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芥川龍之介 和歌 大正十二年 和歌四首

君がたびし菓子やくひけむ吾子の口赤き涎を垂らしてゐたり

[大正十二年十二月十八日 室生犀星宛]


たてまつるこれの袴は木綿ゆゑ絹の着ものもつけたまひそね

[大正十二年十二月三十一日 下島勲宛]


ただに見てすぎむ巌ホぞ雲林の弟子とならむは転生ののち

のみ執るはあなむづかしと麦うるしここだもここだも使ふ指物師われは

天マぎらひふるアメリカにわがあらば牛飼ひぬべしひぬべしジエルシイの牛を

唐くにに生まれましかばましかば李義山の家のやつことならんとするらむ

[大正十一、二年(推定) 小杉未醒宛]

 実父は牛飼だったのにね。

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