二葉亭の俳句


俳句と自分

 これは坪内逍遥の句。


俳句と自分


俳句と自分


俳句と自分


俳句と自分


俳句と自分


俳句と自分

 これが二葉亭の俳句。

俳句と自分


俳句と自分


俳句と自分

oいいなれば短き冬の日なれ共けふ生憎に長くなる覽初めていひそめて女のみや恨みにけむといへりければ→毎路漏る岩垣〓水掬びかね飽べくも非ぬ君にも有哉住吉に參りてよみ侍りける往吉のまつととはむ神代より我としづむ人は有やと一品宮仁和寺にあたらしき堂を建てさせ給ひて觀音の紫の雲にのりて紫金臺さゝげて西の空よりいたり給へるかたを造らせ給へり拜みにとてまかりたりしにこれに歌つかうまつれと仰せられしかば繋の雲のおりゐる山ざとは心の月やへだてなからむ御かへしへへへてててなき心の月は紫の雲とゝもにぞ西へ行くべき佛供養し奉りしに四條の宮の筑前の君忍びて聽聞すと聞きて車にいひいれ侍りける確つ門の外にはたてれども鬼籠りたる車なりけり備中守仲實朝臣國に侍りし時いでいひ遣しゝ〓君があたりみつゝ忍ばむ天離吉備の中山雲な隔てそ五月いたう煩らひし頃妹のもとよりとひて侍りせあだし野のあさぢおしなみ吹風に露の命の置所なし世の中はかなく聞ゆるころ左京權大夫俊賴朝臣のもとへいひ遣しけるかかたらばや草ばに宿る露計り月の鼠の騷ぐまに〓〓山寺に入相の鐘を聞き侍りて入れの相山寺の鐘のこゑあな心ぼそ我が身いくよぞ三條大納言聞ゆること侍りて人に遣したるにちがひてかれよりかくいひおこせられたりし。限あれば富士の高嶺に鳴澤の我音づれに何增らめや返し。玉笹にむれゐる雀朝每に我こそ先はおどろかしつれやすなりの朝臣のもとにいふことありてのち音も仕うまつらざりしかばいひ遣しゝ50人知ず思こめたる小れ石の打出しとはいかゞ成にき椎を人のもとに遣すとて90落積る朽葉が下を掻返し誰が爲拾ふ木の實とかしる住吉のくにもといと近くゐたりと聞くに音せざりければ云ひ遣しゝ〓水籠に一日もおちず思へ共我わすれける住の江の松。懷を述ぶエ蘆蘆はふ浮世渡るとせし程に頓て深くも沈みぬる哉加年をへて歎く歎きの茂合ひて我身老曾の森と成ぬる季仲卿太宰帥になりてまかりくだりしに馬の餞に扇遣すとて〓。千年まで契れる〓とを忘れずば鶴のは風に思出でよ君或る所に歌合せむとて歌よみもとめさわぐと聞きてたれともなくてさしおかせ侍りしNo吹風に和歌の浦社騷ぐなれ波よ孰くに我身よせまし雲居寺瞻西家の門を過ぐとてかくいひ入れてまねいへばあり云では過じ玉章のかけて思を哀とはみよ。〓とならば唯には過で玉章の中々なりやかりに音づる
春宮大夫八講行ひ侍りしに捧物つかはすとて詠みて遣しゝ一美まし心の雲や晴ぬらむわしの山路に照る月をみて三月朔日〓水寺にこもりたりしに忍びたるけしきにてこもれる人に云ひ遣しゝ一諸共に旅のそらには出たれどあな覺束な春の夜の月菊の花おもしろく咲きたるを山寺に移し植うとて心なき草木なれとて見るなれど法の庭にも移しぬる哉是は堀川院の御時集めしかば參らせしこれより後の歌は古へ今のをかきあつめたるなり又かへし戀しさにさは木の本に立寄む昔に似たる匂あるやと昔あひしりて侍りし女いと久しく音せぬ忘れにたるかと云ひおこせたりしかば白波のいらこが島の忘れ貝人忘るとも我わすれめや十月朔日頃大原よりまだもみぢぬ楓をしきてくだ物いれておこせたりし人のもとへ云ひ遣しゝ°折けるはいかなる山の山人ぞ紅葉も敢ぬ可惜木葉を思ひがけぬ人のもとよりうまのことなむいふ人のある呼びて見よと云ひたりしかば一霧たちの誰柚山の木の本にいさまだえ社思出られね或る女八月ぶだいの念佛に女郞花を奉るとて歌こひ侍りしかば代りてよみ侍りし我如く五つの障ある花をいかゞ蓮の身とはなすべき雲居寺瞻西が說經を聞きてめで侍りし人に代りていひ遣しゝ12岩岩出ていづる泉のわくがど法の言葉も盡せざり鳬十二月二十日ごろいと寒きにむすめにおもしろきふることども書きあつめて取らすとて草紙の奧に書き付け侍りし昔人うべも云けむ子を思ふ心の關はさうとなりけむたいうしといふ子を僧につけて侍りしが久しう音もせざりしかばかく云ひ遣しヽかぞいろの引も放たぬうなゐこぞ我思ふ〓と猶思へ君小法師といふ子を南都の永緣僧都につけて侍りしに僧都奈良に罷りてかく云ひおこせて侍りし我我をさへ千代とぞ祈る春日野の二葉の松を見初てしよりかへし七君が代は千世共云じ春日野の二葉の松も神さびむ迄三月十日ばかり六波羅に講行ふと聞きて女車にのりまじりてまうでたりしに口をしくはてにけ下集家俊基原藤藤原基俊家集下みちの國のかみもとよりの朝臣のもとより久し、う逢ひ見ざるよしいひていつの程とも云はざりしかば歸りこむ程をふるにも武隈のまつ我み社痛く老ぬれ季仲の帥流されて後九月十三夜月のおもしろく侍りし〓とを思ひ出てたよりにつけて云ひ遣しゝ見るたびに昔の〓との覺ゆれば又其まゝに月も詠めず東宮大夫うせ給ひて又の年の春植ゑられし紅梅のいと盛に咲きて侍りしかばものへまかりし道にていそがしく侍りしかど人かげもせざりしかば昔思ひいでられてたゝう紙に書きて木に結びつけて侍りし昔みしあるじがほにて梅が枝の花だに我に物語せよ後に見侍りで少納言さねゆきかくいひおこせて侍りし一根に歸る元の姿の戀しくば唯木の本を形見にはみよれば經よむ尼のもとにまかりて歸らむとするに引出物にとて櫻のいみじう咲きたるを折りてえさせしかば〓家づとにさのみな折そ櫻花やまの思はむ〓とも優しゝ越前守仲實朝臣妻にまかりおくれてはてのことし侍りし諷誦ものおくるとてが曉の夢となりにし君こふとつき驚かす鐘のこゑかな雪中待人co凍凍ああぬ山田の澤に降雪の下消返り君をこそまて戀一懲ずまに猶も待哉冬の夜の有明の月のいでやと思へば殘りの花夏山に一枝はるのみえつるは殘れる花の匂なりけりほとゝぎす麗衣たつ田の山の郭公うらめづらしき今朝のはつ聲久しく音せぬ人に十十よみ餘り二讀三讀思へども猶間遠なる木曾の麻衣卯の花ほうの花のさける垣ねは布晒す相模の市の心ちこそすれほとゝぎすな來來かぬも理なりや時鳥まつ人からの夏のよなればI態戀れば現し人社割なけれかひすら妹を備ふてふよに正月ついたち大安寺僧都のもとにゆづる葉やるとて〓霜八度置けど凋まぬ初春の千年を君に讓る葉なれば九月十三夜同じ僧都のもとにまかりて夜一夜物語して侍りしつとめていひおこせて侍りしNEあかざりし君が名殘に久方の月を入る迄詠めつる哉かへし我もしか飽で歸りし月影の山のはつらき眺をぞせし同じ僧都の母の爲に八講を行ひ侍りしに捧物遣すとて一〓の山ふもと遙に照す月しらぬ山路の道しるべせよ南都にをさなき子をやりて雪の降りしかば師の僧のもとにやり侍りしㅂコささぬぬにに束束なきに春日山子を思道に雪きへぞ降るあひ知りて侍りし女のもとよりニ流流にぞ夢の中なる夢計り見しよの〓とは忘れざり鳬かへし現こそ秋のねざめは戀しけれ中々夢と思はましかば■初めて女にまかりあひてその夜ほどなく明けて鳥の鳴き侍りしかば四君がある夜明も果ぬに明べしやいでさが憎き子持鳥よかへしメロ人を厭ふ氣色の空に著ければまだき明ぬと鳴鳥をもみちの國のかみもとよりの朝臣馬えさせむといひて任やゝ果て方になりぬれど音せざりければ四beあら玉の年のいつとせ待侘ぬ我よも知す馬は賴まじ風のうちの女郞花さらぬだに心色なる女郞花うべ靡きけり秋のゝ風に女のもとよりかく云ひて侍りし〓忘らるゝ身をしる雨は音もせで忍るにしも濡るゝ袖哉かへしcm忍ぷるは苦き物を我妹子が身を知雨と成やしなまし正月朔日良賀阿閣梨のもとよりかく云ひおこせ侍りし一鳥の音も谷の氷も打とけてのどけき春に成にける哉返し一鳥のねものどけき春に成ぬれど我元結の雪は消敢す月頃煩ふこと侍りて鹽湯あむとて津の國のかたにまかりて湯あみはてゝのぼり侍りしかど猶や
まひやみ待らざりしかば心細く思うたまへ侍りしに松の木あまた立てる處をすぎ侍りしにこゝはいづくぞと問ひ侍りしかばみかげの松となむいふと人の申しゝかばユよよああば又歸來む津の國のみ影の松よ面變りすな月のおもしろきよならに侍る子の戀しく侍りしかば永緣僧都のもとに云ひやりし幼きなき我こをならの里に置て今宵の月の俤にたつ十月朔日のころ時雨する日雲居守瞻西がもとよりある尼君のもとになど久しくはおともせぬといひたるに代りて云ひやりしエししるるもも紅葉踏分け尋ねみむ侘たる衣袖笠にきてわづらふこと侍りし頃あひしりて侍る女のもとよりとぶらはで右近の馬場のひをりの日とは何事ぞと問ひて侍りし返りごとに就くをか君尋ねまし道芝のおく白露に消なましかば七夕曉を惜む七七夕の雲の衣の袖ひぢて惜むそらなき朝ぼらけかなゑほゆあびて人の迎へにまかりしに曉にむやといふ所に鹿の鳴き侍りしを聞きて豆AF朝ぽらけ葦間を分て越行ばかりばのみのにを鹿鳴也ある女四月のついたち頃もちつゝじを折りてえさせしかばな奥奥の岩ね隱れのもち躑躅ねばや〓〓とみゆる君哉夜の雪月に似たり0月かとてこぬ人まてば冬夜の降おける雪の謀る也見長月つくる日大藏卿匡房の卿のもとへ遣しゝ行行を留めつるかな奥山の紅葉の錦たちやかへるとかへし惜めども紅葉も散ぬひもくれぬ歸らじ物を夜の錦は同じ日雲居寺にまかりて急ぎ歸りしかば膽西かくいひて侍りし行君がせめて惜きに比ぶれば秋は數にも非ぬ也けりかへし六まだ知ぬこむよぞ今は賴るゝ秋にもおぢず人の忍ぶに매前齋宮のゆりはなが尼になりぬと聞きて彼岸にこぎつきぬとも蜑小舟此方に忍ぶ人を忘るなかへし蟹小舟〓き〓にこぎつきて忍ばむ人も渡しこそせめ十二月つごもり小法師といふ子のもとに永緣鏡もちひおこすとて云ひ遣したる年年へへつかさ位を增鏡千代の影をば君ぞ見るべきかへし萬萬に萬よ添へて十寸鏡君がみ影にならべてやみむ初の戀巢守子の云出ぬ言のいぶせきに飼籠朽る身とや成なむ六こひさしてくるつげの小櫛のかひもなし灘の鹽燒いざ歸りなむあひしりて侍る女久しう音づれ仕うまつらざりしかばかく云ひおこせて侍りし「いかなれば占し河原の冬草のさしも無ては枯果にけむかへし猶賴めとこそは誰にも契りしか理しらぬさしも草哉同じ女のもとよりいかにせむわくらばにだに問ば社思心の程も語らめかへし神風や伊勢の濱萩いつのまに汐たれ衣人のきるらむ正月七日女のもとに遣しゝ澤澤に出ていざ諸共に芹つまむねよきは君がとと思へばまだ逢はぬ女に久しうおともせざりしかばかく云ひおこせたりし七〓渡らぬに絶間久しき丸橋の踏みる事もつゝましき哉かへしまゝの浦のと絕がちなる丸橋を踏試みよげにや危きまだ外にてはか〓〓しく見ざりけるむすめの姨なる人のかく云ひおこせたりしN〓故〓に種まきおきし撫子の花の盛をいかゞ見るらむかへしさかさにり成も成にける哉ふる里に我種まきし花の匂を二條宰相よろしき歌よみたると聞きていひやりし〇老老くは忍びも敢ず難波潟葦間の風のそゞろ寒きに前木工頭俊賴朝臣のもとより九月十三夜かくいひ侍りし澄澄たる月にたなびく浮雲の朧氣ならず恨めしき哉かへしなな高きあたら今宵の月影を立ち隱すらむ雲の心よ八月雨いたく降るころ女にかはりて男のもとに爾ふると移ろふなゆめ我せこが衣にすらむ萩秋の花ある女のもとにいきたるに瓜のかたかきたる扇番をえさせたりしかば瓜作るこまのあたりに尋ねきて君が方にもなる心哉或る人熊野に參りて和歌の浦にて歌よめりと聞きて和和の浦に君が云おく言葉をいかに聞けむ玉つ島姫丹波守季よしの君いみじうあひ語らひて常にまうでき音づるゝ久しう音もし侍らざりしかば霜のいみじう降りたるにいひ遣しゝ程もなく今朝おく霜の消ぬれば人の心を見果つる哉美濃守もと房の朝臣身まかりて後の事仕うまつ今日將に涙に昏てとはむとはかもの豫ても思ざりきやりしに誦經物遺すとて文の奧に書き付け侍りし早うあひ知りて侍りし女の今は老いはてゝ頭の雪拂ひもあへずなむあると云ひたりしかばかくいひ遣しわわもも子が頭の雪も寒けきに猶や昔の戀しかるらむ霜のいみじう降りたるあしたならの子を思ひやりて永緣僧都のもとに云ひ遣しゝな楢のはに霜や置らむと思ふにもねて社冬のよを明しけれ、りうぎ請申す僧の歌かきて奥に書き付けし0春春日日光光もしらで雪深き谷のまつこそ年老にけれ十二月晦日永綠僧都のもとより菓物おこすとて→尋ねつゝ知ぬ山路に白雲の斯る木實を拾ひ出た罪るかへし百雲の知ぬ山路のこのみをば君が爲にぞ我拾はましはぎさを鹿のけさうらぶれて鳴なべに野原の小萩花散ぬべし二月ばかり或る處に八講行ふと聞きて女車にのりくはゝりて聽聞し侍りしに前なる紅梅の風にいたく散り侍りしかばせんせいが導師にて侍りしに誰ともなくてさしおかせし春風のいかにふけばか梅の花君が御うへに散懸る覽ある女の埋火花たちばなといふ題よみて見せよといひ侍りしかば思ふ心ありて終夜下消かへる埋火のいけらば君に逢見てむとやは花たちばな橘のはな散るさとの風とめば昔の人とねぬべしや君此の主の返しをやさしくしたりしがい君と云ばなどみまほしき波間なる沖つ小島の濱楸哉追考出鶯夜をこめて鳴鶯の聲きけば嬉しく竹を植ゑてける哉山寒花遲埜三吉野の山井の氷柱結べばや花の下紐運くとくらむ
蚊やりび○さらぬだに夏は伏屋のすみうきに宵の煙の所せき哉鹿。宮城野の萩やを鹿の妻ならむ花咲しより聲の色なる嵯峨にまかりて鹿の鳴くを聞きてよめるcoを鹿鳴く此山里のさがなれば悲しかりけり秋の夕暮女郞花30あだし野の心も知らぬ秋風に哀かたよる女郞花かな時雨霜霜て枯ゆくをのゝ岡べより楢の廣葉に時雨降る也戀。笛竹のあな淺ましの世中や有しやふしの限なるらむお浸茅生に今朝置露の寒けくに枯にし人の猶ぞ戀しき別朝霧のたち別れぬる君によりはれぬ思に迷ひぬる哉雨後山水〓吉野山うしや村雨降ぬらむ岩まをたぎつ音とよむ也遙望漁船かさゝ波やひらの山風早からし波まに消る海士の釣舟竹〓今年生の籬のうちの吳竹も秋はよ長く成やしぬらむ苔一奧山の岩根が上のこけ筵立ちゐる雲の跡だにもなし郭公覺束なまつ人からの時鳥など二聲と來鳴かざるらむ菖蒲萬代をふべき淀野の高蒲草永き妻とや君も見るらむ早苗一色深く門田の早苗成にけり急げ賤のをふしも社たて戀我幾の心にかなふ物ならば人のつらさも恨みざらまし六條宰相の家の歌合、霞一年ごとに變らぬものは春霞龍田の山のけしき也けり月ルいか計り照る月なれや眞葛はふ森の下草數みゆる迄祝限りても君が齡は石〓水流れむよには絕じとぞ思ふ權辨伊通の許にて曉月聞郭公といふことを0月影に尋ねきたれば時鳥なく山のはによこ雲わたる人のもとより歸りてあしたに一梓弓かへるあしたの思には引比ぶべき物なかりけり修理大夫長實歌合せられしに、紅葉秋ごとに誰かそむらむぬし知らぬから紅の衣手の森雅定中將の歌合に、郭公三さ波や舟木の山の時鳥聲をほにあげて鳴渡るなり戀知知ららめや岩陰におふる白菅のね深く思ふ心有とは=人のもとへこひしてふもじの關守幾度か我かきつらむ心盡しに六條宰相のもとにて寄社月といふ題を大三笠山もりくる月の〓ければ神の心も澄やしぬらむ白河院にて關路月を一逢坂の關に〓水の微りせば爭でか月の影をとめまし右兵衞督の家の歌合に、夏戀県糟捕顯夫大京左左京大夫顯輔卿集永久四年四月四日鳥羽殿の歌合、卯の花〓朝日山ふもとの里の卯花をさらせる布と思ひける哉た夏衣ひとへにつらき人戀る我心こそうらなかりけれ返し悅を加ふるたびの唐衣怪しくなどかたちうかるらむ越前守忠盛あきはぎといふはしたものにものいふをいといたうしのぶと聞きて遣す〇〓いつはらでしかと答へよ秋萩を柵ふすと聞くは誠か睦月の八日春立ちけるに子日にあたりたるに鶯の鳴くを一今日やさは雪うちとけて鶯の都に出る初音なるらむ院位おりさせ給ひて後初めて人々に和歌よませさせ給ふに花契遐年といふことを仕うまつれる〓萬代に見べき花の色なれど今日の匂はいつか忘れむ櫻一今日咲てあすは靑葉になる花を見捨て歸る人も有鳬惜むとて幾日もあらじ山櫻心のまゝに折りて歸らむ1散散花を惜むばかりや世中の人の心の變らざるらむ藤21紫の色のゆかりに藤の花かゝれる松もむつまじき哉郭公限あれば鳴でもやまじ時鳥人苦しめに待れざらなむNE郭郭心心も空にあくがれて夜がれがちなる深山べの里女郞花た白露や心おくらむ女郞花色めく野べに人かよふとて戀90年ふれど人もすさめぬ我が戀や朽木の柚の谷の埋木一今はさは逢見む迄は難く共命とならむ言のはもがなニシ戀しびわねて〓ぬねよ敷妙の枕さへ社疎くなりけれ達ふとみて現のかひはなけれども儚き夢ぞ命也ける云ね共下はいとなし鴛鳥の浮たる戀と思はざらなむいろなりしとし三月盡の心を〓思うれ廻りあふべき春だにも立別るゝは悲しき物を前木工頭俊賴撰集うけたまはりてよめらむ歌をとたび〓〓云はれしかば遣すとてカ家の風吹ぬ物故はづかしの森の言の葉散らし果つる返し〓事でかは森の言の葉忍ぶべき木高き宿の風の繁きに絕えにし人の許よりついでありて消息したるに契りしことを賴みけるはかなさなど怨じたれば風吹ばさこそは絕れ絕れども又かきつけつ笹蟹の絲美作にて月をみて加過つらむ都の〓ともとふべきに雲のよそにも渡る月哉知らぬことを人の申せるによりて白河院の御かしこまりなる頃唐の鏡の一尺ばかりなるを北野に奉るとて書きつけし○身につみて照しをさめよ增鏡たが僞も曇りあらすなそのことのあらはれにしこそ世の末ともなく哀なりしか年比の人かくれにしかば山里にわたりてとかくのことはするに末にもなりぬればことさらに京にいでそめて曉かへるに鳥の鳴き侍りぬなど人のいそげばユいつのまに身を山賤になしはてゝ都を旅と思なる覽わざのことヾもはてゝみな人京へ出でぬれど我が身はなほしばしと思ひてあるに時雨のせし日中將の上のもとへニ誰誰みな花の都へちりはてゝ獨しぐるゝ秋の山ざと身のうれへあるころ賀茂にまゐりて151我賴むかもの川波立返り嬉しきせゞにあふ由もがな其の後氏人の夢にこの歌を御殿におせりけるを歌かきたる方を御前にむかへておせと仰せごとありければしかなむおしなほすとみたまへしと語りしはまことにや
なき人の爲に西山なる所にて經供養するに來たれる人々くれにければとまりて山家春深といふことを詠むに鶯のなく音計りや春ならむ花ちりにけるみ山べの里大貳の許に東國より黑き馬のいできたる名をばうしのことなむいふをたび〓〓ものすれど惜まるれば五かかりける心盡しの牛のこをたれ東路の駒と云けむ源伯西宮にて歌合し侍りしに、寄月述懷難難江の葦間に宿る月みれば我身一つも沈まざり鳬薄戀々ないつとなく忍ぶも苦し篠薄ほに出て人に逢由もがな蘭戀〓我〓子がすそのに匂ふ藤袴思ひそめてし心たがふな菊祝ね五君が世は限りも知ず長月の菊を幾度つまむとすらむこもりゐたりし頃月のあかき夜平等院僧正行尊のもとに奉りし〓身をつめばたなびく雲もなき空に心細くも澄る月哉冬の春日祭に奉幣すとて身の沈みゐる事を思ひて御幣に書きつけしははつる藤の末葉の悲しきはたゞ春の日を賴む計ぞ或る所に淡路といふ女房にたび〓〓せうそこすれど返りごともなければいかにせむとふひも今はたて侘ぬ聲も通はぬ淡路島山つれなくて過ぐる女の人に語らひつきてあづまのかたへなむときけば心細く思ひけるに粟津といふ所より云ひおこせたりしミニ忘るなよ粟津の原のあはず共今歸りこむ葛の末はに返しNow 津津野の葛の末葉の返る迄ありやはすべき露の命は國などもさりにし後さてのみやはとて公文考ふるに左大辨宰相爲隆勘解由使長官なればさたする文などあるほどに消息ありみれば立春に後今日のつかさの奏にあはせむとていそがせ給へばとくるよし考ふるつかさのをさ詠め侍りて御使につけて夜を重ね縣の水の凍れるをさの春風けふぞときつる返し春風にあがたの氷とけぬれば沈む水屑も顯れにけり5歌合し侍りしに、月〓ももがが富富ののねね雲消て〓見が關に澄る月影紅葉山姫にちへの錦をたむけても散紅葉ばを爭で留めむ戀かつらからむ言葉もがな侘つゝは恨てだにも慰めにせむ此の後判者の前左衞門佐基俊の許ヘ又歌合すべしこのたびも判じ給へと聞えたる返事にc唐唐たたつむ舟のもどろけば思ひ定めむ方も覺えずこれは人々何ごといひあはれたることにやとて〓風を痛み玉つむ舟のもどろきは君計社まほに定めし播磨守家成朝臣歌合せしに、月〓いか計隈なく照す月なれば心の闇も晴るゝなるらむ鹿山彥のこたふる山に鳴鹿は己が聲をや友ときくらむ戀東屋の軒のかやまの忍草こひをば人の忍ぶものかは琳賢がもとより酒を贈るとて萩の花さかりはよきさけ世の中になしこの頃よき酒とりいでたる瓶にはかならず物を入れてなむ返すといはせたれば近江守なりしをりにて坂田郡の檢田の廳宣をいれてやるとて四五八五二集卵輔顯夫大京左野べに出て露けき華をみるよりも秋は坂田の數を數へよ返し數數べき山田の壺の內に入ば萩の情にしく花ぞなき八月十五夜中宮の御方にうへ渡らせ給ひて月の歌人々よませさせ給ひしにセル名に高き今宵の月をみる程や心の內の晴間なるらむ播磨守家成朝臣歌合せしに、落葉xx紅に瀧の白絲そめてけり案の紅葉やまなく散るらむ祝幾らとか云べかるらむ萬代も君が爲には數ならぬ哉火きりとて近江より貢御に參らするもちひは國司のれうはことに夥しくおほきにて人々のそうするを前左衞門佐基俊君のもとへふるとてoよしあしも〓き鏡ぞ照すなる心の程は是にてを見よ返し〓〓鷹の野寺の鏡ならねどもよそなる人の心をぞみる身ののぞみかなはで世の中すさまじく覺ゆるころ人のもとに遣しける一身身には都の手振他果ぬ鄙へ誘はむあづまつもがな大宮中納言の家の歌合に、櫻白雲のたなびく峯の櫻花薰らざりせば爭で知らまし鶯鶯の花の時にとまらずば夜深き聲をいかで聞かまし霞炭がまの烟に咽ぶをの山は峯の霞もおもなれにけり月山の端に關守据よ龍田姫惜むも知らぬ月やとまると紅葉〓苔のむす岩陰まゆみ色深しこれを嵐に知せずもがな戀八〓情なき言のはさへも懷しき戀しきなかに通ふと思へば內にて遠聞搆衣の心を人々によませさせ給ふに誰が爲と急ぐなるらむよもすがら槇の島人衣うつ也雨後草深と云ふ題を2かかぞいろと賴むも著しよはの雨に小萩が原の丈ぞ增れる鍛冶井宮法印世を恨みて大原にこもりゐ給へるに師走ばかりに奉る→炭竈の烟ばかりは立ずとも山里いかに寂しかるらむ華のさかりに人々まうできて花の下におりゐて偏愛花といふことをよむに我宿の物とも云じ櫻花かゝる月日はあらじとぞ思ふ灌佛一世中にけふぞ佛の立いでゝ顯れたまふ水は汲みける郭公時時さてしもやまじ物故に思はせたりや小夜更る迄九七夕11月の舟光をさして出でぬめりこや彥星の天の戶渡り重陽同じくは九重に咲け菊の花月日の數にかなふ計りに歲暮傳くて暮れぬる年を數ふれば我身も末に成にける哉晨明月三室山みねに朝日の移ろへば立田の川に月ぞ殘れる百瀨川九名のみしてさしも嵐を百瀨川ゆゝしき瀨をば我ぞ過にし九祝co君が代にくらぶの山の岩ね松幾度計り生ひ變りなむ長承元年十二月廿三日內裏の和歌題十五首、春。其色とめには見えぬを春雨の野べの綠を爭で染らむ歸雁co契りけむ程や過ぬと急ぐらむ夜もすがらに歸る雁音集朝鮮顯夫大京左
梅かかららずば誰か知らまし梅の花しらつき山の雪の曙夏夜誠誠ややししぬぬらむ夏の夜を獨寢覺の人にとはヾや照射100弓弓高圓山に燈す火は火串にかけているにや有らむ瞿麥如朝まだき折れふしにけり終夜露おきあかす撫子の花蟲ト聲聲かしすこしたちのけ養さこそは草の枕なりとも霜Noかるの池の入江を廻る鴨鳥の上毛はだらに置る朝霜千鳥む近江路や野島が崎の濱風に夕波千鳥立ちさわぐなり落葉。紅葉ばをよもの嵐は誘へども皆木の本に返る也けり初戀一昔より人惑ふとは聞しかど山てふ山に今日よりぞいる忍戀一淺ましや千島のえぞの盡るなるとくきのや社隙はもるなれ會不逢戀ニ一夜とは祈らざりしをかひもなく心定めぬ浮島の神近衞院御時大嘗會和歌悠紀方近江國風俗和歌十首從三位行左京大夫兼近江守皇太后宮亮藤原朝臣稻春歌野洲郡人心やすの郡と聞くなべにつけどつきせず運ぶ稻哉神樂歌三上山千早振三上の山の榊葉をかをかぐはしみ止て社とれ辰日參音聲高御倉山雲かゝる高御倉山のほる日の遙に見ゆる君が御代哉同日樂破玉蔭井七濁なき玉蔭の井の底〓みすみよき世にも逢にける哉同日樂急長等山ル君が世はながらの山の岩ね松千度八千度花の咲く迄同日退出音聲安良〓安みしる我大君の御代に社最ど安良の里もとみぬれ巳日參音聲佐野船橋〇四方の海波も音せぬ君が代と喜びわたる佐野の船橋同日樂破朝日〓一いつしかと朝日の里を立出でゝ急ぎも運ぶ貢物かな同日樂急大富山〓萬代と大富山ぞ呼ばふなる久しく君を榮ゆべしとか同日退出音聲秋富村君が代は樂しかるらし常よりも年へてみゆる秋富の村御屏風六帖和歌十八首甲帖正二月長峯山小松多生m君君代代は長峯山に二葉なる小松の千度おひ變るまで見遣岡有摘若菜人一道々とみやりの岡の若な社千歲の春は摘べかりけれ梅原梅花盛人翫之孰れをか分きても折む梅原は心にそまぬ色し見えねば乙帖三角川靑柳村樹尤多一君が代も民の心の一かたに靡きて見ゆる靑柳のむら白雲山櫻花盛開行客見之八重たてる白雲山の櫻花かをるばかりや印なるらむ山吹崎款冬開敷行人見之たいはねども口なし色に著き哉こや音にきく山吹の崎丙帖至九月長澤池有採萬蒲人28年年ににえずひくかな菖蒲草ねも長澤の池を尋ねて千藏里植田甚多一見渡せばちくらの里に餘る迄數もしられず採早苗哉常夏里每人家 理麥開一宿毎に植ゑける花のかひありて咲亂れたる常夏の里丁帖七六町石瀧水如絲昔より名に流れたる岩瀧の水の白絲いくよへぬらむ千草原色々草花開敷〓色々の千草の原を見渡せば幾らばかりの錦なるらむ玉井宿月一りりくくむむの最どしく光を添る夜はの月哉戊帖九十月板倉山山田多積稻人見之大阪倉の山田につめる稻をみて治れる世の程を知る哉會坂關運調物人馬多一貫物運ぶよぼろし多ければ道もさりあへず逢坂の關鏡山紅葉盛客見之〓日に添てあかくぞみゆる鏡山紅葉の色や深く成らむ己帖十一二月鷹尾山付鷹狩人加御すす鷹鷹の尾山に立つ雉や君が千年のひつぎなるらむ益田杜祭神所0すべらぎを守り益田の森なれや赤ら柏のあからめもせず高宮里白雲尤深「朝まだきふりさけみれば白妙の雲積れるや高宮の里康治元年十月三日攝政殿忠通舍利講のついでに文つくらせ給ひて願成佛道の心を披講に歌もあるべしとてめしありしかば參りてコいいでわれ心の月を顯はして闇に惑へる人を照さむ人々來て歌よむに海邊の月を一位の江に宿れる月の村雲は松の下枝の影にぞ有ける月照菊花といふことを新院の詠ませ給ひしに四幾重とか籬の菊を思はまし今宵の月のなべてなりせば比叡に參りて客人宮の御前にてこれはしら山のおはしますと聞きしかば昔加賀守にて神拜に參りしことを思ひいでゝ1年年とと越の白山忘れずばかしらの雪を哀ともみよ新院仁和寺殿にて人々に和歌よまさせ給ふとて中務大輔季宗がこひしに松間紅葉といふ題を人生住の松の絕間の紅葉にや津守の蜑は秋を知るらむ右衞門督宗成卿東山にて山家初雪といふことを詠みしに小小更更筧〓水のとまりしに心はえてき今朝の初雪夏月夏引の絲の亂れも隱れなくこやの篠屋をてらす月影新院にて野徑眺望加文夫が朝ふむのらを見渡せば雲ゐ遙に懸るせこなは九月十三夜九條殿にて女院御堂にて和歌ありしにいたはることありてえ參らぬをとのよりせめて仰せらるればそう/〓參りて月戀またもありしかと覺えずこくくのの秋月の姿はたえねども光は空にみちにける哉エ人まねの戀にぞ老は忘れぬる昔の心いまだありけり左大臣殿の中納言中將兼長春日祭上卿にくだり給ひしに前馬的範綱が一一郞子〓綱をいみじくしたてゝ信夫摺の狩衣などをきせたりし思ふ所あるやうに見えしかば又の日誰ともなくて範綱がもとにさしおかせしニ日日みし信夫の亂れ誰ならむ心のほどぞ限知られぬ老の病日にそへてよろづも覺えねど南おもての集卿輔顯夫大京左
花さかりなりと聞きて例のことなれば人々に案內して花の宴せしにニお命れば多くの秋に成ぬれど今年計の花は見ざりきこの花常よりもめでたかりしを忘れがたけれど昨日の名殘に亂れごゝちまさりてさしいづべくも覺えざりしかば官人してをりにやりて見るにつけて皿かばかりの花の匂を置乍ら又もみざらむ事ぞ悲しきこの後病重くなりて五月七日なむかくれ侍にける金牌、ニール詞花八六千載一七異亮〓豐昼충套00〓叠新古今一二四三三吉田新勅撰二〇歯一六六續後擴四九四毫交六一八一續古今一〇六二新後撰二三is IN.玉葉二四二五續後拾遺一九四七一三風雅一〇〇〇新千載三三製作品〓승一八八三眼一八八四新後拾遺二八四右雖入勅撰不見家集一略記國國大觀番號) (原本引用勅撰集今省子書員事公夏加はれる年とてもみのくせなれや床珍らなる:〓錦錦しく常夏の花なれば宿のかさりと誰かみざらむ-〓今はさは逢見む迄は語らはむ命さならも言のはもがな右三首修理大夫顯季家歌合水風晩來Nままききりきまり秋は立田の川風の凉しき暮に思知らるれ〇早晩と霞まざりせば音羽山音計りにや春をきかまし立春曙づけふこそは春は立なれいつしかと景色となる曙の空山家早春ニをを山山の春のしるしは炭竈の煙よりこそ霞み初けれ社頭子日松はいな神の三室の子日には榊をちよの例にはせむ霞朝霞深くみゆるや煙たつ室の八島のわたりなるらむ海上晩霞少汐にゆらの戶渡るあま小舟霞の底にこぎぞ入ぬる鶯春のくるこの曉の鳥の音をはつ爲とおもはましかば片岡に谷の鶯かどでして羽ならはしに口ずさぶなり鶯ののく木の本に降る雪は羽風に花の散かとぞ見る何何を春の日くらし思ふらむかすみの底にむせぶ鶯ccひめもすに己が鳴をる聲の綾はげに百尋に成もしぬ覽一天の戶をおし明け方にうたふなりこや鶯の朝倉の聲谷の戶にかへりやしぬる鶯の花の時は塵つもりつゝ早鶯猶若鶯は花の都に旅だちてふるす戀しき音をや鳴くらむ若菜自妙の袖振はへて春の野の若菜は雪も積にぞ有ける梅梅の花同じねよりは生乍らいかなる枝の咲後るらむ〓れれ惜惜し匂へば嬉し梅の花思ひわづらふ春の風哉〓見る度に軒ばの梅の匂こそ宿の物とも覺えざりけれル。春くれば裾野の梅の移香に妹背の山やなき名立らむななさけあらむ人にみせばや梅の花折々かをる春の曙葦華の奥床しくもみゆる哉たがすむ宿の梅の立枝ぞ梅度年香五五五五五集臣報輔〓〓輔朝臣集春立春ねいかばかり年の通路近ければ一夜の程に行返るらむかにぞしる雪の下より咲初て霞のうちに匂ふ梅が枝梅有色香うらうへに身にぞしみぬる梅の花匂は袖に色は心に是はらからどもみなあるべかしき程なるを思ひてよめるなり法性寺殿の大北のまん所此の歌をあはれがりて春の初のみゆきありけるにかくいたはせたりけるを喜びて家の女のもとへ梅の花枯ぬる枝と思ひしを遍くめぐむ春もありけり二月のころ三條の女御の御もとへまうでたりけるに雪ふれるあしたなりければ唯にはいかになど女房申されしかば軒近き梅を折りてさし入るゝとて詠めるp梅の花匂も雪に埋ればいかに分けてか今朝は折まし返し女房君みずばかひ無らまし梅の花匂は雪に埋もれずとも柳我門のいつ本柳いかにして宿によそなる春を知らむわわもも子が裾野に靡く玉柳うち垂髪の心ちこそすれ垂柳臨水〓猿澤の池に波よる靑柳は玉もかづきし朝ねがみかも櫻か少女子の袖ふる山を來てみれば花の袂も綻びにけり思想の心やゆきて尋ぬらむ夢にも見つる山ざくら哉一見る度にこぞに今年は咲增る若木の花の末ぞ床しきを泊瀨の花の盛りやみなの河峯よりおつる水の白波老老くく心心の色や增るらむ年に添へてもあかぬ花哉〓〓國國の虎ふす野べに匂ふ共花の下にはねても歸らむ九1神神の三室の山は春きてぞ花の白木綿懸て見えける一惜む身ぞけふとも知めあだにみる花は孰れの春も絕せじ簪をる三輪の檜原の木間よりひれふる花や神の八少女待山花えんよも山の花待ほどの白雲は口やそれとぞ驚かれける晩望山花三三野の水わけ山の高ねよりこす白波や花の夕ばえ見花述懷。身をつめば老木の花ぞ哀なる今幾年か春に逢ふべき南殿の櫻を見て。吉野山峯つゞきみし花櫻一木が末に咲きみちにけり宇治左大臣賴長花見給ひてかへりて後入々に歌よませ給ひけるにco飽ず思ふ心は花にとめつるを止らぬ人に身をば任て落花曝砌かけ見見れば軒ばとめゆく雨水の流ぞ花の泊り也ける遠尋殘花散はてぬ花の梢のよそにては薄雲懸る峯と見えけり殘花何有1白雲にまがひし花や殘るかと上の空にも尋ねゆく哉春駒加水籠りに蘆の若葉や萠ぬらむ玉江の沼をあさる春駒春膓向北to初膓は越路嬉しくみし物を今日はかへるの山も嬉しき霞歸鴈衣xo錦とも見えぬ霞の衣きてなに故〓へかへるかりそも杜若たこやの池の汀に立る杜若波のをればやまばらなるらむ澤畔苗代〓鶴の住澤邊に返す苗代はよをながひこの種や蒔らむ藤松樹花藤波の咲懸らずばいかにして常磐の松の春を知まし池邊藤花風風けばみぎはの藤の紫に波の白絲よりまぜてけり
○終夜あけの玉垣うちたゝき何事をねぐ水雞なるらむ端午述懷一人人みみに袂に懸くる菖蒲草うきに生たる心ち社すれ照射一理理さ社はつらく思ふらめ照射の鹿のめをも合せぬ五月雨三時しもあれ水のみ菰を刈上てほさでくたしつ梅雨の空1121たごの浦の藻汐も燒ぬ梅雨に立たぬはふじの煙也鳬=二條院の御時この歌をよろしとや聞しめしたりけむ御さうし書きに給はせたりける中に紙に書きてさしはさまれたりける歌11富士の山煙計を雲の上にならせる〓とはうしと思へば此の御歌の心は上ゆるされぬことをおぼしめしけるになむさて御返しに申す一雲雲迄ふ〓の〓の煙の昇らずば咽ぶ思も知られざらまし船中五月雨梅梅のせとに程ふる友舟は日影のさゝむ折を社まて田家夏雨メールししのの面の麥も朽ぬべしほすべき隙も見えぬ梅雨盧橘遠薰たただ宿宿花花にふれつらむけしきとなる風のつて哉風靜慮橘芳00君が代に枝もならさで吹く風ははな橘の匂にぞしる海邊螢一濱風に靡く野島のさゆりばにこぼれぬ露は螢也けり瞿麥滿庭二四庭の面のから瞿麥の紅はふみて入べき道だにもなし夕立エおおづから涼しくも有か夏衣日も夕立の雨の名殘に営水邊納涼河島の松の木蔭の圓居には千世の齡ものびぬべき哉大臣の家にて藤の花の歌よみけるに一一度はしるし見えにし紫の雲のなを立つ宿の藤なみ款冬我宿に八重山吹を移し植て千年の春を重ねてやみむ款冬繞池山吹のくちなし色に閉られて云出す方も見えぬ池水雜春梓梓弓春の山べに入ぬれば身のいたつきも知れざり見暮春ヒ大方も春ぞ暮るゝは惜きかと花なき宿の人に問ばや旅客暮春〓明行かば我も立なむ假の庵に止らぬ春を恨べしやは夏な榊葉にゆふしで懸てつはつ神祭る垣ねと見ゆる卯花卯花卯花混月〓卯花の奪ひてもてる雪の色を又月影にとられぬる哉時鳥一何事を濡衣にきて時鳥たゞすの森に鳴きあかすらむ一ででのみ此世つきなば時鳥語らふ空の雲とならばや三郭公心のまゝに尋ぬとて鳥の音もせぬ山にきにけり匹いざや又鳴もやしけむ時鳥けふぞ我には初音也ける郭郭公よこ雲渡る山のはにさもほのめきて過ぬなる哉幾年ぞきくと思へば時鳥待つにつけても老ぞ悲しき時鳥聲杏かかごごしを夕こえくれば時鳥麓の雲の底になくなり垣根時鳥ル時鳥垣ね隠れの忍び音も我ばかりには隔てざらなむ獨聞水雞たとはすべき人だに無て休らへば叩水雞に聞ぞ做つる社頭水雞夏月浮泉何事に凉しく物を思はまし岩間の水の月みざりせば夏神樂河やしろ波のしめゆふ水の面は月の光も〓く見え鳬夏狩〓〓の〓を弓末ふりたて駒なべて朝踏せ行人や誰子ぞ山路草深外山には草は絕たる方もなし柴かる賤の音計りして水草隱橋hp眞菰草たづきも知ず成に鳬いはけのすヾや沼の丸橋刈野草ce花花む草をばよきよ夏の野をなべてな刈そ賤の苧環夏祓ニ河の瀨におふる玉藻の行く水に靡きてもする夏祓へ哉秋旅泊秋來ニテもしつての波路に秋や立ぬらむせとの汐風袂凉しも早秋三山山は庭の村草うら枯て蟬のなく音も秋めきにけり七夕思ひやる心もすゞし彥星のつま待つ宵のあまの河風110染花の衣はかさじ七夕に返る色とていみもこそすれふ思思ややる今朝の別は天の河渡らぬ人の袖もぬれけりヒ〓天河水かけ草におく露やあかぬ別のなみだなるらむハ〓七夕や己がきぬ〓〓成ぬらむ空なる雲の中の絕ぬるね七夕はあまの玉床うち拂ひ心もとなく暮を待つらむ〓今日計り天の河風心せよ紅葉の橋のとだえもぞする七夕言志〓七夕は渡りもやらじ天河紅葉の橋の踏まばをしさに二六七夕の雲の旗手に思ふらむ心のあやも我にまさらじ萩我我のもとあらの萩の花盛たゞ一むらの錦なりけり萩花露重〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓て懸れる露の重さをぞしる秋花勝春花六水萩原柳櫻をこきまぜし春の錦もしかじとぞおもふ秋の頃人のもとへ行きたりけるにあるじはなかりければ前栽のおもしろかりける中に女郞花の多かりけるを一むら折りとりて歌をよみて殘の花にむすびつけゝる遮莫主はいかに思ふとも女郞花には身をもかへてむ薄武藏野にかねて薄は睦まじく思ふ心の通ふなるべし草花纔開絲絲薄するばにおける夕露の玉のをばかり綻びにけり秋野道遙しけるに薄の風になびくを見て尋ねつる心や下に通ふらむうち見るまゝに招く薄は風底荻〓荻原とよそに聞きつる風の音の袂に近く吹添ふる哉種花「薄霧のまがきに花の朝しめり秋は夕と誰かいひけむ題しらず秋の野はこぼれぬ露に著き哉花見人もまだこざり鳬秋のころ世の中はかなかりけるに花を見て籬なる花につけても思ふかな今幾年の秋かみるべき朝望旅廳何ちとてさして行らむ山高み朝ゐる雲に消る雁がね膓聲遠近エモ天の原とわたる列にくせよとやたのむの雁の聲合す覽鹿高砂の尾上の風や寒からむ裾野の原に鹿ぞなくなる深山聞鹿
。ゆふ裨思ひかけずも見ゆる哉野森にすめる月讀の神。何となく心すみてや出つらむ月に棹さす與謝の浦人90光をやさしかはすらむ唐土の玉つむ舟を照す月かげ〓數妙の枕に出る月みればあれたる宿も嬉しかりけりn手手にかきやる髪の亂れまで曇も見えぬ秋の夜の月お隈もなき月をも見てや明す覽伏見の里の人ぞ床しき紫のねはふよこのに照る月は其色ならぬ影も睦まし00人しれず片はれ月ぞ恨めしき誰に光を分てみすらむが終夜人をさそひて月影のはては行へも知らで入ぬる見からに影恥しき身なれ共月にはえ社忍ばざりけれ一水底に宿れる月の影を社沈める人は見るべかりけれ今よりは心の儘に月はみじ物思ひ增るつまと成けり三月みれば誰も淚やとまらぬと思ふ事なき人に問ばやかく計り隈なく見ゆる月影の心の內を照さましかば- n更更ける我世の程ぞ哀なるかたぶく月は又も出なむ久方のあめのをしてや是ならむ秋の徵と見ゆる月影只管に厭ひもはてじ村雲の晴れ間ぞ月は照增りけるル千夜の秋を一夜に做て詠む共飽でや月の入むとす覽旅十日浮浮は麓にかゝる高根にて行へもしらず月を見る哉山寺明月初初山峯を宿なる旅寢には枕よりこそ月はいでけれ月夜逢友今宵こそ雲間の月にさしそへて又珍しき影は見ゆなれ月前聞蟲めもあやに見ゆる今宵の月影に機織り添る蟲の聲哉三日月三日月は山のあなたの里人の惜むをわれて出る姿か山中晨月ほほ〓〓〓と嵐の聲もなりにけりしら月山の有明の空八月十五夜いいななばば脊の山に住鹿の又重ねては妻を戀らむ七題しらず〓思ふ〓と殘らぬものは鹿の音を聞明しつる寢覺也けり霧立田姫簪の玉の〓をよわみ亂れにけりと見ゆる白露七露秋夜玉〇立田姫おける物とや思ふらむ明くれば消る露の白玉霧一霧の間に明石のせとに入に是浦の松風音にしるしも山家霧秋風に荒れのみ增る山里は霧の籬ぞくもりなりける月山山はは月待出て見るのみや思ふに物の違はざる覽行く駒のつめの隱れぬ白雪や千里の外にすめる月影1谷谷ににれれ月月の浮雲は岩間に澱むみくさなりけり今よりは更行までに月は見しそのよとなく涙落けり夜もすがら姨捨山の月をみて昔にかよふわが心かな〓曇なき眞澄の月やあめにます豐岡ひめの鏡なるらむ鹽竈の浦ふく風に霧はれてやそ島かけて澄める月影同じ三十首の中に0ととににのの出出る月影の今宵みそむる心ち社すれ一月みると閨へも入らず白妙の袖かたしきて明す頃哉〓行末の人にもいかゞ語るべき云む方なきよはの月影いく返り我世の秋は過ぬれど今宵の月ぞ例なりけるいかなれや花も紅葉も折こそあれ年の一年他ぬ月影ささ深く月に明たる槇の戶に人の心の內ぞみえける世中の情も今は失せにけり今宵の月に人のさはねぬや人毎によも更科と思ひしに聞くにはまさる姨捨の月伊勢の海をふの浦梨幕はれて成も成ずもみゆる月影唐衣そでしの浦の月影は昔かけたる玉にやあるらむ°山里の紅葉も月も明けれど同色には見えすぞ有ける七七〇六二集臣朝補〓12大大た秋の半ときく物を月の光はみちにけるかな昔よりいつはりならぬ一言は今宵の月の光なりけり蟲七日にそへて聲弱りゆく養今幾夜とてつやりさすらむ叢夜蟲ル諸聲に秋の夜すがら鳴く蟲は花の塒や露けかるらむ菊限りなき齡のみかは見るからに心ものぶる白菊の花菊綻禁庭cm八重菊の咲る所の名にし負はゞ今一重をば添てみてまし九月九日に菊の咲かざりければ二花さかで老ぬる人の籬には菊さ紅葉へ時にあはぬ也けり三露結ぶ秋は幾日にあらねども岡の葛葉も色附にけり三未明より景色の杜の下紅葉なべてならずもみえもする哉紅葉するおなじみ山の梢にて獨さめたる岩ね松かな今ぞしる手向の山は紅葉の幣と散かふなに社有けれメニ小倉山木々の紅葉のくれなゐは峯の嵐のおろす也鳬ヒももぢぢ葉も麓の塵と成にけり難波の事も果ぞ悲しき紅葉繞墻三山颪に四方の垣ねやいかならむ紅葉のみ社曇也けれ入山路秋深加踏み分る山の下草うら枯て秋の末葉になりにける哉野風co秋秋野の花吹き亂る夕風に袂よりさへ露ぞこばるゝ晩見稻花一夕日さす秋の田面を見渡せば穂波ぞ風の行へ也ける暮秋때『鳴蟲の命と見ゆる秋なれば暮るゝはさ社悲しかる覽田家秋暮西su をしれかる山田のひたにとよせて過行秋を引も止ばや雨中九月盡四四大空は秋の別を思ふらし今日の景色は打しぐれつゝ冬山居時雨聚ののに入日の影はさし乍いかに時雨る山邊なる覽₩菊花總殘xむむささの雲間の星と見ゆる哉移ろひ殘る白菊の花老思殘菊過にける我盛をぞ思ふべき移ろふ菊は又も咲かなむㅋ月前落葉出るより冱てぞ見ゆる木枯の紅葉吹おろす山端の月四カ自から音する物は庭の面に木の葉吹きまく谷の夕風山家落葉閑庭落葉〇山山に散もみぢ葉の紅はふむ人もなき物にぞ有ける五落葉埋路一踏しだき行かまく惜きもみぢ葉に道吹分よ山の下風落葉水紅ニ降降らに谷の小河の紅葉るは木葉や水の時雨なる覽霧中霜三朝朝だだき初霜白し宜しこそ尾花刈しく床はさえけれ霰一磯べには霰ふるらし蜑人のかづく白玉數やそふらむ雪エキ吉野山初雪今宵ふりにけりあくれどきえぬ峯の橫雲〓消ゆるをや都の人は惜むらむけさ山里にはらふ白雪〓昨日けふ不二の高根は掻昏て〓見が關に降れる初雪ベル風が羽の山の霜の上に重ねて見ゆる今朝の初雪〓雲居より散くる雪は久方の月の桂の花にやあるらむ0世をわたる心のうちぞ哀なる雪ふみわけて出る山人何何へあに漕出てなごの蜑の雪を潜きて歸るなる覽一世中の憂き度每に思ひたつ山路も見えず雪降にけり集臣朝浦〓
朝まだき信夫もぢずり打拂ひ安達が原の雪見るや誰いか計り降積みぬらむ有乳山岩の懸路に崩れ落る雪h旅宿初雪TM初ににとは跡をつけしとてまづ朝たゝむ人を待哉山家雪六本木こる人さへ雪に跡絕てみしみ山路の書も通はず旅行雪都都思思しもせじ吹雪してさよの中山今日は越とも夜聞水鳥ハ誰誰む友ねに明す鴛だにも冱る霜夜はいかゞ鳴なる氷本諏訪の海や氷すらしも終夜きその麻衣さえわたる也氷逐夜厚〓〓すはの海波に碎けし薄氷渡るばかりになりにける哉寒夜千鳥一楸生るあその河原の河颪に類ふ千鳥の聲のさやけさ蘆優舟〓霜枯の蘆間にしぶく釣舟や心もゆかぬ我身なるらむ炭竈シ〓炭に煙すが煙む煙にかすむをの山は年に知られぬ春や立らむ冬月自妙の雪吹おろすかざごしの峯より出る冬の夜の月森間寒月〓枯枯の森の朽葉の霜の上に落たる月の影のさやけさ池上寒月冬の池の玉もに冱る月影やあくれば消る氷なるらむ野徑寒草曳馬野に刈しめざしゝ淺茅原雪の下にて朽ぞ果ぬる冬夜〓k君こずば獨やれなむ笹の葉のみ山もそよにさやぐ霜夜を互互る夜に衣かたしき思遣る冬こそ增れ人のつらさは閏十月ありける年松のもみぢたりけるを人に送ニ神神月時雨る月の重なれば絕えずや松も下紅葉する十月十日頃に山の紅葉をみて一八神無月紅葉の山に尋ねきて秋よりほかの秋を見る哉除夜ははなななてて今年も今日になりにけり哀に積る我齡哉戀戀の歌の中に自ら行逢のわせを假初にみし人故やいねがてにする我幾を云で知する由もがな漏さばなべて世にも社ちれ八1七七わたの玉にも〓をばぬく物を思ふ心を爭で通さむ難波めのすくもたく火の下焦れ上は難面き我身也見かく計り思ふ心は隙なきを孰こよりもる淚なるらむ〓〓事事いいささ細江の澪標深きしるしもなき世也けりか年ふれど徵もみえぬ我戀や常磐の山の時雨なるらむ00戀しなむ命は露も思はねど例にならむ名こそ惜けれ〓露深きあさばの野らに小萱かる賤の袂も斯は萎れじニ達達の難き岩とも成けるをいかなる戀の身を碎く覧中々に思絕なむと思ふ社戀しきよりも苦しかりけれ味味なや思ふ方こそ足引の山櫻とも身をばすてしか心には岩木ならねば思ふ覽唯あやにくにかけぬ情か朝夕にみるめを潜く蜑だにも恨は絕ぬ物とこそ聞け丈夫のはとふく秋や果ぬ覽忍びし人は音だにもせずひたか山に離れし鷹のかさ流れ行方も知ぬ戀もする哉やや島島千千島のえぞが手束弓心强さは君にまさらじ。是や此いせをの蜑のすて衣あな淺ましの袖の萎れや。思遣る心はなれぬ唐衣かさぬと人に見えぬばかりぞ。し戀しさの慰む方や無らましつらき心を思ひませずばニーののとにそゝや明けぬと驚けば唯獨寢の枕也けり°〓我戀をなか〓〓人は忍びけり情は人の物にぞ有ける〓〓し〓そしてそのる〓袂も絞りしか淚に今は任せてぞ見る。河千鳥なくや澤べのおほひ草裾打掩ひ一夜寢にけり〓逢ふ事の十市の里は大和かは思はぬ中に有と社きけNo其方より吹くる風ぞ懷しき妹が袂にふれやしつらむoo秋の色や思の色のはひならむ今一入ぞしむ心ちする。岩根ふみ重なる山を行よりも苦しき物は戀路也けり一涙河浮寢の鳥と成ぬれど人にはえ社みなれざりけれ忍戀一人しれず苦しきものは忍山下はふ葛のうらみ也けり初言出戀秋風に上野の薄打靡き仄めかしつるかひもあらなむ近隣戀紅のすそ引く程の宿なれど色に出ねば人に知られじ失媒介戀よそ乍ら仄めかしつる飛火さへなど掻けちて見にぬなる覽不慮會戀た貿置し榻の端がき見えね共みとのまぐはひ月日へに鳬逢不會戀鳥の子を例に云し程よりも君がつらさは重なりに鳬老後戀んはし鷹のしらふに成て戀すれば野守の鏡影も耻かし終夜戀人た獨ねて床のうらわに終夜むせぶ煙は海士のたく火か夢會戀°〓ととに返してきつる唐衣幾代といふに印みつらむ旅宿戀一故〓をしのぶ寢覺の草枕露につゆそふ心ちこそすれ〓妹を置きて都へしまの舟出には打泊り社波はかけゝれ見書戀一馬がねの雲のよそなる玉章に心も空に成ぞはてぬる乍隨不會戀水ゆけば川そひ柳打靡きもとの心はゆるきけもなし毎晝會戀隱しつる夜は古巢に行鳥のかりの塒や我身なるらむ每夜契戀ああななだずなむる樣はもゝよ草言の葉計見ゆる君哉每夜遠約戀七よな〓〓の空賴め社嬉しけれ忘れず顏の情と思へば留信失戀ル中々にかくれの小野の女郞花露の形見を何におきけむ稀逢戀九盡もせず蜘手に物を思ふ哉とだえ勝なる古のなが橋寄源氏戀01逢ふ事はかた廂なる槇柱ふす夜も知らぬ戀もする哉寄社戀一一夜と共に淚をのみも沸す哉つくまの鍋に入らぬ物故寄花戀三面影に立田の山の櫻花あかでやみにし人ぞかゝりし寄更衣戀三-東東な薄くや今日はなりぬらむ人の心も衣がへして寄瓜戀山山の駒の渡りの瓜よりもつらき人社たゝま欲けれ思高戀といふ事を谷水に空なる月もすむ物を雲居の中に思はずもがな契後隱戀〓〓事事をたのむの雁のいかなれば思返りて雲隱るらむ閑居增戀〓つく〓〓と思ひ殘せる〓ともなき詠は袖ぞ濡增りける題しらずN〓逢見ては變る心もある物を難面き中にたえせざり鳬人を待つとてよめるかこじと云はヾ待でぬべきに非ね共思ひ餘に問ふ夕け集臣朝輔清五〇二六二
さうしをならべて見かはしながらつれなかりける女のもとへcom潜すする千賀の浦には住乍みるめ刈べき方も知れず懸想しけれど心かたかりける女に一つれなしと且は三河の八橋を猶こりずまに戀渡る哉心かるき聞えありける女のつれなく衝りけるに我と云へば兒の手柏の面て〓〓とぐ胙も結ほれつゝ宮腹に侍りける女に草の葉に書きてさしいれける四三かいせにむむにひはえ增る戀草の繁らぬ程に逢由もがないかにと思へど色に出でがたき女に忍山下行く水のたへかねてむせぶ思をもらしつる哉忍びてたゞ一夜物申して後心ならずかきたえける女のもとへいかにねて覺し名殘の悲しさぞ又も見ざりしよはの夢哉宮仕へしける女の常にもえ逢はざりけるに潮みてば入ぬる磯と詠めつゝ袖の干間もなき我身哉常に逢ひ難かりける女の是よりいはむときをまてと云ひてやゝ久しく音もせざりければ覺束な伊勢の濱〓折よくば仄めかさむと云し妹はも人に疑はるゝ女にかはりてxx杉くれを引柚人は許多あれど君より外によこめやはする女を怨みて今は逢はじなどちかごとたてゝ後もとよりげに戀しかりければ靑きすぢある紙にてかへるのかたを作りて書きつけてやりける50誓警しし思思ひかへるの人しれずくちから物を思ふ頃哉女の許に行きて語らひけるによも山に賴めけれどなほ疑はしきことをのみいひて雁の子を一つさし出したりければその心をとりて〓〓ののののるるれ共十づゝとをも云が割なき云ひたえたる男のはてにはなきなをいひつくと聞きて恨みむといふ女にかはりてユ無名にぞ憂も忘て問れける絕にし人に云やたてまし冬頃女のもとに行きて歸りて遣しける三獨寢の心ならひぞ冬の夜は長き物とも思ひけるかな懇に思ひける女を怨じければいづれの神にか祈りて心ざしの程をしらむと云へりければ三水水の印ならねど山河の淺き景色はくみて知りにき人のむすめに物申し渡り侍りけるに親かくともしらで思ひたつことありと聞きてわりなく覺えければ五我爲は雫に濁る山の井のいかなる人にすまむとす覽四物いひ渡りける女にほいにはあらで遣しける後忘れがたくや思ひけむよみて遣しける戀しさのたぐひも波に袖ぬれて拾ひ侘ぬる忘貝かなかへし戀しさに袖ぬる計思ひせば忘れ貝をも拾はざらまし宮腹なる女のなさけなきけしきなりければ云ひやりける〓ををかけてやみにし白波の名殘を忍ぶ我や何なるかへしふああににるる波の心をわくからに哀しらぬに成にける哉人あまた語らふと聞ゆる女のもとへねうらうへに風吹磯の蜑小舟孰れのかたに心よすらむ語らひける女のいづちともなくゆき隠れたりける形見にや裳ばかりをおきたりけるを見てメ脫脫る袂をみてもねをぞ鳴く孰この浦の蜑に成けむ祝退年屬君〓君をのみ常磐堅磐に祝哉外には千世も有じとぞ思ふ寄神祝一氣乳根の神の賜ひし言靈は千世迄まもれ年も限らず集臣朝輔〓は平兼盛なむよめりける例を思ひてよみけるかか山山のいほつ眞榊末葉迄常磐かきはに祝置きてき七慶賀〓君が代は遙に見ゆる渡つ海の限れる果も有じとぞ思平家の人のつかさなれる喜びに七センおお昇野の松は吹風の音に聞だに凉しかりけり四位してのち年をへて殿上したりける折に人のよろこびければ山陰陰おおしらけたる椎柴のわかはえ出る春も有見隆信朝臣四位して侍りける悅に遣しける〓〓のはつしほ染のにひ衣程なく色のあかれとぞ思ふ返しの早晩と色まし染むる言の葉にいとゞ身にしむ紫の袖二條院の御時中宮に歌合あるべしとて殿上ゆるされたりけるよろこび申すとて重家のもとより和和の浦に年へて住し葦鶴の雲居に登るけふの嬉しさかへし葦鶴の和歌の浦みて過つるに飛たつ計り今ぞ嬉しき二條院位におはしける時殿上に侍りけるに世變りて六條院の御時殿上還り許さるゝ人のもとへ立歸る雲ゐのたづに言傳てむ獨澤邊になくと告なむ重家若狹より能登にうつれる頃よろこび申すとてハもし狹き國にや沈むと思ひしによく登りぬと聞ぞ嬉しき離別一首行末をいはひていづる別路に心もとなき涙なりけり霧旅我ひとり急ぐ旅とぞ思ひつる夜を籠てのみ立つ霞哉走井の筧の水の凉しさにこえもやられず逢坂のせき二條の御門うせ給ひて御はふりの夜よめりける萬代と賴みし君を宵の間の空の煙とみるぞかなしき武武ののた木の松と祝ふ哉蔭を並べて千年ゐよとて祝兩人松不知年幾世にか松の綠の成ぬ覽我みてだにも年は經ぬるを.まよくふれど變らぬ竹の微せば千年の宿に何を植まし★竹久友鶴契千年-君がすむ宿に馴たる葦鶴は千年の友と思ふなるべし松殿關白基房宇治にて河水久港と云ふ事を人々に詠ませ給ひけるに年年たた宇宇の橋守言とはむ幾世になりぬ水の白波日吉禰宜祝部成仲七十の賀し侍りけるによみておくりける〓七十にみつの濱松老ぬれど千世の殘りは猶ぞ遙けき人の娘の着裳の所にて關花を折りてよみける少女子がいまきの岡の蘭こしゆふつゆや祝ひ置らむ女の子うみてうぶぎぬこひければ松の枝にかけてやるとて〇千千ににちよや重ねむ松がえに巢立始むる鶴の毛衣をさなき子をいはひていひ遣しける。千世ふべき二葉の松の綠子は俤さへぞ常磐なりける人の子の百日に行末を思遣るこそ遙けゝれ今日ぞ千年の百日也ける妹のはらに中攝政基質のおほんむすめ生れ給へる事をよろこびて重家のもとへ我門に小鹽の松の生ぬれば及ばぬ身迄千世を社まてかへし思ひやれ位の山に枝しげく榮え行べき松のけしきを山階寺に萬僧供養して御卷數奉りける臺のおほひに葦手にてかくべき歌とてこひければ天曆の帝の四十賀の時彼の寺御卷數の臺にかきける歌
有しよに衞士の焚火は消にしをこは又何の煙なる覽美福門院うせ給ひて後さるべき人々はみな色になれることを思ひて俊成のもとへ遣しける0人人みみああぬ袂は變らねど涙は色になりにける哉かへし俊成→墨染にあらぬ袖だに變るなり深き涙の程を知らなむ齋院未だ本院にも至り給はざりける時わづらひており給ひにけり其の後ほどなくかくれ給ひにければよみてかのおほぢのもとへ榊葉の移ろふだにもうかりしを云計なき心ち社すれ五宮うせさせ給ひて後御室へ參りけるに庭の松を見て覺えける三種植し君にぞ千世を讓らまし神さびにける庭の松哉中攝政基實うせ給へる事を歎きて重家卿のもとへ遣しける涙川その水上のいかならむ末の身をだに堰も敢ぬにかへし重家卿〓ててにに思はざりしを淚河かゝる浮世に逢む物とは故北政所の御はてに法性寺殿に參れりけるにことゞもはてゝ高き卑しきちり〓〓になり給ふにこの葉の殘りて嵐に散るをみて今はとて散々になる故〓は木葉さへ社止らざりけれ花薗左大臣有仁北方うせられにける頃母の思にて侍るをそのわたりなる人のとへりければ詠めるぜ中は見しも聞きしも儚くてむなしき空の煙也けり年頃の妻におくれたる人のもとへ遣しける〓殊春川歸らぬ水の別にはきゝ渡るにも袖ぞ濡れけるかへし聞渡る袖だに濡るゝいもせ河水の心を酌てしらなむ年頃すみける人に後れて後はての〓となんどいとなみけるとき人のもとより別れし月日になりにける哀れさなど云へりければ。有し夜の月日計りは廻れ共昔の今にならば社あらめ物いひわたりける女のみまかりける後誦經すとて詠める。今日や君後の世までも忘れじと契し〓とを思出づらむもの申しける女身まかりける家にまかれりけるに梅の花盛なりける枝に結びつけゝる。きて見れば涙の雨も留まらずぬしなき宿の梅の花笠いとけなき子におくれて侍りけるを人のとぶらへりければ二0折々に物思ふ〓とは有しかど此度ばかり悲しきはなし三歲なりける子におくれて詠めりける〓〓幼なき人おり立たば渡り川淵瀨と云ず水もひなゝむ子におくれたる人のなどかとはぬなど恨みて侍りける返りごとに0夢とのみ見ゆる此世の儚さは驚き顏に問れやはする親しきものに後れてとかくして次の日よみけるお今朝よりはよはの煙の名殘かと山の霞もめにぞ立ける僧都〓智ゆかりありて年頃したしくて侍りけるが失せて後四十九日のわざしける誦經文に書きつけゝるto君をとふ鐘の聲こそ悲しけれ是ぞ音する果と思へば雅重朝臣萬葉集をかりてはかなく身まかりにければかの跡を尋ねたるに返し遣さむとてせうそこは書きぐしておきたりけるをかくなむと云へりけるをみていひ遣しける〓濱千鳥はかなき跡を踏置きて身は何方の雲に消なむ神祇わ。天の下長閑かれとや榊葉の三笠の山にさし始めけむ祝り子がさす玉串の願事を亂るゝ神も有じとぞ思ふ集臣朝輔〓釋〓一世中は千草の花の色々に心のねよりなるとそ聞け一徒にはかなき道に入にけり返す〓〓もけふぞ悔しきニ何何もむなしき夢ときく物をさめぬ心に歎きつる哉二なき御法の舟ぞ賴もしき人をもさして渡すと思へば理埋てれな限なき玉はある物を塵を拂はで願ふはかなさ閑居夜雨思出ぬ事こそなけれつく〓〓と窓打雨を聞明しつゝ暮鳥宿林夕されば竹の園生にぬる鳥の塒あらそふ聲聞ゆなり朝望旅客入朝霞ひなのながぢに立にけり墨繪に見ゆる遠の旅人龍門廿五名所中かやま人の昔の跡をきてみれば空しき床を拂ふ谷かぜ長柄橋〓歎じな長柄の橋の跡みれば我身のみやはよには朽ぬる住吉社一住吉の濱松がえの夕烟はれぬおもひは神ぞ知るらむ是も二十五首の名所の中、和歌浦の歌一遙々と就ち行らむわかの浦の波路に消ゆる蜑の釣卅二十五名所の中に浮島を三渡つみの波に漂ふ浮島は宿も定めぬ海士や住むらむ述懷一年を經て梅も櫻もさく物を我身の花にまちぞ侘ぬる正うき乍ら今はとなれば惜しきみを心の儘に厭つる哉たつく〓〓とみし面影を數ふれば哀幾らの昔なるらむ七夢のうちに五十の春は過ぎにけり今ゆく末は宵の電ル籠江に生ぬる蘆の風吹けば折節に社ねはなかれけれ述懷の百首の中た世中を今は限と見る月の心ぼそくぞながめられけるcer蓬生の露と終にはなる物を置き所なく身を歎くらむ三初瀨川谷隱れ行くさゞれ水淺ましくても住渡るかなニー化る間岩間にねざす磯馴松割なくてのみ老の果なむ三漁火のほにこそ物を云はねども蜑の恨は絕せざり鳬たた繩繩苦苦とおもはすと呼11110のののそその麻衣緯を荒みめも逢でのみ明しつる哉今はたゞ力車も盡きはてゝやる方もなき歎き也けり我我から薺こそ悲しけれ身をつみてだに訪人もなしN唐唐みさをも今は叶はじを何に懸りてすぐすべき身ぞた有べしと思ひ鳴尾の一つ松類なくこそ悲しかりけれ〇〇武藏野のうけらが花の自から開くる時もなき心かな一恨めしと思ひはてぬる世中を忍ぶる物は淚なりけりタまぐれ尾花吹こす秋風の凉しきとに逢ふ由もがな水水りのゑぐの若菜に非ねども物思積む袖は濡つゝ四世中の氷柱はいつも分かねばや心とけたる折も無らむエロうき汐の波に漂ふ濱千鳥跡とゞむべき方も知られずAP碑碑つがろの遠にありと聞くえぞ世中を思ひ離れぬ立立難き思のつなに纒はれて引き返さるゝ事ぞ悲しきAN奥奥ののひひがしたに鳴鳥の音にも爭で人に聞かれじ四〓〓はは音無河に身を做て浮世も人に見えじとぞ思ふcxよも山を眺めてのみも暮す哉孰れの峯に入むとす覽ユニしし雪雪のみ山の鳥だにも世にふる〓とは思はぬ物を愁ふる雜の歌のうちに二鶯のいつも都へ出しかど此春ばかり音やはなかれし三古里をしき忍ぶにもあや筵おになる物と今ぞ知ぬる四五笠笠立立のかへしの風をまつ空ぞなき五故故〓を信夫もぢずり限なく思亂るゝさまを見せばやメニ徒徒とより所なき心ちして網代に日をも數へつる哉古思ひいでられけるころ三條大納言いまだ中將にておはしける時遣しける一長へば又此頃や忍ばれむうしとみし世ぞ今は戀しき物名からにしき
ルス言言盡盡き盡からに鴫の羽がき怨めしき哉五宮に參れりけるにいづみ殿の御所の御前なる田に霧の所々立ちたるを見てな朝霧の絕々懸るそとも田は村ほにでたる心ち社すれ人の許へ遣しける文を隣に太皇太后宮のおはしましける時かの宮の人とりいれて包紙に歌を書きておこせたりけるを次の日その心をとりて〇ちちの浦に踏違へたる濱衛思はぬ跡を見しぞ嬉しき俊成入道うちき着せらるゝと聞きて我がことのはのいりいらず聞かまほしきことを尋ぬとて「さを鹿の入野の薄ほのめかせ秋の盛になりはてず共讃岐の院に加階のぞみ申すこと侍りけるが二とせ三年すぎにければ師走の二十日あまりの頃はひよみて奉りけるえくらゐ山谷の鶯人しれず音のみ啼かるゝ春を待つ哉此のこと鳥羽院に申させ給ひければ歌の哀れにとて給はりにけり人の許へまかれりけるにあるきたがへたる由をいひていれざりければ云ひ入れける三々遙〓と山路を越てくる月に宿かす雲のなどなかる覽みあれの日友だちのもとより葵を送りていかにしそめたりけることにか昔の契こそ嬉しけれといふ心を云へりければ古の契はしらず葵草おもひかけたる今日ぞうれしき上ゆるされける頃侍從代と云ふことに催ほされける時少納言入道信西がもとへ遣しける深水に鳴くたづの音や聞ゆ覽雲居に通ふ人に問ばや返し信西メン蘆鶴の澤邊の聲は遠く共などか雲居に聞えざるべき兵衞のつかさなる人におほやけに奏することありけるに申しける六漏さではあらじと思へば柏木の杜の渡りを賴む計ぞ臨時祭の歌人にたびごとにせめられければわれ獨年を重ねてかざすかな幾重になりぬ山吹の花歌のしるしにやゆるしにけり二條院の御時殿上番かきたりとて師走の二十日餘りにめしこめられにけり一めぐりの程は許さるまじくてあくる年まであるべかりければ雪の降りけるに詠みける年年く雪に籠れる山人は春になりてや出むとすらむ太皇太后宮の大進にて年久しくなりにけるを亮のあきたりけるをのぞむとて〓吹あぐる風もあらなむ人知ぬ秋をみ山の谷の古葉を忍び難きなさけある人のもとへ嬉しき由いふとて一此世には忘れ形見に摘持ちて老のつとなる忍ぶ草哉おほやけによきこと奏し申すときく人の許へよろこびに堪へかねてき。しけるニ嬉しさの袂に餘る心ちして涙さへにもこぼれぬる哉二條院の御時中宮のおはん方へ夏も涼しきは秋の宮の近きしるしにやといふ心の歌さしおかせ給へりける返しを女房に代りてニキよ〓〓〓〓〓〓〓と內に秋の宮故と思ふべしやはしたしき人に殿上ゆるされぬと聞きて奏せよとおぼしくて女房のもとへ遣しけるゆかりまで哀をかくる紫の唯一本のくちぞはてぬる御返し二條院御製業の同じ草ばにおく露のその一もとを隔てやはせむ讃岐のさとの海士庄に造內裏の公事あたりけるを守季行朝臣はしたしかるべき人なりければ云ひ遣しける松山のたより嬉しき浦かぜに心を寄せよ海士の釣分集臣朝輔清此の歌のとくに許してけり四位申しけるを許されざりければおとうとども四位にて侍るに今まで許されぬ由など申し文にかきて奉るとてやへ〓〓の人だに昇る位山老ぬる身には苦しかり鳬此のたびなむ許されける四位して侍りし時重家卿のもとよりN武武野の若紫の衣手はゆかりまでこそ嬉しかりけれかへし花珍しき若紫の衣手は老の身にしむものにぞありける左大臣經あはへ下られけるともに罷りけるものの田舍人になりて朽ちはてなむずることを悲びて柳に寄せて歌よみて送りける返事に0何何思ふ流に靡く川柳そのねはつよし朽ちもはてじぞ天王寺にまうでゝ龜井にて詠めるこうふ共消じとぞ思ふ露にても龜井の水に結ぶ契は新院御位におはしましける時臨時祭の四位の陪從にめされて侍りけるに弘徽殿のほそ殿に立寄りて先帝中宮女房を尋ねいだして檜扇のつを折りて書きつけて取らせける普みし雲の俤かはらねど我身一つのとだえなりけり返し八八もも雲の梯變らねばたゆと名殘は踏見ざるべき四位の正下したりけるよろこびを若き人々のいへりければ詠めりける今日こそは位の山の峯までに腰二重にて登りつきぬれかへし位山老の坂ゆくしるしには猶峯までも登らざらめや四位の後荷前使と云ふ〓とに催ほしければ詠める許多度靡きて先に過にしをしゐのもち夫に我を思へる新しき四位おほかるにふるきものをしもかく常に驚かしければ詠みて遣しける世に繁きわか紫をかきわけて古根を何に堀求むらむ成範卿下野へ流されて後召し返されたりける後遣しける鳥の子の有しにも非ぬ古巢には返るに附てねをや鳴覽かへしかた〓〓に鳴て別し村鳥は古巢にだにも歸りやはするみあれの日縣へゆきける人に葵を遣すとて今日はよき手向をくさを程後の和英を神やおもはむ法性寺殿にて人々侍りける中に女房のたき物を出されけるを後にみければあらぬ物にてありければ笑ひてやみにけり又の日昨日の心をぞさなど女房のいへりければよめる一玉垂のみすの內より出しかば空だき物と誰も知にきこれを女あるじめでゝ誠のたき物を給はせたりけりとなむ人のもとより雉子をおこすとて詠めりける「ここをををよよの雉子の我もさぞ妻戀兼てなれる姿をかへし『妻戀になれる雉子の樣みれば我さへ綾なほろ〓〓となくわらは友達の受領になりて下るに馬の餞すとて二葉より花咲く迄にみなれ木の四年の春や霞隔てむ臨時の祭に四位陪從といふことに召し出されて加茂に參りてよみて人のもとへ遣しける〓籠りぬに沈む蛙は山吹の花のをりにぞねは鳴れける九里海士と云ふ所をしりけるがたがふことありけるをとぶらひ給ふとて宇治前大僧正覺忠のもとより遣したりける〓ととにに計計りやこがるらむ舟流したる里のあま人かへしいるはさか方も覺えず里の蜑の燒もの煙下咽びつゝ
このいのりにかしこにいまする神に扇を奉るとて書きつけゝるn〓浦風はよもに吹く共里の蜑の藻汐の煙美はしみとてその後程なくなほりにければ神の驗と喜びけらし靜蓮入道昔男にて同じく出家せむなど云ひけるが年をふるまでおそき事をはぢしめて世を捨つるは人の爲にはあらぬものをなど云へりければ返りごとに詠めりける我身とは思はぬ物を世中も人の爲こそ捨まほしけれ沙彌觀西と名ある文をさしおかせたるを見れば藤原資基がてにてありあやしみて使にとへば頭おろしたるよしを云ふによみて遣しける。昔にもあらぬ名草の濱千鳥跡計りこそ變らざりけれ大和の國いそのかみと云ふ所に柿本寺と云ふ所のまへに人九が墓ありといふを聞きて率都婆を建てたり柿本の人丸墓としるしつけて傍に此の歌をなむ書きつけゝる。世をへても逢可りける契社苔の下にも朽せざりけれ其の後村の者ども許多怪しき夢をなむ見たりけるの難波江やけさは霞に玉がしは埋もれのごる淡路島山題しらず10いづくとも春は栖ぞなかりける心を誘ふ花に任せて山家花を加尋來る花も散なば山里は最ど人めや枯れむとすらむはりまのかみに侍りける時三月ばかりに舟よりのぼり侍りけるに津の國にやまちといふ所に參議爲通朝臣鹽湯あみて侍ると聞きてつかはしける6長ゐすな都の花も咲きぬらむ我も何故いそぐ船出ぞかすみの中の花といふことを〓霞め唯唐土までも敷島のやまとのみかは花の面かげ雨の中の花を花は世に同じ匂の春としも思ふ人なき山ざくらかなあかつきの花を明けなばと誰思ふらむ花の上に心を宿す春の夜の空おなじ心を花に色に移ろひきゝし明る夜の高ねに霞む鐘の聲哉備前の守にてくだりけるとき江暮春といふことを住吉の松もや思ふ月も又ほそ江に霞む春のなごりを夏部ほとゝぎすをよめる一生吉の松としらずや子規岸うつ波のよるもなかなむ題しらず聞度に身にぞしみける時鳥聲は色なる物ならなくに新院百首の歌めしけるに夏山の楢の葉そよぐ夕暮にいくよ重ねつせみの羽衣秋部草花一武藏野の茂みに交る女郞花籠りし妻の心ちこそすれ集郵部刑故故刑部卿集〔平忠盛〕春部新院百首の歌めしけるにまゐらせむとて梅をco知らぬ間に籬の梅は折てけり袖懷かしき人を谷めむシ主知らぬ香こそ袂に移りぬれ垣ねの梅に風や吹らむ春ころ播磨にのぼり給ひけるに淡路の沖のかすみたりければ旅宿草花〓枕枕旅〓の床の女郎花一よばかりのちぎりとや思ふ播磨の守にてくだり給ひて明石の月を見て思思きき明石の浦の月影を我物にして詠むべしとは旅費用孰くとも月はわかじを故郷は物寂しかる影ぞ添ひける丹後守爲忠朝臣ときはにわたりて山家曙月を○有明の月を詠めて我ひとり幾よになりぬみ山べの里社頭紅葉一三笠山爭で木葉のもみづ覽時雨はよその物とかはるる冬部山家霰〓かき昏し霰たばしる深山べは心碎くる物にぞ有ける新院の御會に、曉千鳥一有明の月のでしほや滿ぬらむ磯傳ひして千鳥なく也同じ心よさの浦の松風寒み寢覺する有明の月に千鳥鳴なり戀部一つらきにも憂にも落る涙かは孰れの方か淵瀨なる覽新院の御會、はじめの冬の戀ささ社社飽果られし身にも有めいかに時雨る袂なる覽雜部備前へ下向してのぼりたりけるに白河院御前めして道のあひだいかなる歌かよみたると度々御尋ね侍りければむろと申す泊にて風にふかへられて日數つもり侍りしかばつかまつりたるよし奏しける花のちる春のみとこそ思ひしに舟路も風の厭しき哉尾張へ下向し給ひけるに爲義かのかみといふ所にて馬をひきたりければ心心ししば度々人をうれしとぞ思ふ百首、別程程ななく立歸るべき君なれど別てふ名は悲しかり鳬七月七日白河院かくれさせ給ひたりければ〇又又ここ秋秋を待べき七夕の別るゝだにも如何悲しき右一册者爲家卿以自筆之本不違一字書寫了見救撰歌〔今省唯記國歌大觀番號〕金葉二二九さを축詞花二九六千載七三一新古一五五〇續後撰八四〇玉葉一二一八二七五五續後撰八四〇玉葉寂然法師集春一二谷の水峯の嵐も諸ともに春立つ今日と爭でしるらむニちちばばししははる花いかにかすべき春の山風一春雨も日をへて降ぬ三吉野の吉野の山に花や咲らむ四よしの山花咲ぬればあぢきなく心にかゝる案の白雲三山櫻咲ける高ねのしら雲はいづれか花の梢なるらむねこの春ぞ思ひはかへす櫻花むなしき色にそめし心を木の本は花故にやは住初しちれば心のあくがれぬ覽N花花いざ木の本に暮してむ咲ずば何のみにか成べき三加惜めども風にみだれて散る花を結び留めよ靑柳の絲co村村ののかかや惜しき花のちる梢にきつゝ鶯のなく山櫻散木の本は立うくて休むとなしに日を暮しつゝ一四河の春のながれを結ぶには便嬉しき花をこそくめあさ綠霞にきゆる雁がねの心ぼそきは春のあけぼのつく〓〓と春の日暮し降雨は月みる秋の心こそすれ. TW 小田の種まくよりぞ哀なる稻葉の風を兼て思へば
大春春のまたれぬ色も變らねば千入にみゆる山吹の花運櫻まだ散やらぬ花やあると外山踏分とふ人もがな入りぬるか覺束なしや山のはに霞懸れる春の夜の月九の本は花より外の友もなし誰を見置て春の行らむ01行行の形見計りに殘しける花の蔭にてけふは暮さむ夏一一みみる花にかへたる時鳥鳴音を待も苦しかりけりこすむ人の心ぞみゆる卯花を一重にかこふをのゝ山里4ゆゆ懸て片岡になく時鳥かもの御誕に名〓すらしも卯花に時鳥鳴くかた山の垣ねにいかでみを隱しけむ藩藩草さ月もしらぬ山里の軒の葱をよそへてぞみるAF尋ぬとて宿にとゞまる由もなし山時鳥妹やいさめむ42尋ねつゝ生田の杜の時鳥あしの篠屋の忍びねになくx2味氣なくまたじと思へど時鳥飽ぬ名殘も常磐也けりな待つといひ明すと歎くとにかくになにの報ぞ山時鳥きゝもあへず涙こぼれぬ時鳥老のねざめの曉のこゑ一六幾返り聞きてかあくと心みようちはへてなく山時鳥心こそ聲に劣らね時鳥更け行く空にひとりやすらふ松蔭の岩ねにしける苔筵夏も通はぬすみかなりけりひひららののなく片山の楢のはに風打そよぐ夏の夕暮秋秋はきぬ年も半にすぎぬとや荻吹く風の驚かすらむ淺茅原主なき宿の荻のはに誰にか風の秋をつぐらむ秋風に鶉なく野を來てみればうゑにし萩の籬也けりああじなき籬はあれて己のみ秋を忘れぬ女郎花かな筧にことも誰にか云む小萩咲籬を唯にすぐさずもがなかねてより心はすみぬ秋のよの月まつ峯の木枯の風一里は荒て月は澄みます秋夜を哀と云もなべてなる哉過ぎきにし昔をさらに誘ひきて心に宿す秋のよの月一月をみて哀しるらむ宿每にみを分てこそ問ま欲けれ里分の物にしあれば秋のよの月の心を耻つゝぞみる〓〓れれ、ゝゝつつ晝晝かと思ふ秋のよの月とは蟲の聲ぞ知する月影を袖に移してみるのみや物思ふ人のとり所なる蕙ふとなくて詠めば中々に月の哀やなべてならましNo心心むやゞ哀哀てや秋の月をば磨きいづらむ七九七此世には心留めし秋の月少しはやつす雲もあらなむof露深き蓬が本をかきわけて月はみるやと問人もなしいかならむ雲ゐなり共後れじと月のみ獨契置きける「遂生になり行く宿は養鳴くねを床のものとこそ聞け三ちり積る紅葉分きてよそにみば哀なるべき庭の面哉ははななてて行行く秋の悲しさを思ひ知する鹿の聲哉冬N音音ぬに冬の景色のしるき哉凍りにけりな谷の下水か月は猶同じ空をも詠めけり野べの景色ぞ秋は寂しき搔搔らら物物悲悲しき神無月眺むる空も打しぐれつゝ山巡染置く色とみし程に果は木の葉も時雨とぞふる〓霜枯の達が庭のさびしきに菊のみ秋の名殘なるかなo紅紅のちるを歎し梢より月のもるこそ嬉しかりけれ誰誰又まきの板やに寢覺して時雨の音に袖濡すらむ色めきし花のかづらに女郞花いたゞく霜の哀なる哉花にのみ心はあれや雉子なく枯野の薄みる人もなし三吉野の山べに雪の積るにはまづ古里ぞ冬籠りける14m 尋ねきて道分わぶる人もあらじ幾へも積れ庭の白雪花さかぬ梢はみえず大方は雪の內をぞ春といふべき沖つつ身身にやしむらむ唐衣うきしの浦に千鳥鳴なり〓霜〓る蘆の篠やに寢覺して隙や白むと待ぬ夜ぞなきか行年を送り迎ふといふ程に定めなきよの果ぞ悲しき戀00ますかゞみみし佛の身にそひて心は君に移りぬる哉。袖にみつ涙の玉を貫溜めて戀しき數を君にみせばや一戀しさのつらさに負る物ならば今迄斯は歎ざらまし二君君に落る淚の惜ければ片しく袖を干しぞわびぬる住吉にまうでゝ松にかきつけゝる松風の音はいづこと分かねども猶住吉の秋ぞ異なる舍利のこゝろを人々よみしに°これぞこの涙にくれし煙より分ち出たる山のはの月涅槃會の日人々そのこゝろよみけるに一墨染の袂ぞけふは露深きつるの林のあとのみなしご天王寺へまゐるとてよめりける一心有て見としもなき難波江の春の景色は惜くも有哉諸行無常のこゝろを三みにかふる人も有ける言のはに心かゝらぬ末の露哉常在靈鷲山のこゝろを一常磐なる鶴の林のあやなくも薪つきぬと思ひける哉仁和寺の法印の西山にこもりたまへるに九月十三夜に月を詠じける波路わけ空しき舟に見し月の名殘に今宵袖濡しつゝ述懷のこゝろを六ー孰くにか我身すまゝし斯計り浮世に山の奧無りせば無情のこゝろを一朝顔の花に宿れる露のよは儚き上になほぞはかなきルみし人も隱のみ行あだ雲にいつ類ふべき月日なる覽人のよみたる歌やあるとてこひたりけるにた出しより家の風をも忘られて散す計の言の葉ぞなき乍入選集漏家集歌〔今省唯記國國大觀番號こ二一八一一五六四千載六六三一九二續後撰三二三二三八重一八耆費新古今一六二三三重一六七續後拾一二九二新千載一八八四自一九五二五三九六五風雅五〇八新拾遺一四六八新勅六一四六 其新後층) 300拾遺一四七六三六九新續古今八三七솟〓轉寢の夢にも人のつらければ驚く程にぬるゝ袖かなかかくばかり人の心を碎きけむ報思ふも恨めしの身やね恨兼ね思へばつらし世中に戀と云事を誰れ始めけむなつらきをば思ふ餘に忘られぬ戀しき事の慰めもがなx。明ぬとて常は厭ひし鳥の音の獨しぬれば待れ顏なるなん歸るさの袂にかゝる淚こそ恨みしよりも色增りけれ雜上西門院の女房法勝寺へ花みにまかると聞きて京へ出でたりけるついでにしたしき女房のもとへ遣しける〓花見にときくに心の類ふ哉姿は苔にやつれはつれど大原にて澄憲僧都の說經しけるをきゝて申し遣しける一きく人の衣に玉もかゝるまで涙こぼれし法の庭かな如法經書きてうつみ參らすとて人々よみけるに朝日待つ數に入身ぞ賴もしきいづべき程は遙なれ共月前遠情といふことを三天の原へだてぬ月をしるべにて唐土までもゆく心哉おもはぬ舟出してゆく人に雲ゐにて昔詠めし月のみや旅の空にも離れざるらむ西住法師みまかりぬと聞きて西行法師がもとへ遣しける亂れずと終聞くこそ嬉しけれさても別は慰まねども骨をひろひて高野へ人ののぼりてかへりぬと聞きていひ遣し入ささは拾拾形見も殘りけりかへる山路の友は涙かはらからなる尼のすみかに罷りたりけるに草深くなりて哀なりければかへりて後いひ遣しける〓ききととれれ栖栖を搔分てしか問はむとは思はざり見ある人々法文百首をみて和せられたりければル濱千鳥はかなき跡を留めずば涙の懸る玉もみましや集師法然寂
櫻三花とみるよそめ計りの白雲も拂ふはつらき春の山風〃吉野山浮世の外と遁れきてなか〓〓花に心とめつるエロ流流上のみふねの山の花盛り峯にもをにも懸る白浪返るさの末程遠き山路にもいかゞ見すてむ花の夕映.山花未綻かねてより猶あらましに厭ふ哉花待つ峯を過る春風野櫻ハ〓岩代の松の常磐に言よせて野中の櫻散すもあらなむ樹蔭翫花ねともすれば木の下露に袖濡しなづさふ花よ哀とやみる法金剛院の八重ざくらのもとに人々日暮しあそびかへりなむとて花の歌よみしにcm2忘るなよ同じ木蔭に尋きて馴ぬるけふの花の圓居を海邊花一櫻咲く春やながゐの浦ならむ花に留らぬ舟人もなし顯昭がもとより八重櫻にそへてニ君君へへ千千の春を重ぬべき例とみゆる八重櫻かな返しニ千千經經べき例ときけば八重櫻重ねて最ど仇に思はじ落花花故に世のはかなさを知ぬれば散らすも風の情也見五五みみばをし花ちる峯の夕霞立ち隔つるも心有りけり霧中落花大山山雪雪とふりつゝ跡たえて家路を駒に任せてぞゆく彌生ついたちごろに東山を見ありきしついでに山家春興といふことをよめる山山ととの柳さくらも折をえて都のみやは錦なりける五夏更衣を述懷によせてよめるハ數ならで年へぬる身はそれながら猶人並に衣更しつ北院御室御集〔守覺法親王〕784〇三五六二集御室御院北春立春〓5年波の立ちかはりぬる徵にや凍りし水も下咽ぶなり鶯一奧山の谷のふるすの鶯も高きにうつる時にあひけり梅喚」爲梅が香をおのがはぶきに匂はせて友誘ふなり鶯の聲霞ニ春きても雪きえやらぬ吉野山霞にもまた埋れにけりタ夕そことも見えず立こめて風の音にぞきくの濱松山霞正春霞知べがはにて朝たてば中々まがふ山路なりけり野望霞朝日さす野おりぬる雲雀海路霞た沖沖けけ遠遠かり行く聲すなり霞のうちに歌ふ舟人霧旅霞七八重までは今朝ぞ霞のこめてける笹垣薄き鄙の假庵梅NE散方になるとも折らむ梅枝の花の盛は窶れもぞする梅がえの花にこづたふ鶯の聲さへ匂ふ春のあけぼのなにとなく世の中すさまじくおぼゆる頃南面の梅の咲きそめてさかぬかたも有るをみてcp梅花咲遲れたる枝みれば我身のみやは春によそなる春雪埋梅一己が色は雪より底に埋れて匂ふに梅は顯はれにけり殘雪未盡一根にかへる花かと見ればまだ咲ぬ櫻が下の雪の村消朝見卯花極今ぞみるうの花山の花盛り明けても月の影殘りけり海邊五月雨五五月雨の日數津守の浦なれや下枝もひぢぬ住江の松右歌續古今慈鎭和尙歌に今朝みれば雪もつもりの浦なれやはま松がえの浪につくまで相似歟深夜五月雨一月も今は傾く程に成ぬらむ晴れずば晴ず五月雨の空郭公過ぎぬとも聲のにほひはなほとめよ時鳥なく宿の橘転近く一聲はして時鳥をちの木末になごり鳴くなり夜更けて郭公のなくをきゝてふふふしてしも山時鳥來鳴なり宵には待たぬ人も聞とや杜郭公うれしさは袖にあまりぬ時鳥鳴かさねたる衣手の杜メト時鳥なのるに著し是ぞ此たれその杜のありす也ける暮天郭公時時なほ初聲をしのぶ山夕ゐる雲のそこに鳴くなり郭公聲稀尋ねみて恨みは果む時鳥いづくも斯や夜枯しつらむ草上螢今こそや螢ともしれ散りて尙返りやはおく草の上露螢照海濱。。伊勢の海の〓き濱べにてる影を玉と拾へば螢也けり螢照船〓葉末よりこぼるゝ露の心ちして蘆分船に螢飛びかふ納涼じはつ山楢の葉蔭の夕凉をりにもあらぬ秋風ぞふく杜邊納涼涼しさはひとへに秋の心ちして夕風立ちぬ衣手の杜秋初秋淺らふの露けくも有か秋きぬと目にはさやかにみえける物を七初秋納涼風さわぐ竹はかけ思ひたがへし秋はきにけり七夕秋とのみ何か待まし彥星の逢瀨をやすの渡り也せば七夕の秋さり衣一夜のみ重ぬる山となどかなりけむ小夜更て忍ぶけしきのしるき哉霧立ち隱す星合の空萩〓るるもも一枝折らむ小萩原花踏しだく鹿はなしやは分ゆかばたが袂にか移るらむ我しめし野の萩が花摺o野野べならば柵む鹿にかこたまし我と散ぬる庭の秋萩野花露秋秋野の千種の色に移ろへば花ぞ却りて露を染ける霧音しるし鹿の通路是なれや霧のあなたに木葉ふむ也旅霧といふ題を人にかはりて都鳥ありとみえばや言問む隅田河原は霧こめてけり海邊霧浦博ふさほの歌のみ聞ゆなりあまの友船霧隱れつゝ霧籠曉天-明ぬとや暗き物から知ぬらむ霧間をわくる鴫の羽掻蟲木木ににの音たぐふ秋の野は露も涙も留らざりけり月大わわの浦わの風に霧晴れて千船の數もみゆる月影はは〓〓〓と千里の外へ行月は己が光や知べなるらむかににも雲のちりゐる月影を岩間にあらふ谷の下水風風た梢梢に雨の音はして月のみぞもる松がうら島"筑波ねの茂きこまより月もれば此面彼面の雪の村消ニ胸胸てみれば心も移りけりひのくま河にすめる月影集御室御院北九五五六二
八月十五夜月の歌あまたよみし中に一坂坂の關路はるかにひく駒の跡なき雪や夜はの月影高野にこもりたりけるころ山居月の心を世を厭ふ深山隱れの住ひには月さへ雲の塵無りけり野宿見月秋の野に宿かる月をはな口あたりの露を拂ふ袖そふ月澄海邊鹽たるゝ伊勢おのあまの口さまにもおはす映る月影旅月舟むやふをじまが磯の楫枕月さへやどる泊なりけり對月忘愁かうきながら宿らむ月を待程にいづれは乾く袖の露哉曉更月惜み兼ねひれふる迄ぞ慕はしき松浦の山の有明の月〓あだにみし露は草葉に晨明の月ぞ中々影はきえゆく田家曉月。明ぬとは宵より見つる月なれど今ぞ門田に鳴も立也ある聖人來りて夜もすがら法文などいひてやうやう明けがたになる程にさてしもあらじとて人々月の歌よみしに。何とこの西へは月の知べせで事ぞともなく我誘ふらむ搆衣。0是はさはおきゐの里か秋の夜の露睡ろまで衣搆なり紅葉〓染染す木々の紅葉も有じとて時雨は山を巡る也けり10紅葉の焦れ渡るや秋をやくけしきの杜の梢なるらむ紅葉日淺如いつしかは色に出しと忍山下葉よりこそ紅葉初けれ木樨間〓〓妙妙の色をうばひて咲にけりいつぬき川の岸の村菊野外秋盡○常よりも哀は深し秋くれて人もこすのゝ葛のうら風九月盡加惜みかねはかなく暮て行秋の名殘にとまる袖の露哉九月盡日會あるべかりしにはゞかること出できてとまりしかば顯昭が許へ〓諸共に惜むも秋は止らねどさては慰む方やあらまし返し一行秋も惜む人故止るかやと君計りにぞけふは任する冬初冬冬きぬと水の心や知りぬらむ谷風寒み氷柱ゐにけり山中落葉一誘ひ行く嵐を道の知べにて峯移りする木々の紅葉ば水上落葉〓龍田川瀨おちの浪も色づきて木のはの下に聲咽ぶ也時雨1時雨つゝ過ぬる方は雪消て一つけしきにみえぬ空哉行路時雨遙遙と生野の道の村時雨駒とめつべき木の下もがな雪拂ふふもも其かひ有じ吳竹の夜のまの雪に折伏にけりんめもはるに見るぞ寂しき菅原や伏見の田ゐの雪の曙な葉がへせぬ濱松がえも花咲てえも岩代にふれる雪哉°雪雪ううにさゝめの衣打拂ひ野原篠原分行くやたれ一何事を月に見わかむかざごしの雪はれ渡る峯の白雪野雪一招かねど猶過まうきけしき哉のべの尾花の雪の下折遍昭寺にて池邊雪といふ事を浪かけば汀の雪も消えなまし心ありても凍る池かな山路雪踏分けむ方こそしらねみ山木の雪の下行まれの通路雪埋社樹白ゆふを空より誰か手向らむ今朝初雪のふるの神杉曉天雪たはれやらぬ横雲まよひ風さえて山のはしろき雪の曙千鳥橋立やよさの浦松ふく風に聲をたぐへて千鳥と渡る群てゝゐる己が羽風に浪立て心とさわぐ浦化ュ千鳥哉河上千鳥夜を寒みさほ風おくる便には千鳥の聲も瀨々渡る也水鳥羽かはす友ねのをしは打とけて氷ぞ結ぶこやの池水朝見水鳥一あさ氷とけなむ後と契りおきて空に別るゝ池の水鳥歲暮行年の別ばかりを歎きにて身には積らぬ習なりせばひと方に思ぞはてぬ春をまつ心にをしき年の暮かな歲暮に雪のふる朝敦經朝臣が許より雪の內に暮ぬる年ぞ惜るゝ我身も痛く古ぬと思へば返し年年暮るゝ雪の內にはふりぬ共明なば春に逢じ物かは雜述懷想ひでのあらば心も止りなむ厭ひ易きは浮世也けりに何事を待ともなしに長らへて惜からぬ身の年を經哉社頭述懷〓我からや神の惠も隔つらむうき身の程をみつの玉垣曉の枕になにとなく過ぎにしかたのはかなさなど思ひつゞけてた何事も夢になり行くいにしへの面影のこる明暮の空閑居○ううささてて這這かゝる槇の屋に窓打すさぶ村雨の聲閑居水聲一岩そゝぐ水より外に音せねば心一つを澄してぞきく山家晩思一律はふしづの伏屋の夕煙はれぬ思によそへてぞ見る旅故〓を最どよそにぞ隔てつる越こし山のやへの白雲いなしきや鄙の假ねはめも合で都を夢の內にだにみぬ五四ふみなれぬ岩根を傳ふ通路にしばし立のけ峯の白雲山路旅行畑よそにては通路なしとみし峯を雲踏分て山ぞ越行く旅宿松風四450ふみゆけば濱松がえに風こえて情ありその磯枕かな旅宿言志人好好らば磯の苦屋に旅寢せむ浪懸ずとて濡ぬ袖かは和泉の國新家といふ所にて鹽湯あみしに源中納言雅賴卿のもとより加限あれば身社數にも入ざらめ心の行を厭はざらなむ返し02言の葉の便りの風にちる時ぞ通ふ心も色にみえけるしほ湯あみはてゝ都へかへるとてよめる一日數へし鄙の住ひを思出でば戀しかるべき旅の空哉住吉にて月を見てよめる一月月みみぞもり明しつる藻鹽草しきつの浦の松の下臥高野へまゐる道にてニュー級れや岩さへ苔の衣きてけり香隆寺の邊なる所へ行きたりしにあるじいづみにから舟をうけてさま〓〓の物どもつみたるを見てよめる四唐船につめる寶や餘るらむ今はの身をも玉ぞ散ける無常一ななしやいかなる野邊の蓬生に遂には誰も枕定めむ集御室御院北
えつつなならぬ此世のはてぞ哀なる思へば誰も蓬生の塵也跡跡影影だだにやは留むべき歸らぬ水の泡と消なば曉はかなきことども思ひつやけてハ明明の寢覺の床はうつゝにて浮世を夢と思知りぬる秋の彼岸に故宮のために佛事せむとて泉殿へまゐりしに長尾の松原のまへをすぐとてカー有し世の松の綠のけしきにて憂身は賴む蔭無りけり五御前にまゐりつきて〓はかなくて消にし跡を來てみれば露所せき庭の村草嵯峨の邊に時々あそびなどせし所にあるじうせて後事どもひきかへてあらぬさまなりしかば〓みみ栖栖ともなく荒果てゝ思しよりも寂しかりけり天王寺の宮六條の御八講にまゐらむとて近きわたりをかりてやどり給ひけるにやまひ重くなりてもとのすみかへも歸らでかくれ給ひにし後門この柳のあまたある前をすぐとてよめる一すちに物ぞ悲しき假にすむあるじ絕にし靑柳の絲をさなくよりおほしたてたる童の口來重く煩ひしが今ば限とみなしてしかばさてしも有るべきにもあらで鳴瀧と云ふ所に移り渡りにき慰めがたき宿の寂しさに常にきゝなれたる岩根にそゝぐ瀧の音までも折からにや身にしむ心ちすれば堰あへぬ涙は類ひ有けりとをりしも咽ぶ瀧つせの聲はかなくなりて後雪のふるあしたおおくれゐて獨詠むる庭の雪に心までこそ埋れにけれありし世にかきおきたりし文どもなどこそはかなきかたみともなるべけれと思ひてとりよせて見れば橫笛の譜神樂催馬樂風俗の譜ども又聲明法則までもいたらぬくまなくくらからずしたゝめおきたるさま末の世の寶此の道の鑑かなと例なく見ゆるにつけて惜しさもひとかたならで菩の下に笛の音迄も埋れて只名計りぞ世に止りける袖の上になにの雫の殘るらむたえにし物を小波の聲〓駒駒を何かはやめむ待乳山まつと逢べき道も通はじkハ風鳳ははひひの霜は消果てゝ名殘の露も止らざりけり諸共に唱へ馴れにし法の聲その節々をいつか忘れむ六詩歌の藻の殘りたるをみるにつけてもcm無をさて形見に止る藻汐草浦さびてこそ波は懸けれ經かくとて人のもとへつかはしたる文どもをとりあつめし中にいつぞや病のをやみたりしたえまをやみはてたるとや思ひけむそのよし人につけたる文のありしをみるにも常ならぬ世のさだめなさも今さらに思ひ知られしかば一迷ふべき關をばしらで儚くも霧の絕間と思ひける哉法事の日むかしふきし笛を誦經にすとて吹馴し玉の橫笛ぬしなくてさも有ぬ鐘の音ぞ悲しき式子內親王集春シ〓春は先づ著く見ゆるは音羽山峰の雪より出る日の色鶯はまだ聲せねど岩そゝぐたるひの音に春ぞ聞ゆるセンつつむむ梅の木の間の夕月夜春の光を見えそむる哉七春くれば心もとけて泡雪の哀ふり行く身を知らぬ哉見渡せば此面彼面にかけてけりまだ脫薄き春の衣を跡絶えて幾重も霞め長く我が世を宇治山の奥の麓にNo春春かし思ふ計りに打霞みめぐむ梢ぞ詠められけるの消やらで雪にはつるゝ梅が枝の初花染の奧ぞ床しき一誰が宿の梅のあたりにふれつらむ移香著き人の袖哉梅の花戀しきことの色ぞ添ふうたて匂の消えぬ衣に花はいさそこはかとなく見渡せば霞ぞかをる春の曙儚くて過ににし方を數れば花に物思ふ春ぞへにける花ならで又慰むる方もがな難面く散を難面くて見む加誰も見よ吉野の山のみねつゞき雲ぞ櫻よ花ぞしら雪花咲きし尾上はしらず春霞千ぐさの色の消ゆる頃哉〓春風やまやの軒ばを過ぬらむ降積む雪のかをる手枕殘り行有明の月のもる影にほの〓〓落る葉隱れの花0%鶯も物うく春は吳竹のよがれにけりな宿もさびしき「古〓へ今はと向ふ雁がねも別るゝ雲のあけぼのゝ色けけふのみと霞の色も立別れ春は入日の山のはの空位付夏シ春春色色更更更〓てし昔にもあらぬ袖ぞ露けき時時いまだ旅なる雲路より宿かれとてぞ植し卯の花〓忘れめやあふひを草に引むすび假寢の野べの露の曙哀とや空にかたらふ時鳥ねぬ夜つもれば夜はの一聲一雨過ぐるはな橘に時鳥おとづれすてゝぬれぬ袖かなけけふは又葺添て鳬蘆のやの小屋の軒端も菖蒲隙なくカ叩きつる水鷄の音も更にけり月のみ閉るこやの樞に○詠れば月は絕行く庭の面にはつかに殘る螢ばかりぞ。さらずとて暫し忍ばむ昔かは宿しもわかでかをる橘30夏の夜は頓て傾く三日月の見る程もなく明る山のはco名名なく雲の此方は晴にけり外山にかゝる夕立の程co短夜の窓の吳竹うち靡きほのかに通ふうたゝねの秋10松蔭の岩間をくゞる水の音に凉しく通ふ日暮しの聲お照す日はさやかに夏の空ながら時を過たる松の山陰い里遠き板井のみ草うちはらふ程こそ夜は隣なりけれ秋no夏暮れてけふこそ秋は立田山風の音より色變るらむね。秋きぬと荻の葉風の告げしより思しとの唯ならぬ暮〓ながむれば衣手凉し久方の天のかはらの秋の夕ぐれ一大方は秋の哀を袖の露かくなれざらむ人にとはゞや一次き結ぶ露も涙も一つにておさへがたきは秋の夕暮ミ神の上は露の宿りとなりにけり所も分ず秋立しより秋は唯夕の雲のけしきこそ其〓ととなく詠められけれおもほえず移ろひにけり詠めつゝ枕に懸る秋の夕露唐唐裾裾の露に立つきりの絕え間〓〓は錦なりけり旅枕露を片しくいはれ野のおなじ床にも鳴く鶉かなル夕霧も心の底に結びつゝ我が身一つの秋ぞ更け行くか月のすむ草野の庵を露もれば軒にあらそふ松蟲の聲こおしこめて秋の哀にしづむ哉麓の里の夕ぎりの庵セニ一いづ方へ雲居の雁の過ぬらむ月は西にぞ傾きにける宵の間に偖もねぬべき月ならば山端近き物は思はじ秋の夜の雲なき月を曇らせて更行儘に濡るゝ顏なるヒ〓の戶はさゝで習ひぬ天の原夜渡る月の影に任せてそれながら昔にもあらぬ月影にいとヾ詠を賤の苧環佐保山の柞の紅葉色に出て秋深しとや霧にもるらむ留らぬ秋をや送る詠れば庭の木の葉の一かたへ行く冬心神無月風は軒を拂ひつゝ閨までしくは木葉なりけりたいかにせむ千種の色は昔にて又更になき花の一体の本06槇の屋に時雨は過て行物を降も止ぬや木葉なるらむ一「淋しさは宿の習を木葉しく霜のうへにも詠めつる哉一冬冬れば谷の小川の音絕えて峰の嵐ぞ窓を問ひくる-鳥鳥の立居に拂ふ翅にも落ぬ霜をば月とい知らずや冬の池の汀にさわぐ蘆鴨のむすびぞあへぬ霜も氷も〓〓集〓つむ字治の河舟よせ侘ぬ棹の雫もかつ凍りつゝた色々の花も紅葉もさも有ばあれ冬のよ深き松風の音〓待れつゝ隙白むらむ仄々とさほの川原に千鳥鳴なりささらぬだに雪の光は有物をうたゝ有明の月ぞ休らふか吹風にたぐふ衡は過ぬなりあられぬ軒に殘る音づれ三co思思よよ尙尙くこそ淋しけれ雪降まゝの小野の山里集王親內子式二八六六二
·一住なれて誰ふりぬらむ埋もるゝ柴の垣ねの雪の庵に二二年度の重なることを驚けばよな〓〓袖にそふ氷かな戀二尋ぬべき道こそなけれ人知れず心は馴て行返れどもほほかかにも哀はかけよ思草下葉にまがふ露も漏さじ夏山に草隱れつゝ行鹿の有とは見えで逢じとやする知知るらめや葛城山にゐる雲の立居にかゝる我心とは賴む哉まだ見ぬ人を思寢のほのかに馴るゝ宵々の夢哀とも云はざらめやと思つゝ我のみ知し世を戀る哉賀につるか見ぬ夜の月の仄めきて難面るべき佛ぞ添ふcm 東の間の闇も現もまだ知らぬ夢より夢に迷ひぬる哉エ下にのみせめて思へど片敷の袖こす瀧つ音增るなりニ胸の關袖の湊となりにけり思ふ心はひとつなれども一寄る浪も高師の濱の松風のねに顯れて君が名もなし古古立立立還りつる哉なほこりずまの浦の波風戀々てよし見よ世にも有べしと云しに有ず君も聞覽畑つらしとも哀とも先忘られぬ月日幾度廻りきぬらむ戀々てそなたに靡く煙あらば云ひし契の果と詠めよ雜ハム苔むしろ岩ねの枕なれ行きて心をあらふ山水のこゑ知積りぬる木葉の紛ふ方もなく鳥だにふさぬ宿の庭哉〇六閑かなる草の庵の雨の夜を問ふ人あらば哀とや見む一住なれむ我世はとこそ思ひしか伏見の暮の松蔭の庵ニ盃盃春涙涙涙を注ぎけるむかしに似たる旅のまどゐに二六傳聞く袖さへぬれぬ波の上夜深くすみし四の〓の聲山深くやがて閉にし松の戶に唯有明の月やもりけむ歐日に千たび心は谷に投果てゝ有にも有ず過る我身は恨恨むとも歎くとも世の覺えぬに涙なれたる袖の上哉〓別れにし昔をかくるたび每に返らぬ波ぞ袖に碎くる今日迄も流石に爭で過ぬらむ有ましかばと人を云つゝ見しことも見ぬ行末も假初の枕に浮ぶまぼろしの內浮浮の風にまかする大空の行へも知らぬ果ぞ悲しき〓〓始なき夢を夢とも知らずして此終にや覺果てぬべき『君が代の御影に生る山菅の止まずぞ思ふ久しかれとは春三峰の雪もまだふる年の空ながら片へ霞める春の通路七山田み春とも知らぬ松の戶にたえ〓〓懸る雪の玉水雪消てうら珍しき初草のはつかに野べも春めきに鳬エル島や霞の內にこぐ舟のまほにも春の景色なる哉足足の山のはかすむ曙に谷より出づる鳥のひとこゑ詠めやる霞の末は白雲のたなびく山のあけばのの空袖のうへに垣ねの梅は音づれて枕にきゆる轉寢の夢詠つる今日は昔になりぬとも軒ばの梅よ我を忘るな〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓曇り春に霞める世のけしき哉一待つ程の心の內に咲く花をつひに吉野へ移しつる哉峰の雲麓の雪に埋もれていづれを花とみよし野の里ニ高高の尾上の櫻たづぬれば心のにしき幾重かさねつmとふ人もをらでを歸れ鶯の羽風もつらきやどの櫻をかすみゐる高間の山の白雲は花かあらぬか歸る旅人夢夢內內も移ろふ花に風ふけば靜心なき春のうたゝね今朝見れば宿の梢に風過て知れぬ雪の幾へともなし〓今はたゞ風をもいはじ吉野川岩こす波に催柵もがなな花散散て其色となく詠むれば虚しき空に春雨ぞふる〇水莖の跡もとまらず見ゆる哉波と雲とに消る雁がね一鳴きとめぬ花を恨むる鶯の涙なるらし枝にかゝれる夏櫻色の衣にもまた別るゝに春をのこせる宿の藤なみ待つ里をわきてやもらす時鳥卵の花蔭の忍び音の聲〓時鳥聞きつる雲をかたみにてやがて詠むる有明の空此時鳥橫雲かすむ山のはの有明の月になほぞかたらふ〓聲はして雲路にむせぶ時鳥淚やそゝぐ宵のむらさめ水暗き岩まにまよふ夏蟲の照射けちても夜を明す哉集王親內子式Ab五五月雨の雲は一つに閉果てゝぬき亂れたる軒の玉水苦を花橋にまかすればのきのゑのぶに風かよふなり○がへりこぬ昔を今と思ひねの夢の枕に匂ふたちばな。眞葛原うら風なるゝ夏の夜は秋立ちそむる蟬の承衣。○涼しやと風の便を尋れば茂みに靡く野べのさゆり葉二0小夜ふかみ岩もる水の音冴て凉しくなりぬ轉寢の床。池寒き蓮の浮葉に露はゐぬ野べに色なる玉や敷らむ0月の色も秋近しとや小夜更て籬の〓の驚ろかすらむxo秋風もかりにやつぐる夕暮の雲近きまでゆく螢かな秋〓轉寢のあさけの袖にかはるなりならす扇の秋の初風xo詠むれば木の間移ろふ夕月夜稍けしき立つ秋の空哉ね日ぐらしの聲も盡ぬる山陰に又おどろかす入相の鐘〓跡もなき庭の淺茅に結ぼゝれ露のそこなる松蟲の聲我宿の稻葉の風におどろけば霧のあなたに初雁の聲一寄返る波の花ずり亂れつゝしどろに移すまのヽ浦萩一白露の色どる木々は遲けれど萩の下葉ぞ秋を知ける秋といへば物をぞ思ふ山端にいざよふ雲の夕暮の空花花まだ露深しほに出てば詠めしと思ふ秋の盛りを狩衣亂れにけらし梓弓ひくまの野べの萩のしたね。露〓萩の上に雁の涙を置露は凍りにけりなつひに結びてル詠侘ぬ秋より外の宿もがな野にも山にも月や澄らむ更にけり山のは近く月冴えてとをちの里に衣うつ聲〓古里は葎の軒もうらがれてよな〓〓はるゝ月の影哉とけてねぬ袖さへ色に出ねとや露吹き結ぶ峯の木枯一著き哉淺ぢ色つく庭の面に人めかるべき冬の近さは秋の色は籬にうとく成り行けど手枕なるゝ閨の月影淺茅原初霜むすぶ長月の有明の空におもひきえつゝ一桐の葉も踏分け難く成にけり必らず人を待と無れど思思どども今宵ばかりの秋の空更行雲に打しぐれつゝ冬〓神無月三室の山の山おろしに紅くゞるたつ田川かな梢には殘る錦もとまりけり庭にぞ秋の色はたちけるた見るまゝに冬はきにけり鴨のゐる入江の汀薄氷して〇〓時雨つゝよもの紅葉散果て〓ぞ落る庭の木の葉やばに一荒幕す冬の空哉かき曇りみぞれ橫ぎり風きほひつゝ三葦鴨の拂ひもあへぬ霜の上に碎けてか〓る薄氷かな〓〓ふる野路の笹原ふしわびて更に都を夢にだに見ず〓〓〓〓の徒はの夜はの衣手さえ〓〓て初ゆき白し岡のべの松一群群て立空も雪げに互くれて氷の閨にをしぞなくなる身にしむは庭火の影に冱のぼる霜より星の明方の空七天つ風氷をわたる冬の夜のをとめの袖をみがく月影〓目數ふる雪げにまさる炭竈のけぶりも淋し大原の里加わののた深くや冬のなりぬらむ氷ぞ繋ぐ海士の釣舟三〇人とはぬ都の外の雪中も春はやとなりに一近づきにけり一おのづから長らへば尙幾度か老を迎へて哀に思はむ戀ニ知知よせ跡なき波に漕舟の行へもしらぬ八重の汐風エかかととにに岩垣沼の澪標しる人なみにくつる袖かな夢にても見ゆらむ物を歎つゝ打ぬる宵の袖の氣色は115我幾は知る人もなしせく床の涙もらすなつげのを枕知知せせややの池の花かつみ且見る儘に波ぞ萎るゝ45我妹子が玉藻の裾に寄浪のよるとはなしに干ぬ袖哉no ふふふは遠つの濱の岩躑躅いはでや朽む染むる心を〓〓〓袖袖はかりにもひめや紅の淺はの野らにかゝる夕露45遂事をけふ松が枝の手向草幾よ萎るゝ袖とかは知る11待出てもいかに詠む忘るなと云し計りの有明の空ね。旅一都にて雪間ほの但っかに萠え出し草引結ぶさやの中山三硫磯の玉藻の床に假寢して我から袖をぬらしつる哉〓都都沖沖つこ島の濱びさし久しくなりぬ波路へだてゝ11行行ははいくよとか岩代の岡のかやねに枕むすばむ集王親內子式八九七六二791
松松がねのを島が磯のさよ枕甚くな濡れそ蜑の袖かは山家4〓我宿は妻木こり行く山賤のしば〓〓通ふ跡計りして12今今我我松の柱の杉のいほにとづべき物を苔ふかき袖な山里は峰の木葉にきほひつゝ雲より颪すさを鹿の聲柴の戶を人こそとはね足引の山より出る月は先見つ〓山里は峯に絕せぬ松の聲木の葉にしのぶ谷のした水鳥一曉のゆふつけ鳥ぞあはれなる長きねぶりを思ふ枕に鳴鶴の思ふ心は知らねども夜の聲こそ身には泌けれ大身のうさを思ひ碎けば東雲の霧間にむせぶ鴫の羽搔〓儚しや風に漂ふ波の上に鳰の浮巢のさても世をふる打拂ひ小野の淺ぢに刈る草の茂みが末に鶉たつなり祝君がへむ千世松風に吹そへて竹も調ぶる聲通ふなりX天天めぐむ草木のめもはるに限も知らぬ御代の末々幾年のいく萬代か君が代に雪月花のともをまち見む〓龜の尾の岩ねが上にゐる田鶴の心してける水の色哉一君が代はちくまの河の小れ石の苔むす岩と成盡す迄春一霞とも花ともいはじ春の色虛しき空にまづしるき哉雲雲より散り來る花はかつ消てまだ雪互る谷の岩陰雪とぢて聲を治めし奥山の松もしらべて春をつぐ也補繁しけさの雪間に春日野の淺茅が本の若葉摘らむ見渡せば浦々ごとに春霞いづれもしほの煙なるらむ菩深く荒行く軒に春見えてふるすも匂ふ宿の梅かなル梅枝の花をばよそにあくがれて袖こそ薰れ春の夕暮筍をば衣にとめつ梅の花行くへも知らぬ春風のいろ〓待たれつる花の盛りに吉野山霞の間より匂ふしら雲このよには忘れぬ春のおもかげよ朧月夜の花の光にシ深くとも尙踏分けて山櫻あかぬ心のおくをたづねむ今朝見つる花の梢やいかならむ春雨薰る夕暮のそら〓我宿に孰れの峯の花ならむ堰入るゝ瀧と落てくる哉鳥の音も霞も常の色ならで花ふきかをる春の明ばの深山べのそことも知らぬ旅枕現も夢もかをる春かな尋ね見よ吉野の花の山おろしの風の下なる我庵の本〓絕え〓〓に軒の玉水音づれて慰めがたき春のふる里かくれて行く春の名殘を詠むれば霞の奥佳に有明の月〓垣ねそふ八重山吹の匂ひ哉春の名殘は幾日ならねど一歸るより過ぬる空に雲消ていかに詠めむ春の行かた一過過てまだ時鳥かたらはぬけふの詠をとふ人もがな夏ユニ時鳥忍音や聞くとばかりに卯月の空は詠められつゝ我が宿の垣ねの雪を卯の花の山時鳥過ぐるにぞ知る待ち〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓か時鳥たゞ一こゑの曙のそら寂くしも夜はのねざめをむら雨に山時鳥一聲ぞとふ九むかし思ふはな橘に音づれて物わすれする時鳥かな春春の色の外なるあはれ哉螢ほのめく五月雨の空任な手にかをる水の水上尋ぬれば花橘の蔭に配信ありける0詠つる遠の雲ゐもやよいかに行へも知ぬ五月雨の空。山賤の蚊遣火たつる夕暮もおもひの外に哀ならずやc0色々の露を籬の床夏におきて過ぎぬるむら雨のそら50相坂の關の杉村過がてにあくまでむかふ山の井の水coあたりまで夏は忘るゝ山陰の〓水や山の栖なるらむxo黃昏の軒ばの荻にともすればほに出ぬ秋ぞ下に言とふ如夕されば楢の下風袖過ぎて夏の外なるひぐらしの聲秋が明ぬなりさぞと思ふに秋にそむ心の色の先變るらむ00庭の苔軒の葱は深けれど秋の宿りになりにけるかなかo秋くれば常磐の山に年をふる松しも深く變る聲かな〓草枕はかなく宿る露の上を絕え〓〓みがく宵の稻妻一道遠き小野の篠原深けにけり露分衣すりかさねつゝ一蟲の音もまがきの鹿も一つにて涙みだるゝ秋の夕暮集王親內子式三一露寒みわくれば風に類ひつゝすがる鳴也小野の萩原詠むれば露の懸らぬ袖ぞなき秋のさかりの夕暮の空一露深き野べを哀と思ひしに蟲にとはるゝ秋の夕ぐれ秋の夜の靜に暮す窓の雨打歎かれてひましらむなりヒ露はさぞ野原篠原分入て蟲の音さへぞ袖にくだくる〓〓ささ宿にも秋の尋ね來て月に誘ふは今年のみかは秋の夜の更行く儘の花の上は月と花とを磨く也けり0月見れば涙も袖にくだけけり冬に成行く心のみかは一久方の空行く月に雲晴てながむるまゝにつもる自雪一詠れば我心さへ果てもなく行へも知らぬ月の影かな宿宿袖くだく心をかごとにて月と秋とを恨みつる哉更けて行く秋の思もわびはつる淚なすてそ袖の月影深きをの程こそ見ゆれ立田姫いそぐ梢のよもの色々た吹とむる落葉が下の養こゝばかりにや秋のほのめく冬に神無月風にまかする紅葉に涙あらそふみ山べのさと冬の夜は木の葉隱もなき月の俄にくもる初時雨かなた返返りことだにつけて村時雨外山の梢染め廻るらむ6冬冬ては深からねども起て見る朝の原は霜枯にけり一〓〓來る時雨の度に答へつゝ庭に待とる楢の葉がしは一一賴みつる軒ばの眞柴秋くれて月にまかする霜の狹筵三旅枕伏見の里の朝ぼらけかり田の霜にたづぞ鳴なる四とけてねぬよはの枕を自ら氷にむすぶをしぞ言とふ三落滿つ岩きりこえし谷水も冬は夜な〓〓行惱むなり加雲の上の少女の姿しばし見む影ものどけき豐の明にせさらでだに思の絕ぬ冬の夜の松風ふき信の電亂れてN霜置て尙賴みつるこやの蘆を雪社今朝は刈果てけれ〓高砂の松の梢の雪折を谷のいほりに聞きあかすかな○けけののに誰かはとはむ駒の跡を尋る人の音計してせめて尙心細きは年月のいるがごとくに有明のそら戀沖沖み釣する蜑の漁火のほのかに見てぞ思初めてし三四思ふより見しより胸に焚戀のけふ打付に燃るとや知る哀とは流石に見るや打出て思ふ涙のせめてもらすを四TM思兼ね淺澤をのに芹つみし袖の朽行く程を見せばやね假にだにまだ結ばねど人どの夏野の草と茂きころ哉我戀は逢にもかへす由なくて命ばかりの絕や果なむ10個假に似見の里の夕露のやどりはかへる袂なりけり加淺ましや淺香の沼の花かつみ且み馴ても袖は濡けりof 我袖のぬるゝ計は包みしに末摘花はいかさまにせむエ入しより身をこそ碎け淺からず忍の山の岩のかけ道二二年月の戀も恨も積りてはきのふにまさる袖の淵かな任常磐木の契やまがふ立田姫しらぬ袂も色かはり行く=なほさらばみたらし河にみそぎせむ唯今の夕の雲を君も見ておなじ時雨や袖にかゝらむ115番昏の荻の葉風に此ごろのとはぬ習をうち忘れつゝ雜旅人の跡だに見いぬ雲の中に馴れば馴る世に社有けれなががばに夜も見まし草の庵の向ひの山に出る月影〓露露も四方の嵐に結び來て心くだくるさよのなか山行行とまるかたやそことも白雲の紅葉の蔭や旅人の宿詠むれば嵐の聲も波の音も吹飯の浦のありあけの月〓河舟のうきて過行波の上に吾妻の事ぞ知られ馴ぬる遂じとて葎の宿をさしでゝも爭でか老の身を尋らむ〓けふは又きのふに有ぬ世中を思へば袖も色變り行く憂事は巖の中も聞ゆなりいかなる道も有がたの世や世中に思亂れぬ刈萱のとてもかくてもすぐる月日を六六哀れ〓〓思へば悲し遂の果忍ぶべき人誰となき身を笹蟹のいとゞ懸れる夕露のいつ迄とのみ思ふ物かはききひつゝ先だつ露を數へても淺茅が末を尙賴む哉六本年ふれどまだ春知らぬ谷の内の朽木の本の花を待哉〓〓のののの度度巢立む君が代を松の影にや誰した隠れむ
雖入勅撰不見家集歌〔今省唯記國歌大觀香號〕千載一二四兎言資交六言むし三元新古今一三七〓二六八器壹cen CIM三四三三三元二六八一六九즈量西一元중18新勅撰三七元代禿空續後撰二二증충査총発七二七嘉六七一元續古今二八九三〇元三三六一三二四續拾遺一〇三毫新後撰六七三登玉葉四八二三三六五續千載発一貫續後拾四二八一六一新千載一〇三四新拾遺二八六二六新後拾七九二〓新續古八〇二五田のいへの山ぶき「咲きにけり苗代水にかげみえて田中の里の山吹の花ころもがへ何とかは急ぎも立む夏衣憂身を更るけふにし有ねば野のほとゝぎす待待はは淺からね〓とも時鳥野中の〓水絕だえぞなくふるさとのほとゝぎすmとふ人もなき古里のたそがれに我のみ名のる時鳥哉新院の御前にて時鳥の歌十たびて御返しとくとくとめせばやがてかきてまゐらせてしかど皆忘れにけりこれ一つぞおぼゆる綠綠ややりわけ髪の昔よりあかでやみぬる時鳥かなとありしおほんかへし聞でのみ我ぞやみぬる郭公君は千歳も聞むとすらむよるほとゝぎすのなきつると人のあればいいににてるざりつらむ子規物思人はいやはれらるゝあやめXこやの池に生る菖蒲の長き根は引白絲の心ち社すれか引人もなき水籠の菖蒲草いつかとだにも待れざり鳬0生生で有まし物を菖蒲草かゝる汀のうきをしりせば五月雨一瀬を早み駒ひきなべし安河に舟渡りする五月雨の頃うゑ木のかげ秋に似たり綠なる梢は色もかはらぬに下ふく風ぞ秋にかよへる七月七日かぢの葉にかく一七夕に物思ふことかきたらばげには心も慰みなまし七夕にあまの羽衣かさねても恨やすらむ年の隔てをはぎ〓露しげみ花色衣かへるとも又もきてみむ野べの秋萩しかささ鹿鹿の妻戀る音に味きなく我さへ袖を濡しつる哉待賢門院堀川集なほさむき→山陰の伏屋は春も知ねばや軒端の垂氷解る間もなきわかな山賊の柴の垣ねの內せばみつめる若菜の程もなき哉物のみうくてすゞろにくらして徒に年をのみ積身にしあれば若菜はよその物と社みれかきの柳絲に似たり山賤の道にさほせるあせ垣にいとほしげなる玉柳哉山賤の園生に圍ふかきしばの絕間にみゆる靑柳の絲かきしへだてたる花えああずみる梢の花し中垣の此方に散す風もふかなむちりて後花しおもふ山櫻こずゑ綠になりぬれどかはらぬものは花の面影なはしろ笛代は己がひき〓〓急ぐとも秋のたのみの定なき哉すみれ行やらで心のとまる春の野に暫し菫の花やつまゝしo古古ののぢぢが原に所えてすみれの花ぞあるじ顔なる月其き夜の月を思へば月影のかたぶく方にすむ心かなたびのやどりの月〓都出てとをちの里の旅寢にも面變りせぬ秋の夜の月ふねのみちの有明の月有明の月に心やすみぬらむ聲うち出づる沖つ舟びと月をみて6浮浮にも月に心は慰むをつひにいかなる闇に感はむありあけ。山里のかけひの水にかげすみて心ぼそきは有明の月また月の歌ども。有しにもあらぬ浮世に變らねば月ぞ昔の形見也ける50殘なくなり行く秋をしりがほに光をしまず照す月影ゆふべのむし00本枯に草葉片より夕されば蟲の音さへも亂るなる哉草のなかのむし15ぢちふにおのが聲々暗く蟲は心々をいかで知らましきり〓〓すお露しげきのべにならひて養わが手枕の下に鳴くなり。養夜深き聲に夢さめて壁のあたりはいこそねられね遠きむらに衣うつ〓0本衣いづれの里にうつならむ遙につちの音聞ゆなり田家のかぜ50宿近きおくての稻葉うち靡き哀身にしむ風の音かな〓詠めやるとをちの里の紅葉は秋と共にぞ深く成行く秋のはて一枯々の淺ぢに結ぶ夕露をかたみにおきて秋の行ぬる山里の秋の暮一山里の麓の野邊の眞葛原かへる秋こそ恨がほなれ행しぐれ搔搔り時雨は音もなけれども名殘にふるは木葉也けり山里のゆふべの時雨一人もこぬみ山の里に音するは黃昏どきの時雨也けり海のほとりの落つるは正心あらば海士もいかにか思らむ紅葉散しく松が浦島旅のやどりりの落葉木本散る山かたつきの笹の庵は埋もれぬべき臥所哉ちどり一汐のみつ磯邊の千鳥波馴れて共に立ぬる聲ぞ聞ゆる水の上の千鳥人網かくる佐保の河瀨に立つ千鳥又いづ方へ鳴渡らむ師走のつごもりの夕ぐれに物を思ひつゞけてか世を恨み身を歎きつゝ明暮に年も心も盡果てにけり新院の百首の中の春°暮はてゝ孰こ迄行年なればよのまにけさは立替る覽一雪深み岩のかけ道跡たゆる吉野の里も春は來にけり一霜枯て顯はに見えし蘆のやのこやの隔ては霞也けり一方方に花咲ぬらむと思ふより四方の山べにちる心哉宿宿き籬の中に咲をこそつぼ墓とは云ふべかりけれ夏正郭公雲ゐに過ぐる一聲は空耳かとぞあやまたれける〓梅雨の日を古里の庭の面は水草も取ぬ池かとぞみるヒまこも草高瀨の淀に茂れ共末葉も見えず五月雨の頃秋七七夕のあふせ絕せぬ天河いかなる秋か契りそめけむた宮城野に朝たつ鹿も心せよ本あらの小萩花咲にけり01ははなさを我身の上によそふれば袂に懸る秋の夕露ニ水の面に搔流したる玉章はと渡る鴈の影にぞ有ける三さらぬだに夕寂しき山里の霧の籬にをじか鳴くなり三すすかかひもなき世中の思出は浮雲かけぬ秋のよの月秋秋來來來來のけるけしきの杜の下風に立そふ物は哀なりけり雲の波懸てもよると見えぬ哉あたりを拂ふ月のみ船は三
立田姫もろこしまでも通へばや秋の梢のから錦なる冬〓〓〓曇り時雨の空を詠めても定なき世ぞ思ひしらるゝNH蘆そよぐ汐風寒みかたしきの入江に傳ふあぢの村鳥降雪雪に園のなよ竹折れふしてけさは隣の隔てなき哉cellななど年の終をいそぎけむ積れば老となりぬる物を戀一斯とだに云ぬに茂き亂蘆のいかなる節に知せ初ましニ油ぬるゝ山井の〓水爭でかは人日漏さで影をみるべき荒荒の岩に碎くる波なれやつれなき人にかくる心は夢のどみしは人にも語らぬをいかにちがへて逢ぬなる覧賴賴めずばうき身の谷と歎つゝ人の心を恨みざらまし四小蟹のいか樣にかは恨むべき搔絶ぬるも人の答かは, 45疑疑し心の裏のまさしさは問ぬにつけて先ぞ知らるゝAN憂人を忍ぶべしとは思ひきや我心さへなど變るらむカル忘れにし人は名殘もみえねども俤のみぞ立も離れぬ05遂期なき歎の積る苦しさをおへかし人のこり果る迄「深くのみ契りし〓とを思出でば音はしてまし山河の水神二色々に憂身を祈る幣なれば手向る神もいかゞみるべきほとけニ長長よに迷ふ障りの雲晴て月の御顏を見る由もがな無常夢夢の世を驚きながら見る程はたゞ幻の心ちこそすれわかれ五行人も惜む涙も留めかね忘るなとだにえ社いはれねたび〓道すがら心も空にながめやる都の山の雲かくれぬる故里におなじ雲ゐの月をみば旅の空をや思ひ出らむ〓〓べなべき都ならねどしかすがの渡りもやらず哀なる哉五旅旅空空がつらとや思ふらむ宿雁がねの近く聞ゆるoははななくぞ是を旅ねと思ふ哉孰こも假の宿と社きげいはひニ君が代は枝も動かぬ松風に久しきことを調ぶなる哉早苗とる人早苗とる田子の裳裾に非ね共我も戀路に袖ぞ濡ぬる萩の上の露萩の上の露もとまらで行人を花摺衣かへれとぞ思ふ枕の下の養N黒髪の別を惜みきり/〓す枕のしたに亂れ鳴くかな蘆間の氷藍ねはふ入江の氷結ほれ長からぬよを歎かずもがな戀湧かへり岩間の水のいはややと思ふ心を爭で漏さむ六よそふべき方も知れぬ戀なればいかに云てか漏し初べきみみるめなみ懸ぬまもなき袖の浦に忘貝をば得こそ拾ね苞みあまる淚の色は紅のこぞめの袖にかけて忍ばむ〓〓今は唯難面き人の戀をして我歎きをも思ひ知れかしすだれを隔てたる戀一玉簾誰とも知らぬすき影を見るに心のかゝりぬる哉かたみに戀ふニ君と我通ふ心の行もあはであやしくまどふ戀の道哉石によせたる達事をとふ石かみのつれなきに我心のみ動きぬる哉ふみゝぬ流れてと賴めしかども水莖の跡さへ今はかき絕に見江によする七〓いる入江の水は淺けれど絕えぬを人の心ともがな浦によするかか無て返る波とは知乍ら猶こりずまの恨みにぞ行なき名雪ぐべき方も無名ぞ老にけるみづたの帶打打も解ぬに集川堀院門賢待たのむる〓にならはざりせば行末と賴むるごとに慰みなましなげく山彥の答だにせぬ歎にもこりずぞをのゝ驚かしつるいつしか人きゝのゝしりければ音もせざりけるにやらむとてこひしにo淺淺しや人めもりぬと〓とよせて絕果ぬるか山井の水絕えにける男の口をしきことども人に云ひなどするがまた音づれたるにやらむとて乞ひしにづうしとのみ秋の景色は聞物をいかに音する荻の葉風ぞふみおこする人の絕えて又音づれたるにいひはなちたらむ歌と人のこひたるに山の井の淺き心を知りぬれば影みむとは思ひ絕にき絕えにける男の年頃ありてみづからなど云ひたりけるがおとせぬにやらむとて人のこひしひたすらに思絕えにし山河のなど自らと驚かしけむ跡絶てふるの野中の自らとかけしに最どぬるヽ袖哉五月五口絕えにける男のがりやらむとて人のこふに舊蒲草懸ても今は問ぬまに浮根計りぞ絕せざりけるはなれたる男の子をむかへたるにそのちごのもとへ藥玉やるとて人のよませし引かへて玉ぬき懸よ菖蒲草うきみ籠りの慰めにせむ男の鏡のかげかはりぬなどいひたりける返事にかはりて變るらむ疑はしさぞ增鏡心もかくやあらむと思へば今は逢ふまじきよしと又こへば恨み〓びつきせぬ物は涙かな逢見むとは限と思ふににわじ殿に九月行幸ありてくらべ馬ありしに新院くらゐの御時、菊千秋をちぎる雲上の星かと見ゆる菊なれば空にぞ千世の秋は知るゝ月016 傳 も 月 に の の る る )すみ果つまじき身をば忘れて具したる人のなくなりたるを歎くにをさなき人の物語するに〓云ふ方もなく社物は悲しけれこは何事を語るなる覽よろづの人のなくなるを聞きて後れゐて涙さへ社留まらね見しも聞しも殘なきよに樣かへさせおはしましゝ日やがて御供になりてさぶらふに後れ參らせぬることを思ひて諸共に家を出にしかひもなく誠の道に立ち後れぬる御前にさし出でてもいづかたかと哀にて〓是やさは舟流したる蜑ならむ淚の海による方もなしむかひにゐられたる別當の行幸に參らるゝとて出立のひしめかるゝ氣色も聞ゆるに雪うちふりて靜に哀なるにさしおかす誰誰皆皆ふの行幸に誘はれて消にし跡を訪人もなしおはしましゝ折にも似ず心細く哀に御所の方にも人の音もせず引きかへあらぬ世のこゝちして〓千賀の浦の君も渚に返りきて涙にしづむ里の海士人六月十日ごろにわじにいでたるに庭も梢もみどり深く繁りあひてかすかに人影もせずこれにすゑそめ給ひしころのこと唯今の心ちしてあはれつきせぬ日ぐらしの聲たえず聞えければ君こふる歎の玄げき山里はたゞ蝴ぞともに鳴きける七月朔日いつしか荻の音するに草草きあはらの里の住ひして露の命の程ぞ知らるゝ藥草喩品艸も木も己がさま〓〓生にけり一つの雨の注ぐ雫に九壽量品0月影は世を浮雲に隱れねど鷲の峯にはすむと社きけ雲の漂ひたるを集川堀院門賢待
。それとなき夕の雲に交りなば哀誰かはわきて詠めむ心がはりたる男の灌佛の作り物に松に鶴のゐたりけるをおこせて。千千まで契しふかき中なれば松の梢に鶴ぞゐにけるといひて返しこひしかば。0鶴鶴ゐゐ松松むべき今は梢に波も越えなむ人の年わかき男の物いふ女いたくわかしなどいひけるがまさりてわかき男に逢ひにけると聞きて男のよまするとてこひしにさいたづま結ぶをだにも分ず迚角ぐむ野べにれやは見べき。10渡渡海の底も一つにみゆればや風のまに〓〓波も立覽まくら。夢のよの思知らるゝ寢覺には枕の露ぞ共におきけるむしろto秋深み風狹筵に袖しきて蘆のしのやに幾夜へぬらむ鹿のこゑ0ももがが妻妻戀かねてさを鹿の恨めしげなる曉の聲右是本春二條家爲定以ニ自筆正本令書寫畢尤可爲證本也文祿二年臘月中旬雅〓一千とせすむ池の汀の八重櫻影さへ底に重ねてぞみるおなじ御時女房の花道遙に具して遣されしに逢坂こえて尋ね見し日一今日こずば音羽の櫻いかにぞと見る人每にとはまし物をふたまにおはしまして上のをのこども歌よみの名ある女房のもとにけさう文の歌よみて遣せとおほせられし時:又女房の歌をめして給はりしに、小大進一つらさをば思入れじと忍べ共身をしる雨の所せき哉返し思ずに降そふ雨の歎きせば三笠の山をさして誓はむ又おなじ心を人々よみしに三島江の假初にさへ眞菰草ゆふてに餘る戀もする哉又題をさぐりておのノ〓歌奉りしにつり舟をとりていいおおすす社無れ伊勢の海の潮瀨に懸る蜑の釣舟夏の題をおの〓〓たまはりて歌奉りしうぢの螢在の江の淺澤集く夏蟲を草葉にぬける玉かとぞみる中宮篤子の御方にわたらせ給ひてうるふ五月康和四の郭公といふことを講ぜられしに七五月やみふたむら山の郭公峯つゞき鳴く聲をきく哉中宮まだ四宮と申しゝ時女房に物ごしにあひてのちに遣しけるヘ他ざりしよはの景色の戀しさに重ねぬ袖を返しつる哉覺束なこしのを山の椎柴の靑葉も見えず降れる白雪雪の歌人々よみし時正月二十日ごろ雪のあした二條の家の八重梅を折りてとしよりの朝臣のもとに送りし〓咲初むる梅の立枝に降雪の重なる數をとへと社思へ返し一梅が枝に心もゆきて重なるを知でや人のとへと云らむ集卿忠俊言納中權權中納言俊忠卿集堀河の院の御時內裏の歌題いはひ祝つゝしめゆふ竹の色みればみ世の景色は空に著しをおなじ御時鳥羽殿に行幸の日題池上花東山の花のもとにて人歌よみしに山をこえて花を見るといふ心を一逢坂の關路に匂ふ山櫻もるめに風もさはらましかば道のなかにして逢ふ戀といふことを三なごの海のと渡る舟の行ずりに仄見し人の忘られぬ哉故殿うせ給ひてのち五月五日源中將くにざねの君せうそこして侍りし返りごとのついでに聖墨の袂にかゝるねを見ればあやめも知ぬ淚也けり返し中將一貫蒲草浮根をみても涙のみかくらむ袖を思ひ社やれ家の歌合に花橘五五五開關花橘のありかをば風のつてにぞ空にしりける我戀はあまのかるもに亂れつゝ乾く時なき波の下草二條の家にて十首の戀の歌人々に詠ませしとき占戀きねがとる其くましねに思事みつてふ數を賴む計ぞ來不留戀〓我戀は葛のうらばの風なれや靡きも敢ず吹返しつる誓戀01爭で我心筑紫の松浦なる鏡にかけて見ゆるわざせむ乍臥無實戀『戀々てかひも渚に沖つ波よせてもやがて立歸れとや祈不遇戀揚卸し少女が神にねぎ懸る櫛のさすがに搖ぎげもなし追從戀我妹子が裳裾計にしなさなむさけびかれても恨みやにせむ僞不遇戀如如せむ後ろめたなき人心貫く玉のくだけてぞ思ふ聞音戀11位こえぬ關路に懸る旅なれや鳥の空音にれをぞ添つる厭賤賤三數ならぬ磐瀨の森と聞からに身を知る雨は時雨てぞ行六さくら花ふりにし春ぞこひしかりけるつかひかくれにしかば中宮の女房にやとて堀河の院へ奉りし〓思ひきや散にし花の影ならで此春にさへ逢む物とはひが事なりければきさいの宮の女房返し雪とふる花ならねども古をこふる涙に迷ふとを知れ身を恨みて桂の家にこもりゐて侍りしころ九月十三夜た詠詠すす心心關もはるばかり桂の里にすめる月かな同じ所にて又の年の春のこりの花を惜む心をcm世のうさを厭ひ乍もふる物を暫しも殘る花もあれかし八條の家にて歌合に草花露といふことをタ夕ゆの玉鬘して女郎花野原の露に折れやふすらむ月ニー隈もなく明石の浦にすむ月は千尋の底の鏡なりけり鹿終夜妻とふ鹿の鳴くなべに小萩の原の露ぞこぼるゝ寄瀧戀懸ひわびて獨りふせやに終夜おつる淚や音なしの瀧法輪寺に詣づとて故大納言殿忠家の御墓の見ゆるほどに車をとゞめておりてまうづとてさらでだに露けき嵯峨の野邊にきて昔の跡に萎れぬる哉秋頃えふみに日頃こもりていづる曉に大山山みのみにきはなれてさらに都やたび心ちせむ嘉保堀河三年三月二十一日花契千年左少將bl君君代代の千年をふべき例にて花も長閑に匂ふ也けり鳥羽殿歌合花爲春友左中將集卿忠俊言納中權ニー七二
〓この春は重ねて匂へ八重櫻霞とともにたちも歸れじ御前にて五月雨を名所によせて人々仕うまつりしに少將加時しもあれ藻汐垂たる須磨浦に日數ふる雨の晴間なき哉四永久鳥羽四年閏正月二十五日鳥羽殿、梅花薫衣參議62袖袖けけて折りみ折ずみ花の色に染る匂を妹な答めそ題=一山山よ歎きと云へば伏柴も眺め柏も分きてやはこる苔上落花苔筵ありけるものを散花にしく物なしと思ひける哉水上落花一咲ば散る梢のみかは櫻花-みつゝも止らざりけり夜梅遠薫波波よよせせの末迄薫る也これや梅津の流なるらむ花經年香咲きそめし始も知らぬ櫻花いく春風に匂ひきぬらむ三月盡花花にけふの惜さは斯るかと常磐の里の人に問ばや六河邊款冬五六心して曳けたかせ船岸の山吹匂ふさかりぞ遠水螢六五月闇蘭まの螢ほの〓〓と見ゆるや淀の渡りなる覽未聞郭公五五五雨雨の空の名立に郭公きゝつと語る人だにもなき夏夜月メ風ふけば片よる澤の眞菰草□溜らぬ夏の夜の月路夏草歸るさの道の知べと宮城野の花待萩を栞りてぞ行く六月思郭公ch聞かねどもなほかたらるや郭公待し五月の心習ひに晩風〓秋一夕まぐれを萩が花は咲ねども鹿鳴きぬべき風の音哉初聞郭公ニ明ばまづ人に語らむ郭公まだ里なれぬ初音聞きつと夏越祓三十年毎の御禊の驗あらませど我何ごとをけふ祈らまし草花告秋咲そむる朝の原の女郞花秋を知するつまにぞ有ける秋月集卿兼雅言納中中納言雅兼卿集曉聞爲一爲の木傳ふさまもゆかしきに今一聲は明はてゝなけ山花初發一花花花咲づ咲く山の初風はほかより先に厭はれやする水上落花花誘ふ風や峯をわたるらむさくらなみよる谷川の水池邊柳風ふけば波のあやおる池水に絲ひきそふる岸の靑柳每朝見花が咲しより幾日きぬらむ朝霞立田の山の花のあたりに松間花並立立てる松もや風を厭ふ覽あたりの花の散が惜さに白河の花見御幸にA年年ごとにさきそふ宿の櫻花なほ行末の春ぞゆかしき落花盈地誓答筵みどりの色は埋もれて散しく花にしく物ぞなき是やこの詠むる度に忍ばるゝ哀ことなる秋の夜の日早萩□□原原花咲にけり今年だに〓-鹿にいかで知らせし七月八日久方の天の川波あけたてば濡れてやかへる雲の羽衣女郞花をみて〓女郎花靡くとみれば秋風の吹來る末もなつかしき哉夕月高圓の山の裾野の夕露にかげさしそふる弓はりの月八日十五夜0秋秋に此月影の今宵しも口ればこそは名には立けり同じき月の十六日に女の許へ忍びづま獨にもあらず望月の駒いづ方に心ひくらむ曉聞鹿皇后宮にて思ひしる人に見せばやをじか鳴く二上山の曙のそら永久元年九月依山大衆事下向河尻邊歷覽住吉社於住江詠111作吉のたむけの旅にあらねども哀はかけき沖つ白波隔垣紅葉四入」まばらにかこへ柞原下枝の紅葉よそながら見む月前落葉隱れるの木ぐれの月の漏のみや紅葉散よの取所なる入移野花秋くれば野原の花をませの內に露も落さず移してぞみる十月紅葉〓ね〓むね谷なる谷くくのの原しづ枝に秋の色や殘ると船中晩凉ハ舟舟せし秋まつ程は暮しまの空吹風も涼しかりけり旅門秋深ない秋ふかみ山風寒したび衣心してこそたつべかりけれ駒迎內府にて〓坂坂の關もる神にことゝはむ幾よか見つる望月の駒逐夜雪深一折れふして竹の末葉も埋れぬ夜毎に增る雪の重さに鷹狩御狩する交野の裾と知ながら何と雉子の跡留むらむ初雪東東の人に間ばや甲斐が根の山にも今日の雪や初雪樓聖人とて東山に侍りし僧の樓の上にこもりゐて人のいくに見えざりしかばかへりて三四日ありていひやりし此度はあかきみ佛みえ給へ偖こそ後の世をも賴まめ戀春花忘れじの契も懸ぬ花なれどたをりし枝は忍ばれぞする月照松時時とや思果てまし松風を梢の月のもりこざりせば月照橋初霜は降りにけりとも見ゆる哉長柄の橋を照す月影松久綠公宴八八百萬久しき御代の例とはかはらぬ松の綠をぞみる隔夏戀夏衣へだて〓〓てやがてさは夜寒の床に獨寢よとや尋不過戀○さりともと尋こしぢのかひもなく跡をだにみて歸る山哉互有障戀。人の上と歎きし物を今は又我さへすうる憚りのせき雲に寄する戀。胸にみつ戀の煙や雲ならむ心の空の晴るゝよもなき女郎花によする戀0寄寄つつ我みる野べの女郞花戀せぬ人もきてや折らむ臨曉增戀〓歎きつゝ夜は明方に成ぬれどいとゞ心の掻くらす哉集御兼雅言納中五七ー七二
懷舊心10のの忍ばるゝ身の行末は今日戀しくやあらむとすらむ貧人戀如鼻をだに啜り擧われが身にいかに添へつる戀の淚ぞ近不遇戀。伊勢島や蜑ならませば己が浦のみるめ渚に物は思じ不問人戀苦しさは問ぬつらさをつらし共思はじと思ふ思也鳬忍戀加忍ぶれど戀は氣色や著からむ先みる人のめでた顏なる山家戀皇后宮にて〓思ひやれ松吹く風に夢さめて戀しさまさる冬の山里寄石戀一山里の岩垣なれや我戀は思ひこめつゝ年のへぬらむ寄水鳥戀一鳥鳥はすがたの池に映してや己が思の程を知るらむ聞權大納言家詠水上月の心シー主なる水だにすまぬ濁江にほのかに月の何宿るらむ同置女白地出の心立出でゝねどこもさらぬ程なるを獨衾の妻や恨むる戀の心かゝりける淚と人もみる計り絞らじ袖よ朽果ねたゞ九月十三夜くもりて去夜あかゝりければ大昨日とは誰か契りし此月は十四夜と社云べかりけれ返し、中務丞平實重一古の昨日は〓とに雲はれて今宵の月やかゝらざりけむ又遺すさやかなる秋のなだてに年をへても(下四)返し、實重九月月の今宵わきては曇らねど斯しも晴ば名にぞ立まし又が是も又浮世に廻る妻かとて心のまゝに月をだに見ず返し、實重〓世を捨て西へ行とは知乍ら見しとはいかに山端の月一思へ共よにゆるしなき雲の上に誘ふ月の影も有けり二よの人に月みる〓との劣らねば秋ぞ我身の盛なりける又一盛とはまだきな懸そ秋の月雲の上迄見ぬは見るかは實重藏人に未成前也雲ゐには月の光もそふなればいとゞ心の懸りぬる哉世のはかなきことを云云し云ば此世は夢ぞ嬉しとて包みし袖に何か止れる一夢の內に生れも死にもする〓とを何か愁へも喜びもせむ一世中を同じ惑ひの內にても歎かぬ夢を見る由もがな諒闇の年七月七日たのの懸る袂を秋夜は人なみ〓〓に翳すやあらまし遭喪時不訪人の許よりいへる加人を社訪で過ぬれ定なき世を海にのみ汐垂るゝまにかへし〓悲しさのいつを限とあらば社訪で過ぬる人を恨みめ久しくれいならぬころ五月女郞花の咲きたれば「弱りゆく我みよとてや女郎花秋より先に急ぎ咲らむ中納言になりたりけるを皇后宮より喜びおほせられたりければ堀川院の御事思ひ出でゝ一種植きし匂ひと思へば梅の色いとゞ昔の春ぞ戀しき雅賴昇殿して侍りし時奏内裏出家後〓嬉しさを返す〓〓も包むべき苔の袂のせばくも有哉成通卿集故院かくれさせ給ひたりし頃美作前司の許よりねさりともと賴みし影も暮果てゝ淚の雨にぬるゝ頃哉返し遣しゝハ言の葉にいふとも盡じ世中は我心にて人をしらなむ同じ頃三條殿に參る人々かきつけ侍りし著到の上に紙を細くきりて書きておして侍りし、よみ人不知加思〓び賴む影なき宮の內を歎きてみれば荒ぞしにける返しうらに書きつけし50歎歎をむとを誰とは知らねども心は我に變らざりけり竹風夜涼一「荻の葉に過たれつゝ吳竹の夜の音にぞ秋はきにける三草枕よはの氣色の割なさを思ひやるさへ袖ぞ露けき思遺れ遙にゆかぬ時だにも君戀しさは忘れやはする暮るまも定なき世と知り乍ら歸りこむ日を待ぞ儚き五何何を我思はまし時のまも君に離れぬ身ならましかば人のもとより畑さえ渡る氷の上にふる雪の消えても物を思ふ頃かな返しやりし〓きゆ計思はゞなどか泡雪の逢ぬ夜はしも積るなるらむ霞ハ音音山音に聞けとや春霞かたゞにみえず立隱すらむうぐひすね爲や年の始と告げつらむなく一こゑは春めきにけりさくらめに見えぬ心にだにも止りけり枝な離れそ春の初花五月雨一水增る古江の菖蒲今更に生いづと見ゆる五月雨の空ほとゝぎす一聲のなどつらからむ郭公聞で明ぬる夜だに社あれ盧橋民部卿殿伊勢の使にくだり給ひしに藤方にて人人浦の松をよみしに〓幾しほか立波ごとに染めつらむ綠の深き藤かたの松三條殿に中宮おはしましゝに其の御方にて人々月の心をよみしにささもこぞは曇なき世の月ならめ見る人迄もすむ心哉同じ御方にて草花告秋といふ心を花薄まだほに出ぬ宿ならばけふ迄秋を知ずや有まし新院の御方にて人々毎春花盛の心をよみしせいつとてか花に心を〓ざらむ愚に匂ふ春しなければ鳥羽殿にて霞隔殘梅をよめる112春霞隔つとならば梅の花まだ有けりと風にしらすな遇不逢戀た逢逢見むと云渡りしは行末の物思事のはしにざりける○けけ社社は知せ初つれ戀しさをさり迚やはと思ふ餘に月前紅葉一飽なくに夜も紅葉を見よとてや秋しも月の〓けかるらむ三返返り嬉しつらしと思ふ覽頼めて逢ぬ夜はし積ればある人に近くみるさて(5元)やみなば後のよの妨げにもなりぬべしと申したりしかば詠みておこせたりし三重ののふばかりに慰めて後の世までの恨のこすな返しつかはしゝ幾返り踏通ふ共逢坂を越さずばいかゞ恨みざるべき四ある人故院の御事をなげきていいなないば別は今の心ちしてよは非ぬよに成果ぬ覽目返しやりし大名名ななく變りはてぬる世中に流るゝ物は戾なりけり
三宿我の物ならなくに匂ひ來る花橋のあるじともがな鹿終終妻とふ鹿を聞からに我さへあやない社ねられねをみなへし女郎郎靡くをみれば人知れず秋吹く風ぞ美まれぬる雪白雪の行かふ路をしらせねばまだ音づれぬ遠の里人水鳥校と共に霜おくつるを水鳥の美ましくや下に燃らむあし冬深くなりにけらしな難波江の靑葉交らぬ蘆の村立祝言の葉に懸てもいかゞ祝べき量りをしらめ君が代なれば〓〓味氣なや誰爲思ふ〓となれば我身に替て人をこふらむ十五首の述懷に、一薦盛定〓限ありて立も離れなば春霞戀しかるべき雲の上かなとよみて侍りしを人々あはれがりほめしかば又の口よみて遣しゝ〓雲の上に止る心の餘りにてなほさへ君は殘しつる哉返しもとの消息のまゝ雲の上に尙殘しつと聞く折も淚の雨は止らざりけり九月十二口夜月のあかきに誰ともなくてかみわたりよりとて遣したりし雲の上の月計りをば詠むれど我身も同じ數ならぬ哉返し遣しゝ雲上の月を詠むる人ならばかけ離れては思はざらなむ七一とせ二條にて四十九日がうちに月のおぼろなりし夜誰ともいはで人のもとより雲はるゝ朧月夜の哀さを物思ふ人はいかゞ見るらむかへし就くにも晴澄みまさる月影を我宿からと思ひける哉七ルタ夕に命を懸ぬ身也せばけさ歸るさにしにやしなまし月契退年內裏な千年迄君のみぞみむ久方の久しかるべき秋の夜の月山家月〓疎らにて時雨に厭ふ柴の庵は月もるよりぞ悔しかりける「今よりは山邊に近く家居せじまだ入らなくに月隱れ島遠思野花內裏當座他他して過きし野べの花薄尋ねば道に秋やくれなむ寄月戀內裏獨獨る身を浮雲の晴ぬ夜や戀せぬ月も陰になるらむ月照竹內裏m時雨にも變らぬ竹の綠さへ白くぞ見ゆる秋の夜の月河河に結ぶ氷と見えつるは流るゝ夜はの月にぞ有ける秋の花ちかく匂ふ薰りくる籬をみずば聞の中に花咲宿と人やいはまし旅によせる戀內宵のまは草葉の露に〓とよせて晝の袂をいかゞ忍ばむ水のへんの紅葉内紅葉を折べき物をとあさにて船のよらぬぞ割無りける雪のうちの佛名九八今宵しも散る泡雪はふる年の罪の消べき例なるらむ祝のこひcm諸共に千世へむ程の久しさはけふの暮るを待にてぞ知月一程もなく入にし宵の月よりもなほ恨めしき有明の空卯の花一白波に見ゆる垣ねの卯花は我心とや折りつくすらむ月夜遠行樹下憩知り暫しな入そ秋の月こゝまで人を誘ふとならば水邊夏草波たてる荻のからほの夕暮は群居る鷺にわきぞ兼つる山家月此里は此方かなたの山高み見るに程なし長き夜の月寄衣戀紮のねずりの衣うらめしき人にやちしほ心そめつも蠶網のちゝのめも悲しかしあらば斯迄君をみざらめやはた首菊のなほも賴まじ年をへて心にそめぬ秋し無れば菊閑中友樹下ここの花の散なむ後の心をば何につけてか明し暮さむ雨中のこひ樹下○紅葉ばを染る時雨のあたりにや我心さへ色に出めらむ舟中言志。河岸の舟は誓ひて上る哉是や早せの見するなるらむ戀。獨ねて待に久しき鐘の音もうしと思はじ逢む夜の爲海邊眺望ニー是よりは幾らかあらむ夕附日入かゝりぬる沖つ白波紅葉漸落〓忽忽に散とはなしに紅葉ぼも日頃をふれば梢すき鳬寄擣衣戀xoうつ聲に哀知らるゝ唐衣つれなき人に聞かすべら也ある人の消息に云ふわいかにして世に廻れとて月影の我を見捨て雲隱る覽かへし1曇るとて思な入りそ世にすまば又も晴なむ冬夜の月ある人のもとよりNoたゆまじと思初めてし道なれば尙ふみ通へ谷の懸橋人のもとへかさりとても慰むべきに非ねども心變れる故を知ずやある人にやる〓花咲ぬ我身と思ふに怪しくも春のみ君が尋ね來る哉かへし一花咲む折を賴める我なれば來る春每に尋ぬとをしれ花漸少打つけに寂しくもあるか櫻花稀に成行くみ山べの里契不來戀賴めつゝ君がこぬよの衣手や待かね山の雫なるらむ夢に逢ふ戀とに斯に程なき夜はぞ恨めしき明る別も現のみかはうぐひす鶯の人をのみやは誘ふべき我も古巣に歸らざらなむ太折るもをし見捨て歸る空もなし花下蔭に身を盡してむひたすらに風を厭はじ風知ぬみ山隱れの花も散けりル苗代の荒田を返す暇なみいづらは永き春日なるらむが河霧は立にけらしな高瀨舟はたうつ棹の音計りして〓櫻花荒き風なき君が代に〓とをよせてぞ見べかりける一此世にて限れる中に有ねども命は惜き物にぞ有ける一今よりは逢じと書る玉章の其より奥は見やはさゝるゝ一菖蒲草なべてには非ず長きれの千世迄かけむ例とはみよこれは信成のむすめのあかごのがりはじめて藥玉やる歌戀ひわびて多くの年を吳竹の唯一方に嬉しと思はヾ三皇嘉門院に女房共供花以百種花供佛可被奉訪北政所菩提其中或女房云獻結花之日欲相具和歌一首可経作讀之〓蓮葉に消にし露をもらさじと契を結ぶ花としらずや菩提山上人に給ふ消消べき命に懸て賴むぞよ露もあだには思はざらなむ〓をを見る程のみ物を思ねば惜さは如何なべてなるべき〓〓柳のあなたに匂ふ花の色は峯こす風の便にぞみる加事でかはなべてなるべき櫻散る庭さへ拂ふ風のつらさはc1待つ時は出ても出ず惜む間はいらぬに入や有明の月
一雲の上に朝夕懸くる賴をば天照神はいかにしつると一雲の上吹上にの濱を待兼て神のみつかの恨めしき哉旅宿月故里を思ひやりつゝ詠むれば心一つにくもる月かな刑部卿忠盛みまかりて後長月の二十日ごろにかのあたりの人のもとへ申し遣しける秋風のみにしむよはの寢覺には如何と問し人ぞ悲き母のことにて山寺にこもりてゐたりける人をとぶらふとてxh歎くらむ姿はみねど身をつめば如何露けき秋の夕暮九月盡〓あすよりは小田の鳴子も引替て時雨の音にならむとす覽深夜時雨酉〓小夜深み時雨て渡る音聞けば思も分かで物ぞ悲しき旅宿雪ないよそに社かひの白嶺は消たつる幾夜に成ぬ雪の下臥四戀〇m枝枝はは契契このぬ後世も斯る歎きの身とも社なれニュ君君うし逢ずば我も忘れなで難面き人ぞ二人也ける海邊旅宿ユみさごゐる磯の松がね枕にて潮風寒く明しつるかな正實不滅度三世世の中の人の心のうき雲にくもがくれする有明の月海路晩冷四淡路島汐のとゝひを待程に凉しくなりぬせとの夕風海上晩望111ゐなのよりお前の沖を見渡せば波まに消る蜑の釣舟無常〓〓〓みし人はさながら薄氷思ひしとけば味氣なのよや一明明けば葉末にのぼる白露の風待程や我身なるらむ山海空弔也さりともとやへの潮路に入しかどそこにも老の波はより鳬〓登蓮法師集霞霞立春のみ空と思はずば今日も雪げの雲とみてまし櫻〓花花りりむむ後の佛に朝ゐる雲のたゝむとにするむ落花隨風理櫻くく長柄の山に風吹けば空も見ゆる志賀の浦波曉時鳥如曉のしるくも思はぬ郭公なれもや聲を鳴き渡らなむ納涼夏深み檜原の柚のいはま川掬ぶ手毎に秋ぞこもれる水邊晩風N難難潟蘆の葉末に風吹きて螢なみよる夕まぐれかな夏夜月1月影は秋のみ空の心ちして夜こそなけれ絕ま也けれ草花9其其と思ひもわかず花といへば秋の野每にちる心哉朝遇野徑一あひがてに覺ゆる物は白露の玉ゐる朝のまゝの萩原月照落葉一样原雨とこの葉の降るまゝにもりのみ增る月の影哉月前懷舊諸共にみし人いかに成にけむ月は昔に變らざりけり相如集〓葛城やくめぢの橋の其中のと絕えにとはゞ恨渡らむこれを見てをりしらずたとふるも心ある物を岩橋の一言主は渡らざらなむ枇杷殿にてこゆみのかけ物にせられたる生住ののににてて藤藤ならで何をか春の末にかくべきかへし住吉の岸ならずとも藤波の心を我にかけてみよかし物いふなかにいかにも〓〓いつといひやりたるにたゞいなとのみあれば〓とどどくくままるゝ哉最上川暫し計のいなをみつれば宮の御事にて騷がれしころ人をとらへてせちにあるまじきよしをいへばゆるして又の日陸奥の奥を思ひはゆるしゝを我武隈と思ふらむやぞはらへのつかひに難波に行きてもどりといふ浮れめにつきても津の國の難波の蘆の仄にもねにきと人に云つべき哉同じもどりにやる〓行末は命もしらず夢ならで孰れのよにか又は逢べきむすめにすはうのかみながきよ苗苗に淀みし水を打返し影はこひぢにおり立にけりかへしoおおり立て斯とし聞けば小山田に立るそうづの心ち社すれ因幡へくだると聞きて〓吹風につけても悲し因幡なる稻葉に懸る露の身なればかへし、親ニ露の身の稻葉に懸る程もなく己が軒端を見する也鳬堀河の中宮のたくみの藏人に兵衞のぞうなる人住むときゝしに柏柏木の森の下行く自らにくもらば〓とか人のいふめる人のうめこひたるやるとて出雲守にて後つかさなし藏人にて春宮に候へし女にお願事をきかぬ物から千早振神てふ神は君につきにき筆よつを取らせたるを少なしといふ人に一つして十に書くともたらじかしつくまに祭る〓-これのりの少將のもとに行きてとのゐものゝかうばしかりしかば我妹子がみ馴衣の移香をひとへねたりと人ぞ咎めし人のもとより數ならぬ人の一重に山吹の八重九へと爭でしるらむかへし九重にやへ山吹はしりたれどとへといへとは君ぞ〓へしあだならむといひし人に稻稻の否みな果そ最上川水馴ばこそは流れても見め七月六日あすは人ゆゝしと云也最上川明ぬ此方に逢見てしがなものいうて中絕えたる人のもとにゆきたるにふすべがほなれば今更に何武隈のたけからむ心の內にまづはおひつゝくらのかみ相信の服ぬぎし日藤衣はづるゝ袖の絲よわみ涙の玉のぬきぞみだるゝ一品宮うめつぼの萩の花くらべさせ給ひしに比ぶれど增らざり鳬花乍らこの宮城野の萩の下葉はおなじ藏人のころ御文あけてみたりとて罪あるべしと騷がるゝに〓雲の上高くみゆれば天川ふみゝぬせにて身をや沈めむ人のもとに人のcoああどどの絕間やなどゝ葛城のくめぢの橋の中ならなくに集九五三七二
知じかし花なる人の心には斯る歎の身になれりともわかかりし時女三宮にをかしといはるゝ人にいかでものいはむと思ふにをさなきちゝの扇に女をこのかたを書きてもたるにたがぞととへばその人のといらふればかく書きつく云出でば空もやはぢむ大和なる姿の池の影の違はぬ返しうめのさるをつくりて大和なる姿の池にうきさるの增るを君が影と社みれたちかへりかく云どかるきが池に底の猶影の移れどさると社みれ程へていかにぞと云へどいらへなし覺束な絕て物をぞいはしのよ孰ら渡りにあらじとぞも常にいひたはぶるゝを始よりの人あれば煩はしがりていらへもせぬをとのゐしてつとめてありくちをしくてみかうしはなちて手を叩けばふとよりきたりにげて歸りぬみかうしあくる人にたれぞととへば朝顏にさして露のとく起てみつれば朝顏を憎げ也とぞ思ひぬる哉心にくゝ思ひつるといへりし返し2打打けて己が垣根の朝貌を我身ぞ爭でひと覺すらむまたかへし"我宿の垣根乍らも老のよにいさまだ斯る朝貌はみずいきことなし給ふとあるねたしとてかゞみ草にさして朝顔のよそ社あらじ影映る鏡草をぞそこにみつらむ又かへしニかかみ草ありける物を朝顏を思ひも知らぬ人の心よ女いとあやしかるぞしり給はぬかとて一一だだすへて心の無人は己が影とも非ぬとやするまた返し我にだに影を並べば鏡草その朝貌はみもなほしてむねたがりてかゝみのかたにかみをしてをかしげなる女とさるのゑぼうしゑたるとかきならべて並べてももるさは君社增鏡さるや移れる影にても見よ兵部卿宮御前に人々多かるにもていでゝ始よりの事を語り聞え煩ふいと口ごはかりけりとて〓にくげなる朝貌よりは鏡草心をみるに思ひかゝりぬ逢ひがたきことなむ思ひぬるとていまはすまひとらむといへば、女朝朝のうつる計の思草思ひかゝるはまくるなるべし九何事にもかつ事あらじとはいへり、男かまくるとし人の思はゞ同名を玉まく葛と中を出なむ二日ばかりありてやる°底深く思心はあしまよふうきにも映る影をみしより八月に兵部卿宮九の宮人々あまたして文作る草むらになく蟲聲高けれどなく雁よりはといふ題を聲はいと聞きにくし人々笑ひて例の人。草村になく蟲よりは高けれどよくも聞えぬ雁の一聲すけゆき0我も又玉章かけぬ雁なれば病さるまの聲にや有らむ女一挙でかはかりにもかけむ玉章を作り煩ふ君と社きけかへし魂もなくなる迄に一め我いひ殺してし人はいけるかかねゆきの兵衞佐に琵琶ならふを立ち聞きて10人事はよく做けるをいかなれば我にあふねを知せざる覧女調べつゝ君が爲には逢事の返しの聲は聞もならさじ〓絕るよも泣々思ふ琴の音に常にならさむ人ぞなからむ枕かへるとてx0君に爭で並べてみむとよと共に思敷妙今宵とめてむこと女の四月一日うすさのといひたるに相如集最どしく暑くこそなれ夏衣きる人からや涼しかる覽女三宮大納言の君にかれゆくとて怨みらるゝ頃〓〓ならぬよを浮舟の寄べなみ響の灘のなぐを社まて同じとちみなき所にきたりしに里もなく知べだになき山道に木の本爭で人宿るらむ加茂の祭の日しりたる車に橘やるとてかをとめて昔の人を尋ぬればけふに葵に成にける哉はやうみし人の鏡をかりて歸りにテ山鏡さたつ霧は曇れども見そめし影は〓か也けり忘れにし女のもとより我ながら我からぞとは知り乍ら今一度は人を怨みむかへし一忘れぬときかばぞ我も忘るべき同心に契りこしかば大納言の君まだしかりし時のことなるべした逢事をたなゐる君を岩の上に任せてみるは久しかり島堀河の中宮のひとのをた、如元)のかたりあかして夢くて明石浦にあさりする蜑の袖ともほゝつ今朝哉かへしへ漁りする蜑によそふる袂をば猶きたりとや懸て云ましはつかに物いふ人にが蜻蛉の水にとわたる螢よりも儚なくみしは夢か現か一條攝政にて師走のつごもりにかたゐのまねしてさみしきまゝにおうばうごとするにかどのもちひ人にさえかしひにいださせ給ふいひつけて素材戀する人にくやうするとあるに、すけゆき○集りて物な思ひそをのこ共あけむみかどの併也けり花山の帝うまれ給ひて後ごろなればいとめでたう與じて物かづけられけりとかやをもしらずすけあきらがもとへやりしきてもみる人し無れば我宿の紅葉はよもの風に任せつこう二位の大將どのゝさぶらひの人々どもさみしかりとてすけゆきかげあきらが許にいひやりたれば相如がかもの菓物の中にぜに二ついれて一乏しき誰が心はと人とはゞいざ白菊の露となだつや二條殿粟田右大臣うせ給ひてあはれ限なしかし夢ならで又も逢べき君ならばねられぬいをも歎かざらまし從三位賴政卿集春立春〓〓坂の〓にー春を留めてば山の此方は霞まざらまし同じ心を俊成卿の家の十首の會の内冬籠る吉野の山のいはやには苔の雫に春を知るらむおなじ心を實國卿の家の歌合珍しき春にいつしか打解けてまづ物いふは雪の下水故〓霞.歌林苑の會ヒほのかにも梢は見えし故郷を思ひやらする朝霞かな霞、播州の歌合引きわたす大原山の横霞やぐにのぼるや烟なるらむ霞隔關路た春くればまづぞ立げる相坂の關もる物は霞なりけりおなじ心を0字宇路路ゆく末こそ見えね山城の木幡の關を霞單つゝ海邊霞大貳重家卿の會一一霞霞へだつる頃は自波のこゆとも見えず末のまつ山同じ心を三あきさゐる海上湯を見渡せば霞にまがふ信太の浮島
晩霞、公通卿の十首の會の內〓行行けば交野の御野に立鳥の羽ぎはも見えぬ夕霞哉三鶯Eふる巢より若木の梅の初花にわたり初むなる鶯の聲竹間殘雪〓竹竹よよ〓〓雪の稍消てもとの幾ふし又歸るらむ池水浪靜といふことを歌林苑にてた春風や波たつ計りふかざらむ片寄りもせぬ池の浮草松上鶯〓若和布かる春にしあれば鶯も木傳ひわたる天の橋立每朝鶯を聞くといふことを二條大宮にて人々よみはべりしにヘ〓日數ゆく旅の庵を立つ每に聞捨て難きうぐひすの聲ある宮腹なる女房に申し語らひて時々罷り通ひける程に芦分なる事や有りけむ久しう罷らざりしかば二月の朔日頃梅の枝につけて遣しけるた來まさずは偖も散なむ梅の花猶まち顔に匂ふ樣見よかへし6梅花ちらば散なむ散て後それ故ならで行むと思へばよろこびして侍りける頃あひ知りたりける女の悅び遺さゞりしかばつぼみたる梅の枝に附けて云ひ遣しける一まだしとや梅をみつゝも訪ざらむ開くる物を我が思はかへしコ。兼て我が思開くる梅が枝に習ふ人なき身なるべしとは隣家梅、〓輔朝臣の家の會三一枝も折らぬ隣の梅の花匂は得たるこゝちこそすれ新院の御時里內裏におはします頃大内に候ひけるが綾綺殿の前の梅の花盛に侍りけるを小舍人してをりに遣しける枝に結びつけて奉りける丸重の內に匂へる梅の花とへは散さじと思ひし物をかへし、兵衛內侍五九九重の同じ御垣の內なればあだには散ぬ花と社見れ年ごろすみはべりし所を大宮の御所にかへめされて次の年の春梅さきたるよしを聞きて下枝に結びつけさせはべりし昔ありし藁屋は宮に成にけり梅もやことに匂增らむ返し、よみ人しらず梅梅花花の花昔を忍ぶつまもやと待ち顔にこそ匂ましつれ梅花薰窓中ANこち風の梅吹方に窓をあけて匂を圍の內に入れつる二條院の御時、禁中柳埀紫紫もあけもつらなる庭のおもにまだ翠なる玉柳かな雨中柳、伊賀人道の會ユニ降雨に柳の髪を洗はせて梳り流すは風にぞ有りける鶯一一谷ちかき宿に來鳴くや鶯の里なれそむる始なるらむ梅契多春三萬代の春迄さかむ宿の梅を命もがなやたをり翳さむ鶯爲春友吾にても終の友にや鶯のまだきに來つゝ我ならす覽待花似戀〓妹がご〓戀しき花の開けなば我社さゝめ閨の挿頭に二月二十日頃に大內の花見せよと申す人に未だ開かぬ花につけて遣しける五思ひやれ君が爲にとまつ花のさきも出ぬに急ぐ心をかへし、小侍從〓逢事を急ぐ也せば咲やらぬ花をば暫し待もしてまし南殿の花見に大納言實房卿女房あまたひき具して大内に參りて侍りけるにいひ遣してはべりしなあだならず護る御垣の內なれど花社君に障ざりけれかへしハ〓九重の內まで人を尋入れば花吹風をいかゞいさめむ南殿の花盛にさぶらひける頃內の女房里内裏より見に參りて歸りさまに扇のつまををりて書きつけて花のしづ枝にさし挿まれたるを見れば百百の花に心を留めおきて歸らむ道にふみや惑はむかへし〓花に飽で道に惑はゞ留めけむ心の方へ歸れとぞ思ふ二月朔頃に花まだしき程に奈良より造りたる櫻をませくだ物の上にかざして遣したりけるを獨り見むが口惜しさに向ひなる所に櫻の梢の見ゆるがまだ咲かぬ程にあるじの許へ此の造り花を遣すとて〓君がすむ宿の悄のさかぬまにめづらしかれと花奉るかへしみさへなり散で已べき花見れば宿の梢は待れざり島花櫻花見るにつけてぞ懷しき散なむ後のかねて惜さに春月、經盛卿の家の歌合暮ぬまは花に類へて散しつる心あつむる春の夜の月花下月明、右大臣の家の歌合花故に長しと思はぬ春の日を頓て暮さで見する月哉春あづまの方へまかるに花の咲きたるを見て東路や春の迎ひに行く旅は咲あふ花にえこそ誓はね人々あまた具して花見はべりしに法性寺にてが咲優る梢やあると尋ねずば長閑に宿の花は見てまし白河にて人々花見はべりしに自ら花の下にし休らへば逢ばやと思ふ人も來にけり深山花がみ山木のその梢とも見えざりし櫻は花に顯れにけり〓山櫻〓もちらぬも白雲のかゝる限はえこそ見分かね隣なる所に櫻の咲きたりけるが梢ばかり見えければあるじのもとへ〓櫻咲梢を見れどよそなれば其方の風を待としらなむかへし花花そふ風を待得て嬉しくば頓て隣の歎きとを知れ尋由花、宰相入道の歌合七北花誘ふ山下風の香をとめて道にもあらぬ道をふむ哉遠尋花ヒ悔しくも朝ゐる雲に計られて花なき峯に我はきに身七水邊櫻此咲く影の水に宛ら移れるは花の姿の池にぞありける櫻を、重家卿の歌合た近近路や眞野の濱邊に駒止て比良の高嶺の花を見哉七同じ人のもとにて花の歌とてセト散果てゝ後や我身に歸り來む花さく宿にとまる心は花、播州の歌合〓ばば咲な咲ける盛は梢より外に心も散らずぞありける花〓〓ぬぬれば程を隔つと思へばや且見る花の兼て戀しき〓我宿の花はねたくや思ふらむよその梢にわくる心を一常よりも花の梢のひまなきは立やならべる峯の白雲〓櫻さく梢は空の白雲にまがひし花のゆき降りぬるひふ幾日同じ所にゐる雲と見ゆるは花の盛なりけり人々白河の花見られしに歡喜光院の花の下にて歌よみさふらひしに〓年毎に哀とぞ思ふ櫻花見るべき春のかずもうすれば尋花の心を歌林苑にて〓尋ね來る我こそ花を花と見れ人のよそ目は峯の白雲歌林苑にて人々花の歌よみさふらひしにか花咲かば〓よと云し山守の來る音すなり馬に鞍おけ大内の櫻さかりに咲きてさふらひしに雨の降る日に侍從がもとへ遣しける
〓今日は雨明日は霙と成ぬべき雲居の櫻見む人もがなかへしハ雪とだに見べき花のなどやさは雨休けれど降むとす覽逢樵夫問花の心を歌林苑にて人々よりはべりしにが折くだる爪木こるをに物申すかの峯なるは雲か櫻か老後見花〓古はいつも〓〓と思ひしを老てぞ花に目は止りけるおなじ心を一是きけや花みる我を見人のまだ有けりと驚かすため也散方に成にけるこそ惜けれ〓花や却りて我を見る覽歸雁今ははててのの面をを雁の雲に消行く方をしぞ思ふおなじ心を、賴輔朝臣の歌合天つ空一つにみゆる越の海の波を分ても歸る雁がね湖上歸雁動歸雁る雁聲をほに揚る時しもあれ南より吹よごの浦風大納言實國卿南殿の花見に參りて歸られて後たれともなくて文をさしおきて使は歸りにけりあけてみれば我が身は歸るばかりぞ木の本にとまる心と物語せよ返しもしさにやと推し量りて遣しける歸歸るるへつる留る心はみえば社有め八條院歡喜光院におはします頃櫻やう〓〓咲き始めてはべるをみて花半開といふ心を人々よみはべりしに取以へ植植櫻櫻先先きに一木咲にぞ二本とはみる地下にてはべりしに南殿の櫻さかりなる頃上達部殿上人參りて禁庭花の心をよまれはべりしに手手懸懸雲雲の花の蔭のゐて散庭をのみ我物とみる水上落花0吉野川岩瀨のなみによる花や靑ねが峯に消ゆる白雲落花。吹き散す梢の花を天の原風まぜに降る雪かとぞみる同じ心を、按察使公通の會。散りはてゝ梢の花の戀しきに我なぐさめよ峯の白雲未殿上を許されぬ事を歎き侍りしに二條院の御時三月十日頃に行幸なりて南殿の櫻盛なるを一枝をらせて去年と今年といかゞあると仰せ下されて侍りしかば枝に結びつけて參らせ侍りける30よよにのみ思ふ雲居の花なれば仰ならで見えば社あらめかへし、月後內侍°さのみやは佛ならでみえざらむ雲居の花に心留めば於船中見花To櫻さく磯山近くこぐ舟のかた乘せぬは有じとぞ思ふ谷櫻お懸渡す木曾路の橋の絶間より危ぶみ乍ら花々みる哉櫻を、季經朝臣の家の歌合よね尋とじに櫻にうゑしかど覺束なみの春の山邊や尋花co山櫻尋ねみるまに宿なるは身を恨みてや散むとす覽三日十日餘の程に内の女房里内裏より大内の南殿の花見に上達部殿上人など引き具して參りて出でざまに散りたる花を搔き集めて遣すとてね。花故に風た脈ひ〓散らばこと搔集めても家花にすれかへし。古も伴の宮つ子諫めけれ散る花とても家づとにすなかくて後夜に入るまで此人々遊びて更くるほどに出でらるとて陽明門より人をかへして云ひ遣してさぶらひけり一散積る花は幾らと人間はゞ風の拂ていにしとをいへかへし散花を風におほせてなしと云ば同名ぞとや吹むとす覽春野、歌林苑の會一名枯の野邊のにひやけ程ふれば又早蕨ぞ萌出にける折廠遇友珍しき人にも逢ぬ早蕨の折らまく我も野邊に來に鳬落花客稀、歌林苑の會散散りし程はまもなく來し人の花蹈分くる跡の乏しさ水上落花山櫻ちりにけりとは初瀨河末くむ里の人や知るらむ落花、按察公通の十首の內花は皆ちりぬと思ふかなしきにわれ慰めよ峯の白雲同じ心を大內にて南殿の花の下にて上達部殿上人よまれしにんはだれ雪降かとみれば九重に散重なれる花にぞ有ける故〓花、伊賀入道の會ななの海の沖行船ぞ過やらぬ高津の宮の花やみゆ覽藤の花を歌林苑にて人々歌よみはべるに藤波も汀に寄する音す也かゝれる松に風やふくらむおなじ心を一あだならぬ松の枝毎に咲花の散にぞよその藤と知ぬる大内にて殿上の人々藤花映水といふ心をよみはべりしに〓住の江の汀に松の微りせば二木に藤を懸てみましや藤花留客見人をなどや歸さぬ藤花這まつはれよとかは〓へし杜若さらぬだに行方もなき沼水のめぐりにたてる杜若哉躑躅をよめる、經盛卿の歌合〓今日ぞみる驚坂山の白躑躅いかで佐保姫染殘しけむ瀧下欵冬瀧の糸に貫止られず散玉を受くる袖かとみゆる山吹隣家欵冬山吹の色をうらやみ中垣のあなたにゐてと思ふ頃哉春殘二日といふ心を入惜め共今宵もふけぬ行春をあす計とや明日は思はむ三月盡た春もはて花も同く今日ちらば度々物は思はざらまし山三月盡05ああじこそ山がつならめけふ春を限としらぬ遲櫻哉夏六位にてはべりし時更衣の心をよみはべりしに「夏衣みどりの色も變りせば心のうちや涼しからまし更衣、大納言實國卿の歌合に今日やさは卯花色の白襲春の躑躅に引きかへつらむ卯花三神祭る頃にもなればうつ木さす小屋の袖垣花咲に身크幕見卯花、歌林苑の會に今日も猶卯花山は越ぬべしその咲色のくれば社有め卯花、季經の朝臣の家の歌合一 卯花の垣根也けり五月雨に兩晒しする布と見つるは卯花隔水〓卯花のみつの垣根に咲ぬれば霖渡す淀のわたりを夜鵜河權權だだも鵜舟に懸る篝火の見えぬ夜も無きしもつ闇哉旅宿郭公ヘミ哀さは思ひしことぞ郭公なく庵をばあさだちもせず月前卯花〓照月に色はとられて卯花の下枝をのみぞ垣根とは見る閏四日卯花08蒲草ふくべき月を卯花の奪ひて猶も咲かとぞ見る人傳郭公「郭公聞つと語る人をさへ又もや來ると待ぬ夜ぞなき
待郭公、公通卿の十首の會の中一戀するか何ぞと人や咎むらむ山郭公今朝は待つ身を夏草三小鹿ふす夏野の草を分行けば踏れに鳬な可惜萩さへ罹麥を、幼なき者にたぐひて撫子を我身の末になる儘に露のみ置む事をこそ思へ西竹風夜冷押のくるよはの衣を戰ぐなる竹の葉音に引着つる哉竹の陰に涼むといふ心をよみはべりし與竹竹ああり涼しき轉寢に我さへふしを並べつる哉待郭公の心を人々よみはべりしに郭郭公空にも道を定めせば其の一すぢを待たまし物をおなじ心をNa待けりと我もや聞む郭公ながなのらせば名〓返して郭公を、公通卿の會加香をとめて山郭公おちくやと空までかをれ宿の立花of くののええのるまで郭公山遠方を詠めこそやれ一二郎公なく音遙にほのめくは五百重の雲の上やすむ覽寢覺に時鳥を聞きて二部公聞き始めたる寢覺にはおとろく上になほぞ驚く念佛の隙に待郭公といふ事を人々よみはべりしに西西のみかずヾを打置く隙もあれば又願はるゝ郭公哉海路郭公諸諸共にとわたりすなる郭公繪嶌へいなば鳴聲もをし三位大進〓輔の家やけて後五月郭公なくを聞きて申し遣しける五語ひし家はなしとて郭公君を尋ぬときくやきかずやかへしな郭公いつも音せぬ習ひとて宿の鳥とも思はざりけり深夜郭公待ちまたむ人の心を見むとてや山郭公夜をふかす覽郭公、前兵衞佐經正の家の歌合〓〓待けるも待ざりけるも子規聞氣色にぞ見え分れぬる夏草、同じ會が春過て幾日になれば眞菰草あさりし駒の食み返る覽寢覺の郭公の心を人々よみはべりしに轉轉の夢に聞きなす郭公うつゝの空になごり鳴く也郭公、法輪寺の百首の中〓郭公まだ社きかね我は世にあふちの花の盛ならねば世の中を過がてになけ郭公おなじ心に我もきくべき一一聲はさやかに過ぎて郭公雲路遙にとほざかり行く杜鵑飽で過にし名殘をば月なしとても詠めやはせぬ野徑郭公、範兼卿の家の會味鳴きくだれ富士の高嶺の時鳥裾野の道は聲も及ばずむかひなる所に櫻多く咲きたる梢をのみ見て過ぎはべるほどに五月になりて郭公の鳴きければ隣にきくらむと思ひて子規きけばきくらむ見れば見し隣の花の梢のみかはかへし、宰相中將郭公共にはきけど猶來ませ下枝迄とて花もさぞ見じ五月十日の頃に郭公のしげく鳴くを聞きて別當入道の許へ遺しける郭公公らふころの山里は人とはずとも寂しからじなかへし時時かたらふことを山里は都の人とおもはましかば夕郭公。〓今日もまた山路に柴の庵してとまれば過る杜鵑かな同じ心を一槇の戶を暫しなさしそ時鳥聞つやと問ふ人も社來れ月前郭公一一一にに見見る程の心をぞ山ほとゝぎす空にわけつる山家郭公、法住寺殿の會ニ都には待つらむものを郭公いづるを惜むみ山べの里郭公漸稀今更に猶まてとてや郭公五月のすゑの聲のともしき五月雨の頃內にさぶらひて罷り出でたる夜珍しく月のあかゝりしかば大宮に小侍從さふらふと聞きて近き程なりければ申し遣しける雨雨の晴間に我も出でたるを月計りをや珍しとみるかへし〓のまに同雲居は出に鳬もり來ばなどか月に劣らむ盧橘薰〓、歌林苑の會七th薫薫くく花花の道をあけて忍ぶ寢床を人に知れぬる盧橘熏遠、法住寺殿の會Na誰誰里花花の花橘の匂ひぞと訪はましものを風の答へば五月雨梅梅の日をふる儘にいかなれば池の水草の淺く成覽六月十日頃に更戀公といふ心を讃岐の院にて人々よみけるに女房にかはりての時鳥今は鳴じと思ふ夜は待しよりけにい社寢られぬ水風如秋〓浦風の吹上に立る涼しさに秋かとぞ思ふ志賀の辛崎江上螢多、鳥羽院の北面の會いさや其益の數は知ね共玉江の芦の見えぬ葉ぞなき水雞〓水雞とは思も敢ず明に島人まつ宿のよはの戶ざしは水雞驚寢心心くくれれ驚かす水雞哉又まどろまば又なはかりそ寺邊水雞荒菜て立つる戶もなき古寺を叩くはよはの水雞也島連夜鵜河、歌林苑の會桂女や新枕する夜な〓〓は取られし鮎の今宵収れぬ河邊草深、二條院の御時女房にかはりてい小船いる津田細江にさす竿の末ぞ見えゆく草隱つゝ八泉ハ大原やせが井の氷を手に懸て幾結びせば秋に成らむ泉邊翫月、右大臣の會〓圓居して岩井の水を結ぶには手毎にぞいる弓張の月夏月co庭庭ま面乾まだ乾かぬに夕立の空さりげなく澄る月哉水上夏月〓浮草を雲とや厭ふ夏の池の底なる魚もつきを詠めば水邊納涼夏も猶雪解の水の末なれば不二の河こそ冬心地すれ杜邊納涼12名名聞に思做すにや和泉なる信太の杜の陰の涼しさ夜五月雨と云ふ心をよみはべりしにPL密差走る山の末野に假寢して空怖ろしきよはの五月雨大井河の邊にまかりて遊びはべりしに河邊夕涼といふ心を人々よみはべりしに暮ぬるか遠の山陰渡り來て今ぞ戶無瀨の河べ涼しき夕顏の心を述懷によせてよみはべりしに世の中を後ろになせる山里にまづさし向ふ夕顏の花我に劣る人こそ無れ山里に夏そ引おりしはふるひ人x山山賤の小屋の後への畑にまく哀我身をいか樣にせん秋荻か目に見えぬ風の來らば〓よとて植て〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓00秋風の身にしむ事をそよ〓〓とうなづく荻ぞ諸心なる草花露重。枝弱み露の白玉もちかねて夜もふす野べの女郞花哉薄o。〓あさせなき大河島の花薄招くと見れどえこそ渡らね
大内にて禁中萩といふ心を人に代りてよみはべ30山吹や菊も重なる數はあれど優りて見ゆる九重の萩草花催促o出出け仇の大野のわさ薄まだ傍らのこと花もがな萩0我宿の萩をばよきて殊もなき淺芽が末に秋風ぞ吹く萩野お宮城野の花の盛に下り合て音にきゝこし萩を見る哉旅行聞 雁to旅なるは我し獨と思へども雁も雲路を幾日とぞなき霧隔行船〓艦以し小舟も見えでたはれめが聲計こそ霧に隱れね女郎花近水かなみ立るこの河岸の女郞花咲き渡ればや露けかる覽野徑眺望。暮ぬとて人ぬる野べの女郞花いまさば花の朝形見む草花の心を、歌林苑の歌合一かり衣我とは摺らじ露しげき野原の萩の花に任せて月前草花、法住寺殿の會に隈もなき月やまばゆき己が枝を翳して立る女郞花哉鹿、歌林苑の會に〓草隱れ見えぬ小鹿も妻戀る聲をばえ社忍ばざりけれ鹿聲遠近、法住寺殿の會に稻荷山峯かときけば杉の庵の窓の前にも小鹿なく也夜泊鹿、歌林苑の會に泊いでゝ夜舟を漕げば高砂の尾上の鹿の聲ぞ消行く秋花勝春花、範兼卿の家の會秋までも面影にさく櫻花野べの色見て後ぞ散り行く閏餘秋月、法住寺殿の會名に高き月は二夜を見よとてや今年は秋を延るなる覽鹿聲何方、同へののく方をもえこそ聞分ね今は耳さへ朧ろ也けり爭尋紅葉同が誘ひつる人にも告で先さきに立田の山の紅葉を見む殘菊夾路一同0露凌ぐ山路の菊はうらうへの袴にさへぞ移ひに身かる故籬刈萱一よりかゝる籬も荒て刈萱の亂れも知らず打臥にける隣家晩荻一風吹けば中垣敲く荻の葉を黄昏時に訪はせつるかな待月出ぬまの山のあなたに思越す心や先に月を見るらむ月、法性寺殿にて人々十首の歌よみはべりしに終夜寒えゆく月を山の端に送りつくるは心なりけり同じ心を1月月み今宵ぞ見ゆる水底の玉藻に集くさいの數さへ月待秋勝、左大臣の家の會た光をば秋の爲とやをさめけむ取出たりと見ゆる月哉月、經盛卿の歌合に残るべき垣根の雪はまづ消て庭は積ると見ゆる月哉海邊月住吉の松の木まより見渡せば月落かゝる淡路島やま同、伊賀入道爲業の會た浦づたひ鳴尾の松の影に來て又隈もなき月を見る哉三井寺に歌合しはべりけるに人々に代りて月を詠みはべりける0月月み忍ぶる道ぞ忍ばれぬ世に隱れてと何思ひけむ月、小野宮の會一一夜夜も我世も痛く吏ぬれば傾く月をよそにやは見る八月十五夜一名に高き秋は二夜と知乍ら先見る月にしかじとぞ思集卿政賴位三從四津守より廣田へ渡る商人の今宵の月をめでざらめやはおなじ心を2期斯ささけけき月を命あらば又こむ年の今宵もや見む水月、右大臣の家の歌合b影影にに堰に暫し淀まなむいらば小倉の山の端の月水上月cyゆふは川わだみに澱む水の泡の廻るも見ゆる秋夜の月野風、右府の家の會五心にもあらでや招く花薄秋の野風にそゝのかされて夜鹿三一夜を籠て立きる山の裾にしも鳴てや鹿の人にしれぬる水上月、公通卿の家の會11月号を氷と見れど諏訪の海に上踏む冬はまだしかり鳬野風、同じ會吹おろす嵐やまなき小鹽山裾野の草のかた靡きなり促織蟲終終機おるむしは淺茅原露ふきむすぶ風やさむけき野宿見月〓秋の野の尾花かりふく庵には月計りこそ相宿りすれ江上月、歌林苑の會セロいざや子ら難波堀江の芦かりて宿れる月に隈もあらせじ寄月述v懷ス天天原原ゆゆく月の徒によにあまさるゝ心地こそすれ同、右大臣の家の會ね落落かゝる山の端近き月影はいつまで思ふ我身也けり湖邊見月ここ出出月月眺眺めむ小波や志賀津の浦は山の端近し霜夜月〓馴馴にけむ同じ雲居の月影に猶一つなる庭の霜かな海邊晩霧一ふふむと沙干にたてる難波女が歸る葦邊に迷ふ夕霧同じ心を、歌林苑の會一月は唯今宵をのみぞ待たれつる過ぬる方や山の端ならむ八月十七夜の月常よりも隈なく見えはべりしにむかひの中將のもとより我見ても類ひ覺えぬ月の夜は舊ぬる人ぞ先訪れけるかへし正七十の秋に逢ぬる身なれ共今宵計りの月は見ざりき經盛卿賀茂にて歌合しはべりけるに參りあひて同じ心をよめるセリ影宿す御手洗河のさやけさは月もや今宵天降るらむ敦賴住吉にて歌合しはべりけるに社頭月の心を七一すぢに仰ぐ心を住吉の空ゆく月にわけぞやらるゝ月終夜友有有ののもも我我を惜むとていらぬ先には入じとぞ思雲間月如終夜絕間〓〓ぞ待たれける雲より雲にうつる月をば〓輔の朝臣の家の歌合に月を〇雲もなく山のはもまた遠ければ月故今ぞ物は思はぬ月、歌林苑の會に「曇なく荒たる宿に眺むれば我もさやかに月に見えぬる同じ心を今夜たれすゞ吹風を身に占て吉野の嶽の月を見る覽月、重家卿の歌合に1月影は埋もれぬとや思ふらむ雪にならへる越の里人海上見月、左大臣の家の會に照月を雲な隔てそ夜舟こぐ我もよるべき島隱れなし關路惜月、同エ人人ぞぞよよももりに惜るゝよし足柄の關を越ゆとて旅宿月爾にこそ庵はさゝね更科の月に障りて幾夜とまりぬ九月十三夜法性寺殿の會
霧分分訪ももししむ庭の木の葉の音計りして寄月述懷〓〓かかる月の光を知べにてよにふる道を辿ずもがな月照己屋、歌林苑の會嵐から荒たる宿の癖なればおろし籠ても月は見え鳬藏人おりてはんべりしころ夜半月といふことを人々よみはべりしにね一つと今やさす覽雲上の月を見るにも忘られぬ哉遍照寺の月を見て古の人はみぎはにかげ絕えて月のみすめる廣澤の池草花、經盛卿の歌合ハ折果てぬ花こそ有め秋の野に心をさへも殘しつる哉女郞花が一本と定めてぞ見し女郞花はな異心あらじと思へば〓無名のみ磐余の野邊の女郞花露の濡衣きぬは有じな雨中鹿一時雨する空は曇れど鳴く鹿の上毛の星や隱れざる覽菊花待開木枯の風の立つまで綻びぬ菊こそ花のとぢめ也けれ大納言實定卿のもとより菊を乞はれ侍りしかば結びつけてはべりし玉しける庭にうつろふ菊の花もとの蓬の宿な忘れそかへし移し置て此の一本はめがれせじ菊も主故色增りけり惜秋忘戀といふ心を、刑部卿範兼卿の會又ももききを今宵は惜めとや身に添戀の片さりに劍九月盡、實國卿の家の歌合秋に社今宵別れめ木の葉さへ止らぬ音を聞ぞ悲しき同じ心を、歌林苑の會秋故にねぬ夜也けり盡ぬべき我が齡をば誰か惜まむ冬時雨、歌林苑の會山山廻る雲の下にやなりぬらむ裾野の里を時雨すぐ也同じ、隆信卿の家の歌合〓〓聞聞ばば其共にや曇るらむ時雨の下に時雨してけり行路時雨の晴曇り時雨する日は常磐木の影に幾度駒停めけむ〓月前殘菊〓月も見よ菊には似すな世中に殘れる身社白く成ぬれ殘菊白白の又咲けるかと驚けば霜の下にぞ色はありける月照山雪、右大臣の家の會積りける雪計りかは木間より月も時雨るさよの中山冬月袖ささて風ふく夜の月見れば梢も空も曇らざりけり同じ心を、經盛卿の家の歌合1月影を凍り隔つる池の水の玉藻が下や曇るなるらむ月前水鳥が澄昇る月の光によこぎれて渡るあきさの音の寒けき水上落葉、北白川の會谷河の伏木の橋にせかれたる水屑を見れば紅葉也鳬故〓落葉木の葉ちる志賀の都の庭の面は其跡と見る礎もなし落葉龍龍姫こずゑも染むる紅の色をおろすは嵐なりけり'同じ、歌林苑の會に。梢には一葉もみえじ大荒木の杜の下草紅葉しにけり落葉入簾中"木葉ふく嵐やこすを揚つらむ拂ふに惜き塵の積れる大井河邊にて水上落葉をよめる稍稍にもあらぬ堰に分ちやる河の枝にも紅葉しにけり集癇政頼位三從水上落葉今はよに山の木葉も有じかし立田の河の色づく見れば葉飛渡水、範兼卿の會に立田田ふきこす風を待て社濡ぬ紅葉を袖にうけつれ山路落葉、仁和寺にて人々歌よみはべりしに木木の葉ちる山路の石は見えねども猶顯るゝ駒の爪音紅葉隔ノ池、範兼卿の會六九勝間田の池のあなたの紅葉ゆゑ昔の人や舟求めけむ隔谷紅葉紅葉ばをよそに見ましや葛城の神の岩橋渡し果せば落葉驚い夢、範兼卿の會にヘル木葉ちる宿は菅屋の板廂はしにふす夜は夢も見果ず於法住寺殿院三熊野詣候間人々歌合せられしに關路落葉を都都にはまだ靑葉にて見しかども紅葉散敷く白河の關同じ歌合に、水鳥近馴。子を思ふ鳰の浮巢のゆられきて捨じとすれや水隱もせぬ同じ心を歌林苑の會。眞木流す丹生の河瀨にゐる鴨は目馴に島な立も騒ず鷹狩01霰ふる交野の草を打靡けこまかにかるや鳥立なる覽河邊千鳥0東女と寢覺て聞けば下野やあその河原に千鳥なく也寒夜千鳥觀蓮の歌合〇浮る夜は遠ざかり行志賀の浦の波の此方に千鳥鳴也曉千鳥10打渡るやすの河原に鳴千鳥さやかに見えぬ明暮の空千鳥。夜舟こぎ沖にて聞けば常陸の海鹿島が崎に千鳥鳴也時雨、經盛卿の歌合b時雨する交野のみ野を狩行ば楢の眞柴の露ぞこぼるゝ雪、おなじくxx越兼ねて今ぞ越路を歸山雲ふる時の名にこそ有けれね。身の上にかゝらむとぞ遠からぬ黑髪山にふれる白雪〓降雪に木曾路の谷に埋もれて懸ても橋の見えぬ頃哉一分分けて越ゆる嵐の山風に梢の雪もまた降りにけり閑居雪、歌林苑の會に一雪にかる特製の竹の音のみぞ時々我を驚ろかしける雪埋樵路一二積積山山に迷ふ山人は己が爪木をこりぬとや思ふ雪中鷹狩み狩する野もせに雪の降ぬれば山をに立たむ蔓だになし栞せし柴のさ枝も埋もれて歸る山路に雪にまよひぬ晩頭鷹狩、歌林苑の會〓暮ぬとて歸る野邊より立鳥の羽音計りに合せつる哉待初雪待れつる雪げかと社思つれ未だ時雨の雲にぞ有ける社頭雪、敦賴入道の西宮の歌合〓注連の內によを通す哉した消ぬ頭の雪を打拂ひつゝ旅雪、公通卿の十首船わたす隅田河原に降る雪の色にまがへる都鳥かな連日雪、宰相入道の歌合。越の空雪げの雲の絕せねば降ぬ日をのみ數へつる哉雪今朝見れば小野山白し宜ぞ此過ぬるよはの床は冴ける二雪積る越の山風ふきぬらし檜原松はら顯はれて見ゆ一二降降れば何にかは身を隱べき刈藻が下のゐ所もなし曉雪忍び妻歸らむ跡のしるからし降らば猶ふれ東雲の雪雪のふりはべりしあしたに範兼卿の許より山里の雪を獨は見まうきに君や來まさむ我や行べきかへし
君ませといはゞ畏し降る雪を打拂ひつゝ我ぞ行べき寄氷述懷我が身やふる河水のこす氷昔は〓きながれなれども氷〓冴る夜は氷柱や間なき原の池の上飛鴨の頓て過ぬるあるじ人のもとよりまかりて朝に出づるに雪の降りはべりしかば立ち歸りて遣しける朝未明雪蹈分て出てわが又來む跡を見むや見じとやかへし○雪の内に又來む跡を待物を見せじと云はヾ消ゆ計也歳暮雪一數數れば我身も年も暮果てふるも頭の雪かとぞ思ふ賀祝の心を人々よみはべりしに三君が代は千尋の底の小れ石の鵜のゐる程に顯るゝ迄おなじ三君が代を何に譬へむと思へ共果なき物のあらば社有め禁中祝の心を二條院の御時人に代りてよめる昔より置ける塵の山なれど君が御代にぞ雲は懸れる經盛卿がもとにて歌合しはべりけるに參りあひて祝の心をよみはべりけるに100の斧をくたす山人歸來て見る共君が御代は變らじ攝政殿下閑院つくらせ給ひて始て作文和歌の會せさせ給ひしに歌人の內に召されて對松爭齡といふ事を仕うまつれる〓春の日の靜にてらす庭の面の松の千年に君劣らめや庭松七千年迄我を見よとや君が代の廂に近く松立てるらむ祝NE君が代は長柄の橋を千度まで造替ても猶やふりなむ寄松祝の心を、歌林苑の會たゆく年の津守の濱のはま松も君が齡に立はならばじ祝、二條院の御時女房にかはりて0許多度君ぞ見るべき海は山やまは白波立かはるやう別敦賴あづまの方へまかりけるに人々はなむけし給ひけるによめる一遙々と行くも止るも老ぬれば又逢事を如何とぞ思ふ筑紫へまかる人に餞しはべりしによめる「其日ぞと聞だに兼て悲しきに漕別れなば何心ちせむ素覺入道潮湯あみに津の國なる所へまかりはべりしに三るるよよなぬる我を津國の長柄の橋の跡を見つゝも登蓮つくしの方へまかると聞きて旅衣してつかはすとてよめる限あれば我社そはね旅衣立む日よりは身をな離れそかへし〓〓しををみみぞ兼る旅衣豐かにたてるかひもなき哉四旅九月ばかりに難波わたりに潮湯あみに罷り侍りしに侍從師光素覺入道かはじりにおなじくくだられたる後侍從のないしのもとより消息遣はしたるおくにかゝれてはべりし加旅寐するかたは浦々變れども同じ都や戀しかるらむかへし加君が住む空戀しくぞ我は思ふ忍ぶ都も誰ゆゑぞこはおなじ所より入道そへてつかはしけるAR暮て行く其方の秋やいかならむ此湊には舟裝ひせりかへしA我我ささぞ思ひよりぬる行秋の舟裝ひせば楫隱さなむ旅の心を、歌林苑にてcp捨てゆく都の方の山に又いつか向て行かむとすらむ哀傷二條院かくれさせおはしましてのち御めのと大納言の三位ほどなくみまかりぬと聞きて女房せんつるがもとへ遣はしける一雲上に別したづはをりゐても一方ならぬねをや鳴覽かへしニ別れしに雲ゐを戀る葦鶴は澤邊に獨音をのみぞ鳴く相知り侍りける女三年ばかり過ぎていかなる事か有りけむもと住みたる山里へ送り遺してけり其の後ある上達部の許におかれたるよしきゝ渡り侍りし程に俄に煩ふ事ありて身まかりけるもと見しものとや思はれけむかの上達部の許よりかゝる哀なる事こそあれ世の中の常なきは今に始めぬ事なれども心うくこそなどいひ遣したりし返り事に哀なるよしを申して三五げにも嘸有て別し時だにも今はと思へば悲かりしをかへし有をだにさ社は人は思つれなきは哀をそこと知ずや少將通家身まかりて後うち續きさはりどもありて遲く弔ひつるよし母のもとへ申し遣はしたりし返事に五悲しさを歎く心のあらばこそとふも訪ぬも思分れめかへしなよそ乍ら歎く心の失ぬにぞ君が思ひに劣るとは知る月前催無常、右大臣の家の會4限限れば月は今宵も出に島昨日見し人今日は無世に範兼卿身まかりてのち法事の日誦經しはべりける諷誦文に書きつけはべりけるム此此には詞も文も書たえて鐘につてある事ぞ悲しきねよそそののかかく聞々ていつか又我亡跡を人に訪れむTE.戀戀発売〓思へとていはでしのぶの摺衣心の內にみだれぬる哉同、歌林苑會〓萌出てまだ二葉なる戀草の幾程なきにおける露かな忍戀ニ聞聞れる人もや有む忘つゝ打歎かるゝ夜半の氣色をニテ身ううに歎くに附て忍べ共戀は戀とや分て見ゆらむ四人人れず通ふ心の目に見えば早我戀は顯はれなまし皇后宮權亮賴輔朝臣の歌合〓事繁きあべの市路に我立じ戀を見知れる人も社あれな忍ぶとは君も且知〓となれどいかにか思とはぬ絕を明ばとく返し直さむ小夜衣見て心うる人もこそあれいい迄迄心置てもたれ苦しき物を思はむ後悔戀打出てもかひなかりける我戀を心の中に思ひ隱さで藏書戀、鳥羽院の北面〓かくれなき淚の色の紅をふみ散さじとなに包むらむ戀、〓和院の齋院の會〓せきかぬる淚の河の早き瀨もあふより外の柵ぞなき逐夜增戀戀初て暫は夢も見しか共今はいをだにぬれば社有め戀の歌とて一世を歎き身を恨てもなく涙戀にしなれば色變りつゝ思思びびににゆゆやと返さずば裏さへ袖は濡さぎらまし隔河戀山山の美豆野の里に妹を置て幾度淀の舟よばふらむ旅にて見たる人を戀ふると云ふことを內にて人々よまれしによみはべりける落ちちがふ淀の河舟こ簾を粗み仄見し人を忘兼つる七恨みて逢はずといふことを〓和院の齋院にて人々よみはべりしに
其にや恨のはしを作り出て戀渡るとも逢じてふなり又ふたつ文をだにかよはすまじかりける人のもとへこれをかざりと思へとてNo 水莖はこれを限と書つめつせきえぬ物は淚なりけりせめてうらめしき人のもとへつかはしける七問聞せせ我我聞聞じ今は唯一人一人が世に無もがな心より外に中絕えたる女のもとへ遣はしけるの思ずや手馴す弓にふす竹の一よも君に離るべしとはかれ〓〓になりにし女の山里に籠りゐにけりときゝてさすがに哀れに覺えて音づれつかはしたる返り事にこゝにはあるまじきよしを申して一世のうきに思ひ入にし山里を又跡たえむ事ぞ悲しきかへし思遺る心ばかりを先だてゝ行らむ方へ我もまどはむかたちを見ていとはるゝ戀といふ心を歌林苑にて人々よまれはべりしに朝な〓〓戀こそ弱れます鏡見れば厭ふも思知られてはじめて逢ひたる女に我神の信夫もぢ摺濡れ〓〓て亂合たる心ちこそすれ忍びて物申す女の夜更けて逢ひたるに廿三日の月の山の端より出でたるを見て見よかしな廿日餘の月だにも今迄人に待れやはするつれなかりける人のもとに罷りたりけるになほ逢はざりければ歸りていひ遣はしける〓もも見で歸れば昆陽の池水となれる涙に浮寐をぞする此の幕を契れる女の許にさはること有りて音づれはべらで次の日人を遣はして過ぎぬる夜は蘆分なることのありしなり今夜は必ずまてとたのめ遣はしたりし返り事に言葉はなくて、小侍從〓おおす柚山河の淺き瀨は又もさ社はくれの障らめかへしハ昨日より涙落そふ柚河のけふは增ればくれも障らじ過不告戀、〓和院の齋院の會か音もせで人通ひける道のべに何家居して物思ふらむ戀、播州の歌合00我袖の汐の滿干の浦ならば淚のよらぬ折もあらまし戀のこゝろを、小野宮の侍從の歌合〓君こふと夢の內にも泣涙さめての後もえこそ乾かね會後隱戀ニ身身程程思思まに逢見ぬ先になしといひせば及曉遂會戀シ夜夜すがら妹が結べる下紐は鐘と共にぞ打解にける失返事戀ここ〓〓〓〓稀稀ううひひく玉章を置き失ひて又歎く哉返迎車戀えんのせてやる我心さへとゞろきて妬くも返すむな車哉不語終隱戀聲計計ふ遣戶のしりさしを猶賴まぬがなき心ちする改名隱戀せあふみてふ名をば違へて忍れば我を秋とや今は尋ねる返事を見てまさる戀の心を人々よみはべりしに引かへし妹が書ける言のはを恨て今ぞねは泣れける戀のこゝろを、按察の會九れともすれば淚に沈む枕かな汐みつ磯の石ならなくに〓〓はるゝ身を恨むるや戀しさに又こと事を思增す覽尊勝寺にて人々戀の歌よみはべりしに。我戀をさてや忘ると思へ共起ても侘し寢ても術なし。逢人もなき戀路行苦しさに休む間とては身をぞ恨る50忘つゝ猶ぞ戀しき身の程を思知るには思ひやめども見」家思出戀、歌林苑の會○○〓〓と見れば物こそ悲しけれ我も荒にし心なれども人しれす心かけたる女のもとよりずヾをこひに集卿攻賴位三從つかはしたりしかばつかはすとてTO思ふ事下にもまるゝ圓すゞの露計だに叶はましかば女のもとより雨のふる日つかはしたりける加雨よよに思ひ出じと思へども思ふ心をもらすけふ哉かへし。雨もよに思ふ心のもりげにやあやしく濡るゝ我袂哉過門不入戀、歌林苑の會0人人變ればあけぬ槇の戶を來馴し駒ぞ過がてにする隔河戀、尾坂の歌合お渡り來ぬ妹が栖を尋ぬれば阿武隈河のあなた也けり待不來戀〓住吉のまつとはすれど沖つ浪立返るにもよらぬ君哉行路戀といへることを一打過し野上の里の妹を見て返りくだるは淚なりけり逢ことを命にかふる市もがな斯る戀する人や集ふと一今は唯身を恨つゝなく物を强てこふとや妹は聞らむ〓〓死死なむ後は儚き玉章を若や見るとて書きぞ置るゝ1世中を歎かぬ程の身也せば何によそへて妹を戀まし歌林苑の戀の十首の内敷妙の枕は二つ並ぶれど一つはなれず君しなければおなじ一人はいさ飽ぬ夜床に留めつるわが心こそ我を待らめんせきもあへず離れて落つる淚かな我欹つる瀧枕よりか奧山の杉の本より我なれやわが戀故に身を焦すなり〓今は唯夢をのみ社賴め共合ぬめさへぞ難面かりける一つれもなき人に心を懸しより我世は盡ぬと思し物をわきも子が裳裾に靡く黑髪の長くや物を思ひ亂れむ=ニ紅に染めたる袖の同じ色の涙見わかぬ戀ごろもかな睡まば驚かすなよ逢と見ば夢にも中をさくと思はむ來不逢戀NE住吉の沖より來たる浪ならば松の根も見で歸らましやは寒夜增戀ささるるなは人を戀しと思寢の枕の下に氷柱ゐにけり戀の心をにあひ見ても兼て朝の歎かれて片心には物をこそ思へべ味氣なし今は思じと思へ共物うかるねに猶ぞ泣るゝ恨めしながら戀しき人のもとへつかはしけるたならべたる恨も戀も唐くみの二條ながら濡るゝ袖哉寄草花戀〇〓露る萩の下枝はさも非ぬに我涙には人もたわまずつれなかりける人のもとへつかはしけるニ「來つゝ早せきもとめなむ淚河ながすも君が心ならずや雨中增戀三君こふと詠暮せる夜の雨は袖にしも知る心ち社すれやう〓〓かれ〓〓になる男を恨むる女に代りて水の面にをは打ふれて立鳥のやゝ天離る人ぞ戀しき祈神戀と云ふことを人々よみはべりけるに〓事事を祈るかひなきこの島は涙を懸る名に社有けれ寄源氏戀歌林苑1人人れず物をぞ思ふ野分してこ簾吹風に隙は見ね共寄催馬樂戀加はははば唯には入じ妹が門過ばふらなむひぢ笠の雨觀身不言戀にもしやとて書玉章も身のうさを思出ては打ぞ置るゝ寄照射戀〓我戀を火串にかくる物ならば難面き人も目をや合せむ經盛卿の歌合に加打歎きぬれどねられずあたりにもまだ來ぬ人に驚されて被妨人戀、院の殿上の會c流流てて契契ししををく人やあふくま河にかくる柵戀のこゝろを、大貳重家の會一よよ共に落る淚や戀してふわが言草の露となるらむ
おなじ心を二四袖の上におつる淚の色見てぞ戀は限と思ひしりぬる三命あらばもしあふ事もありやとて我慰むるわが心哉久しく音づれ侍らぬ女のもとにしはすの二十日あまりの程に遣はしける滯る春よりさきの山水を絕はてぬとや人は知るらむかく申し遣はしたれども物に籠りたるよしを申して返事もなかりしが年かへりて正月の十日頃にかれよりつかはしたりける、小侍從エル滯る音かと聞し山河のたえはてぬとは春ぞ知らるゝ忍びて物申す女のあひてその日にわかれし時又いつかといひしに想思たた〓岩に別るゝ山水も又程もなくあはぬ物かは立聞怨戀我のみか松の妬げに言のはを立聞く波の恨やはせぬ寄石戀A厭るゝ我汀には離れ石のかゝる淚もゆるぎげぞなき寄菊花戀ねつつももき人社よそに聞ならめ戀る袖さへ移ひに鳬遊女戀20思兼ねもしもや見るとたはれ女が住河上に流す玉章乍臥無實戀一〓枯さじと植ける竹か妹と我節を並てゆるぎげのなき寄山戀三五妹妹ははさ通ふ山のせばぢかは逢じと人に兼て聞するある宮仕人をよび出すとて木蔭に立ち隣れて侍りしに時雨のして雫のおちかゝりはべりしかば三五君待とたてる木蔭の雫さへ淚につれて落としらなむ馬上戀といふことをHI落かゝる淚や繁き戀路ゆく駒のたつ髪露ふしにけり言出後悔戀五さればよな斯ても同じ苦しさを言ぬ先より思返さで言切後增戀な言のはを聞ず顏なる淚哉思ひたへなば汝もたへなで依月增戀、右大臣の家の會妹妹こふとまだ端近きうたゝねの枕のそばに宿る月影五時々見戀〓ななのの汐汐干汐みち磯の石となれるか君が見え隱する聞戀我戀な水籠の神にや妹が祈るらむこふと聞より我も悲しき秘知音戀〇疎疎からぬ人には〓じ戀ふといはゞ思顏にて諫もぞする秘從者戀、法住寺殿の會〓散さじとせめても思ふ玉章は我使にて我ぞもてゆく返書戀ニ玉章に我引墨の違ひせば見けりと見ても慰みてまし時々逢戀鴨鴨ゐゐゐゐの池の薄氷村々なれや解けみとけずみ寄鳥戀妹とわが同じこのねの鳥ならば逢ぬ歎に鳴すゑてましある宮腹の女房を忍びてむかへにつかはしたりしに曉になりてまうで來たりしかばこと繁き大宮人を待ち〓〓てあふ程もなく明る東雲二條院のくらゐの御時間聞增懸といふこゝろを人にかはりてうう人の上をばえこそ聞果ね又問度にねのみ泣れて大貳重家卿の歌合に戀の心をよみ侍りける紅の涙にそまる戀ごろも返さば袖ぞうらみなりける失返事戀いいここやや妹が玉章隱し置て覺えぬ程に老ぼれに島思移媒戀つつななつばなてそ云にわが思ふ心は早移しにき集卿政賴位三從互片思戀。其心みちにあふらし我を君相思はずと思ひおこせば七戀一無名だにたゝむと思ふ世中の人の僞せぬさへぞうき獨ねの床はさゆれど妹が住其方の風は吹かとぞ思ふ七三さればよな我身のうさに兼てより思し事ぞ人のつらさは〓戀死む後だにせめて有し折逢でと云む言の葉もがな七爐邊女談此暗き夜も漸く起す火を中に置て聲のみ妹ぞ見えぬる語和不會戀蓬事は猶も堅木の切えねば言のはのよき何にかはせむ始は思はで後に思ふ戀の心を人々よみ侍りしに思きや新手枕を厭ひしに同じ身ながらこひむ物とは戀やすると問ひし人にん。戀せずとあらがひ果む暫しだに落る淚よ心あらなむ寄船戀戀しさは泊もしらで行舟のゆにかく物は淚なりけり寄山戀o忍忍しし今今は淺間のかひもなく燃る烟となれる戀哉怨めしきこと侍る女を夜もすがら恨みあかして歸りて侍りけるにいかにしたりけるにか白き帶のつきてまうできたりしを返しつかはすとて〓夢にさば中や絕まし色なしと縹の帶を思ひなしつゝ十月つごもり頃大內にさぶらひしに語らひ侍る女をあひぐして侍りしに罷りいづとて女をもおくりつかはしたる夜霜つねよりもさえて朝の霜白く見え侍りしかば文つかはすとて霜霜ゆる今宵しもなど九重に襲ねし衣ひき別れけむこれかれあまた申すときく女のもとに女郞花につけて遣はしけるおなじくば我にを靡け女郞花ふく秋風は心さだめじ久しう音せぬ男のもとへ怨みつかはしたりけれどもなほ待てど來ざりければ申しつかはしける女にかはりて薄につけて招けども來ぬ夕されは花薄靡初めけむことぞ悔しき時々物申す女波こしてけりと聞きて心うきことなり今は思ひ絕えなむと申して夜もすがら怨みはべしを女も心うしと思へるけしきにぞ泣きふしたるにさしかはしたる方の袖の所せきまで濡れにけるをかへりて見はべるにさすがにあはれにて申しつかはしけるmあやなしや人を戀らむ涙故よその袂を今朝絞りつゝ道にあふといふ心を齋院にて〓殊妹子がせば路にちがふ移香のいつのまにしむ心なる覽たえて久しくなりにける女のもとより五月五日菖蒲につけていひつかはしたりしいよそにのみ人は軒ばの菖蒲草浮根は絕ずかくる袖哉かへし、菖蒲草其ねに爭で身を做て斯といふなる袖を離れじ絕えて久しくなりたる女思ひ出でゝ五月五日に長き根をつかはすとてがぬぬまに生る菖蒲のねを見つゝ湛ふ涙の深さをば知れかへし、小侍從〓懸てだに見ぬまに生る菖蒲草淺き例のねにぞ比ぶる曉戀、右大臣の家の會〓鐘の音を獨ぬる夜も厭へばや逢てふ夢を打覺しつる後朝の心を戀々て君に始て逢初のかへる色とは今朝こそは知れ三朝末明風吹野邊の葛のはも返れば斯や露ぞこぼるゝ明ぬとて歸る淚に暮ぬるを幕ぬと云て猶やゆかまし〓より歸る事とは知ながら今朝は我身に止り初まし送書待戀
1玉玉ををかと思へば妹がりと遣つる使待るゝもよし紀伊守三河守にふるされたる女のそのことを心にかけたる氣色なるを白河なる人の遣しける九八橋とふきあげの濱と忘れずば思ひも出よ白河の里かへし八八橋はふみ絕えにしを今さらに何か蜘手に黒亂れむ袖の氷を思ひやれとて女のもとより流流てて賴むべきには非ねども心にかゝる白河の里かへし〓逢事の滯ればや白河のながれと君はたのまざるらむ寄衣戀我爲は片しく妹がさ夜衣いかなる人に隔てざるらむ近隣戀。立そはぬ時のまぞなき我妹子が聲は隔ぬ中の檜垣を行路戀00留めてしわが心にや變るらむ見し俤に連て來にけり00〓侘〓に夢にだにとて寢しか共偖も見えねばせむ方ぞなきたえて久しくなりたる男のもとへふみつかはしけるに、女にかはりて10時時は踏馴されし道芝の茂りにけりと見るぞ悲しき戀加人知れぬ木のはが下の水なれや我神隱れおつる涙は10思じと思ひけれども消たれぬは我胸に焚く思也けり60麻衣かたの迷ひにもる玉は留めもあへぬ涙なりけりわ人心荒たる宿の庭に生ふる唐蕃かは摘まゝほしきは久しく音づれ侍らぬ女のもとより怨み遣すとて。知ざりき蜑の刈藻に住蟲の名をばいつより我に〓しぞかへし一海士の刈藻に住虫の其名をば君には〓ず我物にして戀の心を一涙川色をば袖にせかれけりやなせに止る紅葉のごとあひ語らひ侍りし女のやう〓〓床離るゝ契となりてもとすみはべりける山里へ送り遺すとてその方ならずとも心長く思へなど申し契りてはべりし人のもとよりいひつかはしける一鳥の子の巢守に止る身也せぼ却りて物は思ざらましかへし返るとも立離るなよ鳥の子の育くむ親と我を賴まばをさなくて見たる女おとなしくなりて後あひ語らひて侍りけるに女郎花に附けてつかはしけるm女郎花其片生はめもたえて花の盛ぞなづさはれぬる戀、左京大夫顯輔の家の歌合〓事事は渚にかへる白浪の猶よりみるやこりずまの浦旅戀妹を置て門出せしより落初し涙も我もえこそ止らね同、左大臣の家の會思いきや妹をとゞめてなく涙庵の下萱浮ぶべしとは七月十日比に人の許へ罷りてあしたに遣しけるな身をつまば今朝の別を彥星も空に哀と思はざらめやかへし〓棚機の契計りも有とみばとはぬ絕間も歎かざらまし久しくおとづれはべらぬ女に十月朔日頃にいまだひらけぬ菊につけてつかはしける君を我秋こそ果ね色變る菊をみよかし開けだにせずかへし、小侍從〓いさやこの開けぬ菊も賴まれず人の心の飽果しよりさて程へて後うつろひたる菊につけてこれよりつかはしける開けぬを秋果ぬとやみし菊の賴む方なく移ひにけりかへし移移はゞ菊計りをぞ怨むべき我心には秋しなければ後朝戀達ぬまに如何と思し疑もなく〓〓今日ぞ人は戀しき戀た日を經つゝ戀しき事は增れ共戀する道にえ社休まね見書增戀にふみゝては色增りぬる我袖や紅染のふりでなるらむ返書戀待々て何心ちせむ玉章を同じさまにて返しえたらば隱傍女戀、法住寺殿の會にてた知らすなよ局並びの下口は物云あしき宮とこそきけ戀遠所人、同0陸奥の金をば戀て堀間なく妹がなまりの忘られぬ哉觀身不言戀三數ならで云出む事を留めつる憂身や戀の關と成らむ女のうちとけたる所におし入れてはべりしにさわぎてはかまをきけるをみて何か其君が下紐結ぶらん心しとけばそれもとけなむ戀の心を人々よみはべりしにつつももききははみえこぬに目馴る物は涙也島冬冬れれ駒打渡す諏訪の海の幾重ともなき人の氷柱は正今はさば戀も死なゝむ死ずとて難面き人の來ても見なくに妹ならば額の髪をふりかけて傳ふ涙を玉とぬかまし七絞りあへぬ花染衣袖白くかへしのみしてあはぬ君哉三下女をこふと云ふことをよみはべりしに〓〓我心なに大原に盡すらむすみよかるべき人の樣かは寄草戀の心をたなどて我よそなる袖を濡すらむをればぞ萩の露もこぼるゝあびかたらふ女怨むる〓とありて山里へ行き隱れなむとするよし聞きて今一度人づてならで物をも申さむとてまかりたるになきよしを申していれざりければおし入りてみるに只今までもありけるさまにてぬぎ捨てたるきぬをみればさすがにあはれとや思ひけむ袖のしをるゝばかり濡れたるをみるにかなしきことかぎりなくて袖に書き附けてかへりけるco今はとて脫置く衣の袖みれば我獨のみ濡さゞりけり二月廿日あまりの程に南殿の花みむとて參りたる折しもある女房の許よりあるかなきかと尋ねに遣したりしかばさぶらふ由を申したりし後音もせざりしかば是よりいひ遣はしける一誠には雲居の花をみむとてや我によそへて空尋せしかへし、小侍從尋ねつる心の中を知ならば花にも斯や恨みられまし其の後又大内にまゐりたるにきゝてはべりし人のもとより尋ねつゝ今日を待つる心をば花を思に猶やなるべきかへし我をのみ日を數へつゝ待けるかあなかまさらば花に聞せじおなじ人のもとへ遣しける100者も猶人傳ならで問みばや花かあらぬか我が事かとかへし加花きかば道が答へま憂事を人傳ならで問はみられじ同じ人のもとへ遣しける1逢逢を越ぬ物から手に懸し〓水か何ぞ袖の濡るゝはかへしxpくみて知れ逢坂山の石〓水手にかけゝるは淺き心を同じ人のもとより唐の櫻のさまをうつしたるなりこゝのに見あはせよとてつくりたる櫻の花を遣したりしかば加唐士の花も爰には渡りけり况て間近き人はいかゞはかへし〇唐唐の花を渡しの船よりも危ふき道は行じとぞ思ふある女に始めて逢ひて物ごしに夜もすがら申し
語らひて歸りて朝に遣しける一逢もせず逢ずも非ぬ今日やさば事有顏に詠め暮さむひおりの日の車の心地こそすれといひ遣したりしかがニけけ社社はは身にも逢て逢ぬ戀とは此を思知ぬれおもひをしるべにせし車はうつゝにてこそこれは世人ことにぞ定めさせまほしくといへり南殿の花床しがりて見せよと申たる女の返しに三しかすがに晝は眩ゆし雲の上の花は夜見よ星の光にかへし54今ぞ知夜花見よと云做して山もる人を留むべしとは女にはじめてあひて朝に遣しける五越越ともえこそ覺えね逢坂の關に心や留めおきけむかへしな急ぎつる氣色に見えぬ相坂の關に心を留めしもせじ藤壺の藤を見せに遣して達事を待よりもげに今朝よりぞ心に繁くかゝる藤波かへし〓〓事事を待にも非ぬ歎きにぞ今朝より藤は懸り初ぬる物申しそめて後二三日おとづれはべらざりしを小侍從がもとよりいひ遣したりしなととかしな憂世中にあり〓〓て心と附くる戀の病をかへし生かばいき死なば後れじ君故に我もつきにし同病ぞ久しく音づれざりし女のもとよりいひ遣しける一忘じと契りし文のもじ並び兼て見えにし斯るべしとはかへし〓三章に書ける文字は君と我並ばむ事を見せしなる覽疑行末戀、歌林苑の會一本迄の事はないひそ逢はぬ間の我心をば我も知ぬに戀の心を命をば逢に替へむと思へ共變るも待で先ぞけぬべき不設被怨戀〓更更にさて逢じとや君ならでいつかは我は新枕せむ欲盜戀夜床をば汀と做て妹をわれ引白波の名をや立たまし曉に人を送りて後に遣しける見えずとも有としらなむ送りつる心は未歸來ぬぞよかへし思思はれぬ雨夜の空に出る身は送る心の影かとも見ず夜戀といふ事を按察の十首の內〓夜もすがら枕を傳ふ涙哉あけての後や袖におつらむ語らひはべりける女久しう音しはべらざりければ絕え果てぬとや思ひけむいと若き新枕をなむしたりと聞きて今音づれざりしかばかれより遣しける〓忍びこし夕紅のまゝならで悔しや何のあくに逢けむかへし〓。ののくをばまたで紫の若根に移るこゝろとぞ聞く一會之後不會戀、歌林苑の會よしよしさらば强ても戀じ逢事を一夜てふ名は誰か苦き戀、經正朝臣の家の歌合誠にや戀の病を何と此それか彼かと來つゝとふらん七辿りえの涙の河の淺きせを妹がふみ見る時ぞ知ぬる古は三垣が原に芹摘し人もかくこそそでは濡れけめ乍隨不會戀、法住寺殿の會袖ひけば道によりて難面きや寬ぐ物のぬけぬなる覽七被忘人戀七君をおもふ人の心のかはらなむさらばや我と新枕せむ戀自我下人我〓と知ずや有む賤の女がつゞれる袖に附ける墨をば戀、若狭三位の歌合七えん戀しなむ後は烟と昇りなば涙しぐるゝ雲とや成らむ絕えて久しくなりたる女又語らひたる人に忘られにけりと聞きて後あひて野中の〓水の心地してものなど申して後かれより遺したりしすむとしもなくて過にし忘水何故さても思ひ出けむかへし〓人も皆掬ぶなれども忘水我のみあかぬ心地こそすれ橋上待人妹を爭で木曾路の橋に待かけむよく方もなき道と社聞け戀東西人〓生野こそいくかひ無て歸されめなどや近江の逢人のなき老後戀〓事事ぞ待で消ぬべきさらぬだに殘少き我身と思へば年老いて後むかひわたりなりける女をやさしきさまにはあらで申し語らひて後遣しける〓心をば向ひの岸に懸れ共よせぬは老の波にぞ有けるかへし老の波遂に寄べき岸なれば其方を忍ぶ身とは知ずやおなじ人のもとに遣しけるい年ふりて色變りぬる黑髪のあらぬ筋なる物を社思へかへし朝寢髪さこそは老の亂るらめ鏡の影のかはるすぢにも同じ人のもとより五月五日菖蒲草にはあらぬ草につけて遣しけるか今日とても問ぬ菖蒲の憂中に非ぬ筋こそ嬉しかりけれかへし引引せてねぞ見まほしき菖蒲草非ぬ筋をば思返して逐夜增戀の心を一日をへつゝ添るつらさを重荷にて悶え果べき心ち社すれ祈佛戀ニ人人ううまさに猶祈り見む戀の病もさめざらめやは雜世の中に思はずなる事のみありて京には住ひわびて和泉なる所に籠り居てはべりしに岡崎の三位六位にてはべりし時內藏人になりぬと聞きてよろこびいひ遣すとてニ君君爲爲しき事の日曜日き嬉しきに我歎をば歎きしもせじかへし嬉しさを嬉しと思はゞ思ひ知れ君が歎を歎き皇とは九藏人おりて次の日女房のもとへ遣しける思ひやれ雲居の月になれ〓〓て暗き伏屋に歸る心をかへし〓の上に心を深く留めおかばすむ月影も哀とぞ見む地下にはべりし時內より歌をたび〓〓召されて參らするとて女房のもとへ遣しける言言葉葉葉葉下〓風にちらしあげて谷隱れなる我歎き哉大内の守護ながら殿上ゆるされぬ事を思はぬにしもなかりける頃行幸なりてはべりけるに大宿直なる家にかくれゐてはべるに月のあかゝりければ丹後の內侍のもとへ遣しけるハ人人知れぬ大內山の山守は木隱れてのみ月を見るかなかへしかいつの間に月見ぬ〓とを歎く覽光長閑き御代に逢つゝかくてのみ過ぐるほどに世かはりて當今の御とき殿上ゆるされてこれかれより祝の歌よみて遣す中に中宮亮重家がもとより遣しける○誠にや木隱れたりし山守の今はたち出て月を見る哉かへし。そよやげに木隱れたりし山守を顯す月も有ける物を同じ頃皇后宮權大夫顯長のもとよりよろこび云ひ遣すとて。此春や思ひゝらけて九重の雲居の櫻わがものと見む
かへし。0ちるをのみ待し櫻を今よりは雲の上にて惜むべき哉二代の御門に昇殿してはべりし時三位大進〓輔朝臣の許より遣したりし°立歸る雲居のたづに言づてむ獨澤邊になくと告なむかへし10諸共に雲居を戀るたづならば我言傳をなれや待まし蓮花王院の執行靜賢おなじ頃慶ひ申し遣すとて加木隱にもりこし月を雲居にて思事なくいかに見らむかへしto木隱れと何歎きけむ二よまで雲の上にて見ける月故右少辨親宗おなじ頃悅び申し遺すとて60若月の出で始めたる雲居にはまだ朧げの人は通はずかへしね。永きよに出で始めたる月影に近づく雲の上ぞ嬉しき正下の加階してはべりし時右馬權頭隆信がもとよりよろこび云ひ遣すとて。和歌浦に立昇るなる波の音はこさるゝ身にも嬉しとぞ聞かへし一いかにして立昇る覽越ゆべしと思もよらぬ若の浦波加階の後ほどなく殿上仕うまつりたるを聞きて少納言資隆がもとより悅び申し遣すとて一位山登るにかねて著かりき雲の上までゆかむ物とはかへしニ翁翁びはふ〓〓登る位山くも蹈む程に爭でなるらむ同じよろこびの時中宮の大盤所よりとて位山高くなりぬと見し程にやがて雲居に昇る嬉しさかへし一りりししのの上も年の高さに合ずとぞ思ふ殿上のことを聞きて女房大輔がもとよりよろこび遣すとてなよそにきく袖にも餘る嬉しさを包み敢ずや天の羽衣かへし〓ををたたた社社ふれ嬉しさを重ねて包む袖の狹きに程なく悅びをふたゝびしてはべりし頃三位大進〓輔朝臣のもとよりんいかばかり袂もせばく思ふらむ雲居に昇る鶴の毛衣かへしが知けりな雲居をおりて鳴たづの立昇るまで思ふ心を昇殿の時これかれより慶びの歌ども遣しけるに前大納言實定の遲くいひ遣しければこれより〓雲の上を思ひ絕にし放ち鳥翅おひぬる心ちこそすれかへし一雲上に千代も八千代も遊べき鶴は久き物としらなむ祝言のついでにも昔思ひ出でられてこそとてかれより遺しける二木隱れて見し夜の月の變らずば同雲居を哀とや思ふかへし三十隱て其夜の月に馴にしも雲居を見ては哀とぞ思ふ年の内に五位の上トをして正月に四位をしてはべる悅びいひ遣すとて、中宮亮重家にあけ衣色をそんにし紫の今ひとしほやまして嬉しきかへし色そへし袖につゝみし嬉しさを紫こそは餘りぬる哉昇殿の後四位してはべりし時亮君顯昭よろこびいひ遣すとてた道理や雲居に昇る君なれば星の位もまさるなりけりかへし見えにけむ星の位も雲上に昇りし折に昇るべしとは誰ともなくてさし置きたる文を見れば心いかにして野中の〓水思出て忘るゝ計又なりぬらむ其の後誰とも知らで女のしわざにこそはと思ひ集劑政頼位三從し程に別當入道大谷にまかりしにおとし文や見しそれは我がしたりしなりとありしかば歸りて遣しけるた淺かりし野中の〓水忘ぬは又夏草を分くとしらなむ女院百日の御懺法のはて僧の布旋にわらはべのさうぞくをして參らするに水干さうぞくをしたしき人々一具づゝして遣す中に中宮權大進重家が遣したる殊に珍しく見えはべりしかば遣したる返事に申しける0番音川堰入るゝのみか水干すに人の心は見えけむ物をかへし『音羽川淺き心は見えわるを堰入し水によそへざらなむ是は伊勢が敦忠の中納言の山庄に瀧おとしたる岩にかきつけたりける歌を思ひ出でゝよみたりけるにや始めてあひたる女に正月朔日の日子日の松を遣すとて三今日よりは君と子日の松をこそ思ふ例に人も引らめ別當入道大谷におはすと聞きて四月十日頃にまかりたりしに松に藤の花咲きかゝりておもしろかりしかば歸りて後遣ける一松になほ殘りやしけむ藤の花返る心にかけてし物をかへし三藤の花心にかけば又もやと待つ事のみぞ常磐也ける從下なる事を歎きはべる頃よめる思いきや雲の梯おりしよりしもが下にて有む物とは述懷、敦賴の住吉の歌合知徒に年を津守の濱に生ふる松ぞ我身のたぐひ也ける三別當入道大谷を人に隱れて出でられにけると聞きでそことも聞かざりしにほの〓〓坐する所を聞きつけて誰ともなき文をさしおかせ侍りにし覺束な谷より出る爲もそこにありとは聞かする物をすなばちかへりごとはなくて程へてかれより遣したりしヘヘ答へせぬみ山隱れの山彥の思ふ心を知らずやある覽かへし加答へばぞそこともきかむ山彥の思ふ心は如何知べき昔今のことをつく〓〓思ひ續くるに哀なることもまじりてはべりけむco色々に思ひ集むる言の葉に淚の露のおくもありけり別當入道ことありて後とぶらひ申すこともなくて過ぎにけるをのぼりて程へて後山里の寂しさいかゝなど申し遣したる返事に「寂しさをとふべき事と思ひける人の心を今年知ぬるかへし一さささささはは有しと人知れず歎し事は今年のみかは鳥羽院かくれさせ給ひて後歌林苑にて人々懷舊といふ心をよみはべりけるによめる昔わが詠めし月の入しより世にふる道は踏違へとや寶莊嚴院になべてならぬ梅ありと聞きて執行靜賢におろし枝をこひに遣したるに今年はえあらじ明春たばらむと申したる返事によめる賴むとも又來む年の春迄は梅のえまたじ殘なき身はかへし10色色香も心に深く染つれば梢はるかに君ぞ見るべき年老いたる人の五月十日頃に虛橘のありけるを隣なる人のもとへ遣すとて折櫃の堅紙に書きつけて遣はしける相橘は花の咲迄ありけるに老ぬる身こそ止るまじけれかへし40時過ぎて猶盛なる橘をゝる人の身によそへてぞ見る小侍從尼になりけると聞きて遣しける
Al我我先出べき道に先だてゝ慕ふべしとは思ざりしをかへし加後れじと契りし事をまつ程に休らふ道も誰故にぞは帥中納言顯時卿の子四人昇殿せさせられたる由を聞きてof雲ゐ迄迄昇る子はいかなる巢より立始けむかへしニ引連て雲居に昇るたづの子は三熊野に住驗とを知れ熊野につかうまつれる人なりければかく詠まれたるにや少輔別當入道空仁と申す歌よむものはべるを年頃聞き渡りはべるかれも聞きて互にいかであひ見てしがなと思ひける程に歌林苑にて人麿が影供しはべりける日逢ひて歌よみなどしてのち程經ていひ遣しけるニ音音ののきき〓聞れつゝ過々て見きな我見き其後はいかにかへし三戀戀で見き我見えき其後は忍びぞ兼る君はさに非じ上達部殿上人あまた大內の花見られはべりしに三位大進〓輔文をかきてさし遣したるを見れば朝夕になれし昔の百敷や花のたよりに見るぞ露けきかへし一頭にけむ昔を忍ぶ袖の上に落る花もや露けかるらむ岡崎の三位の病にわづらひて出家のよしを聞きてとぶらひ遣すとてよめる極三年まで君に先だつ身なれども眞の道に入後れぬるかへしセかかりゆく羊の歩近ければ急ぎ入ぬる道と知らなむ同じ入道のもとより筆を遣すとて包紙に書きつけてはべりけるA5遣方に筆に涙ぞこぼれぬる我あらば社書きも交さめかへしなこぼるらむ涙に類ふ水莖を我目の前に懸てこそ見れある女のもとへ山の端に月いらむとする程かきたる扇を遣すとて山端に入なむとする月影を我によそへて哀とも見よかへし「千代迄と君によそへて見内ぞ山端缺けて入ずも有なむ別當入道山里におはする所に尋ねまかりたりしに昔のことゞもなど語りつゝあはれつきせで歸りて後かれより故院の北面の車などのみ面影にこそ立ちしかとて有しよの君や形見に止るらむ先見しまゝに昔覺えしかへし世世變變姿ああぬ君れば我も昔の形見とぞ見し少輔入道素覺年頃の妻におくれて歎くと聞きてとぶらひ遣すとて程程ななき頭の雪を持ながら先に消ゆるを哀とぞ思ふかへし末の露本の雫はけふならず憂世の上と見るぞ悲しき其の後ほどもなく入道もうせはべりにけり九月廿日あまりの程に天王寺へ參りてはベりしに伊賀入道爲業がもとよりこもりてはべりけるがかくと聞きて遣はしたりし〓君來ずば誰にみせまし津の國の難波わたりの秋の景色をかへし状心ある君ましければ共に社難波わたりの景色をも見め又女房大輔が參りたりけるがかくと聞きていひ遣したりし底〓み掬ぶ龜井の水すみて心の垢をすゝぎはてつるかへしか手に掬ぶ龜井の水は西の海も渡す心を進めざらめや集卿政賴位三從此のことを伊賀入道聞きていひ遣しける七西の海に渡す心の月の舟福井よりこそすみ昇るらめ。かへし〓我心龜井にすめど西へゆく月の舟にそ乘返りわぬる又是より入道のもとへ遣しける諸共にいざさばゆかむ極樂の門むかひなる處也けりかへし沖沖波ささだてゝ〓き海の舟出急がむ西の門より其の後入道のぼりぬと聞きて曉におひて遣しけるわたのべにて舟にのる所にてよみはべりける都へは我は急がずなはの海の彼方の岸へ行かまほじょ七かへし彼岸へ行かまほしさは我もあれば都の方は急がれの哉ことぢといふ歌うたひ念佛所にて終夜歌うたひてきりじといふ朝經よみなどせしを伊賀入道聞き興に入りて我門といふ催馬樂うたひなどして忘れがたくして思ひ給ふことを門むかひとよみはべりしことなどを思ひ出でられけるにやのぼりて後入道のもとより歌三首よみて遣したりける七行行くつとめてゐたる極樂の門迎ひこそ思ひ出けれせ出出やや秋のきりしの法の聲立ゐに附て忘やはするメル淺昇る夜の〓とぢは松風をきく心地して身にぞ泌ける返歌三首を一首にかきて芝琴音音音ききりしがのりも立聞し我事をさへ我ぞ忘ぬある人のもとに雉を遣すとて申し遣しけんの此を見よ人もさこそは妻戀る春の雉子のなれる姿を返し人にかはりて、女房大輔〓我は唯かりの憂世ぞ哀なる春の雉子のなれる樣にも和歌所に人々あつまりて夜もすがら歌よみ連歌などして遊ばれ侍りしに隣なりける翁たび〓〓呼ばれければ參りて人なみ〓〓にまじろひはべるにある宮ばらの女房二三人を引物のうちに据ゑて同じく連歌などして今よりはながく知り人にせむなど申し語らひて夜もやう〓〓明け方になりにしかば罷り歸りて後二三日ばかりありて一人がもとへ遣しけるニ君に逢て歸りにしより昔せし戀にさにたる物を社思へかへし我はいさ昔も知ず飽ざりし名殘は其に始めてぞ思ふこれを聞きて今ひとりの女房さにたると云ふことをいま〓〓しがりてさ文字をば聞かじと云ひければさらば詠みこそなほさめとてmしあらば早ぞけなまし其かみの戀にはさ似ぬ我思哉かへしななとやさはさ似ると聞し古を厭けるさへ今は戀しき相知りてはべる女わづらふことありけるが久しくをこたらざりければ日野にこもりて日頃になりぬるよしを聞きておぼつかなさに人を遣すとて申し遣しはべりける〓ささ日の出る方に妹を置て明れば山の端をぞ詠むる大夫公俊惠が坊に方違へに罷りたりし夜雨のふりはべりしに坊主のもとよりいひ遣しはべりしか月もれど踈らに葺る閨の上に綾なく雨や溜らざる覧かへし生からぞ思知らるゝ雨のもる閨の板間の月の故かも南殿の花ゆかしかりける人に見せて後より長き知り人にせむなど契りて久しく音づれはべらざりしかば霜月の廿日餘りのほどにいひ遣しけるか來む春は雲居の花を待つけてなれ故有し事と語らむかへしcoなれ故と雲居の花の卿たれば散に散てや逃むとす覽
岡崎の三位人道のもとに壁に瀧のかたを書きてその瀧の下よりまことの水を落しつぎたり遠くて見ればたゞ同じ水の落ちたるやうに見えしを見てまかりて遣しける〓現にも壁にも同し瀧を見て寢ても覺ても忘られぬ哉かへしニ夢の世に壁より落る瀧の糸を君が心に懸けりやさはあひ知りてはべる女房二月十日頃に大宮にさふらふよしを聞さていひ遣しける一春ながら秋のみ山に入人は紅葉を戀て花を見じとやかへし九西あだに見し花のつらさに春乍ら秋のみ山を出ぞ煩ふ如渡得船九五彼岸を願ふ心やしるからむ嬉しくよする法の舟かな人磨影供の前にて一品經供養人々せられはべりしに勸持品のこゝろをかけふ社あれ終は佛と思ふをば知でや我を恨み顏なる化城喩品假の宮に暫し体むる知べあれば終に眞の道に來に身やさしき方にはあらで申し語らひける女の許より雪のふりたりける朝に遣したりしM朝戶明て待れやせまし降雨の訪べき人の有身也せばかへし.朝朝明る程には行じ今朝の雪の積れば暮に踏分てこそ獨のみ明しくらすころ大夫公俊惠がもとよりとぶらひ遣してはべりける文に。身をつめば如何はすらむ獨寢て片敷袖の冴る雷夜にかへし。僞の身をばえつまじつむならば獨は寢じと思遣らなむ甲斐大進爲基がもとより故帥大納言集を尋ねに遺したりし折しも大事なる所勞ありて人してかゝせて遣しける。○ささを誰かは君に語らまし昔のあとを尋ねざりせばかへしcoありなしを且は形見に聞やとて昔の跡を尋ぬ計りぞ鳥羽院にはべりし時光信が許より櫻花を遣してcoみなもとは同じ梢の花なれば匂ふあたりの懷しき哉かへし10げにや皆もとは一つの花なれば末々也と思ひ放つな敦賴入道西宮にて歌合しはべりしに海上眺望の心をよめるお渡つ海を空に紛へて漕船の雲の絕間のせとに入ぬるおなじ歌合に述懷をよめるto思へたゞ神にもあらぬ夷だに知るなる物を人の哀はおなじ心を○○常に我願ふ方にしますときく神を賴むは此世のみかは年頃かたらひはべりける女都や住み憂かりけむ男に具してあづまの方へまかりける日ことさらにかたみにもせむと着ならしたる物ひとつと請ひければ遣すとて加とに斯に我身になるゝ物をしも放造りつる事ぞ悲しきかへし。放たるゝ我身になるゝ唐衣心しあらばなれも悲しや集岐議院條二二條院讚岐集内裏に柳垂といふことを一靑柳の靡く下校に掃きてけり吹く春風や伴の宮つこ關路霞我はさぞ知せで過ば見えざらむ霞に紛ふ不破の關守花によろこびの色ありニおのが咲く雲居に君を待附けて思ひせきもる花櫻哉常よりも山のは白き屠は夜の間に咲ける櫻なりけり花留客人一暫しとも我は留めじ春の内はきとこむ人を花に任せて二條院生中の御時月のあかゝりける夜終夜南殿の花御覽じて曉ちかくなりて里へ出でゝ次の日參らせたりし花ならず月も見置し雲の上に心計りは出ずとを知れ御返し出しより空に知りにき花の色も月も心に入ぬ君とは同じころ雨の降りし日南殿の花の庭の水にうつりたりしを見てヘ庭たづみ映さゞりせば雲上に又類ある花と見ましや花のさかりに心ならず里へ出でしに參らせけるがあかずして雲居の花にめかるれば心空なる春の夕暮御返し御製〓いつとても雲居の櫻なかりせば心空なる〓とは有じな夜ひる花を思ふ一散る花の見えぬ計りぞ惜みける心は晝に變らざり島賀茂の歌合に一義霞分け行くまゝに尾上なる松の綠ぞ色まさりける花一一於初で我世に散らぬ花ならば飽ぬ心の程は見てまし里に居て後に花はいかヾなど內わたりへ尋ねける次でに思きや雲居の花の咲き咲かず人傳にのみ聞む物とはよこぶ鳥くる人もなき物故に呼子鳥なれとならしの山に鳴覽つゝじ道をはさむ孰方もちらさで行かむ岩鄰躅左も右も捲りでにして雨後躑躅七春雨に萎れ〓〓て岩躑IISるゝ今日こそ色増りけれ春の暮の歌あまた詠みたりし次でに身一つの歎きならねば暮て行春の別をとふ人ぞなきた今はとて別るゝ春の夕霞こよひばかりや夏を隔てむ就くにか暮ぬる春は止る覧年は我身にそふと知にき一情みつる春を限と思には殘れる花もみるそらぞなき郭公『鳴捨てゝ雲路過ぎ行く郭公今一こゑは遠ざかるなり旅のやどりの郭公もろともに旅ねする夜は郭公梢やなれが庵なるらむ〓ななすす太太の杜の時鳥いつ里なれて宿にきなかむ遠村卯花里達みまだ咲やらぬ卯花や晒しもやらぬ布とみゆ覽尋ねてあやめを引く長きねは他ぬ心を知べにてまだ知ぬまの菖蒲をぞ引年毎に葵をかくに憑みこしそのかみ山の葵草思へばかけぬ年のなき哉雨の後の早苗スター名殘なく晴めめれとも早苗取田子の小笠はぬぐ由もなし曉のともし知思きや鹿にも逢ぬ照射すと有明の月を待ちつべしとは蚊遣火つきぬoささ社は短き夜半の友ならめふすかともなく消る蚊遣火更くる夜の鵜河さきた河下す鵜舟にさす棹の音泣る迄夜は更にけり古里の橘一橋の花吹く風をとめくれば珍らしげなき砌なりけりたけのうちの螢三河竹のよ毎にともす等火は宿る螢のひかりなりけり
泉にむかうて友を待つ獨獨のみ岩井の水を掬びつゝ底なる影も君を待つらし月前のなでしこ照る月の光を霜とおきながら盛りにみゆる床夏の花水雞いづれのかたぞ相模の戶を明ぬ音にや著からむ水雞はそこを控けりとはth風そよぐ楢の木蔭に立よれば薄き衣ぞ先しられける萩花露おもし〓秋萩はこぼるゝ露の滋ければ折ふす枝を他迄ぞ見る薄の風に靡くを見て吹ぬるは靡かぬにこそ花ずゝき風に隨ふ心とはみれ荻のこゑに夢おどろく二軒近き荻の上葉の音せずば心とさむる夢にぞ有まし庭前刈萱ニ契契れれ野邊の刈費移し植て思亂るゝ友となしつる萩をエしがらめば花も散覽小萩咲のべには鹿をすませずもがな寺靜にして蟲の聲をきく鐘をだに打忘れにし山寺に入相は蟲の聲のみぞきく月暮ぬとて待つる月の影〓み出れば晝に又なりにけり五雲間月一ままらぬ雲の絕間の月影は消て又ふる雪かとぞみる時雨誓計りよはの木のはに類へ共時雨は庭に積らざり身時雨のうちの鷹狩11時時とて留めやはする御狩のゝ狩場の小野に飽ぬ心は十月ばかりによもすがら木の葉の散りければAM明果ば偖だにもみむ木葉ちる庭をば霜の置な隱しそな難難潟汀の芦は霜がれてなだの捨舟あらはれにけり〇六鳥の上毛の霜は拂へども下の氷やとくる間もなき寄石戀〓我戀は汐干に見えぬ沖の石の人社知ね乾く間ぞなき曉の別を明ぬれどまだ後朝になり遣で人の袖をも濡しつる哉はじめは思はで後思ふ戀今更に戀しといふも賴まれず是も心の變ると思へば一一ととよよれれし床の小筵に頓ても塵の積りぬる哉今更にいかゞはすべき新枕年の三年は待わびぬとも賴むれば涙の河も淀みけり人の情やゐせきなるらむ眼の前に變る心を白露の消えばともにと何思ひけむ逢と見る夢を覺つる悔しさに又睡ろめど叶はざり身校と共に〓水に袖は濡せども越るよもなき相坂の關c〓今はさば何と命をかけよとて夢にも人の見えずなる覽雨中歸戀一徒に歸る空より降る雨は分けて袖こそ濡れ增りけれ短き夜を恨むる戀一夏の夜を何歎くらむ只管に行て逢見ぬ時もこそあれ昔見ける人にあひたる人にかはりて中絶し野なかの水の行末に流れあひても濡るゝ袖哉忍びて心をかよはす戀比人知れず下に行かふ芦のねや君と我とが心なるらむ白地にはるかなる所へまかりたりしに都なる人の許より斯しのみ絕て命のあらばこそ叶はぬまでも待試みめ返し5待兼て堪ずなりなむ命をも我あらばこそ哀ともみめ仁和寺の女院にさぶらふ人の許より獨寢など度々申し遣す返事に七女女郎花亂るゝ野邊に入しより片數よはゝ有じとぞ思ふ返し一人郎郎亂るゝ野べにめもたゝて我故〓の花ぞ戀しき集岐讃院條二寄蟲戀我戀はをちのにすだく蟲なれや啼とも人のしらば社有め初めたる戀のうた詠みあひたりしに〓思ひかね今日いひそむる玉章に絕ぬ契を結びつる哉形見を留めて隱れたる戀そそとだに知せでいにし我せこが留る笛の音にぞ泣ぬる歌によりて增る戀いうしと思ふ人の心を種とする言のはをしも見ぞ悲き述ノ懷、賀茂の歌合云でのみ憑ぞ渡るよそ乍ら御手洗河の音に立たねど內々に懷を述ぶる心をあまた詠みあひたりしに我も又ふりなむ〓との近ければ長柄の橋をよそにやはきく春春山生そふ松の枝毎に木高くならむ蔭をこそまて遠ざかるその古の戀しきに何行末のちかくなるらむ人の袖をもといふ歌を御覽じて御製いささるゝ北袂には非ねども聞に朽なむとぞはかなき御かへし數ならぬ涙もいかにしられまし人の袂を濡さゞりせば中宮の御方に渡らせ給ひて女房のから衣をとりておはしましたりしを尋ぬる人もなかりしかば二三日ばかりありて返しおかせ給ふとて結びつけよと仰せられしかばか思ひかね返しつる哉唐衣夢にもみゆる主や有るとて三河の內侍の歌をよしなど人々申しあひたりしかば遣しける〓花の香の身にしむ計句ふ哉いかなる家の風にか有らむ返し一春の內に匂ひ計の花の香をいかなる家の風とかはみる三河の內侍人よりはことに賴むなど云はれしに今よりはたのみ渡らむ八橋の下の心は我もしらねどあり所しらねばいはぬなど申しける人に遣さむとて人の申しけるに代りてミ渡渡海底底知ざらむみるめ絕ぬる心也せば春の頃こむと賴めたる人のさもなかりければ夢に見えけるしるしもなきこゝちして春夜の夢には人の見えしかどまさしからでも過にける哉かへし〓春夜の夢にしげにも見えたらばまさしからでは如何有べき白地に立ち離れたる人のもとより逢みても有ぬべしやと心みに立離るれは濡るゝ袖哉かへし〓みみでも有べき事のあればこそ兼て心を試みるらむ思〓とありける頃忍びて住む所の庭草も打ち拂ふともなかりければ露の繁くおきたりけるをみてAu思ふとしげみの庭の草のはに涙の露はおき餘りけりしたしき人の年頃うとくて過ぐるに一つわたりにあひていひ遣したりし大殿三川言のはの露計りだに懸よかし草の緣りの數ならず共返し○紫の色に出ては云ねども草のゆかりを忘れやはする雨中の遠き草といふ事を。雨降れは思ひこそやれ和泉なる信太の杜の下の蔭草壽量品の心を。けけ聞けば光もふるき月影を出る初めと思ひける哉淺茅原となりにける所に花の殘りて咲きてはべりけるををりて人に遣したりければ〓思思きや花も我身も後れゐて有し昔を恐ぶべしとはよをへだつる水雞00槇の戶を叩く水雞に驚けばねぬ夜數なる初の夏郭公を待つ10年ごとにまたぬうきのみ先だちて心もとなき時鳥哉加郭公鳴きつる空の五月雨に濡れぬる袖も懷しきかな集岐讚院條二九七ーハ二
門をあけぬ戀to明やらぬ眞木の戶ざしを待程に橫雲渡る山端ぞうきいづみにて〓他ず猶掬ぶいづみに程ふれば心の中に秋は來にけり雨後郭公わ五月雨に雲間の月のはれ行くを暫し待ちける時鳥哉曉月大かたに秋のねざめの露けくは又たが袖に有明の月か友づれにこしその數もたらずして泣々今や歸屬がね三月盡〓身に積る年の暮にも勝りけりけふ計りなる春の歎は夏衣がへ一惜こし花の袂は其ながら浮身し更ふるけふと成ばやうの花一徒らに咲てや散らむ山賤の身の卯花はをりも知ねばあふひ三いかなれば其かみ山の萎草年はふれども二葉なる覽曉のほとゝぎす夜もすがら待たれ〓〓て時鳥聲ほの〓〓と啼渡る哉早苗一早苗とる山田の主ぞ老にけるこむ秋迄の命いかにぞ花たちばな転軒き花橋はいにしへを忍ぶの草のつまとこそみれに移し植ぬ此國ならば見ましやは花橘はかく匂ふとも蚊遣火夏夏れれむろのや島の里人も猶蚊遣火や思立つらむとほきむらの蚊遣火だけさみればをの山賤もあれやこの芹生の里に立る蚊造火なごしのはらへ20視河流るゝみをの瀨に早く身にしむ風は先立にけり秋たのいへのたつあき三山田守るすこが麻衣一へにてけさ立秋の風はいかにぞ七夕のゆふべのこゝろなな〓〓にこの夕暮や七夕の思ふ心を盡しはつらむ萩萩が花重げにみゆる露計散さむ風はさも有らばあれやしろの邊の月集從侍小小侍從集〔待害侍從集〕春たつ春のこゝろ一春立と知でもみばや天の原霞むは今朝の思なしかと改まる春はけさかと思ふより出る日影も珍らしき哉左大將の家の百首のうち、山ざとのたつ春一とけぬなる筧の水の音づれに春知初むる深山べの里うぐひすけふとても憂身は春のよそなれば外に啼なり鶯の聲1折折にしまずもある哉梅が香の思ふ心の深さ計りはさくらか年ふとも散で櫻の花ならば目馴て斯や惜まざらましうみの邊の散る花ちち花を吹上の濱の風ならば又も梢に返りさかせよそま人に山の花をたづぬ〓問へど此賤男は過ぬ我身にも負ぬ櫻の花はいさとて歸鴈〓生吉と跡垂初めし其かみに月や變らぬ今宵なるらむ〓〓月前のとほきこゝろ厭ふらむくめぢの神の心まで思造らるゝ夜はの月哉月ゆくみちをおくる〓〓送送る雲ゐの月のくもるまは我影だにもそはぬ旅哉水の邊の月隈もなき日影映す今宵こそ朧の〓水名ぞかはりけれもみぢ山にみつAN 作原時雨るまゝに常磐木の稀也けるも今こそはみれ紅葉限有り有秋はゆくとも紅葉散る龍田の河に柵もがなまつ紅葉をへだつ95折つれば松は我とや思ふらむ隙に紅葉の色をみむとて秋のくれ「けふ暮る秋の形見や是ならむ置もあだなる露の白玉冬はじめの冬一初時雨寢覺の床に音づれてもらぬに濡るゝ片數の袖旅のとまりの時雨草枕おなじ旅ねの袖に又夜はの時雨も宿はかりけり雪かき曇り天ぎる雪のふる里を積らぬ先に訪人もがな四一枝繁き信太の森の蔭のみやけふ降雪の積らざるらむ氷水上や薄らふならむさよ更て筧にうつる水稀になる百首の歌のなかにたきのそこの水山陽人も訪ひこぬ瀧水は氷柱にのみぞ結ばれにける水鳥No氷しく汀の隙やせばからむ群れゐる鳥の飛分れぬる山家のあらし麗にも尾上の鐘は響きけり霜はかりぞと何思ひけむ百首の2/3,たかゞり、日くれぬonみ狩する交野の眞柴折敷て旅ねをすべき今宵也けりとしの暮五算れば物うかるべきけふをしも年暮めとて何急ぐらむ戀三まつ宵に更行く鐘の聲きけばあかぬ別の雞は物かは三君戀ふと浮ぬる玉のさよ更ていかなる妻に結ばれぬ覽朝朝にかはる鏡の影みれば思はぬ影のかひもなき哉五T思思りみつの柏にとふ〓との沈むにうくは涙なりけり〓今こそは逢夜に逢と見し夢を云ぬにいむと思合すれ五長らへばさり共とこそ思つれけふを我身の限也けりAM今こそは絕果ぬとも君故にとまる心は身をも離れじカル垂乳めは戀に命替べしとしらでや我を生し立けむつつななつれなさは君のみならず斯計り思ふに堪ぬ命有けり夜まさる戀"いかにねし時ぞや夢に見し事は其さへに社忘られにけれ雨によりてまさる戀〓むむば待夜の雨の明方にをやむしも社つらく聞ゆるたがひに思ひしらする戀ささををれれで思ひし心をば習ずながら有し計りにかどをすぐるにいらぬ戀はよきぬなり元みし道を忘れねば歩み留る胸早めて身を觀じていひいでぬ戀猿澤の池に靡きし玉藻こそかゝる歎の果ときゝしか夢の中にちぎるこひ見し夢を覺ぬ頓ての現にてけふと賴めし暮を待ばや源氏によする戀箒木の有し伏やを思ふにもうかりし雞の音社忘れね神樂によする戀下鉄人心はなだの帶のさればこそ兼て思ひしなかた木によする戀
かいかなれは朽ぬる袖ぞ波懸る岩根の松もさて社はあれとしの暮の戀○ヒ恨みむも早晩なればあすよりは云でや門の松と見えまし道心をおこす戀〓嬉しくも戀路に感ふ足柄のうき世を背く方へ入ぬる雜高倉院位のおほん時てうきんの行幸に御笛はじめてあるべしといふさだめに人々あまた參りて萬歲樂一つばかりふかせ給ふあけがたに歸りて人々の御なかにとて、左大將一笛の音の萬代までと聞えしに山も答ふる心ちせし哉御まへにさぶらふにおほん返しつかうまつれとおほせごとあれば三萬代と初音の笛にならのせて末を三笠の山や答ふる正月七日中宮の御かたへ若菜まゐらせ給ふにまうけの君いはひ申せと人々ありしかば七生生む二葉の末を今年よりこは三熊野の若菜とをしれうへおほんかぜのけむづかしくおはしましたるにさま〓〓の物みゆ歌よみたらばなほるべしと仰せごとあれば君君代代はこしの里人數そひてたえず供ふる貢物かな建春門院の御かたの詞記三味に聽聞に參れとあれば參りたるに一院も同じおほん方におはしますほどなり內へ參りて又の日これより七泊りゐて返らぬけふの心をそ美む物と我はなりぬる御返し世の常の栖を洞の內にして返らむ人と君をなさはや左大將の三條の家に大宮おはしますころなわばあそびまゐらせてかへらせ給ひしかば久しく音なきにこれよりMかままの池にぞ絕し自らをよそなる物と何思けむおほんかへしか勝またのいけらむ限り忘れめや又鳥のゐる世に返る共七おなじ人月おもしろき夜ぐしてあそびてつとめてあれよりの習ひにきあかぬ別の曉もかゝる名殘はなかりし物をおほんかへし〓これぞげに例はあらめ古のあかぬ別は身をも怨みき久我のおほいとのしのびて物申すころ五月なかばのほどよし程なきにとて久我に二三日あそびて歸りたるにあれより一ささああ名也皇夏のひも見程有りと覺えやはせし返しシ思わび絕る命もある物をあふ名のみやは儚かるべきおなじひとのもとへ月をながめて詠むらむ同じ月をば見る物をかはすに通ふ心也せば返し〓今宵我とはれましやは月をみて通ふ心の空に著くばおなじ人久我にて篝などともしておもしろきあそびありしのち久しく音なきに衰いつよかはの篝かげきえて有し思の果ときかれむ同じ人のもとよりひがことを聞きてうらみつかはして見ぐるしかりし文どもかへしたべといひつかはしたるに思へ唯この言の葉を返しては何にかくべき露の命そ修理大夫つねもり宮のすけにてつねに申しかはすに久しく音づれねば〓忘るゝは同じ浮名のこれは唯悔しき〓とのそはぬ計ぞかへしが悔しさのそふ計にも馴にせば忘る迄に間ざらめやは左兵衞督しげのりのもとへ七月二つあるとしの七月七日集從侍小0天天星星には如何定むらむ思絕ゆべきけふの暮かは隆信かねてより九日十三夜もろともにみむと契りて人々にさそはれて外にてあそびて又の日一人しれぬ心は更にあくがれて思はぬ里の月をみし哉かへし一兩降どわびたづねにし月影をいかなる里にさは詠めけむ前の左衞督公光ありかしらせずと怨み遣したるにみわのやまならずともさふらふらむといひ遣したるに程なくたづねて人つかはしてまつらむと何を印の杉にてか心もしらぬ宿を尋ねむかへし一人人らら心心の內の松のみぞ杉にもまさる印なりけるおほいのみかどの右大臣かくれさせたまひて大宮へ人々の御なかにとて深深山木の賴みし影もかひなくて溜らぬ雨とふる淚哉おほいのみかどの少將宮へまゐりて尋ねさせ給ふにいでぬと申せばまちかねていづとて局なる硯のふたにかきつけたまひしかいとせめて待は苦しき物ぞとは昔は君も思知りけむ返しやがてまゐりあひて等等にまつとはすとも君はよも更行鐘の聲は歎かじ石〓水の行幸の御ともにまゐりたるせうとの權別當成〓もよろこびしたるとて人々悅申すなかに殿上よりとてまたこと宮に御ふみにAL嬉しとや神も心に石〓水錦を着つゝかへるけしきを返しMm遣遣れ誓ひし夜はのうきはしを錦たちきて歸る心をみやの內侍殿のもとより罪深き夢みてわびさせたまひしことをたふときひじりに語れば參りてこまかにうけたまはらむと申すいかゞといひつかはしければ○誘誘べき人間ならば知べせよさてや思の家を出ると歌のとくひにて申しかはすに定長出家しつとき。慕ひみむ同じき和歌の浦千鳥思入ぬる末たがはずば源三位賴政もの申すころ二三日音づれぬに風さへおこりて心ぼそければcoとへかしな浮世の中に有々りて心とつける戀の病をかへし、賴政30いかばいきしなば後れじ君故に我もつきにし同病をおなじ人はゞかること有りてしばし音せでしはすのつごもりに9滯滯春春りさきの山水を絕はてぬとや人はしるらむ年ごもりに物にこもりていでゝかへしTol滯る程かときゝし山河の絶はてけるは春ぞしらるゝ同じ人この暮と契りつゝ許多すぎぬるに、その障りどもこまかに續けて今宵ぞ必ず申したるにお筏おろす柚山河の淺きせは又もさ社はくれの障らめかへしto昨日より涙落そふ柚河のけふは增ればくれも障らず大内にさぶらふころよりまさもさぶらふに五月雨日かずへて晴間なきに大宮へ參りたるに同じく賴政ちかき程にいでたるに月めづらしくさし出でたれば。雨雲の晴間に我も出たるを月ばかりをや珍しとみる返し加。ののに同雲ゐを出に島漏りこばなどか月に劣らむともにはゞかり有りて久しくまさぬに十月一日につぼみたる菊の枝につけて。君を尙飽こそ果ぬ色變る菊もみよかし開けだにせぬかへしいざやその開けぬ菊も賴まれず人の心の飽果しより
かくて二三日ありてうつろひたる菊につけてこれより開けぬを秋果ずとや見し菊の賴む方なく移ひにけりかへし移ろはゞ菊計りをぞ怨むべき我心には秋し無ければあはのかみたゞのりになき名たつころ賴政がもとよりときめかさせたまふらむこそ愛でたくと申しつかはしたる返事によそにこそむやの蛤踏見しか逢とは蜑の濡衣としれ中將たかふさ八條のいへに內の女房あまた見にゆきたるおもしろくてなるこかけなどしたり遊びてたち歸りこれより15仄みつる門田の稻にひたはへてした厭はずば又も行ばや返しれ厭ふまで思ひなかけそ鳴子なは稻葉の風の招く心をかくて後さまかへて八幡に籠りたるに都より人々あまた歌送られたり五三位としなり彼岸へ渡りにけりな蜑小舟すまはあふ瀨と思し物をこれは返しとはなくてこまかなるとどもの返りごとのおくにんすみし世に逢瀨無りし石〓水をり嬉しくぞ思出たる新三位よりすけが君はさば雨夜の月か雲ゐより人に知れで山に入ぬる返し°すむかひも無て雲ゐに有明の月は入とも何か知れむかくてこもりゐたるに思はずに宮つ御もとより今まで申さめなどこまやかにおほせられたるに一とふ人も波に漂ふ海士小舟うらみは今ぞ漕ぎ歸りぬるおもひをのぶ石〓水きよき流の末々に我のみ濁る名をすゝがばやそむきにし印はいづら立歸り浮世にかくて墨染の神覺ぬ世の夢に此世を見るだにも憂は久き歎ならずや人命不停過於山水といふ文を山山は結ぶ氷によどみけり過行く年ぞせく方もなき心經色にのみ染し心の悔しきを空しと說ける法の嬉しさいはひ七君が代をヨに譬へむ二葉なる松も干年の末を知ねば宮白川殿の御わたりに祝二首、たけ風になる、月まつをてらすヘ打打ぐ風無りせばいかにしてよる我友を有と知まし加明とと時のたづは思ふらむ月にしもふる松の玉枝を〇咲にけり三笠の山の梢まで賴をかくる藤のしるしは君が代は菊の下水むすびける人の齡もなにならぬ哉右且爲定〓自筆之本不違一字令書寫校入撰集此集不歌〔今略部國歌大製番號〕千哉八九一新古今六九六一二二七출新勅撰云一云金續後擴二三臺續古今二七三云元元元續拾遺三八三一二新後撰天窒the〓玉葉一六三見せ登一七續後拾五八八風雅三新干誠二一八八掛拾遺九八七一24新後拾遺五六新續古今一八三九一七二三〓按納言集長方卿集春立春の心を荒玉の年とはきくにいかなれば唯同身のふりは行らむ霞を一毎每に面がはりせぬ霞こそ年立返るしるしなりけれ濱邊霞春霞いくへ重ねて隔つらむえぞ三熊野の浦の濱ゆふ形もゝ傳ふ八十の船路の夕電幾重隔てつあはぢ躍山山だよさの海霞み渡れる曙に沖こぐ船の行くへしらずも羇中霞〓〓見児潟湖ならむ霞の內に舟よばふなり橋上霞といふことをヘ沖つしほ高師の海の夕霞いつか濱名の橋もみゆらむ皇后宮大夫三輪のやしろにまうでゝ人々に歌よませしに春のうたとてた長らへば我世の春の思出にかたるばかりの花櫻かな見遠花といふことを08おおつかな一村見ゆる白雲や吉野のたけの春の初花皇后宮大夫が春のうたとてよませしに四我が心いくしほ春にそめつらむ花さへにほふ曙の空水上歸屬といふことを一引列ねことぢを立てゝ歸る鴈浪に調べの聲合すなり河邊霞を尋ね行く人も道にやまよひけむ霞隔つるあまの川上鶯呼客といふことを花の香を知べにやりし鶯のおのが聲にも人誘ひけるうぐひす11花の木の枝に木傳ふ鶯は聲のみならず見まほしき哉六四鶯のこゑまたしふく聞ゆなりすだちのをのヽ春の曙高倉院の御時殿上人鶯契「退年」といふことをよみはべりしに時とはみかきの竹をしめおきて千世をば君に契る鶯百首の歌の中に梅花をNo花は散り香は匂ひくる梅故に嬉しくつらき春の風哉梅花招客かおませといひには遣で梅が香を風の便に任てぞよる二條院の御時梅花遠薫といふことを0梅梅花花のぬ垣ねも匂ふかなよその梢に風や吹らむ若菜一見渡せば若菜摘べく成にけり栗栖のをのゝ荻の燒原三こらが手はさ濡やしぬる飛火野に雪も若菜も摘に社つめわらび三三藏藏のすゞろが中の下蕨まだうらわかし紫のちり高倉院の御時宮花初開といふことをum咲初る雲ゐの花はいはね共空にぞ千世の春は知るゝ花を〓散もうくまつもくるしき櫻花咲初てこそ物も思はね花の色は飽じとぞ思ふ萬代を宛ら春になして見る共〓いざゝらば吉野の山の山守と花の盛は人にいはれむ五AM咲てちる時はくるしき櫻花待しは物も思はざりけり春春のやゝふくまゝに高砂の尾上にきゆる花の白雪年年てても忘れやはせむ花盛志賀の山越せしは其日と「花故に法に心ぞ移りぬるいつも凋まぬ色をみむとて吉野山梢に花の散るまゝにたえ〓〓になる峯の白雲春の內は花に汚ると云るべき庭をも風の朝〓めする櫻咲くひらの山かぜふくなべに花のさゞ波よする湖花故にふみならす哉み吉野の吉野の山の岩のかけ道花下忘歸〓ををつつ〓〓人は花誘ふ風やあやなく嬉しかるらむ白川にて花見侍りしに花樹臨池水といふとを水底に花の錦をうつしても又あやおるは池のさゞ浪池邊花ハ曇りなき池の鏡の底〓みうつしとゞめよ花のおも影雨中花が春雨の糸すぢ弱みおり出でゝ花の錦を染むるぬれ色林花半落co庭庭面面〓〓これ計り積りなば梢に殘る花やなからむ
水上落花一水の面に花の錦を敷滿てゝ波のたゝむに任せたる哉晩尋山花ニ幕ぬとも猶見にゆかむ櫻花あすは靑葉に成も社すれ遠尋山花三まだららぬ花もやあると春霞隔つる山を幾重こゆ覽池邊殘花池水水底底にも色の映らずばたゞ一枝の花をみましを七柳夾水〓士士此此此の棹のしづえをさふる柳原哉春駒萌出る春はけしきの〓なれば草葉ぞ駒の心なりける〓春くれば澤邊の眞菰角ぐみて泥みし駒も引替へてみゆ春くれば雲に入ぬとみゆる哉澤邊に荒る鶴ぶちの駒春雨九日にそへて綠ぞ增る春雨のふるからをのゝ道の芝草七つゝじ〓ののししののののゝじこや山姫のまふりての袖夏卯花〓白波のこすかとぞみる卯花のさける垣ねや末の松山卯花の枝さしかはす細道は雪の下行く心ちこそすれ郭公心をぞつくしはてぬる郭公ほのめく宵の村雨のそら時時雲雲ゐのよその一聲は聞でやみぬといはぬ計りぞ郭公語ひあかす名殘には待つ〓とよりも物をこそ思へかたまさかに來鳴とならば郭公待よの數に聲は聞せよ旅宿郭公れ時鳥よそに鳴音のいかなれば草の枕に露こぼるらむ皇后宮大夫人々に四季のうたよませしに夏を立花のしたてる枝に郭公かたごひすらし聲も忍ばぬ故〓郭公かあれにける高津の宮の郭公誰もなにはの〓と語るらむ五月雨chみたやもりせきぞ煩ふ五月雨に畦こす計水嵩增りて夏月一夏夜は月のみ舟にまほあげて天の石渡る程のなき哉晩涼如秋タされば一むら薄打廉き鹿こそなかね秋のしけきぞ二條院の御時芦葉有風といふことを夕されば難波の芦を吹風にこやの渡りぞ涼しかりける關路晚涼少ささばばきき風はやき〓見潟秋とおぼゆる波枕かな泉を1岩岩もる水のあたりの涼しさに知れで夏の過にける哉秋早秋の心を秋立て事ぞともなく悲しきは荻の葉そよぐ夕暮の空七夕ゃたなばたはたゞよふ雲を衣にて月の光や鏡なるらむ二條院の御時草花始開といふことをAm咲初る小萩が原を見渡せばまだ織果てぬ錦なりけり萩を〓我宿に野原の萩を移さばや鹿のしがらむ色の惜きに○夕さればま萩が下に小鹿ふし唯繪に書る野邊の景色そをみなへし。わぎもこが花のすがたの女郎花たまの衣や秋の夕露行路秋花。さらずとて唯にはすぎじ花薄招かで人の心をもみよ荻50大方の秋吹風は身にしむにこはよにしらぬ荻の音哉すゝき集言納按otすがるふす栗栖のをのゝ糸薄まそほの色に露や染らむ夕されば尾花かたよる秋風に亂れもあへぬ露の白玉旅亭聞鹿わを鹿なく山の麓に宿りして心づからぞ袖ぬらしつる鹿toさを鹿の聲ぞ悲しき露結ぶいはたのをのゝ萩の下臥月x0駒とむるひのくま河の底〓み月さへ影を映しつる哉か。山の端に月待出る宵のまは朧げならず嬉しかりけり〓他でいらむ名殘も最ど惜めとや傾く儘にすめる月影一雲拂ふたびに光ぞまさりける月をば風の磨く也けり〓〓瀧の河瀨にさゆる月影は冬よりさきの水なりけり皇后宮大夫人々に四季の歌よませしに秋を三入月を誰が爲何の惜むらむ心は山のあなたにぞすむ賀茂の歌合、月をやほかゆく濱の眞砂を敷替て玉になしつる秋夜の月又きりをむむののにの海に呼の呼聲聞ゆ也霧のあなたに網曳すらしも八幡の歌合、社頭月を神垣や世々にたえせぬ石〓水月も久しき影や澄らむ又旅宿蟲を萱がねに蟲恨みける野邊にしも獨さぬれば都思ほゆ水路月ヘ泊りする湊に影の宿る夜は月も旅寢の心ちこそすれ林中月が神ますと人は云ども柏木の杜の木間は月のみぞ漏る池上曉月°生駒山たかねに月の入まゝに氷きえ行くこやの池水九月十三日夜によめる一さやけさを今宵と人の云置きし昔も斯や月は澄けむ蟲を鈴蟲を御狩の鷹の音かとて野邊の雉子や草隱るらむ意られて手馴の駒もこぬ宿にいかで音なふ轡蟲ぞも擣衣遠つ道行きにしせなを戀わびて空しき閨に衣うつ也遠聞擣衣一寢覺してきけば物こそ悲しけれ遠路の里に衣うつ聲紅葉た飛鳥川せゞに浪より紅やかづらき山の木がらしの風妹妹袖袖までの山を紅に千しほふり出で雨や染らむみむろ山神に錦もたむけせじ紅葉の色にあける此頃社頭紅葉後さを錦をわけてくだすめりにぶの川上紅葉散らし關路紅葉0時時ふる音羽の山の嵐ゆゑ紅葉になれるせきの杉原紅葉未遍ニ山廻り村雨にして過ればや峯の木葉を染はづすらむきりニ三雅波潟こや夕霧の立つならむ伊駒の山の峯の村ぎえ三柚人は道迷ふらしまき向の檜原もみえず霧たち渡る三きくを長月の菊のした水汲みくればおいせぬ藥誰か尋ねむ秋のすゑに大堰河にまかりたりしにもみぢいまだちらずはべりしかば紅葉ばを吹もちらさで小倉山峯の嵐の我を待ちける冬月前落葉た吹く度に梢の風はよわりつゝ月は光のまさり行く哉しぐれを一音音せせ蘆蘆の丸やの村時雨曇るのみこそ徵なりけれ〓〓山山の山ののの柏柏散つみて上には夜はの時雨音なふ海路時雨集言納按
松松風の音かときけば淡路島時雨すぐとて苦尋ぬなり家の歌合に曉時雨をcaみみべの楢の葉さわぐ初時雨幾むらすぎぬ明方の空霧中雪「まろねするを島の崎の苦館藻屑が上に雪もしきけり江邊氷を「湊風寒く吹らしたづの鳴なごの入江に氷柱ゐにけり山家冬深といふことを三都都花のたよりを待ずともかれぬる草の庵をばとへ皇后宮大夫四季の歌人々によませしに冬を春ならぬ花とみよとは三吉野の玉松が枝にふれる白雪山家落葉山田に夜はの時雨と聞つるは紅葉を宿に吹にぞ有ける橋上落葉加賀城やくめぢの橋のと絕にも紅葉を風の渡しつる哉氷未遍結th原の池の汀は氷柱ゐにけらし湊をさして傳ふあぢむら山路霞AN股ふるゐなのしば山行く人の白玉包むまくりでの袖深夜霞加竹の葉にそゝや霞の音す也さらでも夢の覺る折しもゆきcm夜夜すがら床の狹筵下五て今朝は高嶺にハ雪積れりニ初初のふるの神杉埋もれてしめゆふ野邊は冬籠せり五宮木ひく柚山人は跡もなしひはら杉はら雪深くして行路初雪五道すがら降とはすれど行駒の爪も隱れぬけさの初雪氷逐日結難難潟湖らし浦わの浪も沖になり行く寒草帶霜冬冬みをふの浦風さえ〓〓て霜枯にけりいせの濱荻故〓雪敷島やふるの都は跡たえてならしの岡に深雪積れり千鳥につつささででの磯の濱千鳥風寒からし夜はに友よぶ霜一冬冬の夜は玉の臺に霜さえて雲ゐにたづの一聲ぞする海路雪な雪雪の內に友を尋ねし心ちしてあはでの浦に歸る舟人年暮〇明ぬとて鳥だに鳴かばけふを又舊年と社云むとすらめ旅宿歲暮一白雲の八重立峯を暮て行く年と共にや我も越ゆべき年の暮の雪の庭につもりたるをみてス庭の面に雪こそ深く成にけれ我身に年の積るのみかは戀部戀落たぎつ早瀨の川も岩ふれて暫しは淀む淚ともがなううととひひつらしと云も押なべて心は同じ戀にぞ有けるつつななつれ猶きりともに慰むる我心こそ命なりけれ一すぢに君を思ぞ入にける戀路は歸る方やなからむ袂には絕ぬ涙も戀にのみ朽ぬる名をばえこそ濯がね戀戀なな同じ浮名をいかにして逢に替つと人に云れむ紀國やゆらの岬に拾ふてふたまさかにだに逢由もがなcc信濃路や木曾のみさかの小笹原分行袖も斯や露けき七七さりともと思ふ心に慰めていはで過にし方ぞ戀しき-二七誰をかは怨もすべきうつせ貝心碎くも我からぞかしこれも皆報あるらむさきの世に我故君も物や思ひし云捨てゝ君が心しつらからばそを怨ても慰みなまし斯しつゝあらぬ其よになりぬ共みし保は如何忘れむ九人しれぬ心の內のかねとを空しくなさぬ行末もがな七th君君住住のば雲と成てもふれむとぞ思ふ集曾納按四小篠原わけ行く露もある物をあなあや憎の袖の雫や0遇在所戀1000がが駒駒の脚折る橋もがなそを喞ちても暫し止らむ寄占戀お思わび荒びにもする灰占も逢てふ〓とは嬉しかりけり賀茂の歌合に戀の心をto淚川淵となりても果は猶あふせにかはる流ともがな八幡の歌合、寄松戀x0波あらふ濱松が枝のたむけ草年ふる戀に袖ぞ乾かぬ家の歌合に絕久戀といふことをか待しよに思よそへて幾返り山のは出る月をみつらむほのかに見たる戀我せこは待乳の山にすまねども見し佛やひれ振し袖不知家戀一わが戀は尋ね行べき方ぞなき羨ましきは三輪の杉村並面戀いかこ瀉よごの浦わに置網のめを並ても逢でやめとや一園園ふ園の瓜生の一列になるとしならばまくりあへかし春夜戀〓永き日を夜はの氣色と思ひせば獨や最ど明し兼まし悲難戀一夜と共に逢瀨絕せぬ中川も氷柱ゐぬれば通ふ物かは雜部紀伊二位八十島詣に住吉にて人々歌よみしに神神や磯邊の松に言問はむけふをば代々の例とやみる賀茂のまつりのかへさの五月一日にあたりたりしに女房の中より申しおくりて侍りし菖蒲ふく五月にかゝる葵草永き例にひかれもやせむ返しんげにやげに千世の例と成べきは五月に懸る葵也けり祝Ak道のべの草葉が露と成てさは君が裳裾を濡してしがな知有ててば如何なるべき我乍ら盡せぬ戀の果ぞ床しきOAしまきふく響の灘の船わたり心惑ふも誰によりてぞ-へ草をなみうだの燒野に住雉の何に隱れて戀を忍ばむ一伊勢の海をふの怨を重ねつゝ逢事なしの身をいかにせむ戀をのみすまの汐干に玉〓刈る餘に轉て袖な濡しそ〓尋ねばやあひづの山の中に又人に知れぬ道や有らむハ淺ましや思ざりしを思でと有し其よのならむ物とはか身に替む憂名のみかは永き世も同戀路に猶や惑はむ覺東な戀はいかなる色なれば云初るより深く成ゆく〓今はとて暫し忘るゝ時しもあれ何等閑の言葉ぞこは〓戀〓ぬ淵にも入む今はさはこむよを待と契だにおけ90幾戀はこざしの黐につく鳥の思放てどえこそ離れねししが織る貢の麻のすぢ弱み苦しき戀の繁きふし哉笹蟹の我いか樣に擧動て君があたりに搔もつきなむ難波潟堀江の蘆に生まさるよしなき戀に身を碎く哉逢坂の山路尋ねて入ばかり我をゆるさむ關守もがな詠むればいとゞ物こそ悲しけれ暮行く程の空の村雲〓今は只そらし果つる敏鷹の爭で雲ゐのよそにだにみむ我戀は蜑の藻汐の何なれや辛し割なし人しれずのみ結ぶべき人も有らむ若松のおひ行末はいかゞ賴まむ初過戀〓思兼ね死なばやと云し言葉も逢みては先悔しかり鳬忍戀60我戀は小倉の山の霧隱れしかありけりと誰か知べき。色深く下に思はむ岩躑躅いはじやいはゞ散も社すれ二條院の御時山路見戀といふことを。東路や逢坂山の行ずりに見し人しもぞつれ無りける初戀co包てもほに出るけふぞ賤が刈秋の山口の否と云なゆめ行路戀集言納接
が神風やいすゞ河かみ宮居して幾萬代か君をまもらむ德大寺左府うせられて侍りしころ九月盡日三位中將のもとへ申しつかはし侍りし又もこむ程を待べき秋だにも別るゝけふは悲しき物をかへし身にしみて惜むとをしれ別にし名殘の秋の形見と思へば人々のちる日ニ皆人は百の木葉と散々になり行く程はいかゞ悲しき十月に服になりて次のとしの春傍官とも加階のときよめる一諸人の花さく春をよそにみて猶しぐるゝは椎柴の袖無常四二世中思ひしとけばあだし野に風まつ程の刈萱の露1世世ははだだな狩場に住雉の有とてありと如何頼まむ如世中は岸の影草ねをたえてよせくる浪待程ぞかし少將公房出家の時兄少將のもとへつかはしゝ七如何せむ我より和歌の浦人も浮世の網を出ぬときけば述懷の心をヘ〓身身には時雨もよその物なれや歎く歎の色も變らぬ官辭したるよし申し侍るついでに加同じくば苔の袂に脫更へて厭果てつと君につげばや返し寂蓮〓思ひしる心のみこそ哀なれ苔の袖にも迷ふうき世を皇后宮大夫人々に述懷の歌よませしに三澤邊にて子を思ふ鶴の鳴聲を天つ雲ゐに爭で通さむおなじ大夫人丸の慕みにまかるとて其の心を人々すゝめてよませ侍りしに塵となる跡訪までは難けれど誰も忍ばぬ柿の本かはかのはかに詣でゝ佛事をおこなひて三かきつめし詞の露の數每に法の海にはけふや入らむ賀茂政平が一品經の歌よみ侍りしに、藥草喩品ロおおなて同じみ法の雨なれど潤ふ草木は物の品々海路の心を=沖沖浪つかたか島めぐり漕過ぎて遙になりぬ鹽つすが浦羇旅の心を旅に出てみれば悲しも故〓の都の方はかすむ一むら別の心をヒー別れつゝ今は越路の歸る山えぞ一かたに思ひ定めぬ都うつり侍りし頃廣田邊の家に宿して柱にかきつけ侍りしヘル一夜ぬる草の枕もよゝをへて結置きてし契ならずやきしかたのことなどおもひつゞけはべりて知思出のなきにもあらぬ昔こそ忘れぬ夢の長き也けれco春の花秋の紅葉をみし友のなかばゝ苔の下に朽ぬる名所一ささららののにに春は花をみて秋は桂の月を詠めむ一すす〓も筆も及ばじ淡路なるゑ島の石にかゝる白波上陽人三ははな空やきききに明幕て年の六十の空に過ぬる李夫人中々に散なむ後の爲とてぞ萎れし花の顏もはぢけむ王昭君1mかくばかりせき煩はゞ涙がは都の方へ流れいらなむ楊貴妃如幻は玉のうてなに尋ねきてむかしの秋の契をぞ聞く此一册定家〓自筆之本一覽之次書寫了外題按納言家集直書之是按察大納言長方卿誅也以 京極黃門自筆一六六令書寫尤可爲證本而巳應長第三層五月日羽林郞藤藏ゐ集言納按爲業の歌合に、故〓花一小波や志賀の都はあれにしを昔ながらの山ざくら哉東山の花見侍りけるに家づとは折らずやと人の申し侍りければ一家苞もまだをりしらず山櫻ちらぬに歸る習なければ呼子鳥〓聞〓びて我かと計り答ふれどさも非ずとや尙呼子鳥苗代苗代に堰やとむらむ垣根もるいさら小河の音弱る也人々三月盡の歌をよみ侍りしに我身にはよそなる春と思へ共暮行今日は惜くやは非ぬ明くるまでながめあかして暮行くもさすが名殘やとめつらむ哀かはらぬ曙の空夏卯花が心あらむ人も斯こそ植て見め賤が垣根に咲ける卯花卯花藏水ももいいるる音にてぞしる卯花のしつ枝柵む玉河の水郭公待ちえたる心ちこそせめ郭公遠里小野の夜はの一聲海邊郭公。卯花と浪や見ゆらむ郭公まがきが島に來つゝ鳴なり菖蒲「菖蒲草尋ぬる人の心にぞ先長き根はかゝりそめける夏草七ニ小萩原まだ花咲ぬ宮城野に何を妻とて鹿のふすらむ隣家盧橘匂ふなる花橘やいにしへを宿の隣にさそひ來つらむ螢身身程程の程に思餘れる氣色にていづちともなく行く螢哉瀧下螢火平忠度朝臣集春立春te東東や一夜が程に來る春にいかで先づ立霞なるらむ霞NOいかなれば同じ霞の詠やる遠路の里は深く見ゆらむ經盛卿の家の歌合に霞をよめる加さいたづままだうら若み三吉野の霞隱れに雉鳴く也子日04千世ふべき子日の松に袖掛て引馬の野べに今日は暮しつ若菜ユニ分分てゑぐの若菜も生に見今日の爲とは爭で知けむ雪中若菜三いかでわれ野中の雪に跡つけて下萌渡る若菜摘まし殘雪三年の內に又ふりなむと思ふだに消るは雪の惜くやは非ぬ梅51番をとめて人はこず共梅の花よきてを渡れ春の山風夜思梅花といふ心を人々よみ侍りしに五梅の花夜は夢にも見てしがな闇の現の匂ひばかりに故〓梅花をよめるな古里はそことも見えず梅枝の匂ふや宿の軒端なる覽柳45青柳の糸染掛て佐保姫は見にくる人の無きや恨むる櫻〓惜兼ね散花ごとにたぐふれば心も風に誘はれにけり五三野野の花咲に見常よりも朝ゐる雲の晴るまもなき賀茂の歌合に花をよめる〇木木本本本のてを頓て栖となさじとて思顔にや花は散るらむ集臣朝度忠平七四五八二
秋近くなりやしぬらむ〓瀧の河瀨涼しく螢とびかふ夕氷室氷室山あたりの外やいかならむ夕風涼しみな月の空秋立秋秋來ぬとしらで聞とも大方は怪しかるべき風の音哉月前草花AM萩が花手をればぬるゝ袖にさへ露を慕ひて宿る月影薄花花薄なびくけしきにしるき哉風ふきかはる秋の夕暮荻0〓手手に吹來る風も荻の葉に音信て社身にはしみけれ故〓萩〓萩原と見るぞ悲しき高まとの尾上の宮の昔ならねど河原院にて故郷鶉といふ事を人々よみ侍りしに〓、鹽がまの昔の跡はあれはてゝ淺芽が原に鶉なくなり鹿ささふけて鹿の音遠く成行くは峯の嵐や吹弱るらむさささぬぬにに秋の寢覺は悲しきをいかにせよとか鹿の鳴らむ霧旅人にあらぬ我さへ夕霧にわた瀨忘るゝみなれ河哉駒迎かさ夜ふけて瀨田の長橋引渡せ音もさやけし望月の駒月い青の間も空やは斯るいかなれば更行まゝに月の澄らむ月影はいづことわかじ物故に宿に心の止らざるらむかを鹿野のたか葉刈敷さぬる夜を後も忍べと澄る月影野徑月0月月の入るを限に分行けばいづこかとまり野原篠原關路月一月影も映し留めず逢坂の關は〓水の名にこそ有けれ九月十三夜ニををととをどののののは尙今宵もありと思做されき遍照寺にて人々月見侍りしに〓れれけ〓宿とて月は變らねど昔の影は猶ぞ床しき旅宿擣衣m旅寢する竹田の里にうつ衣一夜の程に聞ぞなれぬる法金剛院にて池邊紅葉といふことを人々よみ侍りしに〓青葉をば池の水草に任せつゝ色附枝ぞ影は見えける山家の秋の暮といふことを山里にすみぬべしやと習はせる心もたへぬ秋の夕暮冬初冬〓荻の葉に哀知せし風の音の今朝は早晩と烈しかる覽落葉峰峰き吹こす風に誘はれて紅葉散りかふ常磐木の森霰かうち拂ふ心ちこそすれ旅衣袖にたばしる今朝の霰は九雪○かざ越の峰に溜らぬ白雪は晴行く空に猶ぞふりける海邊雪。打そよぐ水の村蘆下折てうら寂しくぞ雪ふりにける千鳥。浮寢する磯間の浦のさよ千鳥友呼交はす聲聞ゆなり月前千鳥30さよふけて月影寒み玉の浦の離小島に千鳥なくなり曉更千鳥o寢覺する我しも友と思はでや野島が崎に千鳥鳴らむ炭竈00山高み雪げの空と見ゆるまでいく炭竈の煙たつらむ除夜集臣朝度忠平人人に非ぬを歎く我身さへ春と明日より祝ふべき哉戀初めていひ出づる戀といふこと人にかはりて60我身より戀はよそなる物なれや忍ぶ心に適はざるらむ互忍戀〓戀死なむ後の世までの思出は忍ぶ心の通ふばかりか失本心戀ねかゝらじと思ひし〓とを忍びかね戀に心を任せ果つる戀遠〓人〓戀ひ渡る妹が栖は思寢の夢路にさへぞ遙けかりける隔河戀一稀にだに逢夜もあらば天の河隔る星や類ひならまし月前戀一月影や深き戀路の知べなる詠むるまゝに思入りぬる神かけてちかひ侍りける女のさうじなるよしを申して逢ひ侍らざりければ思きやかけて誓し當時のいもひによせて絕む中とは忍びて人に物申しけるに鐘をうちつなりといさめければ鳥の音を暫し待見よ江る夜は霜にも敢ず鐘もなる覽一憂世をば歎き乍らも過しきて戀に我身や堪ず成けむ如何せむこは世の常の習ぞゝ戀しもなぞや思なされぬ思思る人なき夜はの袖ににも唯なる物か秋の寢覺は經盛卿の福原の山庄にて寄松戀といふことを〓賴めつゝ日數津守の恨みても待より外の慰めぞなき寄名所戀か身をすてば哀とも見よ猿澤のいける世に社情無らめ寄源氏戀c逢とみる夢さめぬればつらき哉旅寢の床に通ふ松風夢中會戀一夢覺て名殘に堪ず成ゆくは逢と見つるにかへむ命か年を經てつれなき女に響恨兼ね背果なむと思ふより憂世につらき人ぞ嬉しき絕後悔戀一忘にし心をのみぞ恨むべき人は絕ねと厭ひやはせし何となくいひかはしける女にしたしきさまになるべきよしをいはせ侍りて後心うきたるさまに見えければ厭はるゝ方こそ有め更に又よその情は變らざらなむ雜閨冷夢驚といふことを人にかはりて風風音音音の夜深く寢覺して見果ぬ夢の名淺をぞ思ふある所の屏風の繪にあれたる家に老人花見たる所を人々よみ侍りしにななささひし昔に非ず舊ぬるを知ぬ翁と人但なや見らむ女房大輔に初めて逢ひて歌よみ歌談などしてあくるあしたに遣しける難波津の古き流れをせきとむる心の水を深く見し哉友だちの今まうでくると申して音もし侍らであくるあしたに月見る人にいざなはれて心の外なりしさまとことなしびげしたりける返事に一月月見見待待待ぬ夜半のあらば社賴めて來めも分きて思はめ法輪寺にこもりたる人の申し送りて侍りける思いたつ心よわくもぬるゝかな草の庵に墨染のそでかへし人にかはりて01草の庵は思遣るだに露けきにさぞ墨染の袖は濡らむなげくこと侍りける頃おなじさまなる人のもとより申し送りて侍りける一わび人の涙にぬるゝ袖に又秋は露さへおくぞ悲しきかへしささここは同じ歎といひながら露も變らぬ袖の上哉世のはかなきことなど侍從に申して侍りしほど
に山里にこもりぬるを聞きて申し送り侍りし一ななしな世を背きなば忍べとは我こそ君に契置しか長恨歌のこゝろを冬來ては何を形見に眺めまし淺茅が原も霜枯にけり盛方朝臣かき置きたる萬葉集を彼の人身まかりてのち後室のもとへ返しつかはすとて有し世は思はざりけむ書置て此を形見と人忍べとはかへし後室見ても猶袖ぞぬれぬるなき人の形見と忍ぶ水莖の跡忍びてもの申しける女心にもあらず絕え侍りにける後こと人にあひ語らひてほどなく身まかり侍りにければ誰ともなくて母のもとにさしおかせ侍りけるもも共共のもゝにくらむ人さへ果は羨まれつゝ親のいさめければ中たえにける女の身まかりぬと聞きてよみ侍りける〓〓るるとも有し乍らの中ならば二度物は思はざらまし法華經品々の歌よみし中に、信解品加重型根と聞ぬ先より大方は怪しき迄ぞなづさひにける提婆品coよよに社あだと見ゆ共千年迄仕へし中は隔しもせじ安樂行品。其玉を結びこめける元結もとくべき程の有ける物を觀音品おり立て賴むとなれば飛鳥川淵の瀨になる物と社きけ八幡臨時祭神さびて猶やさしきは諸人のあさくらかへす春の曙賀茂の歌合に述懷の心を買管に祈るに非ず思兼ね背き果つべき世とも知せよ述懷長へばさりともと思ふ心社時につけつゝ弱り果ぬる祝千年千ぞとぞまづいはれたる君が爲思ふ心は限なけれど三位中將重衡のもとより內の御臺ばん所へ梅につけてまゐらせむとて乞はれて侍りしに十七千世經べき君が挿頭に此春は手折初つる宿の梅が枝右之本者薩摩守忠度朝臣俊成卿のもとへ遣ばし待りし自筆の本を大樹より出だされ兵部卿宗綱卿にかきてまゐらすべきよし仰せらる然るに予彼の卿の學席に行きて後世の證本に備へむがためみじかき筆にまかせて寫し留めよみ合せ侍りけるとなむ文明十六年春三月中の三日羽林藤原基春三三六八二集卿國實言納大前前大納言實國卿集春立つ春の心をNEこそと云ば久くなれる心地して思へばよはの隔て也見加山の人に筧ぶ氷だに解けずば今日を春と知らめや關路霞anさらぬだに勿來の關と聞物をいとヾ霞の立隔つらむ梅の花久しく匂ふ一松が枝に咲かぬ計ぞ梅の花色は千歲も變らざらなむ對樹待花ユ櫻花今幾日あけて咲なむと枝物云はゞ問はまし物を待隣花といふ心を皇后宮にて人々よみ侍りしにニ詠詠やる花し咲なば味氣なく待たぬ主や我物と見む按察にさそはれて大內の花見侍りしに雲上に風ものどけき春なれや散るとも見えぬ花櫻哉五〃他なくに袖に包めば散花を嬉しと思ふになりぬべき哉花見けりと聞きて花山院の中將のもとよりまたのあした昨日は何事か侍りしと問はれし返事に極花見しその程は思ひやれ散より外の歎きやはせし遠方の風に亂るゝ糸櫻我が手にかけて見る由もがな本院の花見に參りたりしにみすのうちに琴のおとのせしかば歸りざまにA琴琴の音に飽でや今は歸りなむ花にとのみも思ひける哉夏ころもがへな思思なな花花色々ぬくばかり染めし心のまづ變れかし卯花連里〓里里垣垣根ならびの卯花やおとなし河の瀨々の白波爭待郭公といふ心を女御殿にて人々よみ侍りしに六我は早やきゝつと云む郭公人の睡ろむ時の間もがな名殘なく過ぬなる哉時鳥こぞ語らひし人と知らずや水草隔船一番小舟さして入江の菰隱れ水うつ棹の音のみぞする小屋五月雨R五五五雨雨は賤の篠屋のしのすがき臥所まで水はきに身故里五月雨朽にける板間にもれる五月雨の古屋苦しき我住ひ哉明月似秋といふことを二條院にて人々よみしにか月清み眺めも敢ず明くるよや秋に變れる印なるらむ秋五十円とらぬだに玉江の月の〓き上に光を映す秋の夜の月鹿粟津野に鳴夜の數の積れるは鹿も夜妻や難面かる覽八月の中の十日に神樂をし侍りしいと名殘多かりしに長月の十日あまりにかくなむ申しおこせたりし隆信朝臣ああ星星ああで出にし曉は今宵の月に思ひ出でずや返し。唯爰に唯夏にとぞ思しにけふは八月のかひも無りき落葉〓紅葉ちる嵐の山の山守はおもひもよらぬ錦をやきる關紅葉音羽山幣と散りかふ紅葉をば關もる神や我物と見る皇后宮の女房もろともに大堰川の紅葉見にまかりはべりしに三位中將にはかに障ることありて留まりたりしかば云ひ遣しはべりしシ諸諸に君とみぬまのもみぢ葉は心の闇の錦なりけり九月盡暮行くを惜むに盡くる心こそ秋の今宵の類ひ也けれ冬曉時雨此をやみては又音づるゝ村時雨幾度と云に鳥のなく覽遠き山のはじめの雪といふ心を女院にてよみはべりし杉原や三輪の山べに雪降て今日こそ冬の印とはみれ七雪のうちの鷹狩朝末明狩場の小野に雪降ば白斑にならぬ敏鷹ぞなき旅のとまりの千鳥N族寢する須磨の關屋に夢覺て我よすがらの友千鳥哉山の家の氷筧には氷柱ゐにけり山人の朝げ夕げの水いかゞする戀〓戀初めし心の花の色深み風の傳にもまだ知らじかし經年序戀八八霞霞はれぬ思はそれながら幾度春の變りきぬらむ集卿國賣言納大前
一包めども堪ぬにひける菖蒲草我が心ねぞ顯れにけるほのかに聲をきゝて〓聞もせず聞ぬしもなき聲故にあるもあられず山時鳥歎きつゝ斯てや消む白雪のしられむ迄の命ともがな二條院にて戀の心人々よみはべりしに〓先の世に我に心や盡しけむ報ならずば斯らましやは依和歌增増といふことを二條院にてよみはべりしああ〓とは遠くにみゆる敷島の道にまどへる我心かな八戀死なば我故とだに思出よさこそはつらき心也とも七思思りけぬべき物をいかなれば戀を命と人の云けむか汐たるゝ我やいせをの蜑ならむさらばみるめを刈由もがな依雨違約戀の濡じとて思ひ歸さに思知れ世をしる雨はさぞ處せき艶女遇他人戀といふ心を人々よみはべりし〓とけ難み心と見しは氷室山唯我からの氷柱なりけりかれ〓〓になりし人の又人に見えけるときゝしかばシ契契しし三三ままでこそまたざらめ早晩也や新枕する待明後日」と云ふとを女院にて人々よみ侍しにニう賴賴おおく今日はう月の禊して君を御誕の日社待るれ兩度違約戀九有しそのうきを忘れて賴みつる今宵も同じ僞にさば臨期變約戀ささ衣きて重ねよと契しを返してはさば夢にみよとや上東門院にて戀官仕妨と云ふこゝろを此間有壓濫乎九五月雨の日をふる儘に澤田川其高橋は名のみ也けり閏五月郭公〓今年だに聲な惜みそ郭公己がさ月のそへるしるしに山ざとに待ちけるころ郭公はなくやと人の尋ねはべりしかばいたく鳴きてあまりなるよし申したりしかば經正朝臣今今もさは昔もきかず子規いとふ例にきみやなりなむ返しm足引の山時鳥いにしへもものいふ人は厭ひやはせぬ夏蟲。夏蟲をはかなくよそに思ふ哉此は此よにもゆる計ぞ夏月。夏のよを怨みもはてじ月影の名殘は秋も斯ぞ惜みし寄橋無常co見むといひし君も待得ぬ橘は花の盛もあぢきなき哉七夕00秋にしもゆきあふ〓とは七夕の長きよとてや契初けむ〓棚機に逢初衣ぬぎかさむかへる色をば忘もこそすれ10年に待つあふ〓よよもも織女は中々けふの暮や久しき雁加斯ばかり厭ふうき世をいかにして又歸來る初雁の聲19夕まぐれ旅の空ゆく雁音は伏見の田居や泊なるらむ入道大納言資賢卿集梅%梅の花ふきくる風や吾妹子が重ねし袖の匂なるらむ菖蒲〓我宿の妻と賴まむ菖蒲草獨ねをのみかくる身なれば雨中郭公遠かへりぬるともきなけ時鳥今幾日かは五月雨の空夏夜待月一月まてば涼しかり身夏夜も山のあなたに秋やきぬ覽社頭明月さやけさにいとゞ光を增鏡くまなき空の月よみの神月山のはに入ぬる月を惜むだに西へ心のゆきにける哉駒迎望月の駒のあなたにみゆる哉引並べたる影にや有覽社頭郭公1ゆふかけて松のを山の時鳥神の印にひくこゑもがな草花思思餘餘ほほほ芒人めもしらず招き顏にて虫←いかなれば聞度每に鈴蟲のふりせで聲の變らざる覽鹿んしとろなる小萩か本に音するは妻を忍ぶる小鹿鳴也なでしこれ獨寢に枕の塵は積らねど寂しかりけりとこなつの花あられ02あばらなる賤の伏屋に音するはた走りかゝる霰也島雪一雪降て跡たえにける奧山にくる人もなき靑つゝら哉常住心月輪の心をいいなれば我身離れぬ月影の心の闇を照さゞるらむ丹州にこもり居のとき述懷のこゝろを歎きこそおほえの山と積りぬれ命生野の程に附ても世中の心づくしを嘆くまに我身のうさは覺えざり身おなじころ一條の三位入道の許へ〓今はさば君導べせよはかなくて誠の道に感ふ我身を返し言のはゝ大江の山と積れ共君が生野に日こそ散さね會不會戀下にはけけしし物をいかなれば面眺して又結ぶらむはじめの冬べいか計り寂しかるらむ秋はてゝ人も音せぬ冬の山里述懷近返さぬもいかにかはせむ夏衣偏に君が緣りと思へば01郭郭おおつつななさに同じくば都の方のことを語らへなげくことはべりしときかさぎの少輔入道延俊申しおくられたりニとかくして眠を覺せ春夜の憂夢はさぞ悲しかるらむ返し三春夜の憂夢にだに驚かずいつか眠のさめむとすらむある女房のもとよりおくられたり一陣り多み石間の水のもりこぬや絕果ぬべき始なる覽かへし心より外に一よの旅ねして石間の水の絕る名ぞ立つ故少將遠忌日かさぎの少輔入道の女に物などあひぐして中將のもとへつかはされたりし返事に1年年れれ限限もしらぬ歎かな後れ先だつ習ひなれども返した別れしはけふ也島と思ふかもさ社はあらめ歎く心は壽永元年八月六日入道大納言集資賢卿宮内卿有賢之息也右之外集に入る歌〔今略記國歌大觀番號〕千載一二六四新動撰五)売續後撰八六三以冷泉中將爲景之本說春正寫之應安貳年仲秋上旬
鴨長明集社頭郭公ニ"郭公なく一聲や賢木とる枝にとまらぬ手向なるらむ五月雨をよめる二五五雨雨の日數つもれば白菅の葉末を埋む井出の下水螢火照橋ミニ薦の葉にすだく螢の仄々と辿りぞわたるまゝの繼橋蚊遣火盡といふことをヨ蚊數火の消行見るぞ哀なるわが下萌よ果はいかにと夏月映泉エル端端つつむすぶ雫のさゞ浪に映るともなき夕月夜哉樹陰納涼夏くれば過憂かりけり石上ふるから小野の楢の下蔭セニ水掬ぶ楢の木蔭に風ふけばおぼめく秋ぞ深く成行く樹陰晩涼んまて暫しまだ夏山の木の下にふくべき物か秋の夕風秋萩をよめるねー花見つと人には云じ小萩原わけつる袖の色に任せて水邊草花さを鹿のしがらむ萩の下折にあやなく淀む谷川の水「浪枕錦の袖をかたしきてみぎはにねたる秋萩のはな家の女郎花さかりなる時遠きところへまかるとて三人はと間人あらば女郞花宿の氣色を見よと答へよ閑庭刈萱わわて來る人なき庭の刈萱は己亂るゝ程ぞ見えける雁をよめる行水に雲ゐの雁の影見れば數書止むる心ちこそすれ雁聲遠聞玉玉章の裏引返す心ちして雲のあなたに名のる雁がね鹿をよめる集明長鴨春歳內立春セトととへへば吉野の山の朝霞年をもこめて早立にけり霞隔浦シ藻薬舟舟漕出て見れば越の海の霞にきゆるよさの松原梅花誰家〓我も今しのばむ宿に梅植じまだ見ぬ花の面影にたつ花を思ふ心をよめるの思遣る心やかねて詠むらむまだ見ぬ花の面影にたつ關路花一春くれば不破の關守暇あれや往來の人を花に任せて依花不厭風といふ心を吉野河しからみかけて櫻さく妹背の山の嵐をぞまつ父身まかりてあくる年花を見てよめる春しあれば今年も花は咲にけり散を惜し人は孰らぞ花吉野山高嶺に花やさきぬらむ晴れ行く中に止る白雲春春に雲のしがらみむら消えて高嶺を洗ふ花の白浪加吉野河淺瀨しらなみ岩こえて音せぬ水は櫻なりけり三月盡をよめる立ち立れ野邊の霞に言とはむ己れはしるや春の行末夏山家卯花Nu山ははほほに咲る卯花の手折る程をぞ惜むとは見る夜見卯花加照月の影を桂の枝ながらをる心ちするよはのうの花郭公00時鳥初音聞つる名殘には暫し物こそいはれざりけれ風渡る眞葛が原の寂しきに妻とふ鹿の聲うらむなり夕あれば身にしむ野べの秋風に堪でや鹿の聲を立らむ霧隔行舟といふ心をよめる〓音すなり野島が崎の霧の間にたが漕舟の艦の鳴らむ月嵐ふく有明の空に雲消えて月すみのぼる高まとの山〇月影の雲がくれ行く秋の夜はきえて積りぬ庭の白雪〓眺むれば至らぬ隈も無りけり心や月の影にそふらむ荒屋見月歌缺海上月隈もなき鏡と見えてすむ月を百たびみがく沖つ白波三玉と見る岬が沖の浪間より立出る月の影のさやけさ下總の國にみさきといふ所あり日本の東の果なれば月の浪間よりいづるやうにて見ゆるなりとなむ申しはべる擣衣音遠契あらば重ねもやせむ遙々と擣つをのみきく衣也共海邊搆衣月きよみ磯の松が根砧にて衣うつなり里のあまびと紅葉映池水秋山の映れる池の水草こそ梢に見えぬ靑葉なりけれ女郞花の霜がれゆくを見侍りてヒー來る人も枯々なれや女郎花あき果行くは己のみかは長月の晦日の頃鹿のなくを聞きてよめる霜霜埋埋眞眞萬が下の裏枯て寂しかる音にを鹿なく也蟲聲惜秋秋慕ふ蟲の聲こそ弱るなれとまらぬ物と誰か〓へし冬時雨山の端に離れて消ゆる薄雲は嵐の送る時雨なりけり一音するも寂しき物と槇の板に思ひしらする初時雨哉落葉山山にちるもみぢ葉や積るらむ谷の筧の音弱るなり大堰河にまかりて落葉をよめるヨハあすも來むとなせ岩波風ふけば花に紅葉を添て折けり殘菊冬冬れば星かと見ゆる花もなし皆紫の雲がくれつゝ霞m杉の板を假に打葺閨の上にたぢろく計り霰ふるなり〓最ふる蘆のまろやの板廂寢覺催すつまにぞ有りける深夜千鳥ささ更更て衛妻とふ松風にこぬみの濱や寂しかるらむ〓覺覺する波の枕になく千鳥己が音にさへ袖濡せとや氷逐夜結か薄氷翼にかけし鳰鳥のいく夜つもりて隙もとむらむ水鳥をよめる〓水草ゐる汀をかへて鴨鳥は上毛さへこそ綠なりけれ曉千鳥一月影の傾く磯にゐる千鳥かたはに殘る霜かとぞ見る月前水鳥一曇行く月をばしらで置霜を拂ひえたりと鴦ぞ鳴なる社頭冬月ニ片片岡の楢の卷葉も散果てゝ枝にとまらぬ月の白ゆふある人の北野にて歌合せむと侍りしに同じこゝろを僞をわきて答むるしめの內に晝とな見えそ冬夜の月寒蘆隔水m霜拂ふ羽音にのみぞ鳰鳥の蘆間の床は人にしらるゝ歲暮のこゝろを惜めども過行く年のいかで又思返りて身に止るらむ戀
初戀のこゝろを袖にちる露打拂ふ哀我がしらぬ戀路を踏初めてけり忍戀ゝ忍れば音に社たてね棹鹿の入野の露のけぬべき物をえまま暫洩し初ても身の程を知やと間はゞ如何答へむ不被知人戀○憂身にはたえぬ思に面なれて物や思ふと問人もなし初見返事戀。何せむに覺束なさを歎きけむ思絕ねとかきける物を後朝戀50越兼ねし逢坂山を哀れ今朝歸るをとむる關守もがな成疑心戀10打拂ひ人通ひけり淺茅原ねたしや今宵露のこぼれぬ每夜他行戀00ららたがはぬよはも有やとて主なき宿に通ひ馴ぬる思二世戀00我はたゞ來む世の暗も遮莫君だにおなじ道に迷はゞ並床不逢戀わよそにのみ並ぶる袖のぬる計り涙よ床の裏傳ひせよ契曉戀も頼めつゝ妹を待間に月影を惜まで山の端にぞ懸たる誓言契戀。神掛て賴むればよし心みむ偖もつらくば人賴めかは夢中會戀ね現には暫し袖をも引とめでさむる別を慕ふかひなし互精進戀〓中に又人をばふせじ神垣や並ぶかひなき丸ね也とも夢示現戀一驗あればいつなる物な逢とみるいもひの床の起憂やなぞ對泉戀人一思出て忍ぶ涙やそひぬらむ色にいづなる山の井の水寄草花戀朝露に小萩分てもならひにき雫も色もそれは物かは戀の心を恨恨るつらさも身にぞ返りぬる君に心を替て思へば〓し大空に又みつ物は恨なりけり消返り抑へてむせぶ袖の內に思殘せる言の葉ぞなき〓磨墨をもどき顏にも洗ふ哉書かひなしと涙もや知る〓見ても厭へ何か涙を耻もせむこれぞ戀てふ心うき物今よりはこりぬや心思知れさるぞや知ぬ人に移るは秋のゆふべに女のもとへ遣はす〓忍ばむと思ひし物を夕暮の風の氣色に終にまけぬる雜やごとなき人の若君生れ給へることをいかゞとあれば一とも斯もえ社岩ねの松枝に木高く巢立鶴の子なれば津の國へまかる道にこやといふ所にとまりて侍るに閨のさうじにあやしげなる手にて手ならひをして侍るかたはら書きつけゝる一津の國のこやの蘆手ぞしどろなる難波さしたる蜑の住ひぞ山里なる所にあからさまにまかりてよめるかりに來て見だにたへぬ山里に誰徒然と明暮すらむ物思ひ侍る頃をさなき子を見て述懷の心を奥山の正木の蔓くりかへしゆふともたえじ絕ぬ歎は有有厭厭ふ背けば慕ふ數ならぬ身〓心との中ぞ床しき心にも有で何ぞのふるかひはよし賤の身よ消果ね唯←何事をうしといふらむ大方の世の習こそ聞ま欲けれえうき乍ら杉野の雉の聲立てさ踊る計り物をこそ思へ霜埋む枯野に弱る蟲音のこはいつ迄か世に聞ゆべき0世は捨つ身はなき物に做果つ何を恨むるたが歎ぞも憂はいかにせむとて惜む今朝ぞとて人に代て心をぞ問花ゆゑにかよひし物を吉野山心ぼそくも思立つかな哀ともあだに云べき歎きかと思ふか人の知ず顏なる-住侘ぬいざさば越む死出の山偖だに親の跡を踏べくこれを見侍りて輔光住住て急ぎな越そしでの山此世に親の跡をこそふめと申し侍りしかば〓情あらば我惑はすな君のみぞ親の跡踏道は知るらむ:懷舊の時子といふことをし思い出て忍ぶもうしや古を今束の間に忘るべき身は淨土の相かきあらはしたる中に花のふれる所をxたたずずちる花も有りけり故〓の梅も櫻もうしや一時ある聖のすゝめにて百首の歌を厭離穢土欣求淨土によせてよみ侍りし中に雁を〓白雲に消ぬ計りぞ夢の世をかりと鳴音は己のみかは對月忘西朝夕に西を背かじと思へども月待程はえこそ對はね承元元年五月日散位鴨長明判名所霞歌林苑110春霞たなびきぬれば浪こゆと音にやきかむ末の松山霞藏關路人ANああ坂の關ゆく人は誰ならむ霞のうちに聲の聞ゆる海邊霞51藻鹽やく煙になるゝ蜑人は霞に春をわかずや有らむ鶯〓春くとは籬の梅に見えぬるを我つけがほに鶯のなく曉鶯AP我宿宿の〓の梅をねぐらにてよをこめてなく鶯の聲山家鶯〇宿宿き谷のふるすは雪きえてまだうちとけぬ鶯の聲百首の中、殘雪ユおお山山の谷のふしきの若筵春さへ雪ぞ降しきにける山家殘雪エ人はいさ我とは踏じ若菜つむ外もの野べの雪の村消歌林苑の歌合、わらび三春くればおどろが下に萌出て折しる物は嚴なりけり宰相入道〓長の歌合、山家を尋ぬといへる〓とをHE花花とと尋ねきたれば白雲の立田の山の梢なりけり同じこゝろを我が心なぐさめよとや山櫻たづぬる峰にかゝる白雲侍從家隆の家の歌合、花を吉野山霞はれゆく絕間より立ちかはりぬる花の白雲日吉の歌合、花を朝朝だだき春の木ずゑを見渡せば霞にきゆる花の白雪公卿殿上人あまたひきぐして白河にて鞠會ありてこのしたにてまとゐしてかはらけさして今樣など侍りしに今日和歌のなきこそ遺恨なれと人々侍りしかば女の歌しかきてこのしたに落して侍りしに人々興にのりてふるくなり給へる輩は惟宗廣言集春元日のこゝろを「けふぞとは夜間に誰か〓つらむ明れば軈て春めきに鳬行路子日「子日とも思はで過る春の野に松に引れて立停りぬる霞の歌十首よみはべりし中に『見渡せばあしたの原のうす霞薄きや春の初なるらむ漣や長柄の山に雪きえて志賀のわたりは霞こめたり
涙抑へがたくて各やさしき返歌ども侍りきxl花花にみ雪ふりにしわたりをば思ひや出る白川の水刑部卿賴輔朝臣の家の歌合、歸鴈を〓難波潟つらねて歸る雁音は同じもじなる葦手也けり款冬を、讃岐院の御會いかなれば春を重てみつれ共八重にのみ咲山吹の花夏十五首更衣〓夏衣人め計りは更ふれども花に馴にし〓とをしぞ思ふ禁中更衣九重にけふわがきつる夏衣猶薄きなや立むとすらむ名所卯花下下迄迄おりゐる鷺とみゆる哉搖木の杜に咲ける卯花日吉の歌合、郭公を尋ねかねふる山道郭公一聲なくやなさけなるらむ侍從家隆の歌合、時鳥を一一ををしゝのて鳥又なくことは變ざりけり暮天郭公聲聲りり懼罪ややにんぶらむくるれば名のる郭公哉馬上郭公朝公あかですぎぬる一聲に思はぬかたへ駒を早むる海邊郭公ハ小夜ふけて一聲なのる郭公開ずやあらむいねの蜑人歌林苑の歌合、五月雨を梅雨にそことも見えぬ難波江は芦の末葉ぞ澪標なる連日五月雨。つつ〓〓〓と軒の玉水音づれて幾かに成ぬ五月雨の空旅宿五月雨供花一梅雨に旅寢の床の浮ぬれば筏にやどのるなち社すれ連夜照射百首〓〓射射るる野野の原の狩衣この下露にぬれぬ夜ぞなき早苗莢道歌合秋ならば稻ばの露に濡なまし早苗を分る小田の細道島邊螢鵜舟をば篝も知らずいでにけり螢飛かふまきの島人水風似ノ秋供花吹風に芦の葉よそぐ夕暮は淺茅に蟲のなかぬ計りぞ秋二十首閑庭秋來歌合荒果て訪人もなき宿なれど庭の淺茅に秋はきにけり雨中七夕歌合七鵲の橋よりわたる七夕はこよひの雨や急がざるらむ夕草花歌合タルタちの渡渡りぬる小萩原錦をたゝむ心ちこそすれ野徑女郞花七露滋き野路の篠原わけ行けば袖ぬらさする女郞花哉九〓なな岩田のをのゝ女郞花折で過べき心ちこそせね八夕荻さらぬだに露のこぼるゝ荻の葉に風渡る也秋の夕暮承安二年なが月の十日ごろにふしみの山庄に御幸なりて侍りしに女房のつぼねをすぎてとほり侍りしにふしみのおもしろさはいかにと尋ねいだされて侍りしかばかみのはしにかきてつぼねへさしいれて侍りしこととににとき思よ鶉なく伏見の里の秋の夕暮月の歌十首よみ侍る中にヲ天の原今は厭はじ秋の月の心にいるも苦しかりけり野徑月〓見渡せば大江の山に雲晴て幾野ともなくすめる月哉日吉の歌合、月を1月月み志賀のからさき見渡せば氷をあらふ沖つ白波海上月名にたてるゑ島が崎を見渡せば空行月を映す也けり雲間明月歌合雲をいでゝ雲に又いる月影やふれば消ぬる庭の白雪九月十三夜供花〓月の舟秋の半をこぎすぎてなに流るゝは今宵也けり百首の中、鹿を思きや妻よぶ鹿の聲故にさも非ぬ袖を濡すべしとは鹿のこゑいづれのかたぞ歌合〓〓孰方と聲分ねども身にしむは鹿の音おろす木枯の風山家曉鹿山歌合「寂しさを何にたとへむを鹿なくみ山の里の明方の空蟲歌合露しげき淺茅か原に鳴蟲はよその袖をも濡す也けり庭菊似雪歌合ませの內にまだき降積む白雪の移ふにこそ菊と知ぬれ終日見紅葉白河の會朝まだきけさ立出て紅葉を夜の錦となるまでぞみる福原京にみやこうつり侍りしころ故〓暮秋といふことを人々よみ侍りしに遷り行く都の方をしたひてや秋も今夜は西へ暮ぬる冬十五首田家初冬かいつしかと外もの小田に風沍て漏りこし水も薄凍けり海邊落葉磯近く紅葉を拂ふ立田姫また幾潮か染めむとすらむ覊中落葉賀茂んしくるとて柞が下に立よれば降ど濡さぬ木葉也けり野徑時雨賀茂かさらぬだに朝立袖は露けきに時雨て渡るのぢの篠原たながみにて網代興といふことを人々よみ侍りしに0日をへつゝ波の花咲網代木に紅葉をさへも寄てける哉冬歌あまたよみはバス中に寒草を。冬枯の淺茅が末におく塔のきゆる雫は垂氷なりけり內藏頭季能朝臣の家の歌合山庄初雪といふ事を。今朝よりは松の葉白く雪消て寂しさ增るみ山べの里行路雪深賀茂0雪雪み駒はこゆれど逢坂の關の岩かどふみも慣さず雪中客來賀茂00〓積る雪ふみ分てくる人は心ざしさへ深きなりけり湖上水鳥賀茂10氷柱ゐるまのゝ入江に漕舟の跡をしめつゝ潜く鳰鳥月前水鳥歌合わすはの海の月の氷にゐる鴨は冴ぬ折にや思解くらむ月前千鳥白河の會toやよやいかに傾く月を眺ればふけひの浦に千鳥鳴也旅泊千鳥10千鳥なく浮寢の床の苦やかたとまらぬ物は涙也けり爐火夜友加理火のなからましかば狹筵に獨や冬のよを明さまし寄述懷除夜。數ならぬ身には積ぬ年ならばけふの暮をも歎ざらまし戀廿首初戀百首一思餘り書漏しつる水莖に戀渡るとはけふやしるらむ忍戀賴輔朝臣の歌合一よと共に包む袖師の浦波は心にかけぬ時のまぞなき日吉の歌合に戀の心を一散さじと袖に涙を包むまに戀をかれじと云に成ぬる河内守隆親の歌合、戀の心を〓あふことは心永くぞ賴まれぬ誰も命を知ぬよなればふれてのちまさる戀といふことを
知知ららむや谷の岩まの埋水もらすに袖の濡增るとは被妨人戀歌合た懸初てまだねも馴ぬ琴の〓をいかなる人の引違ふらむ戀三人我戀は唯みつふするかたし貝皆逢とのなきぞ悲しき馬上戀供花〓思兼ね駒に任せていでぬれば戀路の末は逢人もなし月前戀歌合か月影の晴行くまゝにいかなれば涙の雨の降增るらむ老後戀。思きや老蘇の杜に身はなりて逢ぬ歎の積るべしとは憑會他人戀一なほざりの契は我に年をへて妬しや誰にあふの松原歌林苑にてやくそくの日をのぶる戀といふことを一逢事をさふとてけふも延びぬればあすもあすとや云むとす覽後朝戀實茂一形見とて袖にしめつる移香を洗ふはけさの涙也けり同じこゝろを〓ででそそ恨もせしか葛葉の返るけさ又露のこぼるゝ互怨戀歌合恨むるも我習にぞ賴まるゝ戀しき〓との有かと思へば寢人戀人歌林苑だ後朝にならむ歎といひなして非ぬ涙を君にかけつる二世ちぎる戀七儚くぞ後のよ迄と契りけるまだきにだにも變る心を遇不逢戀〓逢ふ〓との露ばかり皆かれぬればこれや歎の杜の下草物申しける女頭おろしつと聞きていひ遣しけるたまことにやそり果にける梓弓思返らむ事もそあれ〇引据て分で馴にし敏鷹のそりにしとをいつか忘れむ雜十首祝一君が代はなかゐの浦の小れ石の松生茂る山となる迄王昭君三心から玉藻の屑とかゝれにき何かゑ島の恨しもせむ上陽人黨も姿もあらずなりゆくをいかに變らぬ涙なるらむ旅m斯しつゝ終の栖と思にも野べの旅ねは露ぞこぼるゝ述懷歌合一〓髪髪の亂れて物の悲しきは思ふ筋にもなき世也けり:斯計計數數らの身のいかなれば人より先に物は悲しき世の中靜ならずはべりしころ宗圓法橋忍びて歌合すとて懷舊の歌こひてはべりしかば仕りしセ世中を思ひ亂るゝ度ごとに昔をのみぞ忍ぶもちずり無常べ露の身のあだなるととしれとてや例に引る笹蟹の糸即身成佛たこの身にて光をさゝむさゝとしも心一つに有明の月和光同塵00和ぐろ塵ばかりこそ變るらめ神も佛も同じ身なれば廣言家集 A 何佛眞讚不違一字書寫遂再校畢貞享二年初冬中澣前内大臣經光源師光集霞の心を朝末明霞にけりなむこの浦に出づる友舟數隱れゆく心ある蜑のすみかのいかならむ霞こめたる松が浦島一霞しく敷津の浦のうけのをは心あてにや尋ね行らむ雨中鶯と云ふことを鶯は梅の花笠きたればや雨にも聲のしをれざるらむ隣家鶯10春春來來宿宿としりてや鶯のこなたの竹に枝移りせぬ行路鶯鶯の都にきゝし聲すなりなれもや旅の空にいでつる梅を色も香も知るにはあらず梅の花見れば嘆の忘る計ぞ櫻N三吉野の花に紛ふる白雲のはるゝは其も惜しき也島中將有房の朝臣の家の歌合に櫻を加人しれぬ心の行て見る花は殘る山べも有じとぞ思ふ故〓花ORふりにける志賀の櫻の春毎に幾よの人の心見るらむ宰相入道〓長の家の歌合、尋山花三浮世には思ひもいらで吉野山花故ならす岩のかけ道はなニュ山山咲咲きにけりとも見ゆる哉春の日暮しきえぬ白雪三三野野の花の錦に春風は匂をさへも織りつけてけりこもり居てはべりけるころしらかはの花見になむいきたるとて左大將さそはれしかば法性寺にて証いさやまた月日の行も知ぬ間に花の春ともけふ社は見れ花尋樵夫ハ爪木をは花の蔭にや休めつるさらば孰くと我に〓へよ白川にはべりけるに花のさかりに左衞門督家道のもとへ申しつかはしける"山里の花の主を尋ねても宿からなれや音づれもせぬかへし左衞門督綾なしや花の名立を思ふよも訪で日數の過ぬる物を雨中柳A〓春雨になほ立ちのぼる燔かと見ゆる柳の梢なりけり白川にて毀上の人々花見はべりけるにいざなひぐして歸腸といふことをよみやがてうちへかへりまゐりはべりしにな音見し雲居は早くたえにしを羨ましくも歸る膓がね春のくれを〓花を見て憂世の中も慰めし春にさへまた別れぬる哉卯花〓我宿の月の光と思ふらむ己がさと〓〓さける卯の花時鳥ニ時時待えぬ年はなけれども思ふ計りはまだ聞かぬ哉左大臣の家の歌合、時鳥ニ郭郭聲聲惜みそ菖蒲草玉にぬく日をけふと知らずや五月雨五五五雨雨の日をふる儘に澤田河その高橋はなのみ也島閏五月郭公今年だに聲な惜みそ時鳥己が五月のそへるしるしに山里に侍りけるころ郭公はなくやと人の尋ね侍りしかばいたく鳴きてあまりなるよし申したり經正朝臣しかば今もさは昔もきかず郭公厭ふためしに君やなりなむ返し足引の山ほとゝぎす古も物思ふ人はいとひやはせぬ夏蟲な夏蟲をはかなくよそに思ふ哉是は此よにもゆる計ぞ夏月夏のよを恨みも果じ月影の名殘は秋もかくぞ惜みし橘寄無常〓見むといひし君も待えぬ橘は花の盛もあぢきなき哉
七夕秋にしも行逢ふ〓とは七夕の長きよとてや契初めけむ一機機にあひそめ衣脫貸さむ返る色をばいみも社すれ年年に待つ逢ふ事よりも七夕は中々けふの暮や久しき雁斯ばかり厭ふ浮世をいかにして又歸りくる初雁の聲夕まぐれ旅の空ゆく雁音はふしみが田井や泊なる覽:重家卿の歌合、戀戀しとも又つらしとも思遣る心孰れか先にたつらむ戀の心をせつらかりし言の葉をなど恨けむ其をだに社聞すなりけれ草早見見其其の影面影離離ねねば君故身をも捨のとをしれ久しく音づれずとて小侍從九文文ぬももきに非ず岩橋の渡し初たると絕ならねばかへし○葛城の神の心を哀ともとけぬつらさに思ひしるかな寄水鷄戀〓槇の戶を叩く水鷄のそれかとも驚かぬ迄とはぬ君哉こひ〓汐のみつ磯べの草も限有ば見日は少し有りと社きけ後後世世のらば身をも捨果てむ惜む命も誰が故そは〓打歎きしなばやとのみ云るゝは逢見ぬこともいける咎かは雨中戀私つらさ社雨には最どしられけれ斯降にしもいっか障りし秋の頃しほゆあみに難波の方へ罷りたりしに賴政卿もわたのべがかたに侍る〓聞きて申し遣し侍りし旅寢するかたは浦々變れども同じ都や戀しかるらむ返しい君がすむうら悲しくぞ我は思ふ忍ぶ都も誰が故そは京へ歸るとて〓此里もうらなれに身朝たてば都を出し心ちのみして難波よりかへりて侍りしに左大將實定のもとよりが都だに秋の哀はあるものをひなのながぢの物語せよ返しの思ひやれひなのながぢの寂しさは厭ふ都へ歸る心に定長難波のかたに鹽湯あみにまかりてかれより申しおくりて侍りける定長〓ててななどか厭はぬ芦のやの灘の鹽屋の秋の旅寢をしほの湯にまかりたりしをこの人もとはず侍りしが申したりし君にこそ習ひそめしか旅寢する秋の哀をとはぬ心は中將隆房朝臣雪のいみじく降り侍るに月面白かりしに內の女房あまたぐして法勝寺へなむとて立ちよりて誘なひ侍りしかば罷りて終夜遊びァ歸りて彼より申し遣したりし隆房朝臣一でで昔そののれ月と雪とを共に見てしが返し月月るる搔分けてとふに社古きかひある宿と知ぬれその夜大鳥といふ風俗などうたはれて侍□いでらてそへて遣しける〓ももききときとは大鳥の羽がひの霜をいつか忘れむ月あかくはべりしに隆房朝臣のもとより君に逢で日數古屋のいぶせさは今夜の月も朧にぞもる返し九か月見てもまづ思ひやる我心影となりてや朧なるらむ囍大將になりて正月に雪の降りたるつとめて左大將のもとより雪積る年のしるしに花のさく羽の林をなどか尋ねむ8.4一七九八二集光師源かへしねはのはやし花さく春の嬉しさを包む程なり谷の埋木賀茂重保補宜になりたるに、申し遣しける0千早振其神山のかひありて木高くなるを聞ぞ嬉しきかへし。神山の峯の榊を取持ちて君がいふこそ嬉しかりけれいはひを。君が代の數には足じもゝつてのやその濱路の眞砂也共秋頃兼雅朝臣宇治に侍ると聞きて申し遣しける00時しもあれ都の異打しぐれ君が詠めを思ひこそやれ返し兼雅朝臣oo詠めやるよを宇治川も打しぐれ昔を忍ぶ氣色なる哉久我の内大臣の家にて植梅待花といふことを10春までの命は定なけれども若木の梅をねこじつる哉右大臣の家の歌合、述懷加今は唯いけらぬ物に身を做て生れぬ後のよにもふる哉廣田の歌合に同じ心をbo行末の斯らむ事を知ずして我垂乳根の育したてけむ述懷の十首の中に10憂事を思知ずと思ふらむ思ひながらに過ぐる我身をわさり共と儚く世をも額む哉有べき程は見ゆる我身を〓憂ながら猶惜まるゝ命哉後のよとても賴みなければ慰る方社なけれ身のうさを云合すべき類ひなければ例ならぬこと大事にはべりける頃七月七日大輔がもとより一七夕にかす衣手のぬるゝかなこれや限の旅と思へばと申したりしかば:皇嘉門院の近江世をそむきぬと聞きて申し遣しはべりしなり一人は皆苦しき海に沈むまでのり浮びぬる海土小舟哉かへし知り知ぬ苦しき海の人をみて渡さむと思ふ蜑の釣舟二條院かくれさせ給ひての頃三河の内侍がもとより1よと共に昔を戀る淚のみ盡せぬみとは知ずや有けむかへし見せばやな昔こふらむ涙にも物思ふ袖のまさる袂を人々歌かき集むることはべるに集つかはすとて季能朝臣一人なみに打出づる哉せだえにし淺澤水の流なれどもかへしヘ古のながれ忘れず思ひ出る心の水のふかさをぞ知る海上眺望朝なぎにしほぢ遙に出でにけり鷗にまがふ沖の釣舟別〇心との別を何か歎くらむやがて歸らぬ旅もある世に陵園妾一松の戶を一度さしてあけねども猶入くるは有明の月金槐和歌集集歌和槐金九九九八二鎌倉右大臣實朝公春正月一日よめる一今朝みれば山も霞て久方の天の原より春はきにけり立春の心をよめる三九重のくもゐに春ぞたちぬらし大内山に霞たなびく故郷立春朝霞立てるを見れば水のえの吉野の宮に春はきに鳬:
春のはじめに雪の降るをよめる1かかくくししの寒ければ春とも知らぬ谷の鶯春立てば若菜摘まむと占置し野べとも見えず雪の品春のはじめの歌に打靡き春さりくればひさぎ生ふる片山蔭に鶯ぞなく山里に家居はすべし鶯のなく初聲のきかまほしさに屏風の繪に春日の山に雪降れる所をよめる松松の葉の白きを見れば春日山木芽も春の雪ぞ降ける若菜つむ所『春日野の飛火の野守今日とてや昔形見に若菜摘らむ雪中の若菜といふことを三若菜つむ衣手ぬれて片岡のあしたの原は泡雪ぞふる梅のはなをよめる一枝枝に氷れる霜や解ぬ覽干し敢ぬ露の花にこぼるゝ屏風に梅の木に雪降りかゝれる所一梅の花色はそれとも分ぬまで風に亂れて雪は降つゝ梅の花さける處をよめる〓〓わが宿の梅の初花咲にけりまつ鶯のなどか來なかぬ花の間の鶯といふことを110春くれば先さく宿の梅の花香をなつかしみ鶯ぞなく梅花風に匂ふと云ふことを人々によませはべりし次でに梅梅香香夢〓枕の〓に誘ひきてさむる待ちけり春の山風梅香薰衣梅が香はわが衣でに匂ひきぬ花より過ぐる春の初風梅の花をよめるヘト春風は吹けど吹ねど梅花咲るあたりは著くぞ有ける春の歌隼早蕨の萌出づる春に成ぬれば野べの霞も難きにけり霞をよめるみふゆつき春しきぬれば靑柳の葛城山に霞たなびく一大方に春の來ぬれば春霞四方の山べに立滿ちにけり押なべて春は來にけり筑波根の木本每に霞たなびく柳をよめる一春くればなほ色まさる山城のときはの杜の靑柳の糸雨中の柳といふことを淺綠そめてかけたる靑柳のいとに玉ぬく春雨ぞふる四五水水まま池の坡のさし柳この春雨にもえ出でにけり柳靑柳柳いいてもてぬける白露の玉こきちらす春の山風雨そぼふれる朝勝長壽院の梅ところ〓〓咲きたるを見て花にむすびつけし歌如ふる寺の朽木の梅も春雨にそぼちて花の綻びにけり雨後鶯といふことをNo春雨の露もまだひぬ梅が枝に上毛しをれて鶯ぞなく故〓驟雨加我宿の梅花さけり春雨はいたくな降そ散まくもをし故〓梅花aca誰誰かも昔をとはむ古里の軒端の梅は春をこそ知れ一年年れば宿は荒にけり梅の花花は昔の香に匂へども三ふる里に誰しのぶとか梅の花昔忘れぬ香に匂ふらむ古〓春月といふことをよめる五〓〓〓〓〓と〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓にけり影ぞ昔の春の夜の月ほたれ住みて誰眺むらむ故〓の吉野の宮の春の夜の月五春月11ななむれば衣手かすむ久方の月の都の春の夜のそら梅華をよめる〓我宿の八重の紅梅咲に鳬知も知ぬもなべてとはなむないはくなわびそ梅の花今年のみちる習ならねばAささりともと思ひし程に梅の花散過る迄君がきまさぬ〓我袖に香をだに殘せ梅の花あかで散ぬる忘がたみに梅の花咲ける盛をめの前にすぐせる宿は春ぞ少なき集歌和槐金呼子鳥「靑によし奈良の山なる呼子鳥痛くな鳴そ君もこなくにすみれニ淺茅原行へもしらぬ野べに出て古里人は菫つみけりきゞす高圓の尾上の雉子朝な〓〓妻にこひつゝ啼音悲しも六巳が妻戀侘にけり春の野にあさる雉子の朝な〓〓なく名所櫻誓にきくよし野の櫻咲きにけり山の麓にかゝる白雲遠き山の櫻かかららき高高の櫻眺むれば夕ゐる雲に春雨ぞふる六雨中櫻雨雨るとたち隱るれば山櫻花の雫にそぼちぬるかな〓今日は亦花に暮しつ春雨の露の宿りを我にかさなむ山路夕花が道遠み今日こえくれぬ山櫻花の宿りを我にかさなむ春山月七。風さわぐをちのと山に空晴れて櫻に曇る春の夜の月屏風の繪に旅人あまた花の下にふせる所b一木の本の花のした臥夜頃へてわが衣手に月ぞ馴ぬるこの本に宿りはすべし櫻花散まく惜み旅ならなくに七ことの本に宿りをすれば片敷の我衣手に花はちりつゝ今し今とはひし程に櫻花ちる木の本に日數へぬべし七山家に花見る所時時間間間思思てこしを山里に花見る〓〓と長居しぬべし花ちれる所を雁のとぶを札ルがをるなり花を怨むる春山風きさらぎの二十日あまりの程にや有りけむ北むきのえんに立ち出でゝ夕暮の空をながめて一人をるに雁のなくを聞きてよめる七も眺めつゝ思ふも悲し歸る雁ゆくらむかたの夕暮の空弓あそびをせしに吉野の山のかたをつくりて山人の花見たる所をよめるえんみ野野の山の山守花をみて長々し日を飽ずも有る哉おみ吉野の山に入けむ山人と成みでしがな花に飽やと屏風に吉野の山かきたる所三吉野の山に籠りし山人や花をば宿の物とみるらむ故郷花〓里は荒ぬ志賀の花園其かみの昔の春や戀しかるらむ〓尋ても誰にかとはむ古里の花も昔のあるじならねば花をよめる〓櫻花散まく惜みうち日さす宮路の人ぞ圓居せりけるm櫻花ちらばをしけむ玉鉾の道行ぶりに折てかざゝむ道道がら散かふ花を雪とみて休らふ程に此日暮つゝ人のもとによみて遣はしはべりし春くれど人もすさめぬ山櫻風の便りに我のみぞとふ山家見花といふことを人々許多つかうまつりし次でに櫻花咲ちるみれば山里に我ぞおほくの春は經にける屏風に山中に櫻咲きたるところ山櫻散ば散らなむ惜げなみよしや人みず花の名立に花を尋ねぬといふことを花をみむとしも思でこし我ぞ深き山路に日數へにける屏風の畫に〇山山の櫻のきまく音すなり吉野の瀧の岩もとゞろにニ瀧の上のみふねの山の山櫻風に浮てぞ花もちりける散花ニ春春れれいとかの山の山櫻風に亂れて花ぞ散りける花風をいとふニー於にけりながらの山の櫻花風にしられで春も過なむ花をよめるみみ吉野の山下蔭の櫻花咲きてたてりと風にしらすな集歌手槐金
名所のちる花m櫻花うつろふ時はみよしのゝ山下風に雪ぞふりける花雪に似てるといふことを風風けば花は雪とぞ散紛ふ吉野の山は春やなからむ九山深み尋てきつる木の本に雪とみるまで花ぞ散ける春春來て雪は消にしこの本に白くも花の散積るかな雪中夕花山山いいははいまはのころの花のえに夕の雨の露ぞこぼるゝ°やや櫻あだに散りにし花の枝に夕の雨の露の殘れる落花をよめる。春深み嵐の山の櫻花咲とみしまに散りにけるかな三月の末つかた勝を壽院にまうでたりしにある僧山陰に隱れをるを見て花はと問ひしかば散りぬとなむ答へはべりしを聞きてよめる100て見むと思し程に散に見あやなの花や風立ぬまにao櫻花さくとみしまにちりにけり夢か現か春の山かぜ水邊落花といふことをo櫻花ちりかひ霞む春の夜のおぼろ月夜のかもの川風1ゆゆ水水風風の吹いるゝ櫻花流れて消ぬ泡かとも見ゆ山山櫻木々の梢に見しものを岩間の水の泡となりぬる湖邊落花to山風の霞吹きまきちる花の亂れて見ゆる志賀の浦波故〓惜花の心をxo小浪やしがの都の花盛風よりさきにとはましものをわ。ぬぬればとふ人もなし古〓は花ぞ昔の主人なりける〓今年さへ訪れで暮ぬ櫻花春も空しき名にこそ有けれ花恨風一心うき風にもある哉櫻花さく程もなくちりぬべら也春風をよめる一花花さきて空しく散りにけり吉野の山はたゞ春の風櫻をよめるシ春深み花ちりかゝる山の井のふりにし水に蛙鳴なり河邊款冬山ぶきの花のしづくに袖ぬれて昔おぼゆる玉川の里山吹の花の盛に成ぬれば井出の渡りに行ぬ日ぞなき山吹を見てよめるかわが宿の八重の山吹露を重み打拂ふ袖の薰器ぬる哉雨のふれる日山吹をよめる春雨の露のやどりを吹風にこぼれて匂ふ山ぶきの花山吹を折りてよめるヘ今幾日春しなければ春雨にぬるともをらむ山吹の花山吹の花折りて人のもとに遣はすとてかおのづから哀ともみよ春深みちり殘る岸の山吹の花〓散り殘る岸の山吹春深み此の一枝をあはれといはむ山吹のちるを見て一玉もかる井出の河風吹にけり水泡にうきぬ山吹の花三玉もかる井出の柵春かけて咲くや川瀨の山ぶきの花まと弓のふりうにて大井川をつくりて松に藤のかゝる所三立歸り見てを渡らむ大井河かはべの松にかゝる藤波屏風の畫に田子の浦に旅人の藤の花折りたる所田子の浦の岸の藤浪立返り折では行じ袖は濡るとも池のほとりの藤の花古里の池の藤なみ誰うゑて昔忘れぬかたみなるらむたいと早も暮ぬる春かわが宿の池の藤波杉ろはぬまに正月の二つ有し年三月に郭公の鳴くを聞きてよめるせきかざりき彌生の山の郭公春加はれる年は有しかと春のくれをよめる春春み嵐もいたく吹く宿はちり殘るべき花もなき哉た眺めこし花も空しく散はてゝ儚なく春の暮にける哉550號執に行隱るらむ春霞立出て山の端にも見えなくに集歌和槐金三行春を形見と思ふを天っ空有明の月は影もたえけり三月盡一一むむとも今宵明なば明日よりは花の袂を脫て更てむ夏更衣をよめる惜みこし花の袂もぬぎかへつ人の心ぞ夏には有ける夏の始の歌夏衣たつ田の山の郭公いつしかなかむ聲をきかばや春過て幾日もあらねど我宿の池の藤波移ろひにけり郭公を待つといふ心を賀友たちしときより足びきの山郭公待たぬ日ぞなきセ子規きくとはなしに武隈の松にぞ夏の日數へぬべき人初聲をきくとはなしに今日も亦山時鳥待ずしも非ず郭公公待つとなけれども夜な〓〓めをも覺しつる哉山家郭公○山近く家居しをれば郭公なく初聲はわれのみぞきく時鳥の歌一足曳の山郭公木隱れて目にこそ見えね音のさやけさかからきや高まの山の時鳥雲ゐのよそに啼渡るなり四ミび足の山郭公み山いでゝ夜深き月の影になくなり有明の月は入ぬる木の間より山郭公なきていづなり〓〓人人皆名のしををしもよぶか時鳥啼なる聲の里をとよむる夕郭公タクタ開のたど〓〓しきに郭公聲うら悲し道やまどへる夏の歌bl五五まま小小田の丈夫暇なみ堰入るゝ水に蛙なくなり菖蒲人五五雨雨に水增るらし菖蒲草うれは隱れて刈人ぞなき·五月雨ふれるにあやめ草を見てよめる加油濡てけふ葺く宿の菖蒲草いづれの沼に誰か引けむ〓五月雨〇五五月雨は心あらなむ雲まより出くる月を待てば苦しも一五五月雨に夜の更行けば郭公獨山べを鳴きてすぐなり二五五雨雨の露もまだひぬ奧山の槇の葉がくれなく郭公三五五五雨の雲の懸れるまきもくの檜原が峯に啼く郭公さつき山木高き峯の郭公たそがれ時の雲になくなり故〓廬橘五いにしへを忍ぶとなしに古里のゆふべの雨に匂ふ橋盧橘薰夜衣ねうたゝ寐の夜の衣にかをるなりもの思ふ宿の軒の橋時鳥をよめる郭公きけどもあかず橘のはなちる里の五月雨のころ社頭時鳥x五五月雨を幣に手むけて三熊野の山郭公鳴とよむなり雨いたくふれる宵より郭公を聞きてよめる郭公公なく聲あやな五月開聞く人なしに雨は降りつゝ深夜時鳥〇五五十閣覺束なきに郭公ふかき峯よりなきていづなり一五五闇闇神なび山の郭公つまごひすらしなく音悲しも蓮露似玉さ夜更て蓮の浮葉の露の上に玉とみるまで宿る月影河風似秋一く岩るゞにや秋の立田川かはかぜ涼し夏の夕ぐれ螢火亂飛秋已近といふことを杜杜若おふる澤べにとぶ螢かずこそまされ秋や近けむ蟬夏山になくなる蟬の木隱れて秋近しとや聲も惜まぬみな月の二十日あまりの比ゆふべの風すだれをうごかすをよめる六六秋近くなる徵にや玉だれのこすの間通し風ぞ涼しき夜風冷衣と云ふことを夏深み思ひもかけぬうたゝ寢の夜の衣に秋風ぞふく集歌和桃金ー三ー九二869
〓昨日まで花の散をぞ惜みこし夢か現か夏も暮にけり御御すす河河に暮ぬ夏の日の入相の鐘の其聲により〇夏はたゞ今宵ばかりと思ひねの夢路に涼し秋の初風秋七月一口の朝によめる〓昨日こそ夏はくれしかあさとでの衣手寒し秋の初風海邊秋來といふことを霧たちて秋こそ空に來にけらし吹上の濱の浦の汐風打ちへれは秋にけり紀國やゆらの岬の蜑のうけ繩寒蟬啼吹風の涼しくもあるか自ら山の蟬鳴て秋はきにけり秋のはじめの歌住人もなき宿なれど荻葉の露を尋ねて秋はきにけりハ野と成て跡に絕にし深草の露の宿りに秋はさにけり白露秋は早來にける物を大方の野にも山にも露ぞ置なる秋風タされば衣手さむしたかまとの尾上の宮の秋の初風かなかむれば衣手寒し夕づく夜さほの河原の秋の初風秋のはじめによめる天の河水泡さかまきゆく水の早くも秋の立にける哉八久の天の河原を打眺めいつかと待し秋もきにけり彥星の行きあひをまつ久方の天の川原に秋風ぞふくヲタされば秋風涼し七夕のあまの羽衣たちやかふらむ七夕天の河霧立わたる彥星のつま迎へ舟はやもこがなむ懸々て稀に逢夜の天河川瀨のたづは鳴ずもあらなむ七七夕の別を惜しみ天河安のわたりにたづもなかなむ〓今はしも別もすらし七夕は天の河原にたづぞ啼なる秋のはじめ月あかゝりし夜〓天の原雲なき宵にひさかたの月さえわたる鵲のはし〓秋風に夜のふけ行けば久方の天の河原に月傾ぶきぬ七月十四日夜勝長壽院の樓にはべりて月のさし入りたりしをよめる詠詠めやる軒の葱の露のまにいたくな更そ秋の夜の月曙に庭の荻を見て一朝ばらけ萩の上ふく秋風に下葉押なみ露ぞこぼるゝ秋の野におく白露は玉なれやといふことを人々におはせてつかうまつらせし時よめる2笹笹の玉ぬく糸の〓を弱み風に亂れて露ぞこぼるゝあきのうた花花おお露露しづけみ白菅の眞野の萩原萎れ合けり路頭萩道のべの小野の夕霧立返り見てこそ行かめ秋萩の花草花をよめるmmべべ出出そそぼちに島な唐衣きつゝ分行く花の雫に蘭藤籐きてぬぎかけし主や誰とへど答へず野べの秋風とがりしにとがみが原といふ所に出ではべりし時あれたる庵の前に蘭さけるを見てよめる秋風に何匂ふらむ藤袴ぬしはふりにし宿としらずや古郷萩〓古〓の本荒の小萩徒に見る人なしに咲きかちりなむ庭のはぎをよめる秋風は痛くな吹そ我宿の本荒の小萩ちらまくもをし夕秋風といふことを○○秋ならでたゞ大方の風の音も夕はことに悲しき物をゆふべの心をよめる。大方に物思ふとしもなかりけり唯我ための秋の夕暮。○黃昏に物思ひをれば我宿の荻の葉そよき秋風ぞふく。我のみやわびしと思ふ花薄穂に出づる宿の秋の夕暮我ながら覺えず置か袖の露月に物思ふ夜頃へぬれば八月十五夜七久方の月の光し〓ければ秋のなかばを空に知るかな海邊月べたまさかに見る物にもが伊勢の海の〓き渚の秋夜の月伊勢の海や浪に懸たる秋夜の有明の月に松風ぞふくc須須磨の蜑の袖吹返す汐風に怨みてふくる秋の夜の月一三鹽がまの浦ふく風に秋たけて籬が島に月かたぶきぬ月前雁三天の原ふりさけみればます鏡〓き月夜に雁なき渡る三むば玉の夜は更ぬらし雁がねの聞ゆる空に月傾きぬ〓なき渡る雁の羽風に雲消えて夜深き空にすめる月影三九重の雲居を分けて久かたの月の都に雁ぞなくなるた天のとを明方の空になく雁のつばさの露に宿る月影海の邊をすぐるとてよめるセわたの原八重の汐路にとぶ雁の翅の浪に秋風ぞふくトン詠詠ややめ心たためねたの原八重の汐路の秋の黄昏雁を和秋風に山とびこゆる初雁のつばさに分くる峯の白雲cm足曳の山飛越ゆる秋の雁いく重の露を凌ぎ來ぬらむ「雁がねは友感はせり信樂や槇の柚山きりたゝるらし夕雁『夕されば稻葉のなびく秋風に空とぶ雁の聲も悲しや田家夕雁雁のゐる門田の稻葉うちそよぎ黃昏時に秋風ぞふく野邊露四方方の天とぶ雁の淚かも大あらき野のさゝの上の露田家露秋田も田庵に片しく我袖に消あへの露の幾重置らむ田家夕11斯斯猶猶猶猶でしあらば如何せむ山田もる庵の秋の夕暮庭の萩はつかに殘れるを月さしいでゝ後見るにちりにたるにや花の見えざりしかば萩の花暮々までも有つるが月出て見るに無きが儚さ萩をよめる秋萩の下葉もいまだ移ろはぬに今朝吹風は袂寒しもあさがほね。風をまつ草の葉におく露よりもあだなる物は槿の花野べのかるかやをよめるto夕されば野路の刈費打魔き亂れてのみぞ露も置ける秋の歌xo朝な〓〓露に折れふす秋萩の花踏しだき鹿ぞ鳴なる加萩が花移ろひゆけば高砂の尾上の鹿の鳴ぬ日ぞなき。さを鹿の己が住野の女郞花花に飽ずと音をや鳴らむよそにみて折では過じ女郞花名を睦じみ露に濡とも秋風は綾なゝ吹そ白露のあだなる野べの葛のはの上に三白露のあだにも置か葛の葉に溜れば消ぬ風立ぬまに〓ななくゆふぐれの秋風に我さへあやな物ぞかなしき山家眺望といふことを正くれかゝる夕の空を眺むれば木高き山に秋風ぞふく秋をへて忍びも兼ず物ぞ思ふ小野の山べの夕暮の空聲高み林にさけぶ猿よりも我ぞもの思ふ秋の夕べは秋のうたヘ玉垂のこすの隙漏秋風は妹戀しらに身にぞしみける秋風はやゝ肌寒くなりにけり獨や寢なむ長き此夜をニ雁なきて秋風寒くなりにけり獨やねなむ夜の衣薄し一小篠原夜はに露ふく秋風をやゝ寒しとや蟲の侘らむ秋深み露寒き夜の蛬たゞいたづらに音をのみぞなく庭草の露のかずそふ村雨に夜ふかき蟲の聲ぞ悲しきm2あさち原露しげき庭の蛬秋ふかき夜の月に鳴くなり三天の原ふりさけ見れば月〓み秋の夜痛く更にける哉月をよめる
田家秋といふことを唐唐稻葉の露に袖ぬれて物思へともなれる我が身かAM山守守る庵にしをれば朝な〓〓絕ず聞つるさを鹿の聲夕鹿なく鹿の聲より袖におくか露もの思ふ頃の秋の夕暮しかをよめるn妻こふる鹿ぞなくなる小倉山山の夕霧立にけむかも五夕されば霧立ちくらし小倉山山のと陰に鹿ぞ鳴なる〓〓の〓るの遙梢にこめて高師の山に鹿ぞ鳴くなるささ更更るまゝに外山の木間より誘ふか月を獨鳴く鹿1月1のを哀み哀と思ふをさ夜更てみ山隱れに鹿ぞ鳴なる閑居望月五五苦の庵に獨ながめて年も經ぬ友なき山の秋の夜の月名所秋月4月月れれば衣手寒しさらしなやをばすて山の峯の秋風五山山むむむむ表手うすし更科や姨捨の月に秋ふけしかばAM小波やひらの山風さ夜更けて月影寂ししがのから崎秋の歌〓〓月月み秋の夜痛く更にけり佐保の川原に衛しばなく月前擣衣秋たけて夜深き月の影みれば荒たる宿に衣うつなりさ夜ふけて半たけ行く月影にあかでや人の衣打らむニ夜夜寒みね覺めてきけば長月の有明の月に衣搆なり擣衣をよめるヲ獨ぬる寢覺に聞くぞあはれなる伏見の里に衣うつ聲六びみよし野の山下風の寒き夜を誰ふる里に衣うつらむ秋の歌昔思ふ秋のねざめの床の上にほのかに通ふ峰の松風見る人も無て散にき時雨のみふりにし里の秋萩の花秋萩のむかしの露に袖ぬれて古き籬に鹿ぞなくなる朝まだき小野の露霜寒ければ秋をつらしと鹿ぞ鳴なる〓秋萩の下葉の紅葉うつろひぬ長月の夜の風の寒さに雨のふれる夜に菊を見てよめる〓露露重重〓雛の菊のほしも敢ずはるれば曇る宵の村雨月夜菊の花をたをるとて「ぬれて折る袖の月影ふけにけり籬の菊の花の上の露ある僧に衣をたまふとでニ野野みれば露しも寒し蛬夜の衣のうすくや有るらむ長月の夜養のなくを聞きてよめる養夜はの衣の薄き上に痛くは霜の置かずもあらなむ九月霜降秋早寒といふ心を〓の〓もほのかになりぬ花薄秋の末葉に霜や置らむ秋の末によめる北海鳴きて吹風寒み高圓の野べの淺茅は色づきにけり七七雁なきて寒き朝げの露霜にやのゝ神山色づきにけり名所紅葉初雁の羽風の寒くなる儘にさほの山べは色づきに島No雁暗て寒き嵐のふくなべに立田の山は色づきにけり七雁のなくを聞きてよめる〓朝朝ななく雁がね寒み唐衣立田の山は紅葉しぬらむ深山紅葉神無月待で時雨や降にけむみ山に深き紅葉しにけり佐保山の柞の紅葉時雨にぬるゝといふことを人々によませしついでによめる〓佐保山の柞の紅葉千々の色に移ろふ秋は時雨降けり秋歌一本葉ちる秋の山べはうかりけり堪でや鹿の獨鳴らむ「紅葉は道もなきまで散しきぬ我宿をとふ人し無けば水上落葉流流く木葉の淀むえにしあれば暮ての後は秋も久き暮てゆく秋の湊に浮ぶ木葉蜑の釣する船かともみゆ秋を惜むといふことを集歌和槐金長月の有明の月の盡ずのみくる秋每にをしき今日哉七年毎の秋の別は數多有れど今日の暮るゝぞ侘しかりける九月盡の心を人々に仰せてつかうまつらせしついでによめる〓初瀨山けふを限と詠めつゝ入あひの鐘に秋ぞ暮ぬる冬十月一日よめる秋はいぬ風に木葉は散果て山寂しかる冬は來にけり松風しぐれに似たり〇九降ぬ夜もふるとも紛ふ時雨哉木の葉の後の峰の松風一神無月木の葉ふりにし山里は時雨にまがふ松の風哉冬の歌ニ木葉ちり秋も暮にし片岡の寂しき杜に冬は來にけり三九神無月時雨ふるらし奥山は外山の紅葉今さかりなり冬のはじめの歌九神無月時雨ふればか奈良山の楢の葉柏風にうつろふ四下記葉かつは移るふ作原神無月とて時雨ふれりてへかみむろ山紅葉ちるらし神な月龍田の川に錦おりかく吉野川もみち葉流瀧の上のみふねの山に嵐吹らしA散散る木の葉朽にし谷水も氷りて閉る冬はきにけり野霜といふことを花花枯枯る結ぼゝれつゝ冬は來にけり九霜をよめる。東路の道の冬草枯にけり夜な〓〓霜や置き增るらむ。大澤の池の水草枯にけり長き夜すがら霜やおくらむ月影霜に似たりといふことをよめる一月影の白きをみれば鵲のわたせる橋に霜ぞおきける冬の歌30夕月夜さほの川風身にしみて袖より過ぐる衛なく也河邊冬月〓衡なくさほの河原の月〓み衣手寒し夜やふけぬらむ月前松風00天の原空をさむけみ烏羽玉の夜渡る月に松風ぞふく海のほとりの千鳥といふことを人々あまたつかうまつりしっいでにxo夜を寒み浦の松風吹結びむしあけの浪に衛なくなりto夕づく夜みつ汐あひの潟をなみ浪に萎れて鳴く衛哉x0月〓みさよ更行けば伊勢島やいちしの浦の衡鳴なり名所千鳥。衣手に浦の松風さえわびて吹上の月に千鳥なくなり〓風寒み夜のふけゆけば妹が島かたみの浦に衡鳴く也寒夜千鳥深き夜の霜ーむば玉の妹が黑髪うち靡き冬深さ夜に霜ぞおきける冬の歌一片敷の袖こそ霜に結びけれ待夜ふけぬる宇治の橋姫かたしきの袖も凍りぬ冬の夜の雨ふりすさむ曉の空夜を寒み河漏に浮ぶ水の泡の消敢ぬ程に氷しにけり氷をよめる一音羽山やまおろし吹て逢坂の關の小河に氷しにけり月前嵐更にけり外山の嵐さえ〓〓て遠路の里に澄める月影湖上冬月といふことを比良の山やま風さむきからさきや鳰の湖月ぞ氷れる池上冬月原の池の蘆まの氷柱繁けれど絕々月の影は澄みけり冬の歌蘆の葉は澤べもさやに置霜の寒き夜な〓〓氷しに見〓難波〓蘆の葉白く置霜の冴たる夜はにたづぞ鳴なる夜更けて月を見てよめる一さ夜更て雲間の月の影みれば袖に知れぬ霜ぞ置ける社頭霜集歌和槐金
〓さ夜更て稻荷の宮の杉の上に白くも霜の置にける哉屏風に三輪の山に雪のふれる所冬籠共とも見えず三輪の山杉の葉白く雪のふれゝば社頭雪みみ野野のなざの葉しだり降雪は神の懸たるしでにぞ有らし鶴岡別當僧都のもとに雪のふりし朝よみて遣はす歌鶴が岡あふぎてみれば岑の松梢はるかに雪ぞ積れる一八幡山木高き松にゐるたづの羽白妙にみ雪ふるらし海湯鶴難波がた汐ひにたてる葦鶴のはぬ白妙に雪は降つゝ冬の歌降積る雪ふむ磯の濱千鳥波に萎れて夜はになくなり鵜ゐる磯邊に立る室の木の枝もとをゝに雪ぞ積れるm夕されば汐風寒し波まよりみゆる小島に雪は降つゝ立昇る煙はなほぞつれもなき雪のあしたの鹽竈の浦雪をよめる一詠むれば寂しくも有か煙たつ室の八島の雪の下もえ冬の歌三ささばば風風寒しあま小舟とま瀨の山にみ雪降らし卷もくの檜原の嵐さえ〓〓て弓槻が嶽に雪降にけり五三み山には白雪ふれり信樂のまきの柚人道たどるらした拂へたゝ雪分衣ぬきを薄み積れば寒し山おろしの風七槇の戶を朝げの雲の衣手に雪を吹まく山おろしの風ヘル山は冬こそ殊にわびしけれ雪踏分けて訪人もなし加我庵は吉野の奥の冬ごもり雪降積みてとふ人もなし〇奥奧の岩ねに生る菅の根のねもころ〓〓にふれる白雪おおづづららしか山深み苔の庵の雪の夕暮寺邊夕雪ううつつに物ぞ悲しき泊瀨山をのへの鐘の雪の夕暮閑居雪故〓はうら寂しともなき物をよし野の奥の雪の夕暮四冬の歌夕さればすゞ吹く嵐身にしみて吉野の嶽にみ雪降らしエム山高みあけ離れ行く橫雲のたえまに見ゆる峰の白雪見渡渡せば雲ゐはるかに雪しろし富士の高嶺の曙の空笹の葉のみ山もそよに霰ふり寒き霜夜を獨かもねむ山邊霰Ng雲きき山山の風さえ〓〓て生駒のたけに霰降るらし雪をよめる加敏鷹も今日は白ふに變るらむと返る山に雪のふれゝば冬の歌ai雪ふりてけふとも知らぬ奥山に炭やく翁哀はかなきユ炭がまの煙もさびし大原やふりにし里の雪の夕ぐれエカわ門門の板井の〓水冬深み影こそ見えぬ氷すらしも冬深み氷やいたく閉つらむ影こそみえの山の井の水五冬深み氷にとづる山河のくむ人なしに年やくれなむ五五ものゝふの八十字治川を行水の流れて早き年の暮哉五瓦.白雪のふるの山なる杉むらのすぐる程なき年の暮哉葛城や山を木高み雪白しあはれとぞ思ふ年の暮ぬる佛名の心をよめるな身に積る罪やいかなる罪ならむけふ降雪と共にけめらむ歲暮が老らくの頭の雪を留め置てはかなの年や暮て行らむ〓取も敢ずはかなく暮て行年を暫し留めむ關守もがな"乳房すふまだいとけなき綠子と共に泣ぬる年の暮哉ちりをだに据じとや思ふ行年の跡なき庭を拂ふ松風ヨえうう玉玉のこの夜なあけそ屢もまだ古年の內と思はむ六〓くく今宵明なば行年の思出もなき春にや逢はなむ賀千千々々の春萬の秋に長らへイ花と月とを君ぞみるべき男山神にぞ幣をたむけつる八百萬代も君がまに〓〓て集歌和槐松によする祝といふことをよめる廿八幡山木高き松の種し有れば千歳の後も絕じとぞ思位山木だかくならむ松にのみ八百萬代と春風ぞふく行行末も限りはしらず住吉の松に幾代の年か經ぬらむ〓住江に生ふてふ松の枝茂み葉毎に千世の數ぞ籠れる七一君が代は猶しもつきじ住吉の松は百度おひ替るとも祝の心をchtたづのゐる長柄の濱の濱風に萬代かけて波ぞよすなる七姫島の小松がうれにゐるたづの千年ふれとも年老に身大嘗會の年のうた點米木もて君が造れる宿なれば萬代ふ共舊ずも有らなむ梅の花をかめにさせるを見てよめる玉垂のこがめにさせる梅花萬代ふべきかざし也けり花のさけるを見て宿にある櫻の花は咲にけり千年の春も常かくし見む苔によする祝といふことを〓ににす苔の綠の深き色を幾千世までと誰か染けむ二所詣でしはべりし時ちゃやはるふる伊豆のお山の玉椿やほ萬代も色は變らじ月によする祝萬代に見るともあかじ長月の有明の月のあらむ限は河邊月〇千早ふる御手洗川の底〓み長閑に月の影はすみけり祝の歌〓君が代も我世も盡じ石川や蟬の小河の絕じと思へば、朝に有て我世は盡じ天のとや出る月日の照らむ限は戀初戀の心をよめる〓〓霞霞たっ田の山の櫻花おぼつかなきを知る人のなき宿鹿戀秋の野に朝霧隱れ鳴鹿のほのかにのみや聞渡りなむ戀の歌私足曳の山の尾上に刈菅の束のまもなく亂れてぞ思ふ六八我戀は初山あゐのすり衣人こそしらね亂れてぞ思ふ木隱れて物を思へば空蟬の羽におく露の消や返らむハムののにおく露の丸木橋ふみ見ぬ先に消やわたらむ月影のそれか非ぬか陽炎の仄かにみえて雲隱れにき2雲雲れ鳴て行なる初雁のはつかに見てぞ人は戀しき草によせて忍ぶる戀一秋風になびく薄のほにはいです心亂れて物思ふかな風によする戀ニあだし野の葛の裏吹秋風のめにし見えねば知人もなし秋萩の花野の薄露を重み己れ萎れてほにやいでなむある人のもとへ遣はしはべりし難波潟汀の蘆のいつまでかほに出ずしも秋を忍ばむ雁のゐる羽風に騒ぐ秋の田の思亂れてほにぞ出ぬる戀の心をよめるささ更更雁雁翅露の消ても物は思ふかぎりを忍ぶ戀も時雨ふる大荒木野の小笹原〓はひづとも色に出めや神無月の頃人のもとにAM時雨のみふるの神杉舊ぬれどいかにせよとか色の難面き戀の歌〓ををみみ鴨の羽がひに置霜の縱ひけぬ共色に出めや。葦鴨のさわぐ入江の浮草のうきてや物を思ひ渡らむ海の邊の戀。うき波のを島の海士の濡衣ぬるとな云そ朽は果とも。0勢勢島やいちしの蜑の捨衣逢ふ〓となみに朽や果なむ00淡路島かよふ千鳥の屢もはねかくまなく戀や渡らむ戀のうた〓〓國國のきくの長濱夢にだにまだみぬ人に戀や渡らむ。10須磨の浦に蜑の燈せる漁火の仄に人を見る由もがな集歌和槐金
お。ののの灘の鹽燒我なれや夜はすがらに燻り侘らむ沼に寄せてしのぶ戀〓隠沼の下はふ蘆の水籠りに我ぞ物思ふ行方しらねば水邊の戀vo眞菰生る淀の澤水み錆ゐて影し見えいば問人もなし加三島江や玉江の眞菰み隱てめにし見えねば刈人もなし雨によする戀。郭公なくやさ月の五月雨の晴ず物思ふ頃にもある哉時鳥待夜ながらの五月雨に滋き菖蒲のねにぞ鳴なる一部公鳴くやさ月の卯の花のうき言のはのしげき頃哉夏の戀といふことをささきき本木の下闇の暗ければおのれ惑ひてなく郭公戀のうた奧山のたづきもしらぬ君により我心から惑ふべら也奧山の苔ふみならすさを鹿も深き心の程はしらなむか天の原風に浮きたる浮雲の行くへ定めぬ戀もする哉雲によする戀白雲の消は消なで何しかも立田の山の名のみ立らむ衣によする戀〓ららゝゝ身はうらぶれめ唐衣さても立にし名こそ惜けれ戀のこゝろをよめるか君にこひうらぶれをれは秋風に靡く淺芽の露ぞけぬべき〓物思ぬ野べの草木の葉にだにも秋の夕は露ぞ置ける一秋の野の花の千種に物ぞ思ふ露より滋き色はみえねど露によする戀我袖の涙にもあらぬ露にだに萩の下葉は色に出けり戀の歌三山城の岩田の杜のいはずとも秋の梢は著くや有らむ山家の後のあした消えなまし今朝尋ねずは山城の人こぬ宿の道芝の露撫子によする戀撫子の花におきぬる朝露のたまさかにだに心隔つな草に寄せて忍ぶる戀た我戀は夏野の薄茂けれどほにし非ねばとふ人もなし逢ひてあはぬ戀〓〓更更に何をか忍ぶ花薄ほに出でし秋も誰ならなくに薄によする戀まつ人はこぬもの故に花薄ほに出て妬き戀もする哉賴めたる人のもとに小笹原おく露寒み秋されば松蟲の音に鳴ぬ夜ぞなき0待待宵宵更更くだにも有物を月さへあやな傾きに見まてとしょ賴めぬ山も月は出ぬ云し計りの夕暮の空月によする戀數數ならぬ身は浮雲のよそ乍ら哀とぞ思ふ秋の夜の月月影もさやには見えず搔昏す心の闇の晴れし遣ねば月の前の戀我 に袖えず月ぞ宿りける問人あらばいかゞ答へむ秋の頃いひなれにし人のもとへまかれりしに便につけて文など遣すとて正うはの空に見し佛を思出でゝ月に馴にし秋ぞ戀しき施達を雲ゐのよそに行雁の遠ざかればや聲も聞えぬ遠き國へまかれりし人八月ばかりに歸りまゐるべきよしを申して九月まで見えざりしかば彼の人の許に遣しはべりし歌セこむとしも頼めぬ上の空にだに秋風吹けば雁は來に島〓〓今こむと賴めし人は見えなくに秋風寒み雁はきに身雁によする戀た忍び餘り戀しき時は天の原空とぶ雁の音に鳴ぬべし戀の歌ch海海衣衣田簑の島に鳴くたづの聲聞しより忘れ兼つゝ「難波潟浦より遠に鳴たづのよそに聞つゝ戀や渡らむ二人知ず思へば苦し武隈の待とはまたじ待てば術なし集歌和槐金「我戀はみ山の松にはふ蔦の茂きを人の問ずぞ有ける진山茂み木の下隱れゆく水の音聞きしより我や忘るゝ神山の山下水の湧き返りいはでもの思ふ我ぞ悲しき加答深き石間を傳ふ山水の音こそ立てね年は經にけり45東東の道の奥なる白川のせきあへぬ袖をもる淚かなAN忍山下ゆく水の年をへて湧きこそ返い逢ふ山をなみ加もらし侘びぬ忍の奧の山深み木隱れてゆく谷川の水02心心ししののににききらば阿武隈河は見まく近けむ一年年とも音には立てじ音羽河下ゆく水のしたの思を五五上ふるの高橋ふりぬとももとつ人には戀や渡らむ一度瀬川袖つく計り淺けれど我は深めて思ひそめてき〓〓坂坂の關やもいづら山科の音羽の瀧の音に聞きつゝ五五石走る山下たぎつやま川の心くだけて戀やわたらむ五R山河の瀨々の岩波わき返りおのれ獨や身を碎くらむ浮浮み果は泡とぞ成ぬべき瀨々の兴波身を碎きつゝ万戀五自自に降て積れる雪なれば下こそきゆれ上は難面し加雲のゐる吉野の嶽にふる雪の積り〓〓て春に逢に島〓○春深み峰の嵐にちる花の定めなき世に戀つゝぞふるNo月によせて忍ぶる戀一春やあらの月はみしよの空乍ら馴し昔の影ぞ戀しきニ思ひきや有し昔の月影を今は雲居のよそに見むとは待つ戀の心をよめるさむーろに獨空しく年もへぬ夜の衣の裾あはずして狹筵にいくよの秋を忍びきぬ今はた同じ宇治の橋姫ここ人人必必つとなけれども曉方になりやしぬらむ曉の戀=狹筵に露のはかなくおきていなば曉每に消や渡らむ曉の戀といふことを曉の露やいかなる露ならむ起てしゆけば侘しかり身メ曉の鳴の羽搔しげゝれどなど逢ふ〓との間遠なるらむ人まっ心をよめるカニ陸奥のま野の萱原假にだにこぬ人をのみ待が苦しき○まてとしも頼めぬ人の葛の葉もあだなる風を怨やはせぬ戀の心をよめる一秋深み裾野の眞葛沽々に怨むる風のおとのみぞする秋秋野におく白露の朝な〓〓儚くてのみ消や返らむ風をまつ今はた同じ宮城野の本荒の萩の花の上の露菊に寄する戀消返り有るか無かに物ぞ思ふ移ろふ秋の花の上の露花よりも人の心は初霜のおき敢へぬ色の變る也けり久しき戀の心を〓幾戀は逢でふる野の小笹原幾代迄とか霜のおくらむ古郷戀草深みさしも荒たる宿なるを露を形見に尋ねこし哉里里荒荒にれや淺茅が露に松蟲のなく九あれにけり頼めし宿は草の原露の軒ばに松蟲の鳴くo(忍草忍び〓〓におく露を人こそ訪はね宿はふりにき一宿は荒て古きみ山の松にのみ訪べき物と風の吹らむ年を經て待つ戀といふことを人々におほせて仕うまつらせし次でに〓古里の淺茅が露にむすぼゝれ獨鳴く蟲の人を怨むる物語に寄する戀〓別れにし昔は露か淺茅原あとなき野べに秋風ぞふく冬の戀〓淺茅原跡なき野べに置霜の結ぼゝれつゝ消や渡らむ〓淺茅原あだなる霜の結ぼゝれ日蔭を待に消や渡らむ庭の面に茂りにけらし八重葎訪で幾よの秋か經ぬ覽い故〓の杉の板屋の隙を荒み行逢はでのみ年のへぬ覽簾によする戀津津の國のこやの丸屋の葦簾問遠になりぬ行逢ずして集歌和槐金
八か住吉の待とせしまに年も經ぬちぎの片そぎ行合ずして〇九住の江の待事久になりに島來むと賴めて年の經めれば"思ひたえ侘にしものを今更に野中の水の我を賴むるニーをルふ鹿野す草の露の露よりも知じな茂き思ありとはきかで唯あらましものを夕月夜人賴めなる荻の上露棚機によする戀九七七ににのの身身のなぞもかく年に稀なる人を待らむ戀の歌我戀は天の原とぶ葦たづの雲居にのみや啼渡るらむ九人方の天の川原に住むたづも心に非ぬ音をや鳴く覽九久方の天とぶ雲の風を痛み我はしか思ふ妹にし逢ねばんわが戀は賀古の渡の綱手繩たゆたふ心やむ時もなしこがねによする戀金金はるみちのく山にたつ民の命も知らぬ戀もする哉。逢事のなき名を辰の市にうる兼て物思ふ我身也けり雪中待人と云ふことを。今日もまた獨詠めて暮れにけり賴めぬ宿の庭の白雪戀の歌co奧奧のいはかき沼に木葉落て沈める心人知るらめや50奧山の末のたづきもいさ知ず妹に逢ずて年の經行けば富士の嶺の煙も空に立つ物をなどか思の下に燃らむ〓思ひのみ深きみ山の郭公人こそ知ね音をのみぞなく加名にし負はゞそのかみ山の葵草かけて昔を思出なむ夏深き杜の空蟬己れのみむなしき戀に身を碎くらむX大大木の洋田の杜に引しめの打はへてのみ戀や渡らむか。それをだに思ふ〓ととて千早振神の社に泣ぬ日はなし。千早振加茂の川波幾そたび立返るらむ限り知らずも一涙こそ行方も知ねみわの崎佐野のあたりの雨の夕暮しらま弓磯邊の山の松の葉の常磐に物を思ふ頃かな一白波の磯こせぢなるのとせ河後も逢みむ身をし絕ずば渡つ海に流て出たる飾磨川しかも絕ずや戀渡りなむ一君により我とはなしに須磨の蒲に藻汐垂つゝ年のへり覽た沖つ波打出の濱のはま楸萎れてのみや年のへぬらむ〓ててみみ荒磯の海の在つゝも逢夜もあらば何か恨みむ〓三熊野の浦の濱ゆふ云ずとも思ふ心の數を知らなむが我戀はもゝしま廻る濱干鳥行方も知ぬかたに啼く也○沖つ鳥鵜のすむ石による波のまなく物思ふ我ぞ悲しき一田子の浦の荒磯の玉藻波の上に浮てたゆたふ戀もする哉一隅ゐるあら磯の洲崎鹽滿てかくろひゆけば增る我戀〓武庫の浦の入江の洲鳥朝な〓〓常にみまくの欲き君哉旅三玉鉾の道は遠くも非なくに旅とし思へば佗しかり鬼草枕旅にしあれば刈菰の思ひ亂れていこそ寢られぬ旅ごろも袂かたしき今宵もや草の枕に我ひとりねむ覊中夕露露露みならはぬ野べのかり衣ころしも悲し秋の夕暮〓野邊わけぬ袖だに露はおく物を唯此頃の秋の夕ぐれ旅旅うらがなしかる夕暮の裾野のつゆに秋風ぞふく醫中鹿0旅旅裾野の露にうらぶれてひも夕暮に鹿ぞなくなる秋もはや末野の原になく鹿の聲きく時ぞ旅は悲しき獨りふす草の枕のよるの露ともなき鹿の涙なりけり旅宿月獨ふす草の枕の露の上に知らぬ野原の月を見るかな〓岩がねの苔の枕に露おきて幾夜み山の月にねぬらむ旅宿霜三神枕霜おく床の苔の上にあかすばかりのさよの中山だしなが鳥猪名野の原のさゝ枕まくらの霜や宿る月影旅の歌11旅旅する伊勢の濱荻露ながら結ぶ枕にやどる月かげ旅宿時雨一旅の空なれぬ埴生の夜の床〓しきまでにもる時雨哉集歌和槐金屏風の繪に山家に松かける所に旅人あまたあるをよめる稀に來てきくだに悲し山がつの苔の庵の庭の松かぜcmまれにきて稀に宿かる人もあらじ哀と思へ庭の松風雪ふる山の中に旅人ふしたる所コかたしきの衣手いたくさえ侘ぬ雪深き夜の峰の松風一曉の夢のまくらに雪つもりわが寢覺とふ峰の松かぜ霧中雪旅旅夜半の片しきさえ〓〓て野中の庵に雪降にけり逢坂の關の山道こえわびぬ昨日も今日も雪し積れば雪雪て跡ははかなく絕ぬとも越の山道やまず通はむ二所へ詣でし下向に春雨いたくふりしかばよめる春雨はいたくなふりそ旅人の道行き衣濡もこそすれb春雨に打ちそぼちつゝ足引の山路行くらむ山人や誰雜海邊立春といふことをよめるAV竈竈の浦の松村霞むなり八十島かけて春やたつらむ子日加いかにして野中の松の舊ぬ覽昔の人は引ずや有けむ殘雪14春きては花とか見えむ自ら朽木の柚にふれる白ゆき鶯エ深ぐさの谷の鶯春ごとに哀むかしと音をのみぞなくニ草草かき霞の谷に春ごもる鶯のみやむかし戀ふらし海邊春月三生住の松の木隱れゆく月の朧ろにかすむ春の夜の空屏風に加茂へまうでたる所HI立ちよれば衣手すゞし御手洗や影見る岸の松の川波海邊春望難波潟こぎ出つる舟のめも遙に霞にきえて歸る雁音關路花名にし負はゞいさ尋みむ逢坂の關路に匂ふ花は有やと五五五尋ねみるかひは誠に逢坂の山路に匂ふ花にぞ有けるA〓逢坂の嵐の風に散る花をしばしとゞむる關守ぞなきな逢坂の關の關やの板廂まばらなればや花のもるらむ櫻いいにしへの朽木の櫻春毎に哀むかしと思ふかひなし一空蟬のよは夢なれや櫻花咲きては散りぬ哀いつまで屏風に春の繪かきたる所を夏みてよめる見てのみぞ驚かれぬる鳥玉の夢かと思ひし春の殘れる撫子床しくば行ても見ませゆき島の巖に生ふる撫子の花戀我宿のませのはたてに葡ふ瓜の成も成ずも二人ねまほし六月祓我國の大和島根の神たちを今日の御禊に手向つる哉かあだ人のあだに有身のあだ事をけふ六月の祓へすてつと云山家思秋事事き世を遁れにし山里にいかに尋ねて秋のきつ覽獨獨く袖よりおくか奧山のこけの扉の道のゆふつゆ故郷蟲賴めこし人だに訪はぬ古里に誰松蟲のよはに鳴らむ故〓の心を。)鴉なく舊にし里の淺茅生に幾夜の秋の露かおきけむ契むなしくなれる心をよめる〓契りけむこれや昔の宿ならむ淺茅が原に鶉なくなりあれたる宿の月といふことを七淺ぢ原ぬしなき宿の庭の面に哀幾夜の月かすみけむ=月をよめるシ思出でゝ昔を忍ぶ袖の上に有しにも非ぬ月ぞ宿れる行き廻り又もきて見む古里の宿もる月は我を忘るな集歌和槐金
大原や朧のしみづ里遠み人こそくまね月はすみけり水邊月わくらばに行てもみしが醒が井の古き〓水に宿る月影七まな板といふ物の上に雁をあらぬさまにして置きたるを見てよめる蓑なり雲ゐのよそに行く雁の斯る姿に成ぬと思へば聲うちそふる沖つ白波といふ古ことを人々あまた仕うまつりてし次でによめるNo住住の岸の松ふく秋風を賴めて波のよるを待ちける月前千鳥九玉津島わかの松原夢にだにまだみぬ月に衝なくなり冬のはじめによめる〓春といひ夏とすぐして秋風の吹上の濱に冬はきに島濱へ出でたりしに海士の藻汐火をみていつもかく寂き物か葦の屋にたきすさびたる蜑の藻汐火〓水鳥の鴨の浮寢のうき乍ら玉藻の床に幾夜へぬらむ松間雪高砂の尾上の松にふる雪のふりて幾世の年か積れる海邊冬月月月すす磯の松風さえ〓〓て白くぞ見ゆる雪の白濱屏風に奈智のみ山書きたる所冬籠るなちの嵐の寒ければ苔の衣の薄くやあるらむみ山に炭やくを見てよめる炭をやく人の心も哀なりさてもこの世を過ぐる習は足にわづらふことありて入りこもれりし人のもとに雪ふりし日よみて遣す歌〓雪雪をいかに哀と詠むらむ心は思ふとも足立ずして老人寒をいとふといふことをM年ふれば寒き霜社さえけらし頭べは山の雪ならなくに雪我のみぞ戀しとは思ふ波のよる山の額に雪の降れゝば0年積る越の白山しらずともかしらの雪を哀とは見よ老人憐.歲暮→老ぬれば年の暮ゆく度ごとに我身一つと思ほゆる哉ニカ白ととひひとねひ老ぬるけにや事しあれば年の早くも思ほゆろ哉打打れ儚なくてのみすぐしきぬ哀と思へ身し積る年足足の山より奧に宿もがな年のくまじき隱がにせむ年のはての歌〓行年の行方を問へば世中の人こそ一つまうくべらなれ雜春秋は變りゆけども渡つ海の中なる島の松ぞ久しきみさきといふ處へまかれりし道に磯邊の松年ふりにけるをみてよめる磯の松幾久さにかなりぬらむいたく木高き風の音哉物まうでし侍りし時磯のほとりに松一本ありしをみてよめるM梓弓磯邊に立てる一松あなつれ〓〓げ友なしにして屏風の歌九年ふれば老に倒れて朽ぬべき身は住江の松ならなくに○住の江の岸の姫松ふりにけり孰の世にか種は蒔けむ。。豊國のきくの濱松老にけり知ず幾世の年かへにけむ屏風の畫に野の中に松三本生ひたる所をきぬかぶれる女人とほりたる。自ら我を尋ぬる人もあらば野中の松よみきと語るなかち人の橋わたる所30かち人の渡ればゆるぐ葛飾のまゝの繼橋朽やしぬ覽故〓の心を〓古をしのぶとなしに石上ふりにし里に我はきにけり10石上舊き都は神さびてたゝるにしあれや人も通はぬ相州の土屋といふ所に年九十にあまれるくち法師ありおのづからきたり昔語などせしついでに身の立ちゐにたへずなむなりぬることを泣く泣五七五九二集歌和槐金く申して出でぬ時に老といふこと人々におほせて仕うまつらせし次でによみはべる歌おう我幾そ見し世の事を思出でつ明る程なき夜の寢覺にto思出て夜はすがらにねをぞなく有し昔のまゝの古事。中々に老はほれても忘れなでなどか昔をいと忍ぶ覽50道遠し腰は二重に届まれり杖に縋りてそこ迄もくる〓さりともと思物から日をへては次第々々に弱る悲さ雜歌一孰くにて世をば盡さむ菅原や伏見の里も荒ぬと云物を〓〓侘び世を背くべき方知ず吉野の奧も住憂しと云か二世にふれば憂き言の葉の數每に絕ず淚の露ぞ置けるあし〓難波潟うきふし繁〓の葉に置きたる露の哀世の中ふね1世中は常にもがもな渚こぐ蜑の小船の網手かなしも千鳥朝ぼらけ跡なき波に鳴く衝あなこと〓〓し哀いつ迄鶴七澤邊より雲ゐに通ふ蘆鶴も憂事あれや音のみ鳴らむ慈悲の心を入物云の四方の獸すらだにも哀なる哉や親の子を思ふ道のほとりに幼き童の母を尋ねていたく泣くを其のあたりの人に尋ねしかば父母なむ身まかりにしとこたへはべりしを聞きてよめるかいとほしや見に涙も留らず親と無き子の母を尋ぬる無常を○斯てのみ有て儚き世中をうしとやいはむ哀とや云はむ一現とも夢とも知ぬ世にし有れば有とて有と賴べき身かわび人の世に立ちめぐるを見てよめる〓とに斯に哀有ける世にしあればなしとても無世をもふるかも日頃やまうすともきかざりし人曉はかなくなりにけると聞きてよめる一聞てしも驚くべきに非ねども儚き夢の世に社有けれ世間常ならずといふことを人の許によみて遺はし侍りし世中に長き〓とも儚きも思ひし解けば夢にぞ有りける大乘作中道觀の歌1世中は鏡に映る影にあれや有るにも非ず無にも非ず思罪業歌た畑のみ虛空にみてるあび地獄行方も無しと云も儚し懺悔の歌塔をくみ堂を造るも人歎き懺悔に優る功德やはある得功得歌大大のの大よ出出ゝゝ摩耶形三摩耶形又尊形となる心のこゝろをよめる加神といひ佛といふも世中の人の心のほかのものかは=建曆元年七月洪水漫〓天士民然歎せむ事を思ひて一人奉向本尊聊致祈念0時時よより過ぐれば民の歎きなり八大龍王雨やめ給へ人心不常といふことをよめる一とに斯にあな定なの世中や喜ぶ者あらば侘る者あり黑一島玉のやみの暗きに天雲の八重雲隱れ雁ぞ鳴くなる白鷗ゐる沖の白洲にふる雪の晴行く空の月のさやけさある人都の方へのぼり侍りしにたよりにつけてよみて遣す歌四三夜を寒み獨ねざめの床さえて我衣手に霜ぞ置きけるかかる折も有ける物を手枕の隙もる風を何厭ひけむ〓岩根ふみ幾重の峰を越えぬとも思も出では心隔つな都より吹こむ風の君ならば忘るなとだに云まし物をト打打て思ふ計は云はねども便につけて尋ぬばかりぞ
供の者に此の海の名はしるやと尋ねしかば伊豆00箱根路をわが越くれば伊豆の海や沖の小島に波のよるみゆの海となむ申すと答へはべりしを聞きて朝ぼらけ八重の汐路霞み渡りて空も一つに見えはべりしかばよめる一空空海波や空ともえぞわかぬ霞も波も立みちにつゝあら磯に波のよるを見てよめるニ大大ののも轟による波のわれて碎けて裂て散るかも走湯山に參詣の時の歌三五つのの中に向て出る湯のいづのお山と宜も云けり〓伊伊の國山の南にいづる湯の早きは神の驗なりけり五五走走湯の神とはむべも云けらし早き驗のあれば也鳬五神祇メー端端の久しき代よりゆふ襷かけし心は神ぞ知るらむ五一里里ここみみたて笹のそよ〓〓に靡き起臥好や世中ベルつつの勢多の赤城の神社大和に爭で跡を垂れけむ法眼定恩に逢ひてはべりし時大峰の物語などせし聞きて後よめるなり返返りゆきゝの峰のそみかくた鈴懸衣きつゝ馴けむ〓〓懸〓の苔折きぬのふる衣いく木の本にきつゝ馴けむ「奧山のこけの衣におく露はなみだの雨の雫なりけり那智の瀧いありさまを語りしを三熊野のなちのお山に引ひめの打はへてのみ落る瀧哉三輪の社を今今る三輪の祝が杉社過ぎにし事はとはずともよし賀茂祭の歌葵草蠶にかけて千早ふる賀茂の祭をねるや誰が子ぞ社頭松風舊舊けけ朱の玉垣神さびてやれたるみすに松風ぞ吹社頭月か月のすむ北野の宮の小松原幾代をへてか神寂にけむ加都べに夢にもゆかむ便あらば宇津の山風吹も傳へよ五月の頃陸奥へまかれりし人のもとに扇など數多遣し侍りし中に郭公かきたる扇に書きつけ侍し氏0立別れいなばの山の郭公まつと告こせ歸りくるがに近う召しつかふ女房遠き國へまからむといとま申し侍りしかば一山遠み雲居に雁の越ていなば我のみ獨ねにや鳴なむ遠き國へまかれりし人のもとより見せばや袖のなど申しおこせたりし返事に我我にぬるゝには非じ唐衣山路の苔の露にぞ有けむ忍びて云ひわたる人ありき遙なる方へゆかむといひはべりしかばゆひ初て馴したぶさの濃紫思はず今に淺かりきとは山の端に日の入るをみてよめる紅の千入のまふり山端に日の入る時の空にぞ有ける二所詣の下向に濱べの宿の前に前川といふ川あり雨ふりて水まさりにしかば日くれてわたりはべりし時よめる1濱濱なる前の川瀨を行水の早くも今日の暮にける哉相模川といふ川あり月さし出でゝ後船にのりて渡るとてよめる知夕月夜さすや川瀨の水馴棹なれても踈き波の音かな二所下向の後朝にさぶらひども見えざりしかば加族を行し跡の宿守おれの〓〓に私あれや今朝は未こぬ民の竈より煙の立つを見てよめるNaみちの國爰やが。孰く鹽竈の浦とはなしに煙たつみゆ又の年二所へ參りたりし時箱根の湖をみてよみはべる歌加玉匣箱根のみ海けゝれあれや二國懸て中にたゆたふ箱根の山を打ち出でゝ見れば波のよる小島あり神祇一月牙ゆる御裳瀬川の底〓み孰のよにか澄み始めけむ古の神代の影ぞのこりける天の岩戶の明けがたの月が八百萬四方の神達集れり高天が原にきゝたかくして伊勢御遷宮の年の歌〓神風や朝日の宮の宮遷し影長閑なる世にこそ有けれ七述懷一君が代に猶長らへて月〓み秋み空の影を待たなむ太上天皇御書下預の時の歌ニ大君の勅を畏みちゞはくに心はわく共人に云めやもひとかんのしに國朝日さすはこやの山の影と成にき七山はさけ海はあせなむ世也とも君に二心我有めやも一本及印本所載歌梅の花をよめる此ししりりよりかねてぞ惜き梅花ちりの別は我身と思へば春の歌ここのねぬる朝げの風にかをる也軒ばの梅の春の初花七雨中柳〓柳柳よりつたふ白露を玉とみるまで春雨ぞふる落花をよめるメチ咲ばばつつふふ山の櫻花花のあたりに風な吹きそも七5道道がら散かふ花を雪とみて体らふ程に此日暮しつ櫻をよめるの櫻花さける山路や遠からむ過がてにのみ春の暮ぬる水底の山吹と云ふことを人々あまた仕うまつらせし次でに一八聲高み蛙なくなり井出の河きしの山吹今は散るらむ立ち歸りみれどもあかず山吹の花ちる岸の春の川波款冬に風の吹くを見て我心いかにせよとか山吹の移ろふ花のあらし立らむ三月盡朝〓め格子なあげそ行春を我閨の內に暫しとゞめむ卯花我宿の垣根に咲ける卯花の曜日蹙事繁き世に社有けれ神祀る卯月になれば卯花のうき言の葉の數や增らむ深夜郭公五五五やみ小夜更ぬらし郭公神なび山におのが妻よぶ郭公か玉くしげ箱根の山の郭公むかうの里に朝な〓〓なく照射五五山山東東なきを夕月夜木隱れてのみ鹿や待つらむ蟬〓泉泉はゝその杜になく蟬の聲のすめるは夏の深さか夏の暮によめる一禊する萱が軒ばに引しでのまつはれっきて夏を留めむ聖誕祭今今りは涼しくなりぬ蜩のなくやま蔭のあきの夕暮蟋蟀秋の夜の月の都のきり〓〓すなくは昔の影や戀しき菊をませの內に夜置露やいかならむ濡つゝ菊の移ひにける秋の末によめるははななててぬぬと思ふを自ら有明の月に秋ぞ殘れる初冬の歌の中に九夕月月夜澤邊に立てる葦鶴の鳴音悲しき冬ぞきにけるt初初雨ふふりにし日より神なびの杜の梢ぞ色增りゆく霰M武士のやなみ繕ふてての上に霰たばしる那須の篠原笹の葉に霰さやぎてみ山べの峰の木枯頻りてぞ吹く雪○人方のあま雲あへり葛城や高まの山はみ雪ふるらし集歌和槐金
建曆二年十二月雪のふりはべりける日山家の景氣を見はべらむとて民部大夫行光が家にまかりはべりけるに山城判官行村などあまたはべり和歌管絃の遊ありて夜更けて歸りはべりしに行光黑馬をたびけるをまたの日見けるにたつがみに紙をむすびはべるをみれば。此雪を分て心の君にあればぬし知る駒の例をぞひく返し。0知知と引ける駒の雪をわけば畏き跡に返れとぞ思ふ建保五年十二月方違のために永福寺の僧坊にまかりてあした歸り侍るとて小袖をのこしおきて。春待て霞の袖にかさねよと霜の衣のおきてこそゆけ戀の歌の中に〓〓はみのぼる鮎すむ川の瀨を早み早くや君に戀渡りけむ10夕月夜覺束なきを雲まより仄にみえし其かあらぬか加枯果てむ後忍べとや夏草の深くは人の賴めおきけむto今更に我名はたゝじ瓦屋の下たく煙くゆりわぶとも。o汐汐やく蜑の焚火の仄にも我思ふ人をみる由もがなねo足曳の山にすむてふ山がつの心もしらぬ戀もする哉風風けば波うつ岸の岩なれやかたくる有か人の心の一よそにても有べき物を中々に何しか人に睦れ初けむ名所戀の心をよめる一須磨の浦に蜑の燈せる漁火の仄に人をみる由もがな一唐衣きなれの里に君を置て島松の木の待てば苦しも我せこを待乳の山のくず蔓たまさかにだにくる由もがな1水莖の岡邊の眞葛枯しより身を秋風の吹ぬ日はなし忍戀時時ふる秋の山べにおく霜の色には出じ色にいづ共寄月待人しぶぶぶれば苦しき物を山端に差出る月の影にみえなむ恨恨びまたじと思ふ夕だに猶山のはに月は出でに身寄露歌か色をだに袖よりつたふ下萩の忍びし秋の野べの夕暮今もみてしが山がつのといふことを○山がつの垣ほに咲ける撫子の花の心を知る人のなきある人のもとに遣しはべりし一秋の田のはの上にすがく小蟹の最我計り物は思はじ旅の心を草枕旅にしあれば妹にこひさぬるまをなみ夢さへ見えず東路のさやの中山越ていなば最ど都や遠ざかりなむ旅泊1浸風いたくな吹そしなが鳥ゐなの水海舟とむるまで正やしの崎月影寒し沖つ鳥かもといふ舟浮寢すらしも素暹法師物へまかりけるに遣しけるた沖つ波八十島かけてすむ千鳥心一つといかゞ賴まむ返しに濱千鳥八十島かけて通ふ共住來し浦をいかゞ忘れむ秋頃頃ひひなれたる人のもとへまかりしに便につけて文など遣すとて思ひ出よみしよはよそに成ぬ共有し名殘の有明の月建保六年十一月素暹法師子時胤行下總國にはべりし頃のぼるべきよし申し遣すとてが戀しとも思はでいかゞ久方の天照神も空に知るらむ松間雪5雪雪るわかの松原ふりにけり幾代へぬらむ玉津島守社頭夏月一眺むればふく風涼し三輪の山杉の梢をいづる月かげ寄松祝といふことを三たづのゐる長柄の濱の濱松の待とは無に千世を社ふれ〓行く末の千とせをこめて春霞立田の山に松風ぞふく障子の繪に岩に松の生ひたる所四岩の上に生ふる小松の年も經ぬ幾千世迄と契置けむ寄竹祝11竹の葉に降掩ふ雪のうれを重み下にも千世の色は隱れずた弱竹の七の百そぢ生ひぬれど八十の千節は色も變らず三セなよ竹のちゝのさ枝の母枝の其節々によゝは籠れり相相の袖の觸にし宿の竹よゝはへにけり我友として大甞會のとしの歌如今つくる黑木の室やふりずして君に通はむ萬代迄に慶賀の歌0宮ばしらふとしき立てゝ萬代に今ぞ榮えむ鎌倉の里是やこの花の例と思ふよりめがれせられぬ峰の白雲櫻を四加春はみな波ぞこえける櫻花山やさながらすゑの松山on春每に吉野の山の花見にと分け馴にけるすゞの篠原日吉の歌合に花を一花故に知らぬ山路のあらば社入さ歸さの楽をもせめ重家卿の歌合に、花三ねに返る時をみむ社悲しけれ花に先だつ命ともがな櫻誰家三五たが里の梢と知ぬ花なれど散はよそなる心ち社せね水上落花五山田の流を見ずば水上に花ちりけりと爭で知らまし二條院の御前にて遠尋殘花といふ事を〓ぬぬらむと思ひ〓〓ぞ尋ねこし嬉しかりける遲櫻哉關路歸雁出雲なるてまの關やに聞ゆなり八雲を分て歸る雁音喚子鳥を五さささぬぬににのの時時は入なむと思ふ山路に喚子鳥哉藤花Al我我の藤の初花さかぬまは心のまつにかゝる也けり春暮なしぬ計り暮ゆく春の惜ければ命も今日や限なるらむE夏郭公〇歸歸ぬる春の惜さを忘るゝと山時鳥はやもなかなむ前中納言師仲右近の馬場にで人々郭公の歌よませられしに一郭公里なれそむるいでたちは山路に歸る〓とな習ひそ雨中郭公濡るとても急ぎな過そ郭公いづくも雨の下と知ずや水銀座源有房朝臣集春子日一野邊見ればまだ二葉なる姫小松孰くに千世の影籠る覽加茂の歌合に霞を見渡渡せば明石もすまも霞して孰れなるらむ己が浦々橋邊霞一番霞かづらき山をよこぎれば獨とだゆるくめの岩橋海邊霞霞たつ繪島のはなを見渡せばたみ返したる心ち社すれ雨中鶯雨雨れど聲もしをれぬ鶯は梅の花笠きてやなくらむ梅香渡水加心のみ池のあなたに通ふかは梅も匂をこちおこせ島山家梅ta誰みよと在かも知らぬ山賤の垣ねの梅の盛なるらむ對山待花
今こむと云置て人のいぬるよは敵く水雞に答かぞする菖蒲菖蒲草いもが袂に懸てこそよは懷しくなり增りけれ六早苗春懸て打し置たるゆひなれば門田の早苗取程もなし五月雨梅雨は田中のゐどに水越てこなぎ摘べき方も知れず五五月雨は水まさるらし柚河におろす筏の棹も通はぬ社頭盧橋舞いきぬがあたりに匂ふ橋は愈すゞの心ちこそすれ故〓螢火古里は葦の八重葺朽果てゝ螢のみこそ隙なかりけれ樹陰晩涼といふことを〓〓ししははさに秋はかずらず松がねに夕波かくる天の橋立七秋旅宿七夕といふことを。七夕に何をかさまし旅衣片しくほかの袖しなければ草花未遍秋を淺みあらそふ花もなきのべに獨も歩む女郞花哉經盛卿の家の歌合に草花を三小萩原わけゆくほどは古里へ歸らぬ人も錦をぞきる皇太后宮の御方にて霧間野花といふことを我我云はば原原の露に隱ろべて風には靡く女郞花哉高松宮の歌合に雨中草花といふことを北龍田姫己れは雨に濡ぬ共尾花が袖をまくりでにせよ荻タま夕れ〓吹く風の音せずば秋の哀と何をいはまし閑居荻といふことを蓑とも誰にかいはむ夕まぐれ獨のみきく荻の上かぜ雁N詳詳くくる雁ぞ鳴なる哀又歸らばかずの足じとすらむ經盛卿の家の歌合に鹿を宜しこそを鹿なくなれ妻こひぬ人も悲しき秋の夕暮田家秋霧o霧霧中中に鳩吹けうなゐ尋行く山田の庵の道のみえぬに故〓明月〓古里のなはのつふらえ〓と問む昔も斯る月は澄みきと高松宮の歌合に依所月明といふことを是やこの明石の浦と問ずとも空にしらるゝ月の影哉乍臥見月といふ事を〓月みれど枕に座もゐざり鳬閨の板間の隙しあらねば故〓秋風秋風は葎のかどを敲くとも荻の葉ならで誰か答へむ紅葉未盛山姫が木々の紅葉の色衣まづかたへとは染め始ぬる落葉山河は我と柵かけずとも紅葉吹きおろす風に任せむ覊中落葉檀ちる安達が原に朝立てばこの葉くつはく駒の爪音海邊秋暮かやよや秋今宵はこゝに旅寢せよ濱松が根に枕並べむ霧路秋暮か故里の人のみと社思ひしか秋も別るゝ旅にぞ有ける冬時雨の降ず共みのしろ衣きてゆかむ時雨は兼て曇る物かは山居初雪ユ三吉野のきさ山陰のすゞの庵に雪の上葺けさぞしてける覊中深雪といふことをままりりのののも衣斯る深雪の晴間なければ行路雪過にける駒の跡めに任せつゝ我とは雪を瀆しやはする集臣健房有源雪中客來冬の中は訪くる人ぞ厭はるゝ跡つけまうき庭の雪故雪五九まきもくの檜原の梢すぎぬらむ雪の下折音しきる也れよも山になべての雪の降ぬれば何れか甲斐の白嶺なる覽晩頭千鳥〓磨磨明石己が浦々定め置て幕るれば歸る千鳥鳴く也曉千鳥んしほの山通ふ千鳥の聲すなりさしてか磯の明暮の空驚かす千鳥の聲のなかりせば明るも知じいねの蜑人千鳥を〓とほかたに鹽や滿らむ友千鳥立なる度に聲の近づく湖上水鳥。たはれ出るしがつの浦に馴ぬれや汀離れぬかすの村鳥冬月○○背背山雪げの雲や晴ぬらむ吉野の瀧に月のさやけき社頭冬月。一〓冴る千木の行合にもる月の幾代かみつる住吉の神水邊冬月°冬河の鴨の上毛にてる月は拂へど落ぬ霜にぞ有ける戀初戀10爭でもと思初つる其人の袖には今日や墨のつくらむ忍戀な。我戀は沼のみくりの水隱れて根はふと人に知れずもがなつれなかりける人のもとへも神によ〓逢名はたゝじ歎きだに賴めよ暫し心休めむはじめあらはれて後しのぶ戀xoもらしてし袖の雫をいかにせむ又今更に信夫もぢ摺朝遲歸戀か見る儘に伏屋の隙は白め共猶きぬ〓〓になりぞ煩ふ遇不遇戀〓逢事はたが心より有しかはまた引替てつれなかる覧隔衣戀一雞の音を聞ての後も許さぬは妹が衣の關にぞ有ける花下戀一一條に人や見るらむ散花を惜むにのみもぬれぬ袂を春戀一春きては松のはとのみ思ひしに我戀草も色增りけり戀遠所人思思る心は路に旅ねしてかつ〓〓君を夢に見つらむ高松の宮の歌合に隔關戀といふことを〓〓見見潟波さへ歸る關なれど通ふ心はとまらざりけり契不過戀〓只管に恨みもはてじ逢見むと賴めし事も情ならずや女の許へふみ遣したるに返事にはあらでもとのふみを返し遺したればたち返り遣しゝ思思ややきぬ元の千鳥の跡を見むとは被返書戀〓玉章を常陸の帶と思ひせば返るに附て嬉しからまし隔物談戀た津の國のこやとは云で語ふは唯蘆垣のとに立てれとや〓住吉の岸ともいはじ忘れ草人の心に生ひけるものを寄萩戀一風渡る籬の萩を託言にて人待つよはゝい社ねられね寄槿戀一賴めおく人なき身こそ朝顔の夕をまたぬ類なりけれ戀の心を三戀しさは心づからの〓となれば喞つ方なきねをも泣哉いつか君なが黑髪のねくたれを我手枕のたはと見べき二戀にこそ沈み果ぬる身なれども淚は又も浮ぬべき哉だはは二二じなれど玉章に書きも盡さぬ心ち社すれ集臣朝房有源四九七九二887
雜殿下はじめて閑院つくらせ給ひて人々に歌よませ給ひしに對松爭齢といふことを七春日山常磐かきはに榮ゆべき淵にはちよの松もいかにぞ住吉の歌合ヘ國々の民の竈を見渡せばみなうるほへる雨の下かな刑部卿範兼卿三位して後はじめで歌よみしに松伴榮久といふことをた千年迄榮ゆる松の微りせば何かは君が類ひならまし二條院の殿上にさぶらひしに藏人を御使にて歌よみて參らせよと仰せられしかばce津の國の雛波のみ〓と下らまし和歌の浦波立てぬ身ならばむすめに思をかけて母のもとへたび〓〓文遣すとて一ははは皆其この本に積らなむ柞の森にちらすとのは天王寺なるわらはの醍醐の櫻の會に舞はして歸りしに申し遣しゝ振る袖の名殘を多み從はむなはの海にてみるめ潜けよ古宮ばらに女房あまたして花の歌どもよませけるに心ならず參りあへしをやがてよき折なりかさねょとせめられて俄によみて參らせて後のこりの歌ゆかしき由申せば女房の中より三みれば皆花の名立の言のはを搔集つゝいかゞ散さむ君だにも花の名立と云ならば我散しけむとぞ悔しき返し殿上の人々網代へ罷るとて醍醐に侍りしをすきざまにいざなひあはれしに父の入道わづらひしかば立ちさり難きよしを申してひわりごばかりを遣すとて書きやりし諸共にゆかまし物を網代木にひを待老の波微りせば煩ふことありて內裏へ久しく參らざりしに女房藏人に文を書かせてとひたりしかば返りごとにた人傳も嬉しからずはなけれ共其玉章と思はましかばしたしき人々初瀨に參るに中將所望せし頃おまへにおしつけよとて〓此瀬をばせく人もなし初瀨河さのみは如何沈果つべき除目の頃のぞむことありて細劒をやはたへ參らすとてつゝみ紙に書きつけし一人男山手向るたちのかひなくば此世の〓とを思切れとや高倉院かくれさせ給ひて諒闇のとし經家朝臣おやの服にてありければ四月一日申し遣しゝた誰も皆衣がへせぬ年なれば我身一つと思はざらなむ同じ七月七日中將泰通のもとへ故院の御事を思ひいでゝ申し遣しゝ00なき影をいつか見べき渡り川けふも逢瀨のあらば社有め父の服ぬぎし時妹なる人のもとへ申し遣しゝ「藤藤など一年と限りけむ是ばかりこそ形見なりつれ信解品の心をニ子を思ふ涙の玉を貫き返し元の衣のかざりとやみる右有房制臣集一冊元祿己卯冬以花山院入道右府宗議公本寫之藤原隆祐朝臣集先日御尋候愚詠少々合進候度々蒙仰候之間書貰候也中々とかくて申し候はむに付て片腹痛く覺え候へ共隨仰進候所々會はあまたよみて候ひしかども不書留候只是は覺え候ばかりを書きて候也如此仰せにつけてこそいまは尋ねかきてやと存じ候へ又人まねに愚詠を左右に番へて候奧にかき候返々尾籠に候得共中々かずに非ず候へば人のみとがむべきにもあらず候歟勝劣は人々の合點にしたがひて候也くるしからずと承り存じ候得ば可有御披露候也他事見參之時に候恐々謹言三月六日隆祐九條大納言三十首御會永仁二年三月早春霞三今日と云へば思初てや霞むらむ雪降山に春はきに島澤春草時しあれば澤の春風さそへども靡かぬ程は波の下草.曉梅里わかぬ朧月夜のありあけに契りて匂ふ軒の梅が枝花滿山知咲つくに四方の霞の木間より山をぞ今は花と尋ぬる江上暮春1今今日迄は入江の春の夕暮に滿ちくる潮も猶霞みつゝ溪卯花AN卯花の咲きぬる波は音もせで猶たえ〓〓の谷川の水野郭公古古はまが程遠し時鳥しらぬ野中のまつとせしまに雨後鵜川250かか舟のの契をゆふやみに曇り殘さぬ村雨の空月前萩一荻の葉の露ふき過ぐる秋風に獨り萎れぬ月の影かな夕蟲ニタニのやどりあらさぬ淺茅生に古き離のまつ蟲の聲海邊鹿三浦風に誘はれ出づる月影をむかひの山にを鹿なく也閑庭薄五ととかしな籬の秋の花薄靡くかたには露ぞこぼるゝ名所擣衣〓ええにけるふしみの夢も顯れて一夜殘さず擣つ衣哉朝寒蘆霜こほる玉江の蘆の朝な〓〓拂ふもさむく吹く嵐哉深夜千鳥ないけるあしぢの空の月影に數顯れて千鳥なくなり故里雪〓三吉野のふるき都のみ雪とて跡なき庭に昔をぞしる聞聲戀な我我は戀は夕霧深くたつ雁の聲のみ空にきゝ渡るかな稀戀更にまた契りし月もしのばれず稀なる夢の有明の空增戀〓數ならで過にし方の袖の上はいかなる色に露の置けむ怨戀〓つれもなき其方の風に眞葛原恨むを人の心ともがな被点戀一偽も忘れぬまでの夕暮を猶うきものと何うらみけむ旅行けふは猶都も近し逢坂の關のあなたに知る人もがな旅宿一夜とも宿かる程の契あらばいかに浮寢の恨果てまし旅泊古里に馴來し月の契あらばいかに浮寢の恨果てまし山家橋人はこず谷の岩橋おのづから雲はれ渡る月影もがな山家松山深き草の庵の軒ばにもおもひゆるさぬ松風のこゑ山家苔苔の色も猶深からし三吉野や此より奧の秋の山ざと
。春日山ちとせのまつの梢までたのむ心にかゝる藤波寄水懷舊〓流れこし昔や遠き忘れ水うつる計りの影もたえつゝ寄雲述懷雲上を今年もよそに詠つゝ身を知雨に濡ぬ日ぞなき此歌詠出して候之時故入道不惡之由申之京極中納言入道之許へ遣しゝかば返狀如此侍從殿御歌拜見驚目候今度三十首以此御歌詮じ候歟騒點雖無念候任意加之候且長短表所存候一首洩之候何事の故ぞと定被寄思食歟全く無難に候只皆懸合點無念に候へば咸定十首許可抄之由不及力大切之御詠の由に候へば次第にかくかひ負まゐらせ候之間甚しるし候はむと深慮候ぞ非公事力不及候得共明に御倉小舍人一命と不參候はむずるこそ悲しく候へいづこにても御詠候へあはれ面かげみるやうに覺え候事の懷舊思欲暮し候眞實不可思議に候也得て候ひける題どもさも案じ候ひける物かな凡心中迷惑合委事候恐々謹言御室御會とて京極中納言入道定家被申るゝに浦霞時時かぬ田子の浦波それ乍ら春は霞も立ぬ日ぞなき新花花の色もくるゝ物とは白雲の峰の別ぞ猶うらみつゝ夕郭公過ぬるやけふの名立の時鳥今暫しあらばよはの一聲初秋月草も木も色どる程は晩けれど月のまちける秋の初風七擣衣稀秋風に身にしめやらぬ里人のぬるよ許多にうつ衣哉七曉空初初山山ららしはたゆむ明方に雲わけ殘る鐘の音かな溪雲〓〓秋の夜の月も詠めぬ谷の戶は雲の主をとふ人もなし嶺松。峯高き松の下かげいたづらに麓ぞ人め宿はとひける庭苔〓散り替る花も紅葉もはては又苔のまがきに殘る白露窓燈限ある秋のよのまもあけやらず猶きり深き窓の燈火又同返狀侍從殿御歌悅給候了明旦かげ法眼之許へ候此御風躰眞實每度驚目候皆別御風情あだおろかならぬ事に候歟御〓訓の趣にて申し候はめどもかゝる事やは候此道さすがにたのもしく候霞もたゝぬ日もなきと候ひける不思議に候嶺のわかれうつくしく候けふのなだておもしろく候月のまちける殊勝に候雲のあるじめづらしく候苔のまがきやさしく候七首十十心中に霞花月すべきとおぼえさふらふ恐々謹言定家如此度々被申候ひしかば今の歌よみにこそ候ひけれと思ひて候ひしほどに新勅撰集沙汰聞え候ひし頃より隆祐歌よみさかりたるに此中に聞え候ひしに合せて彼の撰に一首入りて候ひし面目ながら未だ歌よみとも聞き及ばぬ人もあまた入りて候へしにこそ誠よみさかり候ひける同じくさらばよくよみ候はむ時の歌も入れ候へかし彼は又一首も入り候はぬがいかに候やらむとかた〓〓不審にて此の道物うくなりて候ひし程遠所より忍びたる御歌合めされしに朝霞朝日影まだ出でやらぬ足引の山は霞の色ぞうつらふ山櫻櫻花そらにあまぎる白雲のたなびきわたる葛城の山郭公れしがらきの外山の末の時鳥たが里近き初音なるらむ萩露〓宮城野の木の下風や過ぬらむ露におくるゝ秋萩の花夜鹿鳥玉のよや更ぬらむさを鹿の聲すみ昇るをのゝ草臥時雨神無日曇らぬかたの空にまで風に亂れて降る時雨哉忍戀思思どども岩ねの松に波かけて變らぬ色にぬるゝ袖哉久戀co徒徒年にへにけり玉緒の永らへばとも契りやはせし霧旅"けふは又明石のとより〓出でゝ心を繫ぐよもの浦々山家ニ都都てて人にしられし我身とも忍ばでなるゝ山の奧哉此の歌參らせて候ひしに遠所の返事に故入道の許へ此の道昔より父におよぶこと稀なるに降祐相傳へて御覽ずるにや猶よく〓〓たしなむべきなりと被仰て候ひしにこそ父はおのづからよくよみたるにと申すも書きしその餘り思ひ出すかとも疑はれ候他人はまに折節による事もやと不審に候に君の御氣色におきては何の歎もかはす許多愚ならぬ〓とに思ひ候ひて勅撰に少なく入り候恨も忘れはてゝ故入道も此の道ばかり心やすき事に思ひ候也又入道逝去して候し年同御所より十首歌召〓候しに野春雨シロ口上の朝のゝいとの朝綠空にかすみて春雨ぞふる名所花吉野山一つに見えし花の色の移ればかはる峯の白雲江菖蒲萬萬卓今年はかけぬ袖の上に猶同じ江の波ぞ立そふ湖上月志賀の浦や凍らぬ波の音はして月のみ舟ぞ遠ざかり行山紅葉紅の濃染の糸の村時雨山のにしきを織らぬ日ぞなき閑庭雪xmとへかしな跡も厭はで待たれ見まだ空晴ぬ庭の白雪寄木戀かつれもなき軒ばの松の僞は賴まぬ暮も猶ぞかなしき寄草戀○いかにせむ人の契りの月を見て淺茅色づく庭の秋風夕懷舊幾度かけふも暮ぬと眺めつゝ歸らぬ方を忍來つらむ曉述懷一明方の山のは近き月のみぞ何おも影を空に見せける又此の歌の返事少輔爲泰書き候ひて今度十首故入道がありし時よりも猶かさまさりて御覽ずるや他事なく好きたしなむべきの由被仰下て候ひし後は沈みえて候歎きも物ならず覺えて新古今集の時生れあひて數あまた入り候同じ事に思ひて候也撰歌の外聊有子細歌是は大殿の御會の百首に五月雨の五首の中に10入江なる海士の捨舟浮はてゝ浦に流るゝ五月雨の頃光俊朝臣よませ侍りし千首の歌に芭蕉をo故里の庭の芭蕉のかいろはを許多になして秋風ぞ吹西國に十禪師いはひ奉りたる所にて百首の歌合しはべりし中に月をエ0天の原むら雲遠くなるまゝに早くも過ぬ秋の夜の月日吉社に奉る千二百首の中十禪宮百首に長歌をつくりて其の詞をうへに置きて侍りしによの字にあたりて待る歌に山家春を
加世の中に厭はぬよりもとはれ島花の便の三芳野の奧西國に下り侍りしころきつきの社へ詣で侍りし道にて社に奉らむとてよみて侍りし歌の中に旅宿嵐といことをい聞馴て變らぬよはの嵐哉わがすむうらも都ならねば五條二位公賴のもとより念佛を申さむとて立華の科に高倉大納言經通の許なる梅をこひ遣すに歌の相添へたきよし故入道のもとへ申させて侍りしに隆祐よみて送るべきよし仰せられしかば〓色に出でゝ契も深き宿ならば折る袖許せ春の梅がえ明くる日念佛聽聞すべきよし彼の卿の許より申されて侍りしにまかりて聽聞し侍るに彼の大納言の許より亭主へかる老よりも御法の聲ぞ匂ひこし送るは風の深きよの空〓獨なほ西に心を殘すらむさそはゞたれも山の端の月一心なきあまのしわざの藻汐草法の光に書きて捨なむやがて返事すべきよし申され侍りしかば草をとりて一色深く手折し花の便こそ御法の聲も身にはしみけめ君とわれ西に心をかきつれば誘はゞ誰も山のはの月時しもあれ蜑のしわざの藻汐草法の光にさへる波哉住吉の方に侍りし頃或る處より蟲とりて參らせよと仰せられしに蟲屋のうへに書き侍りし1君が爲兼てうゑてし里なれば千よの秋しる松蟲の聲同じ所に侍りしに故入道へ荻の葉といへるひえ鳥を所望して侍りしに葉山といふ鳥を此も劣らぬ由仰せられて給はりて侍りし心につかず覺えて返上すとてか涼しさは葉山の影もわかねども猶吹き送れ〓の上風返事彼の荻のはにつけて〓此もまた秋の心ぞたのまれぬは山に代る荻のうは風干〓七七又同じ所に住み侍りしに故入道より隆祐が歌某が跡ありと御覽ずるよし遠所より被仰下侍る也今は心やすきよしこまかに仰せたりし返事のたよりにヘ世中に沈むと何か歎けむ和歌の浦波かゝりける身を御返事かきく度の花の涙も誘はれて跡吹き絕えぬ和歌の浦風新勅撰にすくなく入りたるとぶらひの次でに白川三位伊時入道のもとより〓色深き森の〓との葉はかるれば有か無かに人の見る覧返し二首入りて侍る人の合點にもはづれし殊に見所なき物に侍れば一數ならぬ數社有め朽果る言のはをしもなどかかく覽五位正下して侍りしに右中弁公俊のもとより三立昇る春まちけりとみゆる哉一入まさるあけの衣手返し同じ下名に權弁より右中弁にあがりて侍りしに三立昇る君が心の春にあひていとゞ色そふあけの衣手同じ日祝部忠成がもとより染め增るあけの衣の色にみつめぐまむ春の行末の空返し我我賴賴春春日日よしの行末をあけの衣の色にみる哉春のころ平の行胤天王寺に詣でゝ住吉へ申し送り侍りし住吉のまつ人もがな尋ねみむ霞に浦は道しらずとも返し霞めどもまづみる浦も知乍ら心の內をいかゞ隔てむ少將伊成朝皇住の江にて一兩日遊びてかへさの道よりたか犬をこひはべるとて〓〓鷹のこの朝計引そへよ今にもよりも鳥やたつまと少將また都より如今よりは思ひしそむな住吉の松の嵐の音のはげしき0住吉の蜑の栲繩打はへて忘るゝ草は枯れやはてなむ一思ひ出づる心ぞ深き住吉を淺澤小野と誰か云ひけむ返し二今よりの松の嵐の烈しきに聞ましかばと先覺えつや三住吉の蜑の栲繩くる人のかるれば枯ぬ草の名ぞうき思ひ出て深き心も賴まれずあさゞは小野に殘る面影雪の深く積り侍りし夕にいづくよりとなくて置き侍りし112降降し跡絕果つる庭の雪に訪るべしとは思やはする=さやらむと覺ゆる所にさし置かせるに返した雪の中に憂身の跡や厭ふとて訪でぞ人の心をばみる同じ頃雪のあしたに藏人俊定が許より跡たえてとはぬ日數の故里に恨もつもる庭の雪かな返し一人日數ふる恨も今は忘られて心のゆきの跡や見ゆらむ夏のころ胤行鎌倉より〓春秋の花と月とのあひみても忘れぬ人は猶ぞ戀しき返しco春春の花と月との詠だに忘らるゝ程と君をこひつゝそへて山の井の濁らぬ水を結びてや頓て別れー面影ぞたつ月の明に侍りし夜住の汀の釣殿にて連歌し侍りしに神主國平が許より二數ならぬ言の葉にのみ埋れてよそにぞ忍ぶ住江の月返し二位住の月も色そふとの葉によそなる人の心をぞしる鎌倉なる人の和琴のかたうつしてと申したりし遣すとて返事の次でに都より訪べき人のいかなればあづまの〓とを知ぬなる覽返し給へて鎌倉より或る人xmあづまには都の〓との變るかと尋ねて見れば一つ也島住吉に侍りしに都より知りたる女房あまた天王寺に詣でゝ侍りしかば住吉の神主經國の女におほひかひこはむと思ふに歌のそへうきよし申し侍りしかば詠みて遣し侍りし波波すす津津の浦による貝を拾はぬ袖に移せとぞ思ふ返し貝にかきてthe 尋來拾拾ぬ浦のつらければ袖に包むにかひやなからむ入道殿天王寺にて四月九日はかなくはなし侍りし歎きの內にもさいの日七首の歌よみてゐながら念佛久しく申して落ら入らせ給ひにしこと世に往生の由聞え侍りしに未だ聖人みえず侍りしかば申し送り侍りし數多の歌の中にNo紫の雲のむかへの跡にこそ藤の衣の名にはたちけれ加曇なきみだのみ顏の月影に露の置ゐて消ていでにし遊心聖人和原同じ時浮忍がもとから敬缺同じ年左衛門尉時朝が父往生のよし聞え侍りしにすがたやつれて時朝鎌倉より上りたるよし聞え侍りしに申し送るcm西西行く契は同じ別れぢを思ふ涙のたれまさるらむ返し緊法皇隱岐國にて崩御夢とのみ承り後程へて守護左右衞門尉泰〓がもとより年頃あひ奉りし御所は目の前の煙となりはてゝ露の命とまりがたく侍りし人々をさそひぐして都へ送り奉りし心の內心なき海土の袖までも朽ちぬべくみえ侍りしよしくはしく申し送りて侍りし返事の次でに數敬缺
多書きつけ侍りし中に一立昇る煙となりし別路に行くも止るもさぞ迷ひけむニーなれ〓〓て沖つ島守いかばかり君も渚に袖濡すらむ三世世になきを送りし御幸こそ歸るもつらき都也けれ此此には數ならぬ身の言の葉を諫めし道も又絕に鳬返し立ちちぼぼ煙煙の後の別路をみしは迷の夢かうつゝかn極世ににききらら幸には非ぬ衣の袖もはつれき廿島守も空しき舟の浮び出て殘る歎のすむかひもなき人和歌の浦の道の心を仰せけむ君のみ跡をさぞ忍ぶべき前宰相中將信成此の御事によりて遁世のよし申し送りて侍りし女房のもとへ緊張熊野の社に奉る百首の歌の中に廻文歌海上眺望ねなかとほき方は南のすこき崎越すのみ波は高き音哉十禪師に奉る百首の上置長歌みもじにあたりて侍る廻文〓御垣より翳す枝にはきの花は軒端に絶ず盛よさかみ相傳して知り侍りしかば備後の吉備津彥宮に奉りし百首の中におなじく廻文歌を、慶→日頃よのともしき栖のぞむらむ其かみ過し元の慶び月の中にとなきやうに聞きなし侍りき此等の善惡によらず折節思ひ出され候ばかりをかきて候抑御尋候故入道が自讃歌〓に人々撰べる猶自讃歌新古今の中意出でよ誰かねごとの末ならむ昨日の雲の跡の夕暮明ばまたこゆべき山の峯なれや空ゆく月の末の白雲近きころの歌の中遠所の御歌合、萩露又やみむ又や見ざらむ白露の玉おり敷ける秋萩の花百首の中懷舊の心を翁さび人なとがめそこの內に昔を戀ふるつるの毛衣此の四首ぞ少し歌と覺しき物にてあると申しき人々の撰貴人〓名人などはみも候へば所詮申候雨中廬橋ぬれ〓〓も花橘の匂ふ哉むかしの人や雨となりけむこれはゆかしき秀歌とて京極中納言入道のもとへ被注送候ひき或る撰の中に被書入人數候又此邊に見え候ものどもに歌をよませて候ひつればさもありぬべく候らむ有のまゝに仰をかうむるべく候皆當座雨中立春立變る今日のけしきにしるき哉長閑に霞む春雨の空雲間冬月雲凍る山風あしき雲間より洩出づる月の影の寒けさ僧鷲の山入ぬる峯の月なれど法をつとふる聲の聞ゆる浦蚊遣火法橋康賢〇七藻鹽やく須磨の浦曲の蚊遣火にたつる煙も色ぞ變ぬ思一七煙ともならぬ我身の思をばいかでか人の空に知べき無常ニ·永きよにまだ夢さめぬ世中を現と人の思ひけるかな三月盡今日日みみ春春情みて詠べき朧月夜の影だにもなし菊四七色かはる千草の花は散りはてゝ籬にのこる秋の白菊田家夕雨山田もる草のとざしも亂れつゝ村雨しげき秋の夕暮戶外秋風右兵衞尉源康澄杉杉や草草編編に吹風の秋はいかなる色も添ふ覽網代白波の岩切通す早き瀨に難面く見ゆる宇治の網代木後朝戀青のまはともに詠めし月影の殘るもつらき東雲の空螢右馬允源光經難波江や入江の葦の外も又よな〓〓すだく夏蟲の影案眺望旅人のいく山こえて見わたせば麓にのこる峯の白雲鶴〓今よりはきつゝ馴なむ我君の雲居にとほき鶴の毛衣梅千熊つつももくのはのしれ薰れる梅の花下風蓮「池水にはちすの花はふかけれど猶賴まるゝ法の道哉菖蒲mよそにみし淀の渡りの菖蒲草今宵一夜の枕とぞなる歌よむものあまたあるよしに書きつけらるゝとや思しめしさふらはむ一首も直し不入候思へば住吉の大明神御照覽候へし以外によあひて近來いま〓〓しきこしをれの中に好くよみ候詞山又山朧夜おぼろ月よといはで無下にそみかくた古亭詞に條へ共うけず候山臥とてはわざともよく候すちるつ異名をしさて無詮候しでのたをさ又時鳥にて候べし有明の月夜のもじなくてはいま〓〓く候ひぢてこの程は候はね共不宜詞春の明ぼの明ぼのゝ空冬の夕風山の夕風露の下草雪の下草はにはよく候軒ばの山水はのみね初五文字にかなといふ詞くれなの山うすかきざくら心ちこそすれ是らはうけられず候故入道も申しき位よき歌もよみ出しけむに此の詞おきて叶ひがたからむには憚かるべからずさきに注申詞よむべからず候へし也つもなどは不ノ宜かもに難に申し候に侍れども宜しく覺え候よし申し候ひき歌をよまむには心をあたらしく詞をふるくすべしよき事を案じ出して古き詞のやさしきを得べし珍しくよまむ有明の月などを月の有明といひつれば無下也歌はよき歌をよみたりとも書きつけて後能々なぶりて文字一つもいかにしていま少しの能樣になるとみるべきよし候ひしを隆祐などは大かた叶ひかだくよみ出し候ひぬる後善惡なぶり引きなほすことはいかに候やらむこん叶ひがたく候ひていかなる晴の歌をもたゞ一兩日になりてよみ候ひしかば淺ましくあぶなき事にまうし候ひき菅原在良朝臣集花落薰衣散りかゝる花や昔の我妹子の重ねし袖の匂なるらむ花影浮水水底に春やとまると尋ねみむ移ろふ花の影に傚ひて三月盡夜春霞たち歸りゆく通路を暫しとゞめよ雲のかけはし夏夜於秘書閣同詠雨中早苗和歌〓斯計り小歌だにせぬ梅雨に爭でか田子の早苗とる覽夜深待郭公か子規まつとせしまに臥待の月こそ高く空になりぬれ山家郭公の都人まつらむものを山里に聞きふるしたる郭公かな臨晩有涼タ夕されば靡く小笹の音にこそ思はぬ秋の風は立けれ山家早秋
山里のくずのうら葉を吹返す風の景色に秋をしる哉七夕さよ深くあふせ尋ぬる彥星は其睦言の程もあらじな同天河星會の空も見ゆばかり立ちな隔てそよはの秋霧月前搆衣11月号に秋の夜すがら起ゐつゝうつ衣手に霜や置らむ九月十三夜對月惜秋か月故に長き夜すがら詠むればあかずも惜き秋の空哉月契千秋いいよよもも月の長閑に見ゆる哉千年の秋の初と思へばば月照紅葉N夜夜たる錦とは見よ散懸る紅葉も月も隈しなければ終日對菊白菊の垣ほの花を詠むとて栖かならでも暮しつる哉秋夜陪吏部大王文章詠臨曉〓蟲0片數の寢覺の床の蟲の音は哀みにしむ物にぞ有ける秋日於遍昭寺詠野徑尋花。女郞花匂へる野を尊ぬとて濡こそきたれ道芝の露九月十三夜詠終夜見co 名に高き今宵の月にあくがれて露と起ゐて明しぬる哉翫紅葉山寺。思ひきや空しき〓とに尋ねきて紅葉の錦ふまむ物とは初冬於羽林藤原次將文詠戀秋對菊。○ななく別れし秋の戀しさに露ぞ立うき菊のあたりは山路時雨TO山深みしぐるゝ空を眺むとて儚く今日も暮しつる哉夜思時雨〓轉寝に衣のさゆる景色にて吉野の山の雪をしぞ思ふ雪埋寒草bo老ぬれば我身とのみも見ゆる哉蓬が上に降れる白雪栖霞寺冬意寂しさはいつにも增る小倉山麓の里の冬のけしきは寄擣衣戀加諸共にたちきし人を戀侘て形見の衣なく〓〓ぞうつ故李部大王令通或女御間予爲其媒介而女未成配偶之禮王忽催〓別之悲女以一首被投予其詞曰〓宮城野に枯にし花の悲きは折られぬ萩の上も露けし予以戀君之趣更綴答之詞一宮城野の小萩が末の枯しより鹿ぞかひなき音をや立ける法華經神力品一くさ〓〓に遠の印を知せしも一つ御法の緣り也けり松樹蔭池水岸近く生ひたる松の綠こそ池に千年の影はとゞむれ松樹契退年〓ししのの末遠くみゆる哉千年の松の宿のしるしは冬日雲居寺エ業の雲ゐを願ふ身にしあれば兼て迎を契りこそおけ松樹契退年幾幾世と契りおきけむ我宿の年に生ひそふ松の梢を夏日於右武將軍小野別業詠池水久澄和歌池水もいひや漏せる千年迄流れてすまむ君が宿とは俊成卿女集三十四になりし十五夜の御歌の中に故殿のながめごとおはしますと聞きしに古の秋の空まですみだがは月にことゝふ袖の露かな一年北野の歌に故大納言通具のよませし、冬月〓秋の色に亂し露の影よりも枯野の霜に澄める夜の月山家夕嵐〓眞柴たくさゝの庵の夕煙いとゞかすかにふく嵐かなこぞの八月十五夜一花の枝に露の宿かす宮城野の月にぞ秋の色は見えける百首の中に、春明けやらぬ谷の戶過る春風にまづさそはるゝ鶯の聲夏一澤水に秋風ちかし行く螢まがふ光もかげみだれつゝ岩たゝく谷の下水音きけば結ばぬ袖ぞまだき涼しき秋葎はふ宿とはわかず秋は來て心盡しに日ぞもりくる秋風に外山の鹿は聲たてゝ露吹き結ぶ小野の淺茅生風ふけば篠に亂るゝ刈萱も夕はわきて露こぼれけり月みばと賴めし秋の夜もすがら又恨めしくうつ衣哉冬松松島やをじまが磯による波の月の氷に千鳥鳴くなり戀〇5知ざりき結ばぬ水に影みても袖に雫のかゝる物とはニ夏夏うすくや人のなりぬらむ空蟬の音にぬるゝ補哉三みる程ぞしばし慰む歎きつゝねぬ夜の空の有明の月〓〓見潟潟うきねの波に宿る夜は月に心のとまる也けり思いねの夢の浮橋とだえして覺むる枕にきゆる面影酒ぎ離れ行く月影ぞあはれなる蟲明の松の風の音哉月花五十首山花おおしなべて風こそ薰れ春の山咲櫻あれば咲かぬ梢も古寺花ななな世世の花ともいはじをはつせの山の櫻の曙の色湖「鳩鳩の海はるは霞のしがの波花に吹きなす比良の山風はしのもとたかづらきや高間の山の山風に花こそ渡れくめの岩橋松の間の月0大大の秋も寂しき木の間より月もる松を風拂ふらむ山家「山深み秋かぜ吹かぬ寢覺だに月にはみつる床の涙を野路結びおく人はかりねの草の原枕の露に月ぞすみける月前秋風ミ涙涙ふふののだにさびしきに深き秋なる風の音かな旅泊袖の上になるゝがほなる光哉月こそ旅の心知りけれ月前草花風風み下葉かれゆく秋の夜の露にぞ凍る淺茅生の月菊のまがきAR秋深き菊の垣根の月影に霜かと露ぞ消えかへりける幕の秋長月の有明がたの空のつき心細くぞかたぶきにける寄風戀NOいかなりし風の便に聞初て身にしむ戀のつまと成けむ寄衣戀加朽はてむ淚のつまと知ざりき契し中のよはのさよ衣北山三十首、春〇〓しる人も嵐に紛ふ梅の花色をも香をも散るに任せてニ尋ね入る春の哀も深きよの花にかすめる三吉野の月こうう世世あだに契りし山櫻紛ふる峯に消ゆる白雲夏ニキニ時知ぬ苔のさ衣けふとても返らぬ春の形見とは見し五待ちなれしよはの契を時鳥涙にむせぶしのゝめの空エキ袖の香の昔とだにも忘れにし花橘のなほにほふらむ集女卿成俊
五五五五雨雨波波せせ增る須磨の浦の藻汐にくたす蜑の袖哉セ人とはぬ庭の蓬の跡もなく茂りに島な夏のふるたに秋人〓秋來ぬと未こす風に下荻の露きえ返り結ぼゝれつゝからからねかもくもるも悲し空の月つもれば花の秋の涙に○○澄み增る月計りこそ變り行く浮世の秋を猶忍びけれ〓あだにおく露の宿りの野べの庵に今幾度の秋の月影二六かりに來て露のみいとゞ深草の里は誠に野べの秋風冬秋かて〓し梢もしぐれつゝ木葉散しくみ山べの里四た霧こめし籬の荻も霜がれて嵐に拂ふ野とぞなりゆく白妙の袖の氷に影さえてむすびかねぬる冬の夜の月が新しき春と急ぎし今日ことに我身ふりぬる年の暮哉戀流れての名をさへ忍ぶ思川あはでも消ぬ瀨々の泡沫ううりりるるににれれ袖の上にぬるゝ顏なるよその月影が契らずな今こむ迄のかたみとは其夜の月の明方の空〓〓〓果〓〓〓〓〓かなの野べの露のよすがや〓見てもまたいかに寢しよの俤の現もまよふ夢の通路衞門督の殿への百首、春いいにして氷閉たる柴の戶にもりくる春の苔の下水武藏野の草の緣りになく雉子春は昔のつまならね共露乍ら菫つみにとなけれ共野を懷かしみふるゝ袖哉風風ちち花故悲し移り行く色は空しと背く世なれど夏德偲じじ我我もむかしの夕まぐれ花橋に風はすぐらむ秋一月影も思ひあらばともり初て葎の宿に秋は來にけり〓桃むれば空やは變る秋の月みし世をうつせ袖の涙に〓今はとて背く浮世を假の庵に秋は曇ぬ月のみぞすむととかしな淺茅吹きこす秋風に獨くだくる露の枕をみし人もなきが數そふ世中に有ましかばの秋の夕暮一松風に契りし秋も更けぬとや伏見の里に衣うつらむ言の葉も枯行く小野の淺茅生となれる籬の秋の色哉冬時時つゝ冬は來にけり秋風の拂ひ捨たる蓬生の庭に眞木のやに霰降夜の夢よりも淨世を醒せ四方の木枯ささ渡るをじまの波の月影を氷に映す海士の袖かな戀恨めしや思ふ心をかすめても朧ろにうつす春の月影〓知べせよ海士の小舟の便にもそなたの風の跡の白波なな〓〓〓〓秋秋扇を置く露の色も恨めしねやの月影〓休らひに出にしまゝの天の戶を押明方の月に任せて「ほし侘ぬ蜑の刈藻に鹽たれて我からかゝる袖の浦波ニ思思でよ朝倉山の峯の月よその雲間に影はたゆらむ2杯材に變り變る契の末の松まつに波にてす袖なみの手枕雜旅旅きつゝ馴れても露ふかき宮城が原の秋の月かげ波の上の月の行方に漕ぎ別れ漂ふ船のよのならひ哉新古今のうきよのさがの野べのをり五條へまかりて鶯の聲をきゝて〓思ひきや君なき春の古郷にきて鶯のなかむものとは限と聞きて急ぎ詣でしをり昔のきたむきのあけぼのゝこともたゞ今のやうにあはれにて消えはつる夕も悲しあけくれの夢に迷ひし春の古〓てゝのぶくの折ゃいいにせむ露さへ秋の夕とて涙の淵の袖のみだれはかももけけ涙もかゝれ藤衣ほさでも苔の袖はなれてき。世の常に染てもあさし藤衣返す〓〓もよを背く身に詠百首和歌霞。朝日さす三笠の山の雲居より霞初めたる千世の初春808。雪分けし岩のかけ道あと絕えて霞にたどる春の山人〓須磨の蜑の凍りし袖の浦波に春は霞口藻汐たれつゝ〇霞みゆく夕の雲のたえ〓〓に古〓思ふ雁ぞなくなる50朝ぼらけおぼろに霞む山の端に代々の昔も殘る月影花およそにのみ峯の白雲たちかさね櫻咲きそふ葛城の山。里の名は吉野の山とあれにしを花ぞ都の形見也けるつ春のきる花の衣や山風にかをる櫻の八重のしらくもnoさけばちる花のうき世と思ふにも猶疎まれぬ山櫻哉〓春來ては風より外にとふ人もなき山里に散る櫻かな暮春くれぬとも谷には春を知せけり古巢にかへる鶯の聲哀なり春とてしたふ別まで浮世にをしむ心ならひに廻りあはむ我かねごとの命だに心にかなふ春の暮哉暮はつる空さへ悲し心から厭ひしも春の詠せしまに別れ行く跡なき雲の形見とて今宵計りの春雨ぞ降る郭公を思ひつゝぬるよ語らふ時鳥さめざらましの夢か現か有明の空にまがへて時鳥月の行くへもあかぬ忍びね袖のかをわすれがたみの橘にむかし〓ととふ郭公かな思い出でゝ尋ねやきつる時鳥ふしみの里の松の夕暮〓郭公雲のよそにや過ぎぬらむ朝倉山のよはの一こゑ五月雨一さみだれは蓬が下葉水こえて垣ほあれゆく撫子の花待出し月も幾夜をへだつらむ晴せぬ峯の五月雨の頃水增る字治の川をさ高瀨さす身を浮舟の五月雨の頃梅雨は波うつ岸の松が枝も靡く玉もに水隱れぞ行く1Lおふ〓み軒の雫か五月雨の雲間の風は猶こぼれつゝ初秋た涙もる袖をや秋の宿りとて朝おく露のまづ結ぶらむ〓露もまだ染めぬ木の葉も故〓を尋やきつる秋の初風ヘミさま哀哀もいかに忍ベとて秋の來ぬらむ淺茅生の宿萩萩葉に結びやおきし風の音水にしむ秋の露の契を〓〓吹き返す眞葛が原の秋風も恨みそめたるさを鹿の聲月里はあれて庭の籬も秋の露やどり馴れたる月の影哉月みてもちゃに碎くる心哉我身ひとつの昔ならねど意れなむよはの寢覺の秋とだに袖の涙の月は馴にきほまて暫し同じ空行く秋の月又めぐりあふ昔ならぬに正うきよをも秋の末葉の露の身に置所なき袖の月かな紅葉だしぐるれどよそにのみ聞秋の色を松に懸たる蔦の紅葉11色にみよ秋の思の深きえに焦れて染むるよもの言葉ヘミ紅にちしほや染めし山姫の紅葉がさねの衣手のもり加別く秋の涙のしぐれつゝ野にも山にも色變るらむ0四龍田川水にも秋や暮ぬらむもみぢ亂れて影ぞ流るゝ氷一秋果てし枯野の草に結びつゝ氷ぞ露の形見なりける一打拂ふ霜のつばさの音さえてをしの上毛に凍る月影袖神凍るさよの河風狹筵にかたしきかぬる宇治の橋姫稀にこし山のかけ橋音もなし氷にとづるせゞの白波11大大川はや瀨の水も結びつゝこほる嵐の山風ぞふく雪加花の色は枯にし秋の霜の枝にまた開けたる雪の白菊見し人もつもる跡なき面影は雪ふる里の昔なりけりNo搔くらし日數ふるやの軒とぢて空には深き雪の白雲加紛へこし月と花との哀まで雪にこもれる三吉野の山〇人人たた宿宿孰くと埋れし木の葉に雪の猶積るらむ忍戀ニははななややの山の夕煙きえなむ空のあとのしら雲五いかにせむしぐるゝ空の思草下葉にむすぶ露の亂を三裏もなく影も宿さじせく袖の涙の色を月もこそとへ集女卿成俊〇一〇三
면표.しき忍び朽なむ床の跡までも濡し枕の露も漏らすな湧きかへり下にぞむせぶ思川せヾの岩間の水の白波あはぬ戀ガール〓の涙の露も色に出でゝ尾花にまじり咲ける秋萩しかけて猶絕ぬも悲し玉の〓のあはずばなげの契計にbふきさわわし袖のためしの濡衣ほさで幾夜の道芝の露ねェ賴めつゝ必ず人に逢はぬよの習ひ迄うき夜はの月影行方なきあふを限の白くももたえて別るゝ峯の松風後朝戀ニ消えわびぬ命をあだにかけ初めし露の契を結ぶ別はせきとむる袖の柵涙のみまたかきはらす東雲のそら契置く夕もつらし松風の色やみどりに思ひ初めけむ難からぬよしの悲しき別まで有しにまさる曉ぞうき遂とみて覺めにしよりも儚きは現の夢の名殘也けりあうてあはざる戀か初時雨心のまゝにふりぬれどまづ色變る人の〓とのは忘れじの契も夢の形見にてぬるよ涙の床にきえつゝス面面はうき身にそへて忘れしに變らぬ月は有明の空九吹すぐる行方もとはぬ荻の葉に待宵ふけし秋風の聲〓枯果つる契もかなし跡たえてふる野の道の霜の下草恨戀一絕果つる心のうちを恨みても猶たどらるゝ夢の浮橋うき侘て恨みや渡る契りこし苦屋も波の海士の釣舟三七味氣なく殘る恨の永き世にはかなかりける轉寢の夢恨みよとかさねやそめしさよ衣淚の露の契ばかりをなれ〓〓て秋に扇を置く露の色もうらみじ閨の月影旅〓明明松松かぜ吹き過ぎて涙もとめぬ波の音かな比心のみ姨捨山とすみなれし月にやどかる更科のさとNeこれもまた假初ぶしのさゝ枕一夜の露の契ばかりにお結び捨てゝいづれの月を峯の庵心も殘る明がたの空0月のすむ雲居やいづく旅の空おなじ光にやどる露哉山家〓身をかへてやどかる芝の庵にも誰とふ月の秋の光ぞああをだに待て假寢の露乍ら幾よへぬらむ苔の狹筵八八重葎とぢし岩がき打かるゝ草の戶ざしを拂ふ木枯〓露繁き野べとなりゆく山里に心も月もすみ增るらむ山深くそむくも同じうき世とて猶秋風に鹿ぞ鳴なる眺望かめま小舟島隱れ行く朝霧に遠きむかしの跡のしら波八い武藏野や草の原こす秋風の雲に露ちる行くすゑの空x分分れし雲の翅に秋かけて越路の空に膓ぞなくなる波にとづる色にや秋の越ぬらむ宮城が原の末の松山20雲はるゝ松浦の沖のあきの月唐土までもすめる空哉述懷〓數々に忍ぶともなき昔まで心にかゝる賤のをだまきニ知知ななき雲に跡とふ蘆たづも道ある空の光をぞまつシテ住みなれし宿も軒端の忍草猶思ひおく露ぞこぼるゝみなき數の哀ばかりや留まらむ誰も昔の跡となりなば九TINつ搔てめ恐誰忍ぶべき形見とは淚の底の藻屑なれども祝萬代をみかきがもりのまつかぜのこゑいとほくかけそめて花やひられしきたの藤波のみやまにすむ光ことなる萬代のかげ如元天天下下げげとあふげば三笠山峯に月日の光をぞさすか行未をまもり初けむ神代より傳へし跡や君が代の爲東君あしなくして來れども山間跡をのこし北風聲すさまじけれども野草いろをます頃ちかき野に遊覽するに若菜つむ女のわらは五人かたみひぢにかけたるありおの〓〓歌くちずさめりいと怪しくてむかひていはくいづくの里よりいかなる人のきたるかととへばかれらは答へていはく定まれる家もなしたゞ人に隨へる身なりといふいとあやしくてもしやかんの人をたぶらかさむとするにや又は仙女かととふに皆あざわらひて若菜をつみて行くにゆきつれたり石の上つゝじの根などに腰打ちかけてかたみかたはらにさしおきてやすみゐたるとはにありて此の女どもいふやうはいざや我らがありさま歌によみもきかせ奉らむといふいとゞ驚かされて聞き居たるに一人の女よめる0色に出る花や紅葉のはて〓〓は土より出て土に社いれ又ひとりの女。一露もつゞかぬ水の氷柱哉上の空なる聲にながれてまたひとり。○新つき煙も空にきえて後孰くにいける火の殘るらむまた一人00がが荻荻のはむけに打ち靡きおのれ顏なる風の音哉又ひとり。限なく虛しき空と云めるを心の果といかゞとはましこれをきくに地水火風空をよめるさればこそたゞものにあらざりけりと思ふに我等が言なんぢ一生つき給はむ時はわれらも故〓に皆返され申すべきものどもにて侍るなり其の時は御方とてもいづれの處にか歸り給ふべきいぶかしきといひて消ゆるが如く失せぬすなはち坐して一念不生の所に向ひて暫くねぶりゐたるに黑雲西の山の端に沈みて白雲東嶺にこもりてねにゆく鳥むらがり渡る遠寺の鐘におどろかされて道に人に語り奉りしを一句そへ給へり後一宿花の心をすゝむべきこと千五百番の歌合に10梅の花あかぬ色かも昔にて同じかたみの春の夜の月風風ふ寢覺の袖の花のかにかをる枕の春の夜のゆめ題しらずも恨ずや浮世を花の厭ひつゝ誘ふ風あらばと思けるをばい磯の上ふるのわさ田を打返し恨みかねたる春の暮哉夏のはじめの歌とてよみはべりける折折しもうつればかへつ世の中の人の心の花染の袖題しらず。橘の匂ふあたりのうたゝねは夢も昔の袖の香ぞすることわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に和歌所の歌合に田家月を稻葉ふく風に任せてすむ庵は月ぞ誠にもり明しける題しらず一吹きまよふ雲居を渡る初雁の翅にならすよもの秋風あたに散る露の枕にふし侘て郭なくなりとこの山風千五百番の歌合にさえわびてさむる枕に影みれば霜深き夜の有明の月題しらずな霜枯にそことも見えぬ草の原誰に問まし秋の名殘を母の身まかりけるを嵯峨のほとりにをさめはべりける夜よみける今はさは浮世のさがの野邊を社露消果し跡と忍ばめ千五百番の歌合にかくしても明せば幾夜過ぬらむ山路の苔の露の筵に和歌所の歌合か古里も秋を夕はかたみにて風のみ送る小野のしの原寄風懷舊といふことを○葛の葉の恨にかへる夢のよを忘れ形見の野べの秋風和歌所に述懷の心を一惜むとも涙に月も心からなれぬる袖に秋をうらみて五十首の歌たてまつりしに、寄雲戀下下もえに思ひ消なむ煙だに踏なき雲のはてぞ悲しき水無瀬の十五首の歌合に春戀の心を集女卿成俊〇〇二〇三901
面影のかすめる月ぞ宿りける春や昔の袖のなみだに被忘戀のこゝろを〓露はらふ寢覺は秋の昔にて見はてぬ夢に殘る面かげ水無瀨の戀の十五首の歌合にふりに見時雨は袖に秋かけて云し計を待とせしまに知通ひこし宿の道芝枯々に跡なき霜のむすぼゝれつゝ和歌所の歌合に遇不會戀の心をヒ夢かとよ見し佛も契りしも忘れずながら現ならねば落葉のこゝろをべふみわけて更に尋ぬる人もなし霜に朽ぬる庭の紅葉老の後都を住みうかれて野中の〓水を過ぐとてた忘られぬ元の心のあり顔に野中の〓水影をだにみじ寶治元年十月の歌合に、山花三春はまた花の都となりにけり櫻に匂ふ三吉野のやま寶治二年百首の歌奉りしに、落花一けふとても櫻は雪と古里の跡なき庭に花とやはみる月の歌とて詠むれば空やは變る秋の月みし世をうつす袖の涙に秋毎の月を雲居のかたみにて見しよの人の變る面影寶治元年十月の歌合、旅宿花露けさをちぎりやおきし草枕嵐吹きそふ秋の旅寢に建仁二年戀の十首の歌合に、夏戀〓しし夢夢程程ききの夜の寢覺計りの忘れがたみは題しらずた身を替て非ぬ命の消ぬまをなき數にだに誰か忍ばむ建仁元年八月十五夜和歌所の撰歌合に深山曉月〓秋の夜のふかき哀をとヾめけり吉野の月の明方の空最勝王經の吉祥天女品のこゝろを〓ひひれれ空空くくのの都人袖にみつなる光をぞ思ふ名所の百首の歌奉る時〓歎きつゝ伏見の里の夢にさへ空しき床をはらふ松風名所の歌の中に、大井川c大大川岩波はやく春くれて筏のとこに夏ぞ來にける寶治の百首の歌に湖月を一つの海や秋の夜渡る蜑小舟月にのりてや漕傳ふらむ正治二年の百首の歌にかたしきの袖に馴ぬる月影の秋も幾夜ぞ宇治の橋姫寶治二年百首の歌奉りける時澤若菜をよみはべ誰誰ななく忍ぶ昔の形見にもふる野の澤に若菜をぞ摘千五百番の歌合にみても猶飽ぬ夜のまの月影を思ひ堪たる五月雨の空寶治の百首奉りしに、秋田五山小の田の庵もる賤の秋の袖宿かる露ぞおき明しける寶治の百首の歌奉りける時、聞擣衣ない味氣なく急がぬよはの枕まで夢路とほさずうつ衣哉千五百番の歌合に14秋秋れれ身にしむ物となりに島昨日も聞し〓の上風寶治の百首の歌奉りける時、杜紅葉AN時雨行生田の森の秋の色を訪でぞよそに見べかりける四建保五年内裏の五首の歌合に、冬河風加橋姫の待つ夜空しき床の霜はらふも寒し宇治の川風千五百番の歌合にニュ高砂の松の綠もまがふまで尾上の風に花ぞ散りける建保三年影供の歌合に雨後聞蟬といふことを一"雨はれて雲吹風に鳴く蟬のこゑも亂るゝ杜の下つゆ寶治の百首の歌に寄關戀をニー越て又戀しき人に逢坂の關ならばこそ名をも賴まめ寶治の百首の中に見〓花といことを311尋ねとも思はで入りし奧山の庵もる花を獨こそみれ寶治二年百首の歌奉りける時、六月祓三集女嘲成俊みそぎする麻の葉末の靡くより人の心にかよふ秋風R建仁二年影供の歌合に、忍戀五人人れず思ひ忍の山風に時ぞともなき露ぞこばるゝ題しらずなる積りぬる別は春にならふとも慰めかねてくるゝ空哉名所の百首の歌たてまつりける時五五五五雨雨のをやむ晴間の日影にも猶雲深し天のかぐ山寶治の百首の歌奉りける時〓風かはる夏の扇は手になれて袖にまづ置く秋の白露ねたたちこむる關路も知ぬ夕霧に猶吹こゆる須磨の秋風建保の内裏の三首の歌合に、秋野月○思思よ〓を一夜の形見にて笹分くるのべの袖の月影水無瀨殿の詩歌合に山路秋行といふことを心さへ移りもゆくか龍田山木末にあきの色を尋ねて建長三年影供の歌合に行路紅葉といへることをニ時時ゆく秋の山路は紅葉の移ろふ色や知べなるらむ天天河河みをゆく月はながるとも逢瀨にかけよ雲の柵か春春夜の倉ののの喚子鳥心の闇をおもひこそやれ無動寺にて夏の夜あくるまで月をみて〓鳥の音の聞えぬ山のかひもなし偖も明行く短夜の月祭の日しのびてまかりすぎはべりしをぐらの大納言殿の車より使のあれば一忍びつゝ出つる道に葵草君みるべしと思ひかけさや返しわが賴む神の知べに葵車思ひかけずといかゞ思はむ深草に通ひし頃あか月砧うつを表衣つう夜さむの袖やしをるらむ曉つゆの深草のさと彈正宮にてたえて久しき戀といふ題を蓬生の宿の通路いつのまに枯にし跡も霜をへぬらむ左大臣殿にて落葉風に隨ふといふ題を空にのみ誘ふ嵐にもみぢ葉のふりも隱さぬ山の下道小將ためつらの君久しくとひ給はずと恨みやりたる人のもとより云ひおこせたる今ぞしる訪ばやとこそ思ひしにげに身を捨る心也身返し憂身をもとはれやせまし思ふより外なる君が心也せば法輪にこもりたる頃人のとひきて歸りなむとす諸共に聞くだにさびし思ひおけ歸らむ跡は峯の松風いかだを大井河繫ぐ筏もある物をうきて我身のよる方ぞなきをぐらの宮のすみたまひける所といふ堂にとまりて有明の月おもしろき曙にいろ〓〓の花を折りて佛に奉るとて月のこり露むすばむあした籬の花を折りて佛界に供せむとかゝれたることを思ひいでゝ兼好法師集集師法好兼四五二〇三903石山に詣づとて曙に逢坂を越えしに雲の色に別れもゆくか逢坂のせきぢの花の曙のそら六〓坂坂の關吹きこゆる風の上に行方も知らずちる櫻哉雪ふる日に御子左の中納言殿より跡にえてとはぬ日數もふる雪に覺束なさの積る頃哉4降雪に里をばかれず跡つけば待らむ人の數に洩すな返し跡つけて今こそとはめ憂身をも待らむ宿の庭の白雪六七日七日月のかたぶくを
○昔思ふ籬の花を露ながら手をりて今もたむけつる哉ならびの岡に無常所まうけてかたはしに櫻を植ゑさすとて"契おく花とならびの岡のへに哀幾世の春をすぐさむ頓阿母の思ひにてこもりゐたる春雪ふる日遣す儚くてふるにつけても泡雪の消にし跡をさぞ忍ぶ覽返し〓ききびび共に消えなで徒に降るもはかなき春の泡雪山里のすまひもやう〓〓年へぬることを寂しさも習ひに島な山里にとひくる人の厭はるゝ迄とぶらふべきことありて都に出でゝ立立歸り都の友ぞとはれける思捨てゝもすまぬ山路は法華經の序品かいづ方も殘る隈なく照すなり時まちえたる花の光に祭主定忠身まかりて追善に結緣經の歌すゝめはべりしに、方便品押なべて一つ匂の花ぞとも春に逢ぬる人ぞしりける五百弟子品の心を〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓てみぬめの浦の玉もをぞかる中御門入道大納言經繼卿の白河の山庄にてこれかれ題をさぐりて歌よみはべりしに變戀をかあだ人に習ひにけりな賴みこし我も昔の心ならぬは八月十五日の夜報恩寺にて人々あまた歌よむ由きゝはべりしを煩ふことありてえまからで申し遣しはべりし0月月に憂身を秋霧の隔てにもさはらで通ふ心とをしれ返し、をぐらの大納言賣〓刑諸共に詠めぞせまし秋霧の隔つるよはの月は恨めしその頃やんごとなき人のとぶらひおはしたるにニーとはれぬる露の命はつれなくて脆きは袖の涙也けり今宵と賴めける男のあらぬ方へまかりければ女のよませはべりし〓〓く〓〓〓〓〓〓とて我が爲ならぬ暮を待ける冬の夜あれたる所のすのこにしりかけて木だかき松の木のまより隈なくもりたる月をみて曉まで物語しはべりける人に思出づや軒の葱に霜さえて松の葉分の月をみしよは世をそむかむと思ひ立ちしころ秋の夕暮に背きてはいかなる方に詠まし秋の夕も憂世にぞうきとにかくに思ふことのみあれば〓〓もせぬ涙の玉の微りせばよのうき數に何を取ましほいにもあらで年月へぬることを憂き乍らあれば過行く世中をへ難き物と何思ひけむ〓習習ぞと思做してや慰まむ我身一に憂き世ならねば賴もしげなることいひてたち別るゝ人になかなしや命も人の言の葉も賴まれぬ世を賴む別は嵐の山の花をみて○大堰河くだす筏士早きせにあかでや花の蔭を過らむ梅の花。見ても猶あかぬ匂は包めども袖にたまらぬ梅の下風。○木の本を過ぎてぞ更にしらける袂に移る梅の匂ひは三月ばかり徒然とこもりゐたる頃雨のふるを。詠れば春雨降て霞む也けふはたいかに暮がてにせむo斯しつゝいつを限と白眞弓起臥すぐす月日なるらむ柳の風にみだるゝを10物思ふ心となしに靑柳の亂れて何にもえわたるらむ加春雨に柳の絲はそめかけつ花の錦をはやもおらなむ世の中思ひあくがるゝ頃山里にいねかるをみて6世中を秋田かるまでなりぬれば露も我身も置所なし人にもの云ひそめて○通ふべき心ならねば言葉をさりとも分で人や聞らむつらくなりゆく人にお。更更にかはる契と思ふまではかなく人を賴みける哉定めがたく思ひ亂るゝことのもきを。あらましも昨日にけふは變る哉思定ぬ世にし住へば一ともすれば鴉の浮巢の憂乍ら水隱れ果ぬよを歎く哉世をのがれてきそぢといふ所をすぎしに一思立つきその麻衣淺くのみ染めてやむべき袖の色哉修學院といふ所にこもり侍りし頃ニ道れても柴の假ほの假の世に今幾程かのどけかるべき遁れこし身にぞ知らるゝ憂世にも心に物の叶ふ例はル身を隱す浮世の外はなけれども遁れし物は心也けりかいかにして慰む物ぞ世中を背かですぐす人に問ばや花をみて花の色は心の儘になれに皇〓と繁きよを厭ふしるしに後二條院のかゝせ給へる歌の題のうちに御經かゝせ給はむとて女院四華院より人々によませられ侍りし夢逢戀をへ打解て睡ろむとしもなき物を逢とみつるや現なる覽侍從中納言爲藤殿にて人々題をさぐりて歌よみ侍りしに、木殘雪山ふかみ梢に雪や殘るらむ日かげにおつる枝の下露花の雪○山高みまがはぬ花の色なれやなぎたる空に殘る白雲薄暮歸鴈一ゆき暮るゝ雲路の末に宿なくば都に歸れ春の雁がね忘るゝ戀我計り忘れず慕ふ心こそなれても人に習はざりけれほとゝぎす五五ききはは橋のちるなべに山時鳥なかぬ日はなし橫河にすみ侍りしころ靈山院にて生身供の式をかき侍りしおくに書きつく浮ぶべき便とをなれ水莖の跡とふ人もなき世なり共持ちたる扇を佛に奉るとて書きつけし常にすむみ山の月に譬ふなる扇の風は雲やはるらむ堂の柱に永仁五年公世の二位の五部の大乘經供養にのぼりて等ひきける由など書きてたひく琴を哀としらばなき世迄かたみに慕へ松の秋風と書きつけたるが霧に朽ち殘りてかすかに見ゆるも哀にてかたはらにに松風を絕ぬ形見と聞からに昔の〓ののこそなかるれ堀河の大いまうち君をいはくらの山庄にをさめ奉りにし又の春そのわたりの蕨をとりて雨ふる日申し遣し侍りし一早蕨のもゆる山邊を來てみれば消し煙の跡ぞ悲しき返し、延政門院の一條見るまゝに淚の雨ぞ降まさるきえし煙のあとの早蕨人におくれて佛事などいとなむに〇知知して跡とふかひもなき物は誰も涙に迷ふ也けりあづまへまかり侍りしに〓閑寺にたちよりて道我僧都にあひて秋はかへりまでくべきよしまうし侍りしかば、そうづ一限しる命也せば廻りあはむ秋ともせめて契置かまし返し三行末の命をしらぬ別こそ秋ともちぎる賴みなりけれ道にてよめる11峯の嵐うらわの波もきゝなれぬ變る旅寢の草の枕にあづまにて宿のあたりより富土の山のいとちかう見ゆれば都にて思遣られしふじのねを軒ばの岡に出てみる哉海のおもてのいと長閑なる夕暮に鷗の遊ぶを夕なぎに波こそみえね遙々と沖の鷗の立居のみしてこよろぎの磯といふ所にて月をみてたこよろぎの磯より遠く引汐に浮べる月は沖に出に身集師法好兼
武藏の國金澤といふ所に昔すみし家のいたう荒れたるにとまりて月あかき夜故〓のあさぢが庭の露の上にとこは草葉と宿る月哉相模の國いたち河といふ所にてこの所の名を句のかしらに据ゑて旅の心をたいかに我立にし日より塵のゐて風だに閨を拂はざる覽〓見が關にてた〓見潟波も長閑にはるゝ日は關より近きみほの松原田子のうらc田田の蜑のやく鹽竈はふじのねの麓に絕ぬ煙也けり一とせ夜に入りてうつの山をえ越えずなりにしかば麓なるあやしのいほりに立ちいり侍りしかど此の度はそのいほりの見えねば一一夜ねし萱のまろ屋の跡もなし夢か現かうつの山越心にもあらぬやうなることのみあればすめば又憂き世也けりよそ乍ら思し儘の山里もがなニ何何かと蜑の捨船すて乍ら憂世を渡る我身なるらむ山里の垣ほの眞葛今更に思ひすてにし世をば恨みじうとくなりゆく人に遣しける人にかはりて五人人もも中中ははなしにともすれば訪ぬ月日の積る頃哉又加方方のとだえに知りぬほかに又覚の水のわくる心は絕切戀といふことを忘られて絕む命も逢見しに思へぼかふる我身也けり寄雲戀All峯續き嵐にうきてゆく雲の移り易くぞ思ひかけてし加賀みこー妹脊の山の峯の雲よそ乍らやは立別れなむCa空空たたつ名のみ殘りて浮雲の跡なきものは契也けり1年年へぬさてや初瀨の山風に別れしまゝの峯の白雲かのえさるニつらからば思絕なでさを鹿のえざる妻をば强て戀らむ五月廿日ころ御子左の中納言どのゝ庚申に郭公聲舊山田早苗深夜夏月風前夏草螢火秋近·聞きてしも猶こそ飽ね郭公なくや五月の日數ふる聲五水越る田面の早苗色添へて移るは山の影にぞ有け〓四11時晴ややらぬ心の友と眺めても獨ぞくらす五月雨の空77. Rねふくるまも有ける物を宵ながら明ぬと聞し夏の月影14打打く草葉涼しく夏の日のかげろふ儘の風立ちぬ也五AN 發螢まだ〓こさぬ雲ゐより行きかふ秋と風や吹らむ入道大納言爲世どのにて九月十三夜水うみの月こほりに似たりといふことをな鳩の海の氷の隙はなけれども打出る波や秋の夜の月恨絶戀じ變變ゆゆく心は兼てしられしを恨みし故と思ひける哉祈りて尋ぬる戀「知べなき興津の濱に鳴たづの聲を哀と神はきかなむしかのこゑ近し秋山の裾野の原のむね分に戰ぐをきけば鹿ぞ鳴なる山家山山ののままぬぬもすまれ島身を楢柴の庵結びつゝ山深み待れし鳥の聲をだに聞で幾夜の寢覺しつらむ後宇多院よりよめる歌どもめされ侍りけるに奉るとて僧正道我にまうし遣し侍りける1人人れず朽果ぬべき言の葉の天つ空まで風に散る覽返し、僧正が理や天つ空よりふく風ぞ森のこのはをまづ誘ひける神無月のころ初瀨にまうで侍りしに入道大納言爲世紅葉をりてこと仰せられしかばめでたき枝にひばら折りかざして持たせたれど道すがら皆散りすぎたるを奉るとて世にしらずみえし梢は泊瀨山君に語らむ言葉も無し返し籠りくの初瀨の檜原折添ふる紅葉に優る君が言のは正中後醍醐二年春宮より歌合の歌召されはべりしに、山路花.稀逢戀今日もまた行くての花に休らひぬ山分衣袖匂ふまで。ヒいつ迄と問るゝ度に永らへて心長くも世をすぐす覽民部卿殿爲定にておの〓〓歌よみてほめそしることのありしに、立春「今日よりは霞難く梓弓やしまのほかも春や知るらむ若水ニ盡もせぬ君がやちよを幾返り若えて汲まむ春の若水早蕨今今も又萌え渡る也時過きてかれにしをのゝ春の早蕨歸屬Pる歸暫しやすらへ山のはの雲だに迷ふ明ぼのゝ空盛花限なき色も匂も猶そひぬ花は今日とやわきて待けむ初郭公おみいいてゝはな橋に郭公宿とふほどや初音なるらむ五月雨ト最上河早くぞまさる天雲の昇ればくだる五月雨の頃泉ハ月月るせかゐの水の涼しさに遊ぶ今宵ぞ雞の鳴く迄蘭No藤藤野原の露を分けかねてたがぬぎ捨し匂なるらむ駒迎〓古は昨日や越えし引きつれて今日逢坂のもち月の駒松蟲秋寒き霜の後にや松蟲の名に顯れて音をば鳴くらむ爐火理埋のあたりは春と思ふ夜の明るひさしき閨の內哉網代ハ小ささいいざみに行む武士のそや宇治川の網代もる頃寄雪戀白雪の降にしなかの通路は淺きにしもや絕初めけむ寄嶺戀聞くもうし有しにもにぬ言のはを何と伊吹の峯の木枯寄湖戀心をぞ氷と碎く諏訪の海のまだ解けそめぬ中の通路寄野戀契あらば又や結ばむ一夜ねしにひ手枕の野べの若草寄橋戀舊にける例にだにも思出よ長柄の橋のかけ離るとも延政門院の一條時なくなりてあやしき所に立ち入りたるよしをまうしおこせてか思ひやれかゝる伏屋の住ひして昔をしのぶ袖の涙を返し200忍ぶらむ昔に變る世中はなれぬ伏屋の住ひのみかは比叡の山にて四月十日あまり盛りなる花をみて今今ささく花の所はあり乍ら過にし春をとふ方ぞなき人に知られじと思ふ頃古里人の橫川まで尋ねきで世の中のことゞもいふいとうるさし九年ふれば訪來ぬ人も無り皇よの隱れがと思ふ山路をされど歸りぬる跡はいとさう〓〓し"山里はとはれぬよりも訪人の歸て後ぞ寂しかりけるいかなる折にか戀しき時もあり嵐ふくみ山のいほの夕暮を故郷人はきてもとはなむ秋の夜おぼろの〓水を尋ねて九10大大ややけいれれ朧の〓水とも知られず秋はすめる月哉とほきくにへゆく人に餞すとて別別路を慕ふ淚に朽ちはてゝ袖は手向にきる程もなし藤原行朝すゝめはべりし鹿島の社の歌集師法好兼
時時なかぬかぎりは橘の匂ふかきねぞ人だのめなるx月月る露の手枕夢さめておくての山田秋かぜぞふく風さやぐ岡の冬草けさのまに埋れはてゝ雪ぞ降つゝ〇一條に厭はゞかくも賴めじと思ふより社猶迷ひぬれ蘆原や天てる神のみ〓とうけて國平らげし神ぞこの神。0春日野の露にぞ移る束路のみちのはてより出し月影歌をよみおきて身まかりける人の追善に其の歌の一字をはじめに置きて結緣經の歌すゝめはべりしに、る文字。流轉せし古里人を忘れずば無漏の都にいつか迎へむ極樂に往生すべきことなど說くを聞きてc舟舟ああば千引の石も浮ぶてふ誓の海に波立なゆめ五條ゐのくまと云ふことをかくして100ででむむろの國にも生來でうゐのくまたは受盡す覽宇治の御經藏の沈ありと聞きて人のもとよりわ潜きせぬよきよの蜑も干し敢ぬ汐垂衣やりてみせばや沈をふたきれ遣すとてうち二つ奉るとくつかぶりに置きてもうきも又契かはらでふるに今袂ぬれつゝ露や碎くる屏風のゑに紅葉に雁なきわたる處Noといも紅葉してけり雲居ぢを鳴て過なる屬の涙に九月十三夜大覺寺二品親王寬尊よりめされし三首の歌に、寄月待戀50高砂の尾上を出る月だにもさのみは松に障る物かは藤原基任がもとにてこれかれ歌よみしに。隆雪に道こそなけれ吉野山たれ踏分けて思人りけむ一今日出て爪木とらなむ降雪に外面の山路絕も社すれかぢゐの宮尊胤二品親王にて人々歌つかうまつりしに、炭竈一炭竈も年の寒きに顯はれぬ煙や松のつま木なるらむ正月十二日春立日民部卿の家の庚申に、早春雪一年越えし印も見えず降雪の天ぎる空は今日ぞ霞める初聞鶯聞てこそ驚かれぬれ雪の內も待つべかりける鶯の聲恨別戀きき〓〓の名殘計りに絞らばや歸る袂のくすの下露夕方邦た言とはむ越べき山と行末に見ゆるや宿の籬なるらむ寄神祝うごきなく絕ぬ例と貴船なる山を河せに世を祈る哉先坊の御時の御歌合に仕うまつりし五首、元享三年のことにや〓秋深き霜おきそふる淺茅生に幾代もかれずうつ衣哉今宵だに打も拂はで狹筵に積れる塵や人にみせまし○くり返す賴みもいさや神垣の森のしめ繩くちし契は一今日のみと磐田の小野に秋暮て柞色づきふる時雨哉一分分くる露ともみえし我袖を秋より後は何に紛へむひとり花のもとに尋ね入りてみる人に咲きぬとつげむ程だにも立去難き花の蔭哉遠く花をたづぬ僞の雲の幾重にこりもせで遂にまがはぬ花をみつ覽かづらき山の花葛城や花のさかりをよそに見て心そらなる峯の白雲池に花の映りたるを影映す花の靑葉となりに皂むら〓〓みゆる池の浮草海邊の春曙といふことを花ならぬ霞も波もかゝるなりふち江の浦のはるの曙御子左中納言の家にて、春風、春山、春旅べみなと河散にし花の名殘とやくもの波たつ春の浦風た名に高き花の所と聞しにも越てぞみつる志賀の山越〓鳥の音に秋立つ道もみえわかず深き霞やさよの中山建武二年内裏にて千首の歌講ぜられしに題を給はりてよみて奉りし七首、春植物久久たの雲ゐのどかに出る日の光ににほふ山櫻かな夏動物三時鳥待とせしまに神なびの森の梢は繁りあひにけり秋天象終夜そらゆく月の影さえて天の河瀨や秋こほるらむ冬天象霜さえしやたのゝ淺茅埋もれて深くも雪の積る頃哉戀天象〓蟹のすむ里の烟の立返り思ひつきせぬ身を恨みつゝ戀植物徒になき名計を刈菰のうきに亂れて朽らやはてなむ雜地儀芹芹の千代の古道すなほなる昔の跡は今や見ゆらむ大覺寺の瀧殿といふあたりにすむ人のもとへ十月ばかり時雨ふる日尋ねいきたるに庭は山の麓にて薄の多く招きたるを〓枯枯〓裾裾裾裾裾う招く時雨に袖やかすらむ水鳥を〓〓邊邊くくのの越て拂はぬ霜も置やそふ覽ある人のもとにておの〓〓五首の歌よみしに、山路のゆふべの雪9吉吉山みねの嵐のさえくれてふみ分難く凍る雪かな野外の冬の月「一枯枯は野風に靡く草もなくこほる霜夜の月ぞ寂しき海のほとりの千鳥一般波潟滿來る潮に風たちて蘆の葉さやぎ千鳥嗚く也連夜待戀一待程の賴み絕えなば如何せむこぬよの數のしられずもがな絕えて後あらはるゝ戀思出づるかひこそなけれ今更に浮名たつなる昔語は冬のはじめの歌11村時雨ふりみ降ずみ押なべて所も分かず冬は來に島暮ていにし秋は昨日と思ふまに嵐の音の冬籠るらむ秋は早過にし跡の手向山いまだに幣と散る木葉かなこほりんすす月月の影こそ淀定飛鳥河心ありてもこほる波かな加三吉野の山より落ちし瀧の糸の絕て久しく凍る頃哉雪ofをざゝ吹く峯の嵐も音さえて夕のとこに積る雪かな朝ぐもりの空いとおもしろしニ朝まだき曇れる空を光にてさやけく見ゆる花の色哉山田に水まかするをニュートつつししつのし返し水は心に任せやはせぬ歎くことあるころ心ちそこなひてこもり侍りしを新中納言ほどへてとぶらひ給ふとて數々に問まほしさを思ふまに積りて最ど言葉ぞなきHE云ぬだに憂身の咎は知るゝを恨みはいかに苦しからまし返し一今今ぞきく恨し程の日數をも思ひ乍らにすぐし島とは等閑に喞たば斯やしらざらむいはれぬ計り深き心をとしすけの中將入道の身かりしに追善の結緣經のうた、隨喜功德品の世皆不空固如水沫泡炎〓浮乍ら暫し漂ふ水の泡の消なですさむ世とは賴まず基任がすゝめ侍りし阿彌陀經の歌いいつか又よの浮雲の外にみむ是より西にすめる月影懷舊な一人の佛さへに絕ぬとやうたて月にの遠ざかるらむ月をみて〓思ひ出る淚に月の曇らずば昔ながらの影もみてまし花に對ひて舊きを懷ふ一春の日の永き別につく〓〓と慰めかねて花をみる哉
山吹〓吉野河岩こす波に影みれは散るにつきせぬ山吹の花菩提樹院の藤見にまかりてミ咲き匂ふ藤の裏葉のうらとけて影も長閑き春の池水たかゞり〓鈴のおとは近く聞えて敏鷹の茂みの木ゐに隱れける哉敏鷹の木ゐに懸りて暮す日は我も家路に歸兼ねつゝ郭公の初音つつななさはな一一聲に忘られて名殘を慕ふ時鳥かな淨辨律師筑紫ヘ罷り侍りしに火うち遣はすとて打打てゝ別るゝ道の遙けきに慕ふ思を類へてぞやるこれとしの朝臣の家にて河を〓千年とも何か待べき五十鈴河濁ぬ世にはいつも住み島遍智院の宮より召されしによみて奉りし歌なよる波の音さへ遠くかすむなり汐のひかたの春の曙co幾里の人にもおくれ春風のさそふにつきぬ梅の匂は〓朝な〓〓咲きそふ花の白妙に峯の霞の色ぞ晴れゆくさても猶よを卯花の影なれや遁れて入し小野の山里さだかにと思ふ心に郭公きく一こゑを猶たどるかな夏野行くた馴の駒のむねわけになづむ計も茂る草哉12世中の浮田の森に鳴蟬もわが如よそにゆく方やなきたへてのみ詠むる儘に心なき我身しらるゝ秋の夕暮木のまより下は殘らず宿る也露もる山の秋の夜の月ス伊伊山嵐にうきてゆく雲の隔てもあへずふる時雨哉九手枕の野べの初霜さゆる夜のねての朝げに殘る月影〓思思我我名やよそにふりぬらむ今は涙を訪人もなき一捗なしや厭はるゝ身の命もて逢にかへむと賴む計は關閉のまどろむ程と契る夜はふけて嬉しき鐘の音哉殿より召されし名所の歌にいそまのうらの戀ヲ波かくるいそまの浦の磯枕ゆめにも疎くなる契かな女に遣さむとて人のよませし〓知せばや木の葉隱れの埋れ水下にながれて堪ぬ心を逢はむと云ひながらさもあらざりける人に遣しける人にかはりて賴賴おおく言のはなくば逢ぬまに變る心を歎かざらまし秋の夜とりの鳴くまで人と物語して歸りて有明の月ぞ夜深き別れつるゆふつけ鳥や空音なりけむ師走のつごもり哀なることども思ひつゞけてうちもまどろまぬに鐘のおといと心ぼそしい春近き鐘の響のさゆる哉今宵ばかりと霜やおくらむ驚かす鐘の音さへ聞馴れて永きねぶりの醒る夜もなしなき人をとぶらひて後後ゐるて跡とふ法の勤めこそ今は儚き名殘なりけれの終夜雨も淚もふるものをなどかへりこぬ別なるらむあはれなる夢を見て打ち驚きたるに語るべき人もなければささぬぬれど語るともなき曉の夢の涙に袖は濡れつゝ見見もあらで夢の枕に別れつる魂の行方は涙也けり山寺に念佛してゐたるに都より尋ねくる人の中に若き男のいと懇に物がたりして歸る住ひはいとたづきなしや何事か忍び難きなど問ふは思ふ心ありてやとみゆるも哀にて山里に訪ひくる友もわきて猶心をとむる人は見え身何事も程あらじと思へばらううと〓とも暫し計りの世中を幾程いとふ我身なるらむいづかたにも又ゆき隱れなばやと思ひながら今は身を心にまかせたれば中々ことたりてのみぞ過ぎゆく背く身は道にやすきあらましに猶山深き宿も急がず世の中ありしにもあらず移り變りてなれみし人もなくなり行くことを語語べき友さへ稀になる儘にいとヾ昔の偲ばるゝ哉あしたの霞宿毎の朝げの煙たつとしも分きては見えず霞む空哉いはひNo若の浦の眞砂や千世の有數によむとも盡ぬ例なる覽春月〓終夜霞める月の影ながら行きかふ雲やはれ曇るらむ○さやけさは音にのみこそ聞ゆなれ細谷河の春秋の月山里のさびしげなるを。身を隱す山路の奥も住人の心はよそにしられぬる哉世の中あやふきさまに聞えしも程なくたちなほりにしかば中納言どのに00世々をへて治むる家の風なれば暫しぞ騒ぐ若の浦浪平貞直朝臣の家にて歌よみしに旅宿の心を。〓〓〓〓〓なて旅寢にかゝる夢のうき橋懷をのぶ數ならぬみのゝお山の一松獨覺めてもかひや無らむね。絕ぬるか身は浮船の網手繩引人もなき世を渡りつゝ忍ぶによりてまされる戀といふことをわともすれば積る月日を喞つ哉人目は人の心ならねば月にむかひて思ひつゞけし。風戰ぐ竹のは山の秋の月長閑にすまぬ世こそ知るれ。0思置く〓とぞ此世に殘りけるみざらむ跡の秋の夜の月50身を隱す宿のかきほの篠薄忍ばずほにも出にける哉郭公なきぬべき夜のさまかなと人のいふをきゝて。鳴ぬべきよはゝ賴まじ郭公待らむとこそ猶忍ぶらめ夕暮にはる〓〓とびこえて膓のゆくを山のはに夕ゐる雲は長閑きに己れ別れて雁の行らむ又もこむ秋こそ最ど賴まるれとまる年なき春の雁音三いとせめて戀しき頃とふる里に霞の衣かへる雁かね和歌所にて初聞鶯といふことを聞くからに春ぞのどけき打はぶき都にいづる鶯の聲西山の花見ありきしに1ああ人に又さそはれて立歸り同じ山路の花をみる哉朝毎に立ちそふ峯の白雲のゆきゝも見えぬ花盛かな花のちるを待程の花の心の難面さも咲てはあだになど變るらむ人のよませしにへいつ迄と忍ぶの露を袖にみて消だに果ぬ物思ふらむ久しく音づれぬ人のがり云ひやりしな花染の色とも聞かぬ日數さへとはねば易く移る頃哉友だちのきて世のありにくきことなど語るを聞二習ひぞと思なしてや慰まむ我身一の憂き世ならねば年頃賴めわたりける女のがり遣すべき歌とて人のよませ侍りしニ僞に我のみなさで言のはを賴む計りの年ぞへにけるおなじ人に又遣しける一至蔓たえずも物を思へとやかけて賴めし人の難面き冷泉の大納言殿にて歌合に、夏草三大荒木の森の下枝もわかぬ迄のべの草葉の繁る頃哉不逢戀同じ世にいけるを流石賴む哉あふには替ぬ命なれ共述懷正ともすれば我身一と喞つ哉人を分べき憂世ならねば=御子左中納言の家の歌合に、依花待友咲なばと賴めし人の問ぬまは宿より外の花をだにみず祈不逢戀立馴るゝ神の三室の榊葉の變らぬ色はつらさ也けり寄草戀kc時過て人もすさめぬ菖蒲草憂に舊ぬるね社なかるれ小野つき松をかくして集師法好築七九四〇三
寂しさを慰むものは四のをの月待程のしらべ也けり折句に、やかた舟〓山人の歸る家路は絕々にふくなる笛のねこそ聞ゆれこれも同じ家の歌合に、晴天歸雁、雨中懷舊一歸る雁羽打交す雲もなしなぎたる空に數は見えつゝきゝなれぬ草の庵の雨の音に昔をいかで思ひ出らむ西林院承覺親王の宮にて題をさぐりて歌よませられ侍りしに、五月雨降初る空より頓て五月雨の日數しられて雲ぞ重なる靑蓮院二品親王より花契多春といふことをよませられ侍りしに吳竹の園生に匂ふ花に社千世の春しる色はみえけれ雪ふる日比良の山にのぼりて三残りつる被のしたみち猶たえて嵐吹きしく峯の白雪花のさかり伹馬のゆより歸る道にて雨に逢ひてたしぼらじよ山わけ衣春雨にしづくも花もにほふ袂は藤大納言殿の松の尾の花見におはせしに誘はれ奉りて山里の花を七人めをば厭ひやすると山里の主もとはで花をみる哉花まち殿にて、螢〓とぶ螢なぞや憂世の濁江に影を隱さでもえ渡るらむ前坊の御まへに月の夜權大夫殿きぶらはせ給ひてみきなど參りて御連歌ありしにけんかう候ふよし人の申されたりければ御杯給はすとてルまま暫しめぐるは易き小車のと仰せかけられてつけて奉れとありしかば立ちいりてにげむとするをながとしの朝臣に引きとヾめられしかばcmかるるひかりの秋にあふまでと申す忍絕戀一世にもらばいかにせむとぞ思來し心安くも絕し中哉懷舊一儚なくて又や過なむこし方に歸る習のある世也とも千鳥二和和の浦にみ代の跡ある濱衝猶數そへぬね社泣るれ網代四知べせよ田上河の網代守ひをへて我身寄る方もなし落葉150道れえぬ老曾の杜の紅葉は散かひ曇るかひ無かり身春の頃、哀傷〓〓人〓涙のは霞むを春のならひとも見め切みし人もなき故〓よ散紛ふ花にも嘸な袖はぬるらむAP歸歸ここ別別をさても歎く袖西にとかつは祈る物から九二五〇三集印法運慶慶運法印集春立春かけふも尙雪げの風は荒玉の年とも分で春やきぬらむ02今日といへば雪げの雲も打靡き春くる空に霞ぬる哉初春霞エさほ姫の衣はる風空さえてまだ立ちなれぬ朝霞かな山霞二二人方の雲居に高く霞むなりふじの煙の春のあけぼの三さは姫の袖の別れはしらねども霞にかゝる峯の橫雲浦霞〓〓衣表〓春〓る空の朝なぎに袖師の浦はかすみこめつゝ霞隔遠樹さほ姫の霞のころもうち靡き袖にすかとる靑柳の糸七早蕨初草のはつかにもゆる煙にも尙埋もるゝ野べの早蕨山歸雁生歸るさは幣も取あへじゆふ疊手向の山の春の雁がね七花t眺めやる遠山姫の花蔓かけて待たれぬ時のまもなし七N花花ににも猶僞のあるよとや色なる雲の先かゝるらむ本木にきてだに雲ぞ紛ひける何を櫻のよそにみつ覽ささ姫姫の霞の袖をさく花の匂にそめて春風かぜ吹く〓詠めやるをちの高嶺の花の色に曇りも果ぬ夕月夜哉閑山花スのどかなる住ひともなし櫻花さきちる山の春の心は大淀浦〓大淀の浦より遠に霞むなりかみぢの山の花のしら雪折花折りとらば人や答めむ櫻花たゞ一枝ととなしぶとも翫花私たが爲と思ひもわかで櫻花あかぬ心にたをりつる哉〓老が身の淚ながらに手折つるもろき櫻の花の挿頭を故郷花かみ垣守なきよ也共さのみ又折はやつさじしがの花園惜花xを花をこそ尙も怨みめ誘行く風の宿りはしる人もなし散るとみてあるべき物か山櫻待しにだにも盡す心をcmちる花に心の隙のあらばこそ風の宿りも行て怨みめ落花ー九ふく風にみかさをそへて石走る吉野の川の花の白浪空にのみ降るかとぞみる春風の吹こす峯の花の白雪〓吉野川花の鏡の早きせは散かゝるにも曇らざりけり.九花さそふ交野のみのゝ春風に雲のみをなる天の川浪箒木はよそにさへこそみえわかね霞む伏屋の春の曙鶯大谷谷に春しりそめて鶯のうち出る浪の花になくなりヒ〓呉竹竹伏伏の里のあれまくになれも古巣と鶯ぞ鳴くない鶯の己が羽風もふきとかでいかに凍れる淚なるらむ若菜が見渡せば若菜つむべき方もなし荻の燒原雪は降つゝ〇古古里と成にし後の形見とや伏見のたゐに若菜つむ覽一誘はねど同じ心にうちむれて幾里人の若菜つむらむ梅梅花まだ此里に咲ぬまによその匂もわきて知られし梅花いかにとめてか手折らまし上の空なる風の匂を梅が香は我袖のかとなりにけり鶯誘ふ風のしるべに春氷12名とり川氷吹きとく春風になみの花咲くせゞの埋木松殘雪しがの浦や松吹萎る春風に落てはみづの泡雪ぞふる春〓凍る空にはしばし消えやらで風の上なる春の泡雪ふとけ初る氷の隙の浪の上にいづれば花と泡雪ぞ降る二月餘寒我〓子 衣衣いつまで五ゆる嵐なるらむ曉春月七春のーのあくる光の山のはにいとゞ朧の月ぞ殘れる川上春月七-春は唯みきともいはじ泉河わきて霞める浪の上の月春雨七=我身よにふるとしもなし然りとて袖やは濡ぬ春雨の空旅春雨袖浦すふじの裾野の春雨やよそにみえつる雪げなる覽柳集印法運慶
花花色色紛ひし雲は形見とて後忍ぶべき空目也けり〓今さらに誰かは問はむ山深み風だにしらて殘る櫻を殘花遊絲すがのねの長き日暮し絲ゆふのいとなく空に遊ぶ比哉春田Al氷氷にまだ打解ぬ荒小田を荒鋤き返す春はきにけり喚子鳥打打れて越行く山の喚子島我か人かと爭で間はまし春駒〇雪にこそ道もみえしか春駒の荒行跡をいかに尋ねむ。つながれぬ春の心と櫻あさのをふの下草駒嘶ゆなり。。いかなればさしも長閑き春の日に駒の心の荒增るらむ〓雲雀00就くより揚るもみえず霞む日に鳴音空なる夕雲雀哉○孰くとも時は知ず夕雲雀ながなく聲は空にのみして苗代noひく方ぞ許多みえ行く苗代の水の心を誰によすらむ藤ね松がねはさぞ洗はれむ田子の浦や梢を洗ふ春の藤波幕春10久方の雲のあなたの春ならば鳴てや鳥の最ど歸らむ船中暮春xoいざけふは霞の浦に舟よせて爰ぞ泊と春をしたはむ夏ねさらに又一しほそへて松がえの梢の夏にかゝる波波首夏藤〓色みえで心は花にそめしかど形見ともなき衣がへ哉更衣墨染の衣はけふも脫替じ憂世に返るなをもこそたて卯花一卯花の散かふみれば玉川の水の水泡ぞ消がてにする葵一七十の老の命のもろは草かけじや今は末のたのみも遲櫻〓別れてののち忍べとや遲櫻春の殘せる形見なるらむ郭公1汝をしぞ哀とはきく時鳥さすが待えぬ年のなければた宿かれと花橘はにほへども心もとめぬほとゝぎす哉初郭公七人傳もまだしき程の郭公この里よりや初音なくらむ人傳郭公いい樣樣にまてば鳴らむ郭公聞つといたる人に問ばや聞郭公〓待待へしつらき所も時鳥ながなく里と成に隔ける哉郭公稀c知知いかに山郭公時過てかれ行く頃のあかぬ名殘は早苗飽ざりし花の名殘を慕ひきて誰櫻田に早苗とるらむ小山田にとるや早苗の煙より稻葉の雲の秋ぞ待るゝ菖蒲ニ知らるなよ身は隱沼の菖蒲草憂に盡せぬねはなかる共m數ならぬ我身浮ねの菖蒲草ひく人まづや袖濡すらむ故郷橋住捨るわが古〓の橘やみし〓ともあらぬ老木なるらむ五月雨山のはに雲のあわだつ日數へて泡沫晴ぬ五月雨の頃=ヒト音羽河濁りて落る五月雨に水の心のみえずもある哉夜々照射かひなしや幾夜燃てもさを鹿に逢ぬ火串の空し煙は水雞加關のとは鳥の鳴音を待物と何ぞは叩く水雞なるらむ集印法運慶鵜河00水水泡泡ああに流るゝ同じせに消ぬよ河の篝火の影ニ大井川水の水上する〓〓と山もとめくる篝火のかげ蚊遣火〓寂しとて柴折りくべし面影を煙に殘す里のかやり火夏草三茂合ふみつのみ牧の夏草に駒のすさめし跡だにも無夏月匹残るべき影とはかねて知られけり入方遠き短夜の月夕顏12期ばかり賤が伏やの卑しきも盛りはみゆる夕顏の花野螢た逢瀨まつ星かとみえて天河かたのゝみのにとぶ螢哉納涼七堰入るゝ岩まの水の玉ゆらも立まヾをしく涼む頃哉夏祓〓御禊河ながれて早き麻のはのよるべ白浪秋風ぞふく秋初秋加けふと云へば兼て思し寂さを猶身にしめと秋風ぞ吹早秋coいいののににはは置らむ秋とだにまだ白菅のまゝの萩原乞巧奠一七夕に今宵たむけむ四のをの〓き調も雲ゐにぞすむ七夕天の河水の心のわくらばに靜めかねてや逢瀨待けむ一人方の天の羽衣たまさかにきてもとまらぬ星會の空七夕に心をかさばよのうさも忘れなましな一夜計は10天天河河の一夜はかひもなしとだえ苦しき行會の橋萩加宮城野の木の下露も見え分ず本荒の小萩散の紛ひにt花花のみあくがれ果て色變る下葉もわかぬ庭の秋萩AN分行けば袖のみ濡て秋萩の色なる露もみえぬのべ哉草花靡風ねん花ずゝき草の袂の露散りて手玉もゆらに秋風ぞふく袖露五心なき草木はさぞなはらふだに袂にあまる秋の夕露初雁エよや寒き己が越路の秋風に遙々きぬるころも雁がね五ニュわたの原しほせ遙にとぶ雁の翅にかゝる沖つしら浪蟲三霜むすぶ尾花がもとの蟋蟀夜寒や秋の思ひなるらむ雨夜蟲ac深きよの窓うつ雨の音よりも尙ことしげき蟲の聲哉故〓蟲1年年へへて荒行く里の秋風にいとゞ深ぐさ松蟲ぞ鳴く鹿メニ身を秋の山田のを鹿己さへ憂はしきよとねをや鳴覽七五秋田もる宵々毎の鹿のねは厭ふにつけて哀とぞきくえんもりすてし刈田の面の露霜に獨ねぬよと鹿や鳴らむ五がけははそそに聞ても知られ島妻とふ鹿のをのゝ草臥ねにたてゝ鹿も鳴なり奥山の岩がき紅葉時雨ふる頃待月六晴ぬまぞ中々影もうつりける月待つ山の雲は厭はじーリだだに殘るもみえぬ渡つ海の豊旗雲に月を待つ哉雲間月ヲみみばなど心澄らむ村雲の隙行月はのどけからぬを絕々にもりくる月の影よりも雲は晴間のみゆる空哉霧が。間月新計り稀なる雲のとだえとも知でや月の空に澄らむ山月澄昇る外山の月に聞ゆなりまさきかつ散る秋風の聲集印法運慶〇三六〇三
柴柴戶戶戶戶〓ひ置て月ぞみ山の奥を出ぬるんすすののるる程をばまたじ奥山の槇の葉凌ぎ出る月影河月かふふののののより出て麓なる川せに凍る秋のよの月。早瀨川月の氷のけぬが上にあだ波かけて秋風ぞ吹く海月一いほ原や松原遠く見渡せばみほの興津に澄める月影七里の蜑の網のうけ繩打はへて長してふ夜の月を見哉船中月〓吹風にたなゝしを船漕別れ同じ江ならぬ月をみる哉わたの原風ぞ便と思ひしを夜舟は月の誘ふなりけり坂月ゆらのとは月も曇らで藤代のみ坂ふきこす秋の汐風松間月山里のまやの葦葺漏る月や軒ばの松の木間なるらむ七終夜見月七七露ながら片しく床の菅筵すがらによるは月ぞ宿れる閑中月斯計り月の澄ける柴のとを露のやへたつ山とみし哉社頭月若石水流もいとゞ澄るよを待ける月の影のさやけさ月前旅鶉なくいはたのをのゝ旅人や月待出て山ぢこゆらむ駒迎諸人の待っかひありて雲上に今ぞいざよふ望月の駒〓今宵こそ雲居にいづれ久方の空になだかき望月の駒秋時雨スみみ儘儘外山の正木色附ぬ尾上の秋はさぞ時雨らむ重陽宴〓いにしへのその谷川の末うけて幾夜かさねつ菊の盃搆衣遠近の里の秋風ふくるよにたがいねがての衣うつ也な初霜のふる里人も今よりやなれぬ夜寒の衣うつらむい更科の里の秋風ふくるよの誰なぐさめに衣うつらむ幾里の隔なるらむきゝてだにまどろむ程の衣うつ聲か山鳥の尾上の鐘は明けぬるを心ながくもうつ衣かな初紅葉0常常木に紛ふ計りも無かりけりまだ染敢ぬ峯の紅葉雨後紅葉一紅葉も幾潮までを限とて晴ぬる空の時雨るなるらむ紅葉ごおしなべてまだ色薄き紅葉かな何れ柞の梢なるらむ暮秋かかろふのをのゝ淺ぢふ裏枯て有にも非ぬ秋の色哉〓からぬ露命命令長へて何そは秋をまだ慕ふらむ1茅茅原かつ霜がれて別れてふ〓とは色にもみゆる秋哉冬初冬九柞ちち岩田のをのゝ朝嵐に山路時雨て冬はきにけり時雨いい迄迄袖袖〓すらむ村時雨浮たる雲の程もなきよに落葉M立田姫そめし千入も徒にあだなる色と散るこのは哉紅葉の映る鏡となる水は散りかゝるさへ照增りつゝ寒草0春日野の雪まにだにも萌出し草葉ぞ霜に敢ず枯ぬる冬月。寂しさも月に慰むやま里の煙をだにと何おもひけむ河邊霜coゆふは河流るゝ波も凍るらし岩もと小菅霜さゆる頃旅宿霜00あづまのゝ尾花刈敷さぬるよの衣手寒し霜や置らむ916七六六〇三集印法運慶冬夜〓更ぬるか蘆の葉さやぐ津の國のこやの霜夜に浦風ぞ吹霞00〓〓の軒の板間にふる霰音よりも猶もりまさりつゝ千鳥お〓れ〓の枯葉押なみ夕汐のさしこす磯に千鳥なく也もうふけぬるか友なし干鳥をち返り鳴霜夜の床の浦風夜水鳥x0夜と共に幾重の霜か置そへむ鴨の上毛を波のこさずばかここの池の鴨ぞ鳴なる蘆の葉に隱れて住も風や寒けき雪埋寒草冬ながら先さく花とみゆる哉をち方のべの雪の下草遠山雪一山高み幾重の雲を隔てゝも見ゆるは雪の光なりけり雪朝眺望一業の戶ぞなほ雪深きながめやる都の雪は朝日さす也雪ニ初初めば道だにみえじ山風の沍ゆる雪げを訪人もがな最ど又こやの蘆ふき隙も有じやへ降しける今朝の白雪一條雪や殘る光となりぬらむ入ぬる月のあとの山の端草草木も埋れはつる雪にこそ中々山はあらは也けれたらちねの集しばかりあつめぬや光も薄き窓の白雪鷹狩んみかり野の疲れの鳥の草隱隱れはてよと暮るゝ空哉かいつまでか疲れの鳥の長らへむ〓とは交野に草隱る覽さらでだに手にもたまらぬ荒鷹の驚く計り降る霰哉冬風まきのやに一村雨を送りきて尾上を越ゆる木枯の風-網代〓網代もる床は浮寢に非ねども枕の下に波ぞいざよふ炭竈三いづくより立ともみえぬ煙哉雪の底なるをのゝ炭竈神樂〓繰返しうたふ神樂の聲すなり正木の蔓ながき霜夜に歲暮二大井河早瀨にくだす筏士の繫がぬものと年ぞ暮ぬる戀初戀を色みえぬ尾花が本の初草に何處か〓〓のの亂亂るらむししややいかに早晩袖は萎れつゝ思初つと云はぬ計を忍戀べよしさらば人な咎めそせく袖に我だに知で落る涙をた洩ぬべき袖の涙と思ひしをいかに忍びて年の經ぬ覽〓涙涙果は淵とぞ成にける瀨をせくだにも苦かりしを三さすが又包めば洩れぬ淚とや朽ぬる袖を猶賴むらむ一身に餘る思の程もしらるべき涙を人に何つゝむらむ思不言戀二數數らぬ身は〓との葉もなき物を心に果る思ともがな初言出戀50びびしし月日を知で打附に思へば洩すみとや聞らむ立無名戀一度度か知ずとをいはむ長らへて人言繁き世にし住へば顯戀たいまはよに名さへ流れぬ涙河みづの心の淺き契ちに三せいつ迄か堪て歎かむよにもるに無名だに社苦かりした不過戀えうき人をいかに賴てあふ迄の命ばかりは疑はるらむた等閑の契なりとも賴まばや難面きをだに慕來しみを0逢事にかへもやすると同世にいけるを厭ふ心ともがな遠戀『逢ふ〓とはかたしき衣ころもへぬ遙けき程の中の通路切戀集印法運慶四〇七〇三917
夢にだに逢見ぬ中を後の世の關の現に又やしたはむ後世をいかに賴てうき中にいければ社と身を喞つ覽祈戀〓迄迄と神の知べを賴むまに我しめゆひし年はへに身1人人れれ我我ぎ言を賴む共いさや寄べのみづの心は契戀六円いかせむ唯等閑にいひ拾てゝ僞りとだに知らぬ契をより馴ぬるはかねて知らるゝ僞を賴めと人や契置くらむANはは々々每に習ひきぬいかに契るかまことなるらむ僞戀加强て猶賴みここせめうき人の僞り計ある世ならねば待戀21僞を待たじと云し我よりも今宵は人やまづ忘るらむユ斯許り待るゝ暮を僞になれて賴まぬみとや知らるむ一一一ににきき爲の契とも知らねばいひし暮ぞ待たるゝ逢戀三今宵社露の命のあだ物もげにあだならぬ契とはしれ〓現ともよしや定めじ逢ふとを夢と知てぞ又も賴まむ五年月のうきにこりぬを契にて靡く心のある世なり島語戀新斯しし遠遠かりなばいかゞせむ心の奧は語壷しつ別戀〓〓〓〓〓路路を言葉殘らず慕へとやかねては鳥の驚かすらむAM別路のつらきにだにも替ぬみの命はいつの契まつ覽なり管管に迷ひもはてね。別路を慕ふ心のみにやそはぬと忘住所戀〓ぬぬきべが君たがそたりぞ辿らるゝ我宿かへて待し習に通書戀一藻鹽草かきはやる共難波なるみつとは暫人に語るな稀戀立立返り幾度袖に懸るらむ絕ぬと見えしさゝがにの糸驚戀何とまた驚かすらむ關守のうちぬる隙を待ちし契に國緣宿かへて待ぬ物故宵々になしとは人のなど答ふらむ恨戀言のはを盡して後は立歸り身を知るかひもなき恨哉人傳恨戀斯とだにせめて傳へよみを知は我こそ云ぬ恨也とも恨久戀ああのすむ里とふ道の小れ石や今は波こす嚴なる覽六被忘戀思ひやれうきを形見の忘水忘られぬだに濡れし袂を絕戀〓影影の殘る形見もかひぞなき有し一よも現ならねば。筏士の正木の蔓絕てこそ暮まつよりも苦しかりけれ絕後顯戀〓。だだにも洩す浮名となりにけり逢見し頃の昔語りは絕久戀ヒいかなれば逢見し〓とはこむよにもならぬ物故昔なる覽七寄風戀徒にこよひも更けぬあすか風あすの契もしらぬ命に七叱いかにせむ身を浮草の末葉より人の心の秋風ぞふく七寄月戀藻浜火の煙曇る月もみずかひなき里の知べ訪とて寄關戀蓬坂の關の關もりなれをしぞこえし昔の鏡とはみる寄杜戀色みえぬ心の花もある物をつらきけしきの杜の秋風寄宿木戀No種種ああば梢にねざす宿木の假初ながらかれぬ中哉寄思草戀918二四七〇三集印法運慶〓露露かかれ尾花が本の思ひ草袖のうちなる淚まがへむ七寄夢戀〓思寢ぞ逢ともみゆるつれも無き人はいかなる夢結ぶ覽寄鳰戀〓思遣ル葦のいとなき鳰鳥の上に苦しと見えぬ計りを寄默戀思思れ秋田もるよの鹿のねも流石哀ときかぬ物かは寄筏戀〓髙瀨さす筏の綱手引く方の有とも知らで暮を待つ哉寄鐘戀〓忘れじな人相の鐘は〓ず共あだに契りし夕ならねば雜松114二二より仕へし身こそ舊にけれ哀と思へ志賀の濱松竹〓ななき名ぞ立ぬべき竹の園我身空しき世にし住へば山か方方の雲も及ばぬ富士のねになほ空高くたつ煙かな〓幾代より挑げきぬらむ年のをの長柄の山の法の燃火杣かいかにせむ我立柚の柚人と人にはみえて數ならぬみを柚河筏C和河や高瀨さしこす筏士のたゝむが上にたゝむ白波布引瀧"久方の空にぞさらす山姫の雲のころもの布引のたき山中瀧一世のうさぞ更に聞えぬ石走る瀧の白泡の音計りしてをふの浦〓いかにせむならぬ思に年をへて唯徒にをふの浦なし椿玉玉かげも二度あら玉の年のを長きためしにぞひく都鳥隅田河河霧ふかし都鳥ありやなしやとにどる計りに樵夫九山ハのねりその蔓くりはへて長々し日に妻木とる也野寺僧歸鐘のおとに歸る袂も墨染の夕さびしき野べの遠かた眺望んゆらの戶に漕出てみればふぢ代のみ坂遙に雲ぞ懸れる錢別かとゞまるも袖こそぬるれ心のみ後れぬ旅の道芝の露關路行客。もる人の同じ心に越えかねついきうき旅の逢坂の關旅宿。草枕ゆく末いそぐおもひねの夢も都は遠ざかりつゝ旅雨0時雨降るよはの旅寢に知れけり越べき山の槇の下露旅宿夜雨00宿り取る蜑の筈屋の村時雨旅寢の袖も一五藻汐垂ぬる旅泊°C忘れめや磯山もとに一夜ねて波の枕のあけのそぼ舟旅泊重夜10風むかふ垣根も知ず都人日數かぞへて我やまつらむ閑中煙かたえ〓〓にたつる煙も寂しさの慰む程はみえぬ宿哉山家be人人ははでざとをつらき所と松風ぞ吹く。遁道きき住住はいかなる宿とだに人に知れぬ山の奥哉加山深み猶すみ侘て思ふには浮世の外もうきよ也けり○いか計り寂しからまし世中を遁れて住ぬ山ぢ也せば一歎かれし憂世は捨つ山にても心とまらぬ孰ち行まし田家康集印法運慶九七七〇三919
〓あま人の汐やく浦の湊田に庵もるしづも煙たつなり田家三小山田のほに出ぬより守初て刈ほす迄に幾夜ねぬ覽〓睡ろまで刈田の面の月もみつひたの掛繩長き霜夜に述懷いと責て歎かむ爲となれる身や捨るも難き此世なる覽若若の浦や夜なく鶴の跡とめて及ばぬ道を身に歎く哉さのみ又うしと云てもいかならむ捨るも易き此世ならめをヘ敷ならぬ和歌の浦わの藻汐草かくにつけても袖はぬれつゝかわかの浦や藻屑にまじる泡沫の哀をかけよ玉津島姫〇〇世世をば捨べき物と思ふにもいとゞ身にそふ我涙哉一大井河はやせの筏浮しづみ渡れば渡るこのよ也けり何何のいかなる山を尋ねてか思ふ計に世を遁れまし獨述懷我だにも思定めぬあらましを背かむ迄は人に語らじ往事如夢思出の有ともかひや無らまし身の古を夢と知りせば懷售苦い同身乍ら長らへてみるをのみやは憂世と思はむ斯てだに長らふるみに古の世をうき物と何思ひけるせさのみかくみし古の戀しきはいつより後の浮世なる覽さのみ又忍ぶも苦しいか計り老て忘るゝ昔ならまし懷舊淚たうきみには涙計りをあひ添へて親の守りぞ昔也ける無常05行水の哀とぞ思ふ三瀨川渡らでやまむ人しなければ寶塔品一出ている鷲の高嶺の夕附日光ならべて空にこそすめ神刀品三卷向の檜原が峯の夕月夜かすみはつるも春風ぞ吹く釋〓斯斯いると難き道なればとはに御法の月もすみけり〓何か其迷ひ悟りと分きていはむ愚なるみの心一つを三鷲の山雲の孰こに宿るらむかくろひはてぬ月の光は寄風空諦た吹風のめにみぬ色と成に皇花も紅葉も遂にとまらで胸消是非七つつききにに何と求めけむまよひの外の悟ならぬを神祗和和ぐぐ光光光ききのみを捨ぬぞ神の誓なるべき加すすききはは吉のかひもなし今は我身の影や隱さむ康永の頃將軍家に始めて住吉の社壇造營ありて勸請の時法樂に御會始に、社頭祝0宮宮するちぎの片そぎ君が代に逢るも神の心なるべし春祝一松が枝はいつとも分で君がよにあへるを春と花や咲覽祝言二四君代は年の幾年重ねても返るぞやすき昔なりける右一帖以或之本書寫之尤珍書々々但入撰集不見于此集歌有之左註之(今略唯記國貳大觀電壓新後拾遺晃奩風雅一七三六新續古今五四七壹金含二六発右之外在ニル集本合十七首人"集畢附 属尾註之者也芸藝散人二ー八〇三墓景集二四君一六三慕景集源持賣立春ニ山山いやとしのはの末かけて霞む方より春や立らむ五五ちな花名名ををどか惜む覽心の儘の春にあふ身は五横見隼人正夢想の歌勸進せられし時夕藤を紫紫ゆゆりもにくむ理や忘れてたどる藤のたそがれある人さかしらにて橫見氏屋形をおそふなど聞えてけれども早くより跡なきといちじるくてそのぬれ衣を洗ひしあるじまうけの時によみて遣しければ紫のゆかりの色などたはぶれてしかなるべし深夜歸膓といふことを神田の社にておのよみはべる時ないえ連れて聲より聲も丈夫の心にかへる夜半の雁がね北條豐前入道則圓主箕出といふ所に山庄めくしつらひ心やさしうしなして伊藤忠春二階堂治部大輔など我にしたしきを招きて百首の歌すゝめられしに峯新樹といふことをよみはべりける1待待びし花になぐさむ山に又かゝる靑葉の峯の白雲嘉吉元年五月京にのぼり侍るに屋形のかしこまり申しのべて皇のみことのりいたゞきつゝかへらむとせしころ畠山持國管領へしたしきえにし侍りてふりはへて暇ものしにまかりし時今川氏兼朝臣の御もとへみそかごと傳へねとてなむ御はなむけたびしに駿河の府にいたりて鵜殿但馬守盛重をして申し傳へしに氏兼朝臣悅びつゝ二日府の國分尼寺菩提樹院にやどりてこゝにてあるじまうけうづ高くし遠山左衛門尉宗植一色勘解由貞俊など親しきゆかりなりければこゝらの宮寺にまうではべりぬ惣社やしろ雷宮健穗の高島のやしろなどに心ざしのぬさ手向けはべりてよみはべりけるねねぎがやき津志津の郭公旅ゆく我をゆふかけてとへ梓弓かへる袂にもろ葉草かけていのらむ加茂の神垣飛鳥井中納言雅世卿へ消息し奉りて添削の詠草庭鶯吳竹のみどりにはぶく鶯の聲も色ある庭のはるかぜ簾外梅花五十ななばばれれもものか玉簾月にひまもる梅の下かぜ正月廿日あまり上杉常賴入道京にまうのぼりみことのりのかしこまりまうしのべしとて消息傳へし返しごとせし文のはしに書き送りけるねがたつなき理しらば武士のつかふる道は恨なからむ氷川の社奉納の和歌すゝめられはべりて殘雪といふことをよめるセ老老くの身をつみて社武藏野の草にいつ迄殘る白雪氷始解NO今日とても及ばぬ筆は塵乍ら今朝は硯の海も凍らず谷鶯加君も君臣も臣てふ世にしあらばいかに來鳴む鶯の聲二月の釋菜金澤の文庫にて行ふよし三好日向守勝元の許よりまうしこされければ隣家梅花といふ題を聖供にそへて遣しはべるとてca春春"ななやよゝ友垣の近きには遠きもなるゝ梅の下風深夜歸鴈エいさとても枕の鳥の聲々に幾夜やきそふ天の雁がね待花一待ちあへぬ命に花を三吉野やよし立ち隱せ峯の白雲朝花一風ふく高嶺は雲のいろかへて花よりあくる朝熊の宮小田原の驛をつとめておの〓〓かへり侍りけるに箱根の別當長異法師が酒すゝめてあるじまうけしけるとき驛のやどりに花の散りけるをみて法師酒すゝめられけるに思はずよ思の外に見る花のちれる餘波をなど惜らむ返し長異法師幕景集四四八〇三921
奉るとき一ここののををもらせ東路の關のあなたのやま郭公秋たつ日上杉幸丸元服せられはべるを賀してやるとて今日といへば初元結に萬代の秋の契を結びこめぬる月前住事梓弓思ひなれしも憎みしもたへて我のみ月をみる哉六月前述懷ななからの心を隱す我影に厭はで照す月ぞはづかし六權中納言爲富卿の許より三井寺の僧永覺僧都のみちのおくへ下りし次でに消息傳へてたまはりしをふりはへてその近事奉りしさうぞこのはしに千里てふ都の空の月もかく同じつらさに人もみる覽細川勝元朝臣武備の要を草子めくものに調じ參らせよとの給ひこされ侍れば三卷となして更に益なしと申し送りはべりしときよみて奉りける武士の道やはかけむ敏鷹のこもつちこえを心にもせば勝元朝臣短慮不成功といふ昌黎の作りし詞など消息のはしに書きつけてこの心ばへを問ひ給ひしかば〓ががばばざらましを旅人の跡よりはるゝ野路の村雨人しれぬ心のあだに急ぎ來て疲れて共にふし芝の露北條加賀守直元の許より雪のいとあつく降りてあした酒肴など取りそろへて之をなむ友まつ雪の〓とわりにもせさせよ訪はむはやすけれども跡つけむもものうしなどゝねもごろなる消息なればその返しごとせし紙のはしに跡つけて雪にとへかし天地に先だつ春の宿と思はむ康正元年の冬藤澤の役に至り侍り敵も味方も入りまじり三日をかさねていどみ爭ふことになりぬされども屋形の武威つよくして北條ケ宣のぬし終に自服して餘兵おのかじゝ空しうなるあるはあににあたりてかたみに死するも侍る時藤澤のかたへの松原のむれにてたゝかふ男あるに中村治部少輔藤原車賴とて京家の人の世に沈みイ屋形に扶持せられて侍りしになむかたきの男は栗毛なる馬に乘りて二引龍ののぼり龍の紋つけたるさしものなりけり遠目ながら鎧の毛いかめしう見えけるに暫し戰うて鎗をあはせしにめのまへにかたきの男つきとめ署られてやがて中村手づから首を取りて我が陣に來りてかうかうなむと語りけるにいまだ壯年にもたらぬ男の色白うしてたけたかゝるべき心地したり鬢のあたり唯ならずたきしめつゝ哀もいやましあだながらにくからぬ俤なり中村重賴この心ばへのやさしき歌一つものして手向にとすゝめはべりければその首にむかひて。斯斯時時ここそ命の惜からめ兼てなき身と思知らずば返し治部少輔重賴。亡身とは誰も知ども諸共に今はに及ぶ〓とをしぞ思ふ梅七二人ならば浮名やたゝむさよ更てよな〓〓通ふ梅の匂は寄鳥戀三世中に鶏も聞えぬ里もがな二人ぬる夜の隱がにせむ絕不會戀七へ空にや習ふ西に入りひがしに出づる星の契は心ささ文安四年の夏飛鳥井中納言雅永卿の許より故〓橘といふ〓とをよむべきよし仰せごとはべりければ奉りける思ははか野中にとては植置かじ昔は誰か軒のたち花持兼が妻三つになり侍る子をとみの惱みにて失慕景集ひぬるつとめての年後のわざどもいとなみはべるうまごのわざに逢ひぬる〓と命ながければ耻しき世の返す〓〓も口をしきなど書きくどきてよめの許へ云ひ遣しける懷しく又恨めしき月日哉別れし去年のけふを迎へて환持兼の妻返し去年のけふ別し時も今とても忘らればこそ思出さめ述懷の歌詠じけるとき君に起き民に臥つゝ朝夕に仕へむと思ふ身ぞおほけなき右太田伊豆守源持費我箇中守入道道灌機器轉引誅草以靜靜軒靈西堂藏本寫之天正二年三月侍從藤原朝臣共宗一六五右一卷太田伊豆守持資入道道灌叟之平素詠草也以前靜勝軒靈四堂之藏本而寫之畢天正二年三月下旬侍從藤原朝臣共味墓景集六七八〇三923
古今和歌六帖煙霜蜻蛉第二帖山山虎巖尾上山田使岡田春の田かりほ野鶉雜の野大鷹御幸春の野都都田舍國宿家す庭家だれ人塵雪霰なる神氷稻妻古今和歌六帖題目錄第一帖歲時部子日春立つ日春睦月若菜彌生三日夏初夏神祭水無月名越の祓更衣五月秋立つ日葉月九日冬秋秋のはて初秋十五夜初冬神無月師走天佛名秋の月天の原冬の月照日夕づく夜有明春の風夏の風山颪嵐露村雨時雨雫霞山鳥熊炭竈峯山里森うまや夏の田稻負鳥夏の野狩大鷹狩小鷹猿むさゝび谷關山の井社鹿山川原杣山びこ道あを馬朔日のひ春のはて夏のはて卯月五日駒引七夕仲の春殘りの雪卯花菖蒲草秋の田そほづ照射雉秋の野小鷹狩冬の田朝長月野邊鷲鳩冬の野霜月閏月雜の月春の月夕間秋の風雜の風夕立霞神樂歳の暮三日月夏の月星冬の風雨霧雲都鳥郡やどり百敷里かきほ井かどむしろ古〓家庭鳥隣床まがきと翁わかいこ佛事寺第三帖水비:鮎鯉鳰水夜橋川池にはたづみ瀨鹽錨みるめ渚濱木綿溶標第四帖戀戀轉寢ないがしろ祝祝別おんな車鐘親牛法師うなゐ馬旋頭歌第五帖雜思知らぬ人云ひ始む年へて云ふ始て逢へるあしたしめあひ思ふあひ思はぬ異人を思ふ分きて思ふ云はで思ふ人知れぬ人に知るゝ夜獨をり獨寢二人をりふせり曉におく一夜隔てたる二夜隔てたる物隔てたる日頃隔てたる年隔てたる遠道隔てたるよひの間物語近くて逢はず打きてあへる人をまつ人を待たず人を呼ぶ道の便文たがへ人傳忘る忘れず心配さ驚かす思ひ出づ昔を戀ふ昔逢る人あつらふ契る人を訪ねめづらし賴むる誓ふ口がたむ人妻家とじを思ふ思ひやす思ひ煩ふ來れど逢ず人を留む留まらず名を惜む惜まずなき名吾妹子吾背子隱れ妻今はかひなしこむ夜形見になき思服仿玉くしげ玉かづら髪元結櫛玉玉の〓玉襷鏡枕手枕機衣鹽燒衣夏衣秋衣衣うつかり衣摺衣麻衣表濡衣雜の衣ふすま太琴帶ひとり裳矢文紐の葉笠刀笛鞘弓言刀はかり扇あま水鳥鵜鮒氷魚樋網代沼うたかた海鹽がま網われから島崎潟爲鱸龜河ゐせきやなうき澤海人舟莫告藻浦濱港磯鴨いを鯛づ栲淵瀧江柵か繩は釣藻泊浪千貝鳥玉かづら玉枕鹽燒衣かり衣濡衣矢文紐はかり髪玉の〓手枕夏衣摺衣雜の衣太琴帶刀扇元結玉襷機秋衣麻衣ふすまひとり笠刀笛片戀淚川雜の思若菜ぬさ長歌夢恨面影うらみず祝別別かなしび杖手向小長歌挿頭旅古き長歌
簑色色綠錦綾綿布第六帖草春の草下草撫子篠ずゝき草のかうくたにはちす蘆あさゞ忍草參さね蔓つばな董山たち花百合かたばみいちじ蟲蟲松蟲機おりめかたみ紅苞紫木紅木葉松梅庭櫻藤ざくろ李むろ樗柏岩つゝじしきみかたがし鳥鳥鶴千鳥鷺もず926九七八〇三一第帖六歌和今古色くちなし紅か柞し梅へ をり花櫻橘梨唐桃まき樫ほゝ柏楸あせみ眞弓花竹柳山櫻あへ立花山梨くるみ桂櫟ながめ柏桑山ちささねき雞鳥鶯鴫かほ鳥燕秋の花楓たかんな櫻緋櫻椎桃杉ガール椿躑躅はたつもりゆづるは錦綾綾糸綿夏の草じ杯秋萩荻きちかうさうび杜若菱浮草ことなし草葎靑つゞらかにびおはざすげあゐみくりしば蟬鈴蟲蜘蛛秋の草雜の草女郎花りうたん刈萱菰尊つき草芹玉蔓朝顏紫陽花蕨笹まさぎ蔓蓬冬の草山ぶき菊しをに萱花かつみ根茸忘草葛淺茅さこく葵ひかげ苔放鳥膓呼子鳥はこ鳥水雞かひ時鳥鳥鵲古今和歌六帖第一春立日在原元方九年の內に春は來に見一年を去年とや云む今年とや云む紀貫之袖袖ぢて掬し水の凍れるを春立つ今日の風や解らむ一年の內に春立事を春日野の若菜さへにも知にける哉壬生忠岑夏蟲蝶蜩螢蟋蟀〓春霞立寄らねばや三吉野の山に今さへ雪のふるらむ家持。打きらし雪は降つゝしかすがに我家の園に爲ぞなく30春の日に霞たなびくうら悲しこの夕かげに鶯なくも一〇の谷の底にてなく聲はみねにこたふ山彥もなし吹風をなきて恨みよ鶯は我やは花に手だに觸れたる躬恒10待人もこぬ物からに鶯のなきつる花を折りてける哉な春春てば花とや見らむ白雪の懸れるえだに鶯ぞなくto驗なき音をもなく哉鶯の今年のみ散る花ならなくに友則No花の香を風の便にたぐへてぞ鶯さそふ知べにはする興風お願まれぬ花の心とおもへばや散らぬ先より鶯のなく千里〓鶯の谷より出づる聲なくば春くる事を誰か知らまし長谷雄一梅花散るてふなべに春雨のふりでつゝなく鶯のこゑ一年立てば花てふ可もあらなくに春今更に雪の降らむ山の端に鶯なきて打摩きはると思へど雪は降りつゝ大伴家持子口初春の初子の今日の玉箒手に取からにゆらぐ玉の〓貫之千千てて小小松引つゝ春の野の遠きも知ず我は來に島伊勢た生ふるより年定れる松なれば久しき物と誰か見ざらむ躬恒如し我れ子日の松にならましをあな美し人に引るゝ貫之〓覺束な今日は子日か蜑ならば海松をしぞ引可りけるか春電靉く松の年あらばいづれの春かのべに來ざらむニ春春と云ふ計にや三吉野の山も霞みて今朝は見ゆ覽シ山山に解くる氷のひまごとに打出づる波や春の初花む月大伴坂上郞女〓打昇る佐保の川邊の靑柳の萌出囉る春に成にける哉志貴皇子〓岩そゝぐ垂氷の上の早蕨の萌え出る春に成にける哉たゞみねか春來ぬと人は云へども鶯のなかぬ限は非じとぞ思ふい春日野の飛火の野守出て見よ今幾日有て若菜摘てむ藤原言直春や〓き花や遲きと聞分かむ鶯だにも鳴ずも有る哉か今更に雪降らめやも陽炎の燃ゆる春べと成にし物を鶯の冬籠して生める子は春のむつきの中にこそなけついたちの日素性法師〓あら玉の年たちかへる朝より待たるゝものは鶯の聲山邊赤人昨日こそ年はくれしか春霞春日の山にはや立にけり貫之九昨日より後をば知ず百年の春の始は今日にぞ有ける黑新しく明くる今宵を百年の春の始とうくひすぞなく西源重之吉野山峯の白雪いつ消えて今朝は霞の立ち變るらむのこりの雪雪梅梅枝枝ななてうつろふ鶯のはね白妙に泡野ぞふる貫之霞立ち木芽も春の雪降れば花無き里も花ぞ散りける凡河內躬恒N春立て猶ふる雪は梅の花咲程もなく散るか〓ぞ思ふ赤人打打ききさりくらししかすがに雨雲霧合ひ雪は降つゝ貫之二八八〇三
忠岑°子日する野べに小松の微せば千世の例に何を引まし若菜赤人一春たゝば若菜摘まむと占し野に昨日もけふも雪は降つゝ貫之行て見ぬ人も忍べと春の野の筐に摘める若菜也けり仁和の帝の御歌君が爲春の野に出でゝ若菜摘む我衣手に雪は降つゝ春日野の若菜摘にや白妙の袖ふりはへて人の行らむ三河かみに洗ふ若菜の流ても君があたりの瀨に社よらめ貰之若若摘む我をひとみば淺綠野べの霞とたち隱れなむしににららの若菜摘まむと占めし野の屋君を思ふ此頃あなうま家持N水鳥の鴨の羽の色の靑馬を今日見る人は限なしてふ仲の春躬恒た〓くて春一春111は過ぎに島花の盛は過ぎがてにせよ00 我心春の山べにあくがれて長々し日を今日も暮しつ忠岑ニ春はなほ我にて知りぬ花盛心のどけき人はあらじな貫之一二の花踏みしだく木の本はいたく雪ふる春べ也けり素性〓いつ迄か野べに心のあくがれむ花し散すば千世も當彌生〓散花に堰き止めらるゝ山河の深くも春の成にける哉正まだ咲の花も山べに有べきを心もとなく過ぐる春哉みかの日忠岑加三千年になるてふ桃の今年より花咲春に成ぞしにける一君君爲折 花花春春く千年を三度ありつゝぞさく家持〓人人〓舟ののる今日ぞ我がせこ花鬘せよ春のはて貫之如行く春の誰がれ時に成ぬれば鶯の音も暮れぬべら也躬恒col徒然と花を見つゝぞ暮しつる今日をし春の限と思へば藤原興風一聲立てゝ鳴けや鶯一年に二たびとだに來べき春かは素性花も皆散りぬる宿は行春の故〓とこそ成ぬべらなれ貫之三花花本本とうくも成ぬるか春は今日をし限と思へば散花の本に來て社暮果つる春の惜さも增るべらなれ110元見見借かか無無今今日暮て外の春とや明日は成なむ初めの夏貫之加花鳥も皆行かひて烏玉の夜の間に今日の夏は來に島四伊勢せいづこ迄春はいぬらむ暮果てゝ別し程は夜に成にき深養父No花花れる道の隨にとめくれば山には春も殘らざり島貫之加期暮るゝ月日もあれど郭公鳴聲にこそ夏は來にけれ衣がへ貫之o夏夏たちきるものを逢坂の關の〓水の寒もある哉一春春だにもありし心を夏衣いかに薄さのけふ增るらむ重之三花の色に染めし袂の惜ければ衣更うき今日にも有哉卯月三五春は早や過ぎにし物を鶯の又なく人の戀しきやなだ貫之〓春過て卯月になれば榊葉の常磐のみこそ茂く成けれ卯花〇二九〇三一第帖六歌和今古〓山賤の垣ほに咲ける卯花は誰しろたへの衣かけしぞ五躬恒ない見見し我故郷は今も猶卯の花のみぞ目には見えける卵花の咲るあたりに宿りせじ寢ぬに明ぬと驚かれ島貫之人々今日もまた後も忘れじ白妙の卯花匂ふ宿と見つればな時時らの玉をぞぬける卯花は五月を待たば久かるべくE. 0時時ずずれれる雪かと見る迄に垣根もたわに咲ける卯花神まつり素性法師ニ神神る卯月に咲ける卯花を白くもきねが白げたる哉貫之「卯花の色に紛へるゆふしでゝ今日社神を祈べらなれ神神る時にしなれば榊葉の常磐の蔭は變らざりけり順六神のます森の下草風吹けば靡きても皆祭るころかな四五月貫之五六さ月山梢をたかみ時鳥なく音そらなる戀もするかな五五月雨に苗引植る田子よりも人を戀路に我ぞ濡ぬる押しなべて五月の空を見渡せは水も草葉も皆綠なり躬恒ハ五五月雨に亂初にし我なれば人を戀路に濡ぬ日ぞなき大春日師範五五五雨雨に春の宮人來る時は時鳥をやうぐひすにせむ貫之cc時鳥聲聞きしより菖蒲草かざす五月と知りにし物を一五五くる道も知らねど郭公鳴く聲のみぞ知べ也ける五月足曳の山時鳥けふとてや菖蒲の草の音に立てゝ鳴く貫之ニ時時なくとも知らず菖蒲草こそれぞくすりびの印也身七誰里も間のまに〓〓菖蒲草げふ引き懸ぬ人は有じなあやめ草七澤澤邊なるみに菰刈ては菖蒲草袖さへひぢて今日や取らむ七さきてて五五蒲草むべも根永く生初めに鳬七〓菖蒲草根長き命つげば社今日としなれば人の引らめ〓水〓て生ふる五月の菖蒲草かを尋ねてや人の引らむ躬恒N梅雨の玉にぬく日の菖蒲草普に顯れてなきぬべら也〓隠沼の下に生れど菖蒲草根ごめに引て見る人は見つ貫之→菖蒲長根永きとれは澤水の深き心も知りぬべらなりニ菖蒲草幾世のさ月逢ぬらむ來る年每に若く見えつゝみな月3)が三大荒木の杜の下草茂りあひて深くも夏の成にける哉夏は皆孰こともなく足曳の山べも野べも茂合ひっゝ人丸〓水無月の土さへさはて照日にも我袖ひめや妹に逢ずて貫之愛衣薄きかひなく秋まてば木下風の歇まず吹かなむ名越の祓水水月月の名越の祓へする人は千年の命延ぶといふ也大大の河の瀨每に流れても千年の夏は夏みそぎせむ伊勢禊ぎつゝ思ふとをぞ祈つる八百萬代の神のまた〓〓貫之〓此川に祓へて流す言の葉は波の花にぞ類ふべらなる〓御裸する河の瀨見れば唐衣日も夕暮に波ぞたちける躬恒ニ空空えて流るゝ川のさやかにも祓ふる〓とを神は聞かなむ九シみみとと聞聞ばばく大麻にかく祓ふるを神は聞らむ伊勢年年かかに我が歎は成ぬれば禊ぐ共世に失せじとぞ思一第帖六歌和今古五五九〇三
八代王女五九君により事の茂さに故〓の飛鳥の河に御禊しにゆく御御する楢の小川の河風に祈りぞ渡る下に絕えじと〓立田川瀧の瀨きりに祓へつゝいはふ心は君が爲とぞ順ふねぎ言も聞で荒ぶる神だにも今日の夏越の祓と云也夏のて夕立に夏はいぬめりそぼらつゝ秋の境に今や至らむ〓今宵しも稻葉の露の置きしくは秋の隣になれば也島西へだに夏のいにせば慕つゝ頓て戀き秋は見てまし躬恒西秋と行かふ空の通路に片へ涼しき風やふくらむ秋立つ日藤原敏行朝臣00秋來ぬと目にはさやかに見えね共風の音にぞ驚れぬる貫之°河河の涼しくも有か打寄する波と共にや秋は立らむ100昨日社早苗取しかいつの間に稻葉もそよと秋風の吹∞の俄にも風の涼しく成行くか秋立日とはむべも云けり初秋°初初の空に霧立つから衣袖のつゆけき朝ぼらけかな躬恒x0我背子が衣の裾を吹き返しうら珍らしき秋のはつ風加。路路のいさめの里は初秋の長き夜を獨あかす我なぞ一木枯の秋の初風吹きぬるをなどか雲居に雁の聲せぬ七日の夜一珍く逢ふ七夕は餘所人も影見まほしき物にぞ有ける人麿天河みづかけ草の秋風に靡くを見れば時は來ぬらし深養父一花ぬれば常はゆゝしき七夕も羨れぬる物にぞ有ける人麿天河遠き渡りにあらねども君舟出は年にこそまて國國せに常に逢ふ名は立めれど逢見る事は只今宵也た玉葛絕ぬ物からさぬるよは年のわたりに只一夜のみ赤赤引色。妙の子の數見れば人妻故に我戀ぬべし〓天の河紅葉を橋に渡せばや七夕つめの秋をしも待つ〓遠妻と手枕替て寢たる夜は鳥の寢なくに明ばあく共0年に在て一夜妹に逢彥星も我も優りて思ふらめやは興風一契りけむ心ぞつらき七夕の年に一度逢ふは逢ふかは人麿〓大空を通ふ我すら何チェル天の河原を泥みてぞくる素性今今こむ人には逢じ七夕の久しき程に肖えも社すれ人麿〓〓見見くく立立すとも東雲の明果にけり舟出せむかは渡渡舟はや渡せ一年にふたゝびきます君ならなくに躬恒た年毎に逢とはすれど七夕の寢る夜の數ぞ少かりける伊勢朝末明出て拾はむ今日のをに心長さを比べてしがな貫之〓秋風に夜の更行けば天川かたへの波の立居こそまて加天川みだえもせなむ鵠の橋も渡さでたゞわたりせむ友則02今日よりは天河原もあせなゝむ淀むともなく唯渡なむ貫之一一年に一夜計を七夕のいくよ逢ふとか名をば立つ覽一年に一夜と思へど七夕の相見る秋の限りなきかな三七七は今や別るゝ天の河かは霧立ちて千鳥鳴くなり夕づくよ久しからぬを天河はやく七夕漕き渡りなむ三積積ぬぬの年多けれど天の河君か渡れる數ぞすくなき五九九〇三一第帖六歌和今古た天河夜深く君は渡るとも人しれずとは思はざらなむ友則〓天河淺瀬白波たどりつゝ渡りはてねば明ぞしにけるス人久の天の河原の渡しもり君渡りなば楫かくしてよ躬恒加なぬか日の早暮なゝむ久方の天の川霧たち渡るべく01彥星のつま待つ宵の秋風に我さへあやな人ぞ戀しき湯原王『彥星の思ますらむ事よりも見る我苦し夜の更行けばあした貫之一朝戶明けて詠めやすらむ七夕は飽ぬ別の空を戀つゝ躬恒三日日りは今來む年の昨日をぞ早晩とのみ待渡るべきかねすけ七夕のかへる朝の天の河舟も通はぬなみもたゝなむ八月友則五四秋風に初雁音ぞ響くなるたが玉章をかけてきつらむ白露はむべし也ける水鳥の音羽の山の色づくみれば躬恒加人知れぬ音をや鳴く覽秋萩の色づく迄に鹿の聲せぬ十五夜貫之ハ人久の天つ空より影見ればよき所なき秋の夜のつき加入波難潟湖みちくれば山の端に出る月さへ滿にける哉07月毎に逢夜なければ夜を經つゝ今宵は優る影無り島素性法師ニ望望の駒より遲く出ぬれば辿る〓〓ぞ山はこえつるみつね 或本ニ爰にまだ我飽ぬ月を山の端の遠の里には遲しとや待躬恒一執くにか今宵の月の見えざらむ飽かぬは人の心也島駒ひき貫之〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓えて今や引らむもちづきの駒一都都懷懷けて引くは小笠原みつの御牧の駒にやある覽〓〓坂〓引にむらむ駒を秋霧のたち野かと社問まほしけれ望望月の駒引越ゆる山見れば覺束なくも他ずぞ有ける藤原高遠ハ〓坂坂の關の岩かど踏みならし山立出づる桐はらの駒お何せむに急ぎ來つらむ逢坂の關あけて社駒も引けれたゞふさ秋霧のたち野の駒を引く時は心にのりて人ぞ戀しき長月是則一六佐保山の柞の色は薄けれど秋は深くもなりにける哉月を見ぬ月は無けれど長月の短くもあるか今宵計は長月の時雨の雨に濡れとほり春日の山は色つきに身〓長月の時雨の雨に山ぎりてけぶき我胸誰みばかやよむ九日長月の九日ごとに百敷の八十氏人のわかゆてふ聞く法皇長月の九日每に摘む菊の花もかひなく老いにける哉伊勢は限なく君が齡を延ばへつる名だゝる宿の露とならなむ貰之祈つゝ猶長月の菊の花いづれの秋か植ゑて見ざらむ百年を人に留むる玉なればあだにやは見る菊の上の露c濡〓と人に云はすな菊の露齡延ぶとも我そぼちつる〓菊の花露と起居ていざ折らむ濡なば袖の香社匂はめ〓皆人の老を忘るといふ菊は百年をやる花にぞ有ける忠岑ヒ折折の雫を多みわかゆてふ濡衣をこそ花の身にきれ貫之返し生露深さ菊をし折れる心あらば千世のあだ名は立むとぞ思秋のはて興風一第帖六歌和今古931
北深山より落くる瀧の色見てぞ秋は限と思ひ知りぬる麿人今日有て明日過ぬ覽野神無月時雨に紛ふ紅葉翳さむ長月の有明の月は見え乍らはかなく秋は過ぬべら也草も木も紅葉散ぬく見る迄ぞ秋の暮のる今日は來に身N時時ふる神無月こそ近からし山の押なべ色附にける以上三首貫之の道知らば尋ねも行かむ紅葉を幣に手向秋はいぬ共〓孰方に夜は成ぬらむ覺束な明けぬ限は秋にやある覽以上躬恒私紅葉の流れて淀むみなとをぞ暮行く秋の泊とは見る素性ニ、紅葉を袖にこき入てもて出なむ秋を限と見む人の爲紅葉に道は埋みて跡もなし孰よりかは秋は行くらむ貫之タ月夕夜小倉の山に鳴く鹿の聲の内より秋はくるらむ初冬木枯の音にて秋は過ぎにしを今も梢に絕えず吹く風神無月降み降らずみ定めなき時雨ぞ冬の始なりける神無月貫之〓神無月限とや思ふ紅葉のやむ時もなく夜さへに散る〓か千早振神無月こそ悲けれ誰を戀ふとか常に時雨るゝ〇立田山錦織りかく神無月時雨の雨をたてぬきにして九霜月やさかしらに夏は人まね笹の葉のさやぐ霜夜は我獨ぬる九冬の夜を寢覺て聞けば爲ぞ鳴く拂も敢ず霜やおく覽吹風は色も見えねど冬くれば獨ぬる夜も身にぞ浸ける神樂貫之河社篠に折はへ乾す衣いかにほせばか七日ひざらむ〓行く水の上に祈れる河やしろ河なみ高く遊ぶ聲かな足足の山の榊の常磐なる蔭にさかゆる神のきねかも九榊樺の常磐にしあれば長けくに命保てる神の杵かも1.聲高く遊ぶなるかな足曳の山人今ぞとほるべらなる山人のすれる衣に夕だすき懸けて心を誰によすらむ以上六首貫之○霜八度置けど枯れせぬ榊葉の立榮ゆべき神のきね哉榊葉ゆふとりしでゝ誰かかく神の御前に祝初けむ。我我子があなしの山の山人と人も見るがね山鬘せよ20神垣や三室の山の榊葉は神の御前にしげり合にけりo 深山には霰降るらし外山なる正木の葛色づきにけり以上五首貫之義伊勢0年年に色も變らでをらむと思へば師走加師走には泡雪降と知らねかも梅花咲くふゝめらずして是則b三三野野の山の白雪積るらし故郷寒くなりまさるなり〓〓〓越しゆる道ならなくにちか乍ら年に障りて春を待哉加。玉玉の年の終になる時は雪も我が身もふり增りつゝ家持〓あら玉の年行き返り春たヽばまづ我が宿に鶯は鳴け佛名貫之一年の內に積れる罪は搔くらし降る白雪と共に消なむ君さらば山に返りて冬每に雪踏分ておりよとぞ思ふうるふ月伊勢一花花花くはゝれる年だにも人の心に飽かれやはせぬ貫之うるひさへ有て行べき年だにも春に必逢ふ由もがな1時時後のさ月もありとてや長く卯月を過しはてつる伊勢た五月雨に續ける年の詠めには物思絕えぬ人ぞ悲しき七七夕は天の河原を七返り後の七日をみそぎにはせよ五七〇一三一第帖ハ歌和今古神神月二つある年の時雨には一本菊ぞ色こかりけるが此月の冬の餘りに非ざれば爲ははや鳴きぞしなまし年の暮〓行年の惜くもある哉增鏡見る影さへに暮ぬと思へば躬恒梓弓春たちしより年月の射るが如くも思ほゆるかな雪降りて年の暮ぬる時に社遂に紅葉ぬ松も見えけれ暮て又明くとのみこそ思しか今年は今日ぞ限也ける貫之〓逸じろき印也けり新玉の年の暮るゝは雪にぞ有ける一昨日と云ひ今日と云ひつゝ飛鳥川流て早き月日也見物思ふと過る月日も知ぬ間に今年は今日に果ぬとか聞年暮て春明方になり行けば花のためしに降れる白雪山端に夕日さしつゝ暮ぬれば春に入ぬる年にぞ有ける天の原人麿天の川雲の波立ち月の舟星のはやしに漕ざ隱る見ゆ安倍仲麿5天天原原さけ見れば春日なる三笠の山に出し月かも天の原雲なき宵に鳥羽玉の夜渡る月の隱らくをしも其もふらぬ雨ゆゑこちたくも天のみ空の曇合ひつゝさかゐの人ざね三大空は戀しき人の形見かは物思ふ毎に詠めらるらむ思遺る心し空になりぬれば詠むる方に行も逢ふらむ大大に我思ふ人は宿らなむ詠むる方に行も逢ふやと大空に我呼ぶ人も聞えぬに物思ふ毎になぞと云るゝ天天のよそなる思〓げしより虚しき空になり渡る哉ハ君により浮たる物を思ふには心も空になりぬる物を元方加久方方天空空空を住まなくに人はよそにぞ思ぺらなる照る日co旭子がさすや岡べの松枝のいつとも知の戀もする哉『春の日の長閑き時に漕ぐ舟は水底さへに靜なりけり雲拂ふ照日も曇る山なれば明きに月も見えぬなる覽三たたれたいをぞ寢にける茜さす晝はさ計思ひし物を日し暮ばいざ疾ねなむ夏衣脫かとすれば明ぬと云夜に共にこそ花をも見むと待人の來ぬ物からに惜き春哉加入日さす時ぞ悲しき村鳥の己が散々なりぬと思へば孰くにか宿りとる覽旭子がさすや岡べの玉笹の上に內侍のすけ寄香N〓高き春日の山に出る日は曇る時なく照すべらなりby戀つゝも今日は暮しつ茜さすあすの春日を爭で暮さむ52雲もなくなぎたる朝の照日にも思はれ增る我や何也關雄一五奥山の岩垣紅葉散りぬべし照る日の光見る時なくて五筑波嶺の岩も轟に17つから照日にも我袖ひめや妹にむてい貫之ニ詠むれば苦しき物を山端に入日はやさし早く暮なむふるのいまみち五四五日の光やぶしわかねば石上ふりにし里も花咲きに鳬太政大臣寶賴常よりも長閑かるべき春日すら光に人の逢ざらめやはxH日の光逢見て踈む朝露の消えぬ先にも逢見てしがな〃五11月夕日すすや岡べに作るやの形をよしみ鹿ぞ寄くる貫之〓草草木も思しあれば出る日を明暮こそは賴べらなれ五〓我思君ならむとや山端に入日を見つゝ出て行かめや春の月〓朝霞春日の暮は木の間よりいざよふ月を早晩も見む一春來れば葉隱れ多き夕月夜覺束なくも花かげにしてあれたれば影も隱れぬ我宿の庭長関なる春の夜の月我宿に咲たる梅の月〓み夜な〓〓見せむ君を社待て夏の月三
〓夏の夜の霜や置けると見る迄に荒たる宿を照す月影夏の月光をまして照る時は流るゝみづに陽炎ぞ立つ鶴の峯飛び越えて鳴き行けば夏の夜渡る月ぞ隱るゝ深養父夏の夜はまだ宵ながら明ぬるを雲の孰こに月宿る覽メ來來人人下下にし待てば夏夜の月を哀と云つゝぞをる六とならば暗にもあらなむ夏夜の照月影ぞ人賴めなる〓五月雨の黃昏時の月影のぉぼろげにやは我人を待つ秋の月〓木間より洩りくる月の影見れば心盡しの秋は來に身〓表手は寒からね共月影をたまらぬ秋の雪かとぞ見る〓散る紅葉夜もみよとや月影の梢殘らず照り渡るらむ秋の月光さやかにもみぢ葉の落る蔭さへ見え渡る哉常よりも照り增る哉山の端の紅葉を分けて出る月影花に隱れ來つるかひなく紅葉の月は明くも照增る哉以上五首貫之躬恒t百百の大宮ながら八十島を見る心地する秋の夜の月白雲に羽打かはしとぶ雁の數さへ見ゆる秋の夜の月大江千里九月見れば千々に物社悲けれ我身一つの秋には非ねど伊勢。我宿を照滿つ秋の月影は長き夜見れど飽ずぞ有ける久人ののののかは紅葉散とも知られざり島秋の月一重に飽かぬ物なれば涙を頓て移してぞ見る音にのみ散と聞べき紅葉を色知らせつる秋の夜の月〓人人影影見見見ず夜の月の光ぞ袖に入りける忠岑久方の月の桂も秋は猶紅葉すればや照りまさるらむ元方秋の夜の月の光しあかければ倉部の山も越ぬべら也深養父秋月常に斯照る物ならば暗になる夜は交らざらまし秋の海に映れる月をたち返り波に洗へど色は變らず〓秋の夜の月の光はあかけれど人の心の內はてらさず紀のよしみつ11のの臣空とほみ秋やよく耀らむ久方の月の桂の色も變らず"秋の月入がてにしつ佐保山の紅葉は今ぞ盛なるらしシ心なき秋の月よの物思ふといも寢られめに照つゝもと懼な冬の月多の池の上は氷に閉ぢたるを爭でか月の底に入る覽貫之降しける雪かとぞ見る月なれど濡て寒えたるさ衣ぞなき同じ人鳥玉の夜のみにふる白雪は照る月影のたまる也けり大空の月の光し寒ければ影見し水ぞまづこほりける〓天の原空さへさえや渡るらむ氷と見ゆる冬の夜の月雜の月A我が心慰めかねつ更科や姨すて山にてるつきを見てか思事有とはなしに久方の月夜となれば寢られざり身○天雲の難けり共見えぬ夜は行月影ぞ長閑けかりける。且見れど疎くも有哉月影の至らぬ里は非じと思へぼ10人方の月影見れば難波潟潮も高くぞ見えぬべらなる1部にて山の端に見し月なれど波より出て波に社入れ以上五首貫之。〇つつきき物と思ひしを水底に山の端ならで出る月影業平10飽なくにまだきも月の隱るゝか山端逃て入れずもあらなむ加古は入りこしものを久方の月の光のまへわたりする躬恒b0晝なれや見ぞ惑ぬる月影をけふとや云む今宵とや云む伊勢一第帖六歌和今古。0逢に逢て物思ふ頃の我袖に宿る月さへ濡るゝ顏なる深養父bo就孰ににか今宵の月の曇べき小倉の山は名をやかふ覽躬恒〓淡路にてあはと雲居に見し月の近き今宵は所柄かも貫之一照月を晝かと見れば曉に羽かく鳴もあらじとぞ思ふおとまろます鏡てる月影を白妙の雲かohedかけせせく天る天つ霧かも山端にいざよふ月を出むかと待つゝをるに夜ぞ更にける下にのみ戀れば苦し山端に出來る月の顯ればいかに遲く出る月にも有哉足曳の山のあなたも惜むべら也久方の天てる月を鏡にて戀しき人のかげをだに見む七大方は月をもめでじ是ぞこの積れば人の老となる物べぬば玉の其夜の月は今迄も我は忘れず君によそへてか百敷の大宮人のまかり出て遊ふ今宵の月のさやけさ間人大浦〓倉橋の山を高みか木隱れて出來る月のかた待ち難き弓削王一天にます月讀男まひなはむ今宵の長さいほよ告そも上毛のみわけ大方は嶺も平になりなゝむ山のあればぞ月も隱るゝ我兄子が振さけ見つゝ歎く覽〓き月夜に雲な靆きそ安郡扉娘女ニみみ空行く月の光に唯ひとめ逢見し人の夢にし見ゆるあべのむしまろ三隱隠三三の山を高みかも月の出こぬ夜は更にけり思へばぞ月のわれても出つらむか計騒ぐ雲の上より君まつとおきたる我もある物を寢待の月は傾にけり君待と聞にしをれば垣間より月は昇ぬこじとてならし三日月坂上らう女加月てて唯新月の眉根かきけ永く戀し君に逢へるかも家持o振仰ぎて三日月見れば一目見し人の眉引思ほゆる哉一宵の間に出て入ぬる三日月のわれても物を思ふ頃哉三三日月の割れては人を思ふとも夜に再は出る物かは夕月夜三夕月夜さすや岡べの松の葉のいつ共分ぬ戀もする哉いべのおとくろまろ玉玉のこすのまとほり獨ゐて見る印なき夕月夜かも正旅なれば宵に立出て照る月の高島山に隱るゝをしも赤人旭春霞たなびく山の夕月夜〓くてるらむ高まとの野に〓夕月夜〓に〓を見てしより天雲はれぬ心地こそすれ〓常はさも思はぬ物を此月の過隱れ行く惜しき宵かも如月月夜こゝろもし署ぬに白露のおくらむ庭に鳴く養有明忠岑9有有のつれなく見えし別より曉ばかり憂き物はなし一君をのみ起臥待の月なれば憂人しもぞ戀しかりける人麿長月の有明の月の有つゝも君し來まさば我も忘れじ三世の人はつらき心ぞ有明の月と山にや人もしなまし貫之出てこぬ山も變らぬ長月の有明の月の影をこそまて百日ををに做たる長月の有明の月よ見れど他ぬかも大間時ふる曉月夜紐とかで君をかなしとをらまし物を四夕やみ如妹がめの見まく欲しけく夕闇の木葉隱れの月待が如NA夕闇は道も見えねど故郷は元來し駒に任せてぞくる大宅娘女タクタははたたど〓〓し月待て返れ我兄子其まにも見む星
〇五日暮れば山端に出る夕づヽの星とは見れど逢ぬ頃哉「一我戀は空なる星の數なれや人に知れで年の經ぬればユ東屋の伏屋板間のあはぬより空の星とも見ゆる君哉五月影に計られ管くに見あか星の他かぬ心に出でゝ悔しく宵毎に立も出でなむ夕づゝの月なき空の光と思はむ夕づゝも通ふ天路のいつしかと仰ぎてまたむ月人男お君にのみ逢はまく星の夕されば空にみらぬる我心哉春の風春風の吹初めしより瀧つ瀨の氷も解けて花ぞ散ける良岑宗貞ハ花花色霞霞に單て見せずとも香をだに盜め春の山風藤原好風春風は花のあたりをよきて吹け心づからや移ふと見む躬恒吹吹を厭ひも果じ梅の花散りくる時ぞ香は增りける元方-六霞立春ののべは遠けれど吹くる風は花の香ぞする六春はまづ東路よりぞ若艸の言の葉つてよ武藏野の風友則ニ花花香香の風に便にたくへてぞ鶯さそふ知べにはやる素性花花らす風の宿りは誰かしる我に〓へよ行て恨みむつつももききに風は我見ゆるごと吹も告なむ養風の痛く吹らし灘の蜑の釣する小舟さし歸る見ゆ春風は花のなき間に吹果てね咲なば思無て見るべく匂ふより心あだなる花故にのどけき春の風も恨めし〓〓吹風や春立來ぬと〓つらむ枝に籠れる花さきにけり伊勢co春風の我宿にだに吹來ずば知ぬ里なる花を見ましや〓我爲の何の仇とか春風の惜むと知れる花をしも吹く夏の風躬恒〓路路はまだ遠けれど夏山の木の下風はたち憂かり身三夏の風我袂にし包まれば戀しき人のつとにしてまし〓〓風風も我宿に來る夏の夜は月の影こそ涼しかりけれ夏乍ら汀の風の涼しきは波にとひてぞ知べかりける琴の音に響き通へる松風に調べても鳴く蟬の聲かな貫之雨降ると吹松風は聞ゆれど池の汀はまさらざりけり同じ人N陰蔭き木の下風の吹來れば夏の內乍ら秋にぞ有ける秋の風〓んままととひひつゝふれば我宿の薄動きて秋風ぞ吹く七〓我宿の尾花が上の白露の置きし日よりぞ秋風の吹く八打騒ぎ雁ぞ來ぬらし我兄子が衣のひまに時つ風ふく一、ががののななべべの夕秋風寒く吹きぞきぬなるシ高圓の尾花吹しく秋風に紐ときあげな唯ならずとも秋風は野分山分け吹くなれど老譯の耳にはわく由もなし秋風は時と吹き來ぬ白妙の我がとき衣ぬふ人もなし秋萩をいろどる風の吹きぬれば人の心も疑はれけりい足曳の山べに居て秋耀風の日毎に吹ば妹をしぞ思ふ〓ししももののややく吹風の日毎に秋はもえはきぬ覽ね戀戀ゝゝゝ稻分掻分け家居せば乏しくも非じ秋の夕風九0秋風の身に寒ければつれもなき人をぞ賴む暮るゝ夜毎に九風の音の秋にも有哉久方の天つ空こそ變るべらなれ〓紅葉の別れ惜みて秋風は今日や三室の山をこゆらむ以上二首貫之素性法師〓住の江の松を秋風吹くからに聲うちそふる沖つ白波業平秋萩を色どる風は早くとも心はかれじ草葉ならねば千里〓分分〓袂ほす間もなき物をなど秋風のまだき吹らむ〇五二一三一第帖六歌和今古戀々て後あふものと思はずば今は消ぬべき秋風の聲紀淑望紅葉せぬ常磐の山は吹風の音にや秋を聞き渡るらむ友則〓秋風は身を分けてしも吹なくに人の心の空に見ゆ覧賴めこし人は難面く秋風は今日より吹ぬ我身悲しな。我兄子が衣ありせば秋風の寒き此の頃下にきましを。吹來れば身にも浸ける秋風を色なき物と思ひける哉冬の風co吹風は色も見えねど夕暮は獨ある人の身にぞ浸ける人麿30足曳の山下風は吹かねども君が來ぬ夜は兼て寒しも山おろし。衣手に山颪ふきて寒き夜を君來まさねば獨かも寢む關〓〓戀しくは見ても忍ばむ紅葉を吹な散らしそ山颪の風お窓越しに月は照して足曳の嵐ふく夜は妹をしぞ思ふ嵐to山里に住みにし日よりとふ人も今は嵐の山ぞ侘しき貫之xoけさの嵐寒くもふくか足引の山搔曇り雪やふるらむ文屋康秀ね。吹からになべて草木の萎るれば宜山風を嵐と云ふ覽〓常よりも秋の夕の侘しきはいとゞ嵐の風やなになり一逢坂の嵐の風は早けれど行方知らねば侘つゝぞふる我を君訪濯や〓〓と松かぜの今は嵐となるぞ悲しき一とふ人も今は嵐の風早く忘れ果にし人にやはあらぬ雜風かく山のはなのこ風ふけば沖つ白波たつた山よはにや君が獨ゆくらむ一次風に我身を做て草茂み葉分をしつゝ逢むとぞ思ふ木枯の音は過ぎにし時なれど常磐に常に松にふく風思へ共消ぬ憂身をいかにしてあたりの風に有と知せむべさゞ波の比良山風の打吹けば釣する蜑の袖返る見ゆ良岑のむねさだ天天風風の通路ふきとぢよ少女の姿しばしとゞめむ雨〓雨降て小夜は更く共猶行かむ逢はむと妹に云てし物を大伴のかたみ石上ふるとも雨に障らめや逢はむと妹に云てし物を春雨の心は君も知れる覽七日しふらば七夜こじとや今更に君はな行きそ春雨の心を人の知らざらなくに我妹子が赤裳の裾や浸の覽今日の小雨に我も濡なば我兄子を戀て術なみ春の雨の踏分知らで出てこしかも妹が門行過兼ねつひぢ笠の雨もふらなむ雨隱れせむ唐唐君に打つけ見ま欲しみ戀ひて暮しぬ雨の降日を〓通るべく雨はな降そ我妹子が形見の衣を我下にきたり秋秋を落す霖雨のふる程は獨起きゐて戀る夜ぞ多き0久方の雨もふらぬか天づゝみ君に類ひて此日暮さむ赤人三春の雨に有ける物を立隱れ妹が家路に此の日暮しつ一久人ののにと和泉のこやに我寢しよはも三臥て思ひ起て詠むる春雨に花の下紐いかに解くらむ敏行〓春雨の花の枝より洩りてこば猶社濡め香に匂ふべく業平1起起せせ寢寢もせで夜を明しては春の物とて詠め暮しつ敏行徒然の霖雨にまさる淚川袖のみひぢてあふ由もなみ櫻狩雨はふりきぬ同じくば濡るとも花の下に隱れむNE水の面に綾織り亂る春雨や山の綠をなべて染むらむ〓〓〓〓弓弓お〓て〓雨今日降ぬ明日さへふらば若菜摘てむ00徒然と袖のみひぢて春の日の詠めは戀の妻にぞ有ける一第帖六歌和今古六九二ー三
降ぬとて思ひな侘そ春雨の唯に止べき君ならなくに我我子が衣春雨ふるからに野べの綠ぞ色まさりけるニ雨によりから田簑の島をけふ行けば名には隱ぬ物にぞ有けるかかくくらし雨ふる每に道しらぬ笠取山に惑はるゝ哉以上四首貫之「春雨のふると見ゆるは鶯の散る花をしむ涙なりけり加春雨のふるに思は消なくていとゞ思のめをもやす覽tal徒然の詠めに我は成ぬめり難面き空をふる心地してNo事事の片糸なれば白玉のをやまぬ春の詠めをぞする加ふるとしも見えで降來z春雨は花のしめゆふ糸にぞ有ける躬恒a春春に君をやりては逢坂の關のこなたに戀や渡らむ一思はじと思ふ物から夏の雨の振すて難き君にも有哉業平ニ數數に思ひ思はず問ひ難み身をしる雨は降ぞ增れる素性感三日暮しの雨ふる河の小ら波まなくも人の戀らるゝ哉素性ほうくも有か昨日の小雨渡るせに人の涙を淵となさねば五百白の上知けふぞ春雨の降にかひある身とは知ぬる伊勢な春立ちて我身ふりぬる霖雨には人の心の花も散り島貫之思人雨と降くる物ならば洩る我屋根は合せざらましメト春雨の色變るにや匂ふらむ我見る枝に色もかはらずな來來人人雨の脚とは思はねど程ふるとは苦かりけりの紅のやしほの雨は降くらし立田の山の色づく見れば貫之一水〓春雨のふらば山べに交りなむ梅の花笠ありと云なり躬恒みやみなばや心をば見む春雨の降に止れる我宿と思ふエキしをるとも淚ならねば濡しけむ春雨社は哀とも見め村雨庭草に村雨ふりて蜩の鳴くこゑ聞けば秋はきにけり六洩るや孰こ降や村雨大空も思ひ思はず知られぬる哉人しれず物思宿舞の村雨は身より降ぬる物にぞ有ける時雨女王學懸ぬ時なく我戀る時雨しふらば濡つゝもいかむ千千々の色に移りし秋は過に身けふの時雨に何を染まし人麿秋田かる旅の空にて時雨ふり我袖濡ぬ乾す人なしに六。七一日には千重にしき〓〓我戀る妹があたりに時雨ふれみむ一此時雨痛くな降そ我妹子が苞に見せむと紅葉折てむ時時の雨まなくしふれば神なびの森の木葉も色附に身七人麿さを鹿の心相思ふ秋萩の時雨のふるに散るは惜くもロン誰彼と我をな問ひそ長月の時雨にぬれて君待つ人を七貫之エ大大は曇らざりけり神無月時雨心地は我のみぞする故〓はなほ雨なれど神無月時雨に山の色はそめけり〓人人時に知られぬ秋なれや我身一つに時雨のみ降〓〓のの雨雨ふればや石上ふるたび毎に野べをそむらむ〓なれど時雨と云へば紅に木葉のみして散ぬ日ぞなき以上五首貫之〇人人戀ふる心は秋にかよへばや空も袂も共にしぐるゝ〓白露に染始めたる秋山に時雨なふりそ有り渡るがね神神月殘の菊の惜しけくに時雨の雨は降ずともよし三初時雨ふれば山べぞ思はゆる孰の方か先もみづらむ初初時雨ふる程もなく佐保山の紅葉普く色づきにけり〓神無月時雨るゝ時ぞ足曳の山のみ雪はふり始めけるか涙さへ時雨にそひて故〓は紅葉の色もこさ增りけり一第帖六歌和今古夕立少立て夏はいぬめりそぼちつゝ秋の境にいつか入る覽夕夕の雨打ふれば春日野の尾花が上の白露おもほゆ夏の日の俄に曇る夕立の思もかけぬ世にもあるかな雲〓爰や孰こあな覺束な白雲の八重たつ山を越て來に島〓我兄子が振さけ見つゝ歎くらむ〓き月夜に雲靆きそ素盞男尊ニ八雲立つ出雲八重垣妻ごめに八重垣造る其八重垣を忠岑風ふけば峯に別るゝ白雲の絕えてつれなき人の心か貫之白雲の八重にかさなる遠にても思はむ人に心隔つな大大はは千年もまさむ白雲のみ船の山に絕る日あらめや人唐太郞瀧の上の御船の山にゐる雲の常なるべくも非ぬ我身を人麿ぜとにのみこむとは云て倉橋の峯の白雲たゆたひに島同じくNo梓梓いいはは山山山く雲の行きや別れむ戀しきものを夕されば雲の旗手に物ぞ思ふ天つ空なる人を戀とて。春山に立ゐる雲に身を做て空なる人に逢ふ由もがな。思はずに逢もやすると天雲の行ては空に歸來ぬるを°春春山朝ゐる雲のしく罹〓〓に我戀增る月に日毎に千古。芦たづの獨後れてなく聲は雲の上まで聞えつがなむ00心なき爲とや云し白雲の隱せば惜き月にやはあらぬo 10足曳の山べにをれば白雲のいかにせよとか晴るゝ時なき橘のなほとも如思ひやる心ばかりはさはらじを何隔つらむ峯の白雲to兩降れば北に變難く白雲を君によそへて詠めつる哉xoさ夜更て出らむ月を高山の峯によそへて詠めつる哉加己が身に雲立昇り時雨ふり濡れ通るとも我歸らめやうらぶれて物な思そ天雲のたゆたふ心我思はなくに人麿さほ山に雖く雲のたゆたひは思ふ心をいまぞ定むるおなじ我妹子に90我我戀くら靑山に難く雲の絕る日もなし伊勢一白雲の靆き懸るみ山には照る月影をよそにこそみれ貫之野 なべをるも人も無しとて我宿に峯の白雲おりやゐる覽同じ人立ねねややにやらまし白雲の訪人もなく宿にゐる覽平のながき一世世共に嶺へ麓へおり昇り行雲のみは我にざりける露嵯峨のきさき〓事繁し暫はたてれ宵のまに置けらむ露は出て拂はむ貫之ささ鹿鹿鹿立立小野の秋萩に置ける白露我も消ぬべし同じ人〓秋の野の草は糸ともみえなくに置白露を玉にぬく覽°夏の日に焦るゝやぶの草なれや暫の露に心おくらむ一みさむらひみかさと申せ宮城野の木下露は雨に增れり貫之〓〓渡〓我〓は〓ぞ同くば君があたりの野べに消なむ家持一百露を取らば消ぬべしいざやこら露に競ひて萩の遊せむ伊勢〓〓くてるる物から露の身の草葉に置と見えにける哉秋夜の夢路に露ぞ置けらし通ふとしつる袖ひぢに島置置露露露別つゝ朝な〓〓ぞ悲しかりける一第帖六歌和今古
七君ましゝ昔は露か故〓の花みるごとに袖のひづらむ白露に紅まさる秋の野の移ろひやすき人のこゝろか長長夜を思明して朝露の置てしくれば罪袖ぞひぢける三行き馴れぬ道の繁きに夏の夜の曉起きは露けかり鳬秋の夜を徒にのみ置き渡る露ぞ我身の名に社有けれ秋の露色々ごとに置けば社山の木葉の千種なるらめ家持秋萩に置ける朝露朝な〓〓玉とぞ見ゆる置ける白露5我我の尾花押並み置露にてふれ我兄子散さでかもも見む秋野の笹分し朝の露よりも逢でこし夜ぞひぢ增ける於貫止る秋し無れば白露の千種に置ける玉もかひなし白露を秋の萩原にこきまぜて分くこと難き我が心哉ヘ白露の起臥物を思ふまに我身は秋も果てにけるかな置置からに千種の色になる物を白露とのみ人の云らむ伊勢植植て君がしめゆふ野べなれば玉とも見よと露や置覽「白露の替るもなどか惜しからむ有ての後も危き物を本比爲有みかとのおほんかへし十字秋秋の咲ける岡べの夕露に濡つゝもませ夜は更ぬ共三秋秋の上に置たる白露のいちじろくしも我戀めやも秋のほど篠に押なべ置露の消もしなまし戀つゝ有ずは11露露に衣手濡て今だにも妹がり行かむ夜は更ぬとも秋秋の上に白露おくごとに見つゝぞしのぶ君が姿を待ちかねて內へは入じ白妙の我衣手に露は置くとも敏行NA白露の色は一つをいかにして秋の木葉を千々に染覽忠岑秋の野の萩の白露けさみれば玉やしまけけると驚かれつゝ明る迄起ゐる菊の白露はかりの世を思ふ涙なるべし友則一草の露を置しも敢す朝なげに心通はぬ時しなければ三此頃の秋風寒み萩が花ちいらす白露おきにけらしも三百妙の我衣手に露は置けど妹にも逢ずたゆたひにして〓夕けけふふ〓と我衣手に置露を君に見せむと取れば消っゝAB我ならぬ草葉も物は思ひけり袖より外における白露なほほ出ぬ山田をもると唐衣稻葉の露に濡ぬ日ぞなきこここごごののろゐ躍露に我宿の萩の下葉は色づきにけり人〓折てみば落ぞしぬべき秋萩の枝もとをゝに置ける白露ねんいつとても乾かぬ袖の秋夜は露置添へて物ぞ悲しき五〇六秋萩におく白露の風吹て加ニショ落落淚の〓めかねつも〓秋萩の枝もとをゝに露置きて寒くも時の成にける哉忠岑〓のののをを露露と置ながら雁の淚や野べを染む覽貫之三露ならぬ心を花に置きそめて風吹く每に物を社思へ〓〓結結ぶ秋も來にけり宜しこそ打解ぬ間に蟲は鳴けれエル露とてもあだにやは見る長月の菊は千歲を過すと思へば雫足曳の山の雫に妹まつと我たちぬれぬ山のしづくに返し石川女郞我我っつ君君が濡けむ足曳の山の雫にならましものを貫之〓本葉散る秋の雫にそぼちつゝ鹿の旅寢に宵々ぞなく菊の花雫落ち添ひ行く水のふかき心と誰か知るらむ〓〓末の露もとの雫や世中の後れ先だつためしなるらむ貫之一時鳥待つとき鳴かずこの暮や雫を多み道やよくらむ一足引の山の紅葉に雫あひて落つる山べを君や越ゆ覽時時幾聲鳴きし雫にかあやめも知らぬ濡衣はきし七心から花の雫にそぼちつゝ憂く干ずとのみ鳥の鳴覽以上二首貫之人磨此ぬば玉の黑髪山をけふ越えて雫にいたく濡にける哉一第帖六歌和今古躬恒札折菊の雫を多みわかゆてふ濡衣をこそ老の身にきれ伊勢匂ふ香の君思ほゆる花なれば折れる雫にけさぞ濡ぬるおなじ霜霜の消えて憂身の雫こそ袖撓む迄さえかゝりけれ霞冬過ぎて春立ぬらし朝日さす春日の山に霞たなびく〓春霞立てるやいづこ三吉野の吉野の山に雪は降つゝ一人知れず思ふ心は春霞立ち出て君が目にも見えなむ八かかととるる道だにあるを春霞かすめる方の遙なる哉山山の花の香にほふ麓には春の霞ぞほだしなりける〓春の着る霞の衣ぬきを薄み山風にこそ亂るべらなれししららしのら立峯ゆ春霞晴ずも物を思ふころかなか君が名も我名も同じ春霞野にも山にも立みちにけりひ心うきものにざりける春霞たなびく時に戀の繁きは山山ごとに立も隱すか春霞人にしられの花やさくらむ花の色を易くも見せず立隱す霞ぞつらき春の山べは0春霞手にしとられば山賤の衣に今はたちもきてまし"山賤のなげきこりつむ庵には霞やきつゝ煙ともなる"霞立つ山の心は知らねども木葉搔分け入らむとぞ思〓〓の羽風を寒み春日野のかすみの衣いまやたつらむ愛にして春日の山を見渡せば小松が枝に霞たなびく山山を見ざらましかば春霞たてるも知でへぬべかり鳥卷もくの檜原の霞たち返り見れども花に驚かれつゝ〓霞色色の千種に見えつるはたなびく山の花の影かも〓我をこそとふにうからめ春霞花につけても立寄の哉AM美くしき人を思ふと霞立つ春日も暮に戀ひ渡るかも○せなかてを卷もく山に此の夕木の葉凌て霞たなびく陽炎の夕さりくれば里人の露おきかたに霞たなぶく。子子が名に附けの宜しき朝妻も片山岸に霞たなびく三0玉きはる我宿の上に立霞立ちても居ても君570円の隨に°見渡せば春日の野べに立つ霞見まくの欲き君が姿か10足曳の山のつた〓〓見えつるは春の霞の立てる也身x0時はいま春に成ぬとみ雪ふる遠き山べに霞たなびくも戀戀ゝゝゝ今日は暮しっ霞立つあすの春日を爭で暮さむ貫之一本oo野べにくる人や見る覽若菜摘む我を霞の立隱すらむ霧人麿加o山山に霧がへる鶯も我にまさりて物思ふらむや。夕霧に衣は濡れて草枕旅寢するかもあはぬきみゆゑ雁のくる峯の朝霧晴れずのみ思ひ盡せぬ世中のうき秋霧のたつを煙と見し程に山の木の葉も色附にけり秋霧の晴るゝ時なき心には立居の雲も思ほえざり鳬音にきく花見にくれば秋霧の道妨げにたち渡りつゝ白雲のおりゐる山の唐錦かねてぞ秋の霧はたちける朝な〓〓たつ川霧の空にのみうきて思の有世也けり躬信〓七千鳥鳴く佐保の河霧立返りつれなき人を戀渡るかなんつれもなき人に心を筑波嶺の峯の朝霧晴ずこそ思へか秋霧の立のみ隱すもみち葉の覺束なくて止ぬべら也。時雨にも雨にもあらぬ初霧の立にも空はかき曇り身秋とてや今河霧の立ぬらむ思ひに肖ぬ物ならなくにいかなればかしひなる覧秋霧の紛ふまだにも悲き物を山路には人や惑はす河霧の立ちこぬ先に今渡りなむ秋霧の立ゐる時はくらぶ山闇に越れば著くぞ有ける見る毎に秋にも有か立田姫紅葉染むとや山は照る覽た河霧の麓をこめて立ぬれば空にぞ秋の山は見えける秋霧の立ずあらなむ足曳の山の錦をむらながら見む心心に我戀めやは秋霧の音もせでふる物にざりける浦浦く立つ秋霧は藻汐やく煙とのみぞ見え渡りける00秋霧の晴れぬ朝の大空を見るがことくも見えぬ君哉一第帖六歌和今古
重し夜の行合の霜にうてしかどなど身に寒く當らざりけむ雪五山のかひそことも見えず一昨日も昨日もけふも雪の降れゝばAz足足の山路も知ず白樫の枝にも葉にも雪の降れゝば○降しけば數なく溜る白雪の何をうしとか下に消ゆ覽松松の上に降掩ふ雪は蘆鶴の千代の緣りに來ゐるとぞ見降雪は枝に暫しも溜らなむ花も紅葉も絕て無きまはニ夜夜を寒み朝戶を明て出見れば庭もはだらに雪は降つゝ時時ぬ山は富士の嶺いつとてか鹿子斑に雪のふる覽大空に降白雪の土に落ちばけぬべき戀も我はする哉〓模の上に降置ける雪の屢も思ほゆるかもさよとへ我せこ天ざりて雪もふらなむ岩代のこのいはへはに降まくもみむハ大内の眞袖の原に降雪は痛くな降そ妹も逢はなくに消えつゝも猶ふる物は人戀ふる我が魂と雪と也けり人麿〓〓ぬぬ夜の降白雪と積りなば我さへ共にけぬべき物を「白山にふる白雪のこぞの上に今年も積る戀もする哉空空しし人人ああじな白雪の消えて物思ふわが心哉ニオの上にふるはつ雪の朝氷とけずも見ゆる君が心か七白雪のふりしく時は足曳の山した風に花ぞ散りける夜ならば花とや見ましわが宿の庭白妙にふれる白雪冬ごもり思懸ぬを木の問より花と見る迄雪は降つゝ梅が枝に降置ける雪は春近みめの打附に花かとぞみる皆妙に雪のふれゝば小松原色の綠もかくろへにけり消やらず雪は暫も止らなむ憂き事繁き罪ににりて〓花と見る雪の今しも降しくは春近くなる年の常かも〓春こねど草木に花の咲くことは降白雪の懸る也けり1本木よよ花花紛ひて降雪は春くる迄は花かとぞ見る物ごとに降のみ隱す雪なれど水には色も殘らざり鳬君君まさば寒さも知じ三吉野の吉野の山に雪は降とも〓黑髪の白く成行く身にしあれば先初雪を哀とぞ思ふ一一秋山の紅葉の錦幾きとも知らで霧立つ空のはかなさ阿武隈に霧立渡り明ぬ共せなをば遺じ待てば術無しとならば晴ずも有なむ秋霧の紛れに見えぬ君と思はむ〓河霧の中に君ます物ならば晴るゝ隨に嬉しからましたぬば玉のよる〓〓絕ぬ衣手のたかやの上に靉く迄に秋霧の立まふ嶺の山ぐちはかねてぞ著き移はむとて貫之散ぬべき山の紅葉を秋霧の易くも見えず立隱すらむ〓秋霧に濡にし袖を干さずして獨や君が山路越ゆらむ加飛鳥河河淀さらず立霧の思ひすつべき君ならなくに霜90春春ればみくさの上に置霜のけつゝも我が戀渡る哉『水莖の岡の館に妹と我と寢ての朝げの霜のふりはも朝な〓〓汀の草におく霜のけつゝも我は戀渡るかな二霜霜の野べと我身を思ひせば燃でも春を待まし物をみみを分て霜や置らむあだ人の言の葉每に枯も行て哉1000ののに置霜よりも獨ぬる我が衣手ぞ冴え優りける霜曇するにやあらむ久方の夜渡る月の見えずと思へばたゞふさthなな竹のよ長き上に初霜の起きゐてものを思ふ頃哉AN君來ずば閨へも入らじ濃紫我もとゆひに霜は置とも加山陰に荒たる霜の我なれや思ふ心の解けでのみふるonさを鹿の妻待山の岡べなる早田は刈らじ霜は置とも一浮てぬる鴨の上毛に置霜の心とけなき世をもふる哉三木の葉皆唐紅にくゝるとて霜の跡にも置きまさる哉與風三思草消る物とは知り乍今朝しもおきて何にきつらむ眞孤刈堀江に浮てぬapる鴨の今宵の霜にいかに侘ぶ覽おとくろ五天雲のよそに雁音聞しよりはだれ雪ふり寒さしまし此夜は短管葉葉葉の置に置ゐる霜の寒ければしみはしつ共色に出めや一第帖六歌和今古赤人〓せせににせせむと思し梅花其とも見えず雪のふれゝば十年ふれど色も變らぬ松が枝に懸れる雪を花かとぞ見るハタされば衣手寒し高圓の山の木ごとに雪ぞふるらしがせせこを今朝か〓〓と出みれば泡雪ふれり庭もほどろにo足足の山に白きはわが宿に昨日の暮にふりし雪かも一ふな張の軒に降覆ふ白雪のいちじろくしも戀む我かも霜枯の枝もなわびそ白雪の消えぬ限は花とこそみれかつ消えて空に亂るゝ泡雪は物思ふ人の心なるなり〓新玉の年を渡りて有るが上に降つむ雪の消えぬ白山正心置て見ばこそわかめ白雪も孰か花の散に違理へる押押なべて雪のふれゝば我宿の松を尋ねて訪人もなし七山近み珍しげなく降雪の白くやならむ年つもりなば〓降雪はかつぞ消ぬらし足引の山の瀧つせ聲まさる也た笹の上に降つむ雪の末を重み本くたち行く我が心哉0月月には花とぞ見つる竹の葉に降しく雪を誰か拂はむ卷もくの檜原も未だ曇らねば小松が末に泡雪ぞふる三池雪はけさはな降そ白妙の袖卷干さむ人も有なくに〓〓の葉にはだれ降覆ひけなばかも忘むと云へば增て思ほゆ四一一見見し人に戀らく朝霧の降くる雪のけぬべく思ほゆ我せこがと美しみ出、行けば裳引も知ず雪な降そも梅花其とも見えず降雪のいちじろけむな眞使やらば七小小とませの野べに降雪のけ長く思し君が音する10年年月の過行くれば草も木も老こそすらし白く見ゆれば霰たかき曇り霰降しけ白玉をしける庭とも人の見るべく三50霰ぶり玉とは見れど拾置て心の如くぬかばけぬべし「我我に霰たばしる卷返しけたずてあらむ妹がみむ爲ニット問間吹く風さむき夜にはたや今宵も我獨ねむ三霜の上に霰散しき彌增しにあれはまゐこむ年の〓長く水白雪の降て積れる山里は住む人さへや思ひ消ゆらむい搔暮しふる白雪の下消えに戀失せねとや人の難面き〓下消の雪間を見れば冬ながら春のけ近き心ち社すれか三吉野の山の白雪ふみ分て入にし人の音づれもせぬcmこのふるは梅の花也冬ながら君が匂に春はきにけり一何せむに袖に白雪懸るとも止て別れぬ幣とせなくにニ忘ては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏分て君を見むとはシ花花色色を交りて見せず共香をだに盜め人の知べく浦近くふりくる雪は白波の末の松山越すかとぞ見る白雪の所も分ずふりしけば巖にも咲く花かとぞみる左大臣橘諸兄高山の巖に生ふるすがの根のねも白妙にふれる白雪切雪を置て梅の花乞ひそ足引の山片かけて家居せる君t梅梅花のに枝にかさくと見る迄に風に亂れて雪ぞ降ける〓〓搔れて降白雪の君ならばあな珍しと云はまし物を〓思へ共身をし分けねば目枯せぬ雪のとむるぞ我心なる。來ぬ人を松の葉にふる白雪の消こそ返れ戀ふる思に。0岩の上の松の梢に降雪はいそ返りふれ後までも見む。道も有じ爭でか行かむ白雪の降掩ふ竹の夜も更に島9雪雪れば冬籠せる草も木も春に知られぬ花ぞ咲ける10降雪や花とは咲て賴めけむなどかみのよく成がてにけるお雪降て人も通はぬ道なれや跡はかもなく思消ゆらむの冬乍ら空より花の散くるは雲のあなたは春にや有覽〓朝ばらけ有明の月と見る迄に吉野の里にふれる白雪xけけぬが上に又も降しけ春霞立なばみ雪稀にこそ見め。松の上に懸れる雪の是を社冬の花とは云べかりけれ年深く降つむ雪を見る時ぞ富士の高嶺に住心地する梅が香の降置る雪に移りせば誰かは物をわきて折まし雪ふれば木毎に花ぞ咲にける孰を梅と分きて折まし夕暮はな手さむし三吉野の高きみ山にみ雪ふるらし_消果る時し無れば越路なる白山の名は雪にぞ有ける一第帖六狀和今百
七袖ぬれて蜑の焚く火は燃ねばや雲と煙の立昇るらむ三円七須磨の浦の汐やく煙風を痛み立ちは昇らで山に難く塵風風の上に在か定めぬ塵の身は行方も知ず成ぬべら也掃たたるるの數にも思はぬを埋もる事の怪しとぞ見る七積ては山に成てふ物なれどうくも有哉塵ひぢの身は七AL我たまは床の塵とも惑ふらむ宵々荒く拂はざらなむな知知云はばだだせせ寢し物を塵ならぬ名の空に立覽鳴神〓大君は神にしませば天雲のみかづちが上に庵すらしも〓天雲をほろに踏みあたし鳴神もけふに優りて畏けめやも〓天の原踏み轟かし鳴神も思ふ中をばさくるものかは三千千振神にもあらぬわが中の雲居遙になりまさる哉m天天鳴神いかに思ふらむ今日は身をしる雨と社ふれ詠めして經ればなるべし天つ空神も心の空になりつゝか天雲の八重雲がくれ鳴神の音にのみやは聞渡りなむかあふ事は雲居遙に鳴神の音に聞きつゝ戀やわたらむ〓天雲の近く光りて鳴神の見れば恐ろし見ねば戀しもかあだ人の心は空の神なれや雲居にのみもなり增る哉稻妻0秋の田の穂の上てらす稻妻の光のまにも君ぞ戀しき一電の光の間にも忘れじと云ひしは人の〓とにぞ有ける待ちかねて心あかねば稻妻の光にのみぞ驚かれける〓稻妻はかげろふ計有し時秋のたのみは人しりにけり共にぬる物とはなしに稻妻の秋のたのみを空に立らむm足引の山田を植て稻妻の共に秋にはあはむとぞ思ふ朝露の奥手の稻は稻妻をこふと濡てや乾かざるらむかげろふ世中と思ひし物を陽炎のあるか無かの世に社有けれ陽炎の其かあらぬか春雨の降日と見れば袖ぞ濡ぬる陽炎のさやに社みめんぬぬば玉の夜の一めは戀しかり島堀て置し池は鏡と凍れるをみる〓と無て年ぞへにける西五水水面面にあや吹亂る春風や池の氷をけふは解くらむ古河の上は氷れる我なれや下に流れて戀しかるらむ加氷こそ今はすらしも瀧つ瀨のたぎつ音さへねは絕ぬ也ハ天河冬は空まで凍ればや石間にたぎつ音だにもせぬ風早み水の面に懸る增鏡曇り渡らむ物にやはあらぬ。冬の池に住む鳰鳥のつれもなく氷の下を我は通はむ一五泣つめし冬の涙は凍りにき溶む春日は身もや流れむニ涙川みなぐ計りの淵はあれど氷解けねば影は動かず三朝日さす片山かげの板間にもてのうち寒き氷とかなむ火五世と共に燃ゆく富士の山よりも絕ぬ思は我ぞ優れる五見渡せば明石の浦に燃る火のほにぞ出ぬる妹に戀らく〓我宿の霜夜の風を寒みこそ蜑の焚火をよそに眺むれ五人を思ふ心のおきは身をぞやく煙立とは見えぬ物から〓御垣守衞士の焚火の晝は絕え夜は燃つゝ物を社思へ夏くれば宿にふすぶる蚊遣火のいつ迄我身下燃にせむ〇%足引の山田もるをのをぐかびの下焦れのみ我戀をらむ〓徒に蜑のともせる漁火のほにか出なむ我した思ふを一藻鹽燒あまくらめやと待程にあなけぶ須磨の浦に焚火や難波女の小屋に夜更て蜑の焚く忍びにだにも逢由もがなテム折々にうちて焚火の煙あらば心ざすかを忍べとぞ思ふ〓人戀る淚は春ぞぬるみける堪ぬ思のわかすなるべし煙伊勢の蜑の鹽やく煙風を痛み思はぬ方に難きにけりいいととか我が戀ざらむ千早振淺間の山は煙たゆ共地にたく煙ぞ立ちて大空の光をかくす雲となるめる〓富士のねのならぬ思に燃えばもえ神だにけたぬ空し煙は〓枯ね身を燃ゆと聞く共いかにせむけち社知ね水ならぬ身は〓住の江の松の煙は世と共に波の中にぞ通ふべらなるニ果果身富富の山とも成ぬるか燃る歎の煙絕えねば四四六一三一第帖六歌和今古。陽炎の一めからにや怪しくも面忘れせぬ妹にも有哉。陽炎の一め計はほのめきて來ぬ夜數多に成にける哉coあると見て賴むぞ難き陽炎のいつとも知ぬ身とは知々。陽炎の仄めく影を見てしより誰とも知ぬ戀もする哉o.徒然の春日にまがふ陽炎の影見しよりぞ人は戀しき10手に取れど絕て取られぬ陽炎の移ろひ易き君が心よな君が代に逢坂山の岩〓水木蔭れたりと思ひけるかな○三吉野のよし野の山は百年の雪のみつもる所也けり一菅原や伏見の暮に見渡せば霞にまがふをはつ瀨の山一白山に雪ふりぬれば跡絕えて今は越路に人も通はず妻隱すやのゝ神山露霜に匂初むらし散らまくをしみ東路のさやの中山さやかにも見ぬ人故に戀や渡らむ一美作や久米の皿山さら〓〓に我名はたてじ萬代迄にたぢまの皇女〓雲の上に雁ぞ鳴なる畝傍山み垣の原に紅葉すらしも詠人しらずヒしなが鳥ゐな野を行けば有馬山霧立渡り明ぬ此夜は矢田田野の淺茅色づくあらち山峯の泡雪寒くぞ有らした飛鳥川紅葉ながる葛城や山には今ぞしぐれふるらしc鳴鳴神の音にのみ聞く卷もくの檜原の山を今日見つる哉ニ逸著く時雨のふれば筑紫なるおほのゝ山も移ひに島1世世うしと厭し人は神なびの三室の山に入にけるかも武士の立といふなる鈴鹿山ならむ方社聞かま欲けれかこの山の花子風吹けば沖つ白浪立田山夜はにや君が獨り行くらむ古の事は知らぬを我見ても久しくなりぬ天のかご山たけちの黑人た吾妹子にゐな野は見せっ名次山角の松原いつしか行かむにあふ〓とを遠江なる高師山焚かじや胸にもゆる思ひは〓たらしのとませの山の山際にいざよふ雲は妹にかも有むた增鏡みな淵山はけふもかも白露置きて紅葉ちるらしcmぬば玉の黑髪山を朝越て木の下露に濡れにけるかもニ夏友かたしき山の郭公なく聲しげくなりまさるなりいちはらの大君ニュー蹄山何そは有て有かひは來ても止らぬ名に社有けれ三四しのぶ山忍びて通ふ道もがな人の心の奧もみるべく水水月月の名越の山の呼子鳥おほ幣にのみ聲の聞ゆる古今和歌六帖第二山人まろ大犬貴少彥名の作りたる妹背の山をみるはしもよしわみ室のや其山中に子等が手を卷向山はつぎて宜しも人まろ10岩が根のこゞしき60山山入初て山懷しみ出がてぬかも人まろねかね山のしたびが下に鳴蛙聲だに聞かば何か歎かむ住住山をよそに見しかどけふ見れば山懷しみ風な吹そも一名草山事にし有けり我戀はちへに一重も慰まなくにをだのことぬし一葉葉のしなふせの山忍ばずて我越くれば木葉知けむ大伴郎女〓せせががささの山の山あらゝぎ手な取觸そ香も優るがに石河郞女我せこをこませの山と人は云ど君もきませぬ山の名ならし1駿河河なる宇津のお山の現にも夢にも見ぬに人の戀しき鹿島なるつくまの山のつく〓〓と我身一に戀を積哉←大原や小鹽の山の小松原はや木高かれ千世の蔭みむゆげのわうし瀧瀧上のみ船の山にゐる雲の常ならむとは誰か賴まむ忠岑二第帖六歌和今古〇〇七ーミ
10幾幾ふるみのゝお山の一つ松契りし心今もわすれず白真弓入さの山の常磐なる命かあやな戀てやあらむ我幾はみくらの山に移してむ程無き身には置所なしN津津のまちかね山の呼子鳥なけど今くと云人もなし人まろ加春草を馬くひ山を越てくるかりの使はやどりすぐ也00世中を嘆きにくゆる竈山晴れぬ思ひを何しそめけむエ乗して行かまし物を會津山君にし非ねば猶ぞ戀しきニュー岩手山いはで乍らに身の果てば思し〓とを誰か告まし三小倉山峯踏馴し來にしかば今日は何とも思ほえぬ哉伊勢三輪の山いかに待見む年ふ共尋る人も有じと思へば貫之誓言羽山音に聞きつゝ逢坂の關のこなたに年をふる哉〓後瀨山後も逢見むと思へばぞ死べき物をけふ迄もふる素性鏡山山かき曇り時雨るれど曜紅葉は猶も照增りけりス大大葉山霞たなびき風吹きて我舟とめむ泊りしらずも〓〓〓橋の山の雪にも有なくにまづ人先に身のふりぬ覽or墨染のくらぶの山に入し人感ふ〓〓も歸りきなゝむきせん法師→我宿は都の巽しかぞすむ世を宇治山と人は云ふらむ陸奥のあふ隈川のあなたにや人忘ずの山はさかしき片片時も見ねば戀しき大江山歎こらする人はよきかは春きぬと今は伊吹の山べにもまだしかりけり鶯の聲孰こにぞ有りと聞しはいはた山君が心のなれる也島普わがかどでにしてし比叡の山心弱くは歸る物かは我爲に何のあたごの山なれや戀しと思ふ人の入らむ世をうしと思入れ共赤はたの山は身を社隱ざりけれ恨みても驗なけれど信濃なる淺間の山の淺ましや君〓〓いつからか調べの聲の絕にけむ琴引山の音の聞えぬ一衣手の色まさりつゝ信濃なる位の山は君がまに〓〓雨はふる道はまどひぬ山科の笠取山や孰こなるらむ昔みし人をぞ今は忘れ行くやぶくろ山の麓ばかりに驗無きかる物ならなくに足柄の山の山菅やまず戀しき粟田山こゆともこゆと思へ共猶逢坂は遙けかりけり稻荷山杉の村立おしなべて木の本每にくる由もがな七部より西にありてふかまど山煙たえせぬ戀もする哉スト千早振神がき山の榊葉は時雨に色もまさらざりけり〓雨ふれば三笠の山の木の本に濡ぬ庵もなしと社きけo津の國の生田の山のいく度かわが徒に行き返るらむ人心あらちの山になる時ぞ契り越路の道はくやしきつつしとて諸葉の山に隱るとも我山彥に成て尋ねむ〓下野やふたらの山の二心ありける人を賴みけるかな我をのみいはせの山にこる歎悔しと燃ぬ日ぞ無りける蟲麻呂富士の嶺を高みかしこみ天雲もい去り憚り靉く物をななべてしも色變らねば常磐なる山には秋も知れざり鳬斯ばかり移ろふ色のうければや錦立田の山と云らむみても思ひみずても思ふ大方は我身一つや物思の山倉部山暗しと名にはたてれ共妹許といはゞ夜も越なむcししみみ颪の風の寒ければ風には常になきて社ふれ〓我戀は大江の山の秋風の吹てし空の聲にぞありける別ては伊倉の山を越ぬれば逢事かたく成もてくらむ業平三大大やや〓の山も今日しこそ神代の〓とも思出づらめ秋の夜の月の光し〓ければ箱根の山の内さへぞ照る紀のよしもち紅葉せぬ常磐の山は吹風の音にや秋を聞き渡るらむ宗于朝臣梓弓入さの山は秋霧のあたるごとにや色まさるらむ三原のおほきみ二第帖六歌和今古白露はうつしなり身水鳥の音羽の山の色附く見れば石上乙麻呂〓雨ふらばきむと思し笠の山人になきせそ濡ば濡とも山どり人麻呂九雲のゐる遠山鳥のよそにても有とし聞けば侘つゝぞぬる∞。引引鳥の尾の尾のしだり尾の長々し夜をわが獨ぬる5秋秋の吹きよるごとに山鳥の獨しぬれば物ぞ悲しき3夕ざれば君を待乳の山鳥の泣々ぬるを立もきかなむ藤原後蔭花のちることや悲しき春霞立田の山のやま鳥のこゑ猿°〓足引の山の絕間に妻こふと鹿にもまさる聲聞ゆなり躬恒no侘しらに猿な啼そ足引の山のかひある今日にやは非ぬわ心あらば三度二度なく聲を物思ふ人に聞せざらなむ鹿夕されば小倉の山に鳴鹿の今宵は鳴ず寢にけらしも人まろ。夏野行小鹿の角の束の間もみねば戀しき君にも有哉鳴鹿の聲うらぶれぬ時は今秋とや云はむ萩の花さく妹にわがうら戀をれば足引の山下とよみ鹿ぞ鳴なる。高山の嶺行鹿の友を多み袖ふりこぬを忘ると思ふなさを鹿の妻をしのぶと鳴聲のいたらむ限り靡け萩原朝道のふる道分けてなく鹿の立別れにし妻や戀しき伊勢秋山に妻なき鹿の年をへてなぞや生きてのかひよとぞ鳴さだぶ』春の野の繁き草葉の妻戀になぞ我戀のかひよとぞ鳴〓此頃の秋の朝げに霧がくれ妻よぶ鹿の音のさびしき友則誰離けと聲高砂にさを鹿の長々し夜をなき明すらむヘ濡衣を干さを鹿の聲きけばいつかひよとぞ啼渡ける貫之カ鳴く鹿は妻ぞ戀ふらし草枕旅行く人に聲なきかせそ〇心しも通はじ物を山近く鹿の音きけばまさるわが戀一狩くれば萩は散ぬとさを鹿の鳴なる聲もうらぶれに鳬人麻呂足引の山よりきけばさを鹿の妻呼聲も且聞かましをさを鹿の朝ふす小野の秋萩を折れぬ許も置ける下露秋萩に柵かけてなく鹿の聲きゝつゝや山田もるらむ11おぼつかな小倉の山に鳴鹿の聲高くとも誰か知べき虎た虎に乘りふるやを越て靑淵に鮫取てこむ劍太刀かもヒ唐國の虎伏と云ふ山にだに旅には宿る物とこそきけ〓〓茅〓のの野野の篠原いかなれば手飼の虎の臥所なる有とても幾世かはふる唐國の虎伏野べに身をも投てむ熊00荒熊の住と云なるしはせ山責て問ふ共なが名は云はじむさゝび一丈夫の高圓山にせめたれば里に落たるむさゝびの聲志貴皇子むさゝびは梢求むと足引の山のさつをに逢にける哉山川山川のたぎつ心をせき兼て人のきかくに歎きつる哉戀戀を逢ずなりなば山川の人も渡らぬ瀨とや成なむ和わ人人袖袖袖袖のみをやかれる山河の涙のごとも落る瀧かなださを鹿の爪だにひぢぬ山川の淺ましき迄とはぬ君哉セート增水時をふちなみ山川の瀧ならねばや音の絕せぬここ計計らせよ妹よ山河の瀧望の亂てたゆたへる君山田足足の山田作る男出ず共注連だにはへよもると知べくcol足曳の山田にはへるから占繩の秋田刈迄絕じとぞ思ふ二第帖六歌和今古七九七ー三
『事とては誰ならなくに小山田の苗代水の中淀みする刈て干す山田の稻のこき垂て音を社鳴め人は怨みじ山田さへ今は作るを散花のか〓とは風に負せざらなむ躬恒刈て干す山田の稻を數へつゝ多くの年を積てける哉〓〓山山守るや人目の繁ければほに社出ね忘やはするたゞみね六山田すき春の種をば蒔しかど秋の時には做じとぞ思山陰に作る山田の木隱れてほに出ぬ戀は苦しかり鳬白露のおくての山田かり初に浮世の中を思ひぬる哉山里九四山里も同じ浮世の中なれば所かへても住うかりけり〇山深き宿にはあれど世と共に春の心は淺くぞ有らし一五春くれど花も匂はぬ山里はものうかる音に鶯ぞなく근계行宿り白雲だにも通はずば此山里はすみうからまし三五雪のみや降ぬる 00mmと思ふ山里は我も多の年ぞへにけるたためぬははををけ共山里は待遠にこそ花は咲けれ五五山里に住かひあるは梅花見つゝ鶯なくにぞありける六五山里は秋こそ殊に侘しけれ鹿の鳴音に目を覺しつゝ山田に知人もがな鶯のなきぬと聞かば我につぐべくAN霰ふるみ山の里の悲しきはきてたは易く問人もなきな山里は冬ぞ寂しさ增りける人目も草も枯ぬと思へば業平○住侘びぬ今は限りぞ山里に爪本こるべき宿求めてむ山の井一淺香山影さへ見ゆる山の井の淺くは人を思ふ物かは貫之掬ぶ手の雫に濁る山の井のあかでも人に別れぬる哉六悔くぞ汲初てける淺ければ袖のみ濡るゝ山の井の水出るから別るときけば山の井の濁りしよりも侘しかり鳬淺からむとをだに社恨しか絕や果つべき山の井の水珍らしや昔ながらの山の井は沈める影ぞ朽果にける山びこ山彥は聲の庵の無ければや思ふ〓〓と云へど答へぬつつももききををて山彥の答する迄歎きつる哉貫之山彥の聲の隨に尋ねゆけば虛しき空を行きや疲れむ。山彥は君にぞ有らし試に我が問ひやめば音信もせず一四方山の山の山彥なければや我呼ぶ聲に答だにせぬ逢事の山彥にして空ならば人めも我はよきずぞ有まし打侘てよばはむ聲に山彥の答へぬ空は有じとぞ思ふ伊勢PE篇の鳴音をまねに山彥をことあり顔に求めつるかな山彥のよそに答へし聲なれど言問し社嬉しかりけれ家持山彥の相とよむまで妻ごひに鹿なく山に獨のみしてLせいづかたに我惑へとか山彥の答へし方に音信もせぬいはほxいいななむ巖の中に住へばか世の憂事の尋來ざらむ三吉野の岩切り通し行水の音には立てじ戀はしぬ共0天天撫づは千年の巖をも久しき物と我か思はなくにへいか計り久しくも非ず天衣少女が撫づる岩ばかり也伊勢〓岩の上を栖にしたる蘆鶴は世を長閑にも思ふべき哉貫之ヨ苔苔がら生ふる巖は久しくて君に比ぶる心あるかな峯躬恒mしがらきの峯立ち隱す春霞はれずも物を思ふ頃かな1自雲の絶す靉く峯にだに住めば住ぬる世に社有けれ貫之秋風の吹きにし日より音羽山峯の梢も色づきにけり943一四八一三二第帖六歌和今古谷鳥の音も聞えぬ谷の埋木はわが人しれぬ歎なりけり深養父光光つ谷には春もよそなれば咲てとく散る物思もなし八が淺香山霞の谷し深ければ我物思ひは晴るゝ世もなしそま〓宮木挽あづさの杜にたつ民のやむ時もなく戀渡る哉ニ〓筏おろす柚山川の水馴棹さしてくれどもあはぬ君哉柚山にたつ杉くれの面て〓〓人に引るゝ君は賴まじ九槇柱造る柚人いさゝめのかりほの爲と思ひけむやは京宮木挽いづみの柚に立民のやむ時もなし我戀らくは九をのゝえTM.ののは朽なば又もすげ替む浮世中に返らずもがな友則故〓〓〓〓〓〓〓〓の柄の朽し所ぞ戀しかりける當士の山歎きこるてふ斧の柄の程々しくも成し程哉炭竈谷谷く燒く炭竈の煙だに峯のくもとはならぬ物かは常磐木を猶炭がまにこりくべて絕し煙の空に立なば00詠めつゝ世に炭竈の我心下にもゆとも誰か知べきまとの左大臣つ人めだに見えぬ山ぢに立雲を誰炭竈の煙と云ふらむ關1八八立出雲國のてまの關いかなるてまに君さはる覽00まて暫し君知りみむや我背子を留め兼てぞてまと名附し。逢とを苗代水に任せては越さむ越さじは小山田の關。河口の關のあら垣守れども出て我寢ねしのび〓〓に。河口の關の荒垣いかなれば夜の通ひを許さゞるらむ100立寄らば影ふむ計近き間に逢見ぬ關を誰かすゑけむxoあかご罹まのこ島の關の固めてし妹が心は疑もなし原ね上野やいちしの原の著るく我とし見えて人に知らるな〓君がきる三笠の原にゐる雲の絕えて別るゝ戀もする哉一朝日さす淺茅が原の霜よりも消て戀しき古き言の葉山上憶良一名にし負へば孰も悲し朝々撫て育しゝうなゐ子が原〓戀しくば三方の原を出て見むまた朝顏の花は咲やと岡秋風の日毎に吹けば水莖の岡の木葉も色づきにけり枇杷左大臣エみこし岡幾十の世々に年をへてけふの幸を待て過覽大陸奥にありと云ふなる片戀の岡を我身にそふる頃哉-七君が代も我よも知す岩代の岡の萱ねをいざ結びてむk陸奥の躑躅の岡の熊つゞらつらしと妹をけふぞ知ぬるか足曳の山なし岡に行水の絕えずぞ君を戀ひ渡るべき○舟岡のともべに立てる白雲の立別るゝも哀とぞ思ふ一逢ぬ身をうしやの岡に狩はすれど名をだに立たぬ鳥にも有哉もり小野小町三大荒木の森の下草老ぬれば駒もすさめず刈人もなし三人知ぬ思駿河の國にこそ身をこがらしの森は有けれ紀のらう女山城のいはたの森の柞原云はねど秋は色づきにけり和和なる信太の森の楠木のちへに別て物をこそ思へた君戀ふと我こそ胸を木枯の森とはなしに蔭に成つゝ吹風に靡きもせなむ思ふ〓と我にいはせの森のした草最早も鳴ぬる雁かこがの森木に這ふ葛も紅葉敢なくに知思ふこと何をか更にみ山なるしげりの森を我と知らなむco妹妹家家生生由の森の藤の花今こむ春も斯こそは見め聞からにもゆる思ひは山城の岩田の杜になく喚子鳥片戀の森の言の葉散ぬれど思ひの山の松ぞかはらぬ三立田山立なば君が名を惜み岩瀨の杜の云じとぞ思ふ且見つついはねの森に住蟬は時を知ずや鳴渡るらむ二第帖六歌和今古949
1つつききをも岩根の森の下に生る草の袂ぞ露けかりけるいべのおとくろまろ我門のわさ田も未刈上げねば兼て移ろふ神なびの森貫之神無月時雨に染むる紅葉ばを錦に織れる神なびの森躬恒人につく便だになし大荒木の森の下なる草の身なればたゞみねた大大木木杜杜の草とや成にけむ假に來て訪ふ人の無哉社○四ゆふ懸て祈る三室の神寂て崇るにしあればねぎぞ兼つる「千早振神の忌垣も越ぬべし今は我身の惜からなくに我見ても久しくなりぬ住吉の岸の姫松幾世經ぬらむ讀人知らず三千手振加茂の社のゆふ襷一日も君をかけぬ日はなし家持天地の神をねぎつゝ我戀ふる君に必ず逢ざらむやは古古の神の御代より逢ひけらし今の心もとこ忘られず千早振神なび山のもみぢ葉に思はかけじ移ろふ物をままももくの穴師の山の山人と人も見るがね山蔓せよ人まろ急垣して守る社の紅葉もしめをば越えて散てふ物を石石石ふふるの社の杉むらの思ひすぐべき君ならなくに2神神代代忌忌諸葛此方彼方にむけて社みれ一行行が上に又もゆけ駒神がけや三室の山の山蔓せむ五=人も皆かづら翳して千早振神の御誕にあふひ也けり11ああひににつつれて社千早振賀茂の河波立渡りけれ9春春立ちまじりつゝ稻荷山越る思ひの人知れぬかな以上四首伊勢44稻荷山ゆきかふ人は君が代を一つ心に祈りやはせぬ貫之な搔曇り文目も知ぬ大空に有りと星をばいかゞ知べき蟻通の神のもとにてよめるみちセロ紅の裾ひく道をなかに置て我や行べき君やきまさむAM石上ふるのなか道中々に見すば戀しと思はましやはカ月月日み妹に逢むとたゞ路から我はくれ共夜ぞ更にける〓むむもも通通ひなむ玉鉾の道せばきまで繁きわが戀橿原のみかど〓古の野中の古道あらためばあらためられよ野中古道ニ道道がら時雨に逢て最どしくほし敢ぬ袖を濡しつる哉躬恒行やらぬ心や何ぞ秋の野の道は千里も有じと思ふをエ玉玉の道の衢に妹まつと立たる程に夜はふけにけり貫之夏山の蔭を繁みや玉鉾の道ゆく人もたちとまるらむ〓〓我宿は道も無き迄荒に皇難面き人を戀ふとせしまにニ玉玉の遠道を社人はゆけなどか今の間見ぬは戀しきヘル玉鉾の道行人も見えなくに歎をしつゝ出きつるかもつかひ心心にはちへにしき〓〓思へ共使をやらむすべも白浪〇七人ごとを繁くて君は玉章の使もやらず忘ると思ふな一我妹子や痛くなわびそ玉鉾の使通はぬ物ならなくに戀死ねとする業ならし玉鉾の使も見えず成行見れば家人は道もしみゝに通へども我まつ妹が使こぬかもph誰誰れれ問問ゞ答へむ術をなみ君が使を返しつる哉我戀のことし語らひ慰めむ君が使をまちやかねてむ〓宿宿のわさだ刈上げて返す共君が使を返しはやらじうまや東東のうまや〓〓と數へつゝ近江の近く成が嬉しさ東東の里の遠さも有なくにうまや〓〓と君をまつ哉春の田二第帖六歌和今古〓本芽はる春の荒田を打返し思ひ止みにし人ぞ戀しき七〓。小小をを鋤鋤返し〓〓ても見てこそやまめ人の心を貫之"忘らるゝ時し無れば春の田の返す〓〓ぞ人は戀しき春の田を人にまかせて我は唯花に心をつくる頃かな〓足曳の山の櫻の花見てぞをちかた人は種はまきける以上三首貫之〓おり立てば身社そぼつれ春の田の文かく〓も今はやめてむ夏の田人まろ我妹子が赤裳濡つゝ植る田を刈て納めむ倉なしの濱貫之な時時ば早田も痛く老ぬべし雨にも田子は障ざらなむ秋の田秋の田の穂に出ぬれば打群て里遠みより雁ぞきにける雲隱鳴なる雁の行てゐる浮田の穂向き繁くしぞ思ふ秋の田の穂に社人を戀ざらめなどか心に忘しもせむいはひめのきさき〓秋の田のほのへきりあふ朝霞孰れの方に我戀やまむ躬恒一獨して物をぞ思ふ秋の田の稻葉のそよと云人もなし素性一人心今は秋田のほどなれば稻葉の露の思ひけぬべし秋の田の穂並押分け置露の消もしなゝむ戀て逢ずば我門の早田も未だ刈上ぬに今朝吹風に雁はきにけりほづみのわうじ秋の田のほむけのますら片寄に君が寄なば心ちよぐ覽冬田〓秋果て人も手觸ぬひつぢぼの我心もて生ひ出るなりぜ心もて生る山田のひつぢぼは君守らねど刈人もなしかりほ秋田刈かりほを見つゝこきくれば衣手寒し露置に身躬恒み山田の奧手の稻を干侘て守るかりほに幾夜經ぬ覽貫之。假ほにて久にへに島秋風にわさ田雁音早も鳴かなむ。秋萩を假ほに造り庵して有るらむ君と見る由もがな10たづが音の聞ゆるなべに庵して旅に有きと妹に告なむ天智天皇50秋の田のかりほの庵の苦を粗み我衣手に露に濡つゝいなおほせ鳥忠岑0山田もる秋のかりほに置露は稻負せ鳥の涙なりけり人まろ0我宿に稻負せ鳥の鳴なべに今朝吹風に雁は來にけりそほづわそほづたつ山田の池は今も猶心深しな浮せはあれどto秋の田にたゝぬ計ぞ君戀る袖のそほづに成ぬ日はなし00足曳の山田に立てるそほづ社己が賴を人にかくなれ春の野。草も木も綠に見ゆる春の野に雨降そめば色や增らむ貫之〓春ふかく成ぬる時の野べ見れば草の綠も色增りけり駒なべて目も春の野に交りなむ若菜摘つる人も有やと中々に何逢見けむ春日野の燒くる炎をよそに見ましを一春の野に若菜摘むと占し野の散かふ花に道も惑ひぬ忘らるゝ時し無れば春日野の訪日有やと待ぞ侘しき夏の野人麻呂夏夏行小鹿の角の束の間も見ねば戀しき君にも有哉な草茂み下繁り行夏の野をわくと分くれば袖ぞひぢぬる秋の野秋の野の亂れて咲ける花の色の千種に物を思ふ頃哉秋の野の移ふ見れば難面て枯にし人を草葉とぞ思ふ二第帖六歌和今古九七九一三
或裏書云此間有冬野順而無欲但古本全非隨云々又云但素性三首之內冬歌有之哉可尋決云々一本有左之十四首一八秋ののゝくさばを分けぬわがそでのもの思ふなべに露けかるらむ以上つらゆき秋ののに今こそゆかめものゝふのをとこをみなのはなにほふみにとかた秋ののゝにしきのごとも見ゆるかな色無きつゆはおかじとぞ思ふ秋ののにいかなるつゆのおけばかは千々にくさばの色かはるらむあさやす秋ののにおくしらつゆは玉なれやつらぬきとむろくものいとすぢみっね秋ののを分けゆくからにうつりつゝわがころも手は花のかぞするいせゆく〓〓とみれどもあかぬ秋ののはゆきもやられず止るともなし秋風のふきとふきぬるむさしのはなべてくさ木のいろかはりけりせよの中のつねとはみれど秋ののゝうつろひかはるときぞわびぬるふゆの野霜がれののべとわがみを思ひせばもえてもはるをまたましものをかやののべいともかくなるみれの上の松がえともに久しきものなざふの野冬ごもりはるのおほのをやく人はやきたらねばやひとのむねやくむさしのゝ草のゆかりときくからに同じのべともむつましきかなあふことのいなびのにすむ鹿こそはかりの人にはあはじとぞ思ふ雜の野素性忘るやと野に出て見れば花每に含める物は哀なり身はつかにも人を見まくの薄のゝ穗に出て今そ戀しかりける一印南野の淺茅推並さねしよのけ長くし有れば妹を社思へかり家持一丈夫のよびたてしかばさを鹿のむな分行ぞ秋の萩原印南野に狩するしたひ草茂みむべ木は見えで弓の筈見ゆ山邊にさちをの狙ひ恐ろしみを鹿鳴也妻のめをほり梓弓末の原野にとがりする君が弓弦の絕むと思へば左大辨紀のいひ麻呂手束弓手に取持て朝狩に君は立いぬたなくらの野にともし貫七五月山木の下闇にともす火は鹿の立どの知べ也けりヘル小倉山照射松のいくそ度我鹿の音を鳴てへぬらむ逢とを乏しの鹿の打群てめをだに見せば射べき物をしたがふ〓時鳥待につけてや照射する人も山べに夜を明すらむわし筑波嶺にかゞなく鷲の音をのみか鳴渡なむ逢とはなしにしぶたにのふたかみ山にわしぞ子うむてふさしはにも君がみためにわしぞ子うむてふ大鷹〓やかた尾の眞白の鷹を引据て君が行幸に合せつる哉三荒鷹の今は雲ゐに成ぬればきてもやゐると見するてだぬき一恨恨き心大鷹手にすゑて狩にのみくる人やなになり=だへをつけて山に入にし荒鷹のいとをぎ憎き空言なせそ小鷹おちの王女七〓草草を鶉すむまで拂はせじ小鷹手にすゑこむ人の爲たし狩のて無程身にも敏鷹の音ながき拂ふ物にざりける加つらしとも恨ざらなむ敏鷹のと返る山の椎も紅葉ず01狩にても据こじとぞ思ふ敏鷹のすゞろなる名をたちも社すれきじ一年をへて返り交野の巢守兒の君にしあへは飛立ぬべしニ春春野野野朝〓の妻戀に己がありかを人に知られて三杉杉野野野ささどど雉雉子著く鳴しもなかむ籠り妻かも足足のやつをの雉子啼とよむ朝けの姿見れば悲しも10春きじの鳴高圓に櫻花ちりながらふる見む人もがな大春春野野野の思に思ひぬ雉の一番我子は鷹におちやしぬらむねやねぐらなる霜打ち拂ひ立雉の空にこぞとれ人の心を栗栗の山に朝立つ雉よりも我をばかりに思ひける哉鳩2我我秋をふる露なれば山鳩の鳴こそ渡れ君松のえに八一〇二三二第帖六歌和今古うづら家持〓ななくふるき里より思へ共何ぞも妹にあふ由もなき一二野とならば鶉と成て鳴居らむ狩にだにやは人の來ざらむ沙彌が歌一〓なな古き都の秋萩を思ふ人どち譯逢ひ見つるかな大鷹狩三おほき鷹今としなれば大荒木の森の下草人も刈けり〓霜枯に成にし野べと知ねばや儚く人の狩にきつらむ冬草の枯も果なでしかすがに今としふれば狩にのみくる〓枯の草葉をうしと思へばや冬野の野べを人の刈覽五以上業平ない暮暮し七夕つめに宿からむ天の河原に我は來にけり五五一年に一度きます君まてば宿かす人も有じとぞ思ふ〓須須の關秋萩凌ぎ駒なべて鷹狩をだにせでや別れむ小鷹狩家持〓思出て戀しくもあるか粟津野の小萩が原に我行し狩秋秋野野にぞりぞ暮ぬる女郞花今宵計りの宿もかさなむ六狩にとて我はきつれど女郞花見るに心ぞ思附きぬる六花の色を久しき物と思はねば我は野山をかりに社みれ百草の花は見ゆれど女郞花咲ける中にと狩暮してむ以上貫之狩にに野野にぞ來つる鈴蟲の聲はさやけき知べ也是野邊素性がいざ今日は春の野べに交りなむ暮なばなげの花の蔭かは〓春野の淺茅が上に思ふどち遊べる今日は忘られめやは春霞たの春日野を立返り我は逢ひ見むいや年のはにが野野に心やらむと思ふどち契し今日は暮ずも有らなむ貫之〓〓ににてて日日暮暮むむの日の長き心を思ふ限りはヘ春くれば花見むと思ふ心社野べの霞と共に立け立れあたに社野べの花見に我がごしか長々し日を暮しつる哉七ニ野野に出て見る共花の咲ざらば何に心を慰めてこむ〓思ふどち春の山べに打群てそことも知らぬ旅寢してしがt百草の花の紐とく秋の野に思ひ亂れむ人なとがめそ秋の野は道も行れずともすれば花のあたりに目のみ止りて營人のかずは知にき女郞花孰こと問はゞ如何答へむ〓に狩にと來來かり身や秋の野の花見程に日は暮に鳬七〓紅葉見に君に後れて終日に思はぬ山を思ひつるかな〓限なく我思人の行野べは色や散さめ〓〓〓ぞぞ咲きける〓秋風は涼しく成ぬ駒なべていざ野に行かむ萩の花見に山上億良秋の野に咲たる花を手に折てかき數ふれば七草の花シ萩尾花くず花なでしこの花女郞花また藤ばかま朝がほの花みゆき古郷は吉野の山し近ければ一日もみ雪降ぬ日はなし五玉津島入江の小松老にけり古き行幸の〓やや問はまし海の上女王か梓弓つまひくよどの遠とにも君が行幸を聞が嬉しさ左大臣橘朝臣葎はふ賤しき宿も大君の行幸としらば玉しかましを右大辨八束松松の〓き濱べに玉しかば君きまさむか〓き濱べに白白に行幸かくあらば大舟に眞楫しげぬき又返みむ大大のの幸の儘に我せこが手枕卷かず月ぞへにける芹川に行幸し給ふときに行平中納言れさがの山行幸ふりしに芹川の野べの古道跡は有けり〓小浪や志賀の辛崎行幸して大宮人のふねよそひせり都讀人知らず三大大ははにままば水鳥のすだくみ沼を都になしつ石上ふりにし奈良の都にも色は變らず花咲きにけり素性二第帖六歌和今古
見渡せば柳櫻をこきまぜて都は春のにしきなりけり山心すすぞぞ春は恨めしきいづれ都のさかひなるらむ大伴のよつ繩t藤藤の花は盛になりにけり奈良の都を思ほすやる君ゃいいししつもかに都に行きて武隈の松を見つとも人に語らむr都人いかにと問はゞ山高み晴ぬ雲居にわぶと答へよ都路を遠みや妹が此頃は肯びてぬれど夢に見えこぬ。渡つみは都擧りていにけらし世を宇治山の神もみなくに伊勢。けにし身に又もけぬべし春霞霞める方を都と思へば太宰帥小野老朝臣0青靑よし奈良の都は咲花の匂ふが如く今さかりなり都どり業平°C名にし負はゞいざ言問む都鳥我思人は有や無しやと10珍しく鳴も來たるか都鳥いづれの空に年をへぬらむ〓〓人の住經る宿は都鳥ことづて絕えて年ぞへにける乙麿60ぎぎはふ堀江の河のみな際にきゐつゝ鳴は都鳥かももゝしき人麿。百敷の大宮人は多けれど我思ふ人は〓とにぞありける伊勢か。山川の音にのみ聞く百敷を見をはや乍ら見由もがなおなじ。白露は置替はれども百敷のうつろふ秋は物ぞ悲しき亭子の帝一別るれど相も思はぬ百敷をみざらむとや何か悲しき人麿百數の大宮人はあめつちと月日とともに萬代にがも百數の大宮人の玉鉾の遣にもいでず躍こふるこの頃國中納言石川のとしたり天地もいほつ綱はふ萬代に國知られむといほつ綱はふ山山の木幡の森に馬は有れど思ふが爲は歩みてぞくる敷島の大和國に人は二人ありとし思はゞ何か歎かむ河內のや片しき山の片敷に雲か花かと浪ぞ寄せくるル津の國の蘆の八重葺ひまをなみ戀しき人に逢ぬ比哉か戀せむとなれる三河の八橋のくも手に物を思ふ頃哉〓遠江いなさ細江の澪標我をたのめてあらましものを一年ふれば駿河なるてふうど濱の疎くのみなど成增覽甲斐國つるの郡のいたのなる白玉小菅笠にぬひけむ一藏藏野の草葉もろむきとも斯も君が隨に我は寄にき常陸なる淺香の浦の玉藻社引けば根絕れ我は絕せじ1近江の海夕なみ千鳥ながなけば心も篠に〓〓〓思思はほん黑主たみの山に茂り重なる玉柏豐のあかりに逢ふが樂しさ紀の女王ヒ飛驒工ふかぬ板間も有物をいつの露ぞや袖にもりつゝ〓信濃なる千曲の川のさヾれ石君しふみては玉と拾はむた上毛のさのゝくゝ立折はやし我は待むゑ今年こず共忠岑cm陸奥にありと云なる名取川無名とりては苦しかり鳬三いで羽なる靑との關のすみだ川流ても見む水や濁ると若狭なる後瀨の山の後も逢む吾思ふ人にけふならず共たたはぢや大江の山のさね蔓絕む物とは我思なくに但但馬なる雪の白濱もろよせに思し物を一重とや見む立別れ因幡の山の峯に生ふる松とし聞かば今返來む人麿石見見のや高角山の樹間より我袖振るを妹見つらむや「播播なる生田の浦に世を盡す蜑の釣舟うかりればなど概黑主ままふくきびの中山帶にせる細谷川の音のさやけや加周防なる岩國山を越む日は手向よくせよあらし其道二第帖六歌和今古C長門なる沖つ借島奧まへて我思ふ人は千歳にもがも「紀國の堺の浦を見渡せば蜑のともしび波間よりみゆ人麿百つちの八十の島をば漕くれど淡路の島を見れど飽ぬかも三四豐國の鏡の山に岩戶たて籠りにけらし待てどきまさず吾吾につらき心は大隅のけしきの森のさもしるき哉郡10和和なるひねの郡の終日に戀てぞ暮す君が知るらむ在原のしげはる君がため命甲斐へぞ我は行くつるの郡の齡うるなり里大大ののりにし里に君を置て我寢兼つ夢に見えつゝハハい爰爰に我世はへなむ菅原や伏見の里の荒まくも惜し伊勢久方の月の桂の里なれば光をのみぞたのむべらなる業平cm今ぞ知る苦しき物と人待む里をばかれず訪べかり島一遲遅出出月月もも有哉山端のあなたの里も惜むなるべし一夏夜は月にぞ飽ぬ山の端のあなたの里に住べかり島伊勢ニ〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓爲に人の心のあれて見ゆらむ秋秋野野移移ひ行けば菅原や伏見の里の思ほゆる哉東路のいさめの里は初雁のながめを獨明すわが名ぞ〓〓〓〓〓〓〓に〓かに聲立て孰れなるらむ音無の里〓明日からに飛鳥の里を出ていなば君があたりを見すや成なむ〓見原の帝〓我宿に大雪ふれり大原や舊にし里にふらまくはをし石川のひろなりh家家に戀ひずあらめや蛙なく泉の里に年のへぬれば故〓駒なべていざ見に行む故〓は雪とのみ社花は散らめ貫之〓見し如も非ずも有哉故〓は花の色のみ褪せずぞ有ける伊勢〓りりずず聞まほしきを故〓の花見て歸人も逢はなむ興風きつきのみなく鶯の故郷は散にし梅の花にざりける式部卿あづみのみこp獨獨みのあ詠めて年を故〓の荒たる里をいかに見るらむやど伊勢荒にけり哀れ幾夜の宿なれや住けむ人の音信もせぬ訪人もなき宿なれどくる春は八重葎にも障らざり身八八葎葎生ひにし宿に唐衣誰が爲にとかうつ聲のする入よよ共に鳥の網張宿なれば身は懸らむと來人もなし菊の花落て流るゝ水にさへ波の皺なき宿にざりけるca徒然と年ふる宿はぬば玉の夜も日も長く成ぬべら也以上五首貫之伊勢七春にさへ忘られにける宿なれば色較べき花だにぞなき一我宿をさしてこざりし月だにも入では唯に歸物かは伊勢三七八重葎茂る宿には松蟲の聲よりほかに訪ふ人もなし〓思餘〓ぬる時は宿かれてあくがれぬべき心ち社すれ我宿は雪降しきて道もなし踏分て訪ふ人しなければ我背子はきませにかけらし我宿の草も靡けり露も落鳥僧正遍昭里は荒て人は舊にし宿なれや庭も籬も秋の野らなるNH露露ていに更訪はむ紅葉の降隱してし宿と見ながらやどりAl足足の山べに今はやどりせじ霞も深し訪ふ人もなし貫之o宿宿して春の山べに寢たる夜は夢の中にも花ぞ散ける二第帖六歌和今古〇四一二三
〓孰こにか宿り取らむ旭子がきすや岡べの玉笹の上にかきほ山山の垣根に咲ける槿は東雲ならで見るよしもなし〓戀しとも云人なしや山賤の垣生の花を何に折るらむ山山賤の垣ほにのみや戀ひわびむ我身も人も露の命に八〓淺芽生の野べや枯らむ山賤の垣ほの草は色も變らず五伊勢かなにしおはド長月每に君が爲垣ねの菊は匂へとぞ思う炸味人麿〓垣ほなる人と云へ共こま錦紐解きあぐる君も無き哉家〓梓弓春の野べに家ゐして我まづ聞かむうぐひすの聲か春くれば鶯の音も懷しきいざゐなか孰く打群て行む知貫之山山に香を尋ねてや梅の花匂へる宿に家ゐ初めけむ躬恒一妹が家のはひいりに立てる靑柳に今や鳴らむ鶯の聲ニ少女子が離るゝ髪なゆふ山の雲な隱しそ家のあたり見む貫之かかるる我我ことづてよ草枕旅は家こそ戀しかりけれ讀人不知人人ををしし人の古家にあひてやりつる人麿m思ふにし餘にしかば術をなみ出てぞ行し家のあたりみに妹があたり繼て見てまし大和なる大嶋峯に家も有ましを隣伊勢地域に見ればかひなし櫻花根こめに風は吹もこさなむManければ逢むと思に春なれど花の雪にぞ降隔つめる〓花植て我のみ見むとやは隣ありきは人や知るとぞ井家持0我宿の板井の〓水里遠み人しくまねば水草おひけり。大原やせが井の水を手に汲て鳥は鳴とも遊てゆかむ00落たぎつ走井の水〓ければ渡らで我は行過ぎむかも。湧湧如如には見ゆれど我宿の石井の〓水濡增りけりolみつぐりの中に向へる曝井の絕ず通はむそこに妻もが10武武なる堀かねの井の底を淺み思ふ心を何に譬へむね。あしびなす榮し君が堀し井の岩井の水は飮めど飽ぬかもまがき19夕暮の籬は山と見えなゝむ夜は越えじと宿り取べくタ募のまがきに咲ける撫子の花見る時ぞ人は戀しき深養父b冬ながら春の隣の近ければ中垣よりぞ花は咲きける貫之〓春は梅秋はまがきの菊の花己が香かくぞ哀なりける一春されば卯花くたし我越し妹が垣ほは荒ゆかむかも一奈良山の峯も霧あひむべしこそ籬の下に雪は消けれ家持ううたへに籬の姿見ま欲み行とは妹を見に社きつれ庭思ふ人こむと知せば八重葎はびこる庭に玉散ましを1少女子が玉藻すそひく此庭に秋風吹きて花は散つゝ〓荒磯海の濱にも非ぬ庭にきて數知られねば忘てぞつむには鳥も來ぬ人を今や〓〓と終夜まつには鳥の聲のみぞするヘ吳呉のふして寢ぬべき終夜まつには鳥の鳴明すなり難のかけのたり尾のしだリ尾の長々し夜を獨かも寢む〓戀々て稀に今宵ぞ逢坂のゆふつけ鳥は鳴ずも有なむ伊勢一逢坂のゆふ附鳥にあらば社人の往來を鳴つゝもみめ誰誰禊祝うれ鳥ぞ唐衣立田の山に立ちかへりなく一一ととぞぞ鳴な鳴よるよしゑやし獨ぬる夜は明ばあけなむ一八一二三二第帖六歌和今古かど三輪の御歌我宿は三輪の山本戀しくば訪らひきませ杉たてる門我我の前をかみしも打過て見しが如くもあらぬ君哉た孰こより忍入りてか感ふらむ戀は門なき物と社きけ門わさ田守るや人目の繁ければほに社出ね忘やはするさだふん浮世には門させりともみえなくになどか我身の出難にする二世の常に我思ひをば斯計り難きみかどを又出めやは戶02君やこむ我や行むの休らひふないで槇の板戶を鎖鎖ねに島一風吹くと人には云て戶はさゝじ逢むと君に云てし物を三天の戶のさも明難く見えし哉こや夏夜の短かりける三三行なくに我くらむかと朝戶明て哀我妹子待つゝ居らむ朝朝出出君君姿よよ見ずて長き春日も戀や暮さむm是足の山櫻戶を明け置きて我待つ君を誰かとゞむるなりくに〓の横の戶の假初臥もしてけるが徒いねを何につまゝし七千早振神の忌垣も越る身は草の戶ざしに障る物かはN奥奧の板の板戶を押開きしゑや出こね後は如何せむすだれ額田のみこ獨獨して我が戀をればわが宿の簾とほりて秋風ぞふくcm玉垂のこすの簾の行がてにいは寢られねど君は通はず「我ならぬ人にや人に玉垂のみす惱みすな顯は也ともき中納言行平ニ時時間間にはや慰めよ石上ふりにし床を打ち拂ふべく伊勢「渡つ海と荒にし床を今更に拂はヾ袖や泡と消えなむ臥てぬる床は草葉にあらね共秋くる宵は露けかり鳥素性臥てぬる常珍らなる君なれば今しも逢へる心ち社すれ伊勢夢ならであふ〓と難き世中は大方床を起ずやあらまし貫之けけさの床露置ながら悲しきは他ぬ夢路を戀る也けりハ夢にても戀しき人を見つる夜は朝の床ぞ起憂かりけるむしろA獨獨るる朽朽ちめやは綾筵をになる迄も君をば待たむ01春日野の靑嶺が峯の苔筵たれか織りけむ經緯なしに五玉鉾の道ゆき疲れいな筵しきても君を見む由もがなおきなニ味味なし何のまが事今更にわらは事する翁にしもてR,白雪の八重ふりしける歸山歸る〓〓も老いにける哉四〓老らくの來むと知せば門さしてなしと答て逢はざいな五渡つ海の翁も花は罹翳しけり春の至らぬ所なければ行平六五翁さび人などがめそかり衣今日計とぞたづも鳴なる貫之ほふり初て友待つ雪はぬば玉の黑髪の又變るなりけり兼輔中納言AM黑髪の色ふりしける白雪の待ちつる友は踈くも有哉な年毎にしらがの數は增鏡みつゝぞ雪の友はましける貫之〓徒に老いにけるかな高砂の松や我身のはてを語らむ〓若菜摘む春の便に年ふれば老つむ身社侘しかりけれ業平ニ頼賴れぬ浮世の中を歎つゝひげに老ぬる身をいかにせむ敏行老老とのどてなどや我身を園ぎけむ老ずば今日に逢まし物か=東三條左大臣鶯の笠に縫ふてふ梅の花折りてかざゝむ老隱るやと:貫之甲斐が嶺を山里と見れば蘆鶴の命をもたる人ぞ住ける二第帖六歌和今古드=四二
躬恒春にあふと思ふ心は嬉しくて今一年の老ぞそへけるおむないしかはの郞女古のおむなにしてや斯計戀に沈まむたわらはのごと忠房落積る松を拾ひて年ふれば老の爪木と人やみるらむ家持百百に老朽ちひそみ成ぬ共我は忘れじ戀ひは增す共親ct垂乳根の親に任て君も我も逢とは無しに年ぞへぬべきいへのおとくろまろ一垂乳根の親の飼蠶の繭籠いぶせくも有か妹に逢ずなて兼輔ニ人の親の心は關に非ねども子を思ふ道に迷ひぬる哉垂乳根の親の守りと相添ふる心計りは堰きな留めそ貫之同じ色の松と竹とは垂乳根の親子久しき例なりけり垂乳根の親に知せず我持たる心はよしや君が隨まにうなゐ讀人しらずうなゐ兒が髪に振つる藤の花きる懷しく思ほゆる哉讀人しらずさね蔓今する妹がうら若み笑みゝ怒りみきてし紐解く橋のてれる長やに我ゐ寢しうなゐ離りは髪上つらむわかいこ〓手手ととり滯り泣子に解も優れる我を置ていかにせむ〓見見つゝあなゐに落る綠子の惑へる戀も我はする哉くるまひろかはの女王ー入戀ぐざを力車に七くるまつみてもあまるわが心かな小車のまひて匂のたふさずば錦の紐を解むとぞ思ふうし我のりしとをうしとや思ひけむ草葉に懸る露の命をm是足の大和ことひの牛なれば面白く社今日は曳けれうまねしほつ山打越ゆけば我乘れる馬ぞ蹉く家戀ふらしも君君ふといねぬ朝げにたが乘れる駒の足音我に聞するませ越に麥はむ駒のはつ〓〓に及ばぬ戀も我はする哉〓駒駒のあし搔早くは雲居にも隱行かむぞ袖まく吾妹人麿遠く有て雲居に見ゆる妹が家に早く至らむ歩め黑駒〇九久の月毛の駒を打早め來ぬらむとのみ君をまつ哉〓小笠原へみの御牧に荒るゝ駒もとればぞ懷く子等が袖はもことへ餘り四をゝ越るたっの駒君すさめずば老果ぬべし寺ニ橋のてらの長やに一め見しうなゐは今は髪揚つらむ初初瀨女と思ひ立田の山遠み駒に留めてをる術もなしINさゝ波や志賀の山路の九折くる人絕て枯やしぬらむ白河に玉しけりとも見えなくに雲の林をあかしつる哉伊勢中中には知り顏にせよ山彥も昔の聲は聞知れるらむかねAP宵の鐘つかざる先に湯あみよと云てし物を耳つまなくに笠の女郎皆人を寢よとの鐘は撞なれど君をし思へばいねられぬかも法師けうぜい法師〇形こそみ山隱れの朽木なれ心は花になさばなりなむ。神無月時雨計を身に添へて知らぬ山路にふるぞ悲き貫之。物越に花を打見て人知れずわびたる心色めきぬべし00孰れ有とも分かむ山伏の落る淚も淵とこそなれ○此みゆき千年を替てあらせばや斯る山伏時に逢べく100苔の袖雪げの水にすゝぎつゝ行ふ身にも戀は絕せずな0世を厭ふ心は爰に止らなむ云でも世をばとも無き物を六六二第帖六歌和今古10今更に睦言のねに引き懸り苔の山路を忘れやはせむ素性x0世を厭ひ木の本每に立寄りてうつぶし染の苔の衣ぞあま加背くとて雲には乘らめ物なれど世の憂事ぞよそに成てふ齋院〓波中に袖ぞ濡ぬる蜑小舟のり後れたる我身と思へぼ一行舟の立も止らぬ木の下のいかなる蜑か長めかる覧た筑波嶺の岩も轟に落る水絕む物とは我が思はなくに水鳥笠〓女郞〓水鳥の鴨の羽色の春山のおぼつかなくも思ほゆる哉に紅葉する秋は來に島水鳥の音羽の山の色づく見れば如戀戀ふといねぬ朝げに水鳥の聲よわりゆく妹が使か○水水の浮ぶ此池の木葉落てうける心を我思はなくにたゞふさ一水鳥の儚き跡に年をへて通ふ計りのえにこそ有けれ三水鳥の己が浮べる心もて淵をも瀨とや思ひなすらむ風吹けば淀をむつぶる水鳥の浮寢をのみやわがれ渡らむ四人言の茂さまされば水鳥の鴨の浮寢の安けくもなしをし羽の上の霜打拂ふ人もなし鴛鴦の獨寢今朝ぞ悲しき冬冬を寝覺て聞けば鴛ぞなく拂ひも敢ず霜や置らむ地に住む名を鴛鳥の水を淺み隱るとすれど顯れに島ヘミル〓鳥鳥の河べに獨なく夜しも汀のなべてさえ增るらむ加君が名も我名も鴛の一番同江にこそ住まゝほしけれ〓白妙の波ふみ散す鴛鳥のはかなきあとと人や待らむよしもち一霜氷り心も解けぬ冬の池に夜更けてぞなく鴛の一聲貫之「浮ぶとも沈むともなき池水に名を鴛鳥の底にとぞ思鴨貫之洲にゐananれいいごごの色順に紛ふ鳥手に取計馴にける哉躬恒白波のうて共立ず群ゐつゝ人にもほかも目馴たる鳥려エム馴てこし沖の鷗はつげなくに後の心を爭で知け罪む冬冬の夜の鴨の上毛に置霜の消て物思ふ頃にもある哉音に立て夜は侘てふ浮鴨の我水隱れに訪も來なゝむ「難波江の水うき通ふあし鴨の下に通ひて哀とぞ思ふ加輦鴨の騷ぐ入江の白波の知ずや人をかく戀ひむとは古今和歌六帖第三水足引の山下とよみ行水のときぞともなく思ほゆる哉源よしの朝臣一足引の山下水の木隱れてたぎつ心を堰きぞかねつる一足引の山下水の下くゞり行く程知らぬ戀もするかな1ことならば山下水となりなむ人め茂きの中も行べくな忍ぶれど苦しきものを足曳の山下水の常にながれて」夏の野の草下隱れ行く水の絕ぬ心ある我と知らずや人思ふとは何をか更に岩〓水心を汲みて人は知らなむ伊勢か春每に流るゝ川を花と見て折られぬ水に袖や濡なむ〓岩瀨山谷の下水打ち忍び人も見ぬ間に流れてぞふる沼水の波には立てゞ底深み草隱れつゝ逢ふ由もがな一音無の山の下行くさゞら水あなかま我も思ふ心ありニ奧山の木の葉隱れに行く水の音聞しより常に忘れず貫之松をのみ常磐と思へば世と共に流るゝ水も綠也けり忠岑君が代に逢坂山の岩〓水木隱れたりと何おもひけむ三第帖六歌印今古七〇三二三
〇。蘆べ行鴨の羽音の音にのみ聞つゝ人を見でや止なむゆはらのおほきみ一吉野なる菜摘の川の河淀に鴨ぞなくなる山陰にして大伴坂上郞女エよそにゐて戀つゝあらほぼははが家の池に住てふ鴨ならましを五,貫之五祈りくる鴨と思ふを綾無も鷗さへ唯なみとcm見ゆ覽三五敷妙の枕にだにも我をなせ鴨の浮寢は苦しかりけり四五吾妹子が戀るにやあらむ沖に住鴨の浮寢の安けくもなしささ玉玉玉ををきき池池鴨ぞはぎるおのが尾にふり置五ける霜を拂ふとならし鳰鳩鳥の下安からぬ心にはあたりの水も凍らざりけりA霜霜上の飛に飛かふ鳰〓〓の羽風には獨在人もいも寢兼つゝな鳥鳥のおきなか河は絕ぬ共君に語らふ〓とつきめやは%鳥鳥の同じ浮寢をする時は夜深き聲を共にこそ聞けメ君が名も我名も立てじ池に住鳰と云ふ鳥の下に通はむ逹〓との渚によする鳰鳥のうきに沈みて物をそ思へ三六鳰鳥のすだく池水こゝろあらぼ君に我戀ひ心示さねロト春の池の玉藻に遊ぶ鳰鳥の脚のいと無さ戀もする哉〓獨のみみつの堀江に住む鳰のそこは絕ずも戀渡る哉鵜家持年年ににし走ればさわぐ河うやつかつけて川瀨尋む白河の瀨を尋ねつゝ吾背子は鵜河たゝさば心ならさむ鵜河たち取りはむ鮎の下は絕え我に限に思し思へば龜古古ののの路路に有と聞く龜のかふとも聞せてしがな。ヒゐの川井堰にふせる亀山の命のかざり逢見てしがな〓波間より出くる龜は萬代とわが思ふとの知べ也けりいをニ渡つ海の神のしまける魚故に漕ぎな疲れそ蜑の鈎舟伊勢海に釣する蜑の魚をなみ受も引れぬ戀もする哉〓行水の下なる戀の苦しきは網の人めを謹むなりけり七鯉エル淀川の底に住ねど戀ひと云ば總ていを社ねられざりけれふなたかやすの大君沖へ行きへにゆき今や妹が爲我砂どれるもぶし束鮒七人知ず水の下には通へ共あふなは取じと思ひし物をすゞきkr鱸鱸るる〓飯の浦の蜑にもが今なき行ていへつ島みむ七鱸釣るあまの焚火のよそにだに見ぬ人故に戀る此頃七荒妙の藤江の浦に鱸つる海士とか見らむ旅行く我を鯛〓逢ふ事を阿漕の島に曳網の度重ならば人も知りなむ鮎〓君ませば物も思ず玉河の瀨に伏す鮎のやなほこりして〓惜惜夜を妹とも寢なで取難き鮎取る〓〓と岩の上にゐてひを学治河の瀨々に有てふ網代木に多の氷魚も侘さする哉m流くる紅葉の色の赤ければ網代に氷魚のよるも見え鳬か過しくる氷魚數ふ共宇治川の網代木ならねばよらじとぞ思川〓三吉野の大河水のゆほびかに非ぬ物故波のたつらむ、河の瀨に靡くを見れば玉もかも散亂たる河の常かもか水隱ていきつき餘る早河の瀨には立とも人に云むやのみさきの小川を今朝見れば愈〓くなりにける哉忠岑一濁なき〓瀧川の岸なれば底より咲くと見ゆる藤なみニ絕絕行飛鳥の川のゆかざらば故もあらしと人の見らくに遠へ行くこちこせ川に誰しかも色どり難き綠染けむ照る月の桂の川しきよければ上下秋の紅葉をぞみる1津の國の生田の川の幾度か君を戀しと我おもふらむ960〇五三二三三第帖六歌和今古〓〓更に更科川の流れてもうき影見せむ物ならなくにせ唐衣立田の川の聲聞けば今はきぬとも思ほゆるかなA朝朝に石見の川のみを絕ず戀しき人に逢みてしがな妹妹門門門入の川の瀨を早み我馬爪づく妹戀ふるかも。利根川は底は濁りてうに澄みて有りる物をさねて悔しく。むこ川のみを早みかも赤駒の足掻くゝぎ満にける哉coふじ川の瀨に住可も思ほえず戀しき人の影もみえねばco玉川の增らば增れまこま野のこま野のとのゝ舟ならなくに°C淀河の淀むと人はみるらめど流れて深き心有る物を100堀川のせきの堰杭の打渡し逢でも人に戀ひらるゝ哉お朝ごとに聞けば遙けし泉川淺く聞きつゝうたふ舟人亂つゝ人だに寄らぬいとは川波の騷ぐは水のよるとかx0我紐を妹が手もちてゆふは川又返りみむ萬代までにbo筑波根の峯より落るみなの川戀ぞ溜りて淵と成ぬる貫之〓常よりも春きにければ櫻川波の花社まなく寄すらめ君戀ふと人しらねばや紀國の音無川の音だにもせぬ人知れず濡にし袖の乾かぬは阿武隈川の水にや有覽身に近き名をぞ賴みし陸奧の衣の川とみてや渡らむ古の賢き人の遊びけむ吉野の川はみれど他かぬかも君こずば誰にかみせむ白川の瀨々に渦まく瀧の白玉陸奥に有と云なる玉川の偶さかにても逢見てしがな衝なくゐなの河原をみる時は大和戀しく思ほゆる哉ハ筑紫なる大かた川の大方は我獨のみわたるうきせか夕夕かけても人を賴まねど涙は加茂の川にこそたて〓三吉野のあきつの川の萬代に絕ゆる時なく又歸見む一百敷の大宮ちかきみゝと川流れて君を聞き渡るかなみま欲しみこしくも著く吉野川音のさやけさ見に乏しく三〓捨の月をしめでし耳と川底をのみこそ忍び渡らめ兼輔音にのみ聞まし物な音羽川渡るとなしにみ馴初けむ一假にても別ると思へばかみや川瀨々の衝の亂てぞ鳴心心にもあらで別れしあひづ川浮世を水に流しつる哉七目無河耳無山の見もきかず有せば人を恨みざらまし淵淵とも何か頼まむ妹背川心はせにしよらむと思へばた世中はなぞ大和なる水馴川見馴初ずぞ有べかりける〓〓つつ〓賴みぞ渡る泊瀨川嬉しき世にも流れあふやと一 中中をいとな歎きそ飛鳥の細麺はず飛鳥の川は淵瀨也是二三みかの原湧て流るゝ泉川いつみきとてか戀しかる覽旅人のまき流すといふ壬生川の言は通へど舟ぞ通はぬ播磨潟海に出たる飾磨川絕えむ日にこそ我戀やまめたみつ川の淵瀨も知ず棹さして假の衣をほす人もなし〓〓背川川くく薬薬用水れて我は戀ふとも人は知じな鈴鹿川音に聞てや世をばへむ年經每に馴るゝとも無くヘ〓因幡川否とし遂に云果てば流て世にも住じとぞ思ふ点川世々道なしと聞て社いとふの神も立は寄りけれ00〓瀨川袖つくばかり淺きせを心深めて我はおもはむ「思ふとも音無川の音なせそ下には水の絕ぬものからコーつ川りる〓と無く思ふにも一日も君を忘兼ぬるニ流流てて絕絕とぞ思ふ思川いづれか深き心なりける哀とは思ひ渡れど最上川淵をも瀨をもえこそ定めね五井井井おろす筏のいかなば流て常に戀しかるらむ碧瀧にいそさへ淀むうふ川のあかたうたひて我思議現には更にも云ず播磨なる夢さき川の流ても逢はむAN岩田川岩さへ騷ぎ行く水の下はくづれて思ふ頃かな秋秋のふく立田川紅葉ばの錦を見つゝいかゞ渡らむニュー梁瀬川淵ミニュニ瀬定めぬ世と聞けば我身も深く賴れぞする一粒ねぶれ共袖ひづ川のうつ卷理に戀しき人の影無り鳬二百濟川河瀬を早み赤駒の足のそゝぎに濡れにける哉おれつ三吉野の岩もと去ずなく蛙むべも鳴らむ川の瀨〓み三小小田の深田の蛙何故に戀路に濡れて鳴ならなくに五三第帖六歌和今古六九三二三931
五1我が宿に相宿りして住む蛙夜になればや物は悲しき本山山の花かげ見ゆる澤水にいまぞ蛙の聲きこゆなる7.五五瀬を早み河落ちたぎつ白波に蛙なくなり朝夕ごとにAL草枕旅にもの思ふ我がきくに夕かたかけて鳴蛙かもな玉川の人をもよきず鳴蛙此夕影は惜しくやはあらぬ秋風に蛙つま呼ぶ夕されば衣手寒しまくらせむかも一六澤水に蛙なくなり山吹のうつろふ影や底に見ゆらむ普ばかり落る白川知ねども蛙が聲をとめて來にけり一夕さらで蛙鳴也三輪川の〓き瀨の音を聞けばしよしも橋葛城や渡す久米路のつぎ橋は心も知ずいざ歸りなむ五六石上ふるの高橋たか〓〓に妹か待らむ夜ぞ更にける林條保川に凍り渡れる薄氷のうすき心を我思はなくに戀戀くくば濱名の橋を出てみよ下行水に影やみゆると津國の難波の浦の一橋君をしもへばあからめもせず中中に君もなりなむ鵠の行合の橋にあからめなせそ〓人人すすだになきを何にかも長柄の橋と身の成ぬ覽七-難波なる長柄の橋も造るなり今は我身を何に譬へむ以上二首伊勢百雲のたなひき渡る足曳の山のたな橋われも渡らむさしさがら野は白露に濡にけり秋てふ〓とを紅にして以上二首貫之七山口聽せんや聽せるや橋打ち打橋四十四渡するん〓せの山に直に向へる妹ままゝゝゝの淀の繼橋心にも思ふか妹が夢に見えつる七丸をばたゞの板田の橋のこぼれなば桁よりゆかむ戀ふな我妹子せふるゝ身は涙の中に見ゆればや長柄の橋に誤たる覧ひ化し保保川に凍渡れるうすらひの薄き心を我思はなくに〓水鳥の鴨の住池の下樋なく訝しき妹を今日見つる哉ゐせきo大大河河せせに水の絕えずも物を思ふ頃哉〓大井河せきの古杭年ふ共我忘られむとやは思ひして旅旅ああば後の慰め有るべきを淚の堰水や越えなむ三大井川堰のゐ杭打ち渡し戀しとのみや思ひわたらむ〓にに障らざりけり紅葉は落くる水の色に見えつゝ朝朝にゐでこす波のたやすくも逢ぬ妹故瀧も轟ろにしがらみ我殊子に我戀らくは水ならば柵越て〓ぬべべほゆ玉藻かるゐでの柵薄きかも戀のよどめる我が心かも飛飛川瀬々に玉藻は多かれど柵あれば靡きても逢ず貫之八か涙河そまのみなわし早ければせきぞかねつる袖の柵秋秋の花のながるゝ川瀨には柵かくる鹿の音もせす"大井川心柵かみしもに千鳥しばなき夜ぞ更けにけるニ人人知れぬ中は柵懸たれや戀しき瀨にも逢ふ由のなき春道のつらきシ山山に風の懸けたる柵は流れもあへぬ紅葉なりけり伊勢〓水もせに浮ぬる時の柵はうちの殿とも見えずぞ有ける九ミル瀬をせけば淵となりても淀み鳬別をとむる柵ぞなき夜河貫之九篝火の影となる身の侘しきは流て下に燃ゆる也けり業平th大大川浮ぶ鵜舟の篝火に小倉の山も名のみ也けり貫之AN大空にあらぬ物から河波孤aに星かと見ゆる篝火の影篝火に非ぬ物からなぞも斯淚の川に浮ても强ゆらむ00篝火の影し映ればぬば玉の夜川の水は底も見えけり○桂川夜かひのぼる篝火のかゝり身とも今こそは知れ網代人麿。武士の八十字治川の網代木にいざよふ波の寄べ知ずも躬恒。河上に時雨のみふる網代木に紅葉さへぞ落增りける貫之。落積る紅葉ば見れば百年の秋の泊望は網代なりけり貰之エロ紅葉の流れて止る網代には白波も又寄らぬ日ぞなき50三吉野の吉野の河の網代には瀧の水泡ぞ落增りける貫之〓宇治川の中に流て君まさば我も網代に寄りぬべき哉No宇治川の波の夜々音をぞ泣網代もるてふ人のつらさにやなかや見見なば河風寒く吹く時ぞ波の花さへ落增りける〓あだ人の築打渡すせを早み心には思へど直に逢はぬかも江一入江漕ぐ柵無し小舟こぎ返り同じ人のみ思ほゆる哉一玉津島入江の小松人ならば幾世か經しと問まし物を三奥奥の玉造り江に漕舟の音には立てず君戀ふる身は貫之津國の長らへゆかば忘られで猶もみまく優の堀江なる覽ルてて後後ぞ悲き濁江のそことも知らぬありか思へば心心にも有で浮世に住の江の岸とはなみに濡るゝ袖哉一湊入は波騒がしみ芦まよふえにこそ人を思べらなれヘ伊勢の海のをのゝ湊の流江の流れても見む人の心をカ哀てふ心一つに筑摩江の戀渡るとは知ずやあるらむ〓住江の目に近からば岸にゐて波の數をも讀べき物を池一背背子が老ゆるが惜しささたの池の玉藻にもが 必ずの社なかり上貫之雨雨るとふく松風は聞ゆれど池の汀は增らざりけり三猿澤の池もつらしな我妹子が玉藻潜かば水も干なまし〓ををみみ益田の池の浮尊くるにぞ物の亂れとはなる云知らで人目謹みにせかれにし池の水とも行ぬ心かたあだ也と名にし磐余の池なれば人に根尊立にざりける七思へども人目を謹む淚社あさへの池と成ぬべらなれヘ勝間田の池に住てふ戀々て稀にもよそに見るぞ悲き加原の池に生ふる玉藻の假初に君を我思物ならなくに〓逢事はなら FFIしの池の水なれや絕み絕ずみ年のへぬ覽·試水鳥を騷がすたかの池見れば湊にのみぞ波も立ける二三水鳥の浮きて心の惑ふかな宮地の池に年はへぬれば何何も云でこしたの池に立かく云知らぬ物は思はず同じくば君と並の池に社身を投げつとも人に語らむ一輩鴨のすだく池水增るとも堰の方に我こひたみめやは赤人古古のふるき堤は年ふかみ池の渚にみくさ生ひにけり沼奥山の岩垣沼の水籠りにこひや渡らむ逢ふ由をなみトル水草生て有とも見えぬ沼水の下の心を知る人ぞなきた紅の色には出でじ隱れ沼の下に通ひて戀は死ぬとも00いつとてか我が戀ざらむ陸奧の淺香の沼は煙絕ゆ共『隠れかなく逢ず成なば陸奥のいかほの沼の我いかにせむ二四隱沼の下行水の思ほえばいかにせよとか我寢初けむ隱沼の下に戀れば飽たらず人に語りついむてふ物をうき芦ねはふうきは上こそ難面けれ下はえならず思心を11何事も云はれざり身身の憂は生たる蘆のねのみなかれて蘆の根の弱き心はうき每に先折れ伏て音ぞ泣れける瀧貫之七春くれば瀧の白糸いかなれや結ぶとも猶泡に見ゆ覽AP流れくる瀧の糸こそ弱からしぬけど亂れて落る白玉加系とさへ見えて流るゝ瀧なれば絕べくも非すぬける白玉ユ思ふと瀧にもあらなむ流ても葢せぬ物と安く賴まむ一五山高み梢を分けて流來る瀧にたぐへて落つる紅葉か二五春立て風や吹とく今日見れば瀧のみをより玉ぞ散ける白波やの亂るゝとのみ見えつるは落來瀧の言いとにぞ有ける三第帖六歌和今古
山分けて落ちくる瀧を白雲の靉くとのみ驚かれつゝ五以上八首貫之百草の花の蔭までうつしつゝ音も變らの白河のたき遍昭対今更に我は歸らじ瀧見つゝよべと聞ずととはゞ答へよ伊勢七水上と宜も云けり雲居より落來るごとも見ゆる瀧哉しんたいほふし〓〓〓瀧瀧の瀨々の白糸くりためて山分衣織りてきましを貫之な見つとのみ思し物を流くる瀧は多くの糸にざりける〇石石より落くる瀧の波間にも人を忘るゝ我が心かは六いかにして數を知まし落たぎつ瀧のみをより落る白玉二六打絕て落る淚になる瀑のたぎれて人を見ぬが侘しさ六ニ流つせの早き心を何しかも人めづゞみの堰留むらむ行水の我心にしかなはねば人まつ瀑となりやしぬ覽かさのかなむら五年毎に斯も見てしが三吉野の〓きかふちの瀧の白波山高み白ゆふ花に落たぎつ瀧の河內は見れど飽ぬかも貫亂る人社あるらし白玉の間無もふるか袖の狹きにハミ足の山路知らねど惑はれず音羽の瀧の音の著さに白河の瀧の白糸見ま欲しみよるをぞ人は待と云ふ也〓白河の瀧の糸見ま欲しけれど猥に人はよせじ物をや源ののぼる〓いつの間に降積にけむ三吉野の山のかひより崩れ落る瀧法皇御歌ニ宮のたき宜も名に負て聞え島落る白泡の玉と響けば躬恒嵐吹けど所もさらぬ白雲は世をへて落る瀧にざりける忠岑落たぎつ瀧の水上年積り老にけらしなくろき筋なし此思置心の內のたまなれや落つとは見れど音に聞えぬにはたづみ世中は有て空しきにはたづみ己がゆき〓〓ぬる身を比にはたづみ流るゝ方の無ればや物思人の袖に流るゝNeにはたづみ木の下隱流れせば泡沫は猶有と見ましや九甚だも降らぬ雨故にはたづみ痛くな行そ人の知べくtうたかた素性の浮〓とは中世にふる物をたきつせに增るニセーシ沫沫絕む物かんぱは「泡沫のうまやは人の思ひつゝ匂ひ色濃く染てし物をシ池流も思へば悲し世中を誰うき物と知らせそめけむ降降めば跡だに見えぬ泡沫の消て捗なき世を賴む哉伊勢〓思河絕ず流るゝ水のあわのうたかた人に逢で消めや澤〓君が爲山田の澤にゑぐ摘と濡にし袖は干せど乾かず貫之〓眞菰かる淀の澤水雨降れば常より殊にまさる我が戀〓流增す淀の澤水雨やまばいかにならむと覺ほゆる哉淵〓朧ろげの淵やは騒ぐ山河の淺き瀨に社うは波はたてな思〓淵にも瀨にも陷りなば人の心の淺しとや云はむ〓いかにして俄に淵に陷りにし憂に死せぬ我身隱しに一千千振神も知るらむ淀川のよどめる淵のふかき心は二九山高みみつと云はめや玉きはる岸垣淵の隱れたる妻九ニ神神ひを打まふさきの岩淵の隱てのみや我戀をせむ〓水水る時は淵なる山河の瀧ならねばや音のたえせぬ九瀨伊勢私紅ののるるの川の白波の絕ぬ瀨と社なりぬべらなれ九川のせの漲るあわの流れても人の憂瀨は消て恨みむ家持千千鳴鳴佐保の川とのせを廣み駒打渡しいつか通はむJOI三第帖六歌和今古〓原深養文〓此川の渡る瀨もなし紅葉の流れて深き色をみすれば大伴のやすみか一つせは波さへ障り行水の後もあひなむ今ならず共○秋風に山吹の瀨の響くなべ空なる雲の騒ぎあへるかも。初瀨川幾瀨か渡る我妹子がか置てしくれば八瀨社渡れco名取川幾瀨か渡る七瀨とも八瀨とも知す夜し渡れば。00飛鳥川瀨々の浮沫に流ても安きいをぬる我とやは知m面面ぢみあはぬ君故徒にこの川のせに玉裳ぬらしつ海00伊勢の海の波間に下す釣の〓のうちはへ獨戀渡る哉お押なべて世は皆海と成なゝむ同なぎさに波やよすると是則toわたの底潜きて知らむ人知れず思ふ心の深さ比べに○潜き出でぬ波高磯の鮑故うみてふ海はかづき盡しつか君戀る淚の底に海は有ど人をみるめは生ずぞ有ける勢伊。海とのみ圓居の中は成ぬめりかそそ逢ぬ影の見ゆれば棹させど底ひも知ぬ渡つ海の深き心を君は知らなむ一思遣る心は海に似たれ共文しなければ知ずや有らむ以上二首貫之伊勢の海の千尋の底も限あれば深き心を何に譬へむ流ゆく身をし思へば大方の海を見るにも恨絶えせず千々々の川流れてつたふ渡つ海の水底深く思ふ頃かな須磨の浦に鹽やく焰夕されば行過ぎがてに山に變く〓大海に島も有なくに海原のたゆたふ波に立てる白雲貫之〓浦毎に咲きちる波の花見れば海には春も暮ぬ也けり渡つ海の沖の潮瀨に流ても人のよるせは有一有てふ物を〓なごの海の朝げの名殘今もかも磯の浦わに亂て有むあま一網引する海士少女子が袖通り濡にし衣干せど乾かず二網引するあまとや見らむ秋の浦の〓き荒磯をみにこし我を渡っ海はつらき心や深からむ蜑てふ蜑の恨つゝふる伊勢の海の蜑のし業のあこや玉取ての後も戀の繁けむ浦浦に漁するあまの求ても戀しき人に逢むとぞ思ふ三少少漁漁り焚火のおほゝしく見てし人しも戀渡る覽朝な〓〓あまの棹さす浦深み及ばぬ戀も我はする哉伊勢心心して玉藻は刈れど袖每に光見えぬは蜑にぞ有けるながのいきまろた大宮の內まで聞ゆ網引すとあご調ふる海士の呼び聲9難波潟生ふる玉藻を假初のあまとぞ我は成ぬべらなる中々に君にはずらひ浦のあまと成ましを玉藻刈つゝたくなは一一緒繩の長き命の欲けくいやは絕でも人を見まほしみ也伊勢海の蜑の栲繩繰し敢ば人に讓らむと我思なくにmuののの尋尋考〓繰繰返し見てこそやまめ人の心を三しほ正なはの浦に汐やく焰夕されば行過ぎがてに山に變くやまぐちの女わう加蘆間より滿くる潮の彌ましに思はませどあはぬ君哉に伊勢の蜑の鹽やく煙風をいたみ思はぬ方に靉きに身一生牛の波の鹽さゐ島續き戀しき君に逢ずもありなむ加須磨の浦に玉藻刈ほす蜑衣袖みつ潮の干る時やなきca難難潟汐干潮みち常なれば思ひ思はず見えぬる物を四煙にも馴やしぬ覽年ふれば鹽燒蜑にとひもしてしが『荒潮のうつし心も我はなし夜ひる人を戀ひし渡れば難波潟朝な〓〓に滿汐のみちに社みて乾く世もなしあゆち潟汐干にけらしちたの浦に朝漕舟の沖による見ゆ15渡渡みみの沖つ汐合に浮ぶ泡の絕ぬ物から寄方まなしおおしてるや難波の浦に燒鹽の辛くも我は老にける哉三第帖六歌和今古八九五二三965
行平わやらばに訪人あらば須磨の浦に藻汐垂つゝ佗と答よ円領須の浦に鹽燒焰夕されば行過がてに山にたなびくA渡渡海海の沖の潮瀨に流ても人のよるせは有てふ物をしほがま山ぐちの女わう〓〓竈の前に浮たる浮島の浮きて思のある世なりけりニ我思ふ心もしるく陸奥のちかの鹽竈ちかづきにけり伊勢一二蟹舟の通ひこしより鹽竈の焰いたます思ひつきにき三陸奧のちかの鹽竈ちか乍ら遙けくのみも思ほゆる哉我我子を都へやりて鹽竈の籬の島を待つはくるしも一座奥はいづこもあれど鹽竈の籬の島の綱手かなしも〓〓竈の浦漕つらむ舟の音に聞しが如く聞くは悲しも舟七十六大ののひひとしま行けば我は戀しなたゞにあふ迄エルい我我を人な咎めそ大舟のゆたのたゆたに物思頃を人麿なお張らふvep沖沖小小に風を痛み舟寄り兼つ心は思へど五よううややにに舟渡し唯のりに妹が心に乘てけるかも"蟹小舟帆かもはれるなどと迄迄にともの浦わに波立てるみゆ業平難波津を今日こそ御津の浦每に是や此世を海渡る船高市の皇子ニあありりて漕行舟は高島のあとの湊によりにける哉〓月月を雲な隱しそ島蔭に我舟よせむとまり知らずも人麿渡つ海の孰の神を祝はヾか行さも來さも舟の早けむ,ああかまの鹽つを指て漕舟のなはいひてしを逢ざらめやはつのまろ風をいたみ沖つ白波高からし蜑の釣舟こぎ歸るみゆうは〓み沖へさし出る蜑舟の楫取まなく思ほゆるかもが近江の海波恐ろしみ風早み年早へむかさすとは無に小町七〓〓かから浮たる舟に乘初て一日も波に曬濡ぬ日ぞなきたかちのくろ人一しはつ山打越えくれば笠縫の島漕ぎ歸る棚なし小舟人麿ヒほほ〓〓〓明との石の浦の朝霧に島隱れ行舟をしぞ思ふ沙彌滿誓三水の江の浦島の子が釣舟も同じ浦にぞ三年こぐてふ大船に葦穂刈積みしみゝにも妹が心にのりにけるかも世世中を何に譬へむ朝ばらけ漕ぎゆく舟のあとの白波七白波の打越し返る18に時にあはゞ底に沈める舟も浮なむ磯に立ち沖べを見れば藻刈舟蜑漕出らし鴨翔るみゆさささして行くかたは湊の波高み恨みて返る海士の釣舟深養父白波に秋の木葉の浮べるを蜑の流せる舟かとぞ思ふ七貫之の追風の吹ぬる時は漕舟のほに出てこそ嬉しかりけれかちおん〓白波の跡なき方に行く舟も風ぞ便のしるしなりける「汐せ舟かたかけ小舟流る共痛くな侘ぞ楫とりゆかむ〓ひとみには蜑の夕舟沖に出てつれも渚に漕寄せなむ鸚ゐるすにをる舟の夕汐を待つ覽よりは我こそ增め14夕されば楫の音聞ゆ蜑小舟沖つ藻刈に舟出すらしもつりかいせの海の蜑の栲繩打はへて戀しとのみや思渡らむい伊勢海に釣する蜑の衣よりも我ぞ淚に袖はひぢぬる風風いたみ沖つ白波高からし蜑の釣舟濱に歸りぬ八磯馴るゝ蜑の釣繩打はへて苦くも有か妹にあはずてcししののののする小舟うけ絕ず心に思ひ出て來に身いかり七四六二三三第帖六歌和今古一大船のたゆたふ海に碇下しいかにしてかも我戀やまむ近近の海沖こぐ舟の碇おろし忍びし君が言まつ我を伊勢シ追風に風はなほりて吹ぬとも蜑の碇 留まりやせむあみ厭へども猶住の江の浦に干す網の目茂き戀もする哉住吉の津守の網引釣のをの浮びか行む戀つゝ有ずは六九蜑舟のへにへりつめる網の目はつらき心の數にざりける七九逢との片よせにする網の目にいはけ無き迄戀かゝりぬるなのりそA〓梓弓弓津のべなるなのりその花咲く迄に逢ぬ君かも赤人〓ゐるる磯に生る莫〓藻の我名〓さね レは知とも九0紫のなだかの浦のなのりその磯に靡かむ時まつ我は藻。藻刈舟今ぞ渚にきよすなる芦邊のたづの聲さわぐ也。〓ののだだかの浦のなびき藻の心は君に寄りにし物を二0人れぬ戀の苦しさ藻刈ふね湊入江にたつぞなくなる00幾世しも有じ我身をなぞも斯蜑の刈藻に思ひ亂るゝ50玉藻かるとしまを過ぎて夏草の野嶋が崎に庵する我ねーの波つる玉藻夜の間にも君を見捨てゝいも寢兼つも伊勢+0伊勢海に年へて住し蜑なれば孰の藻かは潜き殘せるxoわたの底沖を深めて生る藻の最ど今しぞ戀はすらしもねる見潟恨みぞ深き沖つ波打寄する藻に埋もるゝ身は〓風早み沖の玉藻の繰返し波のよるしも何さわぎけむ弓削皇子一夕されば潮滿來なむ住江のあさかの浦に玉藻刈てな人麿一水底に生ふる玉藻の打靡き心をよせて戀ふるこの頃ニ沖つ風吹かまくしらず荒海の朝げの舟に玉藻刈兼ね荒磯こす波は恐ろししかすがに海の玉藻は憎くやは非ぬ1今日もかも沖つ玉藻は白波のやへ折が上に亂てをあらむ雨はふる假ほに作るいつの間に蜑の汐干に玉も拾はむみるめ白波を折かけ蜑の漕舟は命にかふるみるめ刈りにか大方はわかなも湊漕出なむ人をみるめも沖に社かれ素性か沖つ瀨の渦まき毎に留むれど猶求めつる世のうきめ哉深養父。滿つ潮の流干る間も逢難みみるめの浦に夜を社まて渡つ海の底に荒たるみるめをば御舟漕てぞ蜑は刈しふ朧げの蜑やは潜く伊勢海の浪高き浦に生ふるみるめは伊勢海の朝な夕なに潜くてふみるめに人を飽由もがな白波は立騒ぐ共こりずまの浦のみるめは刈むとぞ思白ののる人は蜑のかるてふ珍しき哉た憂めのみ浮て亂るゝ浦なれば假にのみ社蜑はよろらめわれから沖つ波打よする藻に庵して行方定めぬ我からぞこは心君は猶恨みられ島蜑の刈藻にすむ蟲の名を忘れつゝ內侍のすけきよいこ蟹の刈藻に住蟲の我からと音を社鳴かめ世をば怨じうらc若若の蒲に若め刈乾す我を見て沖漕舟の過がてにする一君なくて蘆刈けりと思ふには最ど難波の浦ぞ住憂き三三野野の浦の松原水隱れて根は一にや生ひ添はる覽風吹けば生田の浦の幾度かあるゝ心を我に見すらむ貫之ニキニ生の浦にをふる玉藻の假初に蜑とぞ我は成ぬべらなる三1逢達のの思へば苦し荒磯海の恨やせましかひは無く共小辨た高嶋のあとの湖漕ぎ過ぎて鹽つすか浦今かこぐらむ三第帖六歌和今古一九六二三967
きて見ればなごの浦まによる貝の拾も敢ず君ぞ戀しき小町ルト蟹の住む浦漕舟の楫をなみ世をうみ渡る我ぞ悲しきたいなびのは行過ぬらしあま傅ひひかさの浦にあま傳ひ見ゆ5円鹽竈の浦とはなしに君戀ふる煙絕ずもなりにける哉「爭で我心をだにもやりてしが遠く鳴海の恨がてらに伊勢一二熊野の浦より遠に漕舟の我をばよそに隔てつる哉三汐汐燒蜑く蜑の焚火の燃ざらば吹飯の浦を今日見ましやは我戀を知人あらば田子の浦に立らむ波の數を數へよ中納言兼輔1月夕夜覺束なきを玉くしげ二見の浦は明てこそ見め荒きたの野坂の浦に舟出して三嶋に行かむ波立なゆめ人麿10ををの浦に舟乘す覽少女子が玉藻の裾に潮滿らむかA我戀ふる妹に逢さず玉の浦に衣かたしき獨かも寢む貝伊勢の海に蜑の取てふ忘貝忘にけらし君も來まさず貫之co寄寄る波打も寄せなむ我戀ふる人忘貝おりて拾はむ坂上のらう女二我我子をこふれば苦し海ならば拾ひに行かむ戀点貝「伊勢の海の渚に寄する空せ貝空し賴に世を盡しつゝ人麿ニー暇あらば拾ひて行かむ住吉の岸にありてふ戀忘れ貝五躬恒〓〓〓海の海めしく社思はゆれ片貝をのみ人の拾へば五住吉の濱によるてふ空せ貝みなき〓ともて我戀むやもな紀の國のあくらの濱の忘貝我は忘れず年はふれどもなぎさ百波の立ち返りくる心かな今は渚によせむともせずAL我のみやあだ名はたつと磯に出て渚を見れば波も立島加逢との渚に身をしなしつれば袖も涙に濡ぬ日ぞなき島草蔭のあらゐが崎の笠島を見つゝや君が獨り越ゆ覽おほえのあさつな一稀稀れどあだ名は立ぬ戯れ島よる白波を濡衣にして〓別るれど別れと思はず出羽なる敦賀の島の絕じと思へばニ難難潟湖みちくらし海士衣田簑の島にたづなき渡る下下ややのの島に立つ煙思ありとも今日こそは知れ戒仙法師Iああ戀し行てや見まし紀國に今もありてふ浦の初島陸奥にありと云なる松島のまつに久しく訪はぬ君白妙の波打返し海土衣うら島にきてぬれやわたらむ渡っ海の簪にさせる白妙の波もて結へる淡路島見む藻刈舟沖漕來らし妹が島かたみの浦にたづ翔る見ゆ。よそに見し常世の島の二所ありとし聞けば更に賴まず貫之。雨によりかも田簑の島を今日行ば難波隱ぬ物にぞ有ける濱恵ひくれ歎さ明石の濱によるみるめ少く成ぬべら也七ヒトよそ也し思吹上の濱にほすみるめは難き物にざりける七〓但馬なる雪の白濱もろせにと思し物を人のとや見む七たうと濱の疎くてのみや世をば經む波の夜々逢見てしがなひたぶるに思なはてそ人知れず思ふ心は荒磯海の濱人麿我背子が赤裳濡して植し田を刈て收めむくら無の濱No卷戀ぬ悲しき〓とも慰めむ孰れなかすの濱べなるらむ住吉の沖つ白波風吹けばきよする濱を見れば〓しも赤人丈夫は御狩にたゝし少女子は赤裳裾引く〓き濱べを〓紀國の吹上の濱もある物を沈みはてぬと何歎くらむ968三第帖六歌和今古濱千鳥〓難波津に我待舟は〓來らしみつの濱べに千鳥鳴く也=聲をだに聞けば名草の濱衡古巣忘れず常にとひこよあさたゞ白波の立よる浦の濱千鳥跡や尋ぬるしるべなるらむ我戀は名高の浦の濱千鳥をはにもふれぬ君が身故に一本有左台よもすから寝さめて聞けば上つけに心もしのに鳴くちどりかな八八嶋嶋浦浦浦跡千鳥君はありとぞ思けらしなはまゆふ人麿〓三熊野の浦の濱ゆふ百重なる心は思へど直に逢ぬかも〓三熊野の浦の濱ゆふ幾重ね我より人を思ひますらむな思きす人し無れば三熊野の浦の濱ゆふ重ねだになし最どしく憂三熊野の濱ゆふに重ねて物な思はせそ君一三熊野の浦の濱ゆふ幾重とも我をば人の思ひ隔つるさきみさきまひ荒磯によるいほへ波立ても居ても君をしぞ思ふ九思つゝくれど來兼つみほが崎まかなの浦を又顧みつ九妹妹が爲玉を拾ふと紀國の由良のみさきに此日暮しつ九1波の立〓見が崎にゐる衛誰見よとてか跡のさやけき磯か小搖ぎの磯立馴し磯藥摘むめざし濡すな沖にをれ波九敏行4玉玉のめが孰ら小搖ぎの磯の波分け沖に出に島貫之風風よの波の磯には爲の春もえ知らぬ花のみぞ咲く忠岑か君を思心は人にこゆるぎの磯の玉藻や今はからまし浪○大海に立らむ浪は今もあらむ君戀らくは止時もなし貫之。打寄する浦波見れば我戀の盡きぬ數社先知られけれ人麿30住吉の岸に家もが沖にへに寄する白波見つゝ忍ばむ○○彼ふる遠つ近江による波の縱ひ寄る世憎からなくに00立てば立つ居れば又居る吹風と波とは思どちにや有覽10待つけて諸共にこそ歸るもの波より先に人の立らむお住吉の岸の松根を打晒し來寄する波の音のさやけさtoいかにして歇べき物ぞ君を思ふ心荒磯によする白波もとかたx0立ち返り哀とぞ思ふよそにても君に心を沖つしら波文屋朝康b草草木木色色變れども渡つ海の波の花社秋なかりけれ伊勢〓住江の身に近からば打寄する波の數をも讀べき物を作吉の岸にむかへる淡路嶋哀と君を云はぬ日ぞなきみをつくし一溶標心盡して思ふかもこの間ももとな夢にし見ゆる一一ぬぬれば今將同じ難波なる身を盡しても逢むとぞ思興風君こふる涙床に滿ちぬれば溶標とぞ我は 〓〓〓〓〓河浪浪湖も湖もかゝる溶標寄するかたなき戀もするかなかた〓難波潟汐干に立て見渡せば淡路の嶋にたづ翔る見ゆ丹比眞人〓波波潟汐干に出て玉藻刈蜑少女子はながな告鳴さね貫之一早晩といぶせかりつる難波潟盧刈分て御舟來にけりた夏そひく海上潟の沖つ洲に舟は留めよさよ更にけりみなと家持○湊風痛く吹らしなごの江に妻呼び交したづ騷ぐ見ゆ三第帖六歌和今古二八七二三969
一入る月の流るゝ見れば天の河出る湊は海にざりける素性鞣二紅葉ばの流れてとまる湊には紅深きなみぞ立ちける石河の大きみ一沖つ波へ波立とも吾背子が御舟の泊りに浪立めやは大大山霞になびき風吹きて我舟とめむ泊り知らずもT斯の如戀つゝ非ずは岩木にも成まし物を物思ずして三心には千重に思へど人に云ぬ我戀妻を見む由もがな〓戀は皆樣々有と聞なべに己がじゝとぞ音は泣れける四TOU戀戀ねささねねぬに慰むとも無きに怪く合ぬ目をも見哉戀々に人戀々にこひしなば燃えむ焔も戀のかやせむㅋ今は早や戀しなましを相見むと賴めし事ぞ命也けるNo見逢すば戀しき〓とも無らまし音にぞ人を聞可りける僞もにっきてぞするいつよりか見ぬ人戀に人の死する人燃える〓〓死死なばこひも死ねとや玉鉾の道行人に言傳もせぬ五-ますらをの現し心も我はなし夜晝分かず戀し渡れば三年度る迄にも人は有てふをいつのまにぞも我戀にける三五我命生けらむ限忘れめやいや日毎には思ひますともかさの郞女天地の神も理なくばこそ我思ふ君とあはず死にせめ中臣郞女11直直逢逢見見ばばのみ社玉きはる命に向ふ我戀やまめ家持五六戀死なむ其も同じな何せむに人目人とふたみわかせもほ思絶えわびにし物を中々に何に術なく逢見初めけむ〓〓戀しとは誰名けゝむ言葉ぞしぬとぞ唯に云可りける〓〓見見にはいか計狂に狂ひ思ほゆるかも遂見見ばばはは戀はなぎなむと思へどいよゝ戀增けりスよの程も出つゝくらく數多度なれば我胸煎り燒が如ニ我我ややくも我業をしき躍やし君にこふるも我心からテ達達では千歲や經ぬる否をかも〓〓や〓思然然然人人ななな舊舊ししに有人を愛てや君が戀にしにせむ慰むる心はなしにかくてのみ戀や渡らむ月に日毎に貫之〓我戀は知らぬ山路に非なくになどか心の惑消ぬべき五百千鳥鳴時あれど君をのみ戀る我ねはいつと分れず古今和歌六帖第四戀我幾は行方も知らず果もなし逢ふを限と思ふ計りぞ〓我戀は虛しき空に滿ぬらし思遣れども行く方もなしせいさやまだ戀てふ〓とも知なくにこやそなる覽い社ねられねヘ我戀は人知りねとや響めとや響む覽とや知らばしれとやた戀しとは云じと思ふに昨日今日心弱くも成ぬべき哉〓身をも且思ふ物から戀と云へば燃る中にも入る心哉戀てへば知らぬ道にもあらなくに怪しく惑ふ我心哉割無てねても覺ても戀らるゝ心を孰ち遣らば忘れむ三いか計戀てふ山の深ければ入りと入ぬる人感ふらむ戀死なむ後は何せむ生ける日の爲社人は見まく欲けれ三坂上大娘貳本一世中の苦しき物に有けらく戀にたへずて命しぬべした戀しきに侘て魂出て去なば空しき骸の名にや殘らむ七天離鄙とも著くこゝだくも繁き戀かも長き日もなし朝夕に見む時さへや吾妹子がみれど見ぬ如〓戀しけむ伊勢藥た戀しきに死ぬる物とは聞ね共世の例にも成ぬべき哉00秋夜のよちを一夜になずらへて八千夜しねばや戀は醒なむ笠郞女成本〓なぬか行く濱の眞砂と我戀と孰れまされり沖つ白波入かかきヽらす心の闇に迷ひにき夢現とは今宵さだめよ讀人しらず08 我妹子に戀て術なし白妙の袖返しょしょ夢にみえさや一我妹子が袖かへすよの夢ならし誠も君に逢ごと有き"夢にだになぞかも見えぬ見ゆれ共我にも惑ふ戀の繁さに三九夢路にはあしも休まず通へども現に獨みし〓とは非ず映なき思のまゝに夜も來む夢路にさへや人の答めむ九100ののにに見見むとを賴つゝ暮せる宵はねむ方もなし九〓見し夢の思ひ出れどはかなきは此よの如に非ぬ也鳬いいをしねば夢にも人を見べきにこふと思へば唯に明しつ九けんけい法師〓唐夢夢見見見き思はぬ中ぞ遙けかりける深養父一本れぬば玉のゆめに何かは慰めむ現にだにもあかぬ心を○世中はねても覺ても夢ならば忘ぬさへを忘るとやせむ。物思へばいもねられぬを怪くも忘るゝ事を夢に見哉貫之。ねぬるよの夢は浪にも非なくに立返ても君をみつるか源寄香。夢計捗なき物は無りけり何とて人に逢ふと見つらむ〓戀しさの慰べくも非ざりき夢の內にも夢と見しかばTo忘ねどなにぞもしるし夢の內に物儚くて已にし物をお現にも儚き事の侘しきはねなくに夢と思ふなりけり伊勢見し夢の思出らるゝ宵毎に云はぬを知るは淚也けり〓君をのみ思寢にねし夢なれば我心から見る也けり貫之か夢に見てかひ無事の侘しきは醒る現の戀にぞ有ける躬恒。夢にても嬉しとも見ば現にて侘しきよりは猶優なむ雨やまぬ山の天雲立居つゝ安き空なく君をしぞ思ふ是曳の山したたぎつ岩なみの心くだけて人ぞ戀しきかさの郞女わる。〓戀するにしぬる物にし有ませば千度ぞ我は死返まし片戀七一片戀は苦しき物と水籠の神にうれへて知せてしがな「水籠の神に愁へむ斯ばかり戀しき人をみずと思へばミみみもものの神し誠の神ならばわが片戀を諸戀になせ七水籠の神に問ても聞てしが戀つゝあはぬ何の罪ぞも七〓春霞立ちにし日より今までに我戀やまず片戀にしてねむごろに片思するか此頃は我心から生けるとも無伊勢の蜑の朝な夕なにかづくてふ飽の貝の片思にてヘル水の泡の玉に交れる色貝のなど片戀に年はへぬらむ〓思遺方は知ねば50片もふひの底にぞ我が〓ははにに舍人皇子c丈夫や片戀せむと歎けども醜chsの丈夫なほ戀にけり小町〓思つゝぬればや人のみぇつ醫夢と知せば覺ざらましを業平ねぬる夜の夢を捗なみ睡ろめば彌捗なにも成增る哉敏行〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓通ふ夢のたゞぢは現ならなむ戀死ねとする業ならしぬば玉の夜はすがら八夢に見えつゝ敏行住吉の岸による浪よるさへや夢の通路人めよくらむ五八鳥玉の闇の現は定かなる夢に幾らもまさらざりけり與風い侘ぬれば强て忘れむと思へ共夢てふ物ぞ人賴めなる齋宮ハ君やこし我や行けむ思ほえず夢か現かねてか覺てか返し業平四第帖六歌和今古
命にも優りて惜くある物は見果てぬ夢の覺る也けり藤原宇合卿一本一曉の夢に見えつゝ河島のいそこす浪のしきて思ほゆおもかげ業平三目がるとも思ほえなくに忘らるゝ時し無れば俤に立つ坂上郞女我兄子が佛山のさかゐまに和我のみ戀て見ぬは妬しも一目を覺て隙より月を眺れば面影にのみ君は見えつる笠の女郎如元た陸奥のまのゝ萱原遠けれど面影にしも見ゆと云物を一見し時は戀つゝをれど夕暮の妹が見し顔面影に見ゆんともし火の影にか通ふ空蟬の妹が面影戀しくおぼゆか自妙の衣手かへて我待つとあるらむ君も面影に見ゆ躬恒〓咲かざらむ物とはなしに櫻花俤にのみまだき見ゆ覽一夢にても見ゆとは見えじ朝々我佛に恥づる身なれば返し伊勢一ははつつに漬ても見えずやは心にのりて焦れし物を一心にやのりて戀しきあふみてふ名は徒に水影もせで夕暮は物思まさる見し人のこと問ひし顔面影にして笠女郞から〓斯計面影にのみ思ほえばいかにかもせむ人目繁くてうたゝね〓轉寢にはかなき人を夢に見て現にさへも落つる淚か小町モ垂乳根の親の諫めし轉寢は物思ふ時の業にざりける〓轉寢に戀しき人を見てしより夢て物は賴み初てきた轉寢の夢にや有らむ櫻花儚く見てぞやみぬべらなる淚川敏行col徒然のながめに增る淚川袖のみひぢて逢ふ由もなし返し業平一淺み社袖はひづらめ涙川身さへ流ると聞かば賴まむ涙川ほりやる方の無ればや身を離れては流れざる覽貫之一世と共に流れてぞ行く淚川冬も凍らぬみなわ也けりモ淚川いかなる水か流るらむなど我戀をけつ時のなき三正いかばかり物思ふときの淚川から紅に袖のそむらむ貫之〓早き瀨にみるめ生せば我袖の涙の川に植て見ましを涙川身を柵にせきかねて流れくるとは知ずや有らむ伊勢〓〓事事の君に絕にし我身よりいくらの涙流れ出づらむ加涙川浮たる泡と身をなして人の浮瀨を流れてを見むco君君ふる淚しなくば唐衣胸のあたりは色燃えなまし「身をせばみ袖よりも降淚には難面き入も濡よとぞ思包めども袖にたまらぬ白玉は人をみぬ目の涙也けり小町愚なる淚ぞ袖に玉はなす我は堰敢ずたきつ瀨なれば貫之戀しきや色にはある覽淚川流るゝおくの水ぞ移ろふTM懸ててへば涙の川の瀨を早み心づからや又は泣れむ加飽ずして君を戀つる淚には浮沈みつゝやせ渡りつる一夏き〓とのかくわく時は淚川目の前にこそ落溜りけれうらみNEうくも世に思心に叶はぬか誰も千歲の松ならなくに加世中の憂もつらきも悲きも誰に云へとか人の難面きOH云へばえに云ねば苦し世中を歎てのみも過すべき哉一人やりにあらぬものから魂と一つ心に身をぞ恨むる思はずば難面き事もつらからじ賴めば人を恨つる哉三朝なげに世の憂事を忍とて詠せし間に年ぞへにける〓我我我を思はむ人もがなさてもやうきと世を心みむたかむら一本思思ももれれし綾な道芝の人の古せる我ならなくに〓厭れて我やは侘て獨ぬる萩の下葉の色附けばなどぞな今はとて人の枯はてや淺茅生にされば薺の花ぞ咲ける七躬恒〇五五雨雨に亂れやはせし菖蒲草あやなし今は思忘れね〓吉野河よしのかはれよ遮莫瀨になる淵は無ば社有め雜の思そへにとてとすれば斯り斯すればあな云知ず逢さ語〓思ふてふ人の心の隈ごとに立隱れつゝ見る由もがな〓思へ共思はずとのみ云なれば今は思はじ思かひなし、我を思ふ人を思はの報にやわが思ふ人の我を思はぬ深養父思けむ人をぞ共に思はましまさしや報無りけりやは我をのみ思と云はゞ有べきをいでや心は大幣にしてハ誰により思亂るゝ心ぞは知らぬぞ人のつらさ也けるハ人心今は限となりぬれば見し社見ぬに劣らざりけれ0人人れず思へば苦しいかにして同じ心に人を〓へむ九えぞ知らぬ今試む命あらば我や忘るゝ人やとはぬと僞のなき世なりせばいか計人の言の葉嬉しからまし「偽と思ふものから今さらにたが誠をか我はたのまむ現現にも夢にも人に夜し逢へば暮行く計嬉しきはなし九貫之逢見ずて戀しき事を譬ふれば苦しき〓とは物ならなくに同じ人九逢見ずて我戀死なむ命をば道に人やつらし難と思はむ六逢事を月日に添へて待時は今行末になりねとぞ思ふ〓。ををななげの言葉と云ひ乍思はぬ人にかくる物かは〓心なき草本なれ共哀とぞ物思ふ時の目には見えける○哀てふ〓と微りせば云べきを何に譬へてこふと知せむ哀てふ事よわひほかかああにある物を人に知らるゝ淚也島よ世中はいかに苦しと思ふらむ萬の人に恨みらるれば然然有とて背かれなくに事しあれば先歎るゝあなう世中メ渡つ海の深き心は有乍ら恨みられぬる物にぞ有ける女數ならぬ身は心だに無からなむ思知ずば恨ざらまし〓〓見見ははしし社社ときけ難面さのみも增る君哉伊勢4本水の泡の消えて浮世と知ながら流ても猶賴まるゝ哉〇人人ははままの刈藻に繁く共思はましかばよしや世中「流ては妹背の山の中に落つる吉野の瀧のよしや世中中務有しだに憂りし物を飽ずとて孰くにそふるつらさなる覽躬恒我のみぞ悲かりける七夕も逢で過せる年し無ければ友則〓みるも無くめもなき浦の濱に出て返す〓〓も恨つる哉友則浮浮乍消らぬせぬ泡にとなりなゝむ流てとだ賴いなくに雲もなく風たる朝の我なれや厭れてのみ世をばへぬ覽玉藻かるあまの行かひさす棹の長くや人を恨渡らむ貫之一八六惜からで悲しき物は身也けり浮世を捨む方し無れば伊勢惜からの命なれども心にし任せたらねば恨てぞふる九事でかく憂もつらきも二しへに心一をなして見す覽〓忘ぬと云しに適ふ君なれど訪ぬはつらき物にぞ有ける恨みず二つらけれどいさまだ人を恨ずよ甲斐無く成む樣の『執方に行隱れなむ世中に身のあれば社人もつらけれ人よりは我こそ先に忘なめ難面きをしも何か賴まむないがしろ秋萩の玉まく葛のうるさ〓〓我をな戀そ逢ひも思ず七梵否云云云む人をもしひじ敷島の倭の國に人や絕たる四第帖六歌和今古
00古のしづの苧環いやしきもよきも盛はありこし物を興風一本°C相思はぬ人を思ふぞ病なる何か有馬の湯へも行べき興風TO身は捨つ心をだにもはふらさじ遂にはいかゞ成と知べくお命かは何ぞも露のあだ物を逢にしかへば惜からなくに中務bo徒に度々死ぬと云なるはあふには何をかへむとす覽返し源のさねあきら一o死死〓〓〓聞聞〓〓〓〓ににも相見ねば命もいつの世にかおに加心をしむかうの里に置たらばはこやの山は見まく近けむ我宿の櫃に錠さし納めたる戀のやつこの握み懸りて夕月夜さすや岡べに造るやの形をかしみ鹿ぞ寄くる一眉根かき紐とき渡リ待らむや早晩見むと思ふ我妹子人麿一一人人名名の負に負ふ夜聲いち著く我中絕えば妻と賴まむ思思に到らば妹が嬉しみと笑まむ眉引謂も思ほゆる哉〓新計戀む物とし思はねば妹が袂をまかめ夜もありき〓時時の打鳴す鼓數見れば時要には成ぬあはぬ怪しも七大方に我し思はゞ斯計り難きみかどを罷り出なむやんあさ柏ぬるや河べの東雲に人も相逢ず君なしがちにが我妹子を相知せたる人を社戀の增れば恨め20しし思思cををの浦に釣りる蜑の舟乘に乘りにし心常に忘ず一今も思ふ後も忘れず刈菰の亂れてのみぞ我戀わたる〓水莖の岡の葛葉を吹返し誰かも君をこひむと思ひし三一昨年のさいつ年より今年迄戀れどなどか妹に逢難き心こそ心をはかる心なれ心のあたはこゝろなりけりゆめにのみきゝ〓〓〓ときゝく〓ときゝ〓〓君によりよゝ〓〓〓〓とよゝ〓〓と音をのみ三嶋にこ七奧山の霜降かゝる楢の葉の靑かりしより思ひ初き山賤の垣ほに圍ふませ垣のませたりとしも見えー君哉た住人はさも社あらめ云ふ人の變る聲社怪しかりけれ〓百敷の庭に搔しく白沙のされたりき共思はざりしを云人はさも社有め聞人のいたさわく顏そ思遣らるゝ三いき果を痛くな云そそかくだにいそといふなる:東三條右大臣戀しとも我は申さずあだしそゝ死ぬる物也死ぬる物也聲立て鳴ぞしぬべき秋山に友感はせる鹿には非ねどh水の泡の消えて憂身と思へ共流れて猶も賴まるゝ哉何をして身の徒に老ぬらむ年の思はむ事もやさしく〓すぎ板もて葺る板間の逢ざらばいかにせよとでわがね初けむ人人のするあたねもせずて帯木や君を思へば夜ぞ更にける加神山の身を卯花の郭公くやし〓〓と音をのみぞなくco千早振たゞすの神の前にして空鳴きしつる時鳥かな「千早振神も聞らむ今日よりは長きうへめと賴まるゝ哉深養父「嬉しくは忘るゝ〓とも有なましつらきぞ永き形見也ける躬恒草草木木吹けば枯行く秋風に咲きのみ增る物思の花返し貫之こと繁き心より咲く物思の花の枝をばつら杖につく女をはなれて詠める紀友則瀧つせにうき草の根はとめつとも人の心をいかゞ賴なむ加朝顏のきのふのはなは枯れずとも空中をそめてともしにかひつともAPとりの子を十づゝ十はかさぬとも四加かたなもて流るゝ水は斬りつとも五525蜘蛛の網に吹くる風に留めつとも〓吹く風を雲のふくろにこめつとも玉ふる雪を空にとめては有りぬとも五置く露をけたで玉とはなしつとも四第帖六歌和今古한m入る月を山の端にげて入れずとも在原のしげはる毛の末にはねつる馬はつなぐとも〓袖の内に月のひかりはとゞむとも散らずして去年の櫻はありぬともAXもちぢ葉に風をば包みとめつともな田子の浦の波をば鎭めとめつとも水水泡泡泡しら玉とてはぬきつとも〓かみすぢに千ひろの舟は繫ぐともこふの石を蟻におほせて運ぶとも數の眉に國こほりをば立てつともひを打ちて水の內にはともすとも紀貫之時時はるをなけとはverあとふとも陽炎のかげをば行きてとりつともわたつ海の波の花をばとりつとも〓〓ぐ舟の棹のしづくは落ちずとも網の目に吹きくる風はとまるとも°〓荒るゝ馬を朽ちたる繩に繫ぐともtをみなへー我が妻にては年ふとも行く水にふりくる雪はとまるとも七我が袖のなみだに魚はすみぬとも大凡內躬恒ます鏡ぬしなきかげはうつるとも1:佐保山のもみぢぬ秋はありぬとも七だかるかやを螢の火にはともすともヒ一つ笥に虎のまだらはわきつともNo春春へへかかをば皆もとどむともなしろき毛をこき綠にはかへすとも七2年のうちに月なき月はありぬともAわたつ海を〓びて底は見せつとも露露をとけてののちはわきつともててをさへて吉野の瀧はせきつとも祝我君は千代にましませ小れ石の巖と成て苔の生までハててひひ起きて數ふる萬代は神ぞ知るらむ我君の爲在原のしげはる鶴龜も千歲の後は知らなくに飽ぬ心に任せ果てゝむ古もありきあらずば知ねども千歲の例し君に始めむ〓神なびの山の上なる岩〓水いはひてぞ汲む萬代の爲か龜尾の山の岩根をとめて落る瀧の白玉千世の數かも〓しほの山さしでの磯に住衝君が御代をば八千代とぞ鳴貫之かか見見るるづの村鳥君に社己が世々をば祝ふべらなれ伊勢九山風は吹けど吹ねど白波のよする岩根は久しかり鳬九大空に群たるたづのさし乍ら思ふ心のありげなる哉=貫之鶴多く世をへて見ゆる濱べこそ千歲積れる所也けれ百歲と祝ふを我は聞き乍ら思ふが爲は飽ずも有ける九同じ人今年生ひのにひ桑繭の唐衣千代をかねてぞ祝初ける同じ人〓岩の上に塵も無れど蟬の羽の袖にのみ社祝ふべらなれおなじ人1年年のみ思ひつめつゝ今迄に心にあける事の無き哉おなじ人思ふ〓と心にあれば植てみる松を千歳の例とぞ思〓〓おなじ人。浪の間に砂千踏越え鳴たづは君に千歲を讓るべら也伊勢。賴めつゝ懸れる藤は松樹の千歳をふ共他ずぞ有ける紀貫之四第帖六歌和今古四五〇三三大凡內躬恒
住の江の濱の眞砂を踏む鶴に久しき跡を止むる也見貫センバー。我我の松の梢になくたづを千代のゆかりと思ふ也島忠岑°C眞鶴の立居馴せる川の瀨に千歲の跡を殘さゞるべき深養父一常磐なる松の調べに彈琴は〓每に君を千歲とぞなる貫2 x代萬代の松にぞ年を祈つる千歳の蔭に住まむと思へば貫之七常磐なる花柄に郭公なきとよめつゝ千代もへぬかなxo植て見る松と竹とぞ君が代の千歳雪ふる色も變らずx0色變ぬ松と竹との末の代を何れ久しと君のみぞ見し伊勢〓顯はなる潟にしも住む蘆鶴は千代をみよてふ心懷かし一代代ともさしては云じ白鶴の知ぬ迄社あらま欲けれ一糸をのみ絕ずくりため靑柳の年の〓長き印とぞ思ふ貫之三大井河關のわき〓鳴千鳥幾世の秋を數へきぬらむ一でで君君が千歳は菊の花置く白露に濡れむとぞ思ふ梓弓つるの命もかゝらなむ君を譬へに人はひくとも與風山陰の菊の下水いかなれば汲人毎に老せざるるるる。らむ躬恒一千代をふる松に懸れる苔なれば年の〓永く成にけらしも兼盛萬代をけふよそとせと數ふれば殘遙けき君が御代哉伊勢か年毎に生添竹の世々を經て變らぬ色を誰とかも見む°見え渡る濱の眞砂や蘆鶴の千代を數ふる數となす覽貫之一松の上に降敷雪を輩鶴の千代の緣りに住むかとぞ思露霜を忍べる菊は見る人の千年を送るしるし也けり伊勢三八少女の袖かと見ゆる女郞花君を祝て貫之Eほほききゝゝ君が千年を菊花置む露にも濡ハむとそ思一雪の內に千歳變らぬ松が枝は久しき心誰によすらむ大爭でかと思時にに世中の千代てふ事も他ずぞ有ける鹽竈の磯のいさごを包みもて御代の數とぞ思べらなる貫之〓〓険く限〓で果ぬる菊の花むべしも千代の齡のぶらむた吹風も飽かず思ひて白浪の數にぞ君が年をよせつる○君と猶千年の春に逢坂の〓水は我も汲まむとぞ思ふ打まよふ綱代に立てる蘆鶴の齡を君に浪もこさなむ誰が年の數とかは見る往かひて衡鳴なる濱の眞砂を一人しきを願ふ身なれば春霞變く松をいかでとぞ思ふ三三山山を映して行水を漕ぎくる舟の幾世へぬらむ君君代代の年の數とは白妙の濱の眞砂を誰かしきけむ一世と共に行かふ舟を見毎にほに出て君を千歳とぞ思祝つゝ植たる宿の花なれば思ふが如ぞ色こかりける伊勢なるヘ千千ふふ松松と云とも植て見人ぞ數へて知べかりける加えの菊下行く水に影見れば更に浪なく老せざりけりCN竹をしも多く植たる宿なれば千年は外の物とやは見-1群て居る河べのたづは君が爲我思ふ〓とを思ふべら也四一枝の菊折からに新玉の千年はたゞにへぬべかり鳬貫之やる二十七世の緣りにしあれば松風の類ひしたづの聲ぞ聞ゆる菊の花植たる野べの怪しきば老てふとは知ぬ也けりささららよよるるににたづは君がへむ世の知べ也是加松風の吹かむ限は打はへて絕べくも非ず咲ける藤浪二〇ー三三〓た君が爲移して植うる呉竹の千世も籠れる心ち社すれxx紅葉はいくそ計か散り變る綠ながらにまつが久しさ躬恒加君が代は長月ときく百歲を一人と聞けば猶飽かぬ哉伊勢cm2露かゝる菊の中なる蘆鶴は今幾度の千代をそふらむ若葉貫之ニ者若生る野べてふ野べを君が爲萬代占て摘むとぞ思同じ人三朝露にしとゞに袖を濡しつゝ君が爲とぞ若菜摘つる素性三春日野に若葉摘みつゝ萬代を祈る心は神ぞ知るらむ伊勢わ。春日野に若菜の數は殘してむ千歳の春は我ぞ摘べき貫之わる一千千千振神たちよけよ君が爲摘む春日野の若菜也けり躬恒六春の野に衣かたしき誰が爲か習はぬ袖に若菜摘らむ一春春野野の若菜も我を祈らなむ誰爲に摘む物ならなくに伊勢〓春の野の若菜ならねど君が爲年の數をも摘まむとぞ思〓〓妙〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓の若菜摘しも誰が爲にぞは躬恒〓春野に心をだにもやらぬ身は若菜は摘で年を社つめ貫之一春立むすなはち毎に君が爲千年摘むべき若菜也けり杖一是曳の山をさかしみ木綿附くる榊の作を枝に切つゝすべ神のみ山の杖は山人の千年祈りにきれる杖なり世々をへて舊たる翁杖突て花のあたりを見山もがな千千早振神の切切むむつくからに千年の坂も越ぬべら也ゆふかけの君をためはし孤に我等をなすな千代松の杖きんもとある本よ一つ一に世代を籠めたる杖なればつく共盡じ君が齡もかざし貫之〓春來れば宿に先づ咲く梅の花君が千年の簪とぞ見る春日野の藤は散行く何をかもみ狩の人の折て翳さむ人麿○妹が手を執て引寄せ打手折り我翳すべき花咲るかも七「渡つ海の簪にさして祝ふ藻も君が爲には惜まざり〓七ニ千千祈るるが警に求むればかねの枝より花ぞ散ける萬代のもりとしげれば花折て常磐の簪君に參らせむ七人應古にありけむ人も我が如や三輪の檜原に挿頭折けむ百百の大宮人は暇あれや櫻かざしてこゝにつどへり伊勢我宿と賴む吉野に君が行かば同じ簪をさし社はせめ貫之翳すとも花咲宿は賴まれずみのなり出む年の無ればこれひらNo萬萬の霜〓にしせに白せぬ白菊を後やすくもかざしつる哉N彥星の簪の玉は妻こふと亂れにけらし此の河のせに紀友則の露なから折て翳さむ菊の花老せぬ秋の久しかるべく二條左大臣氏、誰爲と永き冬まで匂ふらむ問はゞ千年と君に答へよ我かざす柳の糸を吹き亂る風にや妹が梅のちるらむ別ニー別をば峰の櫻に任せてむ止めむ止めじは花の隨に遠く行く人を惜むと人も皆時鳥さへなきぬべらなり貫之七四一三三
、むむらしし物物を鼎春霞立ち別れなば何心ちせむ、な別てふ事は色にもあらなくに心にしみて侘しかる覽惜みつゝ別るゝ人を見る時は我淚さへ止らざりけり〓思ふ人留めて遠く別るれば心行くとも思ほえなくにか豫豫よより別を惜しと思せば出立むとは思はざらまし九おとは山こだかくなきて時鳥君が別を惜むべらなり一かつ越て別も行か逢坂は人賴めなる名に社ありけれこれ。又理もこそ物へ行く人我が惜め涙の限君に泣きつる君惜む090が涙落ちそひ此の河の汀增りて流るべらなり〓我にしも草の枕は乞なくに物へときけば惜くぞ有ける1君君行行く所ときけば月見つゝ姨捨山ぞ戀しかりける貫之東見てだにも飽ぬ心を玉鉾の道のくまでも人の行く哉別行く人を惜むし今宵より遠き夢路ぞ我はまどはむ貫之八九糸による物ならなくに別路の心細くも思はゆるかな松は皆たけ堺をも爰に留め置て別て出る心しらなむ〓きのふけふ見べき限と守りつる松と竹とを今ぞ別るゝ暫我が止る代りに千世迄の君が送りにくすり社せめ。〓く行く君を送ると思ひやる心も共に旅寢をぞせむ業平50出で行君を祝ふとぬぎつれば我さへもなく成にける哉〓びひては誰か別の難からむ有しに增るけふは悲しもいせふたつng別てはいつか逢見むと思へ共限ある世の命ともなしお獨行く事社うけれ古〓の奈良の傚ひて見し人をなみto命だに心にかなふものならば何か別の悲しかるべきたかむらxo思きや鄙の別に衰へて蜑のなはたくいさりせむとはな向ひゐて見だに飽ぬ我妹子が立別なばたづき知ずも。白妙の袖解きそけて通ふ覽月日數へて行てみましや郎女一別るべき物と知せば紀國の妹背の山にあらまし物を人麿一笹の葉はみ山もよそに別る覽我は妹にし別きぬれば一山山に落る紅葉暫はとちちりりも亂りな亂れそ妹があたり見む〓思ふなと妹は云へ共逢む時いつと知てか我戀ざらむ白白の袖別るべき日を近み心に咽せて泣のみぞなく〓我妹子が我を送るあ白と白妙の袖ひづ迄に泣し思ほゆ後れゐて戀つゞ有ず紀國の妹背の山に有まし物を〓ししゝゝあり慰めて玉の〓の絕て別は悲しかるべしか玉鉾の道に出立行く我を君がとをし思ひてゆからんむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむ〓白雲の汀によする白浪のゆきては見ねど別かなしき深養父一雲居にも深き心のおくれねば別ると人にみゆ計なりいつのまに戀しき事の積る覽別て後は程もへなくに別行く道の雲居に成ぬればとまる心も空にこそなれ百雲にとび返るべき人をなみ唯蘆鶴になりにける哉君と我命をのみぞしらなみの立歸りくる程の遙けさ櫻花けふ散り曇れ飽ずして別るゝ人も立とまるべく事事でつかて何か花にもあつらふる唯一言の葉にも留めよ別るれど別るともみすみつかけこそこも爰にも同身なれば素性〓袂なき身と成ぬべしけふよりは淚に朽て捨てゝむ物を〓唐衣上は淚にそぼちつゝしたひぬべくも思ほゆる哉一別ては多くの山を隔つとも戀しよな〓〓夢に社みめかねずみニ私私別別りりばば秋の夜を心盡しに行くなと云はまし河原の大臣一照月をまさきの綱に撚かけて飽ず別るゝ人を繫がむ行平の中納言限なき思の綱のなくばこそ正木の蔓45ヲを撚も惱まめ四第帖六歌和今古ぬさ=千早振神の社に我懸けしみ幣は給へ妹に逢はなくにたすかる鳴秋の萩原朝立ちて旅ゆく人の惜くもある哉人麿すす神神にぬさとりむけて我衣ゆき逢坂の山通るかな貫之二首N渡渡海千千の神に手向する幣の追風歌ず吹かなむ加降雪を空に幣とぞ手向たる春のまかひに年の越ればcmたち幣の我が思をば玉鉾の道の野毎に神もつてなむ一行行時歸歸らむ時も玉鉾の道より神を祈れとぞ思ふニいとまだき見ゆる紅葉は君が爲思染てし幣にぞ有けるそそたたたててれれ幣幣思をば手向の道の神や知らむ紅葉を幣と手向に散しつゝ秋と共にや行むとすらむたむけ百足ずやそすみ坂に手向せば過行人にさし逢はむかも加今はとていほへぞまかるさかりちに手向の神に麻給はらむtu山ののの田田の森に心遲く手向をしてぞ妹に逢がたきAN君を思我心をぞ見えぬべき手向の神もいかに思はむ加此度は幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまに〓〓玉鉾の手向の神も我が如く我思ふ事を思へとど思ふ貫之二首一。紅葉をも花をも折れる心をば手向の山の風ぞ知らし二手向せで別する身の侘しきは人目を旅と思ふ也けりたび家はなれ旅にしあれば秋風の寒き夕に雁なきわたる草草旅行君を思はしみそひてこまほししがの濱べに瓦一神風や伊勢の濱〓折ふせて旅寢やすらむ荒き濱べに〓〓ここ〓〓〓ことか我は宿らむ高島のかちのゝ原に此日暮しつゆげのおほぎみ女家にありて見れど飽ぬを草枕旅にも妹が有が久しさ有馬皇子〓,〓ありて見る物にし非ねど草枕旅にし聞ば悲しかり島加家にあればけに盛る飯を草枕底にし有ば椎の葉に盛る0程程く眺めもやらむ秋霧は旅行く道を隔てざらなむ我ならぬ人とねにけり草枕後の爲とか何かとがめしニ時時降荒き濱べにくれど〓〓遠くや行む日頃積りて玉ききるるににふふ吾背子をいかにせよとか旅に行覧天地のかみもたすけよ草枕旅ゆく君が家にいるまで一人人皆皆き道ゆけど草枕此たびばかり惜しき旅なし禁相れれの草枕には君戀ふる淚の露ぞおちまさりける夜もすがら置く初霜を拂つゝ草の枕にあまた度ねぬまま斯斯ま旅し無れば草枕露けからむと思はざりしを伊勢草枕旅行く空の山の上に白雲ならぬ身もやどりけり小町〓岩の上に旅寢をすればいと寒し苔のみ衣暫かさねよ〓白妙の藤江の浦にあさりする蜑とか見らむ旅行我を一とと草結てふ〓ともせし秋の夜とだに賴まれなくに

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