶押明けて今日七夕にかす物や何七秋の花の露になづまぬ濡れ色に光を添る山のはの月尾上よりさわぎぞ渡る女郞花尾花通ふか風の招くか〓土壁に窓ぬり殘す庵までもすさめず宿る秋の夜の月七七秋の月の影や孰くと訪行けば答へてすめる廣澤の池秋の雨に月の盛も忘られて〓見が關を行く空ぞなき〓〓見潟月潟月に限なき秋の夜は風こそふじの煙なりけれ秋秋云ば名をえたる夜もえぬ夜はも月に幾度月を見覽〓明石より月影おくる浦風はみなと河原の秋の松ばら末末時ぬ水まさ雲にもる月を空しく雨のよはや思はむ誰誰見見秋ふく上のうら風に月影くだく濱の眞砂を浮雲をはらふ音こそ嬉しけれ月をねまちの案の松風西西山山に月は入ぬる曉にたがあみだ佛の聲ぞ殘れるなの集かゝるほろゝの紅を哀れ楓のみにならさばや夢さむる砧のおとや秋の夜の涙にしめす衣なるらむ呉竹にいさゝか風の音づれてふくる枕に木葉ちる也風風み鶉ふす野の夕暮に梢も知らぬ木の葉をぞ見る〓涙かも秋の哀のかへるころ露のかたみやたが袖の上"秋にけふ別るゝ空に月を見ばや見ぬも中々嬉かり鳬冬十五首私考有十六首冬かけふたゞすの宮の吳竹に賀茂のみ山の山颪の風秋はいぬと日數計に知られけり俄に風の吹變るらむ梢こそ寂しけれども紅葉散て冬のきたるは錦也けり〓今は冬か覺束なやと思ふ空に槇の葉分くる初時雨哉冬のませに菊こそは咲けなつかしみ下紫の色も珍し樫の葉のもみぢぬからに散積る奧山寺の道ぞ悲しき〓〓初雪の降すさみたる雲間より拜むかひある新月の影冬の來て食むに物なき牛の子の瘦行〓里の頃の寂しさ20そそもも何何に冬の山本荒行けば村行く小鳥寂かる覧。池にすむ鴨の上毛も月冴て拂はぬ霜や夜寒なるらむ。。大原の炭を戴く賤の女ははゝきばかりや情なるらむ30いざよひに一重ふりしく庭の雪深きは月の光也けり
堅き炭を搔埋む火の消なくに霜に任せて明くる東雲10松と竹と花はまだ見ず冬の今朝氷れる雪の消遣らぬ哉三世迄の佛唱ふる野伏たち春の御まりに參る人かは黑髪に年を重ねて置霜の雪に成行く身を如何にせむ新日三首を雜三十首雙葉より心にかくる葵草かさねてすゝぐ和歌の浦風か君が代は濱の眞砂を一つづゝ千年の數に取り盡す迄9-僞の舌のさきこそ悲しけれ糺の宮はおはしまさぬ月も星もさやかに照すかひやなき此世の人の上の空言こし方を皆悟れどもかひぞなき今くる道に迷ふ心はとにかくに心につかむ言の葉は時雨に任す朱の玉垣我幾よさしも乾かぬ袂哉あるは逢はむと云し人かは1それもいさ爪に藍しむ言の葉のしいし取置く襷姿よ山里に住得て住や是ならむ其人だにもなき世也けり思思る心の綱をよもに引きて老の寢覺の亂行くかなル物の耻を思知る人はとに斯に心と身とぞ世に有難きか貧きは誰が咎なれや物を持たば人にのみ社取せたき身の〓有らせばやと思人のみ失果てあらざれかしと思人のみ一昨日今日袖を離れて散る露は昔におつる涙なりけりをり〓〓に厭ふ物から情あるは花さそふ風月に浮雲一善惡を思知る人ぞ難波潟とてもかくても世に有難き〓東路や幾度ふじの草枕むすぶ日數をかぞへわぶらむ如何にして二つの山に家ゐせむ春はみ吉野秋は姨捨た東路や毛深き馬に沓懸て我むかはぎも溺れがちなる一麻手ほすはつきの枝にゐる鵙の靜ならばや賤が庵迄何となくかよふ兎もあはれなり片岡山の庵の垣ねに思思くくののまは人き物を哀に犬の主を知るらむ〇みみより草おふ馬の口のこを見るも悲しき世の習哉一紺掻のゑ紺の淺ぎをとに乾てなによくほかや此世なる覽一一くくりりよろぼひ行てよを見れば物の理皆知られ鳬一淀大津送り迎ふる年のはて唯道心の道にぞありける擔持つさうぎの入れこ町足駄よを行道の物と社みれ誰誰らむ目をしのごひて立てる人一つ世渡る道のほとりに有有無無ああななやの例哉反古やく灰の風に吹れて七古の三のみ室ぞしのばるゝ十五大寺の跡を見るにもこれやさは高野の山に住む心關伽振る鈴の夕暮の聲加ええ山山登義や近く成ぬらむよはに冴たる問答の聲〇人人見見もも我身を見もこはいかに南無あみだ佛〓〓吾大菩薩者釋尊彌陀一如之和光神宮八幡同體之本源也以和語和經文以信心信尊神如在之禮讃法而滿足本有之法樂愛而奉行大神之擁護道理勿遠于道小量之懇念求願豈背于願於戯法華百句之要文詞花十ヶ之風月今以麁言深轉法輪雖似狂言又通實道故妙經八軸之中二十八品之內取百句爲百題其詞云詠百首和歌序品如是我聞「我聞くと傳ふる人の微りせば爭で佛の法を知らまし一部には終に成べき身にしあれば法の花をも我聞くとして合體之外出售我聞きし鷲のみ山の言の葉は鶴の林の後にこそちれ石〓水は今いふ人の言の葉のさながら浮ぶ流也けり照于東方昔をもさやかにぞ見る出る日に迎ふ光の曇なければ入於深山加芳野山奥の栖かを尋ねつゝ佛の道はこれよりぞ知る悉捨王位渕の爲と思になればすべらぎの跡をだに社あだに捨しか其後當作佛號名曰彌勒鷲の山入りゆく月の跡に又出べき御名を聞ぞ嬉しき我見燈明佛四第卷集玉拾加え火光光をさして答へずば御法の花は誰か待ち見む方便品0個個ちちたれ悟宿るかのかどなれば惑ふ我らは入り難き哉諸法實相ユ潤の國の難波のとも誠とは便りの門の道よりぞ知る止止不須說〓やめ〓〓と止めし門も終に尙こふに依てし君が言の葉禮佛面退上上ののななりけり鷲の山五千の人のさをたちしこと其御法心に入らで出にしはえぬを得たりと思人のみ五出現於世一〓そぞ野野べに咲べき蓮葉を照さむとてや山の端の月開佛知見麺に出でゝ佛の道をひく人は元の心の通るなりけり唯有一乘法ぜいづ方も殘さず行きて尋ぬとも花は御法の花計こそ如我昔所願なかつしかや涙の道にぞ渡しける昔思ひしまゝの繼橋常白哀滅相な皆より心長閑に行く舟は感ひしなみの末をしぞ思ふ乃至以一花六憎しけれど一枝折らむ櫻花さてぞ佛の種と成るべき若有聞是法こえてみな佛の道に入るなみは此法を聞く末の松山知法常無性〓〓渡〓深深さ江よりぞ流れける眞を知るぞ水ぐきの跡世間相常住改まることも渚による波をかけて顯す君が御代かな聞是法亦難法の道にあふ嬉しさを岩躑躅片枝も色に出にける哉譬喩品必當得作佛〓ききににだだ人人を見からに我も行べき跡を知る哉大猶如火宅年年りり朽朽く宿に燃る火は悟らぬ程の栖なりけり〓ひひ惑く行世の中に燃る火を古里とのみ思ひける哉等一大車うしやさは斯る車を有と知て乘ばやとだに思ざりける悉是君子九教置く御法を見もかひぞなき我垂乳根は鷲のみ山に諸苦所因°心心ら越え行く道の苦しきは峯の花迄思ふなりけり信解品無上寶 聚一思知れかみなき程の寶さへ求めてうるは誰故ぞさは潮つ波思ひもよらぬ磯ね松かゝる寶の花の咲きけるシキ時ももあれば求めぬ人もきてぞ見る柳櫻の春の錦を淨佛國土〓我が心人の爲迄餘り行けば〓くも國のなりにける哉七七あたの花心をしめて眺むれば佛のやどにとものみ奴止宿草庵草の庵に假初臥しをする迄も我垂乳根の名殘也けり如何にして都の外の草の庵に暫しも止る身と成に劍報佛之恩況を如何に浮世に廻る人の親の報をだにも報盡さぬ以佛道聲松松風の聲を傳ふる荻の葉もそれ故にこそ人に知るれo松松の聲を傳ふる言の葉も鹿の苑にや靡き初めけむ藥草喩品現世安穩一後世も嬉かるべき道なれば今日行空も長閑かりける一くくももををささぬ行末は散らぬ花をや宿に眺めむ八四第卷集玉拾
普皆平等かけふの空に普く瀧ぐ雨の色は皆人ごとに心にぞしむ汝等所行是菩薩道志賀の浦に春見し花の色乍ら露も變らぬ鷲のみ山路授記品無有魔事聖ををふる物こそなけれ偖も若し有らば宛ら法の里人心尙懷憂苦いりりくくははたたにけり美しきに濡るゝ袖哉化城喩品觀彼久遠すする墨のいふ計なき古も今口かきつくる心ち社すれ從冥入於冥賴むべし闇より園に移るとも影に影そふ月も出なむ願以此功德普及於一切かおこなひの果に唱ふる言草をうゑける袖や天の羽衣以是本因緣今說法華經見ぬ昔はるかにむすぶ岩代の松も契も今やとくらむ權化作此城一がりそめの宿とこそ聞け旅の空ながむる末は紫の雲ニ法の道に今日かりそめに草枕結びし末の宿ぞ嬉しき五百弟子品内秘菩薩行記山はは月にぞ乘し暫しこそ野べ行鹿にかくる小車其不在此會汝當爲宣說。法の花散れ其失ぬ物なれば今日見ぬ人に尙も傳へよ不覺內衣裏勸の上の露の迷をうち返し衣のうらの玉を見るかな人記品我願既滿我が願滿ちて嬉しきまとゐかな誰も望のかなふ席に法師品法華最第一意きや八百萬世の法の中に勝れて匂ふ花を見むとはハ春の山秋の野原を詠めすてゝ庭に蓮の花を見るかなか三度まで移し替てし大空に數かぎりなき光をぞ見る柔和忍辱衣〓墨染の袖をとはゞや法の師に其ぞ眞の信夫もぢずり寂寞無人聲。草の庵に聲も心も澄ぬらし人はかげせぬ光をぞ見る寶塔品有七寶塔。目もあやに雲ゐにぞ見る古の聖の住みし宿の氣色を移諸天人置於他土50かへり來て見るらむ物を鷲の山天の羽衣うつす袂を0移替し鷲の山べのみ空よりいかなる月の澄昇りけむ皆在虛空10人の原思ひかゝらぬ雲の上も眞の道の宿となりぬる諸寶樹下か木の本や寶のとぼそ明く方に數限りなき光をぞ見る世々をへて木の本每に散花は久しく匂ふ例なりけり擔負乾草〓の法例ふるはよな猛き火に枯たる草のやけぬのみかは是名持戒加。一つ法を暫し保てば十の罪も瀆さぬ人に成にける哉提婆品皆因提婆達多。有りし昔われ導きし柚人を今日は仇とや人の見らむ又聞成菩提一君も佛われも佛になるならば苦む人は皆のがれなむ一渡つ海や月はすまぬと聞からに同じ光は尙山のはに一誰か知らむ我身を人に云懸て寄來る波の底の深さを四第卷集玉拾龍女成佛玉故に出ぬと見えし海の月やがて南にさし昇るかな渡つみや頓て南にさす光玉をうけしに兼て見えにき勸持品何故憂色苞〓葉やいかなる風を傷むらむ秋の心ぞ色に出ぬる我不愛身命諸人の命にかふる法なれば弘むるかひの無らざらめやル法の爲惜まぬ命つきせずばうき世の中に唯忍びてむ安樂行品在於閑所た嬉しくも心しづかのすみかには誠と知るも又誠かは法法の爲安く行べき道や孰處人もとひ來ぬみ山べの里不可得聞一見ず聞す况て手に取〓とは有じ今日我得たる法の寶を一見ず聞かぬ法の潮合の國に來て心を引や和歌の浦人常有是好夢一思ふべし我現こそ悲しけれ御法の宿とみる夢ぞその涌出品我常遊諸國庭の面にかゝる光は又ぞ見ぬ遊殘せる國はなけれど一孰くにも思ぞよらぬ木の本の下より立ちし花の白波父少而子老打ちがふ親子ながらの姿こそ昔を悟る端となりけれ垂乳根を和歌の浦わと見し儘や子は又老の波を懸ける壽量品無有生死〓打返し誠を照す日の前に死ぬるも見えず生るゝも無吉野山奥に心のすみぬれば散花もなく咲く枝もなし常在靈鷲山〓〓のよるも晝をもわかず鷲の山いつも長閑に有明の月壽命無數切一是ぞ誠佛の道に入りしよりえてし命はつくる物かは如醫善方便三げにぞ悟る病にえたる藥より知らぬ印は哀なりけり一風に惱む眞葛が原の朝日影のどけき方の便り也けり得入無上道引 山山や感ひ惑はず行き行ず思知るこそ知べ也けれ三惑ふ人の心のゆくに從ふや上なき道の知べなるらむ分別功德品〓淨之果報た世世をば出でゝし上に登り行く〓き山路の限なき哉不久詣道場急ぎ行く宿しかはらぬ道なれや五の品の四つの誠を隨喜功德品如是展轉〓〓〓ひ行く五十の末の流まで御法の水を汲みて知る哉法師功德品た蟹の刈るみるめにかゝる藻層迄〓き光の障る物かは父母所生眼唯獨自明了cmよそに知らぬ人のけしきは遮莫獨心の月を見るかな皆與實相不相違背一何事も誠の法に顯れてたがはずと知るぞ限なりけるニ悟悟く心の水に染ぬれば如何なる色も浮ぶ物かは仕様是人持此經〓嬉しきは終にすむべきみ山路の草も搖がぬ法の秋風不輕品我深敬汝等二十餘り五つのもじに顯れて佛の種は隱れざりけり這走遠住ううばばぐぐてて拜拜心より人を輕めぬ名をぞ留る神力品
現大神力大十ででで神神力力と聞く御法げにぞ佛のしるし也ける即是道場此此國國のなにはの浦の大寺の額の銘こそ誠なりけれ於我減度後應受持斯經八言法の花に佛の種を結ぶごと疑ふまじと聞くぞ嬉しき〓累品如世尊勅三三撫撫て契し君の勅なれば今日迄誰もその示〓利喜各還本土50人人返返光は消えはてゝ其木の本や寂しかりけり多寶佛塔還可如故ユ大空に響し宿の戶ぼそをば明けし聖や又もさしけむ藥王品而自燃身三〓してし其身も元に返りにき返るも燈す報ならずや最爲第一一週こそ〓き花には勝れたれ星の中には月ぞさやけき厘の中にさやけき月の光よりさしてぞ著き十の譬は如渡得船一週し守なからましかば湊川苦しき海も此よりぞ知る細手なは苦しき海をよそに見て浮世を渡す淀の川舟於此命終即往安樂世界我妹子も〓ふるまゝに行へば終嬉しき道とこそ聞けハタ夕夜さすや同べに露きえて西に開くる女郞花かな廣宣流布なししももくくりりく法の雨の潤ふ國に生れける哉の山のみ法なるらし年をへて廣く降敷く末ぞ嬉き〓法の花ちらぬ宿こそなかりけれ鷲の高ねの山嵐の風病即消滅法の風に秋の霧さへ晴のきて凋む花なきませの中哉妙音品衆寶蓮華驚の山あまた蓮の開けしを驚きながら知る人ぞなき不鼓自鳴驚の山妙なる聲のゆかりには風吹かねども峯の松風觀音品便得離欲ねねおおる君が爲離るとするも嬉かり鳬六常に思ふ心の儘によしなやと重ねしつまは思返しつささ衣衣ららにも夢を悟るかな重ねし妻を思ひ返しつ以種々形遊諸國土〓三十餘三の誓の嬉しきはさま〓〓になる姿なりけり六さま〓〓の心づくしに行く舟や返る姿にあふの松原施無畏者°長長き道に導く光こそ我が名にたてゝ人にしらるれ心念不空過〓頼みてもなほ賴むかな思ふ〓と空しく過ぎぬ人の誓を陀羅尼品無諸衰患。 ふふ愁へへいいくくのの道に拂ひぞすつる天の羽衣うれしきは花に風なき吉野山月はくもらぬ更科の里羅刹女等我妹子もけ疎き樣に思ひしよ深く御法の花を詠めて七二十の名を法の席に聞きしよりげに懷しき妹が言の葉嚴王品願母放我等出家作沙門〓乳根を導かむとてたらちめに請し暇の末ぞ嬉しき善知識者如何にせまし惡き道をも善方へ〓る人の無らましかば〓人の來て導く野べに出ぬれば麻の中なる蓬をぞ見る勸發品128六四九四四第卷集玉拾成就曰法嬉しくも佛の御子の綠りとて八歲の法を二度ぞ聞くo法法名名名佛佛みみこに仕ふとて四の心に結び入れ島150元皆是普賢威神之力一霜を拂ふ主となれる力にや又なき法の花を見るらむ作禮而去ニーなれ〓〓て涙の雨や曇るらむ歸る空なき鷲のみ山路ニ如如ばかり露けかりけむ鷲の山苦の筵の跡の暮がた八年まで苔の席になれ〓〓て露分わぶる鷲のみ山路以暮秋初冬之候入二諦一如之觀忽詠四五之拙歌法樂三所之權現利他而思觀自念而朝市之春花勿萎于鳳關仙洞都鄙之秋風莫覽於佛法王法依此倭國之風俗欲淨土之月輪矣夫當社者得名於春日末代之天悲光於秋心濁世之月和歌者是神國之風俗也有便于法樂愚短者亦人間之吹虛也無恐于披陳歷四序號成意〓一心號述懷若感應道交者蓋納受露膽哉其詞云花夏月鹿落葉法文春夏秋冬雜花mよそに見て慰みやせむ山櫻まだしき程の峯のしら雲うれしくも花をたづぬる峯ごとにみな白雲の春の曙三三野の雲は霞にうづもれぬ哀に花の匂はざりせば〓何事も思捨てゝし柴の戶によしなや花の尙匂ふらむ春春れれ花のの波たつ田山こずゑにはまだ瀧の白波〇花のちる長柄の山の木の本に立つ白波は志賀の浦風〓花櫻ちるはならひと思へども尙いとはしき春の山風山山奥にわれ獨見る遲櫻いとゞたぐひもなき匂かな花は春はるは花とてよしの山靑葉櫻にわかれ惜みて花故に人にとはるゝ山里は過ぎ行く春の別のみかは夏月卯の花の色にさしそふ夕づく夜道行く末も有明の空澄む月はのきの菖蒲に影おちて有明の空に鳴く郭公ななかかやや橋のかをる香を窓に眺むる夜はの月影夏の夜の松風きよき月影を惜むとすれば明くる東雲夏木立繁き山べにすむ月のもりくる影に涼む頃かな0夕夕ののて過ぐるみ空より出づる隈なき夏の夜の月。月影の〓見が關の夏の夜は波を數ふる程だにもなし30諏訪の海に夏の氷をしく物は秋耻かしき夜はの月影50夏の夜は待つも惜むも影〓き月に涼しき山の井の水電の影かあらぬか夏の夜の寢まちの月の有明のそら鹿必さを鹿の聲ぞ身にしむ春日山秋まちえたる夕暮の空x0三笠山さして物こそ悲しけれ浮世の秋のさを鹿の聲よ。旅衣つまとふ鹿の夕ごゑに袖しをれぬるくさ枕かなNo秋は鹿鹿の音無ば如何にせまし獨寢覺のみ山べの里ね。石上ふる野の小篠踏しだき鹿こそは鳴け三輪の山本。鹿の音に野寺の鐘をうちそへてあるか心の秋の夕暮杉の庵に夢結び行く窓ふりて初瀨の峯に小鹿鳴く也菅原やふしみに結ぶよるの夢を殘すぞ鹿の曉のこゑ春日野に鹿の音たつる夕まぐれ神にぞ祈る秋の心をさし昇る月に答へて鳴く鹿に我も三笠の山のはの月落葉木葉ちる立田の里の槇のやに音せぬ風は時雨也けり太時雨をば時雨と聞けど木葉ちる槇の板やに風弱る也一色變てちるは習の木の葉にも思知らるゝ浮世也けりル秋の葉の冬の嵐に類はずば風も紅葉もかひ無らましか風の行く梢の色はそれながらたゞ一筋に散る涙かな〓〓〓吹く空に木葉の消やらで憂身に〓ぐる頃ぞ悲しき三神無月いくたの杜の秋の葉に松かぜ過ぐる夕暮の空二山里の道は木の葉に埋もれて梢くまなき月を見る哉村雲や梢にかゝる夕しぐれ庭の落葉に音ぞさびしき四第卷集玉拾九七九四129
二水水月月の有明の空に吹く風や荻の上葉に移り行らむ至芝の上にむれゐる人の夕涼み秋懷かしく風渡るなり嬉しくもつみ水無月の今宵かな千年の命のぶる祓に秋五五荻の葉に待ちしも著き音なれや驚かれぬる秋の初風〓〓秋くればなべて野もせに露繁し我袖の上は頃も定ず42涙涙らで我袖の上に露ぞおく秋女郞花折るとせしまに五No津津野の尾花につゞく小波を吹きな亂りそ山颪の風〓深草の露けき野べに庵ふりて籬のくれに鶉鳴くなり〓〓てより雲にしぐれて秋の色の變る景色は空に見え息〓秋風を〓の上葉に聞かぬ宿は袂に露や散ずも有らむいかにして同じ綠の返る覧松には露のおかぬ物かは目にそへて時雨の雲に成行くや秋のみ空の限なる覽秋のかへる空のけしきぞ哀なる梢の色は庭に萎れて冬早晚と我が袖の上に初時雨秋見し色の名殘なれとや秋秋の花の獨殘れる菊のませも移ろふ色になるぞ悲き七六池に來て見なるゝ鴦の聲す也月影氷る冬の夜な〓〓〓なな須須の關屋の夕波に袖萎れ行くよはぞ悲しき冬の闇の雪げの空の絕間より〓くぞもるゝ星の光は〓〓いか計越路に雪の積るらむ土につき行く庭の松が枝一哀にも頭の雪の見ゆるかな我身に積る年の行くへは〓いつよりぞ年の暮行く夕暮の尾上の鐘の音ぞ悲しき身の上に送り迎ふる年波を掛ても人の悟らぬぞうき山山奥に小指を折て數ふればあすより春も廻來に見雜Iああ夢も叶はぬ夢も現にて思解く方もなき世也けり旅の空にたぐひなき物は夜はの月波の枕に草の枕に身に纏ふ秋の夕霧とく晴れよ晴れて果つべき我御法かは〓〓ををね西に誘ふ月影よいつ諸共に入らむとすらむ20世中を二たび三度歎けとてやがて涙の多く落ちぬる紅をおろす嵐と聞くほどに庭の錦をまたたゝむなり法文法法庭庭普門を立てヽより誰も入べき道と知にき本一朶のあだなる花のみは何ぞ捧ぐる人の胸に止りぬ我山のかひある道に身を入て頼む悟も何にやは非ぬ日にそへて我が立つ柚の山川に法の水こそ心細けれ施故〓にのこる御法をまもる神は唯心こそ心なるらめ朝朝日さすや高ねの山路より通らぬ野べに出る鹿の音押押べて空しき空にすむ月の又宿る夜を賴む物かは三いふ〓とはみな眞なる御法こそげには佛の御法也けれ殘る人は誠の道になけれども宛ら殘ることぞ悲しき四淺ましや數限なきちり山を幾ら越えこし聖とか見る春11 春たつと聞より霞む空なれば花かと見えて雪も散見春霞た靡く野べの小松原いつも子日の心ちこそすれ花と竹とつゞく梢の山里にうぐひすさそふ春の山風〓佐保姫の柳の眉に糸そめて花の綾おる頃は來にけりカル春の來て梅さく宿のなさけかな月影かをる有明の空9雲雲ぬる春の田面のうは霞八重になりゆく夕暮の空一賤のめは春雨そゝぐ苗代に蛙の聲をまかせてぞ行くニ春春くの軒の絲ゆふ窓懸て浮世の夢ぞいとゞ亂るゝ四四の海を千年までとや神も見む松の梢にかゝる藤波山吹よ井手の川波立ち返り春のかたみに暫し留まれ夏今日よりは霞の袖に立かへて夏こそ着たれ蟬の羽衣深深見草八重の匂の窓のうちにぬれて色こき夕立の空夏草をわけて誰かは尋ね來む山里さびし五月雨の頃〓菖蒲草人に引るゝかひぞなき殘るねもなき沼の岩垣加五月雨の雲間になのる郭公花たちばなに暫し休らへcafののををしも叩く水鷄哉明る程なき夜はと知ずやエなでしこの花に朝露うちはらひ暫し涼しき六月の空四第卷集玉拾我も我人も人なる世なれども我もなき哉人もなき哉一八世の中を悟る心のゆく方を違はぬ道は神ぞ知るらむ又又むむここなけれ世中よ賴めば神に任せてぞ見る三藤藤花花に匂ふ春日山松にぞかゝるうき世なれどもm佐保川の波間に浮ぶ泡を今日掻流すえにこそ有けれ°嵐山木の葉ふりしく麓より鹿すむ宿を思ひこそやれを鹿なく同じ外山の裾なれど聞分く袖ぞ露も置添ふショ詠めつゝ賴みし月も影ふけぬ我世の秋は今幾夜かも°鹿鹿音音稻稻の風に傳ても世を怨みたる志賀の里人10かきくらす物の哀は山廻り時雨をそむる心なるらむ如君がすむ宿の紅葉は月影のくまなき夜の錦なるらむto法の水深き流も絕えなまし堰入れて山の影に住ずば堂跡御修造をおもふなるべし先度吹き過ぎにける風のかへしNo荻の葉に秋の心をそよとだに思ふに過ぐる風の音哉文治五年十一月五日の夜大雪降る其の朝殿下より給はる御詠加雪ならぬ春の吉野の花は尙さゆる匂を見せぬ也けり前庭之櫻樹白雪積枝粧似春花猶添寒色仍所詠吟也欲給高和而已御判乍恐无左右進愚和いつしかと春を知べき宿なれば雪にも花の匂有けり其春如思食入內立后被遂て世間の美談也けり一誰とかは見にくる人を谷べき花こそ宿の主とは聞け同じ十七日又雪深く積りてありしあした公衡の中將の許より一思遣れ道さへ絕えていとヾしく雪の底にも沈む心を其の頃身のしづみぬるを歎きける頃にてかくよめるなるべし一年の內に春に逢べき宿なれば頓ても雪の花と見ゆ覽年の內にもよろこびはありなむと思ふことありてかく云へるなるべし果して三位中將になりにけり同じ十三日除目のありしに定家侍從少將になりぬと聞きて悅いふべかりしを又いはで此の雪を便にて申しやりし三笠山さかゆく君が道に又花さきそふる今朝の白雪拾玉集卷第五寂蓮入道嵯峨に住み侍りける比秋の風ことの外にて裳のひはだも皆吹きみだりて侍りしとて我我は都の戌亥住侘びぬ浮世のさがと思ひなせども返しに道をえて世をうぢ山と云し人の跡に跡そふ君と社見れ皆人は秋の心に成にけり吹き過ぎにける風の景色に文治五年九月寂蓮入道の許へ無動寺より遺はすなり思ひ知りて思おこする人もがなみ山の秋に返る心をか鈴蟲の聲も山べに聞ゆ也いかになるべき我身なる覽八ch大たけの峯ふく風に霧はれて鏡の山に月ぞくもらぬ「自から籬の野べをかき分て鹿すむ宿をとふ人もがなきく袖の露の深さもある物を外山の裾にを鹿鳴なりシもも月は閨の板まに影ふけて我世の秋を思ひ明しつ鹿の音を送る長柄の山風を稻葉に聞くや志賀の里人初的雨雨人もきて見ぬ山陰に夜の錦をおり初めてけるかかき曇り山廻りする村時雨物の哀をそめて過ぎけり法法の水の淺く成行く末の世を思へば悲しひえの山寺返し寂蓮心心こそ及ばぬ山の奧なれど秋の哀はかへりつくまで鈴鈴も世にふる道を厭へばや野べをば捨て山に鳴らむ○山のはも又習なき大嶽にさ社は月の隈なかるらむ智
返し思ひやれ雪に花咲く三笠山ならぶ梢をちらす朝日は兄弟雙顯織光花希傍外候又無關加任已餘身忍候此兩事面目忤悅之至無物取ノ候候之處重預御〓書候之間已增萬代之眉目候者也同じ朝に又寂蓮入道の許へ申遣す初の雪にも訪れざりしことを思ひてなむ詠わびけふさへ更に待わびぬ二度雪に跡つけしとや返し寂蓮幾度も跡をばつけし山人のまた上もなき雪と見る迄天に口なし和歌をもて云ふべし祝ふ心と思ひてかくいへるなるべしやさしくこそ同じ雪の朝靜賢法印の房に自院雪山の雪をめされてうへの雪などをかき落しつゝ進らせけるを見て誰ともなき文を投げ入れたりけるをあけて見れば〓消行くを惜む宿だにある物を拂てけりな雪のうは葺かくかきたりけり其の文を隣の實命がしわざと思ひて此の文は疑なく三位房の所爲也とこそ覺え候へ誰かはうへの雪をとりなどしつるをば此隣人ならでは見侍るべきとて返しの歌をよみそへて圓閣梨が許へおこせたりしを見れば拂拂ととよより消えやらじ年をへて我が頂に積る白雪°庭庭雪雪雪雪跡附けて惜むやと君が栖をいざ行て見む=かく書きたりけるまとにやさしくこそ其の文は圓閣梨の妹の女房右京の大夫のしわざなりけりされど知らぬよしにて眞にあやしく誰人のしわさにかぬしを尋ねて傳へ侍らむと云ひて後夕暮になりて又靜賢の許より三位がしわざは惡しく心得侍りにけり大夫殿のにて侍りけるものをと語ると聞きて實命承ることヾも侍りて述懷することなむ侍るとてかくいひつかはす一中々に顯れてこそ思知れほさじとしつる雪のぬれ衣この返事に袖書して消息してはべりしを見れば昨日寒苦逼身忘他事之處披不慮歌札勸爐邊心灰間重賜三品禪門述懷彌開愁眉訖興志尤切欲罷不能一水莖のあとのしわざに顯れて面白くなる雪のぬれ衣靜賢請ス世の末にはかやうなる僧もいと有りがたし信西入道が子どもは一人もあだなるは見えぬ中にも圓位上人宮川歌合定家侍從判して奧に歌よみたりけるを上人和歌起請の後なれどこれは伊勢御神の御事思ひ企てしことの一つ名殘にあらむを非可默止とてかくしたりければそれは其の文を傳へ遣したりし返事に定家申したりし二八雲たつ神代久しく隔たれど尙我が道は絕せざり鳬立ち返り返しに申しやる知知れれきき十十川川に玉敷て絕せぬ道を〓べしとはその判の奥書に久しく拾遺にて年へぬるうらみなどをほのめかしたりしに其後三十日にだにも足らずやありけむに程なく少將になりたればひとへに御神の惠と思ひけり上人も判を見てこの惠に必ず思ふこと叶ふべしなど語りしに詞もあらはになりにけり上人願念叶神慮かと覺ゆること多かる中にこれもあらたにこそ寂蓮入道昔思ふいけにはゐゐ(無差)も朽ち果てゝ枯野につゝく蘆の浦風と古池寒蘆によみたりと語りしあしたに雪ふりしかば詠みて遣す一昨日聞し枯野の風を身に占て今日の心は雪に埋れぬ返し寂蓮哀知知心を雪にむすばずば枯野の末に色を見ましや五第卷集玉拾文治六年女御の入內はてゝ左大將候はれしかば雪のふりたるあした御修法結願していづとてかたりし歌正月十四日になむ七三笠山君が心の雪見ればさしてうれしき千代の初春〓〓返す昔の風にいつしかと影摩くべき君とこそ見れ返し左大將た三笠山雪ふりにける跡なれば心の春の末もたのもし0%家の風傳ふる宿のあたりをば影靡くべき道と社思へ文治六年二月十六日未の時圓位上人入滅臨終などまことにめでたく存生にふるまひ思はれたりしに更にたがはず世の末に有りがたきよしなむ申し合ひける其の後よみおきたりし歌ども思ひつゞけて寂蓮入道の許へ申し傳へし一一君知るや其如月と云ひ置きて詞におくる人の後の世一風に靡くふじの煙に類ひにし人の行方は空に知れて千早振神に手向くる藻鹽草搔集めつゝ見るぞ悲しきこれは願はくは花のもとにて我死なむ其きさらぎの望月のころとよみ置きてそれにたがはぬことを世にも哀れがりけり又風に靡く富士の煙の空に消えて行くへも知らぬ我が思かなも此の二三年の程によみたりこれぞ我が第一の自讚歌と申しゝことを思ふなるべし又諸社十二卷の歌合太神宮にまゐらせむと營みしをうけ取りて沙汰し侍りき外宮のは一筆にかきて既に見せ申してき內宮のは時の手書どもに書かせむとて料紙など沙汰することを思ひてかく三首はよめるなり朝夕に思ひのみやる瑞垣の久しくとはぬもろ心かな山川に沈みしことは浮びぬるを偖も尙すむ我が心哉施諾共に詠むべかりし此春の花も今はの頃にも有かな返し寂蓮〓君はよし久しく思へ瑞垣の昔とならむ身の行方まで此間所勞大事にて皆も御返事え申さず水がきばかりを所勞述懷に寄せて申し候ふとてかくなむ後日に所勞のび〓〓に令和進とて五首送之潔にくさぞすみぬらむ山川に沈むと見えて浮ぶ心は加思餘り身にしむ風も如何せむ花も今はの頃と成なば〇云云ききき心心もしなじ圓かなる位の山にすめる月影一類なく富士の煙を思ひしに心もいかに空しかるらむニー伊勢の海に搔集めてぞ藻鹽草終亂れぬえには成ける文治六年三月五日實命召されぬと聞きて左大將の御許より二この内を遂に出ぬる葦たづはこれぞ實の命なりける御返り事に四千代代べき君なれば社鶴の子の是ぞ實の命とも知れ籠り居る事などとゝのへ申す序に憂はよくよきは又うき此世哉尙有ぬべき道に迷ひて如既に消る法の燈火挑げずば尙うかるべき闇と社見れ御返事給ふ七四今更におもひ知るこそ愚なれたゞ何事も定なき世をハ大大の峯さわがしく吹風をしづめずばいざ法の燈火隆寛阿閣梨一日百首よみたるとて見せしかばやがてよまむと思ひて文治六年四月八日午四點未の初ばかりに筆をとりてやがて云ひつけし程に申の終酉の初の程に百首かき果てたりし只二時などの程にや題十首なり其の百首のことを別當入道惟方光臨したりしに語りしかば見よと申すを興じて我もよまむ數日によまむとて三十餘日によみたるとのたまへし述懷の十首略してたゞ一首よみて九十一首にてたびたりし其の一首の歌に云ふ(歌が)其の返事に七二ー五(歌が)
中中にもゝに九つたらぬこそ千尋に餘る情なりけれ十首づゝのをり歌をよみて口にまかせて申したりき郭公の題の返事ばかりあればかきつく思へどもいはての杜の郭公昔に似たる聲になれてば我が歌ども忘れたれば書かず文治六年寂蓮入道思ふことありて出雲の大社へ詣でゝ歸りて後文やりたりし返事にかく申したりユ音思ふ八雲の空にたつものは色をわくべき君が面影返事「とまりゐる心に常にかゝりしは八雲の空に出でし佛同じ人小瘡の所勞ありと聞きてとぶらひたりし返事に一宮宮野の木の下露はわけね共三笠と申ことの繁けむ返し我こそは君が爲にはみ笠守雨に增れる露をはよせじ其の後同じ人の許へ薪つかはすとて五君がため年ふりにける片岡の山路に拾ふ新とを知れこれは彼の入道よみたる歌どもの有るを思ひてよめるなり返し寂蓮〓〓本の千へかも言の數ならで立ちたる筋は是ぞ見えたる我が道の御なさけを思ふなるべし又そへたる歌母字治川の石間をわけて泡の舞ひ亂るらむ影ぞ悲しき歌人舞人候ふよしか雙輪寺の前大僧正の許に在りけるをさなき者ども白川坊の留守の間來たりけりと聞きて大僧正の御許へ申したりし山櫻主となるべき身ならねどよその匂は尙ぞ床しき返し大僧正五散發る深山隠れの花なれど見にくる人もなきぞ悲き文治六年に公衡の中將祈構成就之後遣卷數返事之次皆水精念珠弘法大師三鈷等送り給ふ包める薄葉に書きつけて侍る歌○ささりともと思ひ〓〓て祈けむ心の根より花ぞ咲初む西王母桃花始めて開き候ふに向後彌其憑候歟返事に申しつかはす〓祈つる心のねより咲花は頓てかひある身とぞ成べき祈念之間兼日有夢想〓果以叙三位中將也建久元年九月に靜賢法印の許よりなくなりたるそばに花の咲きたる枝を折りて歌をつけて人のつかはしたるとておこせたるを見れば是を見よ菊より外に此頃は花なしと云ふ人はあり共返しめかしうて遣す花もみも同じ匂の枝を見て法の蓮のまことをぞ知るその次の日櫻の花のめでたく咲きたりしを折りて又これより遺す野分せし秋の紅葉の一枝に折りたがへたる花櫻かな返し靜賢紅葉ばに折りたがへたる櫻花霧は霞と見え渡りつゝ建久元年十一月十九日東大寺棟上御幸ェェ一法皇先十七日巳刻令着字治平等院給淨衣御幸第二度例也殿下十五日夕先立令入給御所小川也本堂の北廂を爲院御所御裝束如例御堂所々修理等傍增先例是破壞之條當時之故也殿下御供に左少將定家朝臣令參同十八日早旦十首詠送之物忌之間沈思和歌甚無骨然而爲其道之人不忘其時之景氣不默止之條好上之至也尤有興云一殿下十七日御幸御詠之後十八日巳刻南都御下向御幸春日詣之義也前駈衣冠隨身毛車を被用左大將同被參明旦十九日先參御社自其東大寺棟上御幸に可令參給 女件十首詠云蓑とも唯に云てか山城の宇治のわたりの明る夜の空六鳴初むる鳥の初音におきゐれば唯宇治山の有明の月〓河浪の響きにたるも慣ぬ身の頃さへつらき山颪の風衣うつ音は都のものにもあれ嵐はうときねやの手枕〓〓〓ぞ〓靜〓まる夜はに言問てふくれば近きうぢの河波一風に皆よもの梢を傳ひ來て暗き聲にも色ぞ見えける一杉の屋の行合はぬまより置霜の結ばめ夢も月に成ぬる〓〓初初し思に身に馴れて忘らるまじき柴の庵哉〓今宵また春日の里に宿からば昔忍ぶや〓とぞともなく此の里は君も旅ね思よりとはれぬ方を先ぞ忘れぬ唯今殿下御出とてひしめきし折節ひまもなかりしかど人の道をすさむるになりぬべしまだ返り事せずば本意なかるべければやがて筆をとりて返しに申し遣す十首宇治に來て唯には云て山城の思ひけるこそ哀よの空月影はおりゐの山に傾きて鳥のそらねも有明のそら〓音すべき木葉おちぬる山風を浪に隱さぬうぢの川霧学宇山山嵐に類ふつちの音を人の衣と思ふうたゞねco草枕ならはぬ夢の枕にはさこそ聞くらめ字治の川浪一暗き夜に紅葉の枝を吹く音は風に色ある心ち社すれ一杉の屋の合ぬ杉まの霜はいさ結ばぬ夢の月をしぞ思ニ假假と君は見るらむ我が宿の庵哀なる宇治の山かげ諸人の今宵宿かる春日野の草の緣りの身のどとこそ15昔よりこの里人と思ふ身を旅寢の夢に何たぐふらむ此の歌のことを定家の朝臣申したりけるとて又左大將よみて遣したる喜撰餘流あたら夜を我もたゞには山城の世を宇治山の古の跡鳥の音の哀をかくる袖のうへに月も色ある宇治の曙〓秋の色の今はのこらぬ梢より山風おつる宇治の川波持つ人もたぐふ嵐も疎き世に砧の音を馴れし物とて:草枕まだ音づれのなきまゝに波におどろく故〓の夢一紅葉吹く峯の嵐のくらき世に面影似たる袖の色かな霜冴る杉の板屋のめも合ずさこそは袖に月氷るらめ此此の寺の昔の跡をおもふにも心すみぬる宇治の山陰奈良の都春日の里に我行かば知る由すべき人のなきこそm大方は心なき身と思へども此里にてはとふべき物を其の後雪ふりたりける夙めて誰ともなくて左大將十首の歌をよみて定家朝臣の許にさしおかせられたりければ誰ならむと怪みて哀さにこそとて夕になりて返しして進らせたりけるとなむ大將殿の十首〓今年さへ花より雪に成に皇何ともなくて山里にのみ覚せばやなこほれる露に影止て庭の木葉に宿る月影No柴柴戶戶戶戶〓のより冴えたる月に床を任せて跡もなき庭は枯野の景色にて心のうちを霜埋むなり°冬枯にみねの梢をなしはてゝたゞ秋ながら有明の月。風寒み庭のやり水こほりゐて松に殘れる岩波のこゑ。寂しとよたゞ我が友と賴みこし竹の葉分の冬の山風ニ都にはしぐれしほどと思ふよりまづ此の里は冬の曙D.初雪と君は見るらむ山里にながめなれたる唯今の空10法を思ふ心の末を分止めむ君に殘せる身の行へよりいかに怪しく思し召すらむ大原より尼が申すなり定家の朝臣の十首わ言はは契契ししもも絕にけり櫻の雪に降りかはる迄bo露こぼる木葉の下に跡とぢて月や山路の色埋むらむN山風の峯の彼方に知べしてなるらむ床の月は我みて加思へたゞ心の道も落つるかとかさなる露の明方の空〓待ちもしき梢の空の冬枯にひとり有明は都なりけりいかならむ結ぶ氷柱に冬深て外山の聲は四方の松風山里のうき世隔たる住ひには籬の竹も友となりけり
積るらむ雪やはよそに雲暗く霰時雨に睡ろまぬ夜は初雪も身はふりまさる心ちして冬哀れなる唯今の空〓賴むかな通ふ心し絕えせずばわくらむ法の末の契をまことに心えぬことどもにて候へども京より法師が申し上げ候ふよしびんぎを伺ひてひろう候ふべしあなかしこ〓〓かゝることこそ有れとて此の歌どもとり出でゝ見せさせ給ひしかば詠みて奉る歌何となくあまた一年うつり來て積る哀は唯雪にのみ引かへて寂しさ磨く野べの月氷らぬ露に宿りし物をル閨の上を夜はの嵐に任すれば哀に月を誘ひ來にけりた月影のむすぶ契のかれぬ野は心の道の淺茅なりけり°木枯にかたぶく峯をはらはせてたゞ月影は冬の有明一山川のおのが流にこほりゐて松の梢に岩たゝくなり一呉竹は冬の荻とぞ成にけるさこそは吹きし秋の夕風三二都にはなほ時雨とや眺むらむ初雪ふりぬみ山べの里昨日けふ都の空のいかならむ今もふりぬる冬の夕暮正おもひとく御法のすゑの身の末は雪のみ山の雪の曙これはしつはらには入道法師のやさしき御事どもを承りてきうけうすとかやをしゝ也(和元)なわらはせおはしましそ西山法橋かくれて後三位の中將の許へこまかに物申しなむとせしにあれより歌よまれたり色深き其言の葉を見ても又袖の上のみ打しぐれつゝ返しに申しやるヒ別れにし人の名殘の言の葉ぞ袖の時雨の色と成ける建久二年右少辨資實に山本の莊を給へたるよし聞きておほぢの日野の民部卿入道の許より慶ぶよし申すとて一絕をつかはしたるを見れば書所懷呈子孫老沙彌如之孫枝子葉誇恩日枯木自然如遇春水菽徒今宜詠謝後榮不識七旬身これを見て和してつかはすとて木木の本の春に逢なる春なれば老木に花も咲ざらめやはこぶしの花のゆゝしくとく出で來たるを靜賢法印が許へつかはすとてたみ吉野の山の櫻に非ずとて此初花は待たずや有らむ返し靜賢c給給れるこぶしの花に合すれば梅も櫻も何ならぬ哉千手といふ稚兒の外へ行きなむとすと聞きて其のことなんど尋ねにつかはすとて三つひにさは流止るか山川の底計こそ聞かまほしけれ三月六日山にありしに雪ふりたりしかば左大將の御許へ一都都ははやよひの空の花盛知るやみ山はなほ雪のちる幕下御返事三知らざりつ今日九重の花を見て尙白雪の深き山とは建久二年五月の比隆寛阿閣梨の許より十首の詠おくれりける四露は思へば束の間なれども宿す計の草村もなし朝夕の煙をよその眺めにて哀いつまで明しくらさむ何何も有るが上には有物をなきが爲にはなき世也見にそゝや此年へぬる身は耳垂て見と見る人は後生の角今今もまた君より外にと思へども弱る心の底ぞ悲しきだおのづから眞を知れる人迄も世に從ふを世の習にて30かきくらし心しぐれて幾返り袂に秋の色を見すらむ一大方は人の憂にもなし果てゝ我が身に積る前世の罪ニー底〓き岩間の水をむすびても心にごらぬ山陰もがな押押こめて喩ふべき身を思ふには芳野の奧も尙淺き哉返事にいひやる四露の身を宿す草葉はおほかるを所を嫌ふ野べの夕暮100盡もせず去年のながめの夕煙いつ身の上に有明の空五第卷集玉拾四xp尙思へ思は同じ思ぞと有るにつけても無きに附ても40耳垂を年へぬる身と思ふとも角ぐむ草も後の世の夢N諸諸に君より外と賴めども報まだ見ぬ此世なりけり我はまだ思ひもわかぬ思かな世に從ふを世の習ともcm前世の罪の報を思ひ知る心ばかりやうきがなぐさみュ物思ふ心の秋に成ぬれば爭でか袖ももみぢざるべきこその〓とよたゞ願ふことこればかり心濁らぬ山陰の庵三過にけり都の內に住ながら吉野の奧を淺しとはいさ別遣一首今日迄は數多の道に感ヘ共行きつく末やげにも山陰雪のふれりける曉月いと隈なかりしによめる歌を左將軍へ奉る1月は秋あきは月とぞ思ひしを雪ふかゝらぬ冬の有明御丸山煙雪ならぬ闇にも秋は知られけり誠にひるの唯今の月左の本幕下一條へけふ參らむなど申したりしかばいひつかはしたりき〓大方も君を待つる今日ぞかし時しもあれや庭の白雪返事〓今日は否憂身の跡をつけじとぞいとも畏き庭の白雪建久二年九月如法經かきて天王寺太子の御墓などに詣でゝ其の次でに住吉に詣でゝ八月一日住の江殿にて百首よみてたてまつりみな住吉住の江の詞をおけり歸りて尋常の料に左大將殿にかゝせ奉りて寶殿にこめむとする間に草本を俊成入道見て點どもあはせ奧にかきつけたる入道釋阿神神いいに心に染て照しけむ御法の後も言の葉の色返し○法の末を今こそ神も照すらめ君が添つる言の葉を見て同じ十月に初雪ふれる朝山へのぼると聞きて同じき人の許より消息したりける次にかくなむ入道釋阿一都だに初雪ふりぬ山のおく冬の奧をも思ひやるかなかへしに冬の奧を厭はぬ宿の初雪は心の底に消えぬとを知れ同じ十一月晦日山の座主事仰せらせたりし時住吉の百首のことなど思ひ合すとて俊成入道の許より雪の降りたる朝にかくいへる、十二月九日ニ峯の雪心の底を聞きし時山の主とはかねて知りにき猶々同時御慶旁重疊之條更々非申限候とて又日吉のや杉の印と更にいはずをり哀れなる住吉の松返しにいざや雪頭の上にうつす迄山の主とも思ふべき身か今こそは思ひ合すれ日吉のや杉のしるしも住吉の夢同じ閏十二月二十八日甚しき雪の朝公衡卿の許より知らじかし早晩雪を分れども心の通ふ跡は見えねば返しあとつかぬ心づかひの通路は知る人ぞ知るゆきの曙同じ朝に詠十首左將軍の御許へ奉る此間法皇の御惱頗る大事に聞ゆる比なり跡はをし訪では如何庭の雪よ危まれたる昨日今日哉〇七雪に社かつ〓〓見つれ君が宿の三笠の山の花の盛を一降閉ぬさらでもさ社柴の戶は過行く跡をよそに厭て一都人はみな越路にぞなりにける人のあとなき雪の曙今朝見ればよもの山べは花盛朝日の風の散すべき迄覧せばやな淡路の島のけさの雪を宛移す池のあたりを此宿ごとに降りつむ雪の眺かな深き心を庭にまかせて人の宿の眺はいかに今朝の雪に哀憂身は心さへなきヒかか曇曇りふり來る雪に此頃の世の歎まで空に見る哉N花花月すすずずしし遂になほ雪の朝も達磨也けり五第卷集玉拾
返し幕下〓我は尙雪の跡をぞ思ひつる情あるべき今日と見乍らo雪雪だだ花花の盛りの三笠山眞の春はいかばかりかは〓〓のののののに又ふらでもよそに厭けむ跡〓此花は風の音を埋めども峯の朝蟹にちらむとやする一一一せせ冬冬奧奧もりにけり都にふかき雪の白山八に又何たとふらむ池水の朝けにかすむ雪のなか島甘八たゞ春の隣ならでは宿ごとにおもひのこさぬ雪の曙人はいさ我住む宿の雪の中は心にとはゞ思知なむ今朝は又雪げの空も霧はれて賴あるべき世の歎かないな達磨人だにもなし雪の歌深き心は密宗といはむ建久二年三位の中將夜宿の月あかゝりければ申しつかはす普思ふ袖の露にぞ宿りける山路わけ入る秋の夜の月返し忘却追可思出中將出京之朝少生等管絃なんどして歸りて後申しつかはしたりし簑とも音に聞きこし琵琶の音に緣りは最ど引く心哉一風渡る軒ばの松の響きにも調べし琴の餘波をぞ思ふ合せつゝ違はぬ鐘の聲々にうちつけなりし我が心哉かへしども申すよしにて琵琶の御返事引とめて嬉しとぞ思ふ君にけさ逢坂山の關の調べは第の御返事〓いざ知ず松風吹かぬ宿ならば我琴の音は思出でじを方馨の御返事ううつつににひひけるこそ怪しけれ各なりし鐘の響も圓位上人の十二卷の歌合の瀧糸の下卷書きて遣すとて大納言實家心心ざし深きに堪へず水莖の淺くも見えぬ哀かけなむ返しや心ざし深く染めける水莖は御裳濯川の浪にまかせつ建久三年正月無動寺より同じ大將軍の御許へ申す靑陽之初上春候自深山幽谷報花洛尊閣詞云見せばやな神も佛も君にのみ惠あるべき春の景色を覚せばやな都の宿の初には似ぬ物からの春の景色を○見せばやな鶯出る谷の戶に我が門占むる春の景色を。見せばやな遙にこそは詠むらめ山の霞の春の景色を見見ばやな吾妻の里の遙か迄詠むる峯の春の景色を見せばやな谷の氷はまだ乍ら我住む山の春の景色を〓見せばやな雪の梢の昨日けふ春要はする春の景色を見せばやな積りし雪は消果て小鳥木傳ふ春の景色を見せばやな志賀の辛崎麓なる長柄の山の春の景色を〓見せばやな峯の朝日のうら〓〓と君打賴春の景色を忽披一紙之佳什如對四明之勝趣不堪情感慈以答和而已ネ歌苑取草(如元) NO我が思ふ神も佛も惠みあらば心ぞいとヾ春の景色に50我が思ふ君がすみかの面影は松たつ門の春の景色に〓我が思ふ鶯いかに初音なく谷のとぼその春の景色に我が思ふ山の高ねに辿る哉いづくも霞む春の景色に我が思ふ心をそへて詠むべし吾妻に續く春の景色に〓我が思ふ契を水にむすばせて都ははやく春の景色に〓我が思ふ櫻はまだし雪消えぬ山をぞ思ふ春の景色に我が思ふ心も雪にとけぬれば鳥もさ社は春の景色に〓我が思ふ心や行て霞らむ志賀のあたりの春の景色に〓我が思ふ日吉の影もうら〓〓と君故照せ春の景色に法皇かくれおはしまして後靜賢法印が許へ申しつかはす見るが上に驚かれぬる限哉はこやの山の春の夜の夢返し靜賢思へ唯はこやの山の山人の花ちりはつる春の悲しさ五第卷集玉拾法華堂、御幸の夜よめる〓鳥邊山煙の下に見つるかな一方ならぬ人のなげきを建久三年八月觀性法橋の舊跡の西山往生院に罷りて如法經かくとて歌あまた詠みて人々の許へ遣すなかに殿下へ申す一山寺の秋は昔にかはらねど主なきいろは心にぞくむ御前身山山の主なき色は聞く人のよその胸だに苦しき物を幕下の御許へ申し遣す三人のいふ秋のあはれは主もなき此の山寺の夕暮の空御返事主ありし昔の秋は見し物を荒れたる寺に聞くぞ悲き往年斗藪忽浮心今日詞華彌銘肝者歟菩提院三品羽林の許へつかはす二ねね來る我が袂には露おちて昔のあとに秋風ぞ吹く返し詠むらむ昔の跡を思ふにはよその袂も露はおきけり靜賢法印之許へつかはす法のはなのこる匂におく露は昔をこふる淚なりけり返しル法の花ふかき契を結ばずば淚の露もかゝらざらまし建久四年正月に七佛藥師法とて內裏に候ひしに雪のあしたに實修法印の許より九九重の玉の臺の磨けるを今朝ふる雪やなほ〓むらむ返し雲の上に今日のみ雪を見ざりせば世にふるかひないときん建久四年九月十三夜に左將軍幕下に奉る一君に問はむ長月の夜の月や是曇らぬ空に秋を收めて三今宵かも心の底に待しは秋は山のはにだに雲の無哉三三人知らじ君計こそ思ふらめ今宵の月を今宵なりとは月をのみ思出にする憂身かな今年もこぞも姨捨の山類なき光に色も添ひなまし今宵の月を君と見たらば御返事だとふ人につけて心の色を見む思籠めたる秋の夜の月14時間めてまだた靡かぬ雲迄も思しよゝの山のはの月〓君ぞ知る今宵の月は今宵迄誰かはとのみ詠つる身を加年もへぬ我がおもひ知れ秋の月なほ行末も嬉捨の山ca君と見む其面影を宿しても袖あはれなる我が宿の月おなじ秋の暮に定家少將一初霜よなれのみ時はわき顏に人は數へぬ秋の暮かは二三十餘り二年へぬる秋の霜まことに袖の下とほる迄三四ふけまさる我が世の嵐弱るらし袖まで脆き秋の暮哉見し人のなき數まさる秋の暮別馴れたる心ち社せね霞までとはれし人はまがひにき空しき秋の暮の白雲より明暮れて是も昔になりぬべし我のみ元の秋と惜めどthとはぬ人なれつる秋の露あらじ跡確なる庭の淺茅生〓願はるゝ思の末も風寒く谷のとぼそも秋やいぬらむ加まださめずよしなき夢の枕かな心の秋を秋に合せて九co小小田の露の假いほの宿りかな君を賴まむ稻妻の後返事にユニ暮の秋を數へて知はかひもなし徵有けり三輪の初霜下とほる袖まで君も思ひ知れよそぢ重なる霜の袂を三五我が秋のふくれば冬の山颪つよく身にしむ山颪の空四人の世の霜に時雨を染かへて別馴れたる心ち社すれ五藤藤そめけむ春のかすみよりさてしも秋の幕の白露短思ひ出づる昨日の秋は昔にてこの頃思ふ行く末の春我が袖はけさこそ最ど哀なれ秋に後るゝ庭を詠めて〓人はははは知知らでや辿るらむ願ふ栖ぞ秋のとまりよね獨のみ夜も明やらぬ秋の夢のさはまだ覺ぬ君も有鳬〓秋も冬も眺ばかりは君をのみ賴むの雁の月に任せて建久四年に人の許よりなにざかうをつけてつかはしたりければ五第卷集玉拾
一思思けける程は適に留む共今は在りかも何にかはせむ今よりも盡じとぞ思ふ匂には尙も在かを添る也けり返し建久四年十月八日朝初雪のことの外に降りたりしに日吉の行幸近かるべきにてありしに左大將殿より冬來ては幾夜もあらぬ吳竹の霜かと見れば初雪の空叢雲をやがて嵐の吹きためて時雨をうづむ初雪の空1月月つつつよよののは消にけり雲やとつらき初雪の空六大厭ふべき日影は軒に忘られて雨うらめしき初雪の空ひえの山いつより風の凍りけむ都はけさぞ初雪の空スト詠むべきその日も近し志賀の山暫しは思へ初雪の空ここながら山路思ふぞ哀なる君にわくべき初雪の空六〓〓兼てより日吉の影も添ぬらむ行幸につらき初雪の空→大方もいつかは君を思はざる雲明けそむる初雪の空御返事に一英竹の夜も明け方に詠むれば霜よりあつき初雪の庭梢ふく木の葉も風も音たえて時雨にかふる初雪の庭神無月いくかもあらぬ夕づく夜光につゞく初雪の庭雨かくは中々に唯ふらであれな旭を待たぬ初雪の庭大たけも日ごろは白く見えざりき都も今ぞ初雪の庭志賀の山麓を廻るしろ襲ねかつ〓〓見する初雪の庭〓深山路をわくる心は淺けれどよそには深き初雪の庭〓思遺る山の奧こそ知られぬれいつしか深き初雪の庭o神神いかに兼て嬉しと思ふらむみ雪積べき初雪の庭「思へどもかくとも我は岩代の松もかひある初雪の庭建久四年俊成入道の許へ〓思禪門長此道欲胎十首贈答於後代よし申し遣すとて十月下旬有明の月いつよりもめでたかりしを詠めて風情あまた出で來たればかつは空しくはいかゞとて遣す一夜を重ね西へと急ぐ月影を打詠めてはなむあみだ佛秋の月の殘る袂に月さえて庭の小萩は本つ葉もなし霜霜るる籬の薄秋にかへて同じみ空の月を見るかな紅葉ふく風の便りに月おちて霜にうらある庭の面哉音音るゝたのむの雁も聲なれて哀を返す冬の夜の月冬冬かし糸ゆふ遊ぶ春の空の面影までにすめる月影我が物と千里の氷げにしきて冬こそ月の栖なりけれ神無月木の下蔭もなき空を有明さまに詠め入りぬる20疎疎からぬ色をかさねて詠むれば月影うづむ雪の有明〓我がよふけて詠むと君や思ふらむ尙長夜は有明の月返し俊成入道夜を重ね西に傾く月を見て幾返りかはなむあみだ佛霜霜の淺茅が庭は荒果てぬ同じみ空の月はすめども秋過で霜おき增る莓の袖に月宿らずば如何に我せむ聞にさへ淚ぞこぼる木葉落て霜にうらある庭の月影いいままととのむの雁を思ふにも泪連る冬の夜の月浮かれ遊ぶ糸ゆふ迄も哀也又やは春の空を見るべきMこほりしく千里の月を詠めても冬ぞ泪の限なりける思ひやれ木の葉もすてゝちる庭を獨詠めて有明の月°冬の月も幾返りかは見つれ共尙身にしむは雪の有明。思へ唯八十の秋を詠め過ぎて今までかくて有明の月忽預十首嘉什 候之條此道面目何事過之候哉とて殊に悅びたりき有與有感建久四年十一月中旬ことに月隈なかりしに第琵琶方馨など打ちてちごどもあそびしによみたりし。月月冬冬木の葉も今は嵐より松のみ獨ことしらぶなり0月月ううは氷らぬ池に氷柱ゐて晴たる空も霞しに鳬同じき年左大將殿のうばの尼上うせられたりし比雪のふりたりし朝に語りし東山光明院に長家はありき北政所は九條殿より通ひておはします五第卷集玉拾と聞きて〓〓〓朝〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓とよせて深き命を思閉づらむ10思ふらむ心のすゑも命なりゆきにぞふかき山里の色返し左大將殿知思ひとく心の末も道たえてなほ夢ふかし雪の明ぼのわせきかぬる心は君がやどに見よ朝日の軒の雪の衣手建久五年に大理兼光基長とて最愛無雙の子息ありけり侍從になしたりけれど我に似ぬことなれば少納言になされてなむありき其の後八月に煩ふこと久しからずしてはかなくなりにき兼光卿別當も右衞門督も辭しはらひて日野に籠り居たりしかばとぶらひなどして後八月も過ぎて九月の中旬の比にもなりにき十五日念佛などはてゝまどろみたりし曉に此の歎を重ねてとぶらふよしの夢を思ひかけず見て寢覺哀にて二首の歌をよみたればこれを默止すこと本意なかるべくて日野へ消息して侍りき其比右中辨棟範も頓死したり又內大臣の子の大夫も家にて殺されたりとて世にも沙汰すめり又作範僧都もはかなくなりなどして無常の悲いつよりも思ひ知られたりかくはあれど驚く人もなし恩愛の涙も程のふるままにはかなく事なればかくよめるなりnoいかばかりよその枕の夢までも思合せて袖濡すらむがくくううとし歎きさへ夢になり行く曉の空返事に袖がきなどしていひたり披きて見れば凉秋八月暗然消魂以來鐘聲隨嵐之夕梧桐落雨之曉只拭零淚從及窮秋多年不離傍一日無V不見而三秋欲過再觀長絕而述枕上之抄夢忝賜形外之和語 技而伺之淚不異峴山之碑〓悲しさの思の空に滿ぬれば通ひもす覽よその夢路に仍忘後剛.款詠」 歌歌而已兼光苅髪衰翁蕭索纒 俗里其本懷在彼内舉而彼已歸黃壤僕獨明紅淚更無一事之可期猶垂五句之殘鬚耻欲之餘聊述鄙懷而已一浮世をば何事に又言つけて背きもやらぬ我身なる覽建久六年に前右大將賴朝卿東大寺供養にあはむとて三月四日入洛の後地頭何かの沙汰して五月まで在京之間內裏にて對面したりき又六波羅の家にてもあひつゝ契など淺からず其の後又遣したりしかば殊に物のたとへに人の心の我が身ならねばと歌にも申したり又かゝる手にて御返事こそなにはのこともと覺ゆれなど申したりしかば返事に消息の中に何となきやうに書きまぜて申し遣したりし一辭びじと思ひ餘の印をば葦には非でよしとこそ見れ返事前幕下一覺束な葭と見えける難波潟習はざりけむ恨をぞする其の翌日自彼又申し遣したるを見れば逢見てし後はいかこの海よりも深しや人を思ふ心は返し賴むむとを深しといはゞ渡つ海も却て淺く成ぬべき哉副へて遣す歌思ふと否みちのくのえぞ云はぬ壺の碑かき盡さねば立歸り又返事に一陸奥のいはで忍ぶはえぞ知らぬかき盡してよ壺の碑凡此人如此贈答之人尤希有歟羊僧始爲對揚尤爲珍事〓〓又鎌倉へ歸り下りなむとすると聞きて京に住まはれむこそ世のためにもよからめと申す序にル東路の方に勿來の關の名は君を都にすめとなりけり九一都には君に逢坂近ければなこその關は遠しとを知れ返し五第卷集玉拾
歌のよき由語りしかば此の歌をそへたり〓梅雨の絶間勝なる雲のあひを空褒をする人にぞ有ける此の返しに申し遣す君故に心晴たる身にしあれば空ぼめならぬ空褒ぞするなほもなは君に逢坂遠くより關のしみづぞ心凉しき又かへし〓くる〓〓と千代迄君に逢坂の久しくすまむ關の〓水も又やう〓〓のことども語りしかば言の葉を見れば心も浮島のはらたつまじと云は眞かかへし下腹たゝぬ誠職河の身にしあれば心〓見が關守に問へ又幕下の許より一夏引の糸五月雨て結ぼゝれ逢見し人に離れえぞせぬ三日下向はのびたりとあれば返事に一夏引のいと離れえぬ契にて三日月過ぎば秋の夜迄も又あれより〓秋夜の望月の駒引く迄は都にいかやさのみすむべきかへしたなほも唯都にをすめもち月の駒に心をげに勇むまで又あれより6夏の夜はたゞ一聲に郭公明石の浦にほのめきぬらむ返しに三人なみに賴みかくとや郭公明石の浦に思ひよりける副歌一一吾妻こそ君が栖と思ひしに和歌の浦にも立馴にけるかやうの文わが女のなかに君のいかなる名かたゝむなど申し遣しけるによせて又君君はあやしき妻のなだつとも恨はあらじ墨染の袖返し四千代迄も又や千代まで和歌の浦かく住吉な都近くて墨染といふ迄知りぬ衣かは〓き名ぞたつ陸奥までも又あれより如僞の言の葉茂き世にしあれば思ふと云も眞ならめや頼むれば賴れじとは思はねど思ふも知ず思ぬもみず返しに僞に習ひけるこそ怪しけれ頼む中にはよそに思ふを如嬉しくも厭はざるらむ心より人の思ふは思知らなむ此の返事を見て立ち返りはしたなき口答のねたく思ふとあれば其の返事に君に馴て外心なき妻なればうら返りたる妬さなる覽又たちかへり返事コみみたる袂も袖も夏衣うらなきとは知らざらめやは又翌る日にあれより來たりしことをことに思ひ出づるとて一夏友たちきたりしは墨染の一重にけさも人ぞ戀しき又かへしに四ををふ心はけさに限らぬを薄く戀ひける夏衣かなあれよりいはぬ日のありしかばこれより見せばやな君が玉章取出てとはぬ絕間は忍ぶ氣色を神神聞聞尙倉〓返しても嬉しき〓とは君になれぬるかへし45点忘じじまれしも結びしものを玉章のかき亂れたる我心をば還してもふかき物をや朝倉の庭火の下におもふ心は又おれよりそへたる歌AV睡めば夢にも見えつ現にも忘るゝ〓とは束の間もなし四返しに加東の間も通ふ心の離れねば哀に夜はの夢に入りけるこれより又そふch玉章を松につけても岩代のむすぶ契を思ひ知るかなかへしユ君と我と結びてけりな岩代の松と友にて久し〓〓と大事の聞ゆることなど申し遣したりし返り事の五第卷集玉拾ついでに二常よりも今日の絕間ぞ待れける問か問はぬか立居宅三いつの間にかく馴初めて束の間も間はれば人の恨めしき哉問はぬ間は恨めしけれどなぞも斯戀しき〓ははななかる覽かへしに11待待ねて心弱くも訪物を誰があらせける絕間なる覽煙程もなく馴ぬるにてぞ知られける唯前世の契也けりな戀戀と云な恨む共聞くとに斯に嬉し侘しき心ち社すれ禮紙に紅梅の檀紙をしたればかくいひ遣す〓折折くく包込めたる梅の花心の色を見するなるべしかへし五色も香も包む袖より洩出る梅にはあらで蓮花なる覽興隆庵藤島の事申すとてこなたかなたにかゝるべきなりと常にそへごとに申さるれば〓君故に越路にかゝる藤波は我が立つ柚の松の末まで返し幕下〓墨染の立つ柚なれば藤島の久しき末も松にかゝるか其の後又四五日過ぎてあれより〓絕間にぞ心の程は知れぬる我のみ忍ぶ人はとはぬにかへし"思ふらむ心の底を探るまに却りて人に恨みられぬるあすこと呼びたれば罷らむとてあるに又あれよりいかにこは隙なく人の戀しきはいつ習ける我心ぞも六今日も又忍ぶ氣色を見せばやな夕も夜もけさも訪ねば返しに我ぞ唯何とも知らで身は焦せ非の戀とて習はずと云折々にさしも待ける心こそ此言の葉の色に見えぬれこれより申さむとしつるにとてそへて遣す僞の君が宿には吹かざらむ身にしむ物はあすを松風かへし又立ちかへり松松の音せぬ折は忘るゝか憂身とならで驚かさばや副歌。僞は色にも見えず風吹かず心ぞしみて人はこひしき六月十七日に今日罷らむずる日の朝にあれより一いかに斯過避きにける月日ぞやけさ東雲の明る久しさかへしニ時の間も逢ふを待間の慰めに此玉章を見るぞ嬉しき副へて遣す『逢ふ〓とを頓てと思ふ心には遙かなるべき今日の道哉さてやがて行き向ひて心閑に謁して翌日朝にけさのみあれよりのみあれば十八日ごとに三千遍の拜みをするよし語りきゆゝしき勤なりたぐひなきことなり花花の本月のもとには非ね共君に逢ても立うかりしを君君代代は類ひも有じ今日とに三十勤むる末を思ふに三笠山さして賴まば石〓水きよき流の末もすみなむ返し幕下夏の池の掬ぶ泉にあらぬ身は何故人の立うかりける〓〓染染のよそ人までも三六日みそぢの勤め賴もしき哉朝日さす三笠の山は石〓水今ゆく末ぞ遙かなりけるof石〓水賴をかくる人は皆久しく世にはすむと社きけ一〓かりし源なれば石〓水すゑ遙々とすみぞましける後二首の返事又申しつかはす1石石水水よそも賴もし況て如何に君は久く住まむとす覽三代々ふとも我も濁らじ石〓水その源を賴む身なればこれより物申すことある次でに君君は侘しき〓ともあるまじと思し程に蟲の音を鳴く幕下秋近く成もて行けば蟲の音も勇む聲々有かとぞ聞く九月盡日自天王寺遺右幕下之許和歌也かさりともと思ざりせば秋と共に心盡しに返らまし身の
七年年けて生田の杜に返る秋を眺め煩ふ身とは知ずやい思思ふ我袖の上にくる時雨いかに染行く浮世なる覽八建久六年十二月二十日より寒の御祈を奉りて侍りしに第五日に大雪ふり侍りたりし次の朝に定家の朝臣かくなむ申し遣して侍りし定家〓庭の秋こずゑの春に驚けば君にぞなびく越のしら山〓豊なる年のしるしを今日とへば一つみ山の谷の白雪〓降初めて甍によりし夕風に夏の氷室を風やとぢけむ尋ても山は今日こそ見べけれちゞの岩ねの雲の月影みみうみは雪げの雲に見えじかし霞を包む峯の朝立誰わきて神の心をとけぬらむとつの濱ぢの雪の一條れふむ跡も本より庭のすみか哉いかゞ眺むる白川の里かいつよりも心とゞめよ庭のあと今日ぞ誠の君が白雪榊榊やあまてる神のゆふ襷かけてさえつる庭の白雪和和ぐる光をおなじ雪に見てかよふ心ぞ空にくもらぬ返事限りあれば冬の徵に降り積る雪故にこそ春秋も見れc流れくる雪の水上尋ぬれば誰かはしらぬ北の山もと。氷室さへ嬉しくなりぬすべらぎの君に契を結ぶ餘に、尋ても野べは今日こそ見べけれ千里の氷月に通ひて30牙に皇雪げの雲に外れつゝ越路を見する志賀の辛崎°C君と我と共に分てやとけぬ覽とつの神路の雪の二條10君君かかくたづぬる跡ぞ哀なる雪のすみかの白川の里如嬉しくも聖の跡を今日踏つ君がみゆきを我物と見て〓本綿襷かけて祈しかひなれやひえのみ山に積る白雪これよりそへて申し遣し侍りしnoくる春をこぞとや云むと思今日君とぞ見つる雪の通路返事定家か君が夢春を導く自雪をこぞとはいはじ花のかよひぢ同じ年俊成入道成家の朝臣中將になさむこと殿に申せとて〓敷島や道を尋ねば三笠山なかの跡しも隔てやはせむ返事不覺悟出家入道之後如此餘執無答之由也方今遙思四明之風景忽述十首之露詞不顧容刪竊寄禪居而已門下槐樹一君がすむ山の奥をも見つる哉長き夜頃の夢の通ひぢ風につけ月に任てあくがるゝ心の果は君があたりに三-世のうきをよそに聞なる山の奧に尙鹿なかば同秋風1年年ぬる我が立つ柚の杉村に幾秋風の君をとふらむまだ見ねば知らず長柄の山なれど梢の秋に通ふ面影哀れいかに志賀の朝霧仄々と浦漕ぐ舟の跡眺むらむ←悟り哉空しき色を君見よと木の葉降布く比良の山風ル世中の覺束なさに迷ひぬと君にをつげよ山のはの月か〓くなる玉の光のかひあらば君がみ山の道は曇らじc傳傳來る跡はつきせじ岩がねの動く〓となき寺の徵に御前事一ふみ見ても我が思をも思ひ知る忍ぶ日頃の戀の通路一月に吹く峯の松風誘ひ來て我が眺をば君につぐらむ-鹿はなけど世の憂事をよそに聞く山の奥には非ぬ秋風風ならで君がとふこそ嬉しけれ我が立柚の杉の徵にきく袖に志賀の漣かけくらしながらの山の秋の梢は辛崎や秋の朝ぎり仄々としまなき舟の跡をしぞ思ふ七君がとふ言の葉風の微せば空しき色の散を見ましや〓諸共に秋の月にぞ契りおかむ世にふる道の末の有明た岩がねよ君が緣りの君なくば動かぬ寺も跡無らまし右一首路也印中漢字素不知隔〓留於坐禪之床和語自得聞吟六義於止觀之窓而已禪林朽木cp君君るや山路はるかの夕にも心使のかよふしげさに一一峯の月麓晴れ行く志賀の浦の雲の千里に今宵いく村動きなき寺の砌に跡とぢていつか開かむ君まつの門一表哉檜原杉原風さびてましらも鳥もかしましきさへ建久七年十二月二十六日つとめて內大臣どの〓深き神に感ふ心ぞ無りける賴む日吉の影をまつとて正年の暮て神より神に移る哉いつか出べき我春の日は御返事だ世の人の宛暗き中にゐて我春の日をさりともとのみ〓我〓む日吉の影は君故に最ど闇無くならむとやする同じ年雪の朝に内大臣殿より〓〓今日來むと賴めし君を待程に跡惜まずと雪や怨みむ御返事加跡惜む雪の恨を思ふとて今日こぬ人となりにける哉元久二年正月十三日長房卿有問答之次世間有漏之法數个篇目贈答之次消息上に檢付け遣はす歌也00世の中よこはいかにせむとに斯に思ふも苦し春の曙一思ふ道にまづ先だつぞ哀なる淚よ何の知べなるらむ御返事二九九に滿ぬる年の春の花こゝの品にぞ匂ふべらなる三人のとふのぢの野澤の春の草は生ひて嬉き心ち社すれ〓何か惑ふ本の雫も末の露も常なき道も知べとを知れ112番露て淚こぼるゝ袖の上に曇らぬ月の宿らざらめや悲露命之終於他思雲客之首於自是皆世上之常途也勿憚貴下之前途歌御判承元二年二月二十三日愚狀之次進御所詠一首如都には似ぬかいかにとみ山べの春の景色を人のとへかし勅答TV七山里はうきが慰むとこそあれ問はぬならひは校本ニモ無之N終に尙契し庵に年もへむ待たれてこしは人ならね共山山ややははゝゝ人もとふ人も昔も今も夢かうつゝか〓〓かか都の中の言の葉を思ひ知れとや山のおくまでエ人知れぬ春の夢路に感ひても現の袖やなほ萎るらむ進盧橋歌ニ祈りえて嬉しき雨のぬれ色に匂をそふる軒のたち花追啓發現金錢傳遞 元氣m態染老筆候之間書樣さへ見苦しく候私御覽隆無其憚候猶可被書改候也重恐々謹言百首御歌始自御參詣之日三个日之間披講之神道山之風御裳灌之水千秋之色萬歲之拜自然計會如有答贈候仍不耐感仰各述鄙懷候隆不及披露內內書進之私經委覧可被改直候也恐々謹言三月十七日內宮禰宜氏良上越後律師御房春日拾五十鈴河吉橋良山御百首神感有瑞忽詠三首和歌一禰宜正四位上荒木田神主氏良二道といへば君が心に敷島や深き行くへは五十鈴河波知知ばば願をみつの長かしは靡くに見ゆる神風の空神宮之中禮奠之間爲永例有長柏謂之三角柏件柏者志摩國吉津島堺土員島內在山中生木上也吉津島風土記曰昔行基菩薩請南天竺婆羅門僧正天竺僧佛擔殖三角柏爲太神宮御園天平九年十二月十七日致御祭之勤也其後傳〓大師弘法大師慈覺大師續以修行之各以法樂之五ちりもゐし〓き手向を哀とてそなたに靡く神風の聲禰宜正四位上荒木田神主成定〓神垣や百枝の松に契りおく言の葉ごとに惠あるべし〓敷島や滿來る汐の大淀やみるめもあかず海士の釣舟〓榊葉のさしてぞ祈る思ふとならずは非じ五十鈴川波權禰宜正四位上荒木田神主滿良
ね七七十に懸る浪汐の濱荻の朽葉の身にもあかぬ言の葉神神もさぞ忍ぶらむ幾春も匂おこせよ志賀の花ぞの一世不足限權禰宜從四位上荒木田神主元延〓色そめて幾しほ深し難波津や今日神垣に匂ふこの花蓑みのためしはそれぞ神路山見ゆらむ物を面影の空神垣や己が常磐になりぬらむ今日の手向を松風の聲權禰宜從四位下荒木田神主成延手手まま詞詞花花そへてさくらの宮も惠あるらし吹き送る手向の風の〓とわりに靡くも嬉しいせの濱〓k賴むらむ心の空は隈もあらじ照せ神路の山のはの月權禰宜正五位下荒木田神主延季一月一の影しも神路の山べには住かひなれや今日の圓居は例例とと日日の手向に色添へて朝日もうつる神垣の空神神路山君が手向を松が枝に重ねて靡く雲のしらゆふ法樂百者抽什之間三首六輩之祝言三角長柏天神感不能欲罷呈一首答和者也〓。百草の言の葉に吹く神風に三つの柏の音ぞうれしき一今ぞ聞く願をみつの長柏この言の葉の色になるとは貞應二年五月十八日法皇かくれ給ひてさみだれける朝前相國公經公の許へ遣はしたれば返しか一優しや儚からぬも如何にせむ思ひ知れとや梅雨の空我が袖の外に思や餘るらむ空さへぬるゝ五月雨の頃憂身をばなきに做ても人のため詠られぬる行末の空詠めても憂身のまよふ世中を君にさとらむ行末の空〓ももははかかに鳴門の浦ならむ其も治まる風も有世に治治むむの宿りの知ぬ身はよそに鳴門の浪ぞ激しき神神も聞け吾妻の駒の脚を早みいかなる道に松風の音世世は吾妻の駒の脚を早み立返るべき世とは知ずや深深思思思思ててももなり世を導くは御法ならずや一契置く君が御法にひかれてぞ思捨べき此世にもふる天つ星の光にかなふ世の中を思すてよと神は思はじ天つ星の光は更に變らねば變れる世をも神に任せむ結ほる心のをこそ悲しけれ思しとかばとけ易き身の玉玉のをは結ぼれてのみ止みなまし斯しも君が思解かずば春の日を宿す光は石〓水すむべき御代を尙賴むかな春の日の光にすまむ石〓水永らへて社世をば賴まめ世をすてぬ夏の日吉を仰ぐより天照神ぞ空に嬉しき明き夏の日吉と仰ぐ身は曇らぬ御代に逢ざらめやは〓むむぞようき身の年の七十を唯君のみや哀とは見む〓數へても君が御年の七十に思ふ思のかずやまさらむ左金吾あづまに思ひ立つこと侍りて北斗曼陀羅つかはすとて返事をばいへと申すと聞きていひ遣しける初春の嬉き御代に逢坂の關路より行く君をしぞ思ふ東路や遙にこそは思ひやれたなびく山のいく霞まで世を護る神も佛も君を社そなたの空に待つも送るも一春の月を同じ空にや詠むらむたかしの山の雲ゐ遙に波につゞく霞の色やいかならむ濱名の橋の松の梢にいとに斯に跡ある道を賴む哉駒に任する野べも山べも〓春の雁やこの玉章の跡を見て歸らむ程は慰みもせよ北の星や吾妻の旅に出る人を祈る光は空に見ゆらむ○いはじ唯云はゞ愚になりなゝむ通ふ心の底を賴みて旅行程遠投赤心於斜日之霞山路跡深入雁札於連峯之雲志之所之欲罷不能之故也正月八日記之。雲のうへを思ふ心はふる雪の深き庭にも消返りつゝ。雲の上に通はざらめや雪消て跡ある庭に立返りなば500行行けば遙に照せ山のはの月よ慣こし睦び忘る驛な〓いかにせむと思ける社愚なれ宮も藁屋もあれば有世に新古今集被終其篇是萬春之佳遊也感悅之餘聊述早懷而已五第卷集玉拾〓〓今今の新になれる和歌の浦は波を治むる徵なりけりねし嬉しくも春の彌生の花の頃ちる言の葉は末ぞ遙けき愚老拙歌甚多罷入候ニュー"恐與悅已計會候歟〓山川のあだに思ひし泡の消えぬ數こそ怪しとは聞け剩被行其宴候了我國之風俗尤可謂過境者歟00敷島や大和ことわざ君が代に新になれる惠をぞ知る00重ね置く浦の濱ゆふいせの海や神代の神や嬉しやと見む四首の御詠事厭ふべしと浮世の中を知りぬるや是ぞ眞の心也ける世中の憂ぞ思へばつらからぬさらすば人の厭ましやは一著き物を知らずとよそに思ふなよ人を導く人の擧動しるきものをとみのを川の流にて人を導く底の心は春たちてまことの道に向ふらむその行末や法の花園行末にひらくる法の花園はたゞ我が君の匂なりけり連々下給候御〓書不可四度解無事通通行行く其難波津の藻鹽草搔もますなよ人のみ爲に←煙とは成もやす覽藻鹽草人のみるめにかきは交へずル蓮の上に露の憂身も君が爲磨かれぬべき心ち社すれ公開公演ニれ蓮葉に君が爲おく露なれば磨かれてこそ我も宿らめ九品愚詠叶御意候返々爲悅之至無申限候相構早々繪堂可拜見候此御感御詠こそ打置がたく覺え候へ御札をばまもりにし候ふべく候抑繪堂罷入事候は可沙汰進之由昨日令申候無事不審候恐々謹言公經雨中御札折から銘心肝候〓いはじたヾ賴む心の幾重とも今日天雲の色に任せて一荻の葉の唯あらましの風にだに如何計なる露とかは知毎事心餘り詞短し思ふ樣にも不被申候只可有三御察心中候歟抑百首名所の樣めづらしく候ふ歟其の所と定めて候はむは今少し興候ひぬと覺え候障子の歌の心ちして面白く候ひなむいかやうにも左對相國などに申合はし可申候御徒然のためには第一の事に候ふ歟琵琶まめやかに!〓ゆゝしく候ひき眞實これ程候ふべしとも不覺候ひしに珍しく曲の殊勝にひかれて候ひしやらむ不可說候ひき子を申候てかきて候ひけむ人にあつらへて握翫候はゞや每事難一二候不宣恐惶謹言四月九日實氏上九月七日故殿の小松谷墓所にて五部大乘經供養と聞きて法眼のさうぞく送り奉る次でに前の攝政 の お も と へ思ひやる心ぞ晴れぬ足引のやまゐの霧の秋の夕ぐれ書人いづこ殘りのしるしとて六の道をば今や出らむ跡ふりて神さび渡る小松原けふや身にしむ秋の谷風又正尋ね來て寂しき色や身にはしむ昔の跡にのこる秋風若君如如衣の裏にかけし玉を思返さで見ぬぞ悲しき山すげは人の霜とも枯ぬ物をいかに植けむ谷の陰草〓ののをないかに聞做す柚ならむ伐るも伐ぬも知人の爲抑其後情返々加案候に彼御出家之後書絕不令參仕こはいかなる次第に候哉不可參之由被仰上には不及左右の事にて罷過ぎ候へども倩加案候に何かも今は入り候まじき次第に候ふ戀慕の思ひも難休候へば只令推參ばやと思給候如何に候如此內々にも不申合ふと參り上るも上々方難謝候へば內々令申候也可有御計候ふ歟達て歌とかやは如此之時遣す心事に候ふ歟〓思兼ぬる眞の道の淺茅原かるれば最ど露のこぼるゝ慈五第二集玉拾
cmつく〓〓と身を知る雨の袖の玉願ふ蓮の飾とをなれ秋はつと聞初めしより霜枯れて春もめぐまぬ谷の陰草から枝をきればぞはゆる峯の松たつきの音に絶間有すな斧音今に不止之尤可勝之御判出家之由兼不〓之由令申たりしかば遣す家を出て家に止れる君なれば道の知べを尋ねざる覽沙彌連經營業〓出ながら尙古里にとまる身は君をぞ賴む道知べせよ隆寛阿閣梨父の資隆入道におくれて山里に兄弟あまた集りゐて追善すと聞きて遣す歌故故〓にのこれる杉の紅を染むるしぐれは涙なりけり一一一ににぶぶ雁がねの諸聲に子を思ふ道に感はさる覽返し隆寬〓神無月淚しぐるゝ古里はそめしにも非ぬ衣をぞきる〓立ち昇る煙絕えにし大空に雁のよばふるよはの諸聲公衡中將の許より1今今知知其言の葉に咲花は雪のうちより徵ありける返事に00言の葉にやがて花咲く徵をば雪の中より誰も知る哉歎く事ありて遺しける「何故に消殘りける身なるらむ哀かひなき袖の露かな侍從定家の許より定長入道の物語を聞きたるとて立つ柚や月の雲ゐにやどしむる心をみがく峯の秋風返しに比良の山月の雲ゐに宿はあれど心の谷の岩陰にのみ山にて詠じたりし歌を副へ遣す返し定家み山木は嵐の聲を時雨にて殘れる月や色まさるらむ11011のの谷谷の岩戶もまだわかず唯世を厭ふ道をのみ見て殿の大納言殿彼十首歌本歌再寂蓮和可御覽之由被示仍持參之令進訖其後又和遣其詞云遣懷四明幽趣奉和十首之佳什志賀都遺民知知れれははぬぬ山ぢ迄思遺る心や秋の空につきけむ4浮浮哉いかにならまし鈴蟲の賴む山路に聲たてつ也大大けの高ねに見ゆる秋の月宿の物とや君は眺むる本数我知知心心行行る宿に籬の野べを分けぬ計ぞ九anさを鹿の夜深き聲におく露を獨外山の袖に知るらむ一長長夜の更行く月を詠めても近づく闇を知人ぞなき、三志賀の里の稻葉に風は傳來て長柄の山を越る鹿の音一本木葉葉はけ歸りし山の初時雨聞分く袖に色や見ゆ覽法の水心にふかくせき入れて昔にかへす比良の山風我立杣之中幽居谿之洞有靈山院忍鷲嶺隱欣彼惠心之素懷呈此愚老之丹棘攪戀慕於雙淚栽至孝於竹篇唯志之所之更忘人之嘲而已五鷲の山昔の跡に尋ね來て住まばやと思ふ我が心かな鷲の山入りにし月の跡の山に感はぬ人のなきぞ悲き鷲の山音にのみ聞きし嶺なるを移す聖の跡の有ける一篇の山ふかき心におもひやれば今日も昔も有明の月な鷲の山我が山にうつる月影を鶴の林に何をしみけむ○鷲の山佛の道の一つなるに我が思ふ人を〓入れつる鷲の山なき人まどふ法の道の音羽の露を打拂ひつゝ鷲の山曇りし影を思ひ出でゝ我が立柚の月を見る哉鷲の山絕にし道を踏分けて訪來べき人と誰か知けむ鷲の山退凡下乘の率都婆まで跡ある跡を見るぞ嬉き昔惠心僧都遙移慈父在世之儀近開賢聖圍繞之圖今靈山院是也我公大和尙忝就此勝絕之地敬報彼諸靈之恩御願雖似新興隆猶依舊濟度以有綠爲先和益及無緣爲本戯於貴哉大哉抑有十首花篇金玉顏聲聞不堪情感跪以奉和矣戒心谷愚老權律師隆寛148〇三六五五第卷集玉拾住まばやと思はぬだにもたづね入る契は深き鷲の山風影殘す月のみかほの寂しきにくもふき拂ふ鷲の山風六せうつしおきし人の心を知る人の心すゞしき鷲の山風ME三ままで我が立つ柚に立返り行方知らるゝ鷲の山風慈ひいるゝきみが心にすむ月の光をみがく鷲の山風。。果果てゝかせきが苑と見えぬべき草の中より鷲の山風七ー七あなたふと有緣無緣のもろびとの心の塵に鷲の山風始めおく御法の聲に打ち添へて年を限らぬ鷲の山風三七今こそは思合はすれ君が爲に移しおきける鷲の山風比かきつけし言葉は苔に埋れて深きそとばに鷲の山風北尋ね入る鷲のみ山の下露にすまばぞ月の影も宿らむ一月入りし鷲のみ山の跡の闇に迷はぬ人も有ける物を移しおく鷲のみ山の深き跡も御法の道を知る人の爲ル此此頃の〓や鷲のみ山の月影も我が立つ柚に光さすらむ常にすむ鷲のみ山の月なれば心に移す人ぞ知りけるco今日ぞ思鷲のみ山の月かげの橫川の水にうつる印も〓〓入るゝ鷲のみ山の一つ水我思ふ人に限らずもがな跡跡ららじ鷲のみ山の法の道おどろの露を君拂はずば常にすむ鷲のみ山の月なれば訪來る人を照ざらめや二つある鷲のみ山のそとばこそ一つ御法の印也けれ和歌贈答消息和當御事春の暮月々之三朝は天神曲水宴御作序作歟不略其句朗詠被書入候とこそ承り候へ如此事非我有候へどもめでたきも中々は被庶幾候間今朝蘭の桃の色の濃く候もとに立ちて覺え候へば三千年になるてふ桃の花盛君もろ共に見るぞ嬉しき志之所之申狀尾龍候哉恐々謹言三月三日諸諸共に君に千年を契りおきて思ひひらくる桃の花園只今如此申さばやと思ひ候ひつるに此仰こそ眞實に嬉しく候へ中々に候へば委曲止候了恐々謹言乃刻菖蒲草草軒にけふ見る夕ぐれに匂ふ雫は五月雨のそら蓬屋にも誰か思ひよりて候ひつるに今日の萬蒲をもて詣でふき候ひつる程にやがて五月雨もそぼふり候につけてかくこそ思ひ給ひ候へ如何〓〓五月五日披芳札及感淚候了人はをりふしを知るこそ世に候ひにても候へぃ時しもあれ軒の菖蒲の黃昏に雨にも名のる郭公かな難默止候之間申狀見苦候〓〓謹拜則時七夕の夜申さで候はむも無本意こそ候へ御詠歌など尤可候日ぞかし七夕にぬきてかしつる唐衣露おく袖を今朝返すらし後朝の心殊に思ひやるべきよし思ひ給へ候如何如何謹言七月七日2露の袖を返す名殘の夢なれや契りまさしき星合の空如此事不堪無極候身のつねにおき出されまゐらせて見苦しきことをのみ申し候こそ難堪候へ恐惶謀言即刻〓長月は今日こゝぬかの白菊を君が宿には最ど眺むる今年菊のませ盛りに候こそかへす〓〓うちすて難く候へ秋の夜も明し難く候に此間御會候はゞや如何〓九月九日ニ諸諸に眺てしがなませの中に花咲菊のけふの名殘を此仰返す〓〓悅び思ひ給へ候とかく仔細候まじ十三夜にかならず人々を伴ひ申候て可參啓候也穴
賢〓〓〓力〓〓乃時身にとまる年をも人は送る也春を迎ふる心ならひに降り積る雪をこえ行く年波に色をあらはす末の松山歲暮難默止候へば二首詠進候早可承御返事候歟恐戰謹言十二月二十八日〓來る春を迎ふる人の習より爭でか年を送らざるべき〓のうちにいとゞ色こき深綠ふヾきや波の末の松山數ふれば我身に止る年波を選返ると人の云初めけむ此はしにもをはきとひかへさせたまし物をな(如元)〓積む年の夢をば誰も見る物を驚ねばや返ると云らむおぎのりかへすは歌の道にはかくやすらむものを今樣花春のやよひの明ぼのに四方の山べを見渡せば花ざかりかもしら雲の懸らぬ案こそ無りけれ郭公{花たちばなも匂ふなり軒のあやめも薰るなり夕ぐれさまの五月雨に山ほとゝぎす名〓して月。秋のはじめに成ぬれば今年の半ばは過にけり我が世更行く月かげの傾く見るこそ哀れなれ雪50冬の夜さむの朝ぼらけ契りし山路に雪ふかしこゝろの跡はつかね共思ひやるこそ哀れなれそれ大和詞と云ふは我が國のことわざとして盛んなるものなり五七五七七にて五つの句あり五大五行を表するなるべし眞俗これを離れたるものなし眞諦には五大を離れたるものなし佛身非情草木に至る俗諦に又五行を離れたることなし天地より海山に及ぶこれによりて大やまと日高見の世には豐葦原をうち拂ひて開け初めしより神々のおほん詞を傳へ來れる此の外に更にさきとする詞あるべからずたやし印度漢朝の詞の文字又いるがせならずして其のあとより佛の道をもさとることなれと唐國には梵字を用ゐることなし孔子のをしへ作文の道いみじけれど大和ごとを離れて其の心を覺らずいかなれば此の國の人の漢字を知らずとてかろく思へる神の御代の神々神功皇后よりさきの十五代の君の御事を未だからの文字傳はりこざりしかばとて愚に申すべしやは此のことわりを思ふに聊かもからの文字に疎しとて此の國の人は歌の道を次に思ふべからず唯其の國々の風俗なり更に勝劣なかるべし限あれば眞言の梵語こそ佛の御口より出たる詞なれば佛道におもむかむ人は本意とも知るべけれ漢字にも假名つくる時は四十七言を出づることなし梵語は却りて近く大和詞に同じといへり土器と云ふものありこれをかはらけといふも弓をばみたらしと云ふ皆かやうのと數多あり天竺に云ふ梵語と同じとこそは申すめれ我が國のことわざなれば唯歌の道にて佛道をも成りぬべし又國をも治めしらるゝ〓となり此の道理に迷ひつゝ和歌といひつれば淺香山の山の井よりも淺く夏の梢の蟬の衣よりも薄く思へりこれはことわりにも背きまことにも違ふことにて侍るぞかしこれ若しひが思にて侍らば其の由をつぶさに承らばや抑そめいろの山の四方に四つの國あり其の中には南瞻部洲とて佛の出で給ふ國なり此の洲には天竺を始として樣々の國多かり皆其の詞かはれるなるべし佛此の國ばかりに出で給ひてすべて內外の淨土より始めて二十五有の有樣を〓へ給ふされば惠心院の源信僧都も之をとりなしつゝ書き置明ぼのにしら雲の四方の山べを懸らぬ案こそ見渡せば無りけれけるなるべし爰に煩惱にそめたる濁世を厭ひ離れて菩提を悟る淨土を願ひ求めよと〓へ給ふ諸〓の中に四〓五時の眼にて侍るを顯はせり斯りける國にしも生れて侍るこそ誠に嬉しく侍れ其の菩提をばいかにしてか悟るべき其の濁世をば如何にしてかは又離るべき釋迦佛本時所化の菩薩の老として地より出で給ひし有樣を宣ふには志樂於靜處捨大衆情間とこそは侍るめれさればまことしく其の理りを思ふ人の深き色に染める花の都の塵に交はりて阿私仙に仕へし秋の木の實を忘れたるはなし佛法をひろめ給ひし大師達の跡の我が立柚に冥加を祈りしも高野の山へ入定と聞ゆるもさてのみこそは侍りけれ悲しきかなや佛法すゑになるまゝに其の跡は皆戰ひの庭となりて果には鉾光を爭ひむつかしき相論をのみ好みて天聽を愕かすことになる〓とぞかし家を出でながらみな俗塵に交はりて心をそらす心をそめざることよかるまゝには法師の道に更に二途の道をなして遁世の聖と云ふもの出で來たり暫しはたふとしと聞きこしかども今は又聖と云ふものは皆さま惡しきものなりかゝるまゝには却りて道もなき心ちし侍れどさりとてはとて此の至れるまことにせめ出されて深き山に入りつゝ佛道を思惟し侍る中に初に申しつる理りに任せて大和歌のことを思ふに戀の歌とてよめることこそ眞に浮世を離れぬためしには皆思ひなれたることにて侍るめれと思ひ學びてさればこれに寄せてこそは厭離の心を〓へ欣求の心をも顯さむとて百歌に數へたしていそぢに使ひ侍りぬ若し歌の道を申すまゝに思さむ人は情關を捨つとも思ひなし靜處をねがふとも思ひなし佛道へ入るとも思ひなし煩惱を離るとも思ひなして此のさいうに心を留めておとりまさりをなむつけられ侍れかし立田川の紅葉ならねば錦と御目にとまり難く吉野山の櫻ならねば雲かと心にかゝり難し玄かはあれど我が國の言の葉より佛の道へ入らむと志し侍ることみつのみまきの深き江より起りてとは田の秋の稻に納まり侍らむ連枝の契にもまさり比翼の緣よりも深かるべしとこそは神も佛も照し給ふらめと覺え侍りてなむ事の序を悅びて申し出で侍るなり立田の紅葉吉野の花のことを中すとて思ひ出で待りにけり和歌の人々こそこれをも目にはたて侍らむずらめ序に申し行はれもせよかしとてなむふるかりし者のかたることありき和歌の會の座は披講の後なごりもなきやうに侍るなりそれに講師讀師本座にのかれて後彼の古今の序に貫之が書きて侍る秋の夕立田川に流るゝ紅葉は御門の御目に錦と見え春の朝よし野の山の櫻は人丸が心に雲かとなむ覺えけるを朗詠に聲々合せつヽ二三反ばかりして其の座を起つがめでたきことにて侍るなり此の詞を朗詠にする音曲ならひ傳へ侍ると申しゝ人のありしに今々と思ひてえ傳へずなりにし口をしう侍りたゞし今も心えたらむ人は易く其の音曲などは興し立てられぬべしと語り侍りき此のことのいみじう覺え侍るなり新古今の具に興し立てられて末の世にとヾめ侍らばや前和歌所寄人桑門慈鎭五十首和歌老若歌合春十首コーリ君君が代の春の例は住吉の松にかゝれる霞なりけり〓〓鶯の初音の松をひく野べに春を重ねてたつ霞かな皆神風や懸ても春に成にけり浪に角ぐむいせの濱〓智朝霞梅がめてたなびく山に春風ぞ吹く100今日迄は厭はしからぬ景色哉花まつ空に春の山風
ヘラ同じ影を庭と池とにさし替て霜も氷も冬の夜の月七番世中のはれ行く空にふる霜のうき身計ぞ置所なきNa4朝朝は又重て冬を見つる哉枯野の上に降れる白雪ニョル鹿を浮寢の鴦の聲に替て我も生田のをのヽ草臥九四藤千鳥鳴くさほの河原に霧晴て友感はさぬ有明の月0一言君のの思思心心は大原や世にすみ竈の煙にも見よ一維柴の暫し憂身の世に住みて打眺むれば年の暮ぬる四四の海の治れる世の徵哉なぎたる朝のあまの釣舟雜十首四層和歌の浦の蘆間にたづの聲す也昔の汐やさしてきぬ覽〓海山と物のあはれを思ふには磯も高根もたゞ松の風四〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓音を思も寄らで宿を借けるちゃ心 むすむ限りなりけりいそのかみふるき都の有明の月五七ハ〓リ思いを事となど問人のなかる覽仰げば空に月ぞさやけき六八カレ花花でら柴唯唯の戶をさして思ふ心の奧もみ吉野の山九〇五年君が代に逢さか山を越え行かはせきたる身とも發電0一一七と花と月と渡ひ渡して行く心是も悟の端となるらむニ神のさす木のもと涼し朝夕に君が願をみつのはま風左方權大納言忠良前大僧正慈圓定家朝臣家隆朝臣寂蓮右方女房左大臣通今度撰定十人被召五十首ニ"叡感已過分也"忤悅不少〓我立柚老比丘慈鎭爲後日記之以暮秋初冬之候入二諦一如之觀忽詠四五之拙歌法法三所之權現利他思觀自而念朝市之春花勿萎于鳳關仙洞都鄙之秋風莫攪三於佛法王法依此倭國之風俗彰淨土之月輪矣正法金剛一男山に通ふ契は春日野や聞けば身にしむさを鹿の聲思思ををくくもいはじ水莖の跡かき流す神に任せて10人人住住住のは大和は花の國なれやみ吉野の山を初瀨の山加藤末の松山も霞の絕間より花の波こす春は來にけり九〇〓面影や花より後も殘るらむめがれぬ物は心也け己が浪に同末葉ぞ萎れぬる藤咲く田子の怨めしの身や一〓初瀨山眺めぞ兼てつきぬべき春の別の鐘を殘して夏十首ニチ隔つなる卯の花がきのこなたにて鶯しのぶ郭公かな三四〓〓郭公御誕のしめに引籠めて外に濱さぬ聲を聞ばや五五十郭公思ひや出づる忍音を鳴きてたちにし卯花の宿七,九六八九州軒の雨の雫にぞ知る時鳥なくやさ月の菖浦草とはル五五雨雨に行きて尋れむ勝間田の池もや今は沖つ白波一五五開關短き夜はのうたゝねに花橋の袖にすゞしきルー詠めをば照る日の影や隔つらむ春秋もなき夏姿哉二〓結ぶ手に影亂れ行く山の井の飽でも月の傾きにける一〓庵さす野澤の夏の夕涼みもの所せき秋にぞ有けるニチタされば野中の松のしたかげに秋風さそふ蜩のこゑ秋十首ニ五三日月の仄めく空に秋を籠てニチ秋はきぬ七日はまたじ七夕の朝引絲の臥しや侘らむ漫に渡る山のはの雲二二秋毎に濡れて重ぬる袂かな月さゆる夜の雁の涙にモタタれば鶉に馴てしむる野の夜はの思は鴫の羽掻ヒ〓引かへて今宵の月は見ゆる哉山立出づる駒の緣りに心#秋をへて月を眺る身となれり五十の闇を何歎けむ九九州聲立て鳴くと云ふ鹿に言問む秋や悲しき妻や戀しき三幸のかき合せたる調べかな雁の琴ぢに過ぐる松風ニ〓秋風は〓の上葉に立こめて木葉の色に吹變りぬる三一家 も るによ袖より外は音もせず秋くるゝ日の宵の時雨は冬十首モ唐錦のこる梢のはつ雪は白地になれる心ちこそすれ唱神無月槇の板屋の轉寢は時雨せぬ夜も木葉ちる也三ああば先木葉に袖を比ぶべし夜はの時雨よ夜はの涙よ五八〇七五五第卷集玉拾もとふるさとの梅の籬やこれならむ霞のうちに鶯のこゑNo鶯は花の緣りの音也是待つとてもなく散とてもなく花杉よ吉野の山は三輪の山春のしるしは立優るらむoよよ野野雲の岩ねの花盛り風よりおつる瀧のしら糸一春をよそに憂へて過る宿なれや櫻が枝に秋風ぞ吹く〓吉野山まよふ心の跡なれや花のかけぢに風渡るなり譯入りしことぞくやしき吉野山花に風まつ夕暮の空花ならで雲こそなけれ夕霞深きや春の雨のかよひぢ〓花故に春を哀と思ふ身をこりよとばかり今日の山風薰り來る花の春風身にしめて山こえ暮す志賀の里人いあかで散る春の櫻を見ては又秋の心のありける物を限あれば梢ばかりは拂ふらむ庭をば風も朝〓めすな涙をや霞の袖にかしつらむよるに別れて歸る雁がね秋をいざ波に霞の色さえて春のみなとに有明のつき山里の花もちりぬる梢より霞をおくるくれの春かぜ一春を惜む心を夏の知る計りあすも匂へと春に契らむ夏二十首散散てゝ花の影なき木の本にたつことやすき夏衣哉我が宿の卯の花垣の花盛り空さりげなき夕月よかな即の花を垣ねに殘る雪と見て聲うちとけぬ郭公かな〓待つ宿とおもひ知りける郭公曉ふかきよはの二こゑ〓郭公鳴きすてゝ行く聲の跡に心をさそふ松の風かなひませの內に秋咲く花は二葉にて色を重ぬる深見草哉九大方に夜の明るをや待ならむさゝぬ板戶を叩く水鷄は○あやめ草けふ故〓を來て見れば蓬ぞ軒の便なりける。橘の花のしづくに袖ぬれて雨なつかしき五月雨の空50五月雨の降荒みぬる小山田に我も〓〓と採る早苗哉co春も秋もこゝにはしかじ夏刈の葦のまろ屋の雨の夕暮9五五雨の空になり行く夏の夜の月影しのぶ郭公かなx0分けならす人なき宿の夏草に待つととては秋の白露河河社あそぶ心のすゞしきやかつ〓〓神の惠なるらむ〓色に出る我言の葉を忍兼て散すも風の名こそ惜けれ五いいにせむ稻葉の風の片靡き眞葛にうつる秋の夕暮はな〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓も男山よも長月の末の秋かぜ〓秋よ今はやみに別をいかにせむ心ぼそきは有明の月AM秋と冬と行きあふ坂の關守は露の袂に霜やおくらむ〓物思へば秋習はしの露の袖にほさで時雨に洗ふ頃哉ニ己が色の紅葉ぬ秋は暮果てゝ染めます雪を松風の音そむれども散らぬ袂に時雨きてなほ色深き神無月哉一時雨かも松に嵐の槇の屋に木の葉もあらぬ木葉散也鼠やしぐるともなき空ながら雲まに月のもり變る覽〓霜に朽つる庭の木の葉の色迄も却て神の惠をぞ待つ此此世ははふふ心に道ぞなき空行く風も松にこそ吹けいかにせまし淀の川波掛まくも長き神の誓ならでは嬉しくも昔の道にかへるらし秋のみやびと春の宮人祈祈る哉はこやの山の秋の霧晴れぬる後に又曇るなよc身身ぞぞしむ我後世の月の雲を拂へと契る和歌の浦風〓理を誠の道に入るゝより身は無物に世をいかにせむ一真ならで又思ふ〓とは無物を知らぬ人をば何か怨みむ承久元年十月朔之比爲八幡宮法樂詠之五五七五拾玉集卷第六四季雜各二十首都合百首詠百首和歌春二十首立初むるけふの今年の霞より昨日の去年の隔也けり何となく古里人は待たれけり春に成ぬるみ吉野の山我が心春は霞にあくがれて思ひ懸らぬ山のはぞなき秋かぜは秋霧をこそはらひしか春風うづむ春霞かな
loo荻にふく秋をも待たぬ夕かな松風むすぶ山の井の陰〓夏ふかき梢に色はかはらねど露は秋なる森のした草か雲迷ふ夕に秋をこめながら風もほに出ぬ荻の上かな°夕まぐれ野澤に夏をわすれ水げに秋近くとぶ螢かな一郭公鳴く一こゑの夜はなれば秋にはよひの有明の月一夏果る今日の祓へのすがぎぬを超てや秋に成むとす覽考日一首多シ秋二十首ニあすを秋と待つる今宵睡ろまで野寺の鐘を風に聞哉七夕の心やそらに晴れぬらむ雲の衣に秋のはつかぜ1名を得たる秋のみ空は曇るなよ春社花の濡衣はきれ一夢かとよ驚く程にはれにけり雲の衣をかへす月かげ〓廣澤の池の昔の月の夜も我がすみかとも思ざりけり秋の野を分行くまゝに夕されば月にぞ移る萩が花摺秋といへば錦を掛くる萩が枝にたゝむは野べの嵐也見〇野べ毎に花の袂のしをるれば露にぞ見ゆる秋の哀は一庵さす野べの旅ねのかなしきは荻に夕風萩に朝つゆ一詠むれば數かぎりなき哀かな鳴たつ澤の有明のつき三わびぬれば我が宿のみと思ふかな人の籬も荻の夕風宿は荒て身社野守に成ぬれど月を鏡と見るぞ嬉しきいいにせむ伏見の里の有明にたのむの雁の月に鳴也熊の女が秋風しのぶ松がねに衣しでうつ夕暮のそら和和の浦の沖つ白波をりからや哀をよする秋の松風〓ははにたく蚊火やの煙立添ひて朝霧深し小山田の原長月も幾有明に成ぬらむ淺茅の霜のいとゞさびゆく00秋秋別別れもしき垣ねかな音せし荻も霜にうづみぬ一秋の爲かひなき月の契かな歸る空には影だにもなし我が物と詠め〓〓て秋のなど月に誓ひて立歸るらむ我が物と月を詠めて秋のなど闇に迷ひて立歸るらむ冬二十首槇ののににも暮れぬる夜はの夢を早晩殘す初時雨哉〓枯れはてぬ荻の上葉の風の音に又たち歸る秋の夕暮だささるるむら薄歸る人無しに殘る比哉〓神無月おのれさびしき梢かな庭に嵐の聲をゆづりて〓時雨をもうらやましとや我が涙袖と袂に山廻りする三月を思ふ秋の名殘の夕暮に木蔭吹拂ふ山おろしの風00谷風に庭の朽葉をはらはせて玉しく物は霰なりけり一詠侘びぬ立田の里の神無月木の葉踏分とふ人もがな-一限なき枯野にみつる初雪に秋の哀のうつりはてぬる三初瀬山霜夜の鐘のあかつきよ嵐も寒し夢ものこりぬこやの池の己が蘆間につぐみゐて枯葉の霜に鴦ぞ鳴なる習五難波がた松の嵐に雲消えて月の氷にをしぞ立つなる本松松ててよよの浮寢の悲しきは風より底に千鳥鳴也上濱濱鳥とわたる聲をうちそへて浪に傾ぶく有明の月冬冬の梢にあたる山風の又吹くたびに雪のあまぎる2紅紅故故厭ひし風はそれながら音こそなけれ雪の木枯〇%冬さむみ都にくもるよひの雨は四方の山べの雪の曙ニ炭炭の煙は風にうち靡きはれぬ雪げの雲につゞきぬエドををす誓の末もあらはれて庭火は神の光なりけり三いつも聞く鐘とや人の思らむ今年暮ぬと告る聲をも雜二十首二春春山幾千年をか待つならむ梢のふちに春を數へて五五君が代の限知られぬ例には海と雲とのはてを尋ねむ煙昔思ふたかつの宮の跡ふりて難波の蘆にかよふ松風一部都ふ心に身こそ誓ぬれこえて月見るうつの山のはバス浦づたふ旅の哀は松島や小島のあまの袖ばかりかはho草草かりねの夢に入るものは出でし都の有明のつき〇人人ななし峯に松風里に月占めえてすめる山の奧かな一曉のましらの聲に袖ぬれぬ庵のまがきは檜原杉はらななむれば霞も月にはてぞなき春と秋との波の通路三大秋風にふじの煙の靡き行くを待とる雲の空に消ぬる空に月風に花をや詠めけむ飽ぬ別に身をくだくらむ五世の中の現の闇に見る夢に驚く程は寢てか覺めてかな思ふべき我後世は有か無か無れば社は此世にはすめ六生ける日の浮世の波に漂て苦しき海の舟をしぞ思ふ六〓今はたゞ唐國人に身をなさむ棄つる命心ならねば打絕て世に住身には無けれ共有ぬ筋にもいみぞ悲き。又しなき罪の報をしつる哉生きても斯る世に生れける一身のうさを和歌の浦わに詠むれば心に浮ぶ住吉の松我も孰ら有ましかばと見し人を忍ぶとすれば最ど添行く今は我れ心の月も出ぬらむ五十の關も稍ふけにけり秀歌百首草十二月二日賜題同八日成草但一往謬歌歟返々可琢磨云云春春水立春子日霞餘寒蕨鶯若菜殘雪若草梅柳櫻春雨春駒歸雁春曙苗代菫菜杜若藤花款冬殘春三月盡夏更衣卯花葵郭公菖蒲早苗夏草照射五月雨廬橘螢蓮蟬鵜川夏夜夏衣晩立蚊遣火荒和祓氷秋秋室泉七夕萩女郎花薄刈萱露蘭立荻稻妻雁鹿蟲霧槿花駒迎月擣衣菊紅葉暮秋九月盡冬冬時雨落葉霜枯野霰霙初雪寒蘆千鳥氷水鳥網代鷹狩炭竈爐火佛名歳暮除夜此題戀雜無之不審此百首御詠題相違之仔細共有之十月二日被召百首不可交他歌皆悉可爲秀歌云云々作者十五人御製前太政大臣右大臣內大臣前大僧正前大納言大宮大納言左衞門督大宮宰相中將侍從宰相家隆朝臣雅經朝臣泉宗朝臣家長秀能春二十首春といへば霞とともに鑿きて空にぞしるき雲の上人エルのどけかれ今は氷柱も打とけて春立浪に志賀の浦焚きき我我手にぞとる姫小松霞に契る子日ならなむせとけぬらむ雪も氷も夕霞わきてのどけき春の山かぜル片岡の賤がたつきにしばしゐて谷よりつたふ鶯の聲なしか共に摘てこそ知れ春日野の若菜は神の惠なれども0人人知知ぬぬの小草雪消えて春めく色の物哀さを一難波潟角ぐみやらぬ蘆の根を洗ふ浪まに春風ぞ吹く〓春雨の雲となり行く霞かなはるゝもやがて淺綠なる秋秋りも霞に曇る月影の花の木のまを漏ぞさやけきみ吉野や花の盛の峯をしもよそに越行く春の雁がね1みみ吉野は庭も梢も花盛遲きもときもげにとこそ見れ〓男男が春のを繰て打解けよ花こそふヾけ志賀の山越い誰に云む木の本占てみ吉野の花に儚きさよの寢覺を〓春の山の風や哀に思ふらむ別るゝ花に年へぬる身を加田子の浦の岸の藤波色深み松のしづ枝におつる春風〓山吹よ春の彌生に散果てね卯月の花の浪にをらるな一皆人よ春の苗代水ならでおなじ心にゆくものぞなき一春社あらめ花見し人も歸なば如何はすべきみ吉野の山シ別別く春の形見を春に問へば葉替ぬ松の色社はそよ春水柳春曙殘春菖蒲螢蚊遣火霞餘寒若草梅春駒歸雁藤花款冬葵郭公五月雨廬橘夏衣晩立荒和祓萩稻妻雁槿花駒迎暮秋落葉霜寒蘆千鳥炭竈蕨鶯苗代三月盡早苗蓮蟬女郎花雁駒迎九月盡霜千鳥爐火薄鹿月刈萱蟲擣衣時雨雪鷹狩枯野氷佛名霰水鳥歳暮
夏十五首立ちとまる春の隔の霞こそ夏の籬と今日なりにけれ〓音羽山卯の花がきにおそ櫻春と夏とやあふ坂のせきか玉川の里と聞しやこれならむ月影晒す八重の卯の花もも共共賀賀と日吉と葵草おなじ卯月の蠶をぞとるM淀のわたり夜深き空の郭公みなせ河原の雲路をぞ行く〓郭公夏夜ふけ行く一こゑに涼しく明くる東雲のそら〇五月雨の空なつかしき袂かな軒のあやめの薰る雫に。葛城や夏は裾野の草しげる外山の庵の五月雨のころcoことわりや忘れがたみの匂とて古へさそふ橋のそで30思兼ねせめて嬉しき水鷄かな餘り人こぬ槇の板戶に浮浮哉此罪をだに雪がなむ宇治は鵜河の世に社有けれ10おほ寺の池の蓮の花盛りはこぶ心に手向けてぞ見るやとに斯に見程もなき夜はの月は夏の有明に西の山下も夏夏罩て秋の分來る道なれや淺茅が原の今朝の白露Noあすを秋と思ふ禊の河風にかねてこぼるゝ袖の露哉秋二十首加心して吹けともいはじ夏はまづかへぬ袂の秋の初風〓今日やさは生田の川の浪の上に秋と覺ゆる色の立來る一七夕のなみだに露をおきそめて枕の下に秋風ぞ吹く早晩と稻葉に秋や立ちぬらむ穗末に風の音ぞ露けき三女郎花袂は萩のねたる色ほかになおきそ野べの白露風の音よ理りなれや荻の葉に吹き結びける秋の契は一〓ゆゆ鳴のる鳴子の綱を引も敢ず稻葉の露の袖にこぼるゝたこしかたを忍ぶ袂の夕露や初かりがねの淚なるらむ終夜とばたの面にゐる鴨のこゑにかたむく有明の月〓ををむむ鹿鹿の立どは小萩原朝ゆく道に錦をぞふむ秋の庭に物侘しくて住む人の同じ音になく蟲の聲哉○萩が枝に契置きける露なれや花に任せて色變るまで一月はかな明石の浦も更級もたゞ見る人の心にぞすむ山山端を何か厭はむ夜はの月人の心にいらぬ物かは一草草やうづらの床の朝つゆの袂にうつる秋の夕ぐれ聞くたびに袖にうちそふ淚かな秋住吉の松の浦かぜ一夜はに越えし昔の跡や立田山梢に秋の焦れ行くらむ如晴れて霜曇れば時雨秋の空色に出るは木葉なりけり秋も今は吹飯の浦の松風にたづ鳴くよはの有明の月秋の暮るゝ鐘よりよそに袖ぬれて盡せず落る我淚哉冬十五首秋の色の飽で枯行く梢より打時雨つゝ冬ば來にけり〓思分きて誰眺むらむ秋の尙歸りも敢へぬ冬の景色を一秋の尙歸も遣ぬませの裡をいかにと問へば八重の白菊中中にしぐるべき空の村雲を運ぶ嵐にぬるゝ袖かな三木枯の風になり行く山里の庭の紅葉を人にみせばや三木葉吹くむこの山風立ちぬらし蘆やの奥に蜑の釣舟11秋秋色色皆枯々に成果て眞葛に風の吹くかひぞなき紅葉ばに秋よりかねて村時雨今は嵐に任せてぞ見るかか枕〓〓から枕冬いかにせむよさの海の沖つ嵐の松に吹く聲冬の月をまてとなるべしすさみ行く時雨の雲に峯の松風神神無月秋の姿の殘る野べを慕ひてすめる夜はの月影90湊川獨うき寢のとも千鳥しばしも浪に立つ空ぞなき一所ゆる夜の月の氷にゐる鴨は上毛の霜も光なりけりさゝ繁さ〓ふる野にいつか又檜原の雪を三輪の山下二暮暮れば我身に留る年をなど歸ると人の云初めけむ戀十首〓迄迄は身の憂からと忍べ共情をだにも聞でやめとや我いとふ人の心とおもはゞやつゝむ袂にちがふ涙を加忍ぶぞと獨のみ云言草の誰がすむ宿の軒におふらむセガ好らら今今はしのばじ偲ばずば哀緣りの人のとへかしNo暮暮ゝよりくる人を待つ宵のまは靜心なき賤の苧環カツ空たのめ今は恨めし君故と心にすむはふくる夜の月cm/君と我行きあふ坂の道もあらば孰方よりか秋の初風ニ厭厭唯何か怨みむ今は我が憂身を知るも情にもせむニュー我が戀は春とやいはむいつもいな唯大空の秋の夕暮頼め尙誰にも云ひし言の葉も止る契の無らざらめや霧旅十首〓身計りは野ぢも山路も遮莫心はうはの空よりぞ行く旅馴て睡ろむ程になる宵を思寢とこそ夢も知りけれ大大大方の浮世の道を引きかけて悟るばかりの旅の空哉なかち枕いつと渚に小夜ふけて夢よりぞたつ袖の涙は〓かか枕〓いち〓いつと渚の友千鳥しば鳴くこゑに明くる東雲カム駒の跡を靑行く草葉數へつゝおくも落るも露と涙と○松がねを枕とたのむ住吉の梢しぐるゝ小夜の浦かぜ一旅枕鴨のはねがき搔も敢す幾ら落ちぬる涙なるらむおおかたの露にみだるゝ淚かな旅の哀は袂のみかは旅に出て物の哀ぞ知られける此を誠の道になさばや思ひあへず涙しぐるゝ旅の空いくたの里の秋の夕暮山家花も栽ず人もとひこぬ住か哉春に春なき深山べの里山の井の流をとめて人ぞとふ水こそ夏の主なりけれ山里に住む心ちする寢覺哉時しもあれやさを鹿の聲山ざとよ時雨は霰露は霜ふかくなり行く庭の雪かな衰なる人の住かを人にとへばをはつ瀨山の入相の空0誰誰見見せむ槇の下葉の朝露に濡てまだひず墨染の袖。山里よ怪しきまでの契哉暫し行かねば戀しかるらむ〓〓ぶぶにおえ手に思えぬ思山の井の流にすだく螢なるらむ三年年長長の身のも樣しなきに成ぬ憂山里をよそに見よとや一人や云し我や尋ねし初瀨山住かにしめて物思へとは北大原の里と聞つゝ尋入ればまだ道ながら袖萎れけり厭離歌百首流轉比丘往生上籐ひても尙離るべき世中にとめて求むる我が心かな願いても尙求むべき後世を知らでも知らぬ我心かな〓憂世かな吉野の花に春の風しぐるゝ空に秋の夜の月九むおもふかなくるしき海に渡し守深きやみぢに法の灯七〓々々なで逢夜の夢を現とも知られ顔なる鐘の聲かな「妹が宿の誠の道の奧ならば斯しも人は惑はざらまし我が心こは孰方へ誘ふらむ聞かでをねなむ荻の上風一夜もすがら慕ふ心を照さなむ西に傾ぶく山のはの月山山に迷ふ木葉を眺めても染むる心の歸らぬぞなきT春春雁雁の花の花の都の空を行くに類ふ心のなど無るらむ秋の空は月すめとてや雲はなき人の心の懸らましかばううなならあるか心の都出で〓柴ひき圍ふ西の山本越て行く心を人に知らればや尙奧深き峯のあなたをか故〓を出でゝ後こそ思ひ知れあなう哀の世の習をも〓いかにせむ我立柚を離れ來て求むる道の末ぞ遙けき一尋ね來る心のうちを知りがほに聖の跡に月の隈なき厭ひ出て都片しく槇の屋に夢だに見せぬ村時雨かなシううししももがが思ひたつ深山路の深き梢に有明の月浮世出る宿の嵐にちる紅葉その色深き心ちこそすれ〓徒らに今日も過ぬと告る鐘に答へておつる我涙かな都都にて眺めし色はなかりけり槇立つ山の夕暮のそら我が庵よ幾重の山の奧ならむ聞きも習はぬ鳥の聲哉後の世を思ひつゞくる涙には心の月の曇らざりけり衰にも檜原かきわけすむ庵に今は友とやましら鳴く覽。雪の山の鳥のよそにも思ふなよ結ばで結ぶ草の戶鎖を。山吹は我が谷陰にある物を井手の河波立ちな歸りそ二0紫の雲まつやどの西の山かゝれる藤の色ぞかなしきco今日こそは夢とさとりし山櫻都の花に思ひあはすれ今今こそ我故〓に見し月のいらで澄ける心をも知れx0草の庵に衣返さで寢ぬる身は現を夢と知るぞ嬉しきお打返し重ねし袖を思ふには惑しさへぞ嬉しかりける○野にかゝり山にかゝりて思知れ都に住みし心習ひを〓み吉野の奧賴もしき住ひかな外山の庵に鐘聞ゆなりなひえの山をひえの山の深き色も浮世の外の徵ならずや
〓愚かなる高野の山に有明の月をもよそに何思ふらむ一皇の君までならぬ御子の德は難波の〓とを思知れとや一浮世かないとふ心は大原やおぼろの〓水心にぞすむ一初初山鐘の音さへすが原や伏見の夢はよだ夜深きに〓ななり耳を河瀨に洗ひしも厭はでいとふ心なるべし故〓を離れ越路の奧の峯に諸行無常と消ぬ身ぞうき〓紅葉せぬ松の門には入乍ら心色ある身をいかにせむ一知知らば何か我世を厭べき厭はで行かむ鷲のみ山路ル世中を卯月の山の峽なれや待ぬに來鳴死での田長はがあるにして心に深く結べばや濁ざるらむ山の井の水〓雪深し心も深し山深しとひくる人のなきぞうれしき一今は我都の春をいとひ出でゝみ山の秋にすむ心かな一うれしくも春の櫻の色をすてゝ夏の蓮にそむ心かな一部出て鹿すむ宿のませの內に尙厭はしき女郞花かな〓嬉しくもこの吳竹の風の音にやすく打ふす片敷の袖〓今は又我が袖いとふ淚かな露はいづくぞ深草のさと嬉しきは花も紅葉も山おろし色なる〓とを誘捨てつる〓極樂を願へと計り〓へてや唯西へのみ月は入るらむル柴の庵に時雨は草葉かりにてもなに故郷を思出らむた鐘の音を誘ふ風を聞くからに散し心ぞ散ずなりぬるco罪深き海に嵐を思はでは沈むとや知る浮ぶとや知るニ花をねに返すは風のならひなり我が庵過ぐる山颪哉〓〓ざざかる心嬉しき山路かな春はあづまに秋は筑紫に三冬むすび夏さへ消えぬ氷こそ心の水にうかぶ月かげ〓て思へば夜はの時雨の山廻り終にはいづち雪の曙一憂を厭ふ心の色を人は見よ散言の葉をよそに思はで〓君が代を久しかれとは祈れ共憂身に松の色は思はでななたなめの賴む心ぞふかき山思をすつる思知るなり〓我山のなれる樣社哀なれ厭へとなして懸らましかば加跡ぞかし暫しな入りそ夜はの月深き契を志賀の辛崎co/夢ぞかし思儘なる身也共嬉しかるべき此世とや知る一色にそむ心をおもへとりべ山夜はの煙は何か悲しき二夜はの露に人こそ袖を濡す共消て嬉しき我身也せば今日は又世にすむ人に厭はれて心の底の嬉しきやなに我を厭ふ都の人を見る度に濃き墨染の袖ぞぬれぬる四いいにせむ佛の〓さとる身の悟らぬ人の同じ闇なる六四都より袖うちぬれて歸る人は心にくゝも懷しきかな覺東な我山をさへ世に做て尙厭ふとや神は見るらむ50期計り厭へとなれる世中に暫し住ける身社つらけれ加里の犬の尙深山べに慕ひ來るを心の奧に思ひ放ちつca 嬉しくも占し山べに宿ふりて馴ずと聞し鹿ぞ馴ぬる一一感ふ道の涙しられし袖の色を悟る袂に絞りかへつゝ打打し裏になりてや小夜衣襲ねじ袖の玉を知るらむ三難波津に今は春べと眺れば西に開けて咲くや木の花家を出でゝ家を出ぬに成にけり眞の道に眞なき身は五エななにはづや深き昔もあしがきのま近き物を轉法輪所A夢夢めて心も空に詠れば我が世もふけぬ月も傾ぶくぜさぞなげに老に傾ぶく月日とて惜むか人の朝夕の空〓浮世をば離れて思ふ心にもなほ懷しき我が山路かな五五片岡に松もかひある朝日影出れば消ゆる淺茅生の露の悟りなばつひの友とや都出て我入る山に月も入らむ一浮世思ふ人の心やあま小舟海に嵐のたえぬ日ぞなきさみだれにやま郭公待たじとは迷に廻る心なるべし六植植てけり我後世の形草身を捨てゝ住む宿の垣ねに寶とて仇なる物を積置くや我に知られぬ命なるらむIああまましや佛の道に入る人の何を心に思ひますらむ世中に有るは有ずと悟れて世に在程の世に生ればや皆人は心の底を知られなば深山にも尙住でありなむ〓斯て猶積りし罪を雪がずば浮世出たる名をや汚さむ〓徒らに涙は袖に餘れどもたへぬ心は行くかたもなしch春の火に心の野べをやくからに言の葉絕る春雨の空一影をかへて助くる神の驗あらば遂に佛の道知べせよ158〇一〇六六第卷集玉拾何とこは思ふもいふも道ぞなき此庵までは誰誘けむ六十まで人も知られぬ心かな隱さぬ物を山のはの月心こそ思ひし程になりにけれ故郷とても今は厭はじ何となき口すさび迄契ける佛の御名は南無阿彌陀佛鷲の山山のあなたも知られにき入ても月の面變すなせたのむぞよ靈山海會釋迦大師誰故とてか世に出給ふ康元三年十月十四日明月心隆頓右禿筆詠二十八首經一宿翌日十五日之朝念佛之終數日之安樂推同者也百首句題春雪中早春N雪は深く春は淺きや一年に二年込るしるしなるらむ2時時れば今日立つ春の霞こそ雪の上にも難きにけれ水〓朝霞朝まだき淀のわたりの渡し守霞のそこに舟通ふなり"ほの〓〓と通ふ小舟を立こめて霞によする淀の川波野外晩霞夕霞霞岡のへをつゝめどもなほこぼるゝは鶯のこゑ岡上若菜此。春春衣衣笠岡に芹つみて神に手向くる若菜ともせむ竹籬聞鶯我が友と賴む籬の竹のうちに嬉しく來啼く百千鳥哉谷底殘雪No春春ても幾日になりぬ音もせで雪深かりし谷の川水谷陰や深く積りし名殘には春の雪とも覺えざりけり河邊古柳詠むれば立田川原のふし柳なれも老木の春ぞ悲しき戶前梅花〓模の戶を鎖でぬる夜の梅が香に人こぬ閨は慰みやせむ夜風告梅か心ありて夜はに吹來る風なれや關は綾なき梅の匂に田家春雨0賤のをがかへす山田に嬉しきは時に時しる雨の夕暮"春の田にかへす〓〓も嬉しきは時しる雨の夕暮の空杜間花稀珍らしや信太の杜の千枝の隙に一木櫻の花を見る哉舊宅花殘住捨捨てし舊き籬の庭にしもかゝる匂の花を植ゑける嶺上望花山高み散りなばいかに花盛雲と見つるは櫻なりけり覽る人の絕えずもあるかな山高み櫻の枝に瀧の白糸行路見花(橋下落花醫旅宿歸雁かかりがねの聲なつかしみ都へと歸る旅寢のはるの曙浦邊春月一月影の明石の浦の春の夜は霞も暫し晴れやしぬらむ近砌款冬山吹のあかぬ匂をたどるとてゐでの河波立や歸らむ遠岸紫藤九藤咲かばながむる西の山のはに松にかゝれる紫の雲三月盡°行行春惜惜む淚にたぐへとや霞は晴るゝ夕ぐれの雨夏薄暮卯花タづく日さすや岡べの卯花の色より傳ふ月を見る哉久待郭公待〓びて日數へにけり郭公今は山路に行きて尋ねむ故〓郭公01郭郭高高の宮に吳はとりあやしきまでの聲の色かな船中郭公六第卷集玉拾
p郭郭公なき出づる山の麓行く舟におち來る聲聞ゆなり盧橘薰簷00昔へて思ひ出でゝぞなぐさむる花だに花の軒の匂に雨後早苗〓並べ行く菅の小笠に雨ふれば採もかひある我早苗哉澤邊菖蒲10人の宿の軒に宿かる菖蒲草いつか澤邊を朝立てこし山家夏月co詠むれば明る程なき槇の戶を叩くは水鷄さすは月影隣蚊遣火加夕されば續く垣ねの蚊遣火を我宿ともやよそに見覽庭五月雨梅雨は日をふる儘に水こえてほらぬ池にも鳴く蛙哉遠近鵜川一宇治川の瀨々の網代に鵜飼舟哀とや見るまきの島人湖邊螢多一粟津野の屋花よ風にちりやらで鳰てる露は螢也けり朝折瞿麥朝な〓〓ませの內なる撫子を惜くもあらず手向つる哉樹蔭流水〓我が門に植ゑしもしるし柳蔭いさゝを川に夕涼み見む野草秋近エ初花は野べの小萩に咲初めぬ今幾日有りて〓の上風秋田家初秋なほに出づる門田の稻葉けさ見れば早晩重き秋の白露七夕後朝忘るなよ天の河瀨に歸る浪又こむ今朝を思ふ遙けさ閑居栽萩〓萩を栽て袖の類ひの露を見むさのみや獨濡てほすべき晩女郞花女女花花にむ暮るゝまがきに色ぞ殊なる野徑萩風〓荻の葉よ籬もおなじ秋風の旅の野原は色ぞ添ひける晩更初雁一玉章をかけて越路の初かりの聲ばかり聞く曉のそら遙聞鹿聲〓さを鹿の妻戀ふ野べは孰くぞと片岡返る宿に聞く哉庭草露滋二人とはで野と成にける庭の面を露に任する秋ぞ悲き關路霧深沖つ風稍吹く影に誘はれて須磨の關屋に晴れぬ朝霧權花藏垣二暮れ行かばもとの籬に返るらしたゞ一時ぞ朝顏の花旅泊待月〓我思ふ明石の浦の浮ねをや却りて波に月は待つらむ月照山居山にすめと〓し月は無れ共出るも入るも我に做つゝ月滿海上出るより入る迄波の上にして山のはもなき月を見哉古渡望月た今宵をば秋の最中と算つゝ佐野のわたりの月を見哉瀧邊殘月三ca布布の瀧に光をのこしてや影きえやらぬ有明のつき野亭擣衣一いいにせむ隣の寺の賤が庵に鐘より外に衣うつなり蟲聲隨風一一誰か聞く遠里小野の萩が枝に風にみだるゝ蟲の聲々紅葉未遍三龍田山霜も時雨もふる物を今年は秋の色ぞつれなき河邊紅葉たたった姫神に手向る錦をば御裳濯川に洗ふなりけり四〇一六六第卷集玉拾秋暮菊殘ううろひて殘る色こそ哀なれ秋のかたみの白菊の花冬初冬時雨如昨日まで露と覺えし我袖の今朝は時雨に成にける哉落葉埋石山陰や苔に埋るゝ石の上に木の葉定めぬ風渡るなり朝野寒草〓朝まだきまだ霜きえぬ淺茅原冬野の草は末ぞ悲しき椎柴霜深椎椎をつま木になしてこる賤が歸る袂に消えぬ朝霜竹間聞霰0風はやみ庭には玉をしく霰竹のさ枝に音ぞはげしき原上初雪一色變るひえの高嶺の雲をみれば初雪降りぬ眞野の萱原樵路雪深ニ山山の跡絕ぬべき雪の中に伐りおく枝ぞ尙辿らるゝ雪中待人ニ都都ままは待ぬに成ぬべしこはいかにせむ雪の夕墓池上冬月月かげのおなじ光やをしがもの上毛の霜も池の氷も岸邊寒蘆11住住のの片片凍る蘆の葉は枯れて色ある心ちこそすれ浦邊千鳥加淡路島千鳥しばなく朝ぼらけ殘れる月の影ぞ寂しき江水初氷セト住の江に松の秋風吹きこめて遂には凍る嵐とぞなる鷹狩風寒御御野の雪になり行く風の音に歸る心の恨めしき哉深夜水鳥夢夢めてをしの聲聞く池水や冬の宿には情なるらむ古寺歲暮〓caf如何に聞きいかに思はむ初瀨山今年は今日の入相の鐘戀初祈請戀一二ににここひこそ人の祈るとは今日や初て神も知らむ忍經年戀ニ忍忍れば色には出ず我戀はさて幾年の月日なるらむ契違約戀三我戀はいとゞぞ曇る空だのめ空に知るべき人の心を馴不逢戀馴々て中々なると思はじと思さへこそ苦しかりけれ待夜深戀エル鐘を逢見て後も厭はやや空しく深る夜はの悲き邂逅遇戀〓是見ても又待つ程の久しさはたまさか山に鳴く郭公後朝隱戀〓いいにとよ契置べき歸るさに頓ても人の立忍ぶらむ憚人絕戀いいにせむ互につらき中ならで人め計に絕果てねとや顯後悔戀〓ははててししてるし中ならば忍果ても慰めなまし隔遠路戀いいににむ都遙に詠むればしのぶもぢずり心亂れて六傳人怨戀一中々に怨みじ今は人づては思ふ計りは語らざるらむ一人知れず思ふ心の行くかたは眞葛が原の風に任せつ遇隱名戀音羽山音ばかりにて過ぎねとや誰とて人に逢坂の關被厭賤戀芹摘し昔の水に袖ぬれて乾く隙なき身をいかにせむ被忘後戀
意らるゝ身をいかにせむ思しは此より戀の限也けり互有恨戀諸共に恨み〓〓ていざさらば其戀路より思ひ歸らむ雜晩更冬燈消え遣らで壁にほのめく燈に霜よの鐘を起出ぞ聞く暮山松風出でやらぬ月に心や通ふらむ暮れ行く山の峯の松風雨中籬竹蓑れにも葉末こまかにさわぐなり籬の竹の雨の夕暮巖苔埋路。哀にもかよふ人なき山べかな苔に埋るゝ岩のかけ路浦鶴鳴月一誰か聞く月の出汐の和歌の浦に蘆べ露けきたづの諸聲霧中山路ニ旅旅空哀哀のづくと人とはゞ唯暮かゝる山路也けり野外旅宿七ヨー野べの露に草の枕を朝立てば袖に留るは淚なりけり海路眺望七歸る雁の霞にかける玉章を濱名の橋に詠めつるかな山家流水何となくたより嬉しき山河を麓の里にせき流すかな山家鳥馴山里にさびしも住みける古は衣に巢くふ鳥も有けり深夜夢覺七〓鐘の音よ今は昔を思ひねの夢の枕に聞くぞかなしき田家懷舊〓此のほどは昔の君の跡ぞかしとば田の里の秋の夕暮朝觀無常今今は最ど露ぞこぼるゝ鳥べ山よはの煙は有明の月薄暮述懷o暮暮ゝゝ空に物思ふ人は皆身の浮雲に風ぞのどけき社頭祝言一嬉しくも佛の道と君が代と守る日吉の影ぞくもらぬ略秘贈答和歌百首「音羽山ふかき霞をわけ入れば大津の宮ぞ春の花ぞのシ春春ればうちでの濱の濱風に長柄の山を志賀の山越〓花に飽で花を哀と思ひきぬ散習ひきて我になしつゝ11月月に飽で寢待の空を待からに來む世の闇を思るゝ哉お吉野山そもむつましき詠かな花待つ峰にかゝる白雲七四浮雲をいとふ心もうれしきは月待つ山の峰の松風七〓郭公まつに來鳴かぬ聲なれば常磐の杜に聞く〓ともなしか〓我は又まつに嬉しき命とて老曾の森に鳴〓ともなし〇五五雨雨の雲より出づる郭公はれたる物はなが聲の色九「今ぞ見る雲立騒ぐ秋の空は風より月のいでける物を二つつににつふに思ふ心の末の悲しきは月見る西の山のはの雲〓〓後の世に迷はじ今は夕闇の空さりげなく出る月影染ておろす峯の紅葉の紅を袖より外の物とやは見る工出出月月世世にはまぬ山のはを心の外の雲とやは見るㅍ諸共に鹿こそは鳴け暮の秋の紅葉ちる山の末の嵐にちむら柴にきらず立つなり櫻狩花ちる野べの春の曙七Mよしさらば淚に疎き身也せば袖には月の宿ざらまし九局行ふに眞の言をならはずば心に月の宿らざらまし九○散りつもる庭の紅葉に霜さえて曉は月の光なりけり一 月影に雪かき分て見る梅の白きにも尙そむ心かな00月影の嵐になびく有明にうちあはせたる鐘の音かなニー偏と思知りぬる槇の戶にさし合せたる鳥の聲かな三0色色きつたはふ跡の露しげみ心ぼそきはうつの山道10番都出でゝ入る日の末は山もなし思ひ盡せぬ浪の上哉五和世の中の人の心を思ふ空の雲かきわくる山のはの月〓〓〓ははより世の人の擧動は時雨るゝ秋の山のはの雲No山里に露置萩の濡色を見よかし人のとひだにもこぬ六第巻集玉拾か 秋の野を移せばませに露深し鳴ぬ鹿さへ聞心ちして九。秋ふくる木の葉の色に待つ時雨一廻りせば山の下風一 思思たたああだなる物は人の命野分の風に萩の上露一ふしみ山鹿の音おろす夕嵐に稻葉が末に鶉なくなり三一同柴の戶の垣ねの軒の程狹み割なくあさる鴨の羽掻神無月雲にあはれを吹きそへて梢にあまる夕嵐かなエル吉野山花に哀を思なれぬ色づく野べに春風の吹く木枯にちらぬ紅葉の梢よりわかちてぬらす夕時雨哉七一山山の風には堪ぬ芭蕉葉を垣ねに賴む宿ぞ物うき初初瀬山霜深き夜の寢覺には怪しく鐘の音ぞつきせぬ九回追風にほに任せつゝ行舟の泊定めず恨めしの身や〓いつよりも音ぞ身にしむ老にける年の暮行入相の鐘一 春春來來〓行くくささの年波を幾へ重ねむ磯の松風〓よそに聞く戀の病を尋ぬればやがて我身の心也けり三げげややさぞ返さで死なむ〓とぞうき色社替れ染る衣を我のみと尋入る山の谷陰に誰ぞも庵の跡のありける點昔たれ住みける山の奧ならむ思ふも悲し苔の通路山陰や繁き檜原に木隱れて花と月とも疎くなりぬる七四谷陰や苔の岩ねに庵閉ぢて疎きは嘸な親しきにさへ秋の夜の寢覺夜深き夢さめて殘らぬ物は心なりけりニト春春野の寺立込むる夕霞つゝみ殘せる鐘の音かな九ニュー訪人もいふは嵐ぞ叩くらむ人知れぬ山の草の戶鎖を一誰か來て哀といはむ葛城やと山にだにも訪人はなし三手向かも折から神も惠むらむ四手に風吹く有明の空三參參人のまろねの跡を殘す霜は神の心に赤の玉垣思はなむ思へば袖に露深しそよ春日野のさを鹿の聲瑞頼む神よ在すかいかに有明の秋の梢にましら鳴く也五極法の水に深き心は山の井のむすぶ雫も濁らざるらむセニ今は我れ淺き心を忘水いつ堀かねの井筒ならなむ〓朝夕に袖に返して結ぶ手の浮世の綱を解ざらめやは九有限入る無常に直の法音のいでぬ栖を問ざらめやはcoみを分けて鶴の林を出でしより龜井に映る有明の月四一個入月の入るは淡路の島隱れ人を導く道と知らずや一暗きより暗かるべしと思ひ知る心ばかりは照せ月影ヨ間聞よよ障障雲の晴ぬより尙出る月は心にぞすむ三三惡の家には何かかくるべき出でにし物を五相成身五四必ずよ夜はの煙と身をばなせ以字燒字の法の報に五白之其遺成我命いつ迄とだに知果てば殘るとなく世をば捨てむ福恩也唯今日〓〓と思ふべし知るも知ぬも今幾日かはハ我が身より浮世の人ぞ恨めしき一心になど生れけむ열カロ憂が中に憂らぬ人も有物を押なべてとは思ざらなむ九五心をば我が後世に顯さむ法の爲とて今日までは經ぬ一押押さげて人やりならぬ心哉かへせばあだに浮雲の空意へども又思へども思へども心の外にうき物はなし語心あれば心なしとぞ思知る嬉しき物は心なりけり三何とこは背く心の深からむ此世にこそは生たる身の五百生來て厭へと社は〓しか知らざりけりな法の心を五〓情より人の心をしのぶこそ又なさけある心なりけれニエー聞聞よよ誠誠に心ある人は情なき名を立つと知らずや七〓憂もうしつらきもつらしとに斯に心ある身に何生けむな心心ききもも葉葉も野も山も春と秋とを知らぬ物かは九六〇いいにせむと常に心を惱む哉厭ふも頓て厭しき世を一人間厭む心の主に言問む有難き世にあられざるらむ六後世を思忘れて世にすまば此世計りに樂しかりなむニ後後世知知知知しきを苦しと云はいとゆふの空=我心隱さじばやと思へ共見る人もなし知る者もなし六一心 さんやさばやとは思へども皆人も知る皆誰も見る五思はじと思ふに適ふ心ならば斯しも世をば厭ざらましいいににむむ思べき〓をを思寄らで悔き〓とに馴にける身を七〓〓〓迷迭風風の本の葉の何として叶はぬ〓にに身を歎らむ精身計をなきになしては過ぐれ共偖もうせはぬ心也見九
〓いかにせむ人も拂ぬ夏の池の菱とも物の思取られぬ一七日いかにこは心も尙も高瀨舟さしも憂身と思しかどもニ如何にせむと思ふも叶身也せば孰く栖と知人も有じ高=世中を厭ふ心のあらましに死なでも人に別ぬる哉我が心奥まで我が知べせよ我が行道は我のみぞ知る四〓人心つらしと思人なれど人をぞ恃む人のゐるがり〓前の世を思知るよりなく涙今我が袖に乾くまもなし請後世は今宵かあすかなく涙思ふ計りに尙ぞ溜りぬ七神神よいかにうしや北野の馬ばゆふ埓の外なる人の心は精勤くなよ人の心は佛だに思兼ねてぞ捨て給ひにし九〇八つひにさは昔聖の立つ杣をたえにし物の又音のする一面逢難き中に近江の山高み三度きにける身を如何にせむニ守守ここ名残は末も久しかれはこやの山の松の村立三いかで尙鶴すむ洞に生れても無らむ世迄君を守らむ以上百首は大略併詠次に乍百首入撰集之程許とて奉納神居畢具在別草詠百首和歌以古今爲其題目慈鎭春二十首年のうちに春は來にけり一年をこぞとやいはむ今年とやいはむ雪の中に春は來にけり吉野山雲とや云む霞とや云む袖ひぢてむすびし水の氷れるをはる立つ今日のかぜやとくらむ〓春風の結ぶ氷を吹解けば更にや今日は袖もひぢなむ春霞たてるやいづこみよし野のよし野のやまにゆきはふりつゝ春霞たてるは都さてもなほ山の奧には雪やふるらむ霞たち木のめもはるの雪ふればはな無きさともはなぞ散りけるかあわ雪の花なき里に嬉しきは木のめも春の夕暮の空春やとき花や遲きと聞きわかむうぐひすだにも鳴かずもある哉ハ春はとし霞かゝれる木末より花ぞおそきと鶯の鳴くあづさ弓おして春雨けふ降りぬあすさへふらばわか菜摘みてむか春雨のふるから小野の梓弓おして今こそ若菜摘てめ遠近のたづきも知らぬ山なかにおぼつかなくもよぶ子どりかな〇呼子鳥嬉しくもあるか遠近のたづきも惑ふ山の夕暮うぐひすの笠にぬふてふ梅の花折りてかざゝむおいかくるやと→春毎にかざゝで年ぞ積りぬる我が老かくせ梅の花笠世の中にたえて櫻のなかりせばはるのこゝろはのどけからまし〓春の心のどけしとても何かせむ絕て櫻の無世也せば櫻花咲きにけらしなあしびきのやまのかひより見ゆるしらくも櫻花まだ見ぬさきも三吉野の山のかひある峯の白雲花の色は霞にこめて見せずとも香をだにぬすめはるのやまかぜ醫をだにと思ひし花の霞より色をもおくる春の山風花の木も今は堀栽ゑじ春立てばうつらふいろにひとならひけり堀栽て見るは嬉しき花の木の移ふにこそ習侘びぬれ春の色の至り至らぬ里はあらじ咲ける咲かざるはなの見ゆらむ春春の至り至ぬ木々ぞなき咲るが散れば咲ざるも散る三輪山をしかもかくすかはる霞ひとに知られぬはなや咲くらむ人知れぬ花を霞にたづぬれば己よそなる三輪山の杉咲花は千種ながらにあだなれど鎭たれかははるをうらみ出でたる惜め共留らぬ花のゆかりとて恨果つべき春の上かは木傳へばおのが羽風にちる花をたれにおほせてこゝら鳴くらむ九ここらら鳥鳥の妬くや思らむ惜むに留る花ならなくに駒なめていざ見にゆかむ故郷はゆきとのみこそはなは散るらめ。故〓の花の白雪見にゆかむいざ駒なめて志賀の山越吹く風と谷の水としなかりせばみやまがくれのはなを見ましや。奧までは尋ねぬ花を見せがほに風に流るゝ山川の水我が宿に咲ける藤波立ちかへり過ぎがてにのみひとの見るらむ0立返り見れ共あかぬ藤波はすぐる心に懸るなりけりけふのみと春を思はぬ時だにも立つことやすきはなのかげかは90暮暮ぬぬとて花の下にし宿かれば日數計ぞ春に別るゝ夏十五首わが宿の池の藤なみ咲きにけり00夏に咲く池の藤波色に出でゝ山郭公鳴くを待つかな花ちれる水のまに〓〓とめ來れば10とめ來れど春なき山の梢より今は厭はぬ風渡るなり郭公ながなく里のあまたあればわいく里を語らひすてゝ郭公今我が宿の初音鳴くらむ今朝來なきいまだたびなる郭公co夜はに聞く山郭公なのるなり旅のやどかせ橋のえだおとはやま今朝こえ來れば郭公%郭公あふ坂こえて尋ぬれば今ぞ音羽の山になくなるおもひいづるときはの山の郭公ね。紅のふり出でゝぞ鳴く郭公紅葉の山にあらぬ物ゆゑ聲はして涙は見えぬほとゝぎす郭公涙は汝に聲は我にたがひにかして幾代へぬらむやよやまてやま郭公ことづてむ一やよやいかに山郭公我誘ヘ住侘る身の尙つれなきに五月雨にものおもひをれば郭公ささだれに物思ふ宿は郭公鳴く一聲もなほぞ夜深き夜やくらきみちやまどへる郭公一夜や暗き道や惑ふと問ふべきに山郭公鳴かで明ぬるやどりせしはな橘も枯れなくに郭公來鳴かぬ宿の橘はたヾ枯れねとぞ思ふべらなる去年のなつ鳴きふるしてし郭公一宿も宿なく聲も聲郭公身のふりぬるや今年なるらむさみだれの空も心にほとゝぎす郭公空もとゞろに鳴く頃はよたゞ雨ふる袖の上かなはちす葉の濁りにしまぬ心もて露の身を玉ともなさむ蓮葉の濁にしまぬ我が心より夏と秋と行きかふそらの通路はル夏衣かたへ涼しくなりぬなり夜や更ぬらむ行合の空秋二十首秋きぬと目にはさやかに見えねどもな風の音に驚くのみか〓の葉の〓かに靡く秋は來に見こよひこむ人にはあはじ七夕の〓今宵來む人にを逢はむ七夕の絕ぬ契に逢むと思へば我が爲に來る秋にしもあらなくに思ふべし我身一の秋ぞかし誰かかくしも月を詠めむ久方の月のかつらもあきはなほ一秋のさかり曇らぬ空や久方の月の桂の紅葉なるらむ秋風に初かりがねぞきこゆなる頃もうし初雁がねの玉章にかき敢へぬ物は涙也けり山里は秋こそことにわびしけれ鳴く鹿の聲にめざめて忍ぶ哉見果てぬ夢の秋の面影秋はぎの下葉色づくいまよりや
正小萩原ねぬ夜の露や深からむ獨りある人の秋の栖は主知らぬ香こそ匂へれ秋の野に藤袴花にぬしとふ夕ぐれにこたふる風や萩の上ぞとみどりなる一つ草とぞ春は見し衰にもおなじ綠の春草のこゝろ〓〓に色かはりゆく里は荒て人はふりにし宿なれや〓古〓のぬしの涙やおきつらむ庭もまがきも秋の白露草も木も色かはれどもわたつ海のわわつつののなき波の花に尙霜おく物は夜はの月影紅葉せぬときはの山は吹く風のcm2霧はれぬ倉橋山の秋風は音にや月を聞きわたるらむ我門のわさ田も未刈りあげねば一一我門のわさ田假寢の草の庵に夢路移ろふ神なびの森白露の色はひとつをいかにして111ののめめ色色になす紅葉の又色々に露をそむらむ三秋の夜の露をば露とおきながら=露は野べわが夕暮の袖を又かりの涙の染めて過ぬる霜のたて露のぬきこそ弱からし四脆く見し霜と露との經緯は風の織りたる錦なりけり手はやぶる神代も知らず龍田川三龍田川袖のもみぢにおきかねて唐紅の下とよむとは見る人もなくて散りぬる奧山のねもみぢ葉を夜の錦になす物はまだ見ぬ山の嵐也けり夕づく夜をぐらの山に鳴く鹿の秋はいぬと小倉の山に鳴鹿の聲の內にや時雨初らむ道芝は尋ねも行かむもみぢ葉をN紅紅を幣と手向けて行秋を惜み留めぬや神なびの森冬十五首龍田山にしきおりかくかみな月た錦おる賤はた山の初時雨げに經緯となりにけるかな"山里は冬ぞさびしさまさりけるch宿さびて人めも草もかれぬれば袖にぞ殘る秋の白露おほぞらの月の光しきよければ一秋の夜の影見し水の薄氷月にこたふる冬は來にけり夕されば衣手さむしみよし野のヨああば見よ四方の山べの雪の色は衣手寒し東雲の空この川にもみぢば流るおく山の奧山の雪げの水に流れ出でゝ秋と冬とを見する紅葉ふるさとは吉野の山し近ければ吉野山峯の白雪いかならし麓の里もふらぬ日はなししら雪の所もわかずふりしけば五目岩に咲雪の花こそ哀なれ春も見ざりき秋も見ざりきうらちかく降り來る雪は白浪の白白のこえて返ると見えつるや雪に風吹く末の松山朝ばらけ有明の月と見るまでに同雪のよそめ也是初瀨山花と見つるも月と見つるも梅のはなそれとも見えず久方の白雪のなべてふれれば梅の花冬咲色はかひ無りけり雪ふれば木每に花ぞ咲きにける九四梅が枝の匂うれしきたゝちかな木ごとに花の雪の曙我が待たぬ年は來ぬれど冬草のニ冬冬草の枯ぬと何か思べき花の春には人も訪ひ躍てむ雪ふりて年の暮れぬる時にこそ一色かへぬ冬の綠を見よとてや遂にもみぢぬ松の白雪昨日といひ今日と暮して飛鳥川三飛鳥川流れてけふも暮ぬれば春に逢瀨は今宵也けり行く年のをしくもある哉ます鏡三年年ああてていいならむます鏡今宵一よに面變して祝五首君が代は千代に八千代に細石の〓さゞれ石の苔蒸岩となりて又雲懸る迄君ぞ見るべきしほの山さしでの磯にすむ千鳥五五君が代にさし出での磯の友衛やちよの聲を聞ぞ嬉き斯しつゝとにも斯にも長らへて〓斯計り深き心の報には君が八千代にあはざらめやはふして思ひおきて數ふる萬世はセ千早振神ぞ知るらむ我が君をねても覺めても祈心は萬世をまつにぞ君をいはひつるハ長へてかひ有る〓とをまつなれや君が千年の影に隱れて戀十五首郭公なくやさつきのあやめぐさ五五五月雨の軒ばになるゝ郭公なくや五月の涙なりけり我が戀は空しき空にみちぬらし〓我が戀は行く方もなき眺より空しき空に秋風ぞ吹くあふことの渚にしよる波なれば〓戀をすまの恨みて歸る風の音を逢と浪に聞ぞ悲しき人知れぬ我がかよひぢの關守は通行く夢路にすうる關守は打もねぬ夜の我身也けり君や來む我や行かむの十六夜に〓ののををでで明る君はこず我や行むの休ひのまに今こむといひしばかりに長月の有明にこや長月の空だのめ待出る月のかき曇るまでいにしへになほたち返る心かないかにとよ戀しき〓とを由なやと思得つれば物忘せで月やあらぬ春や昔のはるならぬ慰むる時こそなけれ月やあらぬ秋や昔の荻の上かぜ花がたみめ並ぶ人の數多あれば罪罪らに報を思へ花がたみめならぶ人の獨ならぬをあひにあひて物思ふ頃の我が袖に〓我が袖に宿る習の悲しきはぬるゝ顏なる夜はの月影秋ならでおく白露はねざめする〓覺する我手枕の秋の露は春もおき見いつもおき息曉のしぎのはねがきもゝはがき°ととかくにうき數かくや我ならむ榻の端書鴫の羽掻色見えでうつろふ物は世の中の一顯はれて移ろふ色のしるければ人の心の花を見る哉流れては妹脊の山の中におつる我が淚吉野の川のよしさらば妹脊の山の中に流れよ風吹けばおきつしら浪たつた山コー龍田山夜はにや君が獨とてれし夜の夢の行方をぞ知る七雜十首ほのぼのと明石のうらの朝霧に〓明石がだ船の昔に言とへば島がくれ行くあとの白浪いそのかみふるからを野の故柏君君代代にふるから小野の故柏本に返るや我身なる覽世の中にふりぬる物は津の國の舊舊けけ長長の橋に跡もなし我老の末は懸らすもがな櫻あさのをふの下草老いぬれば情あらば人もすさめよ櫻あさのをふの下草老出ぬ共七押照るや難波のみつにやく鹽の蘆たてる難波のみつに燒鹽の萎れて物を思ずもがな老らくのこむと知せば門さして〓君君代代の盡ぬ千年の友ならむ老の使になしと答へてわれ見ても久しくなりぬ住吉の0君君代代に久しくにほへ住吉の松のちぎりし百草の花なにはがた汐みちくらしあま衣誰誰聞聞難難のみのみつなべに田簑の島の鶴の諸聲かりのくる峯の朝霧はれずのみ雁のくる峯の松風身にしみて思盡きせぬ世の行へ哉山水の音にのみ聞くもゝしきを朝夕に見てもなづさふ山水の早くも君に仕へつる哉六第卷集玉冷六五三六
拾玉集卷第七詠暮春和歌散散發る花の木の間の有明に長月の夜の月を見るかな吉野山見にこし花はちりはてゝ歸る空には有明の月おおしなべて皆浮雲の旅の空よにも嵐の拂ふをぞ待つ世を厭ふ心ばかりはありた川岩に碎けて住みぞ煩ふ我もさぞ宮も藁屋も水の面に映れる月の影と社見れか旅の宿假初臥に見る夢のさむるをぞ待つ長き夜の空〓〓〓よりは法の道より尋行む虛しき空は過ぐか住むかはづうき人も皆我が子とぞ云人や佛なき世の佛なるらむこうきながら我こそは知れ昔より契たがへぬ人の心を過過を知れば我も知られぬ是も皆哀昔の契ならめや惑ふ人のそしる詞に從はゞ悟る心のかひやなからむ思ふとて心の水にうつるらし空に知らする星の光は法法の水を今日かき流す難波江に月かげさむし秋の曉嬉しさを包習ひし袖に又其身に餘る今日とこそ見れ無跡にあらましかばの心をも移す計の人だにもがな春野淺綠木芽も春の野べの草に昨日もけふも雨は降きぬ○打群れて若菜つみつる春の野の綠を分て雉子鳴なり霞。春霞よもの山べにたなびきて花待比になりにける哉花。三吉野の花に露けき涙かな鳴きてや雁の立歸るらむ郭公。卯の花の垣ねばかりの月影に山郭公そらになくなり五月雨°早苗とる手玉もゆらに五月雨て心に水を任せつる哉秋野0和の露はらひもあへぬ夕かな鶉鳴く野のをぎの上風月加君がため長月の夜のうれしきは九そぢまで有明の空紅葉to山おろしの紅葉の錦敷庭にさしくる物は夜はの月影00山陰に一むらのこせから錦立田の里の秋の木がらし千鳥かあはぢ島とわたる千鳥心せよしほ風はやし須磨の曙。沖つ風吹上のうらの濱千鳥たつ白波の花かとぞ見る一風さゆるさほの川原の川千鳥空行く月に聲交すなり雪さらぬだに待べき人もなき宿に深く成行く庭の白雪一度の雪をよきて通はむ道もがな跡をしからで人に問れむ氷鳩鳥の己が浮巢もとぢられて池の氷柱に鳴明すらむ1重ねてや汀の氷結ぶらむよせてかへらぬ滋賀の浦波雪中子日★小松原花咲に見子日する今日こそ雪は降べかりけれ一小松原綠の上に花咲きてけふは子日の行幸なりけり尋花宿山ル花を思ふ心ぞ深き吉野山おくの岩ねに宿をかるとて草草すぶ深山がくれに宿からむ花を尋ぬる夕暮の空夕採菖蒲〓菖蒲とる賤のすが笠ならぶめり淺香の沼の雨の夕暮一心さへ萎れやしぬる賤のをは菖蒲になづむ雨の夕暮獨聞時鳥一心ありてしばし語らへ郭公たゞ獨聞く宿と知らずや一部公ひとり心に待ちとりぬ外山の裾におつる初音を始見草花〓待かねて心の內に任せつる庭の小萩は色に出でけりほほ出て招く尾花も見えなくに紐とき初る女郞花哉旅泊曉月16四八三六七第卷 素玉拾浮浮する浪路はるかに月さえて心やおよぶ有明の空葉飛渡水立田田紅葉の舟のとわたるをまかする楫や木枯の風深夜千鳥さよ千鳥更行く聲を聞くなべに折しも歸る袖の浦波諸諸に千鳥鳴也須磨の蜑の更くる我よを思知れとや忍驛年戀co忍忍つゝ年もつもりの濱楸かくる淚に顯はれやせむ一「あらぬ色に我黑髪の成行くを涙ならねば人ぞ怪めぬ植竹爲友ニ近近く葉がへぬ竹を植置て友なき宿と人に云はれじ一風の音も籬の竹に訪づれてよるさへ友と成にける哉已上十首一法師等の題よみたべと申しゝかば詠みてたびつ後にとり返してき又十首詠加緇素歌合十題但不部遭薄暮卯花〓始捨の山も尋ねじ卯花の垣ねよりこそ月は出でけれ曉更盧橋正昔思ふ夜も明方の橘は物のあはれのにほひなりけり古池菖蒲メ津津國國池の蘆間に引代てけふの菖蒲や小屋の八重葺遠山郭公山高み名殘はいかに郭公鳴くも跡なき聲のかよひぢ風前夏草100秋ならば身にしむ色や濃らましまだしき萩の野べの夕風雨後夏月加夏の空を洗ひて過ぐる夕立は秋妬しとや山のはの月所々照射〓鹿はいかに靜心なく思らむ燈す照射は野にも山にも家々納涼一末に又結びとめける我が門のいさゝを川に通ふ秋風蟬聲夏深おく露はおのが泪か鳴くせみの聲も老曾の杜の下草螢火秋近秋秋の夜のながき思の隣かな螢みだるゝ沼のまぢかき又人にかはりて卯花四うれしくも卯の花垣根しめてけり夕べ慰む有明の頃盧橘ううゝには花橘のにほひ來て夢もかひある曉のころ菖蒲ねん草ゐる池に菖蒲の年も老ぬ庭は蓬が柚となるで時鳥朝郭ほほかかりりるる聲聲の名殘になるゝ深山べの里夏月タ立夕立のはれぬる空の光ぞと思はぬほどの秋の夜の月夏草行行ををのの心心にながむれば夏野の草に秋風ぞ吹く照射〓心心て燈さぬ賤も有なまし鹿聲立つる秋の夜ならば納凉一宿からやすゞむ心もかざるらむ岩井に〓水庭に松風蟬聲夏深山里の梢の蟬に風こえて峯よりかよふひぐらしの聲螢火秋近二螢發そそ秋の夜を知るしるべなれ星の光を蜂に殘して獻南海漁父秋十首北山樵客五昨日今日曇る空社つらからね望月は過ぎ長月はこず■空空一一山山にも茂る野分哉檜原に風の吹き替るまで〓蟲もなかず野べの氣色に雲閉て哀は秋の雨に移りぬ七杉しるや深山の秋の物憂きに其かあらぬか風の夕暮んとへかしと思ふ人だにもたぬ庵に鹿立馴る秋の夕暮七第參集玉拾六二四六
加二ここての隣庵いいししはとたどれば宮にあかの通路20思思やや住みかは志賀の山の峰さればぞ袖に漣の聲→心から大津の里の夕けぶり秋の霞にながめわびつゝニ六風さわぐまくずが原の夕ぐれを都に知らぬ秋の山陰夕ながめいつより荻に傳ふ風心言葉を吹きけたれぬる緇素歌合十首番左將軍御歌博禁庭殘菊六此冬はげに藤つぼの菊の上に昔の色を呈げてや見む田田時時雨杉たてる秋の山田の故〓を寂しく過ぐる初時雨かな#深山落葉庵深き嶺のもみぢに音たえて庭にぞのこる木枯の風六井野徑寒草寂さになるゝ心に眺行けば色なき野べぞ色は有ける〃海邊千鳥ああぢぢ島千鳥とわたる曉に松かぜ聞かむ住吉のうらキ潮上水鳥篤を分てあさ妻舟も過ぬれば同じみをにぞ又歸入る旅宿初雪5000誰か又朝立ちやらで詠むらむすみ田川原の初雪の空〓〓〓〓〓〓〓〓〓。故〓の閨もる月をあるじにて秋吹きかへす庭の松風#古渡寒水ニールとむる氷も知らじ梓弓おして矢走の今朝の渡りは山家歲暮今年又なほ驚かで明けぬべし浮世はなれぬ山里の夢大納言殿密々會の時尋去にかはりて雪の十首禁庭雪九重の花にのみやは心あらむ今朝の雪にも朝〓めすな故〓雪雪の跡を厭べかりし故〓を更にきて見る人と成ぬる山家雪山の家の軒の筧のうす氷とけても雪の下となりぬる野亭雪〓枯の秋のなごりを隣にてさながら野べは庭の白雪社頭雪梢まま一一ににむむよよりもしるしに惑ふ三輪の山本古寺雪七れたあれはてゝ年ふる寺の軒の跡を苔より外に埋む白雪雪中戀人人戀ぬ人の心のいかならむたヾ有り難き雪の空かな雪中述懷〓雪も尙暫しは花に紛ふめり降かひなきは憂身也けり雪中遠望一雪はいかに外面の岡の岸をさへ遙の越の山に見す覽雪中旅行過ぎ來つる方にも尙や迷ふべき駒に跡なき雪の夕暮春志賀浦mかかよふ浦より見るぞ哀なる志賀の霞の山陰のいほ泊瀨山春春かき花の梢に風おちて雲吹き拂ふ小泊瀬の山なみ夏立田川かたつた川いくしのしでに波こえて秋風通ふ夕暮の空秋宮城野宮城野の秋の奧こそ知られぬれ萩の哀を霧に殘して須磨關打よする波に有明の月さえて秋や悲しき須磨の關守冬深草里七第卷集玉拾冬枯はいとヾ物こそ寂しけれ現になれし深草のさと祝春日山co春春山種蒔置きしすべらぎの千世の惠を待つと白菊戀三島江一三島江の蘆の枯葉に吹きとめつ心さびしき人の夕風旅〓見潟一〓見潟月に心ののりしよりよは哀なる舟のかよひぢ述懷浮田森ニシ春春夏も思ふことある身にぞしむ心浮田の森の秋風已上十首依左將軍命詠之安成れ之云建久二年十月三日左將軍御會歌合五首詠之薄暮思秋映像人の知る秋の外なる秋なれや雲に色ある夕暮の空連夜時雨ㅍ青冬枯の梢の下の村時雨ひとり夜がれぬ槇の宿かな行路冬風〓草は枯れ梢は遠き道のべに風を見するは霰也けり山水初氷せさ社げに寒けかりつる宵ぞかし今朝山川の音の物うき網代眺望簡見ずもあらず波に錦を立混ぜて網代を過る風の水上詠秋月和歌五首慈鎭えああの原空ざえとこそおもひしに袖の涙に氷る月影○來ても見よ同じみ空の月なれど秋は明石の有明の空。野べの鹿よ月に契れる己が聲にあやにく曇る我涙哉°C盡ぬ物は過ぐる千年の秋の今夜曇らぬ月の光也けりも過過がか笹笹に占ける月夜よし夜よしと云は〓誰か答へむ〓打歎き寢ぬとや人の思らむ深行く月の友となる身を100なな〓〓の人の思を思ひ知れむろのやしまの曙の空如我が思今は空にもみちぬらむ煙はふじの雲に讓りて。い宿も荒て人の來ぬ床に置露を求めて宿る月も有けりNo眺め侘ぶる空に思の夕煙やく鹽竈のうらめしの身やお我戀はつひに心の行へとや賴めし庵に今は待つらむ。君が爲物思へとていける身の住はぬ袖の色を見せばや松の葉も濃くさへならぬ物ぞかし我戀の色を何に譬へむ〓我が戀は夕の空に吹く嵐つひにしぐれぬ袖の上かは一空賴め絕て幾世に成ぬらむ戀せよとても生たる身は覺てしも何にかはせむ思寢の夢に絕ぬる哀ともがな遂にさは孰ち消べき身なる覽枯野の露を袖に殘して〓睡ろまで夢も空しき鳥の音を獨厭はむことぞ悲しき夢にだに尙なかりける契かな幾夜衣を返しかぬらむ入月月の影さへつらき山の井の淺くは袖の濡る物かはた夢なれやさのみはいかに槌の音の絕ぬ枕に明る東雲春山朝〓よし野山待ちしは春の朝ぼらけ霞の色につゝむ初花一春の來て花もかすみも曙の空に色あるみよし野の山夕早苗一苗苗にも春の苗代せきしより五月になりぬ雨の夕暮一種はへるる見見の小田の夕早苗いつしか靡く秋の初風〓梅雨は少し晴間の夕早苗採るもかひある賤が小山田行路秋1月は秋と思ひ出つゝ旅の空を行暮す峯に松風の吹く秋行きて聞けば鹿の音來る物は萩に白露山のはの月曉時雨〓ののをを野中にしめて待時雨夢より後に訪れて行く〓夢覺て又濡果てぬ袖の上に絞れとばかりふる時雨哉松經年た君に契る心の色はもみぢせずこや住吉に年へたる松
0雪雪ううのにはして幾世に成りぬ住吉の松左將軍女房の人に百首よませて披講に五首の會ありけるを安成に代りて春一一春ぞかし去年もおろかに過し來て花に驚く白川の里夏一夕立の露吹き拂ふ松風に夏さへ晴るゝ小野の山かげ秋一身にとまる思を〓の上葉にて此ころ悲し夕ぐれの空冬寂しさの限りは雪にふりこめつ立田の里の鹿の通路戀打返しあまる思になぐさめて戀に宿かる我が涙かな詠五首和歌加法師丸上春雁がねは霞のそこにおとづれて春かあらぬか曙の空春ぞかしこともおろかに詠め來て花に驚く白川の里No春春知らぬ我山里の夕霞色とはよその人や見るらむ夏な時時なのりて過る尾上よりはなれて落る聲の色かなcm夕立の露吹きはらふ松風もなほところせき夏の山陰秋已下在之如何一身にとまる思を〓の上葉にてこの比かなし夕暮の空冬日寂しさの限は雪にふりとめつたつたの里の鹿の通路戀 H打打ししままる思になぐさめて戀に宿かる我が涙かな春山朝昨日迄まだしき花も咲果て今朝身にしむは春の山風10よよ野山花まつ春の曙の心のいろをかすみにぞ見る本春春今花花には厭ふ山風の霞を分てのどかにも行く夕早苗45早早ととぬぬ麻の衣の夕濕り交りてぞ見る田子の裳裾をAP秋遠き鳥羽田の面の夕早苗頓ては末に風の見ゆらむ加頓てさは伏見の小田の夕早苗葉末の風の秋の色なる行路秋21条系より合せたる山路かなさを鹿の音に蟲の聲ごゑ〓草枕鹿に契を結びおきて野にも山にも秋ぞかなしき曉時雨一夢覺むる野中の庵の槇の屋にわく方もなき初時雨哉松經年三生住の松を久しと數ふれば過る千年の末もありけり詠五首和歌春夜m2春の夢の覺むる淚の袖の上に月や非ぬと問人もなし夏曉夏夏月月の月に有明の山は淡路島住吉の松に風ぞすゞしき秋朝〓〓ががに朝行く鹿も心せよ夜はの白露ほさで眺めむ冬夕一五大はらや誰すみがまの夕煙心ぼそくて年もへぬらむ久戀〓とことはに惑ふ習を習とて戀こそ人の此世なりけれおう我我更て春の夢路を行末の現も知らぬ身を如何せむ○如如何にせむ夢にも花を思ひねの覺むる枕に春の山風關路花一風立ちし秋より冬に年越えて今日は花見る白川の關海上螢さす汐の星の光のみだるゝや難波の蘆の螢なるらむ野宿月ヨ野野の草を結ぶ光をよそに見て月は雲路に止る物かは川邊雪七第卷集玉拾六降る雪の下に汀や氷るらむ音さへほそき賀茂の川波K暮山戀夕ままれ月待空の山のはを今夜たのめて誰詠むらむ詠五首和歌·春夜いかにせむ秋社馴し夜はの床に春さへ多く露の置らむしたとふべき心ぞいとゞ曇り行く長柄の橋の跡の霞に〓〓賀賀の浦の波よりかすむ曙に山吹きおろす春の初風志賀の海人の心や空に消えぬらむ波より霞む春の曙〓難波江の蘆の枯葉の春風に秋見し露の袖にこぼるゝ詠二首ヨ和和仙洞詩歌合承元慈鎭水〓春望一霞吹く松風いそぐ波の上にはまなの橋を誰作りけむ一四方の海や霞のどけき松が浦の春の湊に春風ぞ吹く三七淺綠澤べに移す春の色はみつのみ牧の眞菰なりけり〓〓〓賀賀の浦や長柄の山の春風に待とる波に花咲にけり住吉の松に霞の色そめて春のみなとに春かぜぞ吹く難波がた霞のどけきあけぼのに春風よする沖つ白波比よさの海の霞に消えて行く雁の遲るゝ列や蜑の釣舟ル春春色色の誰を誰をさめけむ伊勢の海二見の浦の曙のそら〓曙は春なりけりな難波がた汀のあしもなほ一かすみco春と見る霞なりけり鏡山こしに波立つ志賀の明ぼの一春風に波の花こそ咲きにけれ大津の宮の春の明ぼの尋ねきてなづさふ田子の浦風に袂をあらふ春の藤波三如如にせむ朧月夜の有明もいなのみなとの春の松風波にかへて霞の袖をかづく海人の心そらなる春の曙八山路秋行袖袖にまた木の葉橫ぎる嵐かななれぬ山路の秋の夕暮か足曳の山立ならす鹿の音は我が行道の知べなりけり秋の風を松に任せて鳴く鹿は我行道の知べなりけり立立山秋行く人の袖をみよ木々の梢も時雨なりけり八へ時雨れてぞ行く立田山木の葉橫ぎる秋の嵐にな心さ木の葉ちる山路分來て悲しきは秋を泊瀨の入相の聲一月影の出べき嶺の鹿の音は我が行道の知べなりけり秋霧の晴れ荒みたる尾上より袖に紅葉をかす嵐かなニ旅旅露はすひまもあらしかななれぬ山路の秋の夕暮〓志賀の浦や長柄の山の春風をまつ船波に花咲にけり暮ぬとも月待出て尙行かむ雲こそなけれ山のはの空や心さへ時雨てぞ行く立田山木の葉よこぎる秋の嵐に住吉の松に霞の色そめて春のみなとに春かぜぞ吹く袖にまた木の葉よこぎる嵐かな立田の里の秋の通路詠三首和歌大僧正慈鎭春風不分處惜惜ねて花なき里を詠むればいづくも同じ春の山風梅花薰曉袖。思寢の夢も明やらぬ袖の上に梅より過て風の落來る晩霞隔旅山。あれや尙明けてこゆべき嶺ならむ霞を送る遠の白雲。。手折つゝ我もかへるの山のはに霞に宿を雁の聲なる50旅衣ぬれてかたしく山のはに霞の袖に色のこりける詠三首和歌遠島朝霞〓はるかなる波路の春の曙にしばし霞の島がくれ行く隣家夜梅co春のみや主も綾なし梅の花咲ぬ宿にも香やは隱るゝわ梅の花咲ぬ宿にも月はすむ色をも香をも風ぞ嬉しき10人とはぬ山路の雪も村消えて春の暮にぞ跡は有けるo來來人もなくて年ふる山ざとに春の跡つく雪の村消山家殘雪。山かげや過ぐる日數に村消えて春の跡つく庭の白雪〓山陰や春をも知ぬ庭の雪を去年とや云む殘にとや云む海上霞
一月を見し秋かあらぬか霞しく春のみなとの有明の空一押なべて霞にけりな難波潟今朝のなごろは音計してニ見渡せば沖つ波間の舟ながら押こめてける朝霞かな波の音も霞のそこにしづむなりあやしや里の春の曙山路花山櫻匂ひをとめて尋ねきぬ散りなむ道を栞にはして昔より花に契をむすび來て春のみこそは志賀の山里祈神戀打打しうけずばいかに古も戀せじとこそしける禊をねねぎ返るい驚きの中の丸寢より哀とも見よ我夜床迄草野秋近萩萩枝が露の露の色こそたゞならね夏野の草の秋の夕暮〓鹿の音を隣にしむる萩が枝の露に色ある野べの夕暮水路夏月一月にのる波の夜はこそ短けれ詠めてくだす淀の川舟一月影のさすに任せて行舟は天の川瀨や泊りなるらむ雨後聞蟬一夕立の雲より出づる夏の日を待ちとる物は蟬の諸聲〓晴ぬるか杜の下枝の雨隱れまだひぬ露に蟬の鳴く也詠三首和歌曉聞郭公形ほの〓〓とまだ倉橋の五月雨に山隱れ行く郭公かな如郭公有明の月にかへて聞かむ五月の雲にもるゝ一聲毎尋ねつるかひも有馬の郭公月と旅寢の空に鳴くなり松風暮凉山かげやなれて岩根に夕凉み松にぞ夏も秋風は吹く山山げやむすぶ岩ねの水のおも秋の波立つ松の夕暮遇不逢戀0誰誰問て慰めましの詠めより重ねし袖の濡て答ふるニ枯果る現社あらめいかにせむ人も木草も夢に成行く詠三首和歌社頭祝言一行末の流もつきじ過ぐる代は苗代水を神にまかせて雨中時鳥三時鳥ぬれて鳴く音ぞなつかしき匂も雨も立花のころ野亭水凉四おかねども扇も露もわすれ水野澤の庭の夏の夕ぐれ詠三首和歌初秋風三三秋秋風風のぞ萩一ののををのに思ふ人ぞ知るらむ山家幕だ住みしかや西の山下朝づく日よそに成行く夕暮の空社頭雜ヒ大堰川松のお山の麓行ば神さぶる身の影ぞうつれる詠三首和歌月前雁〓玉章の月に契や結ぶらむ數さへ夜はの秋のかりがね月前旅た〓見潟波に數へぬ旅寢にも今夜の月に今夜をぞ知る月前戀9雲ならぬ涙も拂へ秋の風今夜ばかりの月をだに見む平凡五月二十四日〓範奉書給三三題題來二十八日於日吉〓在歌合可被發遣勅使寄月祝一君が代の雲吹き拂ふ松風に住吉の浦の月を見るかな寄旅戀一誰にとはむ波か淚か藻鹽草敷津の夜はに袖の萎るゝヨよしさらば獨都を出でしより旅ねに宿る我が心かな夢の裡にさらぬだにとや答ふらむ旅寢に宿る我心哉The草枕我が思ひ寢のおなじ夢を都の床に誰か見るらむ寄山雜如いかにせむ我が立柚の古に吹き替り行く風の音かな法人の法を君挑げずば如何にせむ我が立柚の夕方の空人君が代に月待ち出でゝ誰か見む我が立柚の夕闇の空已上三首合點同二十六日造之其外擬作也電仁二年九月十三夜水無灌詠三首和歌十三年お之月前秋風カ月月の出でつる峰の松の嵐ふくれば野べに荻の上風〇〓秋といへば月を弄ぶ嵐かな待出る山の峰の木の間に水路秋月ニール〓〓き月は波間にいづみ川秋の十日の今日みかの原曉月鹿聲一月影にあかで有明の山のはや秋鳴鹿の立どなるらむ詠三首和歌信光秋日易暮三程程なな今今ももぬぬと云ふ〓とや誠に秋の哀なるらむ終夜擣衣〓〓ううおのおのおとは曉の鐘のあはれにつゃきぬるかな擣つ人は替りやしぬる唐衣よすがら袖に我が涙かな毎月過戀九七夕の年の契の哀さを月になしてもつきせぬやなぞ古寺秋風思入し吉野のたけの夕暮に外にならはぬ秋風ぞ吹く月前曉雁ハイ有明の雁の涙にくもる月はさゆる心の限りなりける蟲聲增戀ねえ松蟲よ物思ふ袖の露になけ尙こりずまの類にをせむ〇本來人人待待つつる宿の淺茅生に露置添ふる蟲の聲哉詠三首和歌落葉一三笠山時雨せぬ夜の木葉にはもらぬ袂も濡增りけり曉月風に殘るさほの川原の川霧の上にくまなき有明の月松風音音みみぞ時雨なりける高砂の尾上の松にすぐる木枯六松風に吹かずもあらなむ初瀨山鐘より後の窓の有明詠三首和歌前大僧正慈鎭寒夜冬月詠むべし霜に枯れ行く武藏野の露の名殘に宿る月影宮城野や霜や度おく萩の上に枯れぬは月の光也けり七花の露を枯野の霜に結かへて同じ野べにも澄る月哉ステ野べの月露に宿りし影を又淺茅が霜におき重ぬらむ山家暮嵐冬かいな木の葉こずゑに嵐山ふもとの里の松の夕風。葛葛や外山の裾の夕嵐すヾの篠屋に本の葉吹くなり今朝ならば叩く嵐に明てまし誰かは今は我柴の戶を初戀我幾は仄めき初むる夕づく夜曇らで見せば有明の空三芽芽みいづる我戀草の春雨は袂よりこそ降增りけれ左大將の亭にて三首の歌俄に人々よみければ朝見初雪B〓夜の內は明くと見えつる初雪をげに明て社又雪と見れ夕聞時雨北かき曇る心のそこに雲とぢて時雨をうづむ夕暮の空晝夜思戀待待宵と別るゝ今朝と暮は待て空しき夜はと晝の思と社頭冬月ヒ一夜とて年古にけり松が枝に霜置添ふる冬の夜の月古池寒草ル蘆も尙霜がれてこそ猿澤の池に生たる草と見えけれ聞詞增戀言の葉に色を添つる氣色哉いとゞ涙の時雨せよとや北野の會、已上三首靜憲法印に代りて詠三首和歌
社頭松0.石〓水神の心のすみしより影を並べてたてる松かな〓皆人の賴む八幡の松山は君が千年のためしなりけりニはは〓〓と君が千年をまつ山に萬代よばふ男山かな月前雪降〓る雪に重ねて眺むれば明けても消えぬ庭の月影冬の月の眞にふれる雪の上に冴たる影を何に譬へむ旅宿嵐五野べ寒し荻が上葉を片敷きて過る嵐を旅寢にぞ聞く哀なるたつ田の里の旅寢かな峯の嵐の庭の木の葉を故〓の荻謀の枯葉に待ちとりて峯の嵐の音を聞く哉詠三首和歌桑門慈鎭曉尋千鳥〓友千鳥月に鳴くやと尋ぬればさほの川原の有明の浪山家知春山山ととは春のとなりとなるまゝに梅も匂も鶯もなく海邊歲暮〓今日寄せて明日立返る年波は和歌の浦わに懸る也息山居春曙〓吉野山花はまだしと日は暮れて松のこずゑに春の曙〓吉野山月はおぼろの有明に雲よりしらむ峯の花ぞのみみよし野の山のかひある庵かな花咲く峯のはるの曙いかにせむ姨捨山の春の雲よ花なりけりなはるの曙山深みうつろふ花を峯に見て春のあはれは曙のそら水〓秋夕難波江やたが庵ならむ蘆の葉の垣根に靡く秋の夕暮粟津野の尾花が末に日はくれて波より移る秋の夕暮住江に折から秋の夕づく夜こゝに聞けとや松風の聲松島やをじまの海人になれてだに情は深き秋の夕暮○難波江や夕の空に秋はきて又秋ゆゑに夕ぐれのそら。思はずよ長柄の山の初時雨しか行く人の袂までとはco秋ふかき長柄の山に霧はれて志賀の浦わの夕暮の空霧中眺望100ががゝゝ心心ああず東路や雲なき空にふじの煙のco旅の空幾への雲を越ぬらむ重なる山の峰にとはゞや10〓見児潟波に風立つ秋のよも心のうちをせく物ぞなきよ。東路やふじに煙を見るからに旅の思ひは心にぞ立つt昨昨こえ明日もこゆべき峯を皆一つに罩る朝霧の空00ふじのねは一結して立煙に馬引とめて見る空ぞなきわ。なな路や月待つ比の轉寢に雲こそなけれ姨捨の山0月の入長柄の山をめにかけて今夜は過む野路の篠原一もしほ草しきつの浦に入る月の有明の空は淡路島山詠妙經法師功德品悉見三千界文和歌前大僧正慈鎭〓御法故身の浮雲や晴ぬらむよもの空にも四方の月影副詠、處々六月祓三さここははの瀨每に河祓へ井堰にも又波の菅ぬき毎日納凉涼むかな昨日もけふも一昨日も坂井の〓水野澤松蔭上人勸進講四十八願之席同詠三首和歌西山隱士彌陀四十八願第六昭遍見極樂業生之德也ななめめはす四方の淨土の光かな我極樂の望月の空月七七十の山のはに社成にけれ西へのみ行く夜はの月影無常←はかなしや我が袖の上に置露は皆人每の袂なりけり〓每每に置ずや有ぬ夜はの露我袖の上に遁るべきかは夏日舍利講演次同詠十如法文和歌前僧正慈鎭九九日如是相を見ぞ悲き拘尸那城雙樹に分し佛舍利かさは〓中性如是のくちぬ惠ぞ賴もしき佛の種は此身也けり一家是體如は東大寺なる慮遮那佛げにあか金の大佛哉〓如是力に世をおこさばや音に聞く大諾健那又は民長一作如是に憂身も尙ぞ賴しきなすと無きをなす事にして一是因如に衣字の茂を思ふかな荻なき宿に秋の夕ぐれ二如是綠に哀れ佛種も何よりか名殘初けむ今日の舍利講た是報如の女この理り十にして虚しき空に秋の夜の月〓是本末究竟等にも春くれて梢の花の根にかへりぬる如是相を見るぞ悲しき二月や細かにわけし望月の影た作如是こそ砌久しき御法なれ常磐かきはに殿作して如是相春05吉野山雲か花かとながめけむ心はおなじ心なりけり性如是反ニ夏夏池池に本より種のあれば社濁にそめぬ花も咲らめ躰如是秋一月を待つ虚しき空のくれぬ間の心感はす女郎花かな如是力冬一一梅が枝は土につく迄降雪に松の梢はたるまざりけり文治六年二月九口西山報恩講々具足菩薩行三辿りこし誠の道をすぎなれて今こそみつれ望月の影霞中閑居立とむる春の光の霞こそすゞの篠屋の通ひなりけれ待契約戀待ち出づる今夜の月は宵ながら心のうちは有明の空其の夜の當座後會、契花時〓又來むと契る便やなからまし花待比の圓居ならずば尋所緣戀N武藏野の草の緣りを尋ぬとも先我袖に露のこぼるゝ柳爲寺墻ルミ玄めおきし野毎の墻は朽果てゝ殘る柳を賴む計りぞ隔谷戀通通るるのの川川に袖ぬれてかひなき峯に幾夜明しつ覊中待花でまだ咲かぬ山路の花に日數へて我行里の梢いかにぞ同三月九日報恩講皆已成佛道一樣々に浮世の花は匂へども同じ佛の身とぞなるべき每山花盛11春春唯唯方の山べの名を變て皆み吉野と云べかり鳬夜半喚子鳥獨獨の枕うごかす喚子鳥かねよりさきに夢殘せとや當座十首依花忘行11春春に花に心の入りぬれば家を出にしかひ無りけり遙望藤花四メロ眺眺やや高高ねの藤の花盛り心にかゝる雲かとぞ見る款冬交路中山を町行く人の衣手や春のかたみの露のうはずり과躑躅留人xの紅のよそめの衣ぬぎかへて躑躅咲野に日を暮しつる旅泊春暮加湊川浮寢の夢に見てしがないづくか春の泊なるらむ四一所戀94玉章の通ふ便りをまつ人は中々戀のひまもあるらむ老後無常一思思唯かみに霜なき人だにも消行く〓との哀れ浮世を山家述懷二誰かしる浮世を捨て柴の戶を頓て出しと思ふ身ぞとは不殺生戒ニ誰誰皆皆身をつみて思ふべし命は惜しき物と知ずや社頭過友今今よりも賴めぬ人に逢瀨をば尙御手洗の川と尋ねむ七第卷集玉拾
同三月二十四日靜房報恩講舍利廣流布末世世の龜井迄すむ影にてぞ廣く布きける光とは知る落花滿谷A風わたる峯の梢は消えはてゝ谷にぞつもる花の白雪建久二年十二月二十日報恩舍利講行ふとて種々の法樂ある中にわが聽報恩舍利講述懷押なべて報あるべき誓をば今日の席に招くとをしれ別題、山家冬月ハ月月は秋に變らぬ色ながら庭の木の葉につゞく松風同年修報恩講之次和歌皆已成佛道ね法の花散にし人はさらずとも今は佛の身とぞ成らむ荒庭秋月〓人人ははしき法の庭に月とともにや影をさすらむ同八年二月報恩講に鶯一賤がすむ片岡山のなさけかな一村竹にうつる一こゑ山我山を待ぬ身ならば差越えて谷嶺迄も行かまし物を是諸經之王此法の二そぢ餘り三の品十のたとへに現はれにける同年報恩會我願既滿文を月我が心月の光の誘はずば到らぬ隈もあらましものを聞報恩講會詠勸持品和歌前大僧正慈鎭法に匂ふ花をいざなふ諸人は我都にも限らざるべし山家懷舊古を忍ばむとての住みかかは靜なる庵の峯の松かぜ報恩會詠二首和歌御判五百品鷲の山爰になくとも導けと契りし人は又ぞすむなる山家祝言第5節へぬ松おふる山に庵しめて君が千年を祈給ふに舍利報恩會聽講法師功德品和歌老僧御判五五五のののののわざの花の色の映る鏡を見る人ぞなき別詠、歲暮述懷0年度は我が袖よりぞ越えて行く殘る憂身の末の松山歲暮報恩會聽講隨喜功德品和歌老病僧御判。其もいな命の末の道ぞよき老の悟はさもあらばあれ佛前述懷〓是ぞしは賴む佛の御前より思ひわたりし行くや心の歲暮舍利報恩會聽講常不輕菩薩品和歌シー春の田をまつ苗代に沈む身の同じ流は浮みぬるかな社頭述懷賴む神にみるかと問むうき哉と思果つれば落る淚を歲暮舍利報恩會聽講分別品和歌御判法法の家のまさしきむねの砌より流れて通る山川の水5年年へへ暮行年はうもれども埋ぬ名はまだ止りつゝ窮冬良辰之作於當社十禪師窓前勤行舍利報恩會之次聽講常不輕菩薩品和歌老僧慈鎭ト春春田田撃擊てては苗も蒔け佛の道も其よりぞ行く七社頭述懷N〓打數き詠むる空に賴む袖の我が願ぎ事を照さ〓らめやt嬉しくも七ます神の十の色御國のわざを手向つる哉文治六年二月二十八日山王講無上寶聚不求因得o迷迷來て思もよらぬ深山べにやがて眞の道の有ける山花始開五五七六七第卷集玉拾〓咲初むる峯の櫻のよそながら歎の花も開かましかば問聞增戀心から妹が情を聞きそへつ問ず語りを人はせましや建久元年九月十三夜九條殿にて二題百首の次でに當座の會に雨後十三夜長長の今宵の空を汚さじと時雨るゝ雲の思知りけり月前契秋後誰も又今宵の月を忘るなよ秋のみ空に廻り逢ふまでたたのめおく人の情を哀とも冬こそは見め秋の夜の月夜半思立戀嬉しくも鐘より先に夢覺めて賴めし夜はの思出ぬる同月廿二日歌合醫お前士〓〓次次當夜憶紅葉袂にも夜の錦は有る物をねやまのよそに時雨過なり此歌俊成入道に被番勝畢時時ゆゑ袖に色ある寢覺かな山廻りする梢のみかは#暮秋曉戀歸るさに飽ぬばかりを情にて秋の別を思はざりせば此歌持chくれて行く秋の哀の有明はつきせぬ戀の限なりけり同二十四日又參殿下有會〓秋日易暮一程もなく今日も暮ぬと云ふ〓とや眞に秋の哀なるらむ此歌被番御歌勝〓〓夜〓〓衣衣うつきぬたの音は曉のかねの哀につゞきぬるかな每每過變セー七夕の年の契の哀さを月になしてもつきせぬやなに建久二年庚申の夜、喜色有花淺綠春の色ある梢かな待ちえてにほふ花のほかまで山路殘雪谷川の岩本菅の春の雪をちらぬ山路の菊とこそ見れ水畔梅の花匂も池にうつればや波吹く風も尙かをるらむ被制主君戀我君に從ふともよなきげに妹が情のなきまばかりぞ霧籠關路ハハ月影の〓見が關に聞く物をいでば立ちのけ浦の夕霧羇中會戀草枕いそぐいく野に今宵又君故ならで結ぶべきかは水邊述懷〇人知れず心と友にすむ庵や我もありとや山の井の水已上三首故大納言の當座の會短冊立春。年こゆる山のかひより眺むれば春と共にも立つ霞哉。三輪の山杉の梢をこめつれば霞ぞ春のしるし也ける霞5春春ふじの煙に宿かりて幾への山をへだて來つらむ鶯00あかざりし花のこずゑは靑葉にて鶯おくる暮の春風歸雁00三吉野の花に別や惜むらむ鳴きてぞ歸る春の雁がね花ね花ざかり霜も時雨も露もなし獨つらきは春の山かぜ遠近見花o此此ここははなな川の花盛まことにはよも峯の白雲〓o野野ふふもとは花の匂にてながむる末は峯の白くも花下遇友か春うれし契らぬ人も櫻さく交野のみのゝ花の夕ぐれ藤花七第卷第玉拾
。波は藤藤は波にぞかゝりける田子の浦わの春の暮方一南無阿彌陀心ぞいとゞ靜かなる松より外に藤の夕色旅宿暮春東路や旅の篠屋にけふ暮ぬいざさは頓て春を送らむ更衣三四十餘り衣ばかりを脫き更へて心は同じ卯の花の里九重に匂ひし花の色なればなごりうれしき白襲かな花の色を惜む心はそれながら更へて嬉しき藤衣かな卯花此此ころは櫻が枝に雲はれて卯の花垣に月を見るかな郭公花はちりぬ月はまだしきなつ衣慰めえたる郭公かなル五月雨の雲に色ある梢かな山ほとゝぎす一聲のそら明けぬとて月は高嶺に入りぬらむ聲をば殘せ山郭公〓ほの〓〓とまだ倉橋の五月雨に山隱れ行く郭公かな菖蒲一あやめ草沼の岩根の長き根に心ひきをも鳴く蛙かな盧橘一五五雨雨の雲は梢にはれのきてはな橘に風そゝぐなり三いにしへを忍ぶみぎりの諸人の袖よりつたふ橘の風古をしのぶみぎりのたちばなは匂も露も袖の夕かぜ野徑晩立ニ宮城野の萩に宿かる夕立に錦をきても雨にぬる〓〓た夕立や雨もふる野の末に見て急ぐ賴みは三輪の杉村蓮ヒながむべし池に蓮の花ざかり濁にそまぬ我が心かな〓幾宵か西に心の通ふらしはすのうは葉の露の夕ぐれ螢照古〓古のおもかげみだす螢かな高津の宮の松のこずゑに湖上螢火crcとと志志賀の大わた闇ふかく海人なき浦に蜑の漁火松風暮淳ニ夕まぐれむすぶ岩井に袖ひぢて松の梢は夏も秋かぜ〓一ををらら野野守の夏の夕風に鐘の音さへ秋の聲なる松風忘扇ニー宿すゞし扇は秋の夕まぐれ夏かあらぬか庭の松かぜ六月祓四去年の今日のあすより後の一年の罪なき月の祓也是立秋正風の音の變初ぬる今日はまづ荻の上葉に秋や立らむ鹿は今幾かありてか聲たてむ夏野の萩に秋の夕ぐれセ小萩原まづ咲く花に露ちりて夏野の草の秋の夕ぐれ野露〓秋の野べに秋の白露置初めて袖にしたしき秋の夕暮五五野べにおく千年の秋の初露に潤ひぬらむ君が代の民森露co吹ぬなり濡てぞ人の身にもしむ信太の森の露の下風七夕ニ七夕はまつらむ物を夕月よあまの川原の有明のころ蟲一秋の野の小萱が下の蟲の音に心亂れぬ人はあらじな旅宿蟲聲ニさ庵さす野べの小萩が蟲の音に乾くまもなき旅衣かな四いつよりも秋は旅こそ哀なれ野路も山路も蟲の色々月秋の夜はたがひにすめる詠めかな心は月に月は心に飛飛川定なき世をいとはねば淵にも瀨にも宿る月影4枚秋の月由なし今は雲に入れ汝し澄ずば我も世に在じ1月にのみ心を添ふる我身哉曇れば最ど世の厭はしき加ささむむ法のむしろの秋の月けふ諸人の行末のやみcal今宵社云ねど秋と知られぬれ月より前の山のはの空ユ世々をへて法の筵を照さなむ秋の限りぞ秋の夜の月〇一八六七第卷集玉拾1月ゆゑは憂身ぞいとゞ厭はしき涙曇らで誰詠むらむ三1月月今〓昔昔をそへて見ゆるかな山の高嶺の法の筵に四五秋といへば月より月に移る世の心の果ては有明の空11悟悟く雲は高嶺にはれにけり長閑に照せ秋の夜の月4月月にいざよふ波を數れば君が千年の行へ知らずも秋の空の〓くなり行く月影に氷をあらふ宇治の川波林中曉月ハムみ空とて槇立つ山に木隱れぬ月さへよそに有明の空深山見月一月影は峯の檜原にかたぶきぬ熊を友にて有明のそら曉天聞鹿〇山山家家有有の空に鹿鳴きてつきせぬ物は哀也けり槿籬厭夕メタ影をいとふ花かと心みむしばしなくれそ朝顏の花秋旅動きなき君が行幸に馴々れて旅心ちせぬ宇治の山哉〓〓の〓に今夜枕を並べつる鹿は旅とも思はざるらむ九月盡いかにせむ今日を限の秋の露を物思ふ我が袖に懸つる武あすは尙梢の秋や忍ばれむ庭の木葉に時雨ふるとも〓〓路けむ人の愁も今日やつきなむ時雨神無月山めぐりするわび人の袂にかよふ村雲のそらメ枯枯果つる木の葉の庭に音はして梢寂しき村時雨かな打折雨寂しき色に成にけりいざとよ秋の鹿鳴ずとも河邊千鳥°〓いかにせむさほの川原の霧の間に我友衝鳴て立ぬる一友千鳥さほの川原に鳴く夜はに聲打そふる嶺の松風川千鳥思兼ねたる冬ぞかし浮世も悲し孰ち行かまし思兼ねいづち行まし小夜千鳥川瀨の波に聲も寒けし炭竈厭ひ果てゝはや山里の炭竈よその煙より思立つらむ雪三吉野の奧ゆかしくも思ふかな外山は淺き初雪の庭丸あらゝかに心を風の誘ふかな雪まだおちぬ雲の夕暮社頭雪降雪にたゞすの竹も折れふして氷に返る賀茂の川波〓〓埋れ行く森の下風神さびて雪に色なきあけの玉がき深深く賴む神のいがきに積るらし浮世の後を思ふ白雪野亭深雪積る雪の少し高きや人の庭道こそなけれ煙だにたて一積雪の障る梢もなき野べの宿の庭にぞ深きをば知る歲暮ニ一年年明明て浮世の夢の覺べくば暮る共闇を歎ざらましエ年年の明て覺べき夢を待つとして暮行く闇を厭ふ也見久忍戀包めども尙年月の重なれば物や思ふと又問はれぬる我戀は忍の種をまきそめて坂間に草の生ひかはる哉近不逢戀思ひ分かず小屋の蘆垣隙をなみ逢はぬ恨と近き情と台在隱戀(和元)八か歸なむ又來る人を待夢を正しく見ては世にも如何は契來世戀〓諸共に戀しなばこそ後世を契るかひある中と思はめ遇無實戀逢うて逢はぬ戀とはなにぞ唐衣重ぬる夜はの恨也見見夢增戀〓打返し逢ふと見つるを現にて覺むる思を夢となさばや夜戀一夜はの秋幾度計り寢覺しつと語らば社は夢も見べきニ君君代代の久しきに寄せて慰めむ夜はの長きも心强きも遇不逢戀七第卷集玉拾二五八六
恨恨じじあひてかひなき我袖を此度爭で泣重ぬらむ重ねても今一しほの色ぞこき心ばかりにぬるゝ袂は思憩ひより通ふ雫のいか計り苦しき海の波となるらむ〓ななぬぬと社無れ世中は憂に堪たる身こそつらけれ寄月戀九t誰誰に秋さへ月のよそならむ涙ならでは曇る空かは詠むれば晴れず時雨るゝ袂哉月より落つる我涙かは戀戀と云心の人に無かりせばあるかひも有じ秋の夕暮。とに斯に由なき道に入にけり逢ぬ恨とあふ嬉しさと曉嵐に鐘の音過ぎて。夢はいかに嵐に鐘の音過ぎて誰あみだ佛の聲聞ゆ也寄海水朝。思知る浮寢の床の朝霧にたが行舟のよそになるらむcoほの〓〓と波に離るゝ朝霧にまぜて吹こす磯の松風寄山暮00山深き我庵よりや知るべせむたぐひに迷ふ秋の夕暮10松風に雲うちなびく夕暮の空に物おもふ秋の山ざと和秋の山によそなる松の梢より袂にかへる夕時雨かな山風bo君が代を幾千年とか調ぶらむ松より傳ふ宇治の山風no君が爲め心ばかりを散すかな紅葉まだしき秋の山風野50野べはいつも哀なれども秋は尙花の千種に露の色々。近江路や野路の篠原夕行けば志賀より歸る小波の風野を見るに尙あまり行く心かな秋より外の秋の夕暮一法の庭を鹿鳴野べの外かはと思へば今日も秋の夕暮關行末は法の開ともなりぬべし今日の筵にあふ坂の山川哀れなり我が山川の岩波を心にかけて幾世かもへむ瀧1堰入るとも心もあらじ音羽川世の浮ふしの瀧の白糸山家なさむしろや尙大原にしくはなしつやく聖の跡も哀に松衰とや思ひ出づらむ住吉の松たのみこし藤の末葉を苔山川の物うき音は岩が根に拂はぬ苔を潜るなりけりな山川の音なきほどに袖ぬれて苔より苔につたふ白波〓昔人埋れぬ名を嬉しとや苔の下にも今日は見るらむ鷄一忍びかね袂をしぼる限りかな人こぬ宿の鳥の八聲に曉更鶴一和歌の浦に月影送る有明に蘆べのたづの聲ぞ悲しき一籠の内におのが毛衣霜さえて子を思ふつるの曉の聲雜思ひくまの人は中々なき物を哀に犬の主を知るかな友一唯二人賴むかひある中ならば先だつ雲を見ぬ由もな花や月を獨ながめぬ情には雪にぞ深く思ひ知りぬる神祇立ちかへる世と思はゞや神風や御裳濯川の末の白波旅〓と路路や〓見が關の月の夜を數へてこそは思立ちしかた露ともに結ぶとすれば草まくら夢もねざめも曉の空of自からたのむ星さへ曇りつゝ闇には旅の空ぞ悲しき一ささだれて苦の下伏袖深し入れねよ鳥の一聲のそら旅宿曉思三草枕秋の心にまどろめば覺むる夢路も春のあけぼの都にも月はかはらぬ有明のくさの枕に露ぞこぼるゝ七第卷集玉拾別〓古の別を忍ぶ法の庭もいく度あかで暮れかゝるらむ無常五五十餘り別し人を數へ來て殘る憂身も殘るべきかは述懷た世中にいと心えず見ゆる哉神も佛も知るや知らずや坦さすがなほ愚に誰を包むかな恥かしからぬ人の心を〓我が心神と佛と思はえて此世の人のよそになりぬる心心ききににるゝ身はいかにして長へぬ覽cm今年計り惜しき命の故やなに花の春より月の秋まで一自ら誠の道に入りし身をかへる心のなきばかりこそニー今日たのむ神も佛も誠あらば絕えずも通へ法の席にヨおおかなる心なれども思ふことは往生淨土臨終正念思ひ入れて詠むる春の曙は眞如の理にも通ふ也けり雨中述懷10曇曇夜夜空空き拂へ神風や雨なつかしき袖も由なくメン軒に雨り行く袖の雫かな心の雲や空にみつらむセ大大ももきき身はいかになれる世ぞ窓打雨も物語せよNA袖に移る雫ばかりやかはるらむ都もおなじ雨の夕暮カル大空に友なき友とひぢぬらむ雲よりも又涙落ちけりcmなうき此世をおもふ淚かも窓うつ雨よ物語せよエいかにせむ詠むる空もかきくもり軒の雫よ袖の涙よ一一一ののににふるか涙と諸共に窓うつ雨に物がたりせむ三今は唯憂身浮世に有りかねて窓うつ雨よ友と成ぬる語語べき人だにもがな暗き雨の窓打聲に覺むるよの夢懷舊長らへば思ひ出でよと思ひけり昔情の人のふるまひ〓我友と賴みし人はうせ果てゝ忍ぶ昔ぞいとヾ戀しき管絃いちをとふ聲のねを哀れとや琴ひきそふる庭の松かぜ釋〓NXさても〓〓殘る聖の嬉しきは鷲のみ山に出でし月影出現於世1月月の出でずばいかに詠めまし我が闇深き庭の蓮を垂是寶車〓〓ぞぞ知る今日の車に法の道は門より外に有ける物を不求自得〓卅の內に老にし人を思ふにも求て社は尙えざりしか等雨法雨それも露普き法の雨なればいるあぢしまの森の下草無有魔事目に見えず怪しと思ふ類まで今日の御法を守べき哉化城喩品〓是もなほ心にとまる旅人のかりのやどりの後の通路化作大城郭思思なな浮浮の中を出果て宿りおくにも宿は有けり繫著內衣裏今はわれ思ひ返して唐衣かけける裏の玉を見るかな內秘菩薩行それも尙到らぬ隈は無かりけり心の內に月を隱して寶塔品見二如來〓孰れか日孰れか月と詠むれば鷲の高嶺のみ空也けり皆見龍女覚るもうし南の海のいろくづの五の雲の晴る氣色を我不愛身命c〓身を捨て御法を思驗あらば死なむ後にも今日を忘な又夢作國王一御法ゆゑ夢に成りにし天皇は覺むる現も又夢のほど分別功德品ニ法の宿のまさしき胸の砌より流れてとほる山川の水藁川ことしも今はみかの原三笠の山の春ぞまぢかき長しと云ふ命の數は身にしめて人の外行く峯の松風
エルヒ一年を幾たび夢に三熊野の浦の濱ゆふ重ねきぬらむ定增壽命4年年まで萬代までと定まりて松に十廻花の咲くまで1月月を御法の川に懸てこそよみかなへつれ定增壽命祝NH君が代に千年比べをせさせばや長井の浦の松と鶴とに山家和歌集山家和歌集上春立春の朝よみける九年年れれ春來べしとは思寢に正しく見えて適ふ初夢〓山の端の霞む景色に著きかな今朝よりやさは春の曙〓春立つと思ひも敢ぬ朝戶出にいつしか霞む音羽山哉〓かかはる春を知れとも見せ顏に年を隔つる霞也けり〓解解初初むる初若水の氣色にて春立〓とのくまれぬる哉家々に春を翫ぶといふことを四門毎に立つる小松に翳されて宿てふ宿に春は來に見元日子の日にて侍りけるに予子日してたてたる松に植添へむ千代重ぬべき年の印に山里に春たつといふことを山里は霞渡れる氣色にて空にや春の立つを知るらむ難波わたりに年越に侍けるに春立心をよみけるいいつしかも春來に見と津の國の難波の浦を霞罩たり春になりける方違へに志賀の里へ罷りける人に具して罷りけるに逢坂山の霞みたりけるを見てわわてて日日逢坂山の霞めるは立後れたる春や越らむ春來てなほ雪かめめ春春はばよその空に見て解けむともなき雪の下水題しらずco春春れと谷の下水もりぞ來る岩間の氷ひま絕にけり→霞まずば何をか春と思はましまだ雪消ぬ三吉野の山海邊の霞といふことを「藻鹽やく浦のあたりは立ちのかで煙あらそふ春霞哉同じ心を伊勢に二見といふ所にて和尙御詠類聚事度々御百首嘉曆之比類聚已訖今所殘殘紙舊草自然擬作諸人贈答等也重集之仰瑚子丸令〓書之先爭云始之後經十九年其間天下變革世上騷亂幾許哉而今眞俗書籍會不紛散金玉篇什重終書寫偏是護法天台之冥助祖師和尙之擁護也不堪欣悅聊述由致子時貞和二年五月二十三日吉水末流尊圓親王記藻鹽草尙書添へて和歌の浦に殘れる玉も拾盡しつ瑚子丸書追之時雙紙裏紙に書付歌古の和歌の浦わの藻鹽草しらで書置く跡や殘らむ此拾玉集者申請竹内門跡御本七者書寫之處不審繁多也仍甲出靑門御本五卅再三比校而正烏島之差誤尤可爲證本者也文祿第曆林餘初二丹山隱士玄旨在判「波こすと二見の松の見えつるは梢に懸る霞なりけり子日春春に野べの小松を引人は幾らの千代をふべきなる覽五子日する人に霞は先立ちて小松が原をたなびきに鳬子日しに霞たなびく野べに出でゝ初鶯の聲を聞く哉若菜に初子の合たりければ人の許へ申遣しける〓若菜つむ今日に初子の合ぬれば松にや人の心ひく覽雪中若菜〓今日は唯思も寄で歸りなむ雪つむ野べの若菜也けり若菜〓春日野は年の內には雪積て春は若菜の生ふる也けり雨中若菜∞春雨のふる野の若菜生ぬらしぬれ〓〓摘まむ筐手ぬきれ若菜に寄せてふるきを思ふといふことを。若菜つむ野べの霞ぞあはれなる昔を遠く隔つと思へは老人の若菜といへることを。卯杖つき七草に社出にけれ年を重ねて摘める若菜は寄若菜述懷といふことを0若菜生る春の野守に我なりて浮世を人に摘知せばや鶯によせて思を述べけるに〓うき身にて聞くも惜しきは鶯の霞にむせぶ曙のこゑ閑中爲といふことをx0鶯のこゑぞ霞にもれて來る人めともしき春の山ざと雨中鶯わ爲のはるさめ〓〓となきゐたる竹の雫や涙なるらむすみける谷に鶯の聲せずなりにければ。古巢疎く谷の鶯成果ては我や代りて鳴かむとすらむxは鶯の古巣をいでぬとも我行方をば忘れざらなむな鶯は我を巢守に賴みてや谷のほかへは出でゝゆく覽〓春の程は我住む庵の友になりて古巢ないでそ谷の鶯もえ出る若菜あさると聞ゆなり雉子なく野の春の曙生ひかはる春の若草待侘びて原の枯野に雉子鳴く也片岡に芝移りして鳴く雉子立羽音とて高からぬかは』春霞孰ち立出でゝ行にけむ雉子住む野を燒てける哉梅を一番にぞ先心占置く梅の花色はあだにも散ぬべければ山里の梅といふことを大香をとめむ人を社まて山里の垣ねの梅の散らぬ限は七心せむ賤が垣ほの梅はあやな由なく過る人留めけりヘ此春は賤が垣ほにふれわびて梅が香とめむ人親まむ嵯峨に住みけるに道をへだてゝ坊の侍りけるより梅の風に散りけるをた主いかに風渡るとて厭ふらむよそに嬉しき梅の匂を庵の前なりける梅を見て詠める∞梅香香山山に吹きためていり來む人にしめよ春風伊勢のにしふく山と申す所に侍りけるに庵の梅かうばしく匂ひけるを一柴の庵に夜る〓〓梅の匂來て優しき方も有る住ひ哉梅に鶯の鳴きけるを梅が香にたぐへて聞けば鶯の聲なつかしき春の山里〓作り置きし梅の衾に鶯は身にしむ梅の香や移すらむ旅のとまりの梅にひとりぬる草の枕の移香はかきねの梅の匂なりけり=ふるき砌の梅何となく軒懷かしき梅故に住みけむ人の心をぞ知る山里の春雨といふ事を大原にて人々詠みけるにた春雨の軒垂籠むるつれ〓〓に人に知られぬ人の栖か霞中歸雁といふことを七何となく覺束なきは天のはら霞に消えて歸る雁がね雁がねは歸るみちにやまどふらむ越の中山霞隔てゝ歸雁
た玉章の端書かとも見ゆるかな飛後れつゝ歸る雁がね山家呼子鳥〓山里に誰を又こは呼子鳥獨のみこそすまむと思ふに苗代一苗代の水を霞はた靡きてうちひの上にかくる也けり霞に月の曇れるを見て三雲なくて朧なりとも見ゆる哉霞かゝれる春の夜の月山里の柳山がつの片岡かけてしむる庵の境に立てる玉の小柳柳風にみだる見渡せば佐保の川原に繰掛けて風によらるゝ靑柳の糸雨中柳中中に風のおすにぞ亂れける雨に濡れたる靑柳の糸水邊柳ねみなそこに深き綠の色見えて風になみよる河柳かな待花忘他といふことを待つにより散らぬ心を山櫻さきなば花の思知らなむ獨り山の花を尋ぬといふことを人誰誰また花を尋ねて吉野山苔ふみ分くる岩傳ふらむ花を待つ心をた今更に春を忘るゝ花も有じ安く待つゝ今日も暮さむ覺束ないづれの山の嶺よりか待るゝ花の咲始むらむ花の歌あまた詠みけるに一空に出て孰くともなく尋れば雪とは花の見ゆる也鳬雪とぢし谷の古巢を思ひ出でゝ花にむつるゝ鶯の聲三吉野山雲をばかりに尋入りて心にかけし花を見る哉思ひやる心や花にゆかざらむ霞こめたる三吉野の山押押なべて花の盛になりにけり山の端每にかゝる白雲紛紛色色を花咲きぬれば吉野山春は晴れせぬ峯の白雲四〓吉野山梢の花を見し日より心は身にも添はず成にき四ハムあくがるゝ心はさても山櫻散なむ後や身に返るべきカ花花れば其謂れとは無けれども心の內ぞ苦かりける〇二白川の梢を見てぞなぐさむる吉野の山にかよふ心をユ引替て花見る春は夜はなく月見る秋は晝露無らなむ三七花ちらで月は曇らぬ世也せば物を思ぬ我身ならまし類なき花をし枝に咲かすれば櫻に並ぶ木ぞ無りけるニ身を分けて見ぬ梢なくつくさばや萬の山の花の盛を五五櫻咲四方の山べを兼るまに長閑に花を見ぬ心ちする六五花に染む心の爭で殘りけむ捨果てゝきと思ふ我身に44日川の春の梢のうぐひすは花の言葉を聞く心らするメン願はくは花の下にて春死なむその二月の望月のころ佛佛はは櫻のはなを奉れ我がのちの世を人とぶらはゞo何とかや世に有難き名をえたる花はヒットル櫻に勝りしもせじ山ざくら霞の衣あつくきてこの春だにも風包まなむ意遺る高嶺の雲の花ならば散ぬ七日は晴じとぞ思ふ長閑なる心をさへに過しつゝ花故にこそ春を待しかはかざこしの嶺の續きに咲花はいつ盛ともなくや散らむⅨ習ありて風誘ふとも山櫻尋ぬる我を待ちつけて散れ林裕野やく煙ぞ春はよし野山花をへだつる霞なりける今よりは花見む人に傳置かむ世を遁つゝ山に住まむと閑ならむと思ける頃花見に人々の詣で來ければ花見にと群つゝ人のくるのみぞ可惜櫻の咎には有ける花もちり人も來ざらむ折は又山の峽にて長閑なるべしかき絕えこととはずなりにける人の花見に山里へまうで來たりと聞きて詠みける00年をへて同じ梢と匂へども花こそ人に飽れざりけれ花の下にて月を見てよみける一雲に紛ふ花の下にて眺むれば朧に月は見ゆる也けり春の明ぼの花見けるに鶯の鳴きければ花の色やこゑにそむらむ鶯のなく音ことなる春の曙春は花を友といふとをせか院のさい院にて人々詠みけるに上集歌和家山自ら花なき年の春もあらば何につけてか日を暮さまし老見花といふことを老者とに何をかせまし此春の花待附けぬ我身也せば老木の櫻の所々に咲きたるを見てわきて見む老木は花も哀なりいま幾度か春に逢べき屏風の繪に人々よみけるに春の宮人むれて花見ける所によそなる人の見やりて立てりけるを茶の本は見る人しげし櫻花よそに眺めて我は惜まむ山寺の花さかりなりけるに昔を思ひ出でゝ吉野山ほぎ路傳ひに尋ね入りて花見し春は一昔かも修行し侍るに花おもしろかりける所にてハミ眺るに花の名立の身ならすば木の本にてや春を暮さむ熊野にまゐりけるに八上の王子の花おもしろかりければ社にかきつけゝる〓〓〓來來るるやかみの櫻咲にけり荒く颪すなみすの山風せか院の花盛なりける頃俊忠がいひ送りけるの自から來る人あらば諸共にながめまほしき山櫻かなかへし、眺むてふ數に入べき身也せば君が宿にて春はへなまし上西門院の女房法勝寺の花見られけるに雨のふりて暮れにければ歸られにけり又の日兵衞の局のもとへ花の御幸思ひ出でさせ給ふらむと覺えてかくなむ申さまほしかりしとて遣しける見る人に花も昔を思ひ出て戀しかるべし雨に萎るゝかへし〓ををぶぶる雨と誰か見む花もその世の友しなければ若き人々ばかりなむ老いにける身は風の煩しきに厭はるゝ事にてとありけるなむ優しくきこえける雨のふりけるに花の下に車を立て詠めける人に濡る共と蔭を賴みて思けむ人の跡ふむ今日にも有哉世をのがれて東山に侍る頃白川の花盛に人さそひければまかり歸りけるに昔思ひ出でゝ散るを見て歸る心や櫻花昔にかはるしるしなるらむ山路落花散初むる花の初雪降ぬれば踏分けまうき志賀の山越落花の歌あまた詠みけるに勅とかやくだす帝の在せかしさらば恐て花や散らぬと浪もなく風を治めし白川の君の折もや花は散りけむかいかでわれ此世の外の思出に風を厭はで花を眺めむA 0年年へへ待ちもをらむと山櫻心を春は盡すなりけり〓吉野山谷へ靉難く白雲は峯の櫻の散るにやあるらむ(土)のねなるこなは分分ててりりもるちむ之一首)山山の本の本埋む花の雪は岩井にうくも氷とぞ見る〓春風の花の吹雪に埋れて行きもやられぬ志賀の山道立まがふ嶺の雲をば拂ふとも花を散さぬ嵐なりせば〓吉野山花ふきぐして峰越る嵐は雲とよそに見ゆらむ惜まれぬ身だにも世には有物をあな生憎の花の心や九浮世には留めおかじと春風の散すは花を惜む也けりth諸共に我をもぐして散りね花浮世を厭ふ心ある身ぞ〓へへ花花のなからむ木の本に何を蔭にて我身住なむco眺むとて花にも痛く馴ぬればちる別社悲しかりけれ。惜めばと思ひげもなくあだに散る花は心ぞ賢かりける。○。ふふく風の心はいかゞせむしたがふ花の恨めしき哉50爭でかは散らであれとも思べき暫しと慕ふ情知れ花〓木のもとの花に今宵は埋れてあかぬ梢を思ひ明さむ10木のもとの旅寢をすれば吉野山花の衾を着する春風加雪と見て影に櫻のみだるれば花の笠着る春の夜の月fo散る花を惜む心や留まりて又來む春の誰になるべき〓春深み枝も動かで散花は風の谷にはあらぬなるべしねあながちに庭をさへ吹く嵐哉さこそ心に花を任せめ〓あだに散るさこそ梢の花ならめ少しは殘せ春の山風一心得つたゞ一筋に今よりは花を惜まで風をいとはむ〓吉野山櫻に紛ふ白雲の散なむ後ははれずもあらなむ上集歌和家山
〓花と見ば流石情を懸ましを雲とて風の拂ふなるべし風誘ふ花の行方は知らねども惜む心は身に止りけり〓花盛梢を誘ふ風ならでのどかに散らむ春はあらばや庭の花波に似たりといふことを詠みけるに風あらみ梢の花の流れ來て庭になみ立つ白河のさと白川の花庭おもしろかりけるを見て←あだにちる梢の花を眺むれば庭には消ぬ雪ぞ積れる高野に籠りたりける頃草の庵に花の散りつみければヘ散花の庵の上を吹くならば風いるまじく廻り圍はむ夢中落花といふ〓とを前齋院にて人々よみけるにか春風の花をちらすと見る夢は覺ても胸の騷ぐ也けり風の前の落花といふことを二山櫻枝きる風のなごりなく花を宛らわがものにする雨中落花一梢うつ雨に萎れて散る花のをしき心を何にたとへむ遠山殘花一野野山一むら見ゆる白雲は咲き後れたる櫻なるべし花の歌十五首よみけるに吉野山人に心をつけがほに花よりさきにかゝる白雲山寒み花咲くべくもなかりけり餘り兼ても尋來に島1かか計計蕾むと花を思ふより空また心物になるらむ覺東な谷は櫻のいかならむ峯にはいまだかけぬ白雲花と聞くは誰もさこそは嬉しけれ思ひ沈めぬ我心哉ヘ初花の開け初むる梢よりそばえて風の渡るなるかな覺束な春は心の花にのみ孰れの年かうかれそめけむcmい今今年散れと櫻を語らはむ中々さらば風や惜むと一風ふくと枝を離ておつまじく花とぢつけよ靑柳の糸一次く風のなべて梢にあたる哉かばかり人の惜む櫻を何とかくあだなる花の色をしも心に深く染め始けむ同じ身の珍しからず惜めばや花も變らず咲きは散らむ五峯にちる花は谷なる木にぞ咲く痛く厭はじ春の山風三キ山山に亂れて花の散けるを岩離れたる瀧と見たれば花もちり人も都へ歸りなば山寂しくやならむとす覽散りて後花を思ふといふことを〓青葉さへ見れば心の止る哉散にし花の名殘と思へば菫加跡絶て淺茅茂れる庭の面にたれ分入りて菫摘みけむ○誰誰らむ荒田のくろに堇つむ人は心のわりなかりけり7さわらび一等閑に燒捨し野の早蕨は折人なくてほどろとやなるかきつばたニット水る眞菰のわかれぬを咲き隔てたる燕子花哉山路のつゝじ一道這ひをらで躑躅を手にぞとる坂しき山の取所にはつゝじ山のひかりたりといふことを〓躅躅さく山の岩陰夕ばえて小倉はよその名のみ也是やまぶきエロ岸近みうゑけむ人ぞ恨めしき波にをらるゝ山吹の花カ山山の花さく里に成ぬれば爰にも井手と思ほゆる哉蛙トロ眞眞生ふる山田に水を任すれば嬉し顏にもなく蛙哉NN水錆ゐて月も宿らぬ濁江に我すまむとて蛙なくなり春のうちに郭公を聞くといふことを如嬉しとも思ひぞわかぬ郭公春きく〓との習ひなければ伊勢にまかりたりけるにみつと申す所にて海邊の春の暮といふことを神主ども詠みけるにce過過春春のみつより舟出して波の花をや先にたつ覽三月一日たらで暮れけるに詠みけるハ春故にせめても物を思へとやみそかにだにもたらで暮ぬる三月のつごもりに二今日のみと思へば長き春の日も程なく暮るゝ心地社すれ上集歌和家山五行く春をとどめかねぬる夕暮は曙よりも哀なりけり夏限あれば衣ばかりを脫ぎかへて心は花を慕ふ也けり夏の歌よみけるに草しげる道かりあけて山里に花見し人の心をぞ見る水邊卯花本部田川岸の籬を見わたせば井堰の波にまがふ卯の花山山の波にまがへる卯花を立返りてや人はをるらむ夜卯花な粉ふべき月なき頃の卯花は夜さへ晒す布かとぞ見る社頭卯花本神垣のあたりに咲も便あれや木綿懸たりと見ゆる卯花無言なりける頃郭公の初聲を聞きて〓時鳥人に語らぬ折にしも初音きく社かひなかりけれ不尋聞子規といふことを賀茂の社にて人々よみけるに一時鳥卯月の忌にゐこもるを思知りても來なくなる哉夕暮郭公といふことをことなるゝ黃昏時の郭公聞かず顏にて又なのらせむ時鳥我が宿にはな橘を植ゑてこそ山郭公待つべかりけれ〓ぬぬれば聞き難きかと時鳥今宵ばかりは待ち試みむ時時ままつ心のみつくさせて聲をば惜む五月なりけり六人に代りてまつ人の心を知らば郭公賴もしくてや夜を明さまし時鳥をまちて明けぬといふことを時時なかで明けぬとつげ顏にまたれぬ鳥の音ぞ聞ゆなるひ時鳥きかであけぬる夏の夜の浦島の子は誠なりけり時鳥の歌五首よみけるに郭公きかぬ物故まよはまし花を尋ねぬ山路なりせば〓待待〓とは初音迄かと思ひしにきゝふるされぬ時鳥哉ききおくる心をぐして郭公高間の山の峯越えぬなりニ大大川川倉の山の郭公ゐせきに聲のとまらましかば郭公その後越えむ山路にも語らぬ聲は變らざらなむ時鳥を時時きくをりにこそ夏山の靑葉は花に劣らざりけれ七此時鳥思ひもわかぬ一聲を聞きつといかゞ人に語らむ時時いかばかりなる契にて心つくさで人の聞くらむ七語らひし其夜の聲は時鳥いかなるよにも忘れむ物か〓時時はな橘はにほふとも身をうの花の垣根わするな雨の中に郭公を待つといふことを詠みけるにN時時忍ぶ卯月も過ぎにしをなほ聲をしむ五月雨の空雨中時鳥0五五雨雨の晴間も見えぬ雲路より山郭公なきて過ぐ也山寺の時鳥といふことを人々よみけるに、郭公きゝにとてしも籠らねど初瀨の山は便ありけり五月の晦日に山里にまかりて立歸りにけるを時鳥もすげなく聞き捨て歸りし事など人の申し遣はしける返りごとに2時時名殘あらせて歸りしが聞捨つるにも成にける哉題しらず空空て沼の水嵩を落さずば菖蒲もふかぬ五月なるべしさることありて人の申し遣しける返り事に五日m折折をなひて人に我身や引れまし筑摩の沼の菖蒲也せば高野に中院と申す所に菖蒲ふきたる坊の侍りけるに櫻の散りけるが珍らしく覺えて詠みける〓櫻ちる宿に重なる菖蒲をば花菖蒲とや云べかるらむ散花を今日の菖蒲のねに懸て藥玉ともや云可るらむ五月五日山寺へ人の今日いる物なればとてさうぶを遣したりける返り事に西にのみ心ぞかゝる菖蒲草この世は假の宿と思へばN〓人の心のうきは菖蒲草にしに思のひかぬなりけり上集歌和家山三五一七
か五月雨の軒の雫に玉かけて宿をかざれる菖蒲草かな五月雨〇水水ふ入江の眞菰刈兼てむなてにすつる五月雨の頃一五五雨に水增るらし字治橋や蜘手にかゝる波の白糸ニールして笹里小野の道の跡を又澤になす五月雨の頃三つつ〓〓と軒の雫を眺めつゝ日をのみ暮す梅雨の頃(北感古本有五月間は岩くのの通路もなし之一首)東東のを萱が軒の糸水に玉ぬきかくるさみだれの頃梅梅に小田の早苗やいかならむ畦のうき土洗こされて梅梅の頃にしなれば荒小田に人に任せぬ水足らひ見或所にて梅雨の歌十五首よみ侍りし人に代りて五五五雨雨にほす隙なくて藻鹽草煙もたてぬ浦の海士人2梅梅はいさゝ小川の橋もなし孰くともなくみをに流て水水無瀬川をちの通路水みちて舟渡りする五月雨の頃○ひろ瀨川渡りの沖の澪標水かさそふらし五月雨の頃。早瀨川綱手の岸を沖に見てのぼり煩ふさみだれの頃。水分る難波堀江の微りせばいかにかせまし梅雨の頃c0舟とめし湊の蘆間棹たえて心行きみむ五月雨のころ〓水底に敷かれに是な五月雨て水の眞菰を刈にきたれば0梅雨のをやむ晴間の無らめや水の笠ほせ眞菰刈り舟xの梅雨にさのゝ舟橋うきぬれば乘てぞ人はさし渡る覽6五五雨の晴ぬ日數のふる儘に沼の眞菰は水隱れに鳬xo水無と聞きてふりにし勝間田の池改むる五月雨の頃50梅雨は行べき道のあてもなしを笹が原も浮に流れて。五月雨は山田のあぜの瀧枕數を重ねて落つる也けり河わたの淀みにとまる流木の浮橋わたす五月雨の頃一思はずに侮づり憎き小川かな五月の雨に水增りつ隣の泉風をのみ花なき宿はまち〓〓て泉の末を又むすぶ哉水邊納涼といふことを北白川にて詠みける〓水の音に暑さ忘るゝ圓居かな梢の皹の聲もまぎれて深山水鷄11人人暮暮ややどかる心ちして庵を叩く水雞なりけり題しらず〓夏山のゆふ下風の凉しさに楢の木蔭のたゝまうき哉撫子搔分分折折ばれけれ淺茅に混る撫子の花雨中撫子といふことをヘ露重み園の撫子いかならむあらく見えつる夕立の空夏野の草をよみけるかみま草に原の小薄しがふとて臥どあせぬと鹿思ふ覽旅行草深といふことを〓旅人の分る夏野の草茂み葉末にすげの小笠はづれて行路夏といふことを一雲雀揚る大野の茅原夏來れば涼む木蔭を願てぞ行くともし一照射する火串の松も替なくに鹿目合せで明す夏の夜題しらず二夏の夜は篠の小竹の節近みそよや程なく明る也けり夏の夜の月見る〓とや無る覽蚊遣火たつる賤の伏屋は海邊夏月ニ露のぼる蘆の若葉に月さえて秋を爭ふ難波江のうら泉にむかひて月を見るといふことを掬び上ぐる泉にすめる月影は手にもとられぬ鏡也鳬〓ぶぶぶに涼しき影を添ふる哉〓水に宿る夏の夜の月夏の月の歌よみけるに〓夏の夜も小笹が原に霜ぞおく月の光のさえし渡れば山川の岩にせかれてちる波を霰とぞ見る夏の夜の月池上夏月といふことをco影〓て月しも殊に澄ぬれば夏の池にも氷柱ゐにけり蓮池に滿てりといふ事を一おおづから月宿るべき隙もなく池に蓮の花咲きに鳬上集歌和家山雨中夏月三夕立の晴れば月ぞ宿りける玉ゆりすうる蓮の浮葉に凉風如秋まだきより身にしむ風の氣色哉

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