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芥川龍之介 「楊貴妃の生殖器」未詳では済まされない

                   夜来花庵主

[大正十年 三月十一日 小杉未醒宛]


渦福のうつほの前に阿弥陀ぐみ夜来花庵主は涙をおとす

手にとればうれしきものか唐草はこと国ぶれる渦福の鉢

渦福の鉢ながむればただに生きしいにしへ人の命し思ほゆ

この鉢のうずの青花たやすげに描きて死にけむすゑのものつくり

[大正十年 三月十六日 田村松魚宛]



海原や江戸の空なる花曇り

[大正十年 三月十六日 沢村幸夫宛]



支那の本中楊貴妃の生殖器なぞの事を書いた本と云ふのは何と云ふ本ですか
御教示くだされば幸甚です
なほそんな本で面白いのがあつたら御教え下さいませんか

[大正十年 三月ニ十六日 沢村幸夫宛]


要するに現代支那は芸術的にダメのダメのダメなり

[大正十年 五月ニ十日 小穴隆一宛]


夏山に虹立ち消ゆる別れかな

[大正十年 五月ニ十二日 石黒定一宛]



しらべかなしき蛇皮線に
小翠花は歌ひけり
耳環は金にゆらげども
君に似ざるを如何にせむ

[大正十年 五月三十日 与謝野寛、晶子宛]

※小翠花 セウスヰホア 注記に未詳とある。

え?

しかし上海で見た役者の中にも、花旦では綠牡丹とか小翠花とか、兎に角當代の名伶があつた。

支那游記 芥川竜之介 著改造社 1925年


支那游記 芥川竜之介 著改造社 1925年

 どういうこと? つまり『支那游記』は面倒くさいので読んでいない人が注釈をつけているということ?

 それって、駄目なんじゃないかな。一般的に。


小翠花姓は于、名は桂森、字は紹卿、連泉はその科名である。本年四十歲、原籍は山東省登州府の人、父は海泉といつて都察院の小役人をしてゐた。彼は九歳にして、鳴盛和班に入り盛琴といふ藝名であつた。

京劇入門 安藤徳器 著日本公論社 1939年

小翠花は出目金の大年增である。舊劇の花旦としては第一人者であるが、すでに姥櫻といつた感じで咽喉をこわしてから一層妖女といふ感じがする。

京劇入門 安藤徳器 著日本公論社 1939年

例へば、水仙花とか、牡丹花とか、海棠花とか、小翠花とか、小桂花とかいふのがあるが、これ等は、總て女形を勤むる役者である。

支那芝居 下巻 辻聴花 著支那風物研究会 1924年

北京の役者で、自宅に電話を掛けてゐるのは、まだ割合に少く、僅に、余叔岩、劉鴻升、梅蘭芳、尙小雲、王蕙芳、朱幼芬、姜妙香、姚佩秋、小翠花等二十餘人位である。

支那芝居 下巻 辻聴花 著支那風物研究会 1924年


澄江堂遺珠

M Kodak Gray Scale Kodak, 2007 TM: Kodak A 1 2 3 4 5 6 M 8 9 10 11 12 13 14 15 B 17 18 19 inches cm 1 2 3 4 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 Kodak Color Control Patches Blue Cyan Green Yellow Red 3 4 10 5 6 15 7 8 11 12 13 14 16 17 18 19〓Kodak, 2007 TM: Kodak 3/Color Black Magenta White 10十一SO157312991200〓峯明國蝶金鉱武人情報集第686-74〃巻

俳人其角全集勝峯晋風彰編考館藏第二卷版
686-74一三一焦一俳諧錦繡綴一末一末一若-解目若若上尾葉-〔本次葉葉俳人其角全集目次吟琴下上合題文〕- (三六)··(一八) (一-七)〓一七二) (一〇八) (六四)一)
一五一類目解元柑次集子題二(三五四)一九〇)
(四) (O)「いつを昔」より(+〓四四(一)「句兄弟」より(+t)四(二)「雜談集」より旣出の諸集から、此書の歌仙了解辯は、誹諧錦繡緞かほんし)だん星合のゝ卷鴨啼くやの卷ゆふだちやの卷打寄りての卷一鍬にの卷やぶれてもの卷生てあふの卷月華やの卷其の快心の作を再び抄錄したのである。(三)八八(五)二二八八(五)二二凡董の點印論(天明)にその儘轉載され、六卷薄角なうての卷舟人のゝ卷雨の脚の卷つくり木の卷桐の葉の卷うつぶいての卷氷の元祿十年卷(三) (九〓(七) (三) (七) (三)試みに連句の出所を擧げると、黑立論の樞軸をなして居る。下臥にの卷初鮭はの卷觜數にの卷ちんばひくの卷川つらにの卷塚の卷三
四右の「月華や」の卷は百韻で、その他は歌仙である。素堂の序に「晋子はた卷の俳諧をえらびてふたゝび錦繡緞をあらはす」と明記してあるから、原稿の二重賣りとは言へない。內容は別として版本は稀に見るのみで、其角七部集に所載されて居るので今日其の不自由を知らないで居る譯だ。둘上三吟一卷元祿十三年芭蕉の七囘忌追善集である。作者七人七歌仙で、粟津に葬つて居るのでその一景は除き、近江七景を各發句に詠み込んだのである。芭蕉がいつも長雪隱に苦しんで居た逸話が、其角の序文に見える。厠上、鞍上、車上の三上を標題に取つたので、附錄に諸家の發句がある。跋は漢詩人梁田蛻巖の筆で、其角の常に紅街に往來して先師の枯澹をふまず、而も却つて其の心蹟を同じうする天才を讃嘆して居る。焦焦尾吟三卷元祿十三年元祿十一年十二月十日の火災に、貞享以來の日記を殘らず燒いて、遠の其角も落膽したが、妻女から勸められて、再錄に志し、草稿のつもる儘備忘的に編集したのである。風雅頌の三卷に發句、連句及び行吟記、古麻戀句合を合輯したので、作者は其角を周匝する一派の人々で、蕉門の閑寂な句境とは、反對に現世的な氣分が、濃厚に其の色彩を强めつゝある。時代の趣味や生活の投影はかうした新しい立脚地の作品に映らない筈はない。その方面尾吟卷の材料はいくらも見掛ける中に、近年支那の靈藥として持てはやされる何首烏の如き、道は蛙に何首烏賣る聲波麥と、オイチニ式の行商人に賣られて居り、また此の蕉尾琴には何首烏の蟲の蔓に淋しき含曲といふ風に、其の栽培さへ行はれて居た事實を詠じて居る。末若葉に、と、含曲類類柑子三卷寳永四年其角の遺稿である。輕い可笑味と、穿ち、それが俳文の酒落な特色であると見る人には、其角の文章は「霞を隔てゝ花に對する憾み」があるかも知らない。が、奇巧を街はぬ平面描寫で、水晶の瀧のやうなさら〓〓として〓列な印象は、其角の如き文章からでなくては受けられない。文脈の岐れて晦澁な、北の窓のやうなのは措き、簡潔な强い力のある線は其角の筆のみが持つ妙趣と云つて好い。上卷は文集、中卷は連句、下卷は「をのが音鷄合」の前半、と靑流(兩夜生))晋晋終焉記及び追悼の句々である。其角の沒後、嵐雪らが後事を處置して此の遺稿を發見し、散佚を防ぐため開版したのである。此書の再版は享保四年の十三囘忌に出て居る。それは秋色女が版木を持ち傳へたのを刷つたので、花薊とげて跡吊ふ野末かな冠里柑子三卷五
六の發句と歌仙一卷、追慕の句々を錄して、水間沾德の舊知晋子が遺編、類柑子の古梓、秋色持つなへてふたゝび世に行ふ。依て其趣を難波に願ひて、花薊の御一句を得たり。誠にさくやこの花の思ひを述て、道の明りとす。雁鹿虫とおもふて斗暮たり昏といふは、晋子が初學の發句にて、四十年來此句おぼえし人、今予より外誰かはと思ふ時代なり。後々人口にある句を吐し事、其一氣に見えたり。李白は酒にて玄宗帝にうとまれ、晋子は酒にて女房にそむく。太常か妻にことならんなどたはぶれけれは、假氣をいこふて今年十三回ともいはれしものを惜い哉遺編の句々、今の風とは又聊かはり侍れば、今の句僅に追加して、時の句談をあらはす事なり。依て其趣を難波に願ひて、花薊の御一句を得たり。誠沾德跋といふ跋文が附いて居る。げん元しふ集五四卷延享四年其角の句帳で延寳、天和、貞享、元祿、寳永の五元の意を標題に現したのである。遺墨のまゝ傳へられたのが百萬坊旨原の手に入り、其の筆寫を蕪村に懇囑したが果さず、龜成といふ人にすき寫しにさせて版に起したのである。蕪村の新花摘に其角が「みづから精選して、さて灰うち紙のつやゝかなるに、みづから淨書し、やがて木にのぼすべき程になりて」世を去つて本意を遂げなかつた事が記されて居る。元享、利貞の四卷の元享二卷が句集、利の卷は「をのがね鷄合」の後半、貞の卷は旨原の拾遺せるものである。其角の發句を輯めた單行本はこの外に、坎窩久藏編其角發句集二(ナースト)及び掌中其角發句集三(傳統集章)がある。其角の句は同門の支考すら難解として居る程で、刹那的の閃めきを銳く摑んでそのまゝ詠ぜるのが第一の特相で、故角田竹冷氏は早く五元集輪講を試み、近年ホトヽギス派の諸子に依つて全部の解釋が施され、第一卷は旣に發兌されて居る。其の解釋全部を承認する譯に行かないが、一讀して啓發さるゝところも亦尠くない。七
葉合其角判
若葉葉合合二若一とせ初瀨へ詣づる同行として、薄暮の紅に笠を拂ひ、あけぼのゝ霧雨に廊のかたはらに展を脫て、心〓〓の祈せしに、山はこくうすく時間あれど、宵より濁るはつせ河のすみ行までは、うつろひかねて、それより三輪の山ぶみせし氣色こそ忘れ得ね。彼先達といひすゝめたりし今は若葉の折にふれて、爰かしこ、見し所どもをおもふに故あり。卷首、撰者に成て予に卷尾を望まれ待り。年さむしといへども、まだ靑葉にてとよまれし風光を寄たり。つゞいて烏猿の聲を合對せるは、なら山のはえの茂き心をうつして、更幽の二字たじろかず、稻荷の山のあをかりしを、今もあらたに造營有て、神と人とのさかえを見つと仰けん、たのもしき奉納也。入日のわかば、是もげに都なりせば、智恩院の山門に望樹の客を憐れむ、優なる人のたてるならし。又は遙にゑぞがちしまを思ひやる梢にかけて、からびたる魚にいづれの木とはしらねども、心なき心をうごかしていと興有。あはせ豆腐も人は猶花の後まで、寄陰の加茂、糺へはさそはれぬ折ふしかも。鞍上ノ吟は千里往來の古意を追て、一句の奔跳あり。先度迄といふ谷心はもとより、斗藪のものうさをいとひけめ。嫩葉合と題せるまゝ、各工案の力を合せたり。此集に序かきて、今めかしく因みを見すべきにはあらねど、ともに己れをしれるによりて、あからさまに信を犯さゞらんことを判談せるのみ也。微意干玆述。元祿九丙子稔五月仲旬晋其角晋其角若葉抄一白壁も若葉も澄や泊瀨川孕める鹿のよはき起臥獨えむ九尺の杖に身をまげて土鑵の肌のさむる月影普請場に誰植すてし唐がらし鳴子をならす馬の鼻つら(9)田村からうなひか付て蒔〓〓と又はじめるか千日の札糀屋の傾く軒に松見えて机賣る身の寒げなる肩情なく灰吹明ケる雪の上やりてが持病哀死ネかし悟氣に若狭へ下る宵の夢月にさかせは二切レの鮮若葉合口ぐせの喧嘩は隣取合ず辛い楔をわけて荷をしめる顏此上に鮎もあるかと。花の陰柳がこけて通られぬ橋(名)入相に亂板を打春の聲ツ手に黑皰の皺む石切素麵をくふて見せうぞあの男參宮人のこぞる追分蜻も鵙の艸莖うらかれて筧は霧に眞壺もつ庵老の月笑ふも口に袂哉むかふ棧敷とむかふ默禮カ村雨に梢活して成就院カ溶衣をかりて急なさかやきけふ三日詞もかけぬ親心三岩翁
())匍に小菊の手川ゆすり虚舟輕く捻向て若葉より烏にすごし猿の聲存分に奈良を仕廻へば花もなし日一盃傘いらぬ薄曇り(9)どこくゞる破し兜巾に蔦かつら高い椽やつと上ツて暮の月爰の仕やうは大工のみ込河豚の來る迄朝飯を待ツ茶四月の節にうつる山の端麻尖つた花のわろき鷄頭催し急にたらぬ碗に人あり雨は肱笠第落すな住吉の孃二若紙葉引結び合糎ハ十盛御簾の緣げにや昔を忍ぶ摺やくそくも二所なり月二夜業平は明衣に見えぬ片屏風氣づよくて結句祖母達淚なし風呂敷を振ヒ出せば麻袴(西)ちよつと見て寄ル所有花盛又しては歸らん事を島の夢鏝をあてたる伊勢の濱燒鶉使なればとうらみすくなき小鍋蝶にうかるゝあたり八間眉に門さす心なりけり髭にこまりし襟卷の綿合やほしき雪の鶯は途ほとの聲若葉合介我花覗末なし川冷泉と立別れたる家の風つくばふて蕎麥湯してやる庵の月住よしの橋のそつたる肩を取媒の恩がましさに道を切る(名)展をはき老茄子もぎる也子を負ふて蓑がふくるゝ春の雨三十模樣顏よりは脫躰馬を殺せば乙松を賣る版海配當すれば五六斗の禰宜問是蕨談を堀摺手墓よと搔揚の土帋の灑きれを撰より來る凩の音合にや落す鹿の角に主從の 後の四鼻山鉛鰹朝〓〓灰の乾くらん若葉也奥もよくなる稻荷山(つ)寢て居ても酒は呑るゝせこにくみ死たいと乞食のうそも哀也田井ノ瀨の渡しあがれば郭公巡寮に藪や薄や押分て二腰を抱へて眠る旅の月靑牛は形より鞍のちいさき簀破籠の汁の挿箱座鏡あ敷もら子い第釣瓶は蔓苔の花ぬ所に百姓の墓の磁物も書れずへあがる霧つらし十違ふ顏三漏の五蛜ル尺艸
若葉合烏帽子にて御鹽を荷ふ暮の月壽命ばなしの跡は舜花鳥を地下の知りてぞ吉右衞門膳をいそげと雉子を投出す(+)佐太迄は春風寒き堤也編笠着ぬも戀の外聞まさなくも蚤を捻りて起別れ髭一筋に鑷又借る上方の寺と竹には負にけり葉ばかり底に殘る繪行器しよんぼりと鴨居をくゞる相撲取馬奴呼にやる明方の月足尾山煙の中を乘ぶ鳥濕拂ひにとさかづきを出ス子に孫に曾孫玄孫衣配り六春の事よとのばす上、塗(3)風呂敷を太鼓に懸て夜の聲煩ふ度に年の更ぬる樂は心に覺て木綿物膝皿外へ出る繼駕籠ひだる神花のあたりに暮にけり柳山吹しだれあふ中第四立そふや沒日の若葉馬駐細根間引を洗ふ吐水何ねだる見れば小サき男にて今朝出られしか供も歸らず篁に鼬もひかる薄月夜そこではたくな刺鯖の鹽(ウ)露霜や止メてもらはむ町堤亭いくつになるぞさきらある口腹たてぬ正直坊の哀さよ飯迄喰ていぬる盜人戀かはる爰は雲陽の離レ山ひねつてなげる鼻帋に櫛あやかれや座中からげて姥が年見たと違ふて盆前の隙後から羽織をはづす辻相撲ざんざ降也月の雲行花の時日待ごころの普施參り箱にのまるゝ傀儡もあり(+)鶯におもしろき人遠ざかり子をくれさうに深艸の町高〓〓と竿のさらしや花荊汗をねぐふて又野頑いふ若葉合如來哉下手な本尊は引て入ル今度の樽は各別の樽煩ふた證據を出せと恨られ袖はづかしや紋ほどの穴船と今むかふに見えし磯步鑓をわすれて直に道心名月や例の通りにしらみけり七三三溝へ穀のはまる秋風(つ)一房もならぬ葡萄にたをされて虫齒の藥くゝみ飽たり行燈をのけて眠れと訶るゝ風もしづかに本庄の鍾笛吹が花の盛に遲う來るすましをほめてかゆる白魚七
若葉合第五干鮭の梢なりしも若葉哉米を廻しに又四月から有明に二階の狂ヒしづまりて押へぬ袖へはねる蝉鑓持も給仕に呼て旅の秋繩につたふて通ふ玉水(3)薄煙生もめんを煑ル草の陰食のすゝんで顏の見らるゝ塀も松も波もかさなる岸ノ和田苧綱を打に自由なる寺名のたつに醫かぞへて遊けり枕でたゝく枕咎なき春雨の射に射てふれば山くらし襦半ふるふに落る花有葉合八靑海苔を遠火にあてゝ暮る迄異見の上に取て置の金冬の月利根關宿の泊り船意地にかゝつて盜む淺漬(+)婀メキ脛も忍ばぬ內三里哀に成し物前の文鳴瀧へ左官を連て蔦の道引手に倍のかゝる新蕎麥十六夕月や梁に雀の躍る音裾斗でせゝる石菖ぶら〓〓と干鱈を提ゲて藥取リ馬の蹴上のかゝる太物張紙に僧を尋る會下の內松にもたせて竹樋を卷十頭の綺羅を揃てどよむ也橫儿爰も新タに宮の注文(金)照ツたるに砂の目に入風立て出臍さすれば突ふ稚被賣"被いた形を見せにけり人にやさしき言は伊勢手入せぬ柘を自慢の花盛吸物かへて春惜むなり第六か榛の木の日に背たる若葉哉鮎さかさまに游く石垢杵に卷さらしを我が物にして七ツさがりのそほるなる市名月や雨に似かゝる霧一重人を算らん金柑の枝(ウ)ハシキ目彈に芝の徹し片鶉若葉合墨こち〓〓と丸太屋の帳吹て呑間ももどかしき水の塵妻の病者か壽のもと埒のない夢やと笑ふ夜明方京の自由を見たる荷作り鹽ものに醉ても膝のなぐれけりかんな屑から藥鑵取出すちよんほりと佐倉の城の寒る月聞てひとり居寮鼠を花盜む相手の袖をそつと引輕い鱠をつくる藤棚(+)朝霞淡路わたりの判鑑砥は借りあへど惜む剃刀皷屋の優にかまへた亭主也つまり肴と見ゆる鯛の尾九未陌
若葉合宗朝の竹は心を動して歲暮に參る岡寺の雪から皮がすきといはれてこまりけり起クとも寢とも猫に談合有明に瀨とりを待し懸り船寸白腰の秋の悲しさ古傍輩薄の中に行違ひ夕紅の笠の〓に醉フ(ウ)媒も湯水にぬれし緣の上重きもの有文箱を振ル大名を橫に通して道の花三日の桃は初心なる枝後段より箔を付たる蜆殼春の引出と見ゆる若駒一〇第七人はなを合豆腐を若葉哉家陰の罌粟をいこふ土こね老猿の不性を事のたとへにて棹の雫をしかる船着桐油引あたりは臭し暮の月どこの藏やら鵯の聲(◇)秋の蠅顏こそばゆくふんぞりて女細工にかなふ本とぢいさかひに棒かくさるゝ糠買新地の馳走先ツ鱸なり奥深くやぶしこめたる勢至堂竈はそのまゝ殘す店替助分に名月までは脇芝居秋もむかしと古さるゝ髭常陽血の藥といひさし出す袖の露形のふとつたそれが權阿彌によこ〓〓と花切に來る駕の奴ツさはる柳に雨のぼろ〓〓(+)蹴あはせに是が關也沼津鷄咄し口から六法な儈しら樫の櫂盜るゝ萩薄リ〓樋ふき破る浪の夕月虫の聲布子を笈にたくしこむ幣ふりたつゝ眞な顏なり龍伏に卯の刻雨の一通り植木をすけは園頭にさす小步キの帳をかゝへて〓見潟病〓〓と松葉燒く色さむしろに甘酒こぼす舛落し若葉合ねつかぬ鐘にしまふ櫛箱(3)包もの越後町へとあぼしからあらぬ仇名の金の借やうちよつと目に罪發るらん池の鴨むあいそつかしに汝が逆言花躍指人形の輕はづみ袷時をもまたぬ下〓〓第八さらぬ香や若葉を撫る鞍の上はつ白雨の遠い雷來た人を鰹料レと引すえて我さへよめぬ手紙封するくばるもの火燵にいぶる宵の月下ると京の菜を咄す也(ウ)空戀に泣さうな顏笑出し二虚谷
若葉合皷をうてば君が來ませるや曉は馬見所の松を見む肴得たりと土器に味噌明ケ荷から羽織の裾を手ぐり出し碁の仇言が皆古口くれ緣にころぼす音は大西瓜槿八重咲等持寺の領六尺を提灯借りに暮の月さはらぬやうに愈かゝる疔牡丹皆座敷へ上て座の花引出す牛のこづむ春艸(+)水かちに燕泥むうるい川年百で常燈の施主目の中のよさに置たる乳母か姪引たくつても亂ラなき文一二憎い程又ふとりたる病上りでつち二人でいどむ蠅打祥瑞か火入の店をおもひやる西行櫻こゝに住たき鼯に雉の蹴合に別れけり春とことはに杣の胼犬山の山手に霞けさの月千木に見知て拜む神明(3)是でのむ酒屋の背戶の生大根たゝかずにやる鉢の盜人傾城のきのふとばかり禮いふてあれよ忍ぶにあまる鰐足此堀の鮒を詠て藪の花笙の稼古のひゞく二月第九先度迄目のまふ谷も若葉哉巢立の烏親にあまへる皆人のおどけた繪には筆とりて溫き夜食をねがふ月雪頭より渡る羽織のむらごそめ櫓は佗言でざつと濟けり(西)大根葉の束ねたまゝに流來て尿をやる子を箕のやうに抱ク底心一物ありて睨むらむ寐衣の帶が井手の下帶大勢にとはしりかゝる晒シ臼酢をこらへて道中の酒蹴つ踏つなぶりもの也死タ蛇地藏を洗ふ盆のたそがれ若葉合秋もはや地の客見えぬ撞木町ひよつひよと起て物おもふ月身をふるふ音は雉なり花の奥獨活の油の鉢にきらつく(2)けふはその大幅かゝる東福寺そこねぬ鬢を撫る率人葬禮に中をわらるゝ橋凉ミ砂まくばかり粒々な雨我內も忍ぶとなれば氣兼して市女か眠晝うくたびれ江戶からの便うれしき小名號專ラ世上花にかゞやく一疋の馬がくるへば春の風座を八角にかるた竇引お袋も醉レたりけり朧月三三專吟
若葉合菜をほめられて挑灯でつむ(3)霽〓〓と心もつれて雨後の竹衣の下は兎角白むく大股にあるくもしれた泊リ也駈催し て網子廿人氏雲にふいご祭をねだらばや冬咲菊にことに愛有第十年寒し若葉の雲の朝朗牡丹も濁るいつしかの雨げぢ〓〓に亭主も客も居なをりてじぶも一ツは辛ミ也けり舟藏の藪を云出す暮の月ひとへ頭巾を足拭の露(3)身の秋を藤十郞がやつし事四遊山の留守に三味線をひく拙さのそれが發句か切字なしあす元日と殘す數の子牢人と醫者でかためた相隣り初心な恪氣笑はれて泣さがなしとみづからつめる口の端月を枕に明す賴員躍ラせて六間の障子をふみ破り鶉のやうに醉た目の中花折て魚荷の花衆あと先に齒拔キを見るも又のどこ也(+)干渡す提灯の輪に春の風家中の乳母の迯るお歸り首引のころぶ拍子に起あがりぬすんだ瓜が散〓〓な味其角病ヒ猫ひよろり〓〓と泣うかれ雨戶をたてゝ晝床をとる桐壺の表紙ばかりがもめにけり袴ゆふなる御所の童形射もころし切もとゞめよ襲物誰も疝氣は背から腰待月や來ねば白川水が旱忘れたげりの扇悲しき(3)妓、一妓二名さへ亂て花薄幾長持か皆もらひもの十年は居喰とかねて艸の庵遠う〓たか辛崎の人降て來る花の名殘を泊り損好た旦那にとりあたる春若葉合一五
は、は、しみある友を集て、延寳二十歌仙は芭蕉の翁花也。句々の妙々に實レリ。若葉合若葉の十歌仙となせり。我又とし月のちなみ、岩翁士はしかも其ひとり、殿へに例の其角くはゝり、幾榮見ん和歌葉山。しみある友を集て、句々の妙々に實レリ。末若葉鳶其魚武江の白壁に向つて書幾榮見ん和歌葉山。元祿の今に晝夜を捨ず。二六俳諧樂隱居、刀角工撰吉田山序次に其苗をとる人々の玄々魚タ川した
末若葉一八末若葉上歌仙了解辨花影上欄干新月色廻雪日〓〓愚判を加ふる卷ごとに、五字を向上の句とし、三字を奇工に標し、二字を拔群の句と沙汰し侍る也。今、十歌仙の門人は、一筋に予が方寸を察する徒なりければ、雁字一屯の點心を見せて、一々に句評をせんも今めかし。しかりとていづれも〓〓面白しなど、めでおくもなげやりなれば、その主づかれたる句どもに見安を定め、作者の勵ミあらしめんと、卷末に趣をたて侍る也。句は張良が胸中の兵の如し。日夜にわき出るものなれば、句〓〓の新古は、見ん人も思ひゆるさるべし。さしあひ、輪廻まゝあり。それも其一句の死活を考へ合て、見ゆるし有べし。新式にも專ラ用捨の字の分たり。無言抄にも貴人、少人の句は、面などかはりて、さしあひなどすこし近き事ありとも書事也。句遠なる人には指合ありとも、少聞得ぬ句也ともうけとるべしと、是一塵無望の沙門、人我をわすれ給へる〓誠なり、さし合くりといはれんより、作者哉といはれまほし。ある人、點意おもしろくや有けん。若葉葉一八末歌上仙戯賦一絕呈几右愛君滑稽一時豪。雁字帶霞入彩毫。想見梅花門裏月。不知說與定推敲心水道人稿應和句たゝく時よき月見たりんめの門其角歌の點は八分とかや。詩に圈、批楚滿の四點有。圈也、一句一字の感也。批は圈をこすもの也。一點の如くに長う引也。句の章を褒美す。楚は長點也。たとへば三五夜中新月色。一字も屑なき句を、楚のごとく立のびたる姿にたとへたり。滿ハ七言四句、滿足せるを以て、廿八字こと〓〓く一ヽを點じて義を分たり。俗に四點八點と云は、その判談の詞に爲持と同じ事なり。たとへば圈一ヽの文字にて、詩の章面白く成ゆへに、批點を倍シ、批の章に楚の位を倍階して、をのづから滿テリ、と褒美したる一詩の八點にむかふ心を以テ、もの事にけざめなきことを四點八點をとらぬといふ也と。此こと梵干長老に承りて、俳諧に倍點を用ユル事をはじめ侍る。それよりして家々の點形物數奇、かはる〓〓に風流をつくされたり。ことしより花影上欄干の学、新月色の字、回雪の二字に改め侍るも、一貫、雪月花の三ま專らにかゞやかすわざなれば也。雁字は雲上に翔る句のひゞきに應ずるものか。屯字はその屯をとる也。尤、句に群をなすの趣のみ也。十歌仙に於てハ、二字己上の評義、これ其勝劣を論ぜさる旨也。晋子述末若葉一九
碓に餅も踏する花の宿追風に御所ならはしの身の用意野を通る祭の先は稻むしろ切石しぐろうみゆる長谷越の連靑い若衆がやがて墨染粥燒洗起ふす水秋の霧山の吹駒生實から淋しい道を輪とり來て蜘の居ぬ糸は袋に秋の風大名に八百屋か付て下るらん帆柱や若葉上越ス谷の棚腰伸ぬ二階の梁の物思ひかも川に鳶は吹れてむら衞小盟の蘇枋にそまる長局額たばこを苦に茨渡す松神水袴山ふるはといふてはしる初雪麴摺をけうとく鬘とる跡を第作る夏の夜の月ほどに狐尾を曳陰に寢たる月影見立る楊梅の旬リ一い長崎の子おゆみからしらうすやう袴を陰にか二三五も字字川字末か末考考考若若葉祭神お山葉ぼろ舟かのつ先麴ら彫棠振廻のほき〓〓醉に辻咄さあ〓〓と見落シさする步三兵用のある文はからげて鯣箱あの面で何のうたれう敵討足漕のとゞろき渡る橋の月毛のはゑし桶のひめ糊うち明て藁苞に凋れて來ぬる若葉哉蘭に鶉はまけぬ打もの若衆いふりとなぶる小納戶だらい音頭に又くづれたり鰹尻もからしも扣く蚊もだへ壹步二ツに銀が虻もちつたよ芍藥の培の第ぬたに鎗持が泣二七二粒二二冷しや廿六夜の山かつら郭公白うすやうの聲の中帆は白く洲崎〓〓は草の汁灯うつりに上氣もみゆる娵の聲松の戶を連歌といへば引出され鯛釣の煮にまかるゝ朧舟泊り螺花の衾にまとゐしてぐる〓〓と箕を着た猫の後しさり雜文珠の顏の錦帳をもる坐頭が嚊で亭主とらゆる御殿山からかけ廻る夢長崎の子に我ぞ老ぬる震動ひとつくもの春風いぶるもしらず榾に付蟻煮の先へ匂ふ寒菊二〇柴雫
末若葉陸奥殿の御師はかゞやく月の朝靑い俵は匂ふ餅米四十餘の初產これぞ歸花綿に成たるむかし六法目の玉を入て羅漢のいき〓〓と茶でも汗かく最早たべまい凉み舟障子もゆるぐ高鼾棒が所望かそこな鼻屎月の暮天井繰の箭の勢ヒ秋草刈るも札で入る口霧絕ぬ形をたとへて海鼠山德利の上にのする盞一さかり氣の違ふ程行たくてうらみつらみに欠八百かゝる時集はねられし人は誰ゾ二二杉の葺目も伊勢が庵室雪の日は鶴の聲松むしり病おぼえぬ老といふめり布引を柱隱にさらすらん紙屋川流の鉦しづか也けふも又饂飩のはいる花の門春の雀のひとり狂言了了解五字考一句らんに鶉三字考四句かたき打杉のふきめ二字考五句盛り昔六法ひしこぬた步三兵柱かくしするめ箱あくび八百隙がこうじて發る煩らひ純汁の垣に成たる夕月夜倒んでこれを厄はらひ也鎗持の五十三次暗にやる風の藥を釜へうちこむ足音にかるう住持の出向ひ正平形を窓の切張日は不孝になりて花盛そつた雪踏の直る春雨(+)巢の中を懼〓〓のぞく蜂の留守緣もあたりと似たる弓答へ五ユ脇とめて痒さもこまる若粧ヒ枕いたゞく先夢の禮重代の切刄をはづす藤九郞雪もあらしもこつとりと止二三第三凋ムに後ルヽといへり柏木を猿が餅なるわかば哉多くも涌カず如露の子子藏造り念の入程おもくれてさしに咄の聲しこる也薄紙をへぎとるやうに月の雲川材奪あふころの初汐澁柿を座頭のくふて面白さ狐のやうな傾城のはて鐵やらぬ〓の音は物おもひ末若葉拙交
末若葉子祭に二股大根たづね來てたて足す家をからへんで見る養子鬮盆に丸げてさし出し御香の宮の禰宜か有明ゆさぶつて項へ落る銀杏の實赤とんぼうのすます水影辻番の飛んでおりたる放れ馬上戶をゑつて酒かひにやる六十の賀より額をとりやみぬ遠山鳥や華のしんがり懷で襦半引ぬくあたゝかさ石町からの鐘かすむ也二四三字考三句傾城のはて厄はらひ夢の禮二字考五句月の雲蜂のるす藤九郞六十の賀月藤わかけはひ第四鷄の坊主にしたる若葉哉內から窓を破る夏の日爼の上に筧の流れ來てあるき習ひの子は心世話塗撥も屏風にかゝる宵の月急になづけて鷹の裝束山に醉黄蕈は今がさかり也闇指了了解五字考二句ふぐ汁の垣花ざかり刀をやめて寺の木作り短くと輕袗好むさうぶ革繪の間を限に仕まふ唐紙ぽつ〓〓と丸藥嚙も物思ひ二の湯の藤をさそふ雪空達磨忌は晝から月を拜みけり上荷をはねて舟は助かる招かれてさし出の磯の酒迎ひ髭も呼つてならぶ行列木のやうに帶しぼりたる花の雨戀の階子は門の靑柳(+)盛遠が浮世のてふは夢にして肴くはずによく肥る顏飛彈越は品も見えぬ谷住居訴訟袴をあはて着に着る末若葉手枕をいつの間にやら木枕に前齒で封をいそぐ文箱餅つかぬ氣から破れてとしの昏切ラレたまゝに笠きせて置馬船の殊にすくなき小越川砂に垣する風下の家有明の明る日かけて三濃山鼻をつかむもしれぬ朝霧柴賣のさいふに椎をいたゞきて見込を一と作る組町くれの鐘姥お袋もそろはるゝ橋から落す蠟燭の心挿ミ箱あけて分たる華の枝いそがぬ春も切の猩々二五
二六大雨の乞食に成ツてくれの月蒜くふ口に西瓜臭がる江戶のあき蔦のは入も吃とする尋まふでゝ天倫の禪雪の朝きのふはとまる舟ノ鷺醉ては人にあぶながらるゝ大かたは推のちがはぬ役者釜伊豆もさがみもこぞる腰掛信連が小枝見知もあはれ也もより聞出す寺社の短尺各別な角豆なら茶を艸の庵膝にねる子を又母の膝繪莚を達磨にかぶる花の中朧月夜にすべる部屋〓〓(+)春の夢ゑぼうし曲ミ紐はづし末若葉了解五字考一句帶しぼりたる雨三字考三句發句筧流二字考六句寺の木づくり二の湯のふしそせう袴餅つかぬとしきられたまゝらうそくの心若葉了發流盛遠がゆめ第五事さめて憎きぬるてのわかば哉櫪はな橘に年の靑さし蚊を迯ス我手ながらも打れけり彌三が馬みた近付の顏我常華菅笠の袋を作る夜 の山吹紙の年にかはらぬ小紋をかへてかくす地の惡いじけ者夏は冶郞に剃さけん何商人ぞ朝寐する店たてあふてのむともなれば汁の椀氷のうへの柄杓にも雪竈秡ひ錦のはれを御末限米.の守に筆はつに取ともすれば鯛にかけあふ赤鰯鹿料つんで鼻こはな牛宿の月葭の髓から天を見る躍レ〓〓と素麵の世話霧雨にぬれた片身が風斑鮓にかさなる木おろしの舟ニ·シ若な主しらぬ色からそゝのかしりんきにしめる臺所もと末若葉了了解五字考一句のぶつらが小えた三字考三句はなたちばな舟二字考六句彌三が馬やくしや釜赤いわし宿の月鷺繪莚汁夜椀花第六八重若葉笑佛もうそ暗し背に杖を握ル花けし二七波麥
末若葉古道具五厘〓〓とせり上て何をくふたか苦い顏也入ほがな分別かりて月の昏稻むら十束つゐこいて來ルかけ出や少の痛み押こなしさてもくすべる居風呂の下貧乏の付て廻るとりんきして裝束からにみめもかくるゝ鎗もなし妙法院の使者ならん矢倉の窓をひらく極熱よき折に蚫一鉢もらひけり桔梗かるかや此比の友月の雲四五里影そふ會津山比叡にそのまゝ秋は淋しき目のあいた者をつれたき花の庵二八ほそひ所をぬける鶯(+)牛にさえ二方荒神のどかにて鍋のゐかけの能髭を持木隱は麻布どの也鐘の聲おく齒にしみてこぼす冷水きよろ〓〓と樂屋を通る女共すじな咄がみづからの戀かゝる文足でも書とさみされて品食どめしてもめらぬ卑僕いかめしき關の疊の緣とらず野駒を駈"と手〓手〓に棒しばし世を迯彈正と申けり氷をすつる高藪の月寐る段に成てねぬのが一風情おぬし醉せてみたき思ぞ又い哉やらゐを廻る花の山道は蛙に何首烏うる聲この寺も常樂の會をなすとかや子方をかへす春の夕暮蟹に這人は唐繪のわかば哉いなさ凉しき獵師町あり小目代武士にくらすもゆゝしくて羽織にかけばむかしびらうと木極子を好に合せて秋の月柿の鳥のはやされて立鶉鳴飛脚の女房先〓〓に誰中宿ぞこゝの火繩屋麥飯に御經よめと承るどうやらすれば狐也けり月寒し田上山の塚の風巴が殘す天冠の石苗引の獨見えぬをよぶこ鳥花表のやうに瀨々の橋杭五文取奥坐敷にも一かまへ二九紫紅了了解五字考一句樂屋の女とも三字考三句蚫一鉢野駒二字考四句かけ出鍋の鑄かけ何首烏蚫駒迯彈正か何花の山第七末若葉
ふいごの脇へおろす汁鍋月雪に矢贅の殘るかたは猿けはしき雲は富士の八流角たてゝ帽子のならぶ土の上吐逆しづめて背さすらせ石舟に毛氈敷て夕氣色似たてうちんを兩國に待ッ傘をわめいてかぶる秋の空謠を直に躍リおかしき藏前へ米をつませてけふの月悍かめつたか五から寐る風迄は南〓〓と坐をとりてほどけたやうにひねた笋木がくれて癜にうつる若葉哉第ニ末八若葉古いが命寐ならしの衣月の色見かはす指もうるはしく房にのまれて切籠小サ水垢に込藁腐る藤ばかま晝から先を草庵ねめあふて枕引とる蛙腰ちよつと女に成し手拭河原床魚屋に刺身]作らせて大栗程なわる銀股立に毛のない足の三里紙吹醒さるゝ駒形年玉の藥の中に苦いやつ丸に三日のやぶ入がつりつけて人を遣ふも花の時炬をもらひに十能さし出す末若葉のののき隙色風雨蘭關村時雨錢が落たとよばりかけ取親の乞食のさばる生身玉此鉢に茶蘭うつして餝リ立,忍ぶ身や明ぬくゝりをエイやつと有數に八丈島は小切レ迄煮凍のくはれぬ比や風の音一夕は花で〓〓といひ延てかへた駕籠是は重たい女哉はつかし舞の水に事かく梅母への恩に灸おろす顏ます役者の笠をのぞく四ッ橋肥滿なからも昏ごとの月さあつめれとてふりかはる橫た忘れたか三ツ立賣の心の易の三考三ネへ都から乞食で下る花の空水音に付て流るゝ太拍子傾城のもとへかよへと馬くれて論所の山はやかぬ也けり灌頂うちに老の木幡の里は瓜の遠最三〇道中林天冠の小便城のもと二目三五引山代字字字小太苗考花ざかり考拍子考拍子引手拭
末若葉押かけながら献立も出す1マ譽られて泣さうにする新參詰問僧や訥なれども丸山にまがふ豆腐の町見して連レはいそぐに長い雪隱兄弟ハ藝を仕のぎに花盛丁·柚のめを投てたのむ大間三二ふりかはる夜着第九あの上はあるかれさうなわかば哉吹出されたる晝の蝙蝠いしだゝみ石の栓のくつろぎて鳥毛を幕につゝむ村雨夕月に吸物一ッ仕かへたりつるべにうけてかじか鳴するつたかつら後むく間に杖を卷雪隱洗ふ僧のたふとき誰なれば供乘物も對の眉さがして猿の錢を吹出ス脚瘡ゐろりに立てあぶりけり霜ふりおとす嵯峨の弓竹了了解五字考一句かへた駕籠三字考三句三ふい ご二字考四句ワキ一夕は花第にこゞりワ八丈島冬ごもり二ッとりには秋の昏よ所の持佛へ參る傾城切艾花に見せたるふともとひ鎗頤にさはる盞月花に不足もなくて懷手小てふに成ツて溝を飛越(+)出替や馬買やうに髭を見ル大師の鬮をはさむ傘人參もそろ〓〓減て好ミ言子の行水に顏をいやがるり輕井澤例の御宿が這て出ルしのぶかたへはしはがれた咳憂事の胸にとまれば見上皺宇佐の月夜の廻廊は武士芋がしら田舍合子にもり付て末若葉迯てすまふへ交るぬす人:響さへ庭の磁は木綿もの錠前迄はのぞく鏡屋揚弓を坐頭も射よと引立て'4'初ほとゝぎす笑甘かる逆剝の手を出し兼る折敷綿湯屋の札を孫どもの數關守がくどう見送ル花雲靑い涎は杉菜くふ牛了了解五字考一句出かはりや三字考五句發句儈のたふとき三三發見上皺
三四獅子髮ゆふて出る基佐さし當る病もなうて樂湯治仕廻に飯をあゆる摺鉢魂祭ぎうか所は平屋にてにくまれ口を秋の夜の月ひがいすな河津なれども投にけり江戶までいざよ松坂の馬士よしさらば乞食袋を花の陰何に蛙の高音骨(+)燕のおもて摺行羅漢橋義之を習ふて手を粉ナにする取持た客におまする冬牡丹伽羅屋の娵と聞て死程三六又今宵夜話亭にうかれ鳥新場の鰹たちまちになし末若關四句弓葉守うさの月夜二字考はゞきかさぬ す人切もぐさ第十寄生のいらぬ處に若葉哉藤よりくらくからむ蓴菜川舟をもぢれ袴に引よせて脇師の聲は分に聞ゆるみかの月玄猪もてうど過る也見事草履でつたはるゝ雨榎からつくり上たる太皷幕けかち畠に此ごろの家のぞみなら先借ッ分〓に鞍鐙一十竹篠鞘の漆もひぬにさしてみる淺魚無垢とは出いて桑染笑止也男盛りの二俵半身延ごもりの曉の月松茸や殊に油のやうな酒蘭に露もつ風呂の休息苦手にはさしもの地もぐつしやりとひろふた紙を干す崩レ垣一肩に笊醬漉をよろほひて讀物滿テリ僧歸る見ゆ花に寄犬のくさめのもどかしく今朝さつぱりと茶蓋〓を卷義之を習ふて三字考四句河津なれとも伽伽羅屋二字考發句花による犬四句太鼓幕手了解五字考一末句若葉三五
末若葉三六末若葉下卷砂砂人詠三首倭歌春月月みるも手こそたゆけれ老が身はまつま霞ををしのこふとて歸雁たかもとらずわなにもいらずのがれきて人にくはれぬかりかへる也戀枕いく夜をかふる綿ぼうしうちかけてたえぬなげぎの木まくらをする飛鳥井二樂軒御筆蹟也。愚案、世に狂哥といひて、おかしきふしどもをもてはやし、文字つゞきの時にかなへるをもてあそて、只、狂哥〓〓といへるいぶかしき事也。此狂とさしたる一字謙退の詞也。それいかにといふに詠三首の筆意、いさゝかも狂の字の旨趣なく、もとより骨肉をそなへたるあらましなれば、俗に俳諧を坐興がましく云なし、神佛の道を犯して、五倫をそむけたるなどゝ、世に紛たる比丘など、戒律の數にしてなじりあへるも胸せばく、又は勝たり、まけたりといどみて、本心をうしなふともがらの、上をはゞからず、下をあなどるは殊更僻事なるべし。哥は則俳諧也。はいかいもとより哥也。その不可思議をいはゞ三〓の文言、假名双紙とても人ことのはしなる事を、心ある人は得られたり。心なき人は點をせめて、己れ勝たればよしと思ひて、師範をしらず。されは年々此道に勞して、物我の集をあめる事、予も人に恥かしといへども、うらみ悔ある門人、淡薄のいきどほりをやすんぜよといふに、各が心を推て、若葉合の獨吟十哥仙ののちに、うらわかば十卷もよほして、先師二十哥仙の跡を追ヒ、より〓〓聞えたる發句ども、何となくつゞりて、めづらしからぬ酒醒、ゆるさしめ給へとしか申侍る。元祿十丁丑稔招凉偶居書晋其角末若葉三七
杓杞の芽に枝のつく迄待にけり蝶を嚙で子猫を舐る心哉靑柳や獨のり行鹿島舟心では切たい朶を柳哉浪人が明店を聞 柳かなたねおろし俵に渡す小橋哉水や影苗代馬のかた手綱徒弟煮や不好ながらも春の雨行もどり同じ人みる垣の梅くれ椽に足音高しよるの梅押繪かく人はのどかに詠ゐて七艸にとゞろく聲や猫の妻中指の皷にたらぬ百千鳥七艸や餝を崩すおとこ迄一間にあまる几巾の骨組春風に段ののしめのふくらみて七種や明ぬに聟の枕もと一しきり鷄も高しつくば山もゝちどり都は別の日和哉寢がへりはおしま也けり春の月海苔の匂をかへすあぶり籠右中展かひにやる松過の雪左古田の河某は戰場のらうがはしむ。予も一曲にふけりて、太平自きにたに、茶酌もがなと蘿を撰沾德松嶋觀遊の時末得う ら若葉若葉露尙沾千其秋波堤兎一十竹波梅其堤同介其同堤介其柏白德調角航麥亭角谷麥橋角亭我角亭我角門筋いづれ尺欠竹も哉鷺や曇にさえぬ庭せゝりうぐひすや餅に屎する椽の上初茸の盆とみえたり蘚うり旭影島田寢よひかむらひばり戶ざゝぬやんめ咲家の筋向浮橋の下につなぐや寳舟なゝくさを笑かへすや壁隣爼の薺のうへに雪も哉七くさや拍子とる子の握り箸豆うつや殿の手にふる普代升年の豆誰かいどりの摺衣花の春障子明たる座敷哉蓬萊の海老十德にかけて見ん松竹や鼎にたてる殿作米春の息に落たる椿哉朝朗貝のむき身や桃の色曲水や筧まかする宿ならは遠かたにけふの汐干や田植腰着かざりて足を洗はぬ汐干哉みし人や汐干に魚の寄所あさつきの香ふかしけふの奥座敷鸝や十日過ても同じんめ閑祝三夫婦の春をうたへり。年ごろといひ、鄙びたる聲迄も上門主御座の山々いづくはあれど、ち ふ已窓三八三九波其介專昌湖其紫翁其岩肅靑我林湖夜行專岩彫行麥角我吟川帆角紅角翁山山常也月錦露吟翁棠露
一等に袷になるや黑木うり口·琴を抱ク力は乳母とふたりして繪の間は雪に明る卯花御袷にみつぎも加茂のかざし哉菅の芽の垣より外や三ふの分松島や島かすむとも此序片荷つるさ湯を拾たり花の陰つり鐘も肩のほこりや花盛花にねて身をつまゝるゝこてふ哉鮫鞘のしまるかけふの櫻狩傘に櫻をたゝむさむさ哉匂から爰で場をとれ花の陰饅頭で人をたづねよ山櫻桶とちの花いふへしに上野哉段々と寒い所のさくら哉山ざくら衆徒に上戶はたれ〓〓ぞ酒うらぬ山かたうとし花盛御家の例には、かの氏人の祝しはじめを井出どのより奉らる。園より折て奉る中にも、山八〇志賀なら金龍寺の花は、その庭十苻の菅とて垣ゆひ廻したるに處さだむべきものにはあらねど、けの句なきを恨ムルに、わしかりけりな桶とちの花順禮よし野にてうき世の中に世の外也。たてまつるけふにあひて、かしこき代々のたゆしなり。當參りにはつぼみし花の歸にはう ら若葉ら若葉其其桃行沾其万專肅兎闇梅其行紫彌東角角隣露德角卷吟山谷指橋角露紅子順二川のすく五月雨や四沓とりてうつの山越てぞ忍ぶつたの下みちむかしだに昔といひしうつの山酒のんで發句流るゝ〓水哉音子忘句の癖ありほしあひや哥を吟じて蚊屋に入鶯よ氣づかぬ程に聞しらけのぼる日や雲かと拜む花卯木熊野にてあがり場に展見えぬ田植哉かくれ家を馬に〓るゝ麥鶉行先について廻るかかんこ鳥笈弦に卯花さむしはつせ山順禮のとき出かはりにつし王丸のつゞら哉出かはりや夫をみれば丁五十ふとんなき春の火燵や筒井筒しら魚もとれぬ瓦の煙哉蕗のとうとものみやつこ心せよ藪入や牛合點して大原迄やぶいりや菜畠通る梅屋敷やぶ入の云分らしや珠數の長万日の人のちりはや遲櫻花ちりて煮梅も時の匂哉櫻川我せ曲尺の水かゞみ岩城へ赴とき子をかせと隣からして花み哉松島や寺ある島は山ざくら沾德か岩城に逗留して、はなむ四四〇盲人梅女此闇同山惠一波拙去万需蘭專其堤幽其露蘭沾肅指遊蜂吟雀麥交來山卷笑關吟角亭之角友沾關德
うら若葉麥時は松に火繩や夜の鹿同研たての小刀添て靑柚哉翠古寺無人迹狸ども皷ころばす凉み哉柴二月吉日とて是橘か剃髮、入醫門を賀す。はつむまに狐のそりし頭哉翁淨土經のあらましにも、狸奴白狐放後光と云へば、まえとのひかりかゞやかして、人にもばかされな、人をも妖すな、と巫醫の心をせめられし也。題觀心寺河州楠の鎧ぬがれし牡丹哉其此家にこれはと思ふ牡丹哉專介我亭盃盤二盃目はうすき花柚の匂哉岩四二人のもとへはじめてまかりて匍の我をも捨ず千團子四宮の彌宜も出らるゝ御秡哉ある御方よりあさがほかきたる扇に、さんのぞまれ侍りて舜草や扇の骨を垣根哉と書て奉りけるに、かさねてまた軍繪かいたるあふきに、さんのぞませ給ふ。再はとも申かねて、凉風や與一をまねく女なし獨樂園のこゝろを庭廻り木立はくらし赤裸躍るとも此手拍子や年の市落栗に兎の飛ぬけしき哉山畑はおく霜早き木綿哉同翠袖其許雫六柴雫舜草其角同其專角吟一闇望老松尼雀指水吟岩翁稻むしろ近江國のひろさ哉重九盃の菊のとまりや爪の上垣代や持て廻れるけふの菊夕虹や紅葉の橋のかゝる迄小土器に味噌のすこし付たるを求めぬるも、折から興ふかし。今宵の月はつかに、ひづみたるこそ、心ひとつにみつるものから後の月部屋住の身の有難や白雲に鳥の遠さよ數は雁松吟尼の庭にさが野の土を堀うつして、薄小松などそのまゝにもてなす中に、しめち、初茸有。行ずして都の土 や茸狩うら若葉浪化榎島に拜み寐入や夏木立柿のとう寺は鎌倉ふりにけり河音や餅屋も夜半時鳥いかにせんふれば雷郭公子規はつねのかたや苗二葉下ケ髪やつかんで出る鵑白川やけんとんさめて時烏子もふまず枕もふまず郭公望山波春望共堤其水タ麥澄水雫亨角專紫一吟紅江畫竹自讃ふらずとも竹植る日は蓑と笠鬼のやうなる桃隣、みちのくにへ下るとて、道祖神にとがめられしかば、異例以の外にて、何かしのもとに介抱せられ、漸にいきのび、心よはき文ども送られしに力を添侍るとて、翁行其露角同四三
辨水辨鰹荷の跡は己日の道者哉白雨やもりさす人の落た顏水松原に田石餅の跡からじゝむ暑哉ゆふだちに游ぎ出でたりところてんゆふだちやしばらく門の桑畠曉は弓に臥たる暑かな靑空や東すゞしき一口慶や問津、拙爻、先師、白菊やもりをとむれは鼠の子。と聞えし折にふれたるにや。と申出たれば弟しても萱の橋あり牡若食かまへらは生て出けん、舍祭や那須へ赴く錢に入湯のころるすをとひてうら養性や瓜畠若晝葉休み曇〓水影李白が面にかぶりけり醬油くむ小屋の境や蓼の花子規汐にうく間や君が崎けふの菊奴僕と成し手入哉客至或人大なるふくべを二ツに引わつは漆にぬつて、て盃とし、かたち目鼻なきめんのやう也ゝせて、發句を蒔繪にと望侍る。重九市遠無兼味とブ今年小園をうへて外は地さびのまゝ、鰐口にむら衞をか杜甫內むす〓〓と毛氈かゆし夕凉凉しさにあるいてみれば暑哉まないたに小判投けり夷講輕富貴うら若葉同其闇彫堤許幽闇其其同紫肅己專其角指棠亨六之指雫角紅山應吟角卯花や鳥のやうに鉢開業平の轆うちつけに新茶のむ氣や老同士けしからぬ桐の一葉や笙の聲靑海や太皷ゆるま:る春の聲散花や鳥もおどろく琴さみだれや麥藁馬の捨所小利口にうつて一つけたり鰹うり驚かし給へ直方興行みてひとつあそばして山の鳥をも肅山子のもとめ、畫は探雪なり。左琴ト筌ト太皷ト讃をのぞまれしに右堤亭興行轤首かと行螢の塵四四明礬の故郷は娘の成やわか楓大根の大根にふるしぐれ哉鷹數奇や問ツこたヘツ獨言蠓に寐息のたけのみゆる哉出嫌をしかりたてたる凉哉河豚汁に又本艸の咄哉め侍りしにより馴たるもやさし。こきためしにはあらで、醫なれば術を習ひ、北枳南橘のたとへのごとく、この峙、へば此句をつぶやく。製白礬とて稚子待門長庵が名を是橘とあらたふは〓〓に成火燵哉ならはん三迁のかし予が誂諧をい父が四五己自岩其素翁一堤其是許尙同醋紫應悅翁角堂江亭角橘六白止紅
うぐひすや副の柳も堂の外夏艸に眞揃ひゆく野駒哉いけて見て臺に干けりきくの花住かへよ人見の松の蟬の聲切口に池の水もつあやめ哉山笹の粽やせめて湯なぐさみ鴨小鴨我も廻らん舟の中天水を力に見たる花火哉子か瓜やうたゝ添寐の其後は干瓢につげの小櫛や指の股名月の酒も吸けり蚊の命鼻紙のしはを延すや夏の月大船や櫓にとりつけば時鳥橋に來て尻を吹るゝ凉かな夏山や雲出る山がつくば也さくら川今流たりくりの花菅笠のしめ跡見せん夏の月續節之神奇云々鮟鱇の腹をうかゞふ神哉於岩城善昌寺七間半四面之砂ノ物野航恰得二三人史記華陀傳至於剤膓剖臆刮骨有、見物奇興之手練甚以感之こしたるにあひしれる女の塔澤に入て、文旅こがれ原過るたみのに入て退之捨酒の吟あり病後遇中秋月泊う ら若葉う ら若葉秋一去介其我湖行專肅一可我同秋露紫航境來我角常東露吟山境朴常航柏紅麥飯や母にたかせて佛生會瓜むいて猿にくはする木陰哉燕のぬれてもめかず天川星合や勝手で咄す客ひとり眼霞に露ぞこぼるゝ天川明日來うと手提灯より銀河身にしむと妻や云出て天の川かさゝぎや石をおもりの橋も有御歸と蘭に手をつく坊主哉仙人も瀧落すべし砂に花枯野べに瘦あらはなる狐哉靑んめの枝をしなふやさ月雨艸の戶や一段さがれ郭公堀川で辨當盜む躍かな寒菊やとても達摩の前に咲篠懸をたが野に捨て猿蕀むづかしく惟子着たる我身哉酌をとる袖はづかしの螢哉とぼ〓〓と牛を屏風に野分哉橋すゞみ娘ひとりを食の蠅見た跡を唐土人の月夜哉初雁や物のいひたき夜の雨酒放す舟をうらやむ凉哉亦カでやけふはむまれ出けん佛さへこの世間のくるしきにしら賞雨後丙午のとし江北路舟中哥舞狙苦炎熱蘭四七四六同其山暮我秋沾其同秋可一湖蘭我浪風幽橫堤西松共角蜂子常航德角航朴境帆關常化喬笑几亭鶴吟角
うら若葉四八丙子のとしむ月の末つかたに素見、紫紅をともなひ、淺茅がはらの出山寺にあそび侍りて、菜をつみ苣をかき、蕗のとうなどさがし出て、鵬、柳の吟をたのしむ。夕つかた寺のうしろなる畠へ出たれば、覺束なき、んめのほすゑにかゝりてからびたるもの有。よりてみれば蛙の六分ばかりなるか、足手は糸のやうにて、腮つらぬいてかゝれり。是こそ正しう鵙の草莖也。尤袖中抄の說につゆたがはず、やがて、折とりて肴にみせんうめの花。とたはむれしに、素見たうとく拜みて、井出の蛙の干たるや、長柄のはしの削屑は傳えて承るのみ也。しかしながら、是風流第一の寶とせんとしきりに乞フ。光廣卿御集見侍るに百年まできれけんとて小刀を人につかはすとていかばかり金をきたひて小刀のたもてる人のとしは百まで折ふし一江より土產といひて、まなはしを退らる。返狀に哉先爼箸を袖でふく香爐峰の才をあざむくにやを虫籠の釘や玉簾酒醉はまことに恐るべし。種類に朝夕に刄をあつかへども、巳れをあやまたず。ぴつかりといなづま一ツ後から夕すゞみ濱をあがれば社有小ぶとりな娵子の年や花薄鰹其角笄幽之一望行十竹水露心ざし深厚なれば得さすとて、興句を添て澄文とす。草莖をつゝむ葉もなき雪間哉口閉病を治すとがや呃にい藤さく門を思ひ出よ飛石を腹ほどぬらす蛙かな鶯に拙まけせぬかはづかな人も來て永き日をしる蚊の聲後から耳を引るゝ蚊やり哉早乙女の手拭かぶる蛙かな七夕やならへもゆかで木平うり七夕や我も子なくて江戶の留主此家の蚊の出所や牡若枝折戶は雪が明たり干菜寺湖月庵にあそぶ春屋の讃すぐれたり玉芙蓉蹲君邊杉高く陰を尋ぬる月み哉氣遣な雲吹ちらす凉かな舟中に布袋をかきて、袋に添たる杖の楫に似たる扇のさんに月みるも杖につなげる小舟哉哥はわが國のたからとかやほど〓〓にをのが陀羅尼やせみの聲懷ク子さへ池のぞかする花葛二月の月夜に植ん菊の苗碓や春田の水のゐせきより諸利や岡の邊遠き花ぐもり鯛網や人の心の彌生山仇心蛙片鼻もたれけり四九岩翁其角我楚常舟行秋桑星山東一醋彫一露航露泉蜂水雀止花竹其角露秋肅銀野彫志柏色山杏風棠良十うら若葉
油しむ鏡をてらせ夏の月橘や三十二笆か島ははいり口馬人のすべつたあとやかんこ鳥五月雨や只さへしめる旅心秋の聲佐夜の中山ひな靈棚もこぎ行く舟の朝朗こ は千種胸に茂て玉祭衣なる錢ともいさや玉祭月の風ことにそなたの薄かなやぶ人や帷字透て判の跡出る筈の舟も延して天川阿部川の引水早し天川商陸の葉はふとりけりさ月雨毒斷の數に入けり衣かへ寢ぐるしき檜のかざの火燵哉心あて別に成けり夏住居品にゝとは、いかめしけれどまつしま一見の時、むかし忍ばる義仲寺に馬をとゞめて棚經に廻れる僧門外にて、衣の中新ご、とかせ給ふとよびかへしてより錢をおとされたり。かの授記武江に信因の師あり病閨悼亡婦不覺內衣裏有無償實珠別十六日のあした戀後怨うら若葉う ら若葉盆尙東我其問一翠介嵐尺落同木桃翠黄白順常角津江袖我蘭艸霞奴隣袖山杜父魚やあられに落て腹皷カクブツ古城や堀にちいさきも刈舟その藪を直に筏やもがり船組〓〓や網代に並ぶ田植笠白雨や小島ははるゝほかけ舟板橋の夜明は瓜のさかり哉よしあしに稻の名たつる彌六哉かやり火や疊にとまる蚊は幾ツ水鼻にくさめ也けり菊絶草刈や鼻かむ桔梗好郞花冷る手を煩く迄とる別れ哉ホ朝顏の小町なりける夕哉蕣や產後とみゆる面かはり大名を相手にしたる眞雁哉舜や沒日に花を一袂花鞠の心あらはや星祭星合や女扈從の白出立舜の香を待ツ蔓やくれの竹あさがほや垣の後は昏の花朝顏や油を借りに垣間より槿やかはほりたゝくすろ帚蕣の落て歩くや昏の虫あさがほく荅かぞへて昏の水蕣草やふめば閾の片あかり新蕎麥や鬼ともくまん病上りほしあひや人の心を爪はじき題暮蕣各二字三字松島より立かへりて越のなるか川をわたりて五一五〇紫丁山一拙鵰一幽翠暮桃許其專口拙暮衡黃柳穹尺彫其木志紅分蜂江交花雀之袖子六隣角吟遊交子山山糸風艸棠角奴良
若葉陰ツては又朝顏に立居哉我朝顏や凋みつぼみも同じ昏是あさがほに毛脛洗へば宿鳥哉虚吉原の朝顏ばかり昏てよし岩朝鮮のあさがほ三日入日也秋蕣やくれに吐出す磨砂丹槿に蛛包まれし斜陽哉蜂朝顏に花なき年の夕ベ哉其當句さしあてゝ誹言なしと聞ゆれ共、としの夕べ哉といへるに、秋といふおもかげなし。みな月のはじめなど、葉さへしほれてくるしげに、見え侍るをいたみて、風なつかしき秋の色はかるにや、夏の句にとり侍りぬ。觀音のいらがみやりつ花の雲翁かれは上野か淺草かと聞えし前の年の春吟也。尤病起の眺望成べし。一聯二句の格也。句を呼五二常橘谷翁航子腰角で句とす。悼嵐蘭詞金革をしきねにしてあへてたゆまざるは士の志也。文質片ならざるをもて、君子のいさをしとす。松倉嵐蘭は義を骨にし、實を膈にし、老莊を魂にかけて、風雅を肺肝の間にあそばしむ。予、因む事十とせ餘九とせにや。此三とせばかり官を辭して、岩洞に先賢の跡をしたふといへども、老母を荷ひ、稚子をほだしとしていまだ世波を出ず。されども榮辱の境に居らず。曰〓〓風雲に座して、ことし仲秋中の三日、由井金澤の波の枕に月をそふとて鎌倉に杖を引、そのかへるさより心ちなやましうして終息たえぬ。廿七日の夜の事にや、七十年の母に先立、七才の子に思をのこす。いまだをしむべきよはひの五十年にたらず。おほやけのためには腹押切ても悔まじき器の、はかなき秋風に吹しほれて、草のたもとのいかに露けくも口惜うあるべきと、今はの時の心さへしられて悲しきに、母の恨みはらからの歎、したしきかぎりは傳へ聞て、ひとへに親屬のリ別れに同じ。ことし、む月の末ばかりに稚子が手を取、予が草庵に來りて、かれに號得さすべきよしを乞フ。かの王戎五才の眼ざしうるはしければ、戎の一字を欠て嵐我と名づく。その悅べる色、今目のあたりをさらず。生ケる時むつましからぬをだに、なくてぞ人はと、しのばるゝ習ひ、增て父のごとく、子のごとく、手の如く、足の如く、年比なれむつびたる俤の愁の袂にむすぼゝれて、枕もうきぬべき斗也。筆を取ておもひを述んとすれば才つたなく、いはむとすれば胸ふさがりて、只おしまつきにかゝりて、ゆふべの雲にむかうのみ。う ら若葉秋風に折てかなしき桑の杖初七墓にまふでゝ、みしやその七日は墓の三日の月長月三日なりければ也此ほの詞は、翁、存生に病心をなやまし、かく書つゞりけれどもとて、懷中し來給ひて、追善興行の事ども迄相談に及し時、予が机のはしに殘されたる也。今年玉まつる夕べに、亡人の反故ども引さかしたれば、折ふし見あたりて侍るゆへに遺文、感情をっごかし、ことさらの追善と思ひて此集に加へ侍る也。嵐戎が孤愁をあはれむ芋の子もはせをの秋を力哉七月十二日於翁之碑前捻香拜書之芭蕉同其角五三
うら若葉五四あり米上田の中に秕さびしき夕月にやつと待する送〓駕籠霧にしづまる惟高の跡笋か是はめづらし花盛百目の綿かきぬさらぎにて(+)院〓〓と障子の音や春日影鋏をかして會釋する顏御三末ぞと寄つていたゞく中なれや發ツた時はそばで煩らふ馬さしの心も木曾の難所也灰に成たる燒飯の皮寒空やどこの紺屋もうけとらず橋板たゝむ加茂の川緣松山の亦い所は道ならん大カ石の火入に煙る鋸屑十月十二日深河長慶寺芭蕉翁移墓回愁之吟時雨るゝやこゝも船路を墓まいり鳶も寒げに日の沒の鐘薪わる長屋の坂の見越れてひとりはどれかしれぬ客也〓をかくすさいふも重し夜の月牛よりつよく車押露細長い柿を戶板へはり出して寺をのぞくは皆湯入也行舟や同じ所に漕で居る水のむかうにかゆる吸物抱く琴の龍池をあてる片小鬢さはり心もちりめんの横何鳥の屎とも見えず凉床紅亭角吟德紅亭角吟德棠亭角吟亭其專沾堤角吟德亭吟角亭德紅亭角吟德紫彫呼られて泥坊すくむ暮の月倒れた藏は虫の原也壁越に一ツのまぬか花薄似合しき名のほしさ尺八醫師に成坊主に化て四十迄執筆の膳と替る文臺笠ぞ杖ぞ俤にして花の雲金に聲を付るうぐひす角我亭川我紅棠我どに、なんなく山をつきたて、淵瀨さらなる川筋となれり。さればかの名橋のあとは今は渡りに成て、封境ス +をしる人稀也。こゝにいにしへをあふぎて、今の物好しけるともがら、こゝらあたりにこそ其古杭は有らんなどゝて、覺束なき幸を得まほしく奈裏までもと、うちたつる鍬の力に任せて、此埋木を堀出たり。往古稱美の風雅のかたみにして、殊に類ひなき板目なりければ、朽にしまゝに削なして朽せぬ名物とはなしぬ。いはゞ山の井を硯にくませ、濱荻を筆の軸に切よせて、みちのくに紙のあつこみたるを、かさねたらましかば人丸の神もその左にゐまし、赤人の神も一座の句所のあらそひ給ふまじ。殊に有がたき寳ならずや。よりて當時の達人をして結構に文詞をかざり、和歌、連誹の讃卷〓〓みちぬ。予も其の數にくはゝりぬべき由、故實はいはずともさとしければ、今の事實をあらはし五五介山文臺の記氷花所持貞享甲子の年にや、河村瑞軒といふものに、おほやけの仰下りて、難波古江の埋れたるを堀て、舟路の自由ならしめよとの惠みあまねき御觸について、都鄙、芻蕘のものども、膏澤の步にさゝれて、まいりあつまるほうら若葉
名月や虫がかぶつて鷄のこゑ名月や揃はぬ雲に空の風名月や小海老はなして手水鉢袋井を出はなれにけりけふの月雨にしてかうはぬれぬぞけふの月上下で馬上も流石月見哉一條の戾り馬也けふの月十五から酒を呑出.てけふの月うら若葉あぜ道や鷺に習ふて稻の花瓜番は三年さきの家來哉さゝやうをば提て行也檣賣藤棚や寺のうち迄瀧けぶり爐開やまだ形ある電灰純汁の跡は白川夜舟哉船頭よあれは鴫也なべた越艫も舳も消炭斗鵜川哉しぐるゝや太山の堂のから木立寄山客もる月はむかしの橋の朽目哉かれとしいふのみ。此の重器を拜みぬる悅びを述ぬ。て、かゝる時代に生れあふ人、うら若葉その信うたがふ事な疊の上にしてたやすく晋子書そむる者はすくなうて、その座閑かなる聞人哉、びも、一藝ありやといへば、と枕をなげ出す。さぞな人を泣しむと聞えつるすさしてまなび得てし曹保は、ばたつめる感あり。ことはりにこそといふに、かく無風情の人かの十三より長う成レと聲をひ秘曲も子虚專我彫拙幽秋其翠暮太柴夜波岩水翠書谷吟常棠交之航角袖子泥雫錦麥翁刀袖寐る人を蠅でせめたしけふの月常の氣で靑野が原の月み哉名月や八日の影を三番三年〓〓の船の名よせを月み哉築出した海の面の月見哉名月やかゞやくまゝに袖几帳五七名月や蚊屋にこぼるゝ馬の面りて武藏野の月のはしりや須磨明石名月や折と出ちがふ庭奉行かたにあくがれて、鞍をやすめたれど、厩に見まひ侍ひとり月みん川狩や蓼かなぐりし跡も有蟬鳴や安房迄見るや橋の上きり〓〓す燕の巢の土ほこり客とおもひなす。心をはらし、をめて、良夜に琵琶を興じて、情寄托歸燕さゞめごとの耳をそ深更いやましにむら雨の酒をそへ灯をと爰も薄陽の棚經や小僧は観を持ながら乞ためて乞食ふくるゝ盆供哉灯籠はひくし祇園の表門戀せずば嘸眠からん灯籠番須磨淡路一舟に聞衞哉かはかうや竹田へ歸る雪のくれ瘭疽程爰をうたるゝ砧哉五六草のいほりをたれかたづねんと、〓〓とよばれしも折にふれたる也こたへ侍りしをめでゝ、くさの庵需一一梅雲其行如沾竹東彫問翅岩挑川其蘭笑雀江橋洞角露流德巷流棠津輪翁雫子角關
制札も倒れたりけり冬の蓮松葺や笠一ぱいに丸火鉢この石の根はいつく迄苔〓水客殿は人きれもなし大切籠わづか成蛋にせきたる男哉蓮生は歌はよまぬを虫拂ひむら雨や床柱にあせみの聲初鰹臺に潮のひがり哉番町のおぼへにくさやかんこ鳥いそのかみ〓水也けり手前橋じか〓〓と欄干暑し公儀橋蓮生と號す。宇津宮彌三郞賴綱出家して實信坊黑谷にまいりて拜什物橋守ものとはんといふによせたる也是を熊谷入道と云あやまるもの也う ら詠歌、集ごとにあり。若葉龍神も花見なりけん舟ノ上をうらみてて三月晦日、うつし侍るに、いせに住ける庭のさくらを江戶へ靑葉にて着船したる二月十二日舟出し赤キ色消て最中や月の隈小西瓜や蔓引立てけふの月五六人並ふ出村の月み哉名月は庭一ぱいの小松哉月にさへ家ははなれぬ女かな花娵も里へやりけりけふの月名月や坐敷へ出たる土大根餅にして銀箔をくふけふの月名月や影はまばあま膳の上竿さして肥りやみゆる水の月うら若葉其波太柴其堤口巨支利松秋洲蘭一巴可暮柴水翠薯十子雫刀袖子角麥泥雫角亭遊字梁合吟色荻關竹山朴爼の御前鶯夕立に橋新しきにほひ哉浮魚の底に寒さを春の月鶯や君が代のながらのはしもつくる也よ舌を煩らふ我は酒うぐひすや南の枝に北向櫻より櫻にうつる目もと哉倒なさくらはいつの山崩レうそ〓〓と嗅で廻るや菌狩名月や我老樂の門さゝず若き人々にまれかれて糸一ツ船にかゝりし柳かな病中の消息藪のはえ込橋の下草庵に吟凉し夏肴五八志賀之助男盛の春立て吟味仕つめか馬士は鶯脇息にあの花折レと山路哉行露公、放すかと問るレ家や冬籠比叡颪護摩にあはする落ば哉初雪や雀の扶持の小土器はつきや上下かへす途中より初雪やうらは間遠に藤の棚甘柿や隱居へ見廻ふ緣傳ひあたみより御相湯のよしにて御駕籠にみそなはし侍る。の句奉るべきよし承りて、落葉の句合にはつゆき落柿舍へつかはす文のかへりにあたみへだゝす給ふに餞三句五九觀遊の其行其去景其沾專彌水曲翠柴彌專波柴山東機來帝角德吟子刀翠袖雫子吟麥雫峰順一角露角
チら若葉六〇贈晋渉川先生書去來問。師の風雅見及ぶところ、みなし栗よりこのかた、しば〓〓變じて門人、其流は浴せんことを願へり。我是を古翁に聞り、句に千歳不易、一時流行の兩端あり。不易をしる人は流行にうつらずといふ事なし。一時に秀たるものは、口質の時にあへるのみにて、他日の流行にいたりては、一步もあゆむ事あたはず。退ておもふに師は蕉門の高弟也。翁の吟跡にひとしからざること、諸生のまよひ、同門の恨少なからずと。翁の曰。凡天下に師たるものは先、己れが形位を定めざれば人趣くに所なし。晋が句躰の予と等しからざる故にして、人をすゝましめたり。又、我、老吟を甘なふ人々は雲煙の風に變じて、跡なからん事を悅べる狂客なり。ともに風雅の神をしらば、晋が風興をとる事可也。來曰。翁の言かへすべからず、然りといへども誹諧はあたらしみを以て命とす。水雪のいさぎよきも止ツて、うごかざる時は汚穢をなせり。今日の諸生の爲に、流行をとどめて古格を改めずんば、晋子を劒の菜刀なりとせん。翁の曰。晋、今わがならはしを得ずといふとも、行末そこばくの風流を吐出さんこと鏡影たり。去來曰。さる事有。たゞ是を待に、年月あらん事を歎くのみとつぶやき退ぬ。翁なくなり給ひてむなしく四とせの春秋をつめり。今先生と東西、雲裏の恨をいだくといへども、いまに我松柏、霜後のよはひをことぶけり。幸にうらわかばの時に逢ぬるをおもてとして、古翁の言を起しぬ。先生これを案下にさみする事なかれ。丁丑仲夏初二落柿舍嵯峨去來稿六うら若葉
俳諧錦繡級上下其角撰
富士の山師走ともなきすがた哉初下俳諧錦繡緞向山陰や身を養はん瓜畑美濃に入て鷄のめをと寒しや雪のくれ殿つくり慰にうつ砧かな垣根破るその若竹をかきね哉十月や艸まだ見ゆる庭の隅殘の雪比良の谷〓〓おぼえけり朝櫻よしの凉しや夕ざくらあの雲は稻妻を待たよりかな宵闇や霧のけしきに鳴海潟天地の咄とぎるゝ時雨かな俳風聲は天地の語也とあるをすも、般若の諸經ありて、晋子はた卷のはいかいをえらびて、諧元亦むべならずや。俳諧錦繡緞錦繡祿丁繡丑後緞冬法華經を說せ給ふがごとし。されだ此集を、上加大ゼ京文一素尙正去翁其湖賀津下ふたゝび錦繡緞をあらはす、湖翁春鱗笑堂白秀來角春江上隱士河骨や終にひらかぬ花盛うぐひすの罷出たうぐひすに辨の吃をせかせける亦みるや一重の後の梅のはな松かざりいせが家買ふ人は誰馬士に貧しきはなしゆきの暮龜の背に漂ふ鳰の浮巢哉腹のたつ人に見せばや池の鴛おもだかや弓矢たてたる水の花舜は下手のかくさへ哀なりおもだかに鷺の來ぬ日ぞなかり鳧いつの時人に落けん白牡丹牧方の宿にして揚子に題す嵐雪が畫きしに賛のぞみけれはゴ二六六五よ蟇山是佛家に、松寳晋齋の醍醐味ともてはや子華嚴、六四序阿含、方等、尾櫻平肅野西李陽塚田ゼ尾其曲荷陽素翁其山水吟由堂角水兮角
亭夫婦やどりし跡はがんがりと足入て洗ふも白き餅の米瘭疽いたがる下女が泪は揚貴妃の顏をつゝめる山かつら御迎ひの船ともいつか己の秡膚の百首に春の夜の月よしの山佛法僧のことし啼ク艸ふかき乞食の玄關人まれに拜領の奇楠をいたつらに性捨てなど齋神の朝東風は吹晝馬やかましく馬船ふむ音しば〓〓寒く雪になる雨苔の下まで改め甲斐〓〓敷ぞ旅で子を產ム俳諧錦繡緞し時分なる戀の着ル物墓彌生半と見ゆる月華や洛陽の寺社殘なく花の陰うたひに似たる旅ね哉花をやるさくらや夢のうき世者遲きものゝ中にゆるしつ遲櫻紙屑や所〓〓におそざくらこゝろ得ぬ花見のつらや相撲とり車にて花見を見ばやひがし山手習の師を車座や花の兒木兎の獨わらひや秋のくれッはれぬべきことをと思ひたちて、と聞えければ、裝憶芭蕉翁章なくと俳諧の諷尼になりて太秦にすみけるころけうかる我が旅すがた束俳諧錦繡緞溪其翁すかいばら山柴嵐其嵐其石角て川雫蘭角雪角石角化船水石角水船水石角化船水部する北の家陰の露しぐれあひみてぞ二度びつくりの殺しぶり御神輿に衆徒の鎧を輝しかはらけにかぞへ分たる切艾朝まだき局の丸をうちこぼし目の玉の出るばかりに貝吹て麻ふせてこの山水の靜なるいそがしく蕎麥うつ所化の襷掛おくは枝折の僧正が谷空色づく秋を知らぬ紫蘇の實涌口とめてかゆる湯に膚かつぎも顏もむかし女房五ツか四ツかほとゝぎす鐘にくまれ口を姥が名にたつ死したる狐飛らん六七;·ラッチむらしぐれ十夜のうちを案じけりうちひらく酒屋の庭に凉むらん小坊主の藝の數なき月の友糸竪にからげてあまる菊の丈ヶ玉敷の御堂は瓦下地なりあとに成先へかたまる雲の脚上田にあらくうへても苗のつや鳥の巢も次韻の興にほころびて髪籠の外をくふて見る柿烏廳の筋をおつるからかさ末に幾瀨の水の鳥ゐさせじと斷種を干ス町衆もよほす祭禮の鬮こしらへやうに蟹の味ひに出家三條の宗音川六六仙普楊石角化船水石角化船水石角化船水石角化船水石角化船水石角化船水
銅蓮の水に翡翠の影下りて釣さして鰻はひ出る苞の內しけ地ふむひつぢまじりの芹の花俗名を崇むる神も所がら春の水三十川のやすき瀨に斬なとは花にこと葉の情也日盛はいとゞ雪踏のそりかへる組木の葉の莚柚べし干らん板子はづして酒ひやす舟野にうたれては鼠とる犬碑になをしたる鳥羽の戀塚かならずくもる庚申の宵醉てほゆるか梅の下臥身を壁錢に忍ぶ夜の月天井ス イの天人の:;數手療治に心一ッをわづらひて佛にて禪としれたる庵の躰霧はれて富士のなだれの右左唇でクチビル辛崎へ今すこしなりよるの雨當日の位牌くり出す月の朝出あへと千人切をよぼふらん萱の鼓樓の苔に聞えてたれにもらへる紅の目ぬぐひねられるまゝに食を尋る土佐が歌仙もうづもるゝ壁尾花につれて招かれし鶴心をつむとてきえし挑灯おもひ分たる梨の切口しらけてのくも假初の戀鼻紙とるは遊女めく俳諧錦繡緞·シ俳諧錦繡緞石角化船水石角化船水石角化船水石角化船水石角化船水石角化船水名月に彼朗詠のふし所鳳輦をさゝいで渡る大和川卿名つく法師なまめく藤の暮我〓〓が盆にのせたる旅籠錢世間氣に白髪つぶりを結立て夕月に茶入をせゝる鼻膩道祖の神のみゆる陽炎一二三寢は景のよい時目を明て一チ面〓に御所の疊の敷かはり襟次なる武者の年を問るゝ花のさかりに通る小娘しづかに漕げや夕汐のふね同じ文ンかく伊勢の祐筆古き精麩を持し表具屋し いから膝にかゝる盞カ,六八Tale大汁の鳥をうち込煮出し籠老が手に春はゆるまる珠數の糸時人の雜談集も花ごゝろ薄疱のかくれぬ程に打粧ひ〓くさめをはやす元朝の聲白き反故はおしむ凧の尾宿もさゞめく本陣の幕少生の起別をしる獨吟の場にて、癸酉八月廿九日の晝、納豆枕さびしき崩心の悲を懷きて、亡父葬送四世の砧笑ふてうつや宵ならん一鍬に蟬も木葉も脫かな今迯すましたる有明の酒そふ母も片袖の露西カ六九其角化船水石角化船水石角化船水石角化船水石角化船水
俳諧錦繡緞錢金と思はぬ氣より涌出て禮者の踏皮にかゝる雪汁乘初もきたなく見ゆる駄貨馬大名持の畑の若艸幾世ふる樫の木立の雜司谷茶碗がよくば〓水ならまし山家では遊行も醫師をなされける今產ム躰に見えし猿の子あかつきの聲嵐まで古戰場石地にふれば雪ほどな霜草鎌に麩をこしらゆる谷の水鮎の間屋の井關して置きほひ來る神輿洗の人に人露ふく風や公家の編笠七夕も楊枝をかるといひそめて七〇仕似せぬ戀をたそがれの月花の後万日まゐりすみだ川海苔を力に蕎麥切を嚙ム目から死ニ耳から死ンでくれの春國を覺へぬ傾城もあり此鏡はらひものなりたが思ひ世をそむくには邪魔な脇差立込で僧房多き中に小柴垣何に追れて井へ落る鷄ものすごきとのゐ所の男ぎれなみだに汚す平仲が顏あつさりと書たる文はなきめかし四度ビの仕着セ恨てや着る鄙人を舅でいといひかねてト十齊のうへにはみぐるしき醉風呂箒うしろにさして月を待紋のある蚊もいつまでの秋二タ本ト榎かすむ入あひ芋の根にちいさき地の卷付てはらから、うから、のがれえぬ老見、幼見、朋友のことゝひか殺生石のけぶるむら雨はしぬる哀愁のあまり、紛らか當分の關と見えたり菰びさししなんと申捨たる也。四十こゝ施寢さだめぬ麥飯を買のかに當ぬる日、五十句にみちあさましき命の人や百の上たれば是を誦經の後、追善に備へ侍るなり。尤眞行の體と申べこゝは僧都の足ずりの濱,〓Lo秋かけて鰺の干物に鳥驚し牛のほこりをたゝく夕月淋しさや二所權現の藪の色むしろ着せ置餅つきの臼東順傳芭蕉稿老人東順は、榎氏にして、その祖父、江州堅田の農士、竹氏と稱す。榎氏といふものは、晋子の母かたによるものならし。ことし七十歲ふたとせの秋の月を、病める枕の上へに詠めて、花鳥の情、露を悲しめる思ひ、限りの床俳諧錦繡緞七一佛檀は所化に任する花の時二タ本ト榎かすむ入あひはらから、うから、のがれえぬ老見、幼見、朋友のことゝひかはしぬる哀愁のあまり、紛らかしなんと申捨たる也。四十こゝのかに當ぬる日、五十句にみちたれば是を誦經の後、追善に備へ侍るなり。尤眞行の體と申べLo
俳諧錦繡緞七二のほとりまで神みだれず。終にさらしなの句をかたみとして、大乘妙典のうてなに隱る。若かりしとき、醫を學んで常の產とし、本多何某のかうより、俸錢を得て、釜魚〓塵の愁すくなし。されども世路をいとひて名聞の衣をやぶり、杖を折て業をすつ。旣に六十年のはじめ也。市店を山居にかへて、樂しむところ筆をはなさず。机をさらぬ事十とせあまり、其筆のすさみ車にこぼるゝがごとし。湖上に生れて東野に終りをとる。これかならず大隱朝市の人なるべし。入月の.跡は机の四隅かな跡は机の四隅かな行草體悲悲鳴獨吟ちんばひく蝦にそふる淚かな並ばぬ鸛の猶のどかなり春荷とはどの旅人がいひつらんおなじ肴を汁と燒物乞食めと世間をしかるけふの月ゆかたにかくす蕣のはな氣につれて小便濁る秋の昏三十四句卅日が來るぞ家主の顏我こひは人の內儀をほめそやし湯豆腐の湯のさめてつれなき草枕冬の寢やうを習ひけり伏見の醫師の勞〓〓として幾昔たらぬ風土記のなつかしき芋までつくる城中の畑引度に引板と一度に叫ぶ猿溫泉入の通る山間の月其角花の宿ひよつと調市を抱へたり分の臺にたちたるからし菜の味春の日を十里はありく醫こき(十壹步が薪はせばき草庵年のくれ手桶に餅を入れて置孫はひはずに息災な祖母東國は一夜泊りもなさけあり松のはなしを有明の月吹出しは鹿もうたがふ笛の聲1いとひやゝかに銀陶の酒病中を乳母の尼に逢たがり琴の下樋に何を入レけり七在所でもよ所に聞なす泊瀨の鐘市女がとゝは出茶屋也けり水たまる車の跡に牛の沓俳諧錦繡緞以を突れて馳飛付く花を見て鳥居に面を打ぬらん傘ふつて疊む春雨十月廿日嵯峨遊吟さが山やみやこは酒の夷講廣澤池のつら雲の氷るやあたご山のゝみや木がらしに入相の鐘をすゞしめよ〓瀧や澁柿さはす我こゝろ臨川寺凩の地まで落さぬしぐれかな野の宮のやぶ陰に、わびしき槌の昔しけるを鍬鍛冶に隱士尋ねん畑の霜七三其角去來加其生角來去其角
婆に逢にかゝる命や瀨田の霜からびたる三井の仁王や冬木立此月の時雨を見せよ鳰の海帆かけ舟あれや堅田の冬げしき縫かゝる紙子にいはんさがの冬都路や初夜に過たるもみぢ狩冬枯の木の間のぞかん賣屋敷しばらくもやさし枯木の夕附日大芭蕉庵舊草遊園城寺湖上の吟加生の妻の心つかひを千那に供して父の古〓、かへりに寺へとぶらひけるとて井里俳諧錦繡緞堅田の鈴誰が子ぞ幟立おく雨の中旅衣まてども馬の出がたきまた手枕を入かへて寢るうれしくも顏見あはする簾の間盞付ケて鶴はなちやるきり〓〓す螽も游ぐ山水に願狂はする龍骨車の月はら〓〓と栗燒ク柴の圓居して鴨啼や弓矢を捨て十餘年平み家留守多かりし里の麥刈ほの聲片原町に馬次でたく入へからず。番匠の入口に俳諧に力なき輩かの陣を笑ふ浦人香りそらぬ霜の小刀사업俳諧錦繡緞呂と定たるも、其嵐去白キ曲キ加去來角雪來角雪來角水角生來荒神に繪馬かけたる年の棚花鳥に夫婦出たつ花盛いきて世に取おくれたる老相撲船かけてとまり〓〓の魂祭狩倉にもよほされたる秋の空八景の月と雁とを見盡して味噌さます草のさむしろ敷忍び小原黑木ぞ身をふすべけるよめ娘見分る戀のいちはやきうつばりかくす關札の數若餅つくと家子に〓こす元よし原の情かたらん畠の中にすめる月かげ雪越のきぬたのいとあはれなり遊びてん寺の入相七五ゆきの日や船頭どのゝ顏の色茶師の藏梢〓〓にかさなりて闇にとて雪待えたる小舟哉晝中やしぐれ似合ぬにほのうみ蜑のかるかぶ菜おかしやみるめなき湖を屋根から見せんむらしぐれ鴨こす蜂を入かたの月ひとつ松此所より浦の雪つゞれぶむ石に踵の洗はれて高根のあらし炒かたまる橋うら寒きともし火の筋よき日和に月のけしきや村ちどり霜月下の七日尙白亭亦次七四角生白其加尙素、其尙來來角雪角雪角、雪角雪角雪角角生白葉角白
俳諧錦繡緞贈りものには酒ぞたうとき今來んといひしばかりに床とりて火燒を蹴出す思ひあまりか手形書ク戀の限りと成にけり憎まれつゝも宮仕へする七六顏直し賑ふ方のめでたきに長ケをくらべて結ぶ水引花のもと各當座つかまつり柳にうかむ管絃の舟雪角、來雪角雪其角述或師の云。利休の茶の湯にあひて、事を好むともがら、その折ふしの道具どもを是は古し、是は新しなどゝ目をはりてほめあひければ、利休さん〓〓不興にて、新古の目きゝは、あき人にこそあれ。道を好むともがらはたとへ欠摺鉢なりとも、時によろしく茶の湯に用ゆると、用ひられざるとのさかひを辨へて、物數寄をほむべきなりとありしとかや。俳諧もさのごとし。句は道具なり。點はあき人なり。俳諧過ての點なれば、其席にまじはりて是は長、是は丸、珍重などゝ、點にあてゝ目利せらるべきは、本意成まじくや。打越のむづかしき所か、席のしぶりたる時に、時に宜しく付流したらば、たとへ無點の句なりとも是用也。點者の心をかねて、句ごとにあらぬ工みをみぐらし、人の前句をばひあひなどせんは、無下にくちおしきはたらき也。用、無用の境、新古の分別、こゝろざしを高く守らば、自然の風流あらはれて、幽玄の一句もいかで思ひはづしぬべきや。されば此茶巾、折目のまゝの茶巾なれば、作を用ひざるも時のよろしきにやあらん。薄氷折目のまゝの茶巾かなことさら今朝は耳ぞつめたき立〓年の頭をそれば酒付"て包み錢やる湯屋の三方庭ほどの梅にもほむる月の影ちいさき鏝をやとふ丸窓ふるべたる色紙の泥のかはるらん龜屋の夜着も人の代昌身にも似ぬ女なりけり能太夫あさづま舟に幾日逗留潮煮も辛く成たる鯛の味年玉なくて禮のこりけん柄糸に手垢もいとふ春なれや北野の繪馬花見がてらに御〓供の人なとがめそ口なぶり俳諧錦繡緞普其船角、船いとゞしはすの市烏啼月雪に近江の海のなんどりと旅をはなれて仕たる第三此ごろは文かく事のむづかしき二日すかねばうとむ髪の香安持佛くやうし給ふはちす花常住ム所相のから紙目病みども門に立たる朝日影子にしぼらるゝ瘦犬の乳山の井の心をしれや旅の汁顏の白きにふくめんの跡振袖を刀のそりに打かけて是をくすりと思ふ盞波の月波戶の泊もしらみ行葭と鳥居の穗に出る哉七七船角、船角船角船角船角船角角船角船角船角船角船
俳諧錦繡緞稻刈て初尾にかくる岡の松家とていくつ武藏野の國府市人の肩に棒置く懷手南風な る横雲の海咲色のほとろ〓〓に鹽煙まだ色さめぬ鷄冠靑海苔七八ず。是についして、炭とりに鏡のぬけし手樽哉角其角鬼女の面は、般若のあたち女とて、古來より角あるおもて也。黑塚の能の位に、おもひ合せ侍れば、全く一念の鬼女といふにはあらず。たゞ岡兩のたぐひ成べしとて、源助に申て、あたらツ,しく角なき面をうたせけるは、時にとりての工ならんやと申されしに、いふはまことかといへる、兼盛のうたも思ひやりたるやと雜談して、兩吟の物好にはなしぬ。船角火鉢の記片手打落したる煎鳥鍋を幸の物哉とて忠度と灰にかゝれし火鉢かな名もたゞのりと云べし。代々の鼎の德はさら也。破鍋にとぢ蓋ぞ、我に似合しき寳なれとて撫さすれば、箕山のひさごよりも猶かろく殊にかしがましき罪なLoいよ〓〓捨べきものにあら其角黑塚のまことこもれり雪女蹴あげ目にたつ白革の足袋暖に京は羽織を長く着て其沾角蓬繪にかく鍔に障子霞める山一ツ皆つゝじなり夕月夜小米ざくらはしほらしく散る鉦の音も今日めづらしや夏念佛夫起してあきなひにやる出すまでは獨もの思ふ上總舟引るゝ猿の山を見まはす1キ息次に小宮の立し曲り坂雨さむき夜の疊み挑灯古君のやりてに成ておそろしき戒名知らで祭るこひ人ヒグラシ蜩の鳴くあたりにて日をくらし鯰に濁す水の月影六條の鹽屋詠ん花ぐもり煎餅簀に干す雪の春草俳諧錦繡緞角、蓬角蓬角蓬角蓬角蓬角蓬角蓬數〓〓を釘にかけたる紙鳶冶郞の繪馬其紋にしる振袖の駕籠よりあまる摺ちがひいかなる經を尺八にふく松風は夢のさめたる片相手壹貫あれば都まで行子を呵る人はむかしの生れにてひろき座しきに戀のかくれ家文車やくひものもある土用干こゝろに酒を女禁制澄月のうらやましげにかゝり人秋の調の草を炮ずる小便所習ふも遠しぎり〓〓すT十見えぬ隈をもしのぶ明盲其像にためて置たる爪白髮七九角蓬角蓬角蓬角蓬角蓬角、蓬角
草臥のやまん二日ぞ花の春秋のくれ肥たる男通りけり山陰や〓水たる音あはれなり賣たさにつかうて見せる團哉我子なら供にはやらじ夜の雪尼の子の尼に成たるねはんかな水札鳴て神杉すごき流れかな我目には師走八日の空さむしうたがふな潮の花もうらの春馬人や川瀨にあふの櫻麻松原やたま〓〓あるが山ざくら武士の聞なぐさまんあられかな春の雪雨がちに見ゆる哀なりあか〓〓と日はつれなくも秋の風凩に二日の月の吹ちるか春も來ぬ南の譽れ星の道春のひかりも日中の鐘覺範がいほりの跡も花の奧小反の太刀の霜にみがけるうつみ火の南をきけやきり〓〓す旅立辭加州にて鎌倉に遊びてに行きしに次郞といへるをつれて夫の夜咄明星悟心二見の圖を拜み侍りて行春俳諧錦繡緞世俳諧錦繡緞伏好一見春笑全枳翁荷露吼仙化與尙白奴二柴雫奴是其角奴奴雲三七吉加生妻彫尙杉翁峰風兮沾蓬棠白風蟷螂の尋常に死ぬ枯野かなちからなき蝶にかさなる落葉哉百とせの後なき人や冬の蠅鼠にもやがてなじまん冬籠夕立やはなれて牛の門ちがへ猫の戀鼠もとらずあはれなり若鳥やあやなき音にも子規曙やことに桃花の鷄のこゑ水音の野中さびしき柳かなうつの山折かけてあるさくらかな枯芦に氷をのこす夜しほかな川舟の筈にはふかぬ菖かなわせの香や分入右はありそ海卷藁の拳さだまる闇の音一千忘れ水捨て蘇鐵の鹽を出す初鮭やかねて荷前の宿ならん人うとし雉子をとがむる犬の聲小僧ども庭に出けりけし坊主もえやすく又消やすき螢哉つら〓〓と女中ばかりもざりけなしどこやらが墨染ならぬ眠つくり木の糸をゆるすや秋の風盞かへてはづす場をしる雨におはれて野から來る虫遺精おどろく曉のゆめ辷つたあとを又すべる也月に舟あり船頭はなし旅居をうつして於深川榮壽院思八〇八一少去來孫角千年上子其巴肅其李琴其珍芦苔溪翁其介神嵐其角風山角下風角タ翠石我叔雪我角雪叔角我叔雪角
蔦紅葉魔所にも遊ぶ我意水や空とりはなれたる月の影汲よせていと冴かへる六ツの水何山吹に地下の哥よみ能き馬を花に引せて口惜しきとぼしき躰の荒籾を嚙雲霧の二百町坂にさしかゝり鏡の田鶴か和哥の夕月帳も簾も只假葺の恥かくし爰にも通ふ物の怪の汗髮は兒法師と老て見ぐるしき上戶は得たる酒の盛やう犀川の渡りもよほす莚ばり木葉こぼれて何焚し釜四つの鈴吹く檐の秋風サ、俳諧錦繡緞此景をようは見たてゝ深山寺大音の川幅こゆるむかふ風花の友聖天町やしのぶらん柴垣うつも老のしとやかさ手ざはりからが綸子にてめのと用意の骨をとり出す一小屋焚てしまふ柚方馬に聞れて迯ル盜人二三俵引拔蕎麥のたのもしき團栗かれて遊山絕たり月雪に寸切はやす寮住居淨璃瑠よくて幕を通さす緣づく後家のこゝに靑柳春風に明衣は氷る袖の角となりは男猫此方は妻サン ギリ俳諧錦繡緞醉狂石角石、角石角石、角叔雪我角雪叔角我叔雪角角雪叔角ありがたき太々打てかへるなりほとゝぎす五壇長屋の幾茂りあれ〓〓と龍の尾まとふ雲早みむら薄鴻の瀨ぶみに打入て感狀わたす月のかゞやき生身玉かたい座しきにかしこまりすかせば笑ふ枕蚊屋とれ糸花やこゝろも染ぬ水あふひかいしきさした年も悔らん三世たのむ信者といはれ名に立て美人なれども寐顏ま見えず漕行舟を安房の幟(香りあさげは過ぬ鯛の燒物合羽揃ひて足かろき雨の音のいさむ增檀八三綱方白つゝじはづれぬ雪の散消て角なうて男なりけり鹿の友しばし帆おろせ島の岩組さくらあきなふ岡のト垣兩吟すゝめられて下市のとまり蹴立る花ざかり心敬の夜話しら〓〓と明にけり露の音〓簞の展からびたり恥かしや湯女に泣れて哀也そつくりと爲替とゝのふ大晦日駒田に寐た鹿はぬれてうつくし狂詩の躰か捨赤葉の芹に寒さ覺ゆるのとめばをしらぬ戀もする哉祈禱の鈴の春風人の月八二其溪角石角、石、角石、、石角石、叔角我雪我角雪叔角我石、角
俳諧錦繡緞花ぬしもお酌に立て花を折こてふに似たり眠るくせ者八四よ所に染んたる踊ゆかしき湖のはたそれほどの秋のかぜ駒むかへ來て繋ぐ壁際キ、利酒に猶面白き月の夜や問かへさるゝみしりごし也乘物のうしろの窓のちいさくてさはる心になりしいとゆふあの虹の立はじめみむ花の山風ののどかに送る關ふね德通棠德山棠通山德角七月十五例の信德關むかへしぬ。路通もあり合せて、かれこれ亦心の交をあらはし申されけると也。生てあふ人や旅路の玉まつりおせあらたなる凉風の宿居所の山もわするゝ月ふけてわかれし時はほそき鹿の音一時雨傘のうしろのはるかなり捨たる舟のいつ橋になる米俵力ほどあるかた手わざ聲は女ににつこらしさよ灯火はをのれと消し戀ごろも肅信路彫山德通棠德山棠通山夜もはや鳥にみたれて、人〓〓かへるとあり。關舟といふ句に入海をそこら浮たるみやこ鳥と付侍るは、是、他〓にあれ共面合するに似たり。うつぶいて走ればぬれず片時雨其角肅山鴨のみだれに鷹落る池北に臥ス枯野の松の朝日影屋根葺かけてあたらしき宿あとさきに今宵の泊り二かしら鯉のごみ吐く月のうたかた浮霧をとふさにこぼす川烏千七もみぢにかはく絹張の紅うち明て留守になしたる相局とはれて猫の尾をふとくするしら雪に大きな笠をかぶり來てうたひのやうになりし淨璃瑠政所のかたい疊にかしこまり賭に勝たる當年の月關までは鞍を休る駒むかへ宗匠たちをわたらへの秋俳諧錦繡緞珍らしき道具出したり花の宿チ苣の畑を地子の侘ごと春日影いざりながらに蠅打て紙子の古さいとまとらせんよぶ時は門の乞食も見えぬ也此坂ひとつ車押せさあ今や旅高觀音に湖を見てきのふの髪のそゝけたる風きぬ〓〓の夜着に負てぞ倒れけるたゞも楊枝をもちし傾城宴にさかなのなきぞ比興なるワ迷惑ながら馬になる袖養を孝とはいはじ月の道きのこに毒のありとこそ聞ケゆるされてさかやきしたる良寒し八五角山棠角山棠角山棠角山棠角山棠棠山角棠、角山棠角山棠角山棠
星合や殿の御入の鈴の音朝ざくら寐髪にかゝる白かな扇折子にはづかしき化粧かな戀馬の陰おりてもさむき野原哉鈴むしや松明先へ荷はせて夜霧はれて棧は目も塞がれずたしてさらしなには、いざよひもまた更科の郡かなおもかげや嫂ひとり泣月の友越人を供して木曾の月見し頃過山俳諧錦繡緞翁の句のみ吟し俳諧錦繡緞卷下太虛凉し禪師の指のゆく所布袋の讚人の世やのどかなる日の寺林遊〓水寺小弓もたせし射手の有さま梅柳いづれの木やか枝折垣わざと素顏の花の道中折節は鐘をもつくか寺若衆ぬかぬ刀はよごれてもさす俳諧錦繡緞尾越陽氷山尙珍其同翁其花川白タ角人角山角棠山角交りも紫蘇のそめたる小梅哉文もなく口上もなし粽五把出代やこなたの雨もけふばかりすゝ掃の夜は猶白し嫁が顏朝ざくら美し過てすさまじや早乙女に足洗するうれしさよ寐る恩に門の雪はく乞食哉初雪に人ものばるかふし見舟春の野や木瓜は莚の敷キ合せ西ひがし六條どのゝ牡丹かな身を恥よくねるとあれば女郞花一廻り待人遲きおどりかな寒山の讀伏見西蓮寺興行かつしかの眞間にてヨ八七錦繡緞上畢八六近沾許江豐り行尙雨其後其秋嵐角德六色雪ん舟白等角
俳諧錦繡緞鉢はゝき聞にとて、翁のやどり申されしに、まいらざりければ箒こせまねても見せん鉢扣明てまいりたれば長嘯の墓もめぐるかはちたゝきその古き〓簞見せよ鉢敲世の中はこれより寒し鉢叩こと〓〓くねざめはやらじ鉢叩翁に供して高野に詣ける比散花にたぶさ恥けりおくの院あそぶ事三十迄ぞ夜半の秋古足袋の四十に足をふみ込ぬあつ衾夏の酒債と諷ひけりヘ)火桶抱ておとがひ臍をかくしけるその花にあるきながらや小盞八八花に風かろく來て吹け酒の泡嵐雪兩吟おもひたちける人のいとまなくてやみにければ、しゆるしがたくて、獨酌の興にたんの去來翁去尙其來白角下臥につかみ、分ばや糸ざくら犬もこてふも一日の友橋造る小屋のかまへの長閑にて藪のこなたへ廻る駕籠かき菊は黄に唯しめりたる月の色鼻かうだ手を亦秋の水小坊主に名を案ずればきり〓〓す火打あつめて紙子うれしくいざ嵯峨へ草履一足もらひける何を目あてに此ごろの禪巴其風角風、角杜八嵐千竪田路其國橋雪那通角なぐさみに喧嘩をするか渡し守杜秤にかゝりて重き身をしる衰へも關寺諷ふ年なれや安養界を射なるらん板疊階子の下の凉しきに蚊遣火たてゝ姑いぶせき泣ほどに辛き花さくとうがらし月の露なる白黑の胡麻吹からに一遍とをり秋の風ものすさまじき峰入の供漸と米とゝのゆる暮のかね又たべ碎うて寢ほれたる顏ほとゝぎす點せがまるゝ片ごゝろ鎗持せたる今のまらう人粧はずに娘が常を見せにけり俳諧錦繡緞うつり香せむる袖の蛇惠心佛法のちからをたのむ哉道なる屍ありかたやそもこえこしの越の白山やま幾ツものあきなふも水からの聲十二月廿日即興打寄りて花入探れ梅つばき降こむまゝのはつ雪の宿目にたゝぬつまり肴を引かへて1セ一一クロ羽織のよさに行を繕ふ夕月の道ふさげ也かんな屑出代り過て秋ぞせはして網になるきぬはひかゆる槌の音〓肩でやしなふ駕籠舁が親足もとに菜種は臥て芥の花八九芭彫其黃桃銀蕉棠角山隣杏棠角杏
初雪を師走に成て降らせばや銚子とる花も紅葉もなかりけりいざけふは麥飯くひに初茄子月にしる利屋鞘師の頭つき秋のくれ王子へいそぐ五香とり鶏の簇はづれて飛あがり文躰は逢見て後のうらみ也人柄をゑらみて賴む乳付ケ親澁柿つくに柿の前だれそれかと聲の菴の立聞殊に日ごろの七夜信心まことは年のゆるし乘物ひゞきを殘す棟上の槌神所帶もへたる裏門の番田ト十祭に俳諧錦繡緞出すTAT兄弟かけむかひ機へる床のいとまなし愚なる和尙も友を秋の庵まひとつと嚏をはやす朝の月夜の雨窓のかた」にてなぐさまんむつかしや襟にさし込む娵の顏下張の反故見えすくまくらして山鳥のわかるゝころはしづか也硯法度とこひやせかるゝ茶を煮て廻す泊瀨の學寮思高みに水を揚る箱戶樋三寸ねぶりかゝるか合歡の下闇らんときくとに遠ざかる疫つめたい猫の身をひそめ來ルは本日ぬ舟に晝の汐待の殘りをしたむ唇ハ俳諧錦繡緞ヨ二十普角化船角化船角化船角化船角化船杏山角蕉山杏棠角隣蕉角棠隣山蕉貫ながら幾秋つみし蠣のから名月の竹を定むる村すゞめひとり猶萬部の舛に入かはり闇の夜は爐次のせばきに咳拂消る身の三線ひくも我に成てきぬ〓〓やどふねわすれて朝日影草枕御坊の色にしられたり命萱がおもしに置く碇綱かいづもはぜも大汐の時五ツ過よりくもる板風子は杖になる老の小便いくたり顏をはらす懸乞あまりおもひに酒ばかり吐〃邂逅山は八蟠よりこその恩にとまる盜人九七十川つらに揖こふ聲の夜寒かな月しろ見えてこぽれやむ雨八月十八日雨中唫付さしを中でばはるゝ桃の色老たるは御簾より外にかしこまり松茸を近江路からは澤山に珍らしき星は皎けて夜るの月見ぬふりの主人に戀を知られけり氣色まで曹洞宗の寒がりに花の名にくしどこが揚貴妃こてふの影の跨ぐ三線すがた半分かくすからかさ焦すたゝみにいたく手を燒ヶそくさいな子は下〓〓に有わたりはじめの聲ひくき雁九〇其仙角化船角化船角化船角化船角化船角花隣山棠蕉杏角山棠蕉角棠隣
烏にもちいさき猫はすくみけりカラス·初花にふまれて氷る道の雪柳にしまる疣ゆひの垣きらずの煙氣のさめぬ朝霜イ俳諧錦繡緞藁たゝく石さへ滑を撰みぬる犬箱は淋しき床の物なれやいさら川蕪の枯葉をかき流し刹竿の旌にしらるゝけふの風朧なる月に座頭を送らする秋までと年玉扇のけておくしのぶ戀身につまされて肝いらん花楊枝をさして持ふるす文煤山鳩いとゞくもる日の聲いく春人のほむる醫者から袴たゝむもくるふこしもところぶも恥にならぬ雪降はく女近おとる顏も柳もわかる宗論神鳴のならざる年は端居して冬は猶絹上下の似合しき朝の魚都は月に用ゆらんやぶれても露の葉數のはせを哉木槿の外も垣の間引菜番によりそふ柱定まる長みにしるゝ一順の箱一葉巴而一葉焦故爲蕉一葉出而一葉巴故爲芭台俳諧錦繡緞其岩遠角翁水角翁水角翁水角翁水角翁水角翁水角翁水船角化船合羽着て鹿にすがるや秋葉道道役に紅葉はく也小夜の山うら枯や馬も餅くふうつの山朝霧や空飛ぶ夢を富士颪門酒や馬屋のわきの菊を折杉の上に馬ぞみえ來るむら絶箱根峠にて秋の空尾上の杉をはなれたり。秋原三島旅中佳節小夜中山うつの山回といふ吟こゝにもかなふべし甲葉頭戍紀行九三二·〇·馬くふゆへに芝肥る原こゝろよき詞に駕籃を次でやる親子くらすも百姓とよぶ世のなみに寺の男も出代りて鼠の道をふさぐつばくらたくさんに花植らるゝ奧の庭まろめし雪にくぼむ指跡懸とりの大脇ざしも犬おどしあすの草鞋をすげて置ク旅月影に板本尊をおがむ也なげ入にする四五文が菊さま〓〓に刻みて見よき栗薑勝手ちかさに屏風ふすぼる寢せし子の何に襲てすゝり泣キ行水の後ぐるにゆふ髮九二근紀行其角水角翁水角翁水角翁水角翁水角翁
俳諧錦繡緞かし鳥に杖を投たる麓かな九四更〓〓と禰宜の鼾や杉の月雲津川にて花すゝき祭主の輿を送りけり內宮浮屠の屬にたぐへて、こゝろへだちたる五十鈴川より遙に拜す身の秋や赤子もまいる神路山御神樂謹上再拜太々や小判ならべて菊の花二見朝熊岩の上に神風寒し花すゝき紅葉して朝熊の柘といはれけり宮川の上に酒送りせらるゝに、此花を肴にめでゝとありければ重箱に花なき時の野菊かな三股川打ヲ櫂に鱸はねたり淵の色十三夜濱松にて、いづれも古〓を語るに後の月板やさながら江戶の庭熱田奉幣芭蕉翁甲子の記行には、社大に破れ、築地はたふれ、草むらにかくる。かしこに繩をはりて.小社の跡をしるし、爰に石をすへて、その神と名のる。よもぎ、しのぶ、こゝろのまゝに生たるも、目出たきよりも心とゞまりてとかゝれたyo興廢時あり。甲戌の今は、造營あらたに又めでたし伊勢より長谷路へ出る田丸越して山畑の芋ほるあとに臥猪かな川芎の香に流るゝや谷の水入りコ莫〓嗔野店無肴核薄酒堪ノ豆莢肥と周南峰が句を感ず足あぶる亭主にきけば新酒哉初瀨絶見る公家の子達ぞはつせ山大和柿とて主よりもてなすはつせ女に柿の澁さを忍びけり三輪むらしぐれ三わの近道たづねけり僧ワキのしづかにむかふ薄かな春日四所の宮人達、夜每にとのゐして、戌の刻を限りと侍る也俳諧錦繡緞今幾日秋の夜詰をかすが山二月堂に、七日斷色の行者あり。屏風引廻して無人聲。日の目見ぬ紙帳もてらす絶哉當麻寺奥の院にとまりて小夜しぐれ人を身にする山居哉當院に雲寶什物さま〓〓あり。中にも小松殿、法然上人へまいらせられし松陰の硯有。箱のうへに馬蹄と書て野馬を畫けり。硯の形がひづめに似たるゆへなるべし板陰の硯に息をしぐれかなよしのゝ山ふみす白雲岑に重り、煙雨谷を埋みて、山賤の家、所〓〓にちいさく、西に木を伐る音東にひゞき、院〓〓九五
俳諧錦繡緞の鐘の聲心の底にこたふ。寒雲繡石といふ句に思ひよせて高取の城の寒さよよしの山世尊寺こよひたれすゝふく風、とよまれたる所といふに月ならばなどおもひやられ賴政の月見所や九月盡西河の瀧にて三尺の身をにしがうの時雨哉高野山卵塔の鳥居やげにも神無月紀の川いく瀨もあり。三ヶ月のながるゝをたつか弓矢をつぐ船やみかの月九六玉津島にまいりて御留守に申置なり和歌の浦歸望和歌は見つふけゐの月を夜道哉ふけゐのうらに出たれば大綱引。房·ト、駕籠のもの、從者まじりに走りつきて、ちからを添てとよみけるに鮑ひとつとらへかねたる網引哉住吉奉納芦の葉を手より流すや冬の海十月十、一日芭蕉翁、難波に逗留のよし聞えければ、人々にもれて彼旅宅にたづれまゐるゆへ、唫行半ばに止む。艸庵の蕉子をうへ分けたれば、秋風をえたるに星合の影やばせをの先戰き節〓〓紋に御簾の初月十二三あらそふ雁の數見えて起ては倒れ下戶をうつ雪川沖や舟に出ぬ日の風の音こゝらは魚の油とる家蛇 のおそろしげなき八重葎いつしか野らに我猫の墓中〓〓に幼事せん春の雨花もかすみもシテ柱より影向の板のひまなき若みどりかなしけれども子を捨るうたことさらに化粧ひ出たる薄被俳諧錦繡緞秋狐だましてものおもふ躰駒とめていつもの酒屋面白し山〓〓晴よ比良の浮雲鎧着て月みたる柚の朝ぼらけ胸の秋すむ其身僧正露霜やげに赤がねの大佛穴井の渦を覗く葉藁とかくして女を肩に負て行仁贄に買れて殘し置く文一筋に東をこのむ日の光船輪に見えて鰹くひたつ浦風にくろむ柏檀の夏木立座禪の影をうつすから絹假枕南無と狂うてかろき世に足をそらなる淺草の市九七角下船角下船角下船角下船角下船普其李船角下船角下船角下船角下船
今少し奥もあらばや〓見寺杖竹も光るばかりに突ふるす散までと夜氣にあたりし花盛緣どりをおさゆる石の初あらし加茂川に今朝は流るゝ瓜茄子新しい草履はかるき戀の闇粧るほど身代しるゝ人の風箸も手づかずものおもふ頃尼公とおなじさまなる女房達本堂にてはひくき念佛誰が足ふきて小草臥る迄狐の風呂に入かたの月揚屋をかへてもどるあかつき弟子繪と見ゆる松の拙さ石切ツたてゝ門の雨落俳諧錦繡緞照月に灯立て出むかひ入川に通らぬ舟の棹はりて桐の葉や土用の中も今幾日年寄はなぐさめやすき花の陰家の紋緣の調度に恥かしく注連のうち比丘山伏もゆるす也よろしきは唯秋の月暮の雪橋越給ふ君のありさま簾を空におほふりとひかはして一夜吟六月晦日のゆふべ、片枝は棚にもるさも思ひしよ憎き鄙ぶりものがたりして夢をあはするあるじも君にかなふ献立タ觀關亭の名ごゝ白俳諧錦繡緞立藤其彫角、棠角、棠角棠角棠角棠角棠角業角棠下角船下角船下角取椿に八重の木槿をうつろひて雨の脚日半なれや夏座しき印籠の藥はげしく涌かへり此錢を捨たこゝろがおそろしき籾摺も早乙女ならし月の庭一時は揚屋の勝手しづまりて手槹の石の落る霜秋よりしめる京昆布の色押だまるにも戀のある顏燒山越へは身をし白雲桶ぬ雨に枕とり出で三子草庵をとはれける日、の蓋に一枚の荷ワ十のおも九九夜小住居に又建直す春の庵まろうどに瓶はかざりし花の時齒のたゝぬ書をよむ程の窓の月番匠の裝束とりし酒の時端ッ舟を藥もらひに引おろしあふ夜半は袋に入りてまいりけり捨がてに腰よはくなる團にて僧もつとむる涅槃會の拜連蘭につきたる鼠やさしき四方の秋見にかけ上る山立て形りよき幣の神風つれなき鐘は指もほどかず目張をしたる二階いぶせき腹を冷さぬうたゝねの秋哥所の定まりし國九八必ズ雨によぶこどり啼おも其紫素湖棠、角棠角棠角棠角棠角、棠、角紅彳月紅角月彳角紅彳月
行水をうめよ〓〓と水にして日のさせば蠅の入來る冬座敷川の氣をはなれて悲し佐夜の山孝行を乞食の中にしられたり春からは通ひ手習さそはれん濱燒の目を所望する花の庭面瘡の秋にもなればうらめしき一ト節を加賀商人の聲おかし明る費る日なりきさらぎの雨すまふの刀帶でたばぬるやりての下戶や宵の間の月碁會の勝を書付親の我子にはやさるゝ顏あられの音の豆に聞ゆるを待し半井の門俳諧錦繡緞て置借素袍我におかしき姿にてさあ〓〓と追待舟の乘いそぎ半切の文の長さを飛でよむ春雨や渡り碁石のうるはしき鯉殘る禦のあとのはな柳秋の夜も枕はづれて人を踏中橋といひし別れを鈴の森諸役御免ンの樗さく門一向宗の南无阿彌陀佛たま〓〓醒て誤ツた面下着をとへば百兩の脫芝生はすみれ小坊主の沓鴫の目くらき岡の月影霧の匂ひや茶にはいる酒股立とるに紙をくひさくサ俳諧錦繡緞角蜂指蜂角指蜂角指蜂角指蜂角指月彳角紅彳月角紅月彳紅角月彳角大枝は花盗人もあぐみけりしづかなる猪の鼾のやさしくてこゝうてやかしこさすれと老の骨梨葡萄跡のきたなき水さかな醫ほしたる月白町せばく階子をかけて踊見る小屏風たつる樽の鑿口煤掃やかもじをさがす袖の間四月の腹といはぬつれなさ送られておくり見かへす下凉み小鰺を砂に斗るしほ時巢にからまりて落る鳶の子脫で間にあぶ蓑の松明假屋のつまる白山の溫泉扇の下へまはる蚰一〇一it蜒戸じ雲御膳水とて外に汲マせず暮の月厩の額のおぼろなり蝶のゆくゑを醉て押ゆる糸ざくら邪魔になるまでそよぐらん散り〓〓に居て遠く灯を置觜數に早瀨と見ゆる鵜かけ哉お行次第の人の世の中百姓の泣ごといはぬとしの秋木曾木つかゆる月の川音十八がすまふに色をふくむなり樣子をみれば妻帶の衆徒切鍛冶と時に聞ゆるほとゝぎすもいはず、雨晴たれば宿いそぎして、卅二句にして退座。西暦ど〇〇山其闇角蜂指角蜂指角蜂指角蜂指角蜂指蜂角指蜂角指紅角彳月紅角
結構な五器に單をかけて置勾ものくふて酒のむ腹は飛鳥河針銕に花を殺すは花ならずヒはふるへて藥味こぼさず世間の景になりし我山當の疊かぞゆるさぐり足各おほとなぶらのしめる吹雨札を馳走に月の鶯ヒトル、今朝も籠に百が若菜はつまざりし炭賣のさしたる劒は劍にて和田恩智等が知行なりけん野につれて狐佛事を乞請し包みをとけば饅頭の箔けふの菊手本ほしがる娘の子夜長さによぶ旅の舞〓〓寄付に刀の多き月の宿荷の後にひとりづゝ負ふ遠干潟板の間をぬけてすゞしきゆふだちや螽ちいさき艸のはら毛をむしるにぞ活かへる雉二ツあはせて蚫たばぬる百草の屑や花野にほこるらん舟人の裸に笠や雲の柄を大事に月の夜すがら柳をさして川を結盧河邊俳諧錦繡緞飛蟬蜂淺茅ケ原にあそびて、く露をみるに俳諧錦繡緞晴間うれし介柴其沾其專角我雫角我雫角我雫角我雫角吟德角吟雫我角雫我角我雫結願の鉦うちならし明渡る我かたへ泣て歸りし小船頭此ごろの鶉聞せて茶の湯せん袖の月十年あとのもやう也藥箱初にもたせて恥かしき白無垢の裾をまくらぬ下谷道頭巾燃して醉さますらん黄鷹の鳥にあまりて松に行藪より水のわかる島貫店衆の尼のまめにはたらく片器に鯣を紅葉見せ女房にたてし唐紙別れてはいる花の海道車占ひかせばや神子の宿札ぬいで卸す材木ヲ。を(101折ものいはぬ手代もならふ家の風躍子の肩をそろへて〓へけり冬枯も圻ぬ愛宕靑松寺打こしに肴をはさむ川簀垣着せらるゝきぬの襟かぐ別れ哉食のなき志賀の山越月も雪下に取馬のみならず我老て雉ねらふ箭先の楯に鳴鳥匂をあぐる二の汁の蓋金具は土をてらす濱緣星しやむろを外へ夜着の疊目神は相撲にこほ〓〓と鳴ル見て投かへす用の切紙春日をかする芝の水影おもしろき闇一〇三靄角我雫角我雫角我雫角我雫角我雫角德角吟德角吟德角吟德角吟德角
米搗の古〓遠くこひもなし彼岸中ふるは淚かふられたり折花をかはくたばこに包み添山柿の門にあそばんけふの月舟積を狀に知らするあぶら樽冬偈をとへばあたゝかな躰こり〓〓と氷柱は舌に消えにけりユ四條で買た此春霧にきはつく一對の無垢尾張も伊勢も十分の作娵澁紙ふまん文をほしがるヨ應〓〓といへど敲くや雪の門六月や峰に雲置ならし山雨蛙芭蕉にのりてそよぎけりに笑俳諧錦繡緞のたらぬの宴杖世にはかくるゝ木置場の家初鰹一兩までは買ふ氣なり來る餞もみなおなじもの帷子にやゝとこらゆる秋のくれ消へてきりこの出來ばへもなし逢見んと階子掛也月の影醉へばちからのつよき傾城慢かちに卵の目利笑ふらん粉河の鞴霜けぶるなり僧は皆耳を塞がる山おろし荷を上られて鼠出るふね燒ケた木の垣の便にしげりそひ將棊はくらす夏の拜殿ちかづきは乳母ばかりなる傀儡師鞍箱ひとつ見込わびしきハナムケ俳諧錦繡緞去芭其來蕉角花色紅角色花玉色角玉花角吟角德吟德吟角德吟角德吟角德吟四十より髮のつやなき玉櫛笥手をあてゝ外から見たる酒の爛笹の葉の眠がるやうに雨淋し四ツまでと月に手船を呼よせて初鮭は隱居も客といはれけりまぎらはしきは欝と戀病み猶裁にくし日うつりの紅功者な棊ほど咄なき友鵜のとまり木をかけに算ゆる猿戶明れば夕庭即事二十二句八月一日とみのまふけごとして己ビの菊あのやうな女に成て花のかげ山吹折て三人の一一〇四戀報うたゝねにはかなき炭の崩れ哉秋の田やはかり盡しく稈二俵すべらずに筏さすみよ雪の水鬼灯のからを見つゝや蟬のから朝ざくらつとめぬとても佛哉稻妻や思ふもいふも紛るゝも弓になる笋は別のそだちかな去年の蔓に朝顏かゝる垣根哉二子山二子ひろはん栗のから山伏の鳩ふく方に入にけり叶ふべきを拾ひ出侍る。ゝろを思ひよせて、舍利講拜み侍りしに、內秘菩薩行本末究竟等このこゝろに十如是のこ報果緣因作力躰性相一〇五戰素肅去尙由其其秋紫桂寒竹堂角山來白、角之角紅色角花玉角色紅花玉角德
り。けん。沾衣〓聲と作りし詩の餘情といふべくや。是こそ冬の月といふべきに、其幽深玄遠に達せる所。衰零の形にたとへなして、鹽聲鯛かれのて齒猿餘はなぞらへて知るべし。山猿叫山月落、莖老の果、のも齒白此句感心のよしにて、年の暮とも置れぬべき五文字を魚の店、白と作りなせる物すごき巴峽の猿によせて、し魚岑のの店月鹽鯛の齒むき出たるも、芭其と置れたるに活語の妙をしれ주식冷じくや思ひよせられ岑の月と申たるなり。蕉角夕立にふみなかへしそ渡し舟俳諧錦繡緞同講の心を跡を尋ん心の月をあらはして鷲の御山に鯛かれの焦て齒猿莖の尾も齒白白千琴し那風雅頌のの蛙月花を兩の袂の色香かな新月やいつを昔の男山店のかうに身を入る聲月松島行の餞別脚芭其一〇六蕉角其角晋撰其角述芭露蕉沾角
焦尾琴一〇八焦尾琴風の卷焦尾琴貞享甲子の春、二月仲旬に上京せしより日記といふもの有。元祿戊寅の冬にいたる迄は一日怠らず。袋にからげ箱につみ、破れかはごにあまりしを、同、師走十日のあした、池魚のわざはひに及て一塵なく失ひ侍り。幸哉。ひゆほんの火宅を悟り、人をやぶれりやとの悲しみにかなひて、一朝一夕の悔なき事にたはふれぬ。それよりは瓿醬をおほひ、諫艸をやき捨たる先進の志のみ忍ばれ侍るに、のがれ出し燒野の草もいやほこりて、小屋の住ゐの侘しかるも物たらずしも、昔おもふなる春雨しめり、桃櫻など折〓〓の送りものと成ぬるぞかし。舊友のかたみといはれたるもをかし。權貴のもとめに逢たてまつりて、いなみがたき疊紙なども、今さらおろそかになしぬる事、はた先師亡父の愛にめで、なぐさめ草とせし卷〓〓、半は泉路にかへりたる追作の詞、見し山、渡りし海馬駕興のねんりをぬすみ、步路の杖にむすびたる草〓〓、神社佛閣の信情、ひとつとして鏡を尋るに似たり。やゝ思出る事のみを忘れぬ影と書つけしかば小双紙となりぬ。草根よりの風情なれば、此集の名も心づかざりしに、蔡營」竈竈竈りやけたる桐をとり出て、あらたに一張をつくりしに焦たる所をのづから、龍尾の景に成りぬるを名づけて、世に焦尾琴と傳へ侍るおもきを彼名琴にならはゞ、人もあわれと〓怨にたへて、かへつて稱美琴なるべくや。元祿辛己のとし鴈かへる比、是に題す。晋其角燒のる琴尾焦匪乗恥鶯語有餘曲るに恨みの柳手裡灑松風幽花夕照中みの柳哉午寂題焦尾琴一〇九
焦うぐひすや橫雲引て照がまへ鶯のあくびをうつす宿三哉うぐひすになじみかゝるや大和越鶯よいで物みせん杉鋏ミ夕べ氣をまた候酒にたかむしろ几巾きれてかけ込者の付屆け花にさは豆腐の恩をおもへたゞ橫を着て是は五郞か冬の月十万坪口でこそいへ峯の松干わたす具足の中に眞ツ裸つみ交に藻魚かさこやかながしらたしなみの芋俵かとしゐがもと呼ぬによるは尋常な鹿けふの月圍へはずす高鼾あまりの事に水でそば切此人にさくらも汗や流すらんうらゝにねせて猫に黛うぐひすやはしと足との都鳥さむがる顏は生た見得鈴廊下より內は息つむ赤いもの着てわたる宇治橋くり矢に雉子は七里遺排醫師の長居は下手に極る乘りに引せて駒のふんどし唾はとんで窓のはな紙黃鳥之篇尾焦焦琴尾尾琴琴每白其行十合秋其丈志航角閑櫻露角閑露角閉露角角露櫻閑露櫻角閑櫻角露雨犬か棒をひかゆる花の袖竹垣やかゝしの骨にぬかれたり貰ふても大きな枕苦に成て樽味噌に大脇差もからげたり松の枝うたれて鹿もまいらぬよくれの月釣荷の絹の十文字蛤を吹革にかけて春もなし御秘藏に墨をすらせて梅見哉鸝に杖あたゝまる山路哉朝なぎは舟こぎよせて夏念佛我に成て內へはいらぬ佐野の雪ちりめんに波の參るを戀衣彌生山越て何をか猿の菓子芝の菫に放す阿蘭陀井をひまにして澄す月影座頭も鴫に見えし看經生姜酢ばかり何やらの鉢有王今は無束奉公ーい上戶のおとがいを割棧敷峠は幕にな夜は索綱刈上の小屋寐てあふのけば空へつく舟すゞめ子を鳴琵琶の飯粒雷のやく梵木さびしき岩ものつけに賽を打込ムみよりも馴て手をノる鷹しければ、梅花之篇四十の賀會し玉ふ傍に、宴遊侍坐一一〇一二一雪野殘潘里其紫香徑川東角徑香川東角紅櫻閑露角櫻露角閑露角閑露角閑櫻
むめがかや木履のぬけぬ畠中堅石やむめ見る燭の置所番船や見事な葱梅の枝繼合の禮の人數やむめの宵うたて梅迦陵頻伽も宿からんさても梅見ぬ年あれば和田が酒おもひきや尻やけ猿の梅見とは我まゝな姿にむめの年を經ぬ年號も千代は覺へてけふの梅茸狩に得て牛屎をつかむ也沼津繪の腰はやぶれて古ル御堂茜さすあこうの出目を引上て四疊臺是はつかへぬ夏氣色見わたせば花も紅葉も鮫の皮馬を茶臼にまはす秋霧能登殿の心は野分山下風寂こかしを明日かへる迄ゆめいふなこんにやくあたまあぐむこりすま五月雨に身を嗅ばかり時鳥片むら雨に無竹泣風少からむ匂ひや鉢の梅東なる若黨部屋かむめの花あの石とつて齒のぬけた庭足輕からもけふの地諷水あたりして枕ともがなつめられて死ぬあとか三か月梅年久梅滿庭隔年見梅尋梅花焦焦尾尾琴琴甫潘野泉幾心秋沾梅紫海盛川徑石石水航船橋香屋徑角東徑川東角川徑角東徑川東角行灯の一間やきはみねの雲蒲生塚へ二里程廻る大井川侍の直賣もならず衣うつ逢夜はの叱に腰をおされけり殿守の鑷子とり置鶉棚袖の月背中箒する藪虱家原は猶なかす目にかげろひて老僧の手爐をはなれしつばめ哉せめてもの貧乏柿にむめの華袖にうつる若衆の影や梅の月鎗持かむめに鼻やかほよ鳥はら〓〓と花は田中五六反すゞしさや中衆に馴て升枕愈た跡から腕になま疵短氣な犬の引綱をかむ三井の獄屋の入しれぬ月上方冠もにほふ勸修寺の鷄風あたゝたかに襟まはり吹つけ山椒にちよくを盃扇の風も茶臼しぶとき猫あしらひに撫る駒曳鞠より早く門へ飛出る花に炊がば瓢簞の麥かきて送るとて、ればとのぞみ侍るに、串柿に梅を芭蕉庵の沙彌、草庵のかけ物なけ寄梅祝堂上燕○羅浮の夢をおもひ出て、一一三一一一尼日露機重其合其江東川徑東川角徑川東角川志巽一志角一巽角志角壽
斜日落花人散後國馬士に何ぞやりたし初ざくら盜まれた馬を見に出ん山櫻黑鹿毛や花も夕日に一走り溪一つさくらばかりか雉の聲鳥啼花落人何在二カ花櫻之篇まてや鴈晴て周防のねりけ灘小田かへす鍬も琴柱や殘る鴈十六で男もたぬはつばめ哉大佛の手にすくはるゝつばめ哉竹植てあれ燕のすりはらひ山のはにつばめをかへす入日哉琴の手の巢にこたへたる乙鳥哉よはひお酌は陸からもせく蒜喰の大ふり袖よ月の雨請狀ひまは歌の行かひ忍ばずの龜に舞たる几巾杖も箒も見えぬ中堂葛のはのうらで仕てやる手綱引骨をたてたる咽は鴈がね照月に局ひとりは寒氣つく根つけのやうにすてし觀音はみちらす狐の飯も御秡川夕だつ厚はなでしこに蟬きのふ見ぬ襦半也けり駕籠の者世になき宿も弓を心〓首四宮の勸進能は中たへて泥で一しほ白無垢の兒焦焦尾尾琴琴一云闡露楓其楓谷秋田幾其枕巽志角一巽志角巽志角一志角巽一雀暮幽江子角子羊石角舟花あれば一ののまもる袖の月牛の尾に髪はねぢけて姥櫻ざれありく主よ下人よ花衣幽靈に出たつもすごし夜の花出る杭や椀せきとめし花の波雨粒やされにいひなす花曇前髪はちりもはじめす山櫻花ぐもり汐先にほふわかめ哉うつくしい顏に化粧や花曇り鍬鎌の律師はづかし山櫻人たへてせかずにちりし櫻哉むら雨やつばめ羽をこく棹の先汐干まつらんうら島が孫花に折哲雀の玉のあざやかに丁子の泥をさます山眉皿茶碗おさめ所は天龍寺秤目のたらぬ了丁がこすの隙言わ漆づかひに半虛勞なり日ざかりの雲より落る桐の花木履をふさぐ石壇の鶴生鯛が心にくさる草の庵うき世の伯父に成としの暮岩橋の鼻紙袋明られて千疊敷にまけぬ直埀引立君をあはれむ古歌にいはくとよみかはして御朱印三石の土産ありて當地にて惣右衛門ともいへば、燕一一四一一五紫堤其楓大暮楓新進楓行秋航角志巽一志巽一志巽角一眞一紅亭角子町園子步子露
小蠅なす世間なみとて下り腹撫つけに後むかする長廊下はゝ木々は大門口のおぼろ月飯の湯も藥に匂ふあはれ也後へ成沓箱持は蜑小ぶね座をかへて袖と召さるゝ時鳥汐先の足は二王子なるみがた夏も間して松尾の三木乳みせぬかと雛さがすらんやたらにくふて花に醉馬火搔にすくふ塀の雪山かたう封じてあまの橋立蟬にくらべて增な生輝バ亂るゝ髪にわれと惡口かつぐ袖なき一尺の振焦尾琴雲を出す山に捨たり花のくも白雲や花に成行顏は嵯峨傀儡のつゝみうつなる花見哉むら化粧花にありくか臺所夜櫻に左右かと人の行かへりさくらがら夜鷹の口をのがれたりがた詠侍りて、象潟の蜑のとま屋になして、しめ、津の國のこやとも佗たるに、矮屋に屈伸して、程、御馬給はりてむかへられ侍る。かさに折て、かしめよとや。ふ句によせたり。右は袁中郞が、霞が關をこへ侍りて面上有西湖とい送り給はりけるを有高園の櫻どもをみ其日高亭の吟、妻奴の膝をくる行心ゆ焦尾琴同行同其昌木人芙角石芙人木芙石人芙角木石露角遊川忍ばぬに犬のほゆるはいたみ入輦に紅を葺せてもみぢ狩有明に牛若見へぬ本陣宿くま笹のひよこをさがす母の聲寂ずの番唐紙ぬけて返事するかすがいに古枝もすてず大櫻弓取の花に押來る鈴鹿山〓にうねをてらす野の川だかれて死ばかいとりのうちどこへとまるか萩の燒さし皿のわれたに亭主しづまる戶樋のあまりか布引の雨溜〓を樋守のひらく春雨關宿の舊寺うつさばこれを埋忠が雉一一七うぐひすを三間鎗に追出して曲水におちくる淀の椿かな捨人の肘にかけたる幣袋盛こぼす鱠刺身の小鷹狩長綿の臺にかくれて暮の月賤妻がかいた下馬の人立ぬかれてありく春風の笠唾で墨をする石白萩いとふ翠簾の四這の角ねぢむけば岩につかくて山櫻星ちるや鷄もいくたびはつ櫻夜にまけて晝のくもりや初櫻頰日の鈴ふるかたよ初ざくら水遣や櫻流るゝ二三日一一六其楓野其玉幾灌秋楓重市闇角子木角芙木石人芙木角石人芙角芙石木人角芙石木航子巽中指
ちる比は駒のけあげも櫻哉迷ひ子の一膳ひえてさくら哉松明に鯉持そえて山ざくらそりかへる人や櫻や花の瀧さくら木や鐘を嗅來て犬の聲簑はきつ吸物またて初櫻管簾肩からはいるさくら哉初ざくら天狗のかいた文見せん一むれに夕べの寺へさくら風呂一筆令啓上候とまれかれけるに焦尾琴足輕のかたう迯さぬ花のくれ音羽とは切つていたゞく桶の音階子あがりにひばり渦まく吐たい時は傘も杖花盛壯ういはれば詩も浮ん僧ひとり博奕の中にあへて置時しらぬ富士は三島の蓋に成女房に鎻をおろすも名に立ぬ裸に咄す千兩のつよい酒そろ〓〓引に鷄の聲紅葉に竹椽なをす車路中榮螺小さゞい分る門の月うち霞鶴に野駒のかけ込て荷しづくも水の濁る目藥鯨が吼て汐くも る瓜田の花にしのぶ黃昏刀にからむ篠掛手をくむ躍井筒也けりふて行もしらぬ艸伏焦尾負の琴月ヒ霜琴幽三新左拙露心景其笑弄眞琴交柏水帝角同風同角角子風角子風角子風角子風角子風山ざくら人をのぞくや松のひま御近習や花のこなたにかたを波たんざくに八十八をさくら哉りごとを聞て供して、君が光に花もさかへんと、目黑の西南に山庄あり。三月二十日含秀亭の花に、に、學長の窓は螢雪にかゞやき、やかに、綠雲の軒ばを深く閉て、す。天地の人間にあらざるにこそ、宜雨公、んで、富士額におほへば、に四の景を備ふ。吟舌に甘露を得たり。けふもくらしつと、巷タに花をふみ、聽潤の流に盃をひたし、山ふみの御供しける當座唇に東海を望一一九引た主人四方修竹こま別有と號專吟を老のくむかしに·成ぬ吉首坐十七世の秋や甘い辛いもかみ分る八重に稻つむ先方の家雪隱に猿が戶をさす月は山はつて啼ぬは鬼子なるらん雪ぐもりけふは大工も爪を吹役者に盤をわたす日沒そよさらに破亂の櫻欄の瘡あたまはつに勝手へ通る神鳴片糸を根緒によらせて云よらんちんばの妖がみゆる腰元夕凉み寺より疊かつがせてうてば皷にひゞく空ボ木岩くぐる歸魚も春の水三里はほたん雪のあと葺一一八老のく專其苔子子風角子風角子風角子風角子風吟角殘
級照や岱のさくらの町屋迄花守にゑらるゝかほや髪のはてお內儀にしかられて居よ花に樽猪のひるね處や花の友散花やせきだる客に棒を出すちる花や狐の穴をみほつくし二すづの道は角豆か山ざくら勝樂三十二の景色をのべ侍る也て給ひけるに醉倒して、焦尾琴手を引あふてころぶ薄雪室鞆は去年の歌を今やうに道後木綿のそめは遠州場乘の鞭に成けり百千鳥ひさく押ゆる蟹のかげろふ身をひとつ花に降るゝ瀧見臺月はます見に止波の高砂けしからぬ野分の朝の革頭巾何首烏の虫の蔓に淋しききざみ昆希稱經櫃に哀也幾日ゆられて舟の諸白五月雨や水じやと申すうつの山四判を待て中宿は宇治こひ衣おり〓〓きねば疊み皺土岐のかた見か掛盤の紋焦尾琴門をかまへて、しひ、隣づからのうぐひすを聞折ふ柳門のちりをはら評判をさくらにつらし牡丹限牡丹兼海棠。宋景濂が賞櫻日本盛於唐。如被ミ琴行虎落龜叉虚宜其曲角杏東角曲東杏曲角杏東角曲東露答霞毛雪谷雨角木へゐざり乳へどもるも花心仇人を夜着にへさへて土龍高砂の松葉を樽にかき入て秋もなしあはれ昔の冶郞顏粉河の鍛冶屋有明の聲松茸の齒朶にかくるゝ元枝折晴間をま長刀でまくりたてたる橋すゞみ髭むしらるゝ角助は鬼燭臺を配りそこなふ爰は闇扇にはさむ碁笥の煎豆うつゝか夢か湯迄又氣をかゆる中立て酒柳箒もつか砂水の傘の蠅跡輦旅だつや開山堂は鳥のこゑうす氷ほどけぶるしら菊手本米袂からもるくれの月のばす拍子にとまる畫莚やぶ入の天の羽衣まれにきて山陵の巢に寂をます山牡丹どもみな唇やわかれ霜牡丹之篇鶴の巢に嵐の外のさくら哉嫁馬や關をこゆれば花盛花盛ふくべふみわる人も有御用よぶ丁兒かへすな花の鳥山山中家吟一二〇=銀周其含翁楓同杏東角曲東杏曲角杏東角曲東杏杏曲角杏東角曲子角
時鳥窓は小雨で茶の葉ゑりすゞか山猪にあふ氣を鵑尼寺や男の聲もほとゝぎす韋駄天の雲のあゆみや時鳥展はいてあなはら〓〓や郭公此かほり降う南や桐の花若葉から身をかへり見よ明日檜醉ざめは枕にしたき靑葉哉芍藥もねすりの紅としほれけり白禿のなをるばかりぞころもがへ爼板に鍋やすえ出て衣更篠鞘にこそぐられけり衣がへ馬場乘の母衣に吹るゝ袷哉諸候より先へ目見えぞふかみ艸東雲のぼたんも雲のはつれ哉ぼたん見や掃部の咳の明はなれ明日喰ん物さへなくにぼたん哉雨雲のしばらくさます牡丹哉年〓〓にかはるぼたんやたばこ入いにしへのならのみやこの牡丹持きよつとする顏ばかり也人牡丹子の代に成て榮えしぼたん哉うち見から小聲に成てぼたん哉さりながら雪をよきつゝ白牡丹唐物屋あとにほめたかふかみ草老僧や如意も落さず白牡丹牡丹引諫寄朝の花ふさを少甘焦焦年己尾尾琴琴里·重楓午沾子楓靑紫其沾行專楓露朝楓白沾其秋合幽重兎其東巽子寂德葉子川紅角洲露仰子柏叟子獅洲角航志笑巽谷雫小皷の車になるや鵑しらぬ火の鏡にうつる牡たん哉うかれ女や異見に凋む夕牡丹入相は上を鳴行ぼたん哉明烏夜も江戶なるかまど哉ふんぬいで風引夜半ぞ鵑時鳥初瀨の博橋足駄がけ子規四十といひしよそじ哉山畑をうねりてぞ行鵑時鳥地震に似たり緣の人曉の反吐はとなりか子規夕ぐれの班女しづめよ時鳥袷哉おやまつりびの品さだめ衣がへ躍らば屏風越ぬべし灌佛の香楠にふすぼるぼたん哉双牡丹かくて見目かゝぐ鼻かおぼたんや供につれたる秦舞陽一聲は醬の骨かほとゝぎすうの色や傾城町へ背戶つたひ卯の花やいづれの御所の加茂詣辻番で若衆とめたり時鳥見かはしぬるを、源平などいへば紅と白とを竹筒にさして、二四、ふし、そり橋に下人のうたゝねしきりしまの山かげに、盃をとる折露江公の御園に、芳譽を見侍りて又萬葉をとりて曲終無人聲の題をたるを起して、筑前紅を送りける人に夕の房を一二三一二三虎其行.潘十琴其虎專楓其我苔景琴魚行專同其琴答角露川流風角等吟子角常殘帝風千露吟角風
大名の卷てくだるや靑葉山あぢさいや鵜の目かへしの山一ッつみて來る袂をかへす新茶哉足もとに馬の鼾や麥の宿くらぶ山材場の日陰やほととぎす夜這ぼし鳴つる方や郭公鵑小野にともなへ立眩み順禮が棒を入けりさなへ打菅笠のほそ脛よりぞ田植歌ぬれ髪を吹れに門の靑田哉牛しかる聲もくるしき田うへ哉業平に成てひるねや麻の中唐犬の耳のゆかりやかきつばた足あとの蜘手にあるや牡若雜魚にゆるうちにとて見ん牡若みじか夜に同じ手筋や旅の夢みづ〓〓と四月の山やあさぼらけ搔鯛の間はこれ也島卯木梅漬の番してゐるか犬張子靑梅やそれよりもれし塗展三ッ七ヲ標て梅あり双林寺靑梅や乳母が手つまの玉かくしたかうなの皮に臍の〓包みけりさりげなき針事うれし若楓同じうらみなる人と、うらなく祝ニ產育ふるさとをかこちて、六萬部寺にて小坂越にて猿江といふ水村にて焦焦尾尾琴琴三膏州楓自沾虎靑竹玉龍入三幽キ同共梅考鵰同其堤琴專汀雫扇逸花角亭風吟鴉車子悅德答霄平芙尺松弄笑角をさけよと有し母をこひて未來の花をつまば、酒をたちて病葭きりも小野とはいはじ葭の中鴨の子や古根は氷る芦の中汁鍋に笠のしづくやさなへ取田植時たか根の雪や鳶からす〓貫もわら屋の軒の菖哉揚弓に鼻油ひく粽かな物さしで粽を切やお乳交鎗持がつめに出たるちまき哉重篠かけに花をむすべる葵哉水札おろす畠境やうすけぶり立よらば山歸來のめ木葉闇麻村や家をへだつら水車ひる顏や窓のひづみは烏帽子折晝がほや堀かねの井に甲鉢水といふ物きれい也心ふと烏とぶ紺のあふぎのあつさ哉まばゆさは鮎の藻に入あふき哉はゝ木々や人馬へだつる五月雨呈餞露江公鶯や音を啼こんであやめ草すろの葉や鳴とも見えじ五月雨五月雨に舟よぶかたや土堤の暮くさる迄繩にたすかるあやめ哉花あやみさかりは今ぞ三ケ一水漬に泪こぼすやかきつばた人足は井ぜきにかゝれかきつばたつくば海道にて五一二四一二五行周其楓甫露玉龍ロ行楓キ大交每キ幽キ圓更其灌闡其楓露東角子盛柏芙尺遊露子角町雀閑角笑角水互雫木幽角子
うらやまし豆腐とりまく御秡川川風や茅人形の立およぎ吹降の合羽にそよぐ御秡哉夏草に軒は博木を小山哉牛時は實盛になる祭かななでし子に額おさゆる晝寢哉香需散すたるやもらふ科理人指くひし鼠も出たり此蚊やり目も凉し甍の鶴のかへる空凉まばや人目おもはで梁のうへ十六いき〓〓と草も沉むや雲の峰壁ぬりの鏝のうごきや雲の峯凉風や筧に添て七まがり撿校の佛たをれやすゞみ床風高し込て居かはる中二階香薷散犬がねぶつて雲のみね廬生との夢かとばかり雲の峰凉不來勘當の月夜に成しすゞみ哉水無川猿も落來る凉み哉凉み哉大川ばたはまゝ子立むら雨の木賊にとをるあつさ哉夜も明ば此鵜飼をぞ猿廻し吐ぬ鵜のほむらにもゆる篝哉とかくして一ッとめけり花茄子朝露や關屋漕ぬく舟茄子灸にて佗言申す夏斷哉槇の島にて大兩大風、空水をうがつ日新凉侵衣焦焦尾尾琴琴重水其行キ立琴キ專其琴專子琴景キ楓玉專龍鈍楓心更闇專巽石角露角朝風角吟角風吟葉風帝角子芙仰尺子子水互指吟舟へ飛判官どのゝすゞみ哉夏草にくんろく燒て凉かな亭主はと問ば岩ねのし水哉空色は水でゐながらあつさ哉建こんだ家や谷風端すゞみ艸いきれ駕籠に云つく野駒哉小金の原打過るに舷を玉子でたゝくすゞみ哉川簀垣牛の子とりの筏かな錫杖も水竿になるや凉み舟ぬす人の寢所すゞし鈴鹿山行灯で海をとりまく凉みかな凉しさや思まふけて法師武者山本道鬼古墓水垢の橫に投たるすゞみ哉一二六一二七愚適同行露其楓拙一秋楓潘幾口山露江角子交雀航子川石
焦尾琴一二八焦尾琴雅の卷名月之篇並行のことば午寂高兄、名月の歌つくり給ふを、予に興對していはく、凡行歌のたぐひは、唐人、才士もつまびらかならずとかや。此國の長歌も、いかにうたひ侍る事とも其品わかちがたき事ながら、今やうの朗詠ともてなす旨趣を、いでやとておもひつゞけ侍る也。白拍子靜が朗詠は、俊惠法師の作りて、うたはしめ給ふとかや。自筆の一軸を百餘章とりそろへて、つたへ持たる人有。自庵隆達坊が一筆自作の證哥は、室君の手箱にのこりけるを、宗勳入道ひとよ切に吹合せて今も世に、しげれ松山の風情をうたふとかや。烏がなけばもいのとや。家々醉賞のこよひとて、只一ふしをうめき出ば、思ふまなく心晴て老の恨みを忘れ、若き情をふかめあひて、物おしうつるなかだちならずや。逍遙院殿御家集に、寄小歌述懷おもふことなけぶし聲にうたふ也めでたや松の下にむれゐてと聞え侍るぞ、御土器も數めぐりて有明の月ふけぬと、物のはえある御ありさま也。昔、早歌うたふものゝ題に昔、早歌うたふものゝ題にもろともに月にうたはんげにやさば今はたたれもさぞおぼえぬるげにや娑婆とうたふはかなさを、など忘れめや。人、我。年月いたづらにしも兎臥、かくさめておもふさまなる身のうへの悔しみ、あした夕に胸をなでゝ、亦三盃の影をのぞむぞ、くゐの八千猶百千成べし。扨も玉敷のかゞやく砌、閣々堂塔の海山、島輪、松杉、〓棘の霜露をわけ、艸の莚の尻いたきも、三五の月にうたふには、三弄か笛をよせざらめや。彼四の二物語と申す風謠も、やごとなき筆のすさみとかや。ことにけやけき物なり。それにつきて十二物語といへるも有り。遊君の名どもをかぞへたてゝ、いと艶聲をかすりあげ、仇めきたるむかし歌とかや。人うつりて風情すたれたり。予、童謠、哥舞のいにしへを思ふに、明曆年中の双紙に、登リ八島、下リ八島といふはやりかなる事ども、十二段に分たる有。六字南無右衞門正本と奥書し侍るこそ、數奇ものゝ名にふれたる雅なるべけれ。家風にふける四座のみならず、幸若の遺流、平家の絃曲、尺八、鼓弓の手術、鐘磐、商宮う律の口眞似にもれて、洒白の風流に伴ふ人、三味線こそは秦の阮咸か工みて摘そめたるものなれ。笈笑こそ聖德太子の翫賞なるを。今もするすみの一派に吹すさみて、音色も時にあへる國風をうたへば、をのづから哀不傷の氣を感じ。樂不姪のことはりをもれずしも、獨明ぼのゝ雲に吟笑すといふ心を、人音や月見とあかす伏見草あさづま船に皷を入て、月を見侍る女の水干に扇かざしたる繪に、おもふ事なげぶしはたれ月見船焦尾琴一二九一二九
名月や安房の御崎を戾子障子名月やまがらぬ道のはま庇物干を楓の橋やけふの月月千里こよひ虎屋が通ひ箱名月や近くうつさば扇の繪名月や人もうかれて放れ猿富士に入日を空蟬やけふの月名月や松にかゝりて丹波栗名月や又吸物に鳴雷に梶はなびきそ月見舟含秀亭に侍りて山庄に宴友をもとむる折ふし、快晴を吟ずる事、洪水夜に入て人家を破る。巳卵のとし、焦良夜野分して大雨、尾題の本意なれば琴子曳あらねば、名月、をのづから十三夜の對影をひゞかし侍るにや。きほひいさぎよへ、誰人か後の月と杏冠に定め侍るは私ならぬ姿也。此夜の月、栗名月とならはしていへば、暮の秋ことにさやけき月影は十夜にあまりてみよと成けり白玉物語よむついでに、聖廟の詩をはじめとかや。五竹の菊にそふて書す。十焦に九天の月に仰がれけるにおもひよりて、尾芋三琴を石のうへにはしりかゝる水は、夜誹諧題には後の名月と立たるを、和歌には忠度の百首にて見及びしを、ぜばその五文字のみにまとはれて、や瀧の月せうかうし栗の大きさにてと、後の月見といへば、今來は名殘の月とざし、加其みづからたしなめる工みにしも茂政一三〇角文字あまりしたりとて平ありしこと葉のい田舍人、芋獨坐獨酌の時、秋昌秋景堤楓其魚行同航川色帝亭子角千露白十糸をとりちらしたる月み哉此月にとりあげ婆は誰捨ん名月や雪かく程は骨おらずけふの月小隅〓〓をまくら狩名月や化すに躍る稻荷山名月や鎧流るゝ琶琶法師名月や花鳥かゞやく御書所名月や星なき方のむら烏すがり迄織部くすべてけふの月ぬす人のねたり起たりけふの月門番に和布をくはせばやけふの月名月や人のかつらのはなし聲鐘ひとつ買てかけたりけふの月名月や海へ吐出す藁あくた長安の夜遊寄晋子一三一の月加其茂政一三〇角平十三大入一暮山闇專重才秋中問機周其町松雀圍峰指仰霄航川津一東雫
しのぶにあまる緇さんご珠さらの身を板元はなす二挺立波ならなくに馬の背枕保侶波山手のうらかへす宵の雲師走の月に方丈も澄熊坂が長刀とてもぬすみ物人か碇か舳でどんぶり吸口はどこへ紛れて片おもひけぬき合に我こひの袖雪隱を借あぐねたる痩若菜猿頭巾にて梅も腰つけ烏帽子から巢立の鳩を揮ヒ出す上手な駕籠に筆步む也ほのめかす尾花高-萱汐どけて松と月とにわかる月代焦尾琴水塚に子はやすかたよ後の月後の月指くひはたぞ松が岡八橋に枕くばるや十三夜かけて猶鐘はさへたり後の月む周東の吟をうけて、長安の花を洞庭の月にうつされし名月や渚にかゝる毛見の馬大名も橋の月見はかちよりぞ猿這にわれとらんとや水の月橋名月や河原院へ蚊やり艸入月や聖天町を見かけてぞ惜込ム馬をけ出す鐙や月の琴上月月焦双吟尾三兄弟にちな琴紫檀虎其行秋周專虎琴其專其附答角泉答雫角答泉紅雫角紅泉答雫露色東仰答風角吟雫鳳時の間と縣て水を見て參ルくる〓〓と顏を廻して月の笠山の邊の毬をかぶつて松のうれ雪もよしさらばと罩に茶を引て聞たかと二夜へだてゝ郭公うしろ帶でも根が女也あの枕心を見んとながれ足關の戶ざしも御直たふとき行鴈に礫くはする供の中宵の管絃は雛のかまぼこ花屑に折敷疊もたゝてかはあ明ぬさきにとのぼる鷹待乍恐とよむは訴五人が楯にならぶ土堤口たまに耻よ老の癆疫一三三狀かふけがたを誰が御意得てしかの聲そふ。には掛られずとかや。佐竹御家の珍奇にて、こゝに移して、一、この一ふしいかなる御きげんにや一曲の早歌もまた艷なり。此小哥は天下老僧の活作也。焦尾桐のしらべをその一聲を踈かなる饗め放參經陀羅尼まな正月しも茶わむ。はふかふし、猿樂田樂のうたひもの。ものいゑ。ゑ8.よ〓〓さ夜ふけかたのよしかのひとこはやるものなに〓〓一休會裏になき物傾城若俗のさふたむ。せにこめ得法悲の衣。尺八こきりこをしきたくみく一三二つと其答紅泉雫紅角答紅雫等泉角雫泉紅角
硯から煮しめへうつる花の蝶唐紙のあや見えそめて四ツ下リ八十の賀に八十客駿河なる手拭かけに是は蔦うかれめにたばこなき世か月の雲指にかたみのきり〓〓す疵さし貫のくゝりほどけばさゞれ石〓炭竈のぐるりに哀牛の息樓門の莚とかるる惣ぎよめ目安作りかしのぶ北山泄痢といふか松の下ふし鞍壺の鼾にまけぬ蠅の聲河原瀨や跨〓〓と石のおと紅葉にふれてかすりめな衣琵琶を煮てさますも獨月ならん鹿の背にたつ鶉おり〓〓朝顏やちいさく咲て秋の色念佛かむ鹿をつれ也簀子橋笛をやすめてひばりすむ聲天守臺ふりさけみれば花の雲白丁とつてもとの商人搗たてを十と覺えて廿四五火打袋に賽ぞかなしき爪こがす迄せ鞍とめして工藤根笹の蠏に霓ふ槿花之篇無動寺にあそびて焦焦尾尾琴琴薫客音虎其辨三角外答角外弄筆雫泉紅角角同外角答外角答外用答外角等外桁梁も折るばかりに雪が降槿や水にもならずはつれ雪舜筆匂ひなき松花堂おもひ逢鼻折鯛にきくの花いざよひに初心な炙匂ふらん經机かたづけて置沓の數箕の輪へは棚橋いくつ柳陰鬢の塵とつたが戀のはじめ也宮守の假屋ふきさす足ぞろへ舜釜ちもり二間の揚屋秋也錦木ひろふ門も正月蕣や吹たをされて花に砂朝顏はかきねとくんで枯にけり槿やところ〓〓に蜑のうけ鰹けづりて曉の汁鷄頭は所作の革籠か葛西舟鷄頭や匂もなくて花ざかりうば玉のぬかごに角やかたつぶり朝かほも押セば久しき形見哉朝顏に立かへれとや水の物あさ顏に煙らぬ窓や素浪人盞に砂をかむ也たての花捨鞭やほこりもさむる蓼の花一一五五あらめとみゆる蜑の洗濁猿の虚勞も花に慰め傘にたゝんでとばぬ蝙しゐてもらひし獵利の筌山吹しぼる瀧の地ひゞき泪を流す山城二三四琴堤泉闇專行其云紫專堤沾山角同等角外答角外答角外答角外答風亭石指吟露角暮紅吟亭德蜂答
朝霧の伸は柱により添て鷺の小股をくゞる鶺鴒筏士の禿になるやきくの花菊之篇ふらでも八十八夜なりけり社人達かざしぞ多き花の苗さゝめの蓑の肩は水鳥薩摩潟一兩もてば長者也飯くひ經の外はあか耻駿足も痔には任せぬ鞍の上名のらで通る笹の血脉難儀をも日記につけて土佐邊路舟は出て行松風の 人團栗とおぼしめされよ老の母あい口を樗にかけて夕すゞみ牛もみえぬは手たれなる笛此千馬尻はしおれと冬の夜に靑女房の間をいたゞく發明を劫にたつるは片目也一寸の蚊の斧にむかへる文匣から朽木の肴ふるひ出皇居へはこぶ疊なるべし朝の月五里ある沼は鳩てりて關までゆかぬ蕎麥のさかも木松虫に狐を見れば友もなし野宿秋興唫白玉の尾花引也ぬれぎつね花もうし佐野の渡の蓼屋敷人も見ばあなしら〓〓し老狐焦焦尾尾琴琴專其秋楓其楓其吟角航子子同角子同角子角子同子角角子角子角子子角子角結柴に臥てさゝれた薄月夜川烏二階坐敷の世に成て此道も樽が明たり花の外猫に手をとる前栽の蟾手覆の具足ふるひによるべなきあやか夫の年を聞たき茶俵を鐘は撞樓へ引上て水の給仕の小きざみに出ルねた形を雪にみせたる鹿は小野背負た箱をたゝく市連新竹を撫て通るや袖の聲酒かひたいに殘る有明御恩の門へいさいきみたま年へては三笠の山をよみわかれ屁をふるはするゑぼしひたゝれ鶴差と是を名付てさ月やみむぐらはしらず馬氈にも寐るうき時は二貫目かるく成にけりしぶとく見ゆる傾城の陣猿著の三さけびしたる泪也質けゝらなき甲斐の德本春の月御室は白い夜着ふとん華のしづくに薄鹽の蝶酢み噌とは折にふれたる興渠肝膽は虫はむ橋をもくろみて民のにほひは蘭の草むらまゝ子にたてる中に瓜鉢五十年來梅若の墓狢ふとりなる顏は出山どこに居るともいはぬ逗留一三七一三六堤紫波亭紅航麥角亭紅吟麥角吟航亭紅麥角子同角同同子角子同角子角子角
狂破喰草鞋を椽に捨て行人しれず瘦を縫こむ近江島猿猴にあつい溫飩をもらせばや講堂の大工はらひか鐘の聲すゞしやと盥の中に傘さして招いても片便宜なる有明にあるかれは病目かゝへて紅葉狩暮の花仁王の腹をたゝくらん田舍間に足をのばせばむねは富士かりた鏡はどれも南天切筆を拾ひあつめて花薄海老かとはさむ膳の〓鎗流したる早舟月手を添てみせた斗か十二燈さがなくも展をかれば郭公うどん桶ある門は錦木喧嘩して帶を尋ぬる朝朗鎌髭の矢なみつくろふ二ツ指すべるひやうしに爼板を抱唐租やこれ柱杖にも拂子にものり物に足柄見する橋のうへ駕籠より袖のぬれぬ川霧脉が躍つてより人はよる問ば乞食よ糟壁の雪やゝと海鼠をつかむ臼鳶我なでし子よ塵の落髮けふも隱居へとられやすかたたらぬ荷繩をもらふ產前入身のくさめ鼻を突るゝ下垂の鷺もむら紫銅也焦焦尾尾琴琴月心其景水帝角水帝角水帝角水角帝水角帝角航吟角紅亭麥吟航紅亭麥吟航角十字菊のしまつて左右へ亂けりくみかさね品玉とるやきくの露けふのきく小僧でしるやさらさ好菊畑や里はしまりの生藥屋きく好の心はいかに九月蚊屋兒小性や碁盤ふまへてませの菊風のきく能登殿の矢を笆哉春のゆめ千疊敷にひとりゐて目は明て月にみだるゝねごと云ヒ傀儡に籾をおしまぬ親の闇夕なぎに草〓がきれて助ヶ舟尺八を聞て頭をふる火吹竹雪ながら御挾箱にたゝみ込借錢をおもひ出す哉車僧泥坊にけさう詞やおぼろ月ふりむく顏を的にかすむ日切こはめしに谷のうぐひす後段になりて彼蛙聞箙かなくば帶に花させ屁おほせたり簀子吹風目里の伏猪大根で追ふ烏客にもふれず小君分なり金か醬か嗅て見る秋本虚勞とは見えぬ夏足袋野分の朝、わつはの花をいたはり紅葉の篇跳衣手一三九三三八醉尼日紫沽山心行帶水角水帝角水帝角水帘角水帝角紅壽角洲蜂水露麥紅亭
だまされて行水したるみだれ髪江戶の圖は錢にかくれて愛宕山十念に內亂もたつて嘶えたり乞食ども鱠作るか蓼の中たれかある帶の栓に九寸五分京の箴は揚弓に成柱巾わたくし雨に月出て目にあてゝ足羽おろしや花紅葉松の葉にその火先たけ薄醬油露棚田行水の柏や下もみぢ仲人のまたぐ瀨もあれ紅葉川下紅葉荏の實をはたく匂かな谷へつけ鹿のまたきの紅葉狩さめ馬を絞りにそめしもみぢ哉傾城はなしひなの三絃極らぬ嵐やはなの蓮歌切レ御邊よばりは戰國の事海鼠膓も御崎まもれば啜りかね舟のさらばや後の蚊の聲つれなさは握こぶしの堅いうちきくいたゞきは松の小虱克己 復禮惣供の笠早繩よるは沖津しら波天水桶を鳶のせつちん四目點は舟ののり合と、おもひよりて龍田川のさんに、わたらばにしき玉芙公戶越の山庄にて遊越路焦焦尾尾琴琴角同其苔其一山大其技行角淺帘水角帘水角蜂雀角蜂町雀角町蜂角雀峰町角琴にさはるか八張の弓ねられねば鼠の尿に笠を着ル豆腐の脉のきるゝ佛名借金を梓にかけてなみだ也かたい心をひけと鐵槌夕顏にいろ〓〓うつる闇の眉早い後段に猶羽ぬけ鳥見せ馬にかくいた癖をけぶたがり梨子うち鞘も奉公の兀人の意味關をこゆれば聾也寺の門ではうかね節季候梅櫻松とならべてかけ火鉢若殿成をはやす蜑が世土用子の鯰をせゝる月の影三升樽と蚊屋でむつ言よこ雲や猪は屋上へ菌かり松茸や松葉をかぶる蟇松茸のゆふべをまたぬ匂かな松茸をうらも嗅るゝませの菊茸狩や山のあなたに虚勞病初茸や白洲目見への御狩山鹿道は綴かやくに蕈狩岩城儈が窟にて南天や秋をかまゆる小倉山南天の實をつゝめとや鴈の聲なんてんやをのがみほどの山の奥畫南天紅葉三幅對紅葉見や村の用意はわらざうり老武者に心づかひやもみぢ狩一四一四、〇楓波露專其合露其琴東父亡子麥柏吟角志江角風順雀蜂角町蜂雀町蜂雀町蜂角町雀角
醍醐味の飴にこたつをはなれけりなつかしや火闊の友の番代り和巾哉蕎麥湯ながらも小夜時雨網代から氷魚待うちや灰せゝり寢所や火〓しかけて四十雀爐びらきや咳でうつむく顏の紅爐開や鼻をならべて雨を聞水仙や鉋つゐでの小島臺口切に茶で色づけん柱哉門ひとつひろひもの也落葉搔山木がらしに膏藥のばす木陰哉末枯やとうふばかりに門の桶蔦の根や癬になりてぬれ佛因果屋はいかなる筋か蔦の門細長き蔦路やしとる笈の物うらがれて鮭とくみあふ畠中うら枯やそれだけ寒き忍ぶ山岩から足をおろす藤棚行灯に飛こむ花も夏の虫よしや奈落へしづむ三線かゝり口皆緋威の女中なり萩に圓座は鹿の待ぶせ鹽竈にせなかをくべて露時雨三日月もれて雲丹が輝く小納戶の鎰預りは風の宮同新宅賀興人の飴をたびけるに焦舘焦尾尾琴琴日里倚唄闇附子其龍行焉靑井谷白焉每壽東窓言指鳳葉角尺露子峨月羊櫻子閑角蜂雀角町雀角町白玉はゐの子にあへる椿かなたれ〓〓ぞ玄猪の夜の下〓白紅葉の下部もあらん玄猪かな人妻は太根ばかりをふぐと汁隣には糊を摺也惠比.須講吳竹の牢人赤し惠比須講此肴よう求めけり惠比須講馬とりに手綱わたして頭巾哉居住居や後夜の紙子の己形ねがへりをきけば隣も楮服哉宮藁屋はてしなければ矢倉賣食堂に狐の會も枯野哉凩や聲のたつ夜はむらがらすせめ馬の暗にくはゆる落葉哉大腰にかゝし投出すかれ野哉なでしこや枯野につねの立姿鵯やとふさに沉むかへり花蜑の子や松を逆手に磯しぐれ傘で犬と仕あひやむら時雨酒にして二階があがくしぐれ哉八疊の楠の板間をもるしぐれ木地挽が病者な顏や北しぐれ初時雨雲のはなれや鹿が谷山城へ井出の駕籠かるしぐれ哉途行吟遊金閣寺社頭霜ぶきありしに何某の家にて、御流頂戴のこと我も火宅を出にける哉一四二一四三肅行同其云景含龍景云其大心山琴闌穹重雌秋其合肅翁山露角暮帝曲尺帝暮角町水蜂風月風巽口航角志山
初雪や湯のみ所の大銅壺ふくつけてあたゝかさうに松の雪よもぎふに松の雪のみあたゝかに風ろ吹や童子が角をたゝみ切鶴の毛や風ろ吹にちる窓の中ふろ吹を高安なりし名ごり哉ふろふきや金剛杖を箸にせん風ろ吹にさすが狐も坊主哉日の本のふろ吹といへ比叡山風ろふきや其夜のゆめは喜見城風ろ吹やね覺の床のわすれ水寒聲や南大門の水の月鴨の毛や鴛の衾の道ふさげ揚屋の外邊に、鴨をむしりて、つ鴛のわかれも見たり朝あらしよるさえや盆山の出る磯衞汐を引手のすくむや村千鳥降出しは玉水よりや村千鳥妹が手は鼠の足かさよ千どり室君は手にもとるべし小夜衞更行や蚶に千鳥のかさね足(チ)君よけて片身痺るゝ霜夜哉鷄のふむにおとあり霜ばしらうつきりと霜夜の月の梢かな興添のおとなやかゞむ松の霜万客の朱唇をうるほせはに宮城ならでは及なき事なるに、楠の銅壺の四間に一間とかや。誠わらはべのふくつけたるといふに見ゆ。あさがほに雪をまろばして、ゝらの通ひ道なかりけるを焦焦尾尾琴琴其日波闇序大朝其琴紫同其里行苔沾其合白風圓淡水子露角壽麥指令町叟角風紅角圃露淺洲角志獅杏水拍松風や瑞にしらゆき馬のうへ窓錢のうき世を咄す雪見哉牧狩や風ろ吹したる釜のあとふろふきや湯立の釜のわき加減風呂吹の片輪車は箸にこそ雪の夜や隣の狸哥を聞茶の會に犬の心やけさのゆき待雪や御車道の掃除ぎは海鼠疊のひゞき待小雪哉山鳥のおろと氷るや瀧の松瀧幅や氷の中にゐざり松簑をきた給人もあり庭の雪山庄吟むにたえたり。年をくやみけん情、ともにあはれ老嫗に詩をとひし事實、老歌者にさのみまさる世をしらねばされば九尺に二間の住所にて、う風呂吹や大佛どのも棚さがしふろ吹や此あつまりは涅繁已後風ろ吹や是を景圖の押領使千手井を風ろ吹に吸よしも哉不呂吹や逢より外のやむ藥風爐吹大根草庵の爐邊に、閑遊の吟當題田から吹風の寒さま夕神樂空舟やどちらつかずのうす氷玉川や氷こけ行よばひぼし寒念佛みれば出入の大工也寒聲に行ぬ橋迄阿漕哉一四五一四四玉可角專其同行白同昌一堤楓甫景午專龍昌千大行帝候枝吟角露櫻川雀亭子盛帝寂吟尺川調町露
雪打や川に脇差すてゝあるあもはめや捨て行かばゆきの宿すてゝある身請も近し雪の袖綿弓やゆきの反橋すてゝある武藏野やすてゝある物富士斗捨〓〓てあるはいづくへゆきの友焦尾琴浴雪にけし人形もつもれかし初みきにふづくり文や大江山半衿の洲崎もありや雪の松柴うりの跡から押すや雲の原雪乘やわたりも見えず大井川はつ雪や鳥の羽たゝく竹の弓身節鳴ル老のねざめや雪の竹はつ雪やちろりをのせて硯箱今朝の雪折戶の算や松のひま初ゆきや兎の耳のあたゝまり傾房に雪を見て、月のすまゐを尋ねて元すみだ川牛田といふ所に、牛島渡航並野行所思焦尾香箱にもてなす琴風の止觀に至りぬ。り、獨獨鵡の唇をとぢて、たるを、ん〓〓といひて、土山のむま屋る過る日、やTabo心のまゝにうめきあへり。れごとも、とおぼゆるにや。世もすてず。似狐鳴とたはむれしよまた廻雪の吟友ならず今の幼尼のうか墨の袂にすがり中比草山の元政身なみなし子ちとくは旅の夕觚もす一其堤山其楓麁秋其同辨專虎兎心應雀角亭峰雫子麥航角外仰等谷水三象瀉の名やすてゝある人の雪大津川や雪の布杭すてゝあル雪の戶や酒かふ錢がすてゝある鹽尻に雪と豆査が捨てあるのりすてゝあるは誰鞍雪の門初雪や疝氣に庭が捨てある脫すてゝあるは衣の裾のゆきすてゝある人のこゝろや雪の石忍ぶ夜の雪に女房のすてゝある馬市や雪のあみ笠すてゝあるゆきの夜やよみ捨てある三體詩〓〓、ある人の申されしはなンど、ものゝうたふを聞ば、塵しづかなる雪のあした、棄宇ノ吟すてゝある門はく柿鳩や雲にうつさばしぶき色此雪にいの字の奇楠や牛香爐傘をちやせんかたげや雪の暮空堀や鳥もねつかぬ雪むろし影ぼしも雪も身にそふ夕哉初雪や拍子木さゆる北の窓はつ雪やしらまぬ庭に鳥のあとはつ雪や居間の簾につくば山初雪や木の間をくゞる路次の者小車の御息所やゆきまろげいろはの御物を分られしに一四六申此夜の更行を事ともせず。年長每勞推甲子庚と唐の許渾が詩句を見いでゝ申吟夜寒初共守庚一四七三子れ申吟1楓其三專琴江靑呑口景專硯序闇白心新紫景牛朝波子雫弄吟風蟇峨曲遊帝吟水令指柳水眞紅帝寂叟麥
笈の花羽黑道者におしむ哉殿の名は雷好とひゞく也此螢いつの沓にてありしょな玉あられ秤をしらぬ君にさえ皆尾花中の地藏の明芝居孔明の刀かけ也鹿の角夕されば親仁へとふく神樂笛登蓮が下駄の前齒に雨はれて鰌の汁あたらふるひの山を足輕蘇八十八で三頭巾とらする通圓が像四ツ手にくんで態と頰摺馬すてかねて秋の夜の月鐵にに四疊半とは焦釘大キや尾番バ姥琴三ふのむ笄月にとれまやのあまりの古ゆかた墨箱はおもひの外の柚平にて兒くらべ山やおさめのかのえ申此降を人が延ざる花見哉た要を嚙はいかにさびしきき物がへに淺黃水仙の名殘を叙ぬ。三吟と呑かはして、明がたに惜年ば、吹雪をいとふ灯のもとに、花よりおもふ志賀の山邊なりけれ水尾院の御會もたび〓〓とかや。もひ出ぬ。後鳥羽院庚申の百首、後の和歌をしめしまします事などおの鎭守とあがめ給ひて、行ふ聲に、傳〓大師歸朝の後、臺山ぶりをまもりあへば、庚申の雨といふ題にて焦尾うばそくが琴世に七猿いざ其紫其其角雫紅角年紅角雫紅角雫紅角雫紅紅雫角紅雫角母に逢師走が來たぞ山法師朔日やおと子尋ぬる家の中鹽を持偶興せてわらび折山床入に守りをとれば鐘おぼろめつかいも花を尋ねてくり矢河相撲神裸になりて拜まばや鷲部屋のぐるりはさいの河原にて捕雲のはに梁へ法度かものおもひ〓經と波に聞ゆるしかり聲楫のおれたを火搔也けり瘦菊をさゝいの空にあなめ〓〓赤子の跟しら玉對馬へかこつ人參の橋髭の野分に耳を二反三畝を隱田もりきり飯をかこむ傾城千犬手迯てが破る鴻門の楯春の瀧山のに一四八音陰月露一四九行三露嘯紅角雫角紅雫角紅雫角紅雫角紅雫角
焦尾琴〓〓o焦尾琴頌の卷루루船の記一日琴風亭にあそんで、二挺こぐ船の時となく行かへるを見るに、まことに觀念のたよりなきにしもあらず。古人の意氣をかすめては、徒らに楊墨がともからに落、安樂の果に乘じては、閑かに長明が方丈をうらやむ。人生の限りあるをや。心をし志に屈せるものゝくるしみ也。爰に南、大橋をへて、上、まつち山のふもと、今戶の橋にこぎ入る。一瞬の間に万里の思ひをめぐらし、箭よりもとく、翅よりもかろく、いさみある聲を帆にあげて、數十艘こぎつれたるに、遠かたも有笹の葉を打ちらしたるに似たりとかや。誠に似たり。船ごとに火繩くゆらして、後さきの見ゆるこそいみじけれ。其引川上は柳かむめか百千とり河上は人音さめてほたる哉大橋や火燵はなれて二心一屋敷軸の物也むめ柳ゆすりあふ鳥のめおとの柳哉初花や人看板のわたし舟澪杭や月は岡より次第高白魚や明ぼのゝ火はたうからじ蛙鳴唐土はしらず二挺立甫朝楓白新盛叟子獅眞其百江午角里蟇寂凡桃源もはかり得べし。洛外の加茂、桂こそ長安の渭水、淫風をさながらにして、奇絕謾々の觀賞なるにこゝもまた、江南の春の空の梢にはやはか立のびたらん詠ぞかし。寺の數八十、八十にかの多少の樓臺は雨の後に、雪の明ばのに、詩哥の淵流をのづから家〓〓に滿て、このもかのもの御影の山、仰ぐにいや高く、雲に倦鳥、岫を出るいなづまに見かはし、芙蓉峯頭に入はてぬ日の晴〓〓と、扇にもれてかゞはゆく、何の虹といひし橋のあらたにかゝりて浪にふすも、瑞代の現龍なるべけれ。其引岡の目は網にとらるゝ寒さ哉同無〓山の富士に並ぶや秋の昏其角船頭の臑半也けり施餓鬼旗竹包富士書の醉さますらん秋の海口遊釣の糸しやくるもしれぬしぐれ哉其雫天川角のる人やかいつぶり楓子水門の內をよばせんところてん序令一刷毛は横へきれたり天の川山蜂島やりに小鴨ながるゝ夕哉百里ふらすこやきせ綿をとく川簀垣朝叟末口はせみの鯨によるべ哉酉花橋上に鮓をひらくや笹の露新眞大橋の下のほたるや飛螢文士捨人の住なす堤つたひの人の交加、ゆゝしき馬上あり。田かへす馬あり。これかれにつけてあはれなるかたは、也けり。放散の風月にとざせるあり。松はをのづから竹をしだりて、風に吹れたる夕ぐれさへいとなつかし。石原の椎のしげしとだに人目まれなる境には、小家ぞむき〓〓たてこめて、いさら川すしを漫したる皆この流に入焦尾琴一一五、同竹其序百酉文其口楓山朝新角遊子蜂叟眞包雫令里花士
烏帽子きた船頭はなし都鳥是や皆雨を聞人下すゞみおよぐらん四十の腹の下ぶくれ水小屋の夕立是や夜討曾我凉風や通ひ小姓のかもめ立さし汐も四下り也猿の舟うらの戶は若衆がトて花火哉二の足はうらめしき哉凉み風呂下闇や牛の御前を腹へらし寮坊主のまねば淋し時鳥み居れば、圓顱緇染のもとめて至る所なるに、瓦屋のけぶりなびきあへ、爰では誰ししも夕べがほ也。に若やぎぬるも、其焦筏の上に小萩みだれ、惠みの末を汲なれば也。尾引琴芦のうは葉はおとなきに寺々の鐘の聲、昔今なる風情どもは老の物事つくしはてゝ、其朝景朝楓百其賈島が句に獨過潭底影と、其午序角角叟寂帝叟令子里角芦の丸屋の秋風とつぶやく一とせ都人にあなひして、靑柳や世間むきなる風に迄唐音を舟へうつして踊哉夏陰や蘇鐵は僧の後。つめ唐僧の實生なぶるか鰌うり木兎の布袋にむくや法の月木犀や六尺四人唐めかず早稻酒や稻荷よび出す姥がもと鰹にはせつなき水や下むせび遊弘福寺菴〓〓の念佛、此句三年に得しとかや。一五三耻しむべき影をうつし、朝玉むかへする火の影に身を木のもとに休紫新午朝同其百叟此川波紅眞寂叟角里なさけに、(A)長汀に心を流しやれば、さなきだに鯉も浮出て十三夜鯉の義は山吹の瀨やしらぬ分幸〓か霧のまがきや昔松建坪の願ひにみせつ小萩はらすまふ取ゆかしき顏や松浦瀉浮鳥の親仁組也余情川椎の木に衣たゝむや村時雨幕洗ふ川邊の比や郭公雨雲や簀に干海苔の片明り朝顏の下紐ひぢて蜆とり行水や何にゞゝまる海苔の味其されば閑素を友として、車をむかへ、焦引尾鞍を送る。所の產を寄て名にしあふ鳥の跡は、琴ゆかしき木陰とも門まふけたり。秋同其白同景同序文午其林くろあて鐘しづかに聞えわたり、獨木爲梁と嘯ける像にしもあ航角獅帝令士寂角若手共もぬけの舟や更る月此碑では江を哀まお手かけの菫屋敷は榮螺哉笙の肱是も帆に張夏木立夕顏に哀をかけよ賣名號揚麩には祐天もなし昏の鴨後からくらう成けり土筆村雨や川をへだてゝつく〓〓し夕月や女中に薄き川屋敷雷の撥のうはさや花八手道をそゞろに歩みなせば、こまかたに舟をよせて河上に音樂ありぬ螢哉一三三、折にふれたる花鳥の楓其同午其朝堤甫同百子角寂角叟亭盛里秋同其白同景同序文午其其角角獅帝令士寂角靑柳や世間むきなる風に迄一五三唐音を舟へうつして踊哉夏陰や蘇鐵は僧の後。つめ唐僧の實生なぶるか鰌うり木兎の布袋にむくや法の月木犀や六尺四人唐めかず早稻酒や稻荷よび出す姥がもと鰹にはせつなき水や下むせび遊弘福寺朝紫新午朝同其百同午其朝堤甫同百叟紅眞寂叟角里子角寂角叟亭盛里
掉の手に頰の蚊をはる葎かなもぬけたる蟬のやどりやもどり舟早舟と親にはだまれ千鳥聞女房はてうちん持や芦の霜追出しを千秋樂に花火哉冬枯や馬もあがらぬ亦打山洲先へと鞠からさそふ暑さ哉鬢を燒枕つれなし星の露たか爲の腥鍋ぞをみなへし臼の目を女も切かさよぎぬたうす墨に氷れる筋や紙洗ひ化野や燒玉黍の骨ばかり千〇刈麥や巴が臼のとりまはし淺ぢはら蜆にはかるこてふ哉頰ずりやおもはぬ人に虫屋迄淺茅原吟行付田家灯をあふぐ薄や波の音業平の休息所にて御秡哉木母寺に哥の會ありけふの月水影や醫にかゝるほとゝぎす宿にして杜氏もかよふ鴉哉平舟は祭かへりのにほひ哉宿下のこゝも露けし妓王村迷子の洲先にたつや片鶉味噌樽を遠かた人や花薄土とりの手水でかゝる西瓜哉松原や對の袷で天乙女念佛の人にもまるゝ柳哉歸掉吟先年月見もよほしけるに焦焦尾尾琴琴午波甫昌附新朝其紫序酉其午新其大波其疲朝新午序百堤立波寂麥盛川鳳眞叟角紅令花角寂眞角町麥角麥叟眞寂令里亭朝麥澤瀉や千住の片輪見知ごし大寺の田ほどにつかふ牛の有玉水や矮鷄の匂ひも藁衾耕作の屏風の端や梅柳追分や足袋で塚つく雪の昏雪の戶や誰か先こす茶のみ橋玉鉾や團炭を通る草の庵春雨のとうふに馬のけあげ哉芋虫を化生退治やあさぢはら初雪や實のある庵はいかばかりぬれて來る乞食のつてや片鶉立病のかゞみが池や蛙さえ露の間や茅淺が原へ客草履簟瓦灯火入は露もよし式部をも思はぬ波のふとん哉砂りを摺舟底うすし霜の聲かはせみに折かけ竈の友寢哉引汐の氷をゆめのたどり哉掉の間もふけ行よどの河ぶねは有明や待夜ながらの君と伯父漕つけて岸の左はかつをかな水鷄とは飛鳥川なる酒屋哉幸便の頭巾をしばし浪の上さゝがにの筑波鳴出て里いそぎ總泉寺舟中月といふを折にふれつゝ所得しおもひ有月のひかりのさしやそふらん一三五一五四亡父東朝序白紫艽序新堤一紫朝新景同其紫波午新其堤酉紫順角紅麥寂眞角亭花紅叟令獅紅月令眞亭邑紅叟眞帘
焦尾琴一三六醉狂したる三五七言三弄ヨ三橋流三氾洲。淺草指潮暮。深川出鹽秋。尾花波寄更行月。歸去來兮這船頭。風雅をこのむ一手には、淡きたのしみ有。魚鳥の愛によらずして、自然の友をまねくには、二三子の膝をのべやすし。かの方丈のしつらひも、一時の閑をとる中立とかや。琴、琵琶、をのれたしなまねども、さらに此川邊に出て、逍遙の客に任すべし。十六の丁兒も心世迫なりなん。水茶屋の見にくき女によらず、さはらずもてなされて、薄々の酒に歸去存分也。雪ならば此二挺にのりて、山陰の戴逵を問ん事を舟中に主人ふたり、下人獨などとりのせて、蒲團引かぶり頭巾に腮かくしたるが、もし沉みたらば麁相な李白、亦醒たらば今の屈原也。かの四大種の苦シみのみ恐れて、分別の栖をしむるとも、それ幾とせならず。一己無心にして此舟にのるべし。煩惱に漂泊してのり得人はあらじと、一瞬の櫓をおさへて生路を勘破ス。三弄晋子醉書晋子一瞬行成而後、たはふれに五十句を寄す。句ごとに船中の形容をそなへて、風物の樂器それ〓〓の翫賞を求侍る事、生涯のたらざるなき風情なれば、方文をうらやむべからずと、五人一等の醉言、東方の白なんとするに、硯を仕まjpo潮角令叟眞角潮叟令眞角令叟潮眞粕買に駒求てや流レ沙魚そき楊枝には一ふしの荻曉の地紙ふくるゝ月影に宿鴉は袖のしがらみ梭の音吹こす方に顏出して茶碗ほかした人をあなどる一對の男にならふ半晒用心傘に口上がそふゆりこぼす龍眼肉も琴の前出家にしゐる脇差は無理行灯を岡から見れば友鵜飼これは出されぬ油島が飯働ば妾にかざす桐おちで晝夜の損と秋のすて文よい月と本町の聲揃ふ也焦尾琴朝其東新序叟角潮眞令叟角潮眞令潮角令叟眞一樣手になれば波のよるみゆ小坊主を挾箱から傀儡師袖の重荷の塞をうなつく白雨も茶づけで仕まふ世中に猶怨靈は孫太郞なり褌の口切はけふ花のゝちらうそく入に獨活も十挺蜆とり狐の踊るあたり迄由良戶の命法印の鼻晨朝の星にふすぼる釣藥鑵蚊のたぐひ也人もこの比品玉の跡は安居の風に乘摺鉢落てうかむ瀨もあれ脇息におさへて在さへ枕箱あはぬ髪で湯立はじまる一五七
子に策は大念佛にこりはてゝ薄べりに若菜と土の初けしき身へかゝる橋の玉水心まてつき流す氷の扉五六枚菊の露鮮の元結のいつとけて薪秤をつるうら枯の鴈夕月夜供を減されて七騎落家鴛にくらぶる嫂おもだか鞘は誰殿と見る此雪隱にやくそくの繩德利焦のつめは尾琴の橙櫛山鳥の尾こそ火をけせ長局足跡をつまこふ猫や雪の中切戶から尾骨見そめて玉かつら獨ふすそが〓〓しさよ三年猫忍初ひとりね戀戀焦尾琴と號す。ねり出し、文薗のかたよらざる風は、かの君のおもひのつなにひかれて、燒桐の朴目こまやかに、序むさし野にあまねく。から木の良材、なれよ、千古の詞源は末流、何とて戀の品にはもれけるぞとねこを證哥にのせられしおりにふれてえんにおかしく侍る。細流をわかてり。松犂牛の其角、下五色のいとの一筋を杖集を鳴して人下くゞる水に思ひや梨の舌焦尾琴んも、しみ、をひらき、子猫の昔姿、つくし琴の一曲、これをすてゝ何をとらんやと覺ゆ。赤手巾のふるきをそゝぎ、今のすがたをわかちかねて、てうしをかへて、新しきを仕たて、くみたてられしたくみの色笑をふくむ。逸物の筋をうしなふ。ましはりの袖をみがき、のらねこの色をうつして、花影、誠に今やうの誹猫の化物なりな桂陰、林泉、日なたを好む眼窓雪のたの古麻戀句合楓辨三其秋叟角令潮眞令角眞潮角子外弄角航浮世繪に軍は見たり春は花霍亂の座頭に櫂の雫してほしてとらるゝ天人の海苔融公二日三日の 月水一かすみ制札力かこたん崕落頭巾きた禿かぞえる人たまゐ囃子の空の鳶すくみ行水を鏡に髭ぬいて來る一五八は蝶鷺笹面ぶせもおつぼねねこの額白耻梅がえや鼻あたゝまる塀の笠夕やみやかもじと見せて仕かけ猫待松山と袖こすねこのにらみ哉變あくがれて琴柱たをすや雲ゐ猫見かはす戀くずのはの恨之助や男猫うらみ戀戀戀一五九朝堤馬虎宜周眞潮角令眞叟潮令叟叟亭黑等藤東
うかりける人を初瀨かやとひ猫朝露やわかれをいがむ薪一把(十若艸にかくるゝつまや二疋迄嚙ふせて階子を佐野の別哉靑柳や尾に付らるゝ三輪の注載女房達洗へる猫や華〓宮戀やせを撫とも盡じ腹の蛋覗よる湯殿のねこやさよ衣寄薰戀玉だれの手影ゆかしや坊主猫寄簾戀舟猫やをのが口すふ水かゞみうつゝなや四ツ乳に成します鏡寄鏡戀よれ枕ねこの爪にもこひ衣俤や糸目にたてるまくら神寄枕戀新參あかぬ別れの屎仕かな箒木の百目なき子にわかれ哉幼己が背をみつわぐむ也かじけ猫玉藻とや名のらで出る古老猫老憎祈絕尋寄橋戀神祇戀餘愛戀戀戀焦焦戀戀戀戀尾尾琴琴楓利專秋其酉其秋紫波沾問山甫午朝酉子合仰航雫花角色紅麥洲津峰盛寂叟花凧の尾にあれたる猫はつなぎけり祈られてワキ師はらむや般若猫身の皮を同じ思ひか海老尾うき思濃茶時分のむつけ猫顏彩る猫の尻目や繪具皿下ふり揚る刀はあだ也主寮猫いつ君に鼻はしかれて猫の年灰うらに問はるゝねこや七不思議爪とぐやおもひあまりて疊占おもかげや咽もならさず瓦猫古寺や赤手拭は虎御前あつ灰をかへる朝のふとん哉思ひのみ日にむく腹は布袋猫白玉か問來るねこを朧月墨染と思ひはてけり烏ねこ寐もやらで浪人猫の日陰哉柏木の柳もそれかあかり猫待暮戀寄繪戀迷經年戀寄占戀白地戀契來世戀後朝戀寄日戀寄月戀述懷戀寄寺戀仇戀戀一六六、一六〇硯野川馬銀殘適十百序每紫入波其倚新水徑支黑杏杏三流里令閑紅松麥角窓眞
蜥くふ食傷つらしやつれねこ飯くへば君が方へと訴訟ねこたが猫ぞ棚から落す鍋の數春の夜をいつか歸りてよごれ猫煮こゞりや猫の白波夜半に行晝はねて衞士と並ぶや火傷猫うかれて來いつ窖へ身投ねこ鶉から身を島ねこのおもひ哉男猫とて七卷半や君が帶搔破る屏風かたしや妻の影手儿帳は三毛とさだめぬ戀路哉深窓の頰をねぶるや祕藏猫蹴らるゝやゑもん流しの猫の曲塗桶をふす猪に成て春の夢寄床戀西行のおもひすてゝや銀座猫被棄戀こよひもや風呂屋へ通ふ疝氣猫戀思他戀夜晝寄帶戀寄几帳戀忘寄池戀遠別戀寄屏風戀寄窓戀寄鞠戀焦戀病戀戀焦尾尾琴琴其川甫揚適闇里口白昌大其沾堤午心雫支盛葉三指東遊獅川町角德亭寂水戀よるやとりなりもめて龍田猫戀塚と猫にきせけん橫ふとん三キ寄塚戀京町のねこ通ひけり揚屋町近隣戀機子へは及ばぬ戀か座頭ねこ陽炎にそはで身も世も團炭猫己が毛の蓬なるをや戀の賤ぬれ衣や綸子をかぶる位猫貴またゝびや越ながらの忘艸花の夜や猫の管絃は琴の役寄琴戀花の夢胡蝶に似たり辰之助腰もとの二人靜はいづれ猫疑ありながら浮草猫や御緣づく不定戀うき戀やたびかさなれば簀卷猫寄海戀石臼やわれて中より猫の情寄石戀包まれて髭は折ルとも戀の關寄關戀魚串を嗅で忍ぶや笹くろめ寄垣戀亂隔聞/戀戀被輕賤戀觸物催戀戀戀戀一六三一六二甫幾其朝堤其朝紫野其同午角露朝紫盛石角叟亭雫叟子徑角寂枝柏叟紅
海士ならで君がふすべや竈猫いつの代に通ひ來ぬらん唐の種のりかけにそゞろうけとや猫の娵戀種の猫の狂言明にけり君が裾定家かつらや二歲猫馬下リになくねはづかし田舍ねこ子をくふは戀のむくひか因果猫姥がよぶ伏見常磐かやどる猫蒲公や明た袋へよめりねこ忍ぶ夜を水鐵炮や光ねこ立すがた今も祇園の娘猫君や來し面はうつゝの出合ねこ立猫や居猫の中のつかへねこ賴乞食ねこみめをすてゝや物狂衰寄雲戀寄雪戀人傳戀忍切戀寄風俗戀進求媒戀寄蜑戀舟路戀旅行戀寄舞妓戀增不馴戀失寵戀戀戀戀焦焦戀尾尾.琴琴紫波潘白春東新辨景琴堤酉千全紅麥川獅船潮眞外帝風亭花琳阿うたゝねをゆり若猫や甘日艸おもひ切〓ねらふ夜半の眼にて耳ふつてくさめもあへずなくね哉燒物や泪にこもる藏の猫春雨や瓦灯も細き留守居猫かい卷に君をねさせて三符に猫吉日をゑらめるねこや櫻さめ菜箸をくはへて猫の連理哉くらべこし猿は前髮帽子猫艷粧戀大梁に名は立君か夕けさう首玉に我名や立しやみの聲名立戀錦木のもえて虎毛の煙哉胸にたく尻尾の灸や淺間山寄烟戀埋られたをのが泪やまだら竹寄竹戀爪かきや松に見かはすまろがたけ寄松戀逢ぬ夜は高間の雲か頭痛猫寄雨戀久契戀潜上猫、若ねこにかゝりて曰遊禪林寄聲戀坐禪のそばにひざまつきてれて人にこせうのこを、ふりかけら一六百圓一六五午新到秋乍午其序朝三朝其里堤周曉寂眞李航之寂角令叟弄叟角東亭東白
焦尾琴一六六秋來鼠輩欺猫死。窺翁翻盆攪夜眠。聞道狸奴將數子買魚穿柳聘〓蟬。山谷カ猫ヲ乞フ詩也。猫死テ大勢ノ鼠ドモ、秋ノ夜スガラアレマハルホドニ、山谷ヲモアナヅリテ、盆、皿、鉢を打カヘシテ姦クシテネラレメト也。サレバ猫ヲモラヒテ畜ントナリ。此比キケバ家ノ後園ニ猫共、子ヲイクツモ產ケルホドニ猫ガ居ルトシラバ、一類ナレバ悅ビテ、魚ヲ置テ柳ノ枝ニサシ貫ネテ、人ノ如クニ禮聘シテ祝義ヲ述ヌベシト也。〓蟬トハ猫ノ異名也o花山院の御製にも敷島のやまとにはあらぬから猫をきみがためにと求め出たる。と俳諧にてちそうせらるゝ證句には猫の妻竈の崩れより通ひけり天水やたがひに影を猫のつまおもふ事いはで只にやん己が戀猫の妻夫婦といがみ給ひけりはゞかりなくぞ申しける翁ト一ト尺鐵宅詩仙の小序三弄陶韋が桂柱の幽美なるは、峯嶂の高きに及ばず。李王の變化は天狗、厄神も恐れぬべし。大曆巳後のくせもの、元祐年中の男だて、拳を握りはりあひしは世の末のわざとや。これ彼をとりあつめて、雪にすゝぎ、時雨に染し綺字、繡言を切きざみて、閑窓に三汁十菜をもてなすより、腹うちふくれ醉たふれて、呼べども起ず。枕のくれなゐも凩に破れて、窓のあたりのこそめくは梅か君かいぶかし。許渾こよひ世間の甲子ぞかし酒漉て亦は熨斗を雪の朝午寂木下サ十髭ひねりたふ葱のこま刻其角梅聖兪性わるを袋に入て猿ぐゝし十七身が番と不上船罷出て同生姜焼所化か起つて亡命兒參南蠻鍔に星のちる影寂張籍つゆしぐれ乘あひ十九人の中維西の方まぐろなからん關の月同趙蝦二階の笛に片身出す月谷箕をかむ馬は雷角森正正樗蒲乙は一間にしきるきり〓〓す紅葉とて人は繪を行海晏寺同皮日休鍬から洗へ花種た泥坡百にちる也さゞ波の顏寂宋之問老のはるかならず人の人にこそ歌聲に黄金用ひつくしけり寂白金庫鳳巾に加勢かつえの雲水三弄こよひ世間の甲子ぞかし性わるを袋に入て猿ぐゝし十七所化か起つて亡命兒つゆしぐれ乘あひ十九人の中二階の笛に片身出す月樗蒲乙は一間にしきるきり〓〓す鍬から洗へ花種た泥老のはるかならず人の人にこそ鳳巾に加勢かつえの雲水一六七角寂角同寂同角同寂陶淵明杜子美李太白岑參王維山谷陳后山東坡司空曙酒漉て亦は熨斗を雪の朝木下サ十髭ひねりたふ葱のこま刻身が番と不上船罷出て南蠻鍔に星のちる影西の方まぐろなからん關の月箕をかむ馬は雷紅葉とて人は繪を行海晏寺百にちる也さゞ波の顏歌聲に黄金用ひつくしけり焦尾琴午其
黃知命李溫庭箔蘇陸龜家杜玉尼妙靜花蕋夫人邵康節牧渉邁建按摩とり貴人頭上もはりまはす高名輪へからすをのせて牛の鞍邯鄲の道をあやまる伏見駕籠手のきれぬ傾〓城れと棘にて湯もどりの門前獨かるたに一箇男なるなし橋の足を喰るゝこれは黑石坐禪の影を正うつし也のこる螢は小指でも撲焦豆査は仲間尾琴五級の霜〓水之跡止竈井而己存矣。以納之。莫一存焉。後ス ル野馬塵埃可以括之。漆園叟所謂無何有〓焉者。叙'嚮晋子之巢罹災。天地之間。於晋子有斯言。髣髴乎耳目之物。而止妻兒奴婢及鷄犬無恙而己。甞知晋子之窓有一箇古綿囊也。莫不敢盡矣。トイフ〓1/4鹽米衣巾茶酒之具。晋子平生之工夫、其嚢耶江山風月可總在千此囊皆爲烏有而其名者其可也。嚶々。存于胸次者。具亦不足惜焉。中而己。中者什二三。爲晋子求友之聲也。於是乎晋子太息謂家婦曰。於是乎枕于花蹊。以之爲章耶。幾惜於消折我平生之工夫。鳴蛙之鼓吹。スル〓ヲ不聞發營之舞桐以得妙音耶。船于晚涼。噫此囊亦爲鳥有-自白日米米巾。爲晋子和曲也。車于楓林家婦乃起席曰。驢于雪天。終能續其音之絕而此書己成矣。叔々己。晋子莞爾去而後經過同遊之家。而固得而今也不可奈之何我處于微官則不饑不寒。分ス、己之志矣。旦夫伐木丁々。以蔡邕之桐。探得其囊中物略得巾筒反古之同黃鳥ホ茶酒之寛焦保叙三尾亥琴仲冬同同寂同角同寂同角同周蘆玉元之韓退之賈孟東野謝靈運白居易島仝賀右詩人の一句をとるゆへに名を題ス。此雨に灰をうるほす芋がしら鳴川は鹿とねむるも相對に子女かれ〓〓の干鯛をさして是故〓東の船供は西へ花をよぶお長屋がはりに棄る短檠羽二重島は密々にぬふ强て狂歌をつくる夕月影であそぶ春艸の夢コチ大一六八日午寂散人書干胡雪室本辻淺草屋久兵衞村五兵衞萬橋屋万〓町兵一六九衞再版版角寂角寂角寂同角
三上吟其角撰
三上吟一一二二三上吟懷舊のことば其角先師道上の吟は、馬夫どもが覺えて都鄙にわたり、枕上の吟は、所々の草庵に殘りて、門葉のかたみとたしなめ00ことさらに厠上の唫とかやは、和漢、風藻の人々の得たる一癖と聞え侍るにや。故翁、ある御方にて會なかばに席を立て、長雪隱に居られけるを、幾度もめし出ける時やゝへて手洗、口そゝぎ、笑ふて云く、人間五十年といへり。我二十五年をば後架にながらへたる也と。元より心事の安樂、止靜の觀念にいたりて、風骨の吟身を脫肉せられけん。この詞圓上の活法ならずや。老かさなり杖朽て、さらぬ俤のみ、今は義仲寺の柿の葉に埋もれ侍り。其塚の上に笠をかけたる事をおもひ出て、七とせとしらずやひとり小夜しぐれ歌吹海に在てといひし夜の雨も、粟津によする浪の音に力を添ておもひやりぬ。然れども誹言なければ草の陰にはことはりがましく、秋に堪たる落葉をしのびて、牌前の塵をはらふのみ也。其日これかれをあつむるに、あるは侍官のさはり有。旅に住なし、病にふし、心ンにつかはるゝやからは、わたくしならず時移り、人かはりて、亡人の十指におらるゝ事、いつをむかしをよむに廿人也。花摘をよんでことに多し。文集の酬和をしたへるためし、驚神のはしと成て、爰に一躰をほどこさんとす。この卷中に僧あり。此僧の風狂を精進物になして、うき世の味をしらせがほに、嵐雪もケ樣かやうのすがたと成ていと、一しほにとむらひいへば、冬の日のならひとて、灯のもとに七吟をみたしぬ。芭蕉翁の塚は、粟津の晴嵐を名とし侍るゆへ、今七景の題を採りて、思往事ことはりを述。一七三三上吟
待月にこれらか機の荷口也餾ふくむ兒から先へかけ以してvン錫杖をふりさけみれば冴ル月川音の背にひゞく夏木立うつり香に藥袋の一二三履の音徒然な顏をほどく覽しぐるゝやありし厠の一松日臼を鳴す庭をうらやむ狐ちらばふあやつりの跡剃時はづす大名卯の刻からや名は辰の市わさびおろしのありく新蕎矢倉をあくむ鶺令の影零余の音のほろ〓〓と·霜よそに名たつるからさきのまつ三上吟の髭行からにさ湯の絕たる辻もなし月あかき豕の目いかにうかるらん凩や地金で光る鐘の衞府の火箸に堀起す菊匍すればたつくり〓〓子也耳をそろゆる雪先きく三井の入あひのかね三上吟の梟胝·万」枝の華唇の色に見えたる箱根山秋風にさし乳もれつゝ垣の間慮外を帳に付られにげり思箭とりの帶は藤に綾房てくすの波は人にまかるゝ草昔とも一鎌掟の家厚にし刈上キ新白序沾朝執新白序沾朝東其角眞獅令洲叟筆洲令眞角獅潮眞獅令洲叟潮角眞獅令洲叟潮角力にて親付に成ル大力野袴に舞を所望の袖の色松茸の旬十娘の付帋ならで心なし煎藥鍋のころぶ晝夜着鞍屋は霰がくれをなとやらん能東防とはやすきさらぎ蒟蒻を多勢が中に花盛軒下に粉糠俵を秋のくれ烏の露の十德へ人魂の都へおつる星月夜池のゆるきは澤潟の泡暗り峠よい物は放下の筋を女一剃刀で月代が則に曆ちなて一七五のか難るし繼な見し月のなら茶くふたる人ぞ憂起サめの疝氣おさへて須磨明石そくゐ程殘て匂ふまごも艸阿蘭陀が心を猿になぐさまんこぼれたる布苔を渡る泪川蝶々の笠にねて行橋の上來ル衆を殘さぬ花の生ケからし何にならうか本阿彌の札風待やうに黃檗蚊やりをくゝる蚊は饑けめ木の丸殿で御浪人とは鯨に添て鹽じみ夜妻又逢事も紺屋形びんぼな琴で雨乞をせん京は久三をおしなべて春のた二十四幢文東潮獅叟洲角獅令眞洲潮角叟獅令潮叟獅洲令眞潮叟獅角眞洲叟令角潮
顏見せも瀧井時代のなつかしき秋ごとを六郞君へ遠からす惡夢を秡に出ばや月の舟ゆら〓〓と杜秤のたばこのかけ居り友鼬すかし扇に詠や家搜の先一番に山の思はずも男波に消ぬ小提灯女房の成は鴻門鰺のまだ供人の鍔菜飯の葢は奇楠に匂ひて運上を見て筋をしめるは仇ないさかひ手向てわらふ盛物の裏屋花で打ば鼻を請太刀聲は笠の下三上雲に口吟が行のよ鳴る菴鶴軒り花心哥でやめたる狸狩門閉て宗旨をさばく拂子破つれ〓〓で樗を一目見たりけり後朝は鶉の水を櫛にかる長瓢乾もやらぬに物書て船守の凍えてかよふ松戶川一昏は鬼門の鐘で仕廻けり五畿內を見てさらぬ移香酒をかけしや石の陽炎七ツの年の古〓はいさ金からうしに梁の艸とるむかしの影を山の井の尼日傾きぬもめんふり袖疵もつかずに歸參した犬重か半かに朽し斧の柄三十六上吟よ鳴り執潮眞獅洲令眞叟令角潮洲叟獅潮令筆獅角令叟潮洲眞叟潮眞洲角令眞山科の吉左右の戀を待也菊を伽ちる花は濡身に付ん雫せよとす月も筏に淀む瀑榧翡脂の香を好猩々はなし和いつ春之下にうつる草案泉式部が孫を翠の屎のかゝる我影捨傘は藥持と り比夕昏の蚊幅にのりたる伊駒山片道は石灰の降春 の寳引も百万遍と飛鳥川爪紅も墨の尖にのこるらしさ月待御壺觸たる里の月蛸塚にたれはじかみを植つらん山陰のくされ屏風や雪の宿水ちんばにたてる公家の大小龜を封ずる初花腹見て歸る婆の聲もきほひも鷸に成比うぢかはとしてつゐに鑿研鳥さはぐ子供等が關比良嶺雪暮江寒の行雨池末柴刈か猿に小蓑をもどされて冴行や月に呑るゝ哥机たれ鞘走る谷のあら物すごの木の葉にも針一七七脇差あかしもすまも外ならぬかは石山やにほのうみてる月かげは一七六序沾朝東キ新白其新白序執角眞獅令筆角眞洲獅令叟角洲叟獅眞角潮令洲叟潮角眞獅
大字書キ病後の腰をためしけり埋火の額の跡とおぼしくて道すがら梵論に向ふて蠻虫三日の月此出をつゞけ十五日ひく〓〓と鷄の梁曲るらん空の香や頭巾にしめる昏の橋たが花と笑ふてやまも八軒屋軒の鰯をぬすむいざ慰まん訥にむね打稽古の中は西瓜ねて居ルしらずや爰は連哥看板提灯の威は玄猪也けり初汗かいて長閑さをしる勢夕陽人影與橋長多三上吟酒盛此石に江戶を見せばや春の風細脚に灸ぬ所を月と花狗の日に來る小白かはゆきかんな序も物くふやうにいかばこそ水無月は口も吸べき靑簀垣摩耶近し親の日とても參られず綿嚙のやゝにつもれば指に卷轉寢に國をとはるゝ〓見寺金持た心がま空椿の杖にあたら土圭の慾は刻をよむらん己が虫齒につらきいり酒うす彩色に夜をかねし心は手拭鐵砲を三玉へも四十年上篠吟其をに味朶撰待ふ白序沾朝東其新執沾朝東令角朝洲獅令洲叟潮角眞筆叟叟洲獅角潮令叟眞角潮令眞洲叟潮點滴の筋目なればや二人扶持山鳥は犬追物にはづれけり目の鹽に山椒味噌の夕時雨濱木綿にすべて三里は磨砂神主の母はかならず法の月拍子木に力が入てかしは散ト、先吸物と帽子をうつむく一〓に文つかみ込たもと口晝間かよふをしらぬ高保千間の茶におつる此瀧こむらかへりに何をぬかづく太夫に逢て華〓宮問フ段〓〓追に蔦むこくしたみし火の酒の跡小僧が髪を一日の石の一七八龍人心泣ふとしく建ん御材寄の月酌子栗それものこらぬ人心銀を座頭か齊の風下は田哥のころぶ時もあり淺香のかつみ水鍋に入空腹のはし折おろす戀の門古筆に疵の娘かたつく百里ゆく春は蠟燭鰹ぶし北頭にはそけふの光明物やるも馬工郞が手の其花に筑波の月の赤土新藁に粒納豆をひろふ也延喜の御衣はわれ〓〓が秋一袋京都の楊子くろむ迄天狗のあたり蟬の遠近一七九面目に 入獅角叟令潮獅洲角潮令眞叟獅眞叟獅潮角洲眞令獅叟洲角潮洲獅眞令
三の山いしたか珠數をそろ盤に水口籠惠のよはる菖のはちる柳繼母所しどけなき懸目安にて月が照ル〓〓眩暈に心つくしの日の盛唐土へ連雀を師走の市のみやげ物蜑ならば忍の浦とうたはれん此悠に鍜冶の鉢卷ばかり也鶯のあとに十念さづかりていひかけに逢顏のけうときとにかくこぢて部屋の讃談狼ゆへに密夫も齒にあてなをす小田原の水破魔矢に指た草履三足三むく山の發煩上吟來ず夕霜や堅田にかよふあぶら筒虎の夫婦か家しらぬ猫晩風帶月落東湖鴻雁幾行更不孤余花にさへ松は六位のみどり也子心をすかすも曾我の紋盡上下で菫壺の鼠あつかはん朝まだき朔日からの恪氣地切紙で羽織をせがむかけ踊池をまかする殿置の亭新鈴買ていまや催馬樂一むら雨を休むやね葺どの小學も前うどんの釜に大黑の汗三上髮吟の陰序沾執獅角令叟洲眞潮令叟眞角潮令洲獅令洲筆洲令叟角眞潮獅眞洲干ぬうちは畫絹の雙を打違行尊の鬢ばさけたる茅の色小盜を扇でしばるけふの月西南かはかぬチヤンの夕ばえにつゞけとや枯木にさはる帆の光灯心はたかり草の腰を折風辻人形の耳はあらまし石蕗の葉けぶる松明の落引やばせにかへる船は今の手ワに一人一津吐きつしくに居ルも花の車僧ほち〓〓と柄杓の水の疊迄尤づけて世をわたる春夜るは休むか蟻の東西花にせん此棒組も下戶ならば媒が成さうな物鞠二ツ卷縮緬の手ざはりに桶を見て飛彈をうらやむ心哉治れる代にはいたゞく足のうら遺愛寺に瓶をすえ置筆酒月すめば肩にのる子を聲で漕蜀黍の裂目に色を染出して定家かつらは野囃子に有女藏人かも迯てねるほどねても典藥頭景天草の糸のはりあひ農人どもが願ふ喰こぼすのみ馬は年よる銀杏を待風さは囮入ぐ一八〇雁月雨也其新白序沾朝東執朝東其新白叟潮角眞獅令洲叟潮筆眞洲潮叟眞獅角洲叟令潮角獅叟潮角眞獅
思羽の紺靑さむし御前池鵙の尾やいつふり切て霜構へ摺鉢を四の皷の寒さかな机出せさらに三餘の雪の富士暮寒し刄鐵吹出す市の聲飯臺や五器も汚さず納豆汁かねの聲無常頭に落葉哉連摩忌やかりほの上の包ミ金ちるもみぢ掃ぬ心や憎も鹿埋火や氷室になるゝ爪の數うづみ火やいつ燃しさる檜箸懷舊詞引ちよツちよとぬぐふ衣の染物鵑人をはつたる賽の筒罪なき配所精進の時野の宮は獨按摩をうちつけに御消息にも見ゆる不機嫌廣敷にいつ迄草の木工左衞門蚓の智惠はぬれ道へ行大かたは末に成たるところてん目出たい寺の傘につゆ忍ぶ夜の先肩かいて花火見ん妾の疣は月をめいわく丸蕪の出シによいとは今ぞ知ル三室くづれて入札に成むら鳥のいつくふれ行廳雲居に休む棟上の人遊海晏寺けたりなつのし水のひくむすびともか三三上上吟吟仙白〓領江山專闇周辨行鶴櫻峰齊蟇蜂仰指東外露潮獅眞叟洲角獅令眞洲叟潮角獅令松笠のひとり立たりうす氷凩やさし木なりしも森の聲舊庵にしらぬ儈あり初しぐれ湯豆腐や粟津の雪のまくり切水仙に兎うかゞふ霜夜哉酒買に陸にあがれば玄猪哉さゞん花の蜂や其麒も老にけり瞬の晝をば何と神無月冬枯やなに波の芦も曲りなりから鮭のはたへ也けり鉢敲澤〓の鋏ミも赤し今朝の霜しぐるゝや笘より覗く灯籠堂川越に談議聞ゐる枯野哉關寺にたが寐起なるつばの花泥龜のふらぬ目をみる落葉哉上刻滿尾。右七局晝夜從ニ未之上刻至五之小春に似たる春は正しきころぶ繪を起す所か花の雪本尊のために紙子風呂數凉しさは光るなげしに瀧の音天晴鷹といふ鳥も鳥盃もはいたる沓を馬上より紫苑にかざる少年の女衣蕣の軸もつた我をふれもせず月待波のまなはしを刻詩工リは虹をつかんて爰にねん万石とりの門は笙の音人參に旅の裝束なされける一八二一八三高日尼全曉百紫景魚心我口琴楓沾梅雪執阿松里紅帝千水常壽遊風子德女花筆令眞洲潮角令獅眞叟洲角
椋ちるや城の稻荷の小豆飯山水に後れて得たり枯茸白波の疊むに遲し初木葉曲り來る空や小春の旅日和筆頭にはぬる木葉や三上山蟬丸と凩對の隣あり初霜や油をしごくむら雀立舞や里へ鶏のはねつるべみそ萩の種はこぼれて枯野哉梟や曉起の炭ふくべ新發意の後の父母也歸花七尺やかたへしぐるゝ金柱蓑虫の下に何着て時雨哉そのゝちや雪三尺は茶一服象潟や龍の尾わかる村霽禪堂を覗く音せぬ落葉哉次郞兵衞は何あきなひを夷講松風に自己のはだへを火燵哉その人はもし渡唐もや初霽凩に南がしらやうかぬ顏さばしるや一枚障子冬牡丹孀なる蜑もあるらんさよ〓しみ〓〓と子は肌へつくみぞれ哉故翁きさがたに遠遊の年あり。渤び侍り、袖に香華をとりて石の苔をあらひ、塔婆をたて、短かたり侍るとて、海のはてしなきおもひを、晋子にかれ尾花のあらましは門人をしの三三上上吟甫露秋紫其千橫是回月橘由雷素懷太靑凍友桃昌秋栢盛柏航藁雫琳几橘川圃叟之川海山岱峨雲雅隣川色十十月や紅葉をしはる鳥の音あけ火燵よこ折ふすやさよの山水仙の若葉の夢や宇佐美筈しこる碁や何れ置手の霜柱畫心のしはめるさまや比巴の花しら露もこぼさぬ萩のうねり哉。霜も雪もけさの茶にしれ水車一休の魂の事かおち葉舟冬借の五斗俵出たりませの菊橋守よ松はかれたか雪ぐもり凩よ吹のこされて檜笠口眞似の〓也ける枯野哉水仙や氷る拳を庵まで飯鐘にうつろひやすし比叡の霜投た猫訴訟顏なる衾哉蕪粥をさます堅田のあらし哉身は樂に時雨て通る野馬哉きら〓〓と比良は月夜の時雨哉北殿や落葉がうへを島づたひつがもなき所へさすや冬日影海越に田地をぬらすしぐれ哉埋火も心もとなく待夜哉炭釜や峯にとだえし雪の僧鳥の尿まだかたまらぬ落葉哉落葉見ん人もほつ〓〓切通風やしらりと星の目を出すた、見ぬ世の友におもひなしててたうびける、七とせ先のいき顏とからびたる有ましを、ゑさんし折腰一八五一八四擊一酉適專我予龜鉤素皆里向入立棧微潘野里香石竹涓後水雀花三吟助象毛月林可扇漁松朝香房川徑東山泉船泉凋
〓穢哉。聰之床。法之外也。戻境中人。生於斯。如戸陀林。入垢穢現〓浄之道耶。境外人。每爲物所轉。固其所也。芭蕉翁曾以扈言鳴。老於斯。ヨ濃蛾親粧。在昔歐陽公煉文字。如泥之珠。ル〓ヲセ懷舊七安得·穢穢土之側,以助雅興哉。病死於斯。如革囊血。而不能自立焉。如砂之金入垢穢地。且夫人世滿前種種幻相。後序及晩薙染爲僧。則舍之將安住乎。戯說三上功夫。ッ雖曰靑山白水。ル〓ヲ夏見紅衣則覺ン而現〓淨相。芒鞋竹杖。揭〓上爲其一。顧文章者。要在千得〓浄心以入遊〓三昧而己。孰非垢穢。金壁如尾衣帶如械。究竟亦蟻蛭蹄淡耳。然其與道上、枕上並稱。ル熱率以羇旅爲宅。不必厭垢穢地。冬見碧衣則覺寒。然則娑婆界中。鼎立爲三奇者。呼吸宇宙〓氣。盖其心悅嚮所謂境外人而慕不必著〓淨。流注〓倒宦門如阿鼻城。魚市肉山。是一大圓上也。復何區區問三上之全墮而雪橋之馬。豈非吾所謂卓然常遊干諸五里霧中吾人風常灯の待乳山からしぐれ哉草も木もにらみ付たり冬の月待人の陽やあつめて冬牡丹けふばかり至樂をよむも時雨哉松の鷺氷のうへをうらみ哉三上斯言。此道者。範功夫。靑於藍焉者也。盖能得翁之心。以冕其首。則亦拊掌稱善哉乎否者一日與旅客會。苟不知其心。翁沒七年干玆矣。晋子帶妻兒。而不踐翁之跡者。而同其跡。如 厠煉句。莞鹽米。庚辰冬十月十二日。徒以〓爲腹稿一術。譚餘及」。。是又非世俗境中人也。使」啖啖」肉。當時以爲値其忌辰。每住來軟紅街中。則其不與李赤遺臭者幾希矣。一場閑話。乃集同社六人。否豈則能窺其玄。未知其味。其作新奇壯麗。ハホトンド作懐舊七吟。以論 國上之妙東都晋子。不以先師枯澹爲不知使紫始神聞回論先師〓上出干其門而哉。噫學三上吟每玉千指虎陽調答閑馬杜若ありや研屋の冬がまへ初霜時雨それも昔や坐興庵燒味噌は鳥の空音の霜夜哉凩や雪や鱠に盛て二子山榮螺吹込板ひさし一八六龜毛居士戲書干柳浪舍一八七嵐檀東大艽雪泉顰町月
類柑子其角遺稿
類が風情、櫻を感じ玉ふて、をのせて及第したり。亦一片の雲といふ畫の題に其心を得て、けざる風情を、いにしへの奇術なりとかや傳えたるに、み、下し給はりぬ。なく叡慮に聞えたてまつりしことありて、たるどちはかしらつどへて當時の宗匠とし、おぼつかなくうす墨を引はえて、睡醒現夢の精神をこらして工夫せしかば、探幽が能筆その世に聞えければ、あまねく都鄙にうつしもてはやし侍りければ、門人等此事をむべことぶける賀會の時、いかに筆にはこらし侍るべきや、新成櫻花の題を献らしめたりし例も、やがて院中にみそはし奉る。或時女院の御所へめし、我國人の名折なればと思合するに、さすがに一躰を得たりと御感のあまりに、とものみやつこいとまあれやといひふらしほのめかしける。其妙をのづから筆頭にあらはれて、彼の野渡無人舟自橫。ときこえし無聲の詩は、堂上の若公家、此曙の時にあへる手ぎはを、曙の氣色を書て奉らしめよとあり。家の面目を法印にとゞめたりし。金殿のうへに白雪をたなびかせたりけんためし、北面の武士、もとより丹靑の彩リをからず後冷泉院天喜四年閏三月に、かの明ぼのゝ御かけものをいかにも書まさりせんとのつらなる雜掌までも、いつとすい其比花の本貞室畫工のむなしき船に鷺さればおもひが亦ためしなきことにこそ。落滿無花風未開花山王維畫山水之賦、庄花花太明ぼのゝゑいりよかしこ蠣あ高此音はひひ類さき羽脛かまむ雨貝にてかいをむき侍るを山中閑寂人跡稀ナリ。含秀亭花中吟柑り樹木ぬ遠人无かきにのの文貝はら時集や花駒錣むかし烏和漢其例をひとしくおもひなさるゝにや。雲目、音の我蟻十はに見亦曰、あもに畫ぬると日きの丈山尺樹、五はをもは曇れ劒人手句見かのにてうれや前寸馬豆人とあるを雨中の花、えらくやく山し家花をぬさ霞花しざ春水びかのの櫻の櫻くの鏡ぬな豆蔕塚時買ら山落滿無花風未開花花花山庄柑太はひひ蠣あ類子柑あ文文集集けぼの上と日きのは劒見うにれ前く山えら花をしざぬさ水び櫻の櫻く鏡ぬ塚時買らこゝに曙の言葉をつゞり侍る。冠貞里室三晋一九〇一九嘯子
故翁のおくのほそ道、擧白集こはじめて吾妻にいきける道の記。*ば、尾花澤にて〓風を尋ぬ。ぬべし。五日、るじの男にやあらん。長途のいたはりさま〓〓もてなし侍る。小田原といふ所の宿に泊る。凉類しどけなき事うち語りて、し柑文さを見侍るにけふはめでたきせちにい。集かれは富るものから志いやしからず。我に宿明れば玉だれの小瓶に酒すこし入て、今しばしねまり申べいを、してね一盃けしめされぃへかしと、まる都にも折々通ひてさすがに旅の情をもしりたれ也それがしが旦那のえらまからんとて立ぬる。あいたちなくいふも顏まほられ粽めくもの御前にとてさしいづ。あ翁一九三か明か蛸早あ汐あ早あ汐あ浮あ芦子鐵藤へたなりや稻らごつ舟なの無安槌潟類の海み海島曲浦長汀の吟の右手左手の興を得て寒穗貝にや柑香し山すしや膓二わ鹽文やや集や佐吹ゞ隱蟹見れ瀨鶴公か浦家か分渡しをつぎあげのに入に脛かきいや子うらよぬ道よけ中そとら贏すれげひを螺るはこてへしあたてのてタずか霜產はふ くりふ海にの湯からみ水そ天凉ゞのかのかさ浮あ芦石た壺五月十日雷雨ス。つ此さかひはひわたるほどゝいへばよぶやりはり神か角鳴永代島の小家にやどりて、ふなはりき夢れ分よをて鮓須磨明石夏晴間を待に、のの蓋月明石のとちからくさまりきぬ道よけ中そとれはこてげひへをあたてタずりふ海て霜かね夏りにの折もせんかにまるのそ天凉ゞの月海川しみ甲栗な哉貝都にも折々通ひてさすがに旅の情をもしりたれ也翁晋翁一ノハニ子
同記に、道の記の一躰。是こそよき力艸成べけれ。同記に、これらも力艸よりほりあてたる也。葉しふは朱雀の柳とあり。そのころ今の吉原はなくて彼記にももれたり。れがふるまひにつけて、か。ばかり知て侍りしを、其力艸也、匡房のぬし、山淺草のくはんをんとて、土いかなれや野べにかりかふあさくさのくはんをむまのはみのこしつるたひ堤路類民語漸くかはるなどいへるにつけて、らの深う思ひとるべき事也。來文柑はこね山薄紫のつぼすみれとよまれしは、こ馬て集箱根山にて、すべてこゝもとにある皆かの色なるはおかし。何は飛こえの柳といふなる所から、く は下略や西國ゆすりてもてなす佛おはす。ら亦のん をゆ禿に無か朝づまわたり江口など、習下しすみれ艸とみに東國のだみたる詞を一句にして、に菜摘哉ひあみ笠かりて傳ひゆけば、けり口にまかせて、二入みしほといはんれう也と晋よせたる古きすさみどもよそならず。晋昔の人はかう萬にいたらぬくまなかりし一九四子子風流を發されたるリ萬灯河野松波老人茶、道也かの鉢たゝき所望して見んと、此瓠にいけられたり。なく後をおびやかしたるしめり、撥面のうるほへる風情をいはゞ、のあしらひいと興あり。雨の扉に修竹わかやかに茂りて、類宗對州公柑瓜文花よりもれ蔓より露をむすべるに、一物三用の器をもてあそべり。の床のうちに無絃の琵琶を居て、集ー芭蕉翁、花戶難瀨の瀧に尾を曳けん龜のけしきしたり。やるかたなし。老をやしなふあらまし成に、高山何がし、主の凉を味はふる心にくさをうかゞひ居たるに、즈則言水等これかれ訪らひ侍りけるに、ふるき長瓢のわれたるに、水はたあふれて扇を忘る。長嘯翁のめで玉へる記あり。水聲玉ちるばかり此一花に夏を流折から風爐の蟹眼にわきたつ程也とて、花零より雫發々と落て、廬岳の雨を聞心地したり。一五もとよりして風月の窓時鳥まだ聞はえする比、瓜の花をもて誰と半日南樓月下に寒き衣をうつとよせて、るに、その夜をきぬた月とこそ。紙雛のうす野分の卷、き姿ひなのとのは、に砧十三夜紙心とめふみみし人のなき玉やあもへばあかぬしみと成けん魚と成 それが灯籠の置字哉のー花とみに東國のだみたる詞を一句にして、いかゞおはすらんととひ玉へば、月同冠一九四里子風流を發されたるリ人々笑ひてとあ
今は郭公すがりてあるに、して、づゝのぞまれ侍り。此花瓜老人の茗話忘れがたし。瓜岩瓜見タ瓜類の飛守ぬベ花の糺の靈泉にひたりて下鳥羽桂川にあそべる時はじめてめされたる御かたにて幻住奄にこもれるころ柑皮ややかににや花これらの風興今は二昔になん。文も絃かた誰味集水雫朝を久しう取出ぬふくべのけしからずもりて、つのもなあ月よくさし入、から御にい蜘さやの園もしか手う藥のつまたなつになた瓜かる時鳥まぢかう飛ちがふほどの窓ならば、る流るえのずて琵忘れ瓜し汗ふかん瓜瓜巴持れけ一よののりつり花參上艸閑席を犯すまゝに花はいけたりとて、晋堤晋秋翁晋言翁一九六花をせぬを本意とす也。水子亭子色子一句と成たまひ、西行法師、重貞、て、せる長月のあかつきの夢に、はしけるが、すがならし。ひけり。十首和歌奉納、此神詠に恐れ奉りて、かの山家集、しる人にわかれしよりは松かぜもはらはずなりぬ庭の月影よの中のわづらはしきに心とゞめず。類其比、此比、みやこの亂をさけて、柑西行のたびのやとり、奉幣のこと葉をそへ給へるもの也けり。ふと陸奥に下り玉ひぬと聞え侍りしが、文せんす抄に委し。集住吉の御神枕上にたゝせたひて、とく墨吉に諧て、住吉のほとりに御休所をとゞめ、それにはもれて泪の雫と名付たる定家卿の筆事有。長門國とよら明神の社司、明靜居士に法樂の和歌をすゝめ申けるに、折にあひたる名高き人々をよそになして、行衞しられざりしを、是末の代に連誹ともに夢想開の會を興行せらるゝの須磨、加田の重貞といへるものに、明石の月に寢覺およぼし給ひけんよ重貞、一九七おぼつかなく思ひくら西行の心ざしにかはりあはれまれお六十の末に明靜居士筑紫のかた修行し玉るべかりしを、西瓜は蠻國の種にして、牧順禮方女房達のきらはせらるゝかたもあるにや、はや瓜につくなり瓜中華に賞翫うすかりしかど、といふ聲玉一卅年來のはやりものにして、く夜題には出され侍らず。しぶげし推大今は和歌所へも、車町瓜岩瓜見タゆめひらき蜘さ手う藥つになた瓜か流るえのず忘瓜巴れ瓜し汗ふかん瓜持れのけ一よのりつり花參上艸晋堤晋秋翁晋言翁水子子亭子色めしあげら
類柑文集一九八例とにや。北の窓召わが栖ム北隣に、芦荻しげくおひて、笹阿めなる地あり。茅場町といふ名にふれて、昔は海邊なりしを、今は榮行家作りして、山王權現の御旅所とさだめ、藥師ぼとけたち玉ふに、堂のかみばかり、たゞほのかに繪にかけると見ゆ。空地は水をためて池めかし、深草行人しなければ、蓼の花穗に立のび、なもみ、箒木色づきわたる雨風につけても、虫の聲聞まさり、大かたの空もうつゝなるに、待にかならず出る月哉と、ことはりし窓ふたかたに明めり。北にうたゝ寢して炎夏わづらはしからず。竹の簀子に這出て、螢をかぞふるもはしたなし。娘の四ツばかりなるあぶなく、ふとはしりてとらんとす。あやまちすべし。さはをりぬものよ。手とりてなど母ぞすかすめり。南の隅なる所に、灯の袋をかゝげて鵜舟と名づく。石灯籠蚊屋にきえ行うぶね哉是子垣根ゆひ廻したる古菰に、夕顏の花より見しが瓠にて、南風ふけば北になびき、西風吹ば東にとひとりごちつぶやきけん、男あらまほし。朝々の勤行すみやかに聞えて、鰐口打たゝく秋の聲目ざましき折から、鍬負、拐かつぎたる男等、四五人入來りて草刈つかねたり。隣づからのうつろひ、前栽かまへんとて溝堀はらふにや。例の八尾花、鷄頭、菊。所月十五夜には罌粟のたねまくわざなん。冬菜の畑うちならすにやあらんと見れば、女郎花、せくまであるも堀捨たる。無下に風景を殺せり。家藏造るかとおもへばさも均さず。あたらしき杭、古くゐぜどもとり〓〓まぜて、網代打たるやうにものしけり。夕霧のたえまおもしろく、秋のけはひをかへてあらはれわたるなどいふ。あじろへと契りし人のまだこぬはいづくによりて日をくらすらん道因法師日をくらしつゝ明れば、れいの男等、機車みつ輸もて來りて、くゐぜのかたはらにしつらひけり。文七といふ者もとゆいこく所に成ぬる也。やうかはりて虫のねもたえ、小艸の花ものこらねば、あら〓〓しき野分の行衞雨はれて、邵生が瓜、諸葛が菜畠をむなしくすといへども、是その主のはからひなりければ、北殿にしはふくを鼻ひる迄にいひそしぬ。元結こく音、ひるは日ぐらしに聞まじへて、又ことさらの心地したり。山姥の廻り來ぬ所にこと、五百機たつるにあらで、くる〓〓と卷とりたる車のたえまには、百舌の尾ふりの聲、したり顏なる虻、蜂などの羽音にもかよひてけしからず。さらに松風の吹たゆめるしおりもあり。唐人鳳巾の雲に吼て、春色をもよほすひゞきも有。おのこらの形勢は農夫にことならず。破れめなる笠蓮にかたぶけ、袖なき物きつゝ、わらんづはいて、淀の河瀨の舟引あゆみしたり。夜々はやすめて來ず。雨の日も來す。むなしき車のみあるぞ、與惣右が門に、たれを待やらとうたひ出らる。時鳥まつやらよどの水ぐるま宗因一日に十里の行かひはたやすかるべし。機たつる道いつしかほの白く、鵲の三筋わたせるやうにて、朝日にも猶類柑文集一九九宗因鵲の三筋わたせるやうにて、一九九朝日にも猶
消やらず。足心をいたむといへども、記の境談、ゝなはりて、といへる物、車とも、るを歎かずして、〓〓にこきさらす。籠耳ならず咄あへば、ひとりをのれをはゞからずかたこと多し。花橘のかほらざりせばといひけん、類鞠ばかりの大さしたるを、さる風情には成ぬるなり。柑夕べをのぞむ事、げに笹蟹のたくみにして、文集心の苦しまざる所をうらやまれたり。つとめて樂しむ場をもしれるにや。猶人生のはかなきに、車にめぐる男ども、千筋八重〓〓に引はえて、雪にも降は、ゆきゝいくたびといふ數をしられず。淨瑠璃、せめて東に流れ去とずんじぬ。さて、說經の所々を覺えて語るもあり。しばしも立休らふ事なく、思ふ事なく世を忘れたらんものゝふるまひ也。上つがたの事いざしらねば、小笹の色にかこちぬべし。ひと夜寐ずとて夜もすがら露にうたせて、車の前に光陰のうつりかは000其數三あるをや。辻讀の平家、田家、夕湯に脊を晒し、もとひこく雫のた山林、法の朝玉太平海邊砂石に顏なるに、河東に楓子石原河南に曉松本所すめり。曉松は野亭ゆかしくかまへて、を盡さずをのがまかせに咲みだれて、ぢめなし秋の情とこしなへに、八と二人が手ひかれたりし醉ほの見ゆ。萩の品そこ〓〓に輪とりして匂ひをこぼさず。なす。犬猫のしがらみかけて、ねたり萩込あはそ誰志シ畫にあり。月露の袂を前栽にさらして、こゝ宮城野とさかえたり。びの內露もたはゝに、專吟、儀詩酒、此西にあれば鼎のごとく交はれり。猶ぞ露霜のうつろふ色に心を盡して、等閑の風情、萩盃のかはく時なし。本あらの里外ならず。に一口茄子、鹿池に敗荷を憐れみ、わきも子が袖の妻ずり、かたしき寢たる花妻にこそ、つまみ菜のまふけごとしたり。をの〓〓萩をうつして紫白けあやなき夜半に灯火をもて橋に睡鷺をやすんじたりうらみ長治、桃楓子は手正月つごもり雨ふる。二月つごもり雨ふる。春山雨吹やひもゝに病後の節うなづけともてなしたり。西北にならべる塗垂の間に一株の柳あり。凡五とせにして、蝸大元文絃結七牛はのに豆さぬふからるま間とするもはなばと庭時につけつゝ、かかひなのりにしか柳落虫た つかるの八九間そらに雨ふる枝をたれたるに雪折もなし。ぶりな雁聲同角類柑文集あひじるまそ柳きび物のに糸はの枯朶つみ↓か哉じな同同同角二〇一こ
庵主、此文章にめでゝ、玄白、妙丹ともに似合しき戒名なり。わが父母に名つけてといへりし顏氣時にあへり。也けり。を、てづから洗濁ものして柏木にうちかけ、畠の玄白をきりつくし、園の妙丹の霜に色づくを待も世をそむけたる亭坊にこそ。また、鈴獨鈷のひゞき、虫のねにふり添たるも、侘人のこつてう專吟は閑庭の笹垣、野分のまゝに無掃なるもゆかし。ほさで、みやこの人に見ぜばやと聞えし小萩にしぼる衣手里也。小島のすさみにかゝせ玉へるは、もとあらは、春刈のこしたる去年の古枝に咲たるにはあらず。本あらの櫻も此東北、日光海道は、やせたる菊ばかり所々に、垣根まばらなる畠のへり咲みだれて、これより宮城野までのすさ坊官、長刀持せらる。御道の行列に對してはあまり見苦しき人足ども、仕丁にまじはり、馬峯リけあげ走りめぐ子は乘かけにめされたる六人、左右の御副侍かぞへも盡さず。次に上童子四人、馬上に曲錄したり。後師四人のるぞうたて、なまめきたてるはなきゝやう、りんとうなどあらば、鞍のうへにまいらせたくや。みもなきに、年に四たびの御行輿を拜み奉ること、つたなき詞にははゞかりあり。前駈びゞしく笠持二人、中童萩獅子伶の胸分にすな庭能因花にさは野越の萩の萩もがな菩薩にて見し上わらは亂出し袖にたれかこぼれて萩眞原百里野の萩よりうれし榧のう人十へ白露もこぼさぬ萩のはぎが花立よる袖や大名箱戶樋や千枝にわかるゝ萩の花波耆萩に白萩や水涌あがるい萩深しとうふとよぶは卒都の濱秋萩のこれに鳴らんけ薄類柑文集類柑文集そ自を來河東の萩遊びのちんふ畫襷ほ萩泣せるや水てす筑麻讃びのどて分く車見ばにのばや這子人ややうねり哉おやかざしれほ萩あ茶廾萩のらいぼの五びら碗ろの玉本松井こ廾はぎ馬書染供欅に笛莽大宣秋翁日寒志琴秋專楓曉晋晋竹辨二〇〇二〇三意外町藤航壽玉賀風色吟子松子子
狐、尾ざしまでも、〓夜の吟をあつむるに秋興八アリ。たり。風〓〓に名乘出る心地して獨笑す。ベへちつて、軒端を飛こえ、萩浦のかなしみをそふるなかだち也。舟のほう〓〓と押來る聲、憎かりし蚊さへ老ぬるよ、滋蝙酒人中水名類樂蝠か音の汲月かうろぎの聲ひとり悄然たり。かゝはゆく心ゑまれて、柑城間いのやや文や飯を盜む猫、のににあ御月集火柱行ねか見堂納屋の魚よぶ曉までに紅閨の私語、洞をかぬつとのさす力なきに、戶棚を明て、金銀の氣をむさぼるにたえて、に雨子きねあ皷麋鹿の友を愛せるに聊かはらず。あ夜幾起深夜をなぐさむる數々かぞへもつくされず。ぢらのか人やかたがひに目と目を見合たるに、たば鴈す小すね蚤こそばゆく、る霜ひ伏夜まて一ぎの時と見ふきぬ蓋をとつて光をませば、くつく〓〓とまたゝきしうちまもれば、聲雨つ艸た觸白屋のひとりねに對して、鼠のよめりごとおどろ〓〓しう人に似雪踏引犬、晋二〇砧ありつる化物ども四方入來れば力なくかへるかりがね、子楓橋のおもひをの千鳥、油ねぶる松也。んでねんじいたる時、刈田にならぶ賤が庵の、がらかに氣を伸しむ。にうつろへば、上の塵、と名付てもてなしたり。おかし。みてまだら也。是かならず貧閑幽居の大器にして、枕の垢つけるかたはらにまじへて亂したれば、破魔弓の矢筒ところはげたるを火吹とし、玄黄自然なりければ我馬とよぶ。むすび熨斗などのさきにて、蓋うちかぶせたるものにこそ、一星の烟をはこぶ穴目より、水かへつて火にそふうつはものぞかし。膝を容るにやすげなるを、身にしたがへる物也。さばけたるやうに、水籠に藤の手さしたる炭とり世にもあれど、畫けるまゝの名を松鶴とよぶ。北斗をさそふ影をもらして、科頭箕踞長松下、三行の窓もるひかりいとあかうもあらず。夜いたく更ぬるにつけてものすごきに、かれに肩おちせぬ物三あり。まろびかへりたる形は、洞口の虹の山の端にちりたる心地して、とうちうめかる。閨中の銀河とこしなへに明らかこれかれ取揃へぬ具とも、彼落たる鐘に似たるもそのかたちひとり書をよ黑樂のかけたる茶じ百鬼夜行のそれとりあへず日高川遠う流るゝやう衾眼裏ほ萩萩む馬滋蝙酒人中水名類樂蝠か音の汲月くのら工類柑ふ賤萩郎てかは文に集尾ら女一いなつかの灯花辨む字芦當す引あ皷あ夜幾起ぢらのか人やかたば鴈す小すねる毛ぬにびひはやの誰るはいがさねぎもみかのと ひ道哉な霜ひ伏夜まて一ぎの時と見ふきぬく聲雨つ艸た觸晋入常昌角二〇四吁松役貢二〇子
り0しと、夜もすがらおもふことのうつゝは、安慰して此油煙にふすぼりかへる顏色、形影罔兩のあらそひに咽をかはかし、子子類柑等文に集は猫夢になりて、もか水瓶をたづねて、まはず夜さながら松陰にうづくまるひじりの影に似たり。さめて盜汗をさますには金爐、寒碩鼠の腹ふくれたる事をつゞりぬ。哉滿堂のたきものものぞみたえた二〇六心も心戒に似よかれよとたはぶれ侍り。るも、文月十三日、經よんで、生前の蝸名蠅利なり。屎慾をおほはんとて、凡人間のあだなることを觀ずれば、ろに心頭にかゝれば、高き人々の新盆にあへるとおもふより、る面〓〓其名暗からず、人間生路のいとなみ、のあるべきや、それとだに見えねば、た類上行寺の墓にまふでゝかへるさに、ら家々をありくは何事やらんとあやし。柑ち文と、花水とりてとおもへど、ね彼傀儡にうたひけん。集に冠を正し、一朝一夕を貪る事ことはり也。地獄にても馳走せらるべしとこそ。心にこめたる事を手向草になして、借錢太刀はき、子葉、我々が腹の中に屎と慾との外の物なし。乞は墓所參詣をゆるさず。公卿、春帆、な上~下を着て馬にめす。いさらごの坂をくだり、竹平等が俤、大夫、是かのなき玉のために奏者、かりけりいきてなき人何のこたへかあるべき。士庶人、亡魂、土民、聖靈、草の丈ケおひかくして、まのあたり來りむかへるやうに覺えて、法衣、法服の其品まち〓〓也といへども百姓、泉岳寺の門をさしのぞかれたるに、五輪五躰は人の體、ゆゝしき修羅道のくるしみを、工商、二〇七取次とおもへば、乃至三界萬靈等、墓をならぶそれに一口の棚この何にへだて忘かず〓〓ならびたそゞ名頭爐口口寢二雪念巾切切所の灯に開其かくれもなし。貴賓をまねかるゝ御約束、まややにへ膳の見ではのよ堺引訴紙ふ汝かそす韓退之いまだ此鳴をきかず。のく さをま訟れあび庭のをつよてた〓三年の鳴りとかや。ひぞ心のばきにぶ行らだなや下しはやにつまは挾み金雪や天線はか其鳴り世上にのの郭けの蘿しりはり事蔔き梅炭公ら松のく さ塵〓けのり事其晋晋翁檀其其景二〇七二〇六幄子子泉裔尾帝
類柑文集二三八かへらずにかのなき玉のタベかな晋子徹書記が生キてかへりしよりも、死をいさぎよくせし兵、ふるさとに思ひのこと事露なかるべし。亡父東順、七十二の影をうつして讃を乞待りしに、其像露たがはざるを、繪に書つ木にきざみたる佛見よをのがすがたにいづれかはれる慶運法師、骸骨のゑのさんに、生死をはなれんとおもふ心は何者ぞ。たゞ心の源をかへり見るべし。もし明らむることを得ば、曠却の無明たちまちに消滅し、本來の面目すなはち現前せんとかいて、かへり見よをのが心は何ものぞ色を見聲を聞につけても予、此畫讃摸寫せんとおもふに、名工の心を盡せるものから筆に及ばずして、いさゝか案ずるに、童の時の遊戯をおもひ出られて、松の葉して人を作り、松の葉の弓、同じ鎗、長刀のそれぞと見ゆるをとりもたせて、左右にわけ、息をふきかけて爭はするに、人間の動靜、起臥をのづからにして勝負決然たり。これは無心の松葉ながら人の息してはたからすれば、有心有情のものと見るに、折ふし庭の松風吹落て、松のはの兵さん〓〓に打たふれて、忽に風前の塵となるを浦風也けり、高松の朝あらしとぞうたひ侍る。亦この比憎むといへる一字題を得て、彼歐陽公のことばを逐。蠅の子の兄に舜なきにくさ哉晋子もし明らむることを得ば、曠却の無明哉晋子父かたくなに母ひすかしとかや。兄に玉虫のひかりも哉、松虫、ものせられぬべしとたはぶれたり。寺前述懷馬老ぬ灯籠使の道しるベながらふる人冬の蠅と見しが、日ぐらしの夕べにあさましきたどり也。松虫、鈴虫の聲もあらましかば、百餘帖の虫づくしに同猿引由良八郞左衞門正春といへる人、歌連誹にほゝゑまるゝや。生涯の癖とし身にそふ病とし給ふに、世の人深くおもひしみて侍りけり。亡父東順、師としてむつまりしかりけり。寛文年中九十の賀せずして身まかり給ひぬとかや。氏性浮田家の外戚といへ傳へたり。住所はもとよりとゞろける藁屋にて、軒は藥うる家にむかへり。門は飽魚のいきれたるに、鼻をおほふあたりにして、下司女などもなく、手みづから炊ぎうちくらひて、いとけうかる交りなりしかど、朝市と雲山とをあらそはずして、心ざしの高きをしたふもの多かり。或時吉川維足、此師こゝにありと聞てとむらひ來り、わが身よるかたも定り侍らねば、常うとかりし事どもを悔て、全く弟の道を忘れ申すにはあらずとうやまひけるに、うちゑみながら、幸を得ルに人われ純熟あり。神佛すら衆生緣をもてすと恨みをのこし玉はず。今も歌は好れ侍るやと尋られ侍りしに、此ごろ世に張事のひひて、日本橋をわたりいに、猿類柑文集二〇九
見んや。となん申て過い也といへるに、曳の人にまとはれて、癡猿把月とこそたとへたり。かしこさのをのが心につながれてうきをましらのねをのみぞなくむつかしげなるを見侍りしに、正春にがめる顏にて、人は己れが愚につながれ侍るものぞとあさんかれしに、かしらいたや、賢き人のいかで世の中につながれてうきめ維足一言なく顏にto此當座は歌の了簡にも似ず、口惜き姿也。さしも風變の新古はわかれずや。誹諧はことさら一句一躰のものにこといひたらは歌なるべし。猿智慧、猿かしこしなどいふは俗言也とて、汗して耻入覺えたり。いかゞ御なをしをかうむらんといふに、意の馬、心の猿、ともにさはがしき事也。其句五、る。猿町の里はなれなる庚申塚に休みて、斷膓の吟、雪の中にこゝへたり。朝〓に三盃、暮に四盃とさだめしに、夜分は其數を破りて、心のまゝにくるへる猿あり。郊外に踊り、橋上をわた七元いろはをもか愚猿蝶欄木後むく猿物着せ元いがみつくやたけ心や厩百身母かなしとや見猿のためにまんじ ゆさけ類柑文集類柑文集飛干食日灯猿を猿日僧寒しといふ題にてたはぶれに夏冬をわかつのをのがこゝろにつながれてや寄代をややや猿もぬか階子仲間狙狙柳江夫狙酒屋をの湖あやま婦に曲也すねた踊せぬや我と山の猿はめびをけ中づく木葉哉らるた込つりにや岑師走か猿原た木む狙櫻哉屋ふ葉暑哉櫻哉敷猿猿哉膝猿花な面晋寸序朝百午竹一大冠翁正二一一二一〇楚令叟里寂意雀町里春子
類柑文集二一二腸を鹽にさけぶや雪の猿哀猿の聲さえたてぬ成けり。昔、四谷の宿次に獵人の市をたて、猪かのしゝ、羚羊、狐貉兎のたぐひをとりさがして、商へる中に猿を鹽漬にて、いくつも〓〓引上て、そのさま魚鳥あつかへるやう也。李德逢が申陽洞に入て都をかたむけ、猿どもを殺したる物語は、繪そらごとに見侍りし。かくあさましき形成べしとはしらざりけり。羊をもて牛にかへんとのことはりもさること。二一二歌の島並戀の丸ヨ觀世小縷よりして、いかにも文字をむすぶ盲人あり。もとより字形を手練して、日月、山川、雨風、艸木、たてよこの點畫たがふ事なく、竹は竹、鳥は鳥、馬は馬と見ゆる蒼額のむねをわきまへ、その物とさとししらせたる玉しゐは、目明らか成人の書畫の筆術にもまされり。そのかみ大師、高野の山を切ひらかせ給ひて、堂塔、院々を建給ふに、此道のたくみ等文字をしらず。印合すべきことはりもなしとて、いろはの四十八字を〓へ給ひしより、末代の人の助けにもなれり。予その六八の字員を案るに、八卦六合にわたりて、三才の形容此かな文字にもるゝことなし。盲人そのかたちをむすぶいへども、鴉鷺の黑白をたゞさず。梅花雪鶴のうらみあるをや。一 6 5寄附する所、口にいふを句なりとしらば、よまず書ずの神代をあふぎ奉るべき事なり。あなにえやとの詞は、いかにして歌なりとは〓へ給ひけん。我國風俗を習ひ得たらば、むすべる文字の心も、をのづからほどけぬべしといふよりして、誹番匠、いつを昔と名付たる編集、北村湖春にこと葉をそへさせ、句の首中を分て、付習はせ侍りしも、今は二昔の事也けり。近來の冠付は〓へかた、先褒美の盞よりも起りて、事、人の本心をくるはせ、放財ものにしたり。泯江はじめは觴をうかめしに、後は汚濁の腐才に流て、舟につむほどの諸道具、椀家具、絹布夜着、ふとんのたぐひ、源氏ものがたりの箱入、春曙抄、つれ〓〓の諸抄、すべて人のほしげなるものを書あらはし一番、二番、三、四、十番まで、それ〓〓の句主に配分せしほどに、福引の水をのまぬものぞとかろぐ〓しう心得て、十才の男女、丁兒、小僧まで、他につけてもらひながら、物をとらぬやからは下手也とのゝしり、よききぬ得たれば、此點者よくものしれる也とほめわたる。端々、町々、手寄よき所に看板をかけならべ、夜に灯を挑て群集したり。風雅の狐狸なれば、弦をのがれて產業となる事、和光同塵のことはり、魔佛一如の見ゆるし成べし。しかれども古代に思ひしのばるゝ佛もあり、今川の了俊源貞世いつく島まふでの記に、鞆の浦つゞく海邊に歌の島といふ所あり。むかし此所を領しける人、和歌の道にすける心ふかきあまりに、おりたつ田子、いりぬる海士までも、歌をよませて興しけるより、やがて此所を歌の島といふ。歌の島のこなたに戀の丸といふ里一村侍る。いかなる人の物思ふとて名のりにし侍りつらんと、いとおかしく侍り。夢とてもいもやは見ゆるたび衣ひもだにとかぬこひのまろねを長者よりくたるならはしごとなりければ、歌の島、戀の丸の名たゞるにつけても、世の人のやさしき道に心あらば、誹諧の津と申すべくや。いたづらに邪慾の道に引入る事、神佛の御しめしを汚すわざ也けり。つら〓〓彼天類柑文集二一三
狗どもの飛行するやうを見侍るに、げ、なれば、への。一万三千の句形を招くといへども、その中の大團羽を以て、十月の比より師走をへて、類柑文集座したる首領とかや。二月のすゑまでは民家にまじはり、いづくの杉の上にすむともしられずして。白雲に花のうつろへば、最上源三と一二の賽をあらそへる者也。あらしとゝもにちりうせたり。人間の胸裏を亂漫し、蝙蝠の出るころに、二一四正法觀念の席を妨をのが住山〓〓雪必しも行ちがめであひ、年に一度の暇をもゆるさず。入の字は字去と沙汰せり。或古宗匠の判談に、やぶいりを春のものとてや。め、ぬを手本とすべし。女御ヲ里へ下るをやぶりとはいへるなり。やぶ入、花月艶容の氣伸をし、にようご。植物に二句去、今の代は人の品ことの掟も改りて、寢ネルヲねいる。ぐこれらは文字の上を信用して其理くらし。上下の人の心そゞろに成て、家風に例つて、養父人、命の洗濁などことぶきあふ事、破り、人倫也かたくつゝしみつとめ侍る事は、やぶいりと心得べし。春と秋二たび父母、二たび盆後の悅びを待むかへたり。ちまたにうたふ時にして、例しれるおもと人、はらから、たとへば家々の奴婢、宗盛卿のゆやに御いとまを給はら三日、うから、童僕、諸家その禁門をゆるやから、五日などゝ日數類緣に丁兒等まで、らぬもめでたし。を定めて、なり。季吟老人の雜談に、〓談などにいひかけたる句は、雲林院、遠里、今子をぬるはや小やややいとま申出るなれば、類ぶ町ぶぶは小野、いもうとにいひやる里居の句引うぢゐ、柑下司の詞は、いこいいおをりの、文りそりり不動堂、職人畫哥會に、集里あややにうりうのぶいりさせし摩耶夫人かならず文字あまりしたりとこそ。松淺見へのふどんど御やぶり、おかしき筋なりとて、のや草にお嵐かく白粉、ぶりおゆるしなどいへるもしとけなし。やけひいうしろいものうりと有、前りて銀野うの芝を父の爲のし肘のろ袋海露小ややや里柑いこ居の上下の人の心そゞろに成て、辨のや草に嵐かくぶ破り、やけひいやぶいりと心得べし。例しれるおもと人、前りて銀ううの芝を父の爲し肘のろ袋海の二たび盆後の悅びを待むかへたり。露御の字をそへ、昌反琴晋冠季雲上の詞はあまれるもよし。二五風子貢梅物の字を下略しておしろい三日、里吟五日などゝ日數た
秋色にむかしかたらんほ尼寺やそらぬを木瓜のや葛やぶやや乙女子の御所の香や藪入がや引やや彼初やややぶ入りや入相の鐘の聲ごとに紅梅や御はしたの名やや藪入やわ づかに見ゆやぶいりや今の御主類柑文集ぶいりや城ぶぶ幕ぶいりや梅あるかたは西の臺ぶ岸花ぶぶぶぶ類柑文集彼御經の海山にみちぬるを、一日一夜に演說し給ふは、佛し千夜を一夜なればこそL宴の紫に匂ひて、辰之助が猫は焦尾琴のしらべに躍り、二度のやぷいりをかざらずといふ事な澤之亟が帽子は菊のいりいりに犬をつけたりし のぶ山いりや御鬮がたりを夫婦連やい會やいいりやつもる思ひを涅槃經入いあ片やりに五りに梅さのりひの勘狀さがおぼろ月夜ぶや山つれいりに道おしへけりぶや里菜男展のおい島へ破慶つと仁ほり下のら兵て二夜は梅の宿のかり也めつた町光しげ也魚の店袷ばよぬわ院の衞やたをやりも四關るはの心里す袋二る朱杖來の雪百雨德垣間より家德居夜にかか日天買臣とつ阿東の官哉入利なな隙川足ヽと哉艸名其立每堤入凍雪朴唄同百焉宇每百立白專大格百午日山二一七雫朝閑亭松雲花芝言之子問閑猿朝櫻吟町枝里寂壽蜂二一六
く、さちは姉、びぬといふに、啼聲しきりて、うじほがらかにして、るごとに、たれど神の御心はけがしたまはずや。あなかしこ、ゑまる。ハロの井上河州公の御吟に、春のすゞめの雛をひく聲おかしう、三輪はことしふたつに成ぬ。いつしか左のかた、あ小比丘尼のあと先うたひめでゝ、いもうとを三輪と名づく。類けふは藥師御堂の石壇をりたち給ふ心にや。步み出んとするけしきはか〓〓しからず。柑たひなひく鳥文陽にむかへるわらはべの兆をふくめり。つ集た獨稻荷の社なるみづがきにとりつき、あねよりは、たつたることし哉あねめは日壽の尼、塒おりたる矮鷄のつまよぶに、すきと道ゆきふりしたり。祈りものするけしきなりけり。物しづかにむまれつきたるをいみじとかしづく。名の親に成て、きのふは十あしといひつ ゝ、まふでくる人にも目かよひ給へりしなどいふにうち丸に尿やる聲さえねむたげ成に、立て手はなち、朝待かぬる蚊屋のくもてに、をのがそらねもなし。おひさきの幸あれとことぶきものし給御手洗の水まさぐりて、貞二一九六あし、德外の邊にいそぐ灯は有ながらしや窓もる光かくはゆ七足ばかりはこ穩母つれて出袖ひぢ里居ながら内裏に侍る同意なりと、雲の上もくらしかねける春の日をところがらともながめつるかなすかし申したる歌也。いづれの奧方にもあるべき事也。宰相の女房、いかにして過にしかたをすぐしけんくらしわづらふきのふけふかなわたくしにはけふしも、千とせの心ちするを曉だにとくとあり。皇御かへし后宮よりつかはされて侍りける。千載集に一條院の御時、御ゆるしもありけめ。里の名殘おしみなるに、たるうらや算など句作して、うらわかばには、やや星やぶ類ぶ合ぶつれ〓〓とかや。此句は秋の雨夜にやど申たれば、柑藪入とかいて破宇の辨まへもなく、いいいを文りりり皇后宮に〓少納言はじめて侍りける比、中集一日の虞病をかまゆるも哀也。やの戀の心得たりしに、ののそあれ狹七やは箱日か因よし春雨のふりくらしたるの幡はまつとしきかばかへりこんと三日のひまを申かはしけれども、り里正月ばかりの人のぞろめく事に思ひなしければ、たの是は星西ゐ通ふ心の人もあらば、れ瓜か車引哉な三月ばかりに二三日まかり出侍けるに、ことに僞ごともいと增からずと、晋野功光子徑悠月二一八かの宮一ツはあ集春雨のふりくらしたる后貞宮二一九二一八德定子かの宮
けん、し、いへる詞にすがりて、手うち〓〓あはゝ。座敷にて下展はき習ふ。子等のどちくるふを見つゝ、何れ心に任せざらん。醉て二ツ子の道艸をつゞりぬ。よろづ人生の化育をしれり。月と日は過客、機にあへる時みさかなに何よ天地は逆旅也と夜の鶴、立居も眞如たがはず。煩惱のきずなとはおもへど、あした夕べに心得たる寢顏、かし。里の濱、尼人のよはひめでたきにあやかれかし。うり、を小串にさして、へども、てなせば、、p.糸わらぢ、乳房くはへて寢てくるは鞍上の夢にや。駕籠のうちのうつゝにや。眞閑月あればのゝとゆびさすに、梁のつばめ、八百日行道しるべせんとて、はへばたてたてば步めと思ふにぞ我身につもる老をわするゝいき來るごとに、は居こてふの花にうつろひ、類柑綾にさしたる足袋もあり。妖艶にふれそゝのかすを、文燒野の雉のひなまでも、ねの集穩母がはかりごとをもてすかしありく。田舍世界のゑびす等、て子つく〓〓とうちまもれば、共猶かげろふの水をわたるよりもやさし。ゐあんよ〓〓と、此比は眞砂のうへにまみれながら、て松舌利なれかし。しころ頭巾のおかしげなるに涎をつゝみものし、ほしげにて手をさしのべたり。とればかいやりすつ。つばさの床をはなれぬにこそ、緣風あまの子の賤しきまでも寳とめでたり。子はやしもていざなはれ行。にほゝわらふ時あり。うぶすなのすかしたまふ也と。こゝにちい〓〓ちや〓〓うるものあり。のね月る百里の行程に、老幼のさかひをわきまへずして、家を出てあそぶ所、人とむまれぬればそれほどの小ざ社頭の梢、をのづから立ゐもどかしからで、海山をかけぬばかりの心なり冠晋二二〇舐牛、花あればううつとい里子雨ふらねども傘さ白猿のなさけ凡ソ浪の二町にたらずとい心のまゝにも色鳥に染たる餅千乳花廣二ツ子柿ゆあ初初釣鳳巾類午臺木びた雪ののざ蓋子の柑やにに尾揃らや尿みかをを集文あのあやふし心や子り車う迄うにたるえし·り子そのを子も柳意藁大て子し力をろ味のいぶこ木を路らに出へを乳づ子ろ芽思や引ず付す母こ共かやはわ共ゐて松あゞ肩らて也や緣風つうはへやかと蟹くなやぐひや老大タ表十しの昏り月と馬ゐ花のる.が三萊團夜猿場髪春まほ夜子雛羽內適大沾紫白洞唄母野素掃沾其二二一二二〇脛山町英尾洲德紅雪滴言
なにはあたりのうつせあはびを、ものを添て、遠き境にもしる人すくなからず。ともにたよりうすし。たゞ水鳥とのこゝろなるべし。のうらなどゝもよぶべかりしを、風騒の人々に句を乞。ま る都鳥とはもしむさしの國の名物、こゝに扇德と云人、うかむ瀨と名けて、これをさかなになして、ゝ水やみやこどり奇物となせしは、その俤をしたひて一ッの器に盞をしつらひ、硯、酒の興をあらしめんとす。京には見なれずとにや。身をすてゝこそのたはれごとより出て、專箱の中の貝なれば、吟それにしてはふたつ二見懷紙やうの桐火桶に抑、貫之が萬葉の歌には、これらぞまことある歌といへるに、盃開眼の後、亭主なれば一ぱい仕りい。京、老若男女、大坂、宮着到に付たて侍れば、諸國の水鳥、古島此蝶面にのらんとて、先尉あらたに酒德の頌を見る事いかならん。ど日夜參會しける人々、扇かな玉たれの內へもはゞからずして、一句一盃はもちろん三盃一句、此後五盃一句と元祿水馬の年、都鳥あづまに下れる詞序をもとめ侍りしに、こゝに小判あり、ぬすめば首がなし。捨ればたはけといはる。鶴龜產衣に夜百舌鳴や赤子の頰を吸ふときに蟹屎にうつろふ 花のいもとかな袴着や子は決唇でも孫ども折と迷ひ子や子に飽秘藏日くれたり今かへりなん子なくらんその子ははゝもわれをまつらん宮花類柑文集類柑文集三輪女祝ひ侍りてはしとり初たる日楓子みたりめる女子を祝して古みやこどりの序見島合器も御齋のも花や醫師にだか先蠶やしなふ一膳ひえと申す人には花もなし目もあはぬ若葉かな尉間どせしづく哉三郞兵衞日向かがせ扇れくから花紙かなな鳶僧晋扇專沾倫同晋靑同晋序翁百專二二二二三洲女子流子令子德吟猿吟
類柑文集二四佛をつくれば善人とよばれ。書物をかへば智者となる。分別の外に、三斗入り滿願寺のから口をとゝのへて、月花をもてなすこそ誠にこそよけれ、こそよけれのおのこ成べけれ。其男の秘藏し侍るものなれば、すゝむる功德ともにむかしの其角になりて、やう〓〓半盞をかたんけ侍るとて、二四炭うりは炭こそ斗れ都鳥此主源左衞門なれば、雪には鉢の木を切くべて、扇の德を御舞いへ。着到の句々、しとけなきまゝに略之。此比、袖のうらといふ盞の發句を勸進したり。いかならん旅客にや。其貝いまだ手にとらねど、りもやさしくて、袂より出たるならんと、白ぎくを貝の身にせん袖のうら源左衞門が貝よせん袖のうら賢ノ賢紅紛かへがたきものか、や世をか口るかやの浮櫻來示浦あそび元祿十五年長月十六日のあさなぎに、釣好ク人にさそはれ、海晏寺のもみぢに心をそめて、品川のいそわたりせし事有。折からうなゐらば、蠣あさりとるわざの、うちはるみてうらかなしく、芦邊の鷺のかたし立たるも、友ほしげ成に、かはらける小舟の間より、雀ひとつおりてはたち、おりてはたち、いさごをはなるゝかとみれば、荻のうは葉をこえ兼たり。とびあがりしそうしといふらん。似ぬ鳥を大会がよぶもあはれなりと、冠里公の御句かたり出て、氣色をこゝにおもひあひたるに、左にはあらで、蛤の貝に足をはさまれて、翅にまかせぬ也けり從者とく見て舟より飛で、たゞよふ雀をとらへて、貝をば小刀にて押わり、つばさに息吹かけて放ちやりぬ。足いたげ成さまにふらめきながら、からきめしたる聲ちう〓〓とよぶ。角なうして穿つといひし、磯屋のかたにかくれたり。貝ひろふ子等は、舌切雀などはやすめり。月令季秋鴻雁來賓爵入大水爲」。註爵爲」蛤飛物化爲潛物也云々。まことに盛陰に應ずる形とかや見えたり。今の有樣げにかなへり。飛物の氣ひそまりて、穗末の粟、芥の虫に心をかけず。砂中の蛤をさへ喰なすにや。爲の字を成解する心に見は、月令ノ文義もいとおかしからめと、私の見を加へ侍り。されど西國あたりにては、すゞめの蛤に生を變たるを見しといふ人もあり。是其時理自然なるべし。我見しは水はしりにて、鼠の赤貝にはさまれしこそ、時候は忘れ侍れども、鼠化して鶉と成といふよりもおかしきもの也。生命をあらそふ物、これらにはかぎるべからず。いづれ論ずるに益なし。石の蛤、二かあふぎたてたる風松笠につみまじへ、はの貝、干氣貝のうきたる、これらは捨ていかにも砂なき大蛤をゑらせ、の音、をのづから松風颯々たるに醉すべらんにこそ、續みなし栗二二五類柑文集
すなれど、雀の命ひろへるにめでゝ、生前の一樽を天目にてかたぶけ侍るは、いと心ぼそくや。今もかけ出の同行とも、る也、八分に見て心よくほし、亦橫山の聟引出に太郞螺、禮貝吹て通るもあり。〓侍の家に入て、次郞螺とてある貝の實に、肴の料乞たるに、盞はありあふものにこそ、時にとつての早稻作ッ中酌なんどもり流すに、貝の腹伊豆相摸の領を入て、酒はたしなくてならぬもの也と酒惜み三盃づゝはほさせたりとかや此句にて船頭も一盃せよといふに、て曰く、上代のさかもり、貝をもて賞翫せらるゝこと、新の一字に鼻はぢかれて心地よしと頭ふる。賴朝どのゝ御濱出に、土肥の實平が御もてなしにと舞すとりあへず押へことして醉言し懸出の貝にも てなす新酒か獸とほらがいの跡に竿さす尾花哉雲あすの夜の月にはまけし板屋貝蛤蛤今赤串貝い鵺所寄〓蝦の夜寒さほら貝の筒音を開く黑海苔は跡ヘおよぐやみ浪の間や小貝にまじ蛤類柑文集丹貝切貝たを撥かるも類柑文集ますほの小貝ひろはんと、種の島に舟のり出たり。法花寺のやにあがりて酒のむ。る人に遷宮おがまんとて、みの國立出るに、船にのる所まで送ける日本紀のゆへあり番ののにららくこ小眞の片新師走の貝われと菊ひは進やや末すみ珠もあらん汐干上着也丁荷山や兒も守月小に風てのそとつよにの氷や春けり黑小のも末いむ花にし霞るおはのある萩や酒惜みつつみ大蚫ぼく海帆立貝づにめつ津屋けかろみ哉臺所しまた貝さ哉貝合の潟袖り敷な月物塵な朝晋掃曉里功其竹百靑堤專谷一翁谷貞大己三三七羊佐町鄉尾白東悠道意里流亭仰羊雀叟子二二六
貝蛤鯖切のわれかとらすゞめは雀からす貝石夜汐すかげろやふ小磯の貝も吹たてず海松ふさや浪のかけた るほらのかい行春や猪口を鮟小海老よる空や小春御鯰さ十鰤世中をし小ひ光干だつ貝の類柑文集幸あり。元日に眞珠喰あてたる人、扇に句を望めり。其年出身の類柑文集〓茶壺六荷い文月をかねて刺鯖を獵領し、世の人の祝ひぐさとす、と歲白菅の宿過るに、中鰺〓〓とうるをみれば、大小のその鰯俗字なり。よはしと訓ず。おもらとはいかに、いはしは性柔弱にしてもろし。潮をはなれて忽に死す。中と見えたるもおかし。商人の誠にその中をとるものにこtoふえあふうち出の濱にてとるなれるやしに夜や中ふのはしかへもへけりつ梅り貝や十五たらずかし こし小鰺うり尋雪白洲見こ白海間殿暮や〓ののけに寐つねのおしまへろ川老きわか高のぼて口と煎程に渚は參濱末み切てか茄大赦ややれみののれ行てのもるのくれけ子む貝次し忘流藤高笑水鰹暑宵秋まきの郞人れれのかさのので蜆玉貝か貝松ぞひ文な哉闇り門晋翁甘潘檀野翁晋三八八三·六子已川泉徑子
馬船とわかる足袋賣やさちほこに笹をかまほのぐと蓮葉タ汐や客小ゆる親にらむ鰈魚を踏ん石鰈やかるた伏せた蛸を釣赤穗のうら人た〓ま るゝ身はいくし な海の鼠哉海鼠疊は咽通る間のかんてらに片身かが初加賀簑を鱈に本目い年釣の沙魚挾箱よりあ初苦袷西布施いはし行基の鯖の山いくつ七ツ小安鮟〓道具揃はぬ類柑文集類君文集所鮑はしまの空汐か陣の漁家に遊べる時十一句やの春を名〓やにらやき鮮飾醫の赤思で春の光や鯛鯛二たびかの間にあの名は昔に師文箱鰾朝飯匂もの月ものきせたのの浮背目鏡にかつほさな枯方るやに優木切中ふるあふヽや眞黑く哉よそに旬やややれす根釣中て汐るに手りる尺金ふが風丹いう競馬學ば鱸るかつさ哉ふく輪渦干か干遠走哉師はぎ遣ひ路哉山のきねふやおけりわた秋の椽の後かひち哉はし世き組鰹哉なら哉な潟哉物すり紫りる海前鰤雲哉晋琴朝灯止澗其和雪先松來枳大景自同來入二三一二三〇子風叟竹水花幄重花月雅示風町帝悅示松
類柑文集二三二てりかつを附り河豚松魚本字とすべしとぞ。堅魚。延喜式いはゞ文史の賞翫とし、貴人の上珍と成もの也。牡丹の紅その切目を正し、杜鵑の淚に錦手をそめたり。さつまがた沖の小島に物ありと、松江の浦の鱸を二にし、往吉の御前なる鯛の後段に成事、時を得て譽レあるもの也。初の字に一朝を爭ひ、夜の字に百金をかろんじて、まだねぬ人の橋上に、たゝずみあかすまゝに、一片の風帆をのぞんで早走りを待て、公門に入時鬼の首とる心地したり。南溟、東海の魚龍、一番鰹と名のらせ、其威を犯せるものなし。渦輪、横輪、古瀨、小鰹の一屬、目鹿、眞黑の兵とも、駿豆、相武の浦々に魚陣をなし、餅氏筋鰹、霜降り、秋堅魚、濱切、岡付の族、一味同心して、火あて、雉子燒、あら煮、うしほ煮の手をつくすといへども、昔は下部のみもてはやしぬと書れて、臺のうへの献上をゆるされず。一疋不調法ものにいはるゝ事、今さら浦島の子が悔ミにして、恨み中打に徹し、はらもにせまり、血合にくるしむと躍くるふを見て、いさめていはく、河豚は西施乳と比せらる。其意味を忘れて性つねに怒れり。世人皆醉のこと葉をかうむる事なかれと、盃をとりて、附り河豚か堅ま魚くらは活か出人けをんはつ堅魚醉はすらん翁同うり成此句人をいさむ。揚貴夜かこよひ其いけるもの、妃夜はれせぬ君がき閨たへ松堅魚魚哉哉角靑せが流白兎公冠里公の御園にうさぎを畜たまへり。中に妻兎はなくて子を生す有けり。これかの月にむかひてをのれが影を孕めるもの也。さればこそいとかよはくて、靑艸、茶芹の露をもてなされ、冬は爐邊にちかより臥て、枯葉、ゝの實などを味はふ。其かたち白蓮のつぼめるを、たなこゝろにのせたらん大さしたり。扈從して御側へめしけるに、樊中を出たりし心より、人におそれて飛さはぐまゝに、左へこえ右へせくゞまりて、文臺へをどり上り、硯の中へ足を入て飛まはりければ、雪の白玉を墨にこがしたらんやうにて、あやなく汚れたるに、やるかたなく御氣色をなんそこなはる。近習をの〓〓手を握りたるに、予、放言していはく、硯にあふれ、墨にそむこと、かのものゝ性、天然、筆にむまれつきたる也と申したれば、御笑ごとに成ぬ。臘月の末つかたに、兎の子いつゝ生れたるに、年をとる兎に いはへいらぬ豆角三方に綿をのせて、雪の富士などいふ當時の興を、もよほされしに、二三三類柑文集公をとる兎に いはへ雪の富士などいふ當時の興を、文集いらぬ豆もよほされしに、角二三三
類み柑文集わたに二三四同つ兎の耳をひきたてよ長柄の文臺の記貞享甲子の年にや。河村瑞軒といふものに、おほやけの仰せごとくだりて、難波古江の埋れたるを堀て、船路の自由ならしめよとの、惠みあまぬき御ふれに付て、都鄙、蒭蕘のものども、膏澤の歩にさゝれて、まいりあつまるほどに、なんなく山をつきたて、淵濱さらなる川筋となれり。さればかの名橋のあとは、今はわたりに成て、その封境をしる人まれなり。こゝにいにしへをあふぎて、今の物數奇しけるともがらも、こゝらあたりにこそ其古杭はあらんなどゝて、おぼつかなき世の幸を得まほしく、奈裏までもと、うちたつる人の力に任せて、この埋れ木を堀出たり。往古稱美のかたみにして、ことにたぐひなき板目なりければ、朽にしまゝにけづりなして朽せぬ名物とはなしぬ。いはば山の井をすゞりにくませ、濱荻を筆の軸にきらせて、みちのくに紙のあつこへたるにかさねたらましかば、人麿の神も其左にゐまし、赤人の神も一座の句所をあらそひ給ふまじ。誠にありがたき寳ならずや。よりて當時の人をして結構に文詞をかざり、和歌、連誹の讃、まち〓〓みちぬを、予もその數にくはゝりぬべきよし。故實はいはずとも、さとしければ今の事實をあらはして、かゝる時代にむまれあふ人、疊の上にしてたやすく、此重奇を拜みぬるよろこびをのべぬ。其信うたがふ事なかれとしかいふのみ。もる月もむかし の橋の朽目哉晋子大原木のことば初瀨、難波の市女笠、柿の前垂ほのめかして、いづれ昔をわすれず、織殿、染どのゝ水仕かのこゆひ、牙婆めの被すきかけ、白くたちわたりて都大路のながめ也。河內女のきはたとるつま袋に、娵そしりといふ繩手を行こそさかしらいひて名はたちけん。越路の女は、糸機のわざもせで、奉書、鳥の子すき出す。うすきちぎりはむすばざりしをとよまれて、なるか川の瀨枕に、をのが妻をや定むらめ。おほよそ鳥のざれありく名はたち、君のいたづらにひとりねしたる河原こそ、川風寒し、さる淵瀨を朝ごとにわたりて、暮ごとにをのが一つれ、引連たる牛のひづめにそふて、八瀨の山家にとまりける夜ぞ、雪かき分しあともととはれて、祇法師の三吟せし古意をうらやみ、事たらぬ佗寐に友をしのへば、飯には石をかみあて、茶に藁しべを吐出して一夜明しぬ。誠に此山里の佗を求めて、閑放の風月を興じぬ。祭の子等に花折そへて、やさしがらせけん賤とないひそ。女院の侍士より、今も俗夫におぢずして、柴うるにも背むかひてあしらへば、よしある賤とこそ見ゆめれ。やぶいりや牛合點し て大原まで晋子一とろに袷になるやくろ木賣木や紅葉でた〓く鹿の尻をはら炭うりやおぼろの〓水鼻を見る三三五類柑文集子らり柑三三五
ねかぬる灯のもとに、冬ごもり溫飽にしては、水戶黄門の君、雪山の法の薪をつみけん、荒神口にて、〓〓斧のひゞきを窺かふに、繪さのか類一とよみどよむ聲殊にけうとし。山庄に黑木茶屋うつし給へり。柑中と文大原木をうたひてやみぬ。によ集ひとたきにさも、身のこらしめも、居ぶるたゞならぬけしきのみ、頭やも山雪もへやすき大原木のあかしもはてず。家入相のかねに、の酒簇、中にも釋迦よ〓〓とよぶを聞て、のく夕陽にひるがへり、ろ木かな風騷のいたりをおもふもはゞかり有。雪氣色ふとおどろかれたり。木葉かくさらへかたはらに捨て、入がたの月に顏さし出て、去名のおかしければ、二三六來抑苦の吟尤重し。名ばかり聞へたるにも、年も草庵の月にかこつけて暮ぬ。ら〓〓角藏が勞を見るに、て、のひとり信濃の國より再來して、一句を蒔繪にし、此杵の頭は、分ばかり。タ顏こゝに京、少長が宅普請の時に、や茶所の柱にかけて、身をやすうせん事を願へるもの也、一大阪の座より、一日の休みなく、臼推車に杵をゆづるもの角藏。其勞方寸の胸中にあればなるべし。の大工どの一鋸にと、日々の勞を忘れんとす。こ千金を積て少長をまねくといへども、百錢をまうけて、す花の錦繡に汗したりとも、黑飯を押いたゞひて行なふ躰、たのみ切たるくせものなるを、宿坂田、然れば休の一字に心あるにぞ閑を得たり。山下がこゝに老たる。三の富ミ心にまかせたれば、晋裸なる場は臼前に同じ。推車やがて拾ひとり子盤中の強、多門、六祖嵐等が今粒々辛つずや。金のあふぎに、か得られんとひとり、句を見んとは。さるをおかしきおもむきから、類牡丹帝子のたばこ入に、かかるくだれるさまのものながら、柑杵文たなごゝろをたゝいて、集のれもしは隱婆羅鬼童子が腕の小口切といふものあらましかば、菊の句とはよのつねあるべき事也。その杵の柄はいつか朽んとゑつぼに入。やごとなき御手にもふれけんこと、おもはざりき、二三七優にめでたきたぐひならきねの先に夕がほのいかなる句を方四寸の圓形にして、うかすも雪河きねかさきやの後其色紫赤なり。大鴨ののを付字鐵れか輪梅檀の木膚よりも猶こまやかに、るに雪山見のか草な蹄のうらのごとく中くぼなり。厚サ五心晋名のおかしければ、二三六水子草醒てしば
ますに、けたり。其裔か閑所の額に、傘うりの曉ばかり來るものかは。<凩の夜駕籠、をんな、△二階へあがる音はたえて、み哀にも、見せ男をまことにあしらひたる憎くて哀也。△かまれて來る猫、文語一ツ〓〓よみ聞ふるに、西鶴が口拍子をからす、誰を待てか、曉笠の二字をまうけて、△妙喜堂の末枯、わざとならぬ灯のかげに箸削る。九月みそか、月夜の魚うりは本陣につく心地したり。朝湖が虚ホ舟よりも、かろき事どもなる中に、わろびれず判して、十日ついたちの比、〓角前髪に似たる月影に、時鳥のはつ聲をまたれ、金のかた一目、△ことにしばぶき頭痛くなやめどくすり遠慮したる客前も拵へぬ料理場の下に、心ぼそげに殘る客の中杉、娘のかた一目見やりたる、△孝ある人の子、來示が筆を躍らせたる物、物の哀れもこゝにしらずばとおもふにつかひへらしかろきすだくこゑ。年月のたの〓禿の親の手形す傘うる時と名づる間ざましこそ、胸いたかりし其吟三、〓溪の雪に徘、待乳山の時雨に徊りて、心ありげなるを、妻なく子なかりし時の樂とせしかば、閨中の力とした晝ひゆタ顏夕顏や不破の關屋タ顏や氷室屋敷は火もたかタ顏や沓か蟷タ顏や須磨に咲ゆふがほタ挽切て杵大名ほ夜曉顏ふ螂が額柑文集類柑文集と祖師の自畫賛がほやがやほもタ顏なくば杵あかつき傘そ反吐は穴ほ竹馬やぎすに顏米山伏見れば暑くろわかやく凉みけ穢多へ宿のまく昔踊や上かた曉傘を買せなりかほとゝぎすはれき凉むあはれ也來も灯か大を椎我な居酒呑つけぬ鼓り局か沙汰かたふにけ郭し穴ず葺口なり公靑翁竹沾文一大幸昌專秋推心二三八三三九峨意洲竿雀町輪貢吟航車水
女郞屋、洛の凉及は有馬氏にして、碗を來め、かど、天脉を診み奉るべきめしをかうむりけるに、あからさまに所望して、にて、で、自性の愛に溺れざることをしれり。しに、にや。きかぬ藥をもるに同じとて、句はあれかしといへば、心を孩提の童のごとくに樂しめり。山月の曉雲に映ずる一躰、起て見る花は、緣の側にうち倒して置り。彼百貫の茶器を見ばやと望まれしに、明醫肩をならぶる者なければ、花類八撫子とよぶめり。の柑重鐘文山いづくにも植てある也。集け脇よりあげ句まで、手を取たりと申されしか。吹季吟師、ゐなかにもしられながら、滿座まで連衆をはやしたて侍る。うつしうへんとての花なるを、は今さらなつかし。も誹諧興行すれども、茶碗を塊とし、京暮北野よりのかへるさに、やがて都にかへし入られて、たゞ今薄茶まいられしが、其時碁にうちほれて、ぬ一句〓〓に付て見侍れども面白き句もなし。へ寢て見んために、出知音の心を、百貫を沙石とし、年比の春大きなる櫻の盛なるをこきて、いでそよ人を忘れ、聞ぬぬしは一句もせず、者いと興ありけり。凉及が家に休みけるに、伏木のまゝにして、かく無下にせらるゝはいかにぞやといふ者あり人哉喜撰法師の心ばえをしれる方寸人の句を聞て味はへたり。麗花を塵芥と見て、夫なりといらへけり。その名いよ〓〓高し。まいらざりし罪にて、己れ忘れたるもの也けり。其凉二四一打こかしたりと答へぬるに無用の句を云出さんは一日の生路を安慰し、薄茶をもてなし侍るつゐ日比に好ば百貫にて茶山科に追放たれたりし角友根は菰に包めるまゝ老眼よりは心闇く、せめて一貞享の比、いへば、いづこよからんありかばやと、これはいつもあるかたながら、たる文もかゝれず。ゞけたるなりとかや。いとあらうはあらぬ風の吹あてたる。勘當類柑荒たる家の分散とは見えて、文月集夜に鎌倉へいきたりしつれ〓〓、成しすゞ時〓時〓子子客屋といはるゝもの、鳥口規もくは1人ま仲ぎをがす馳ず假にも無常を觀ずべからず、町たへ枕走をり有もほ明ね寒ぬ狐夜ずかか郭といさめしに寢過しぬ。なすな公鳥口寢て見るさくらが吹にそゞろがましきも一ねざめなりけんと書て、成しすゞかなはもを京暮もぬへ庇まばらに天水もかはらぎ、寒出聞か冷飯といふ名も、なす人哉來示に送り待り。うき世に佗しかりける時、破れめの障子の弓、二四、其大角其凉二四一角友幄町今はお小K近L思ひつ所〓〓落て、
御めぐみとなん、寳祚惟永輝光日新杜子美句ば、よりて、こと葉にいはく、今案藤經嗣卿北山行幸記、星と霜とにむすびて、寳ことし三月正當三十日開元革曆のためしを引、永唐堯の馭民いまだ年號あらず。仰ぎ奉り給へる御句筋なれば、改元の祥吟の袷花の色にそめし袂を、是文武天皇より年號なども定まりたる事に成て、御城に於て革命改歷の御よろこび申あり。此熟字を以て、に天元六年を改めて、かは山呼万歲をことぶかせ給へりとかや。れ漢武の撫俗はじめて建元の號あり。三月盡の題に沙汰し奉りぬ。おほけなく世の民くさにおほひ、米永觀元年の大赦、の霜出仕各午の上刻。天下德政の化育にほこると云々。後は醍醐の御門こそ三十三年まで御改元の詔、曇らぬ日影、冠それよりの例、此日八十八夜にあたりけれ本朝文粹、里休祥〓變に慶の保胤の四方にあまねき三吟のむかしに成ぬればあとなし。裸朧樗鼠類身月を柑のに鵜文熬雲匠集大vのわよば家葉をそへ奉るにつけて、らたに浴みし、去年の冬、けふも同じかるべしと書せ給へり。位にありしが、兎震火、した氣新タに衣かへたらん人の心あらたなるも、溺亡、此時にこそ格式などいふ事をも定られたれ。天下泰平の奉幣の使に、世界國土の苦みを、で伊勢迄北山殿は鹿苑院准三公義滿公也。た西の海へさらりと流して、れ逐つかん事を祈侍る。か日ニ新ナリといへる句の心ばへならん。衣更誠に聖德のいあらたまのとし甲甲の卯月初めの日、行幸は應永十五年三月八日也。りは、晋有所子ノいにしへも、此御句にことあ應永の類柑文集き暑たにざうれすしもじなの甘かる草かひ端枕るて湖晋二四三二四二春角及春子應永の
類柑文文集二四、類柑子集中御玄猪細川家の茶道、京都の御内緣につきてのぼりし比、近衞左大臣基凞公御茶にめして、御手づから御菓子を下し給へ。。碁石形して色々に染たる餅也。偖、仰せ下さるゝやうは、此餅はきのふ御玄猪なりし宸宴、供物のあまり也。いたゞきおさむべきにこそ。されば王道の興廢として、今は國栖、腹赤の奏、十月朔日、氷魚といふ魚を公卿に給はるなどの舊例その名のみなり。爰に丹波のゝせの郡、久路の庄より、御玄猪餅の名也備へ奉る事、内寮サより是を行ふ也。昔をしのぶべき御心ばへとかや。ありがたきことに感じ入奉り、淚をつゝむ袖のつとにし、餅をばやがて懐中仕りぬ。御茶の具すべてかはる事なし。御掛物、極の一字の墨蹟也。是は道風の大極殿をとゝのへたりし下書にて、代々傳はり來れるを、大と殿との其中をとり用ひさせ給ひて、犬、御重賞の珍奇のよし、かやうのたぐひあまた御寳藏にありとかや。凡家にはおつまじき物也。俊成卿の古今全部も、御書棚に拜覽した50三の蓮江州田中村に田中勘左衞門といへる農夫、はちすを好で、千もと四色の靈藥をあつめ、池をふかめ、砌をたゞし、島輪をめぐる小船にうかんで、心の水濁りなく、獨樂の閑さらにうき世の交をもとめず、あやしき人の名にふれたり。一とせの夏、さま〓〓に咲くるへる事ありけり。愛蓮の詞いまだしらねども、すける心より名付たるおかしくて書とめたりし。一莖に七輪の花を天子の蓮一莖に三りんの花を武士の蓮一莖一輪はつね也とて百姓の蓮とよぶ。其名、國あまねく聞えもれて、諸人此花を拜みに來ること、天人の影迎、ぼさつも天降ます心地して、ありがたきためしにいひはやらし。むべ一〓に榮えたるもの也。七德は天子の瑞也。三德は武士の鑑。一蓮は勘左衞門が菩提のたねなりと、念佛三昧の心ざし淺からず。汚泥にそまず、邪觸の胸を洗へるに、鬼神この靈の異香を惜めり。謠の說羽衣、實盛、ゆ屋、うたふ、そとば小町、熊坂、祝言、と手の揃ひたるを見侍りて、字の巨釋を云人あり。いさゝか愚意を加へてしかられ侍り。類柑文集昔より諷あやまれる所、文二四五
類柑文集△その名も月のいろ人は三五夜中のそらにまた月のみや人也。宮と色と行草のやつしを寫しあやまる成べし。月の宮古に入たまふ、△をのれは日本一の功のものとくんでうすよとて功の者と組〓打ヲすよとて、力者をあざ笑へる詞也、打テウの聲にまぎれて、んでうづよとうたへる也。くんでうつといふ說はわろし。△こゑも旅鴈のよこたはる北斗の星のくもりなき北斗ノ星前ニ旅雁橫フ。經角堂は輪藏なり。北辰を柱にして廻る也。弘誓眞如海の文により、爲に、常灯明をかゞやす。其光、北にあたりて、△くもりなき經角堂はこれとかや金森宗和上洛の比、〓水に詣給ひて、この灯籠の倒れて、苔に埋れしを寺僧に所望し、芝の御屋敷に居られたり。△うたふやすかたのとり〓〓二四六とうたへる本義もあり。ことさらくんでうつと書たるを、く城南淀河の運送回船の苔に埋れしを寺僧に所望し、吾妻の奇物として、今に烏頭、善知鳥ともに不審の字也。東奥の商人、船にて松前へ渡る人のいへるは、蝦夷近き村里、島々の獵師ども呼子鳥の笛などの類、鳩吹手合などのやうに、品〓〓聲を似せて鳥を打をさして、うたふ〓〓と呼ぶ也。打追の心成べし。それをはやし立る列士のものをやすかたといふ也。うたふは親、やすかたは子にて、列士狩に出る、ゑびす共笠にかくれ、蓑にふす有さま、やすからぬと作りかけたり。卒土の濱、東夷をさす也。鳥類さえ親子の愛情はふかく、血の淚にさけびて命を惜むに、夷狄の其心なき因果を說て、殺生を戒しめたり。△一夜、ふた夜、三夜、四夜、七夜、八夜、九夜此夜は一與、二與、三與、四與、すべて助字なり。五六の殘りたるを分別して、榻の端かき、合せたり。一、、二ヨ、三ヨ、四ヨ是を四と立て、七ヨ、四七廿八、八ヨ、四八卅二、九ヨ、四九卅六、都合百の數なり。たる也。榻の端かき、百とつめたる數を二ヨ、七ヨ、三ヨ、四ヨ四七廿八、八ヨ、四八卅二、九ヨ、四九卅六、都合百の數なり。軒の玉水とく〓〓と指折あらしやうやひかんとて心よはくも引けるか嵯峨本の假名の酒落なるゆへに、あゝゝやうや。嗚呼危うや引ん類柑文集二四七
などつね見ぬ鳥のから聲、けれど、名に流れたれど、の末に心の露をかけて、の至極也とかゝせ給へるに、行處をいはず。雄島をしらぬ族、をかぞへて、物に倦る時は、には莊嚴壓れたれど、て心を漫り、一ツの影をうつし給へる靈場なれば、はてしなくて水遠し。名聞名利に紛るゝ者は、鷺鷗の友をさそふに、類ひたすら富る者の後にさがりて、身の隱家をなどおもふも、柑塵につき玉をひろふ、家々の名所文加茂、池は廣澤よりうつくし。俤を忘れず。桂よりは賤しくて肩おちしたり。集伏猪の床もめづらしくはあれど、我もその鷄なるべし。嵯峨に似て淋しからぬ風情なり。五十にて四谷を見たり、花のかほり鳥の聲までも、一日物語しけるは、賴政が射侍りけん、心まち〓〓也けり。はゞかりながら、遠樹、うか〓〓しく日を送るも有。こゝに國の數六十六部の法華經納めたる僧あり。高閣、鵄のごとし。山並〓もあらばと願はし。御當地の榮えたぐへて物なし。岩ほの中とても遁るまじき世中也ければ、といへる嵐雪が怠りごと、風景、いざとて誘ひ出れば、鶉鳴ふか艸山に墨染の寺、曹司谷は樫の木立も昔ながら、涌いでたらんやう也。日枝よりも猶ほころばしう心地よげなり。猫にもあらず、良基公の御記にも、先、二四九目黑は物ふり、山坂おもしろ元政など聞ふるひじり住淺草川、東叡山中堂は日の本に蛇にもあらず、辨當の事を問てかりにも奥羽へかよふ商人の松島寺もよし、隅田川たえず名ある野山狂亂物狂遁世を表はし·一心の行處三光日光國栖のうはやたまへは、謠ひなす人感應なるべし。うねめ、と書たるを寫したがへて、万十惡八邪のまよひの雲、玉山御盛句双田泥梟久足類藻輿柑六守のがの僧龜はの長跡半文面姥聞たまへとの文句也。集か智筆肉をうしなひたる文句と見えたり。筒都居か美燒と惠かのけは印入聲去聲にて諷ひ流す所、はら身にうたも聲直これく犬松にをにそか飛ぎ覗き聞やのやつしを讀誤れる也。手寸氣茸ら莎くくを石をにのつひ握芦鼓のうたひ消す所、け成章句のさしまどへるにはあらず。也りレ甲賣山て露句斷リ字義にかゝはらずして、面白く二四八遊樂回雪たる万切玉山御盛句界六守がの僧龜は隈五をのよ字寺く印惠かのは見幾るつ伯ぞ了らら莎くをにのつひ握芦鼓のけ成くくを石大が砂親場也りレ甲賣山て露
類柑文集二五〇けん跡忍ばれたり。遙劣れるもの也。王子は漲落一片の水に、曲水のたはぶれもすなる。舟にて行かへるよし。われもかうなど茂る。菊をあきなへる人の閑居には、茶園も所々にて、花園もうつろふ比成に、宇治の柴舟のしばし目を流すべき島山もなし。興聖寺、平等院につけても、詞をのこすばかり也。護國寺、御堂新たにして緣樹陰を重サぬ。町並きら〓〓し。かけ作リ吉野に似て、一目千本の雪の明ぼのも思ひやらるゝにや。爰も流れなくて口おし、筏さす人にあたら櫻のちりかゝれかし。深川の洲崎は、東南に圻て、安房、上總の山々を風帆につみ上たり。池上の塔に增上寺の茂みを列ねて、海原を彩どりたる形容、杜詩、韓文をあざめり。かの住吉をうつし奉る佃島もむかへども、岸の姫松のすくなきに、そり橋のたゆみおかしからず。須磨の蜑の汐やく煙ほのめかして、公家達のたゝずませ給ふ御けしき、おさ〓〓似もよらず。宰府はあがめ奉る名のみして、染川の色に合羽ほしわたし、思河のよるべに芥を埋む。都府樓、觀音寺、唐繪といはんに、四ツ目の鐘の裸なる、報恩寺の甍の白地なるぞ、町繪の屏風立らんやう也。木立うすく梅紅葉せず、三月の末の藤にすがりて、回廊に莚をまふくるばかり野には心もとまらずと、一ツ〓〓に疵物にしたり。無疵の名作は快霽の富士にこそ、三千世界をからげたりしといへるに、我もまけじとて、天に孕める地なれば、三藏法師の渡りしはて迄も、見るに聞に心の止り、目を驚かす、蓬萊の山とこそは承りぬ。しかしながら世に劣らじと、勝槩の奇絕をつくされたる分限の殿つくりのうち、表はいらかにし茅にして、遠石兩工の物數奇をふるはせ給ふ庭山、細川どのゝ國石、土佐殿の良材、島津殿の蘇鐵家々領分名木をあつめ、異禽靈獸をかひはなちて、靈臺靈沼の樂み、皷吹の聲外へもれず。仙臺のとのゝ秣刈り、加賀殿の掃除の者、大路にせばまりてかぞへも盡さず。緣をもとめてかの山を見るに、三日粮をつゝむに見殘すかたのみ也。千丈の瀧の白玉落しかけて、辛崎の松に禿倉祝はれたる所、松島、鹽釜なる姿、霞がくれの寺蚶滿珠寺をこゝに寄たり。香爐峯の雪とこしなへに、白い鷲を千羽かはれたる汀、廬山の雨を灯籠一ツにてもてなす處、杉ばかりの端山をば老曾の森と見はやしぬ、白鶴丹頂の毛こぼして、百梅に飛かはしたる砌、竹林の虎をつなげる窟もあり。是はむかし虎の生皮をうへて、珊瑚の瞳を入たり。金の爪をといで、うづくまるかたはらには、孔雀のひな字したるが、芭蕉のかげに啼あり。櫻五百本、紅葉五百本、左右に錦の春秋をあらそふ。馬場あり。樗の雲にそびへたる陰に、埒ゆひたてゝある所、犬追物し給へるあととかや。くちなしの爐次はこままやかに、木幡の山に心つけられたる物也かし。桐島の千入なる染井の山、立水臥水の〓き流れ晝夜をすてず。これかの島好み給ふ公也けり。南天の冬庭あられふりしけり。木賊ばかりの庭、月のみがゝれ出るにめでたり。知行とる菊作り吹上にたてり。牡丹の媒と成、蘭の奴となのるもの京よりめしぬ。鷄鷄の扶持とる辻番、釋しれる犬飼、玉川の螢をあつめ、野火とめの虫ゑらみ、根合艸合折しりがほに、玉箒眞砂をならしぬ。貝敷る道雨にされて、月と霜との光をかすめ、瓦を疊める所、露しげく苔ふかふして、昔を忍ぶ亂草を拂つて、蛙樂を愛する隱居、舟さし習ふ女中まで、湖水にうかぶ粧ひを餝れり。大井の逍遙、志賀の山ぶみしつ、日も夜をふかめては松明して尾上に行通ふ。樓閣雲の底につらなり、轟鳴、谷に答ふ。牛を愛して紅キの手綱を引はえ、羊を興じては明道のカブリモノ(十七巾をまねぶ。居士衣に錫を鳴して、白兎の玉を躍らしめ、黄鸝の柱をゆるめたり。名鷹に獵をもよほし、奇犬類柑文集二五、
飯をほとばし、路の鈴の音たえず。り。校法師、かはして、たし、あらず。〓水、御茶に献ぜられてより、世人水屋敷といへり。己がまゝ也。に山家を守らせたり。らば何方へなりとも御供申いはん。ぬ唐土になどや心ゆかん。つくして、笑はるゝ梟、脛をしろめて塘に登れば、隱元、凩のしらべをかはせば、蘇門の鸞鳳をまねくに、馬蹄に胡蝶しづか也。類車馬かまびすからぬこそ、柴の箸とり揃へて、高閑の〓莚にうそぶける跡、柑かなしまるゝ猿のみさけびて、山關にねざめする男、文八重葎をのづから鄙の住居をやつし、集三都の賦にも聞へわたらず、尺八、洞庭西湖に生れたらんやう也、つくばやまのあまねきおほんめぐみの陰、林學士に硯を設ごとし、椎の葉の情に耽り、一節の名だゝる沙門、柳のしだれたる所がらにして、竹の編戶にまろうどを名のらせ、頴川に手あらひし人、憎るゝ蠅なく、心越禪師の記、菓樹心のまゝにもぎとり、御僧の納め給ふ御經にも、季吟に花のもとの和らぎを求めたり。春耕し秋おさむる業、高欄ゆするばかりに吹ならして、きたなまるゝ虱なし。から人のうたふを扇にうつし、道榮、養老にわかやげる形もよそならずや。玄龍がたしなめる額、笠に杖に〓水をむすぶよすがならし。說のこされていべし。武門の大家にたてこめたる名所、瓜田に沓をゆるして、かきつばたさきみだれたる澤邊には五十三次の羇粮をまうけ、二五二こゝに長安一日の花を見山の鹿必ず來た琴、拳といふ酒のみ今めかしきにも所望な見琵琶の撿蹄をひ此起ふし驛(3)名水おかと莢雞さ琴足正腹パ類め漉月ら宗塗垂のうしろに一株高しすの半頭柑よ〓〓との文二臼がか師にはじるほやとや集にした尼柳本に匠ね使とろの兩まに力駕錢國をてゆて砧枝北文二臼がか師に集たの兩ま力駕車錢國をるてゆて砧枝は待か甜を籠橋袖びをの蚊とでぬしてと窓てゆて砧一章下籠のにもわら流タさ八もは豆そきおめされぬるぞらら中さらしら人ぐ重ふ益むれ飛へ行吹物迄迹をれ葎雪田るて晋百嵐二五三子里雪子里雪子里雪子里雪
柑類文集御用木薄は月業平の北窓後園ニ四ツの番町朱の子とやはし て花ひと り瘤のそだ引粥に洗河ひ鼻墮て股を穴藏上のの朝ゐもい乳母と見月とて舌ちう風麥蕎にきは名またあかまふるき物狂亭ひ住千へ蛸引手に孝先を比近横は紗金のさ手る\せ沉香も紺屋はと柑集文類一の暗日氷原顏こよ鼻紙袋をのら主下ぎとにえ乳の房あらた人つの衾のふの花はもろく本あに影にをに住居へびし橋烟早るはふ大もかも仔乘りしらに老の二し出てやのの<乘さ人原ふずにしぞ番のかすね何つゝ柏名掛えののる居知をれこなろし淋と渠ぢうらぼかのもぎお花さそ待の初る西瓜しむらす雞し命はがふらきるららあるやざれふ立名汐ま山吹るゝ鉢扣かなさよ中山れて鹽梅くさ虫むと橋本衣墨<めやる巴也りぶかり衣し牛蝸待角力にで哉堤里潘二番二三五亭東川里子雪子里雪子雪里子雪里子雪里子雪里子里雪子里雪
類柑集文川音柿藪の阿此馬川紅葉狩鬼煑入もをシか命此空齋回船額はいて山一是かへる鴈俊坊乘の九の腹切せな近年葉稻足毛の人をむれしども關はなし鳰て鷄のはうれくなヰ畫に着るもウく下モ四五間はや盞はつのも類柑文集か難にのぬでのは鶉い吼わたもるたびはら薄茶色稽古風の迦葉銀へ曲にをのら分見のか五ゝる碁盤のの目かへりにの腹ヘせよかせて夢ツとりは集歟もか戶らしかし笑もか書ヘて終送のり末が寢に衣月るに鳴かひもの空な戀るの心のこり落淚は朝北條殿のぶれやしうゐすにはらはねどすも也人子いば水郞もかあぬ柴の戶たの笑きもふ放のほ大とはて紋ぬご加にや上た兵りるう御い客なり止び遙山てす酒す般り木爪鮮な膝き茂の嗅れそよヽさ普施はけづの定な蜑小はき千すと春は盜停ア若か夾'にのれの頰犬てぐか民り月て露き舟し萬も風花人止レ粥も子虹者やし上切晋曉野二三六二五七東徑川子亭川東徑子亭川子徑亭東川子徑亭東川子亭白徑川東子白徑
類柑文集晝ねして夢をはかゞ製札つぐと唐茶干たしかや中花生捨人仲御松前に白乾のかひな硯村山女聃耳タチの後はいたむと三蒐牛ウ氷子の筏鴈の鱸盛日氣つく內類柑文集法づのぬ小來中木柱のの三田山庄にて萩風にのののるがをまの袖影をを〓〓寢糞ニエむみ料墨世ま進稱荷い莚<も馳面車御遊とぬこぱつ間まひしに漆理打をたででとらをと交フモ走のは傘る春夜壇ののははもものせぐのうとび三六七のはすそりあ踏しもた千ぱと物を春昏ぬきねるてしう十八ら夜る社殿てふ折卵ぼきごる申か詠花疊る〓帙るのう代のたのの月江ヽのろのかり五にな樣にび忍橋につも尋ね十る肩に板萩せへり鍔も松の朝うのさず〓〓藤く戶山賀け六らすか染け六入に新盡かしみへ口並ま町颪はり句でるね物嵐しり夜て間汗參しぜ常貞入靑功晋三五九松流役悠子佐流役松子佐流子悠松佐悠役佐松流悠子白子亭三六八
月冠附子也下とされ次第いひよらんか手卵相ウ箱待城百莖に笠は小晝箸の野聖氷凝うど初大角頭巾木住しなへ胡麻鉦籠ともはに拾るヽ子はおぼつ乾鹿類柑集文類柑集文狐所の者たに塔應を月は人間友侍酌對濟寅內具も鹽のの事のおにしく入算盤ぞし道の鈴木にひら障に子六つうあらしの仰ケは尾ののひと推をの干んをや主人山のへだつにたとめ相手馬場ヘのに白〓つとたかヘ須磨近いろ袖つ土堤も灯四章下もまかきは院けゆ尾る雲身のかヘをてて躍はしのい鶉りの寢く敲ものねばか用光てある跡は艫の松もならたやかさ栖はあら菊切のる絶へはる行のか右衞にさる\勞苦を、し霜小に手つしがなどるための申石せも室のゑりた二る隱かたまる杜りを音なのしかなやるめき浮世臺の心なも殿町友きせ紙屑た門ヽて便卷哉事華物居若瀧は所し虎艶風晋格三六、三六〇葉子士枝等士葉子枝等士葉子枝役子悠流佐松流悠役松佐子役
類柑文集たが子喰分一孕み稻帶はにさむもこ白鳥た觀音何つう入川白震地こ布調のこれ穗は待と足驛長けん押賣柑金たほつはて蜘手め待繩ほくうけ櫛をかさ引飴ぶあ漸十の家老花をに屋納のそひろにつう新疊親のれまに來る人に驗氣を慮せら「伽關鐵肌柑類集文を口れににねかるへ見たをかり多勢をが中子算齒のの駄はが會く祇のぬ高のいな是も枕をのや月太の刀杣山のる月のもぬあ柴も\印投籠やよ衣にたかかす式の付にわ園守す指むぬも小根深の岡を苧にわら仕切氷もか石尊をすへ默人阿の彌鬼相のも色出に木形切くかつの山きげかは夏おも船んゆす夢は蒟らへかざり索ナ、京り中のせき門のぬ見詫二えぬぶすさららん柱るよもぎ酒たのまり廻重てる松にのはぼまろ屋者のか雪ねばるつ若なぐつたきてかの〓成袖のつふうし舟水にの火打の水勝月しら也芝ヽ面雨繪て着鎌に談てむ颪り蒻竈婆れふ二六三二三三穹葉士子枝答子葉士枝答子葉士答枝士子等枝子士葉等枝葉答士子枝
月花しもらじ鞨皷來出の一開乙野今捨て禿か衣仕ら子せると枕潘表具屋の竹一目にたちて八日宵廻伏り屋にを類集文柑東た袋髮闢今女二鼠かくさし樽の角文字たつ帆野花の鯉札心兵類集文柑らもに道海が繪のはきによ情ぞ子が醉日頤のすむふにれ俵はをよ染ご\たち屁を折科頭に背けて、閨中の閑をしる。見てつに杉の卿部に盃具のも傘に三ば床むるろ珠數さくらばくんもとね雀雲り約先にいをてと小ふ中の夢いすぶ寅鉦のつ質屋からた身む〓河らしも森むさし羽跡はのなたつき泪明か日は間のにる橋やくよ葉艸元の時鷄のにに遣得てな重に一や聞ふし外すら花人商ぼ〓たに籃のの雪にふあたはかう名ふるのうさも雪性は蜊蒲く郭したて來て歷十嗅口五のはと先の山のかなるし晴て關の色のくがら大大中のつむ夜三隙の結杭るヽぶよ闇月藤のかげむな粕の全甫堤嵐新朝百晋二六五亭雪子盛里眞雪阿叟亭盛里子眞阿盛亭雪眞叟里子子葉等枝士葉二六四
旗君あ抹猿に月行ぬけてどもりぬけたる柴屋町屋藤た雪隼物船頭のけんくわは霞むちうぐ ひす亭風く餅か文よ彌土形黃蘖棚長べ田消類柑集文類柑文集の白がその香六汀舍祭書捨約る萬世のさえづり、鵬唇を轉じ、黄舌をひるがへす。松主のを波に手くどば丸をみドもてに人治のたご仕藏も舟三をのはけぬなん ひん餅を忍ぶらんつが疝て見し束にこの胴病人た相の側れ.ぬみを臭うを秋覺束ま人日乳に卯月てかの氣へつるあやの芥酢子は淚かな塵六章下をと伴に鳥握お磨つかのばもむにのぬた間み名つ見つをてのりぽてなくよけゞごいなし手し判老や笠まで殘くて靑天待前林出え足ばへ官もそのてたらればれ拭か峰のあく鯛道髮はすしを一か〓り牛の樂ぬのに物のうにしてるしはの成を晝つ我戴を玉通〓ヶ配ちめ竈小脫月ら梅哉花蟬寺切休や昔<泣買路口所干ス便躰申又周走沾應晋三六六三六七東齊德三子子叟盛里叟眞雪亭子盛叟雪亭里阿眞盛子雪叟眞里
あ首と鶤丸タ顏鐵はつ午にのれんの狐目だい靈鳴千鳥夜衣は一間ほ密法臺の瓜こひせぬかたへころ〓〓とこれらの事おかしき、なき世語也。か神垣の後に時ならぬ菌生出たり。是に納受の力を得て、奉納の三句を扉に書。此句につけて物語あり。中御靈に淺野稻荷とて、代々の鎭守あり。子葉、東行の時祈願のために參詣せしに、神こと〓類柑文集の目三茶翠床座桶つま棚鐘山御前は海と無類文柑集鳥黑つて首にかひあ里の苑の簾を頭にのるへは小のら山垣ま地のををさ野馬ち屋德のやりへば畠のぬしも神にに尻をかの病人今こ足ぬかふび肩心おす老ろ袴やめ出踏かをにぞ月幸は太たおしを越けはちへ鼓ふへろくはしをう出あて茸で染とらげへらずの穗ぬにしわに鳴にてては狂ぬま泰て古桂秋參是殘成す親光言千てかおるるて平宿せ〓てこやのの人ぞし鑰類丈松詣氷頭鱠忘念やるの花意ろばる此も男氣をのの上れをはな大追つの踊のの印肥りふ物の出のの月袖〓水打し顏鰆分也市手音月し籠やに成笠す秋蔦堤子貞二六九二六八亭齊德子佐德子三洲亭子佐三齊德亭洲德佐洲齊葉子三佐
終灸すゑてちるうどあしたにちる花はみなき跡もなほ鹽梅の案內のその手はくは信濃者京にまじりて夢ぞ金の珠數三尺繩にか捨文も江戶塀枝葉身の關を越て曾我どの和つ氷神四季咲は牛もくはずやかき八ぬしやたれ素鎗の松寒き旅人八その骨の名は空にあるひばり哉類柑文集に君臣の鹽梅をしれる人はたれ、子葉、春帆、竹乎也。類柑文集の橋橋んげの尙る雨と父病死、みづから元服すと聞て、岡野九十郞放水、はじめて東へ下、八はしの處を問て。といへりとかや。人々其橋の句を題して追善とす。つばたあやめも其夜月明りりやにま引のべ一君汐墓では朽ても花や名とり川いのの惟ゝ宮もわら屋も彼岸哉とと八を名に名も橫雲な男にき音子のゆめやの ゆかりやかきつばた殘の霜のひかり哉べをの橋め角りもぬ手をうき時のり外匂ぐな彼腹いてふつるし岸ヘ蕗にかきのな芽ぬ花けでかきつばたつ澤邊足ぼや梅也と くのさくら 哉獨活柳みま又さくら哉み春つばたのかだけのか漉く下か太杜若の露な也哉り雪くし破も豆な郞草沾仙止紆宜沾專朝菜昌灌春午周沾貞杏二七〇二七一葉芝倭角雨德亭佐洲三德子洲花貢木吟船寂東洲佐林叟
仁右衞門か人置を日を稽古にて荷は先琵琶のねも身よりの鷹の一夜にて恐やりて衆は魔佛踏潰ツす家を羽梅で寒鳥をもだかの鎗引を也かきつばた井かかほよ花一株づヽ八はし君憎松しづかに くヘばまんあたふた何廣袖雨丸其類柑文集の戶き類柑文集ワ春帆最期覺三月四日、追善、沾德會。子葉末期滿座一炷香拜なま風のの太のむ茶屋有もべし死出の山の二ツつさ遠くの雪う調踏身はむらしる未二月四日の花ぞむかしの金右衞門きへまこをばれ子む慮はた壁とな見の八た鷄しにさつにるに行かせ橋さのののと立で當鹽がらへ一もばめててあのぞ結んたやり如脇の目と名なのこがか馬差出にもかぢるにに笑ゝは煑みる句明くう女ぬに宿も狹づれにふる角雪行春込さ献勝後にに郞花海煎あら頻かの衞哉の力ほ立開日寄音士餅哉てりん冬入花霜足哉沽晋堵角凍橫沾晋午晋入角琴楓ニ·ロニニ·エニ德子岩吁雲几德子寂子松吁風子
手トた材の兎に捕もの瘦たう てみそさゞ楢湯左衞門谷のに〓よ武士り千さ葛ウの葉父伯公キのの撫しうらわかみ鳥入山差同ましこ類柑集文蘇とをゆ麩のあつこ余そ無の常月小他手月圖類柑文集待乳山あかつき越て、夕こへて、いほ崎の家居にかへのるれににれ驚川じるを、朝鐵や板やわぶ筋れのそつあふみ尋にねいつかあづからんが艸ぬかく子に方の親は闇なれやへら名にゝこ雨夜ぞばつなもくにいをのが翅はあえ楢嵐霜とすせらに堂万兩一都ばかてし楫につ法萬里爰はに葉枯に引霜りよけ章三にるのさははそた古にてひ成すんれ倫痺杉下之三吟ののる翠脇·着やゞ衿たきふ老へ匂君とざ南禪てれ呼子鳥冶はかを簾し壽きを馴て聞まそのぼる味らののふ噌實のふもし寺郞ぬは灰のな見いば世る腹さ行衞埋心がのよ双花盛う均僧はるた杖のでれの火和國汗り六とし正れ墨りに中也音問て色哉琴晋昌二·五風貢子風貢子風貢風子貢風子貢風子貢風子貢風子貢風子貢二七街
類柑集文花ぶ鏡內儀やら何やらしれぬ初あらし柿さゞ曉かふ鯲信心う待空ウは足の大指をつ河豚の遠慮物裁牛木玉籠髭にあふは あふひなりけり寐てかと へはちすにさそふ朝朗雪間をわ花はこみ臺ながら人氣ちがか舟下ヨ願に主螽蓋飯類柑文集さを押小路物にぞを波のみものつのはうより木挽にいさみたわらせてしのばすの池亭三のな臥もひれにぬのつ祈や箭草げけすなの加賀に傳は皺つのざんない所ほころびては穗し目しけ面目薪るに餅はき戾されいくたり一らつはに色いろ年きに蓮八章下てににに1出天に搦ににきて持分や變御窓手行ちお懸ひ木け紫り蘇藍剛屋がの文じのや皮河ろ津ほ蠟力に落下付王て衆番かう月は水のツと五る切羽拔てのふれくのはと釣むなせのがるなゞのりがらづ寒邪吸本な臥鉋の枝て髭汗月るけ園狐飛んき、し魔物骨り烏座屑月道醬沾堤百甫晋二·六二·七洲子里亭盛子里洲亭盛子里洲亭里盛子子風貢子風貢子風貢子
うウ伏月のうかよ齒友墨山寺スパ〓〓と甜からせたる星か火か融風そ過藪ほ二雁駈箸灯さ元服に金涅り類柑文集類文柑集らそ寐く山本りの繫ぞ流家來を↓子問屋ちの葛籠男はふに涅クもし戀二折、旅一折、歌しのかうをふる縮はわたくかしにをとま紅狂かくして居喜やにげなき年を像にのるのてのな檜希でふ見くなや落う鴈み早ら鍼る椹らたね有り扇を八城人首きてさひ立島九章下水木通ヘたなさひ君人はにつ竹くは爪に打に寒のいす水る病めろが天な橋うるにやみふへりのほとぎヽす方し↓臭酒もくなのれば霜の戀しかヘかの花のの戶成にに口請を鴫ぬ月てはこ狗天たわ藏北でのつ詠を椒私いりい轟袖のるほ古鹽け入取ををが津す坐む山れ語菊也指て笠丸子り道竈り相て則持る風膳敷く越ば皮專晋秋三·八二·九色吟子色吟子色筆洲亭盛子里洲亭盛子洲里亭盛洲里子亭盛
涎はづかやし此かち折をしたてゝ薗生の竹のすはうりと類柑集文上うぐすひ心にの駒の請義大あ山の見烏タひたま〓〓松盆九近道へす波はせよ殘月しのぶの居風漕はれな住不かちヽめやく馬に嗅す白ちりたれ抱にせすんふまさ天筑摩水のか御三類柑文集下の浦てしじ逗に佛のに小呂を身兵のみ山ゞ齒い迷ふ枕え河のの出はらと四條所者の近し御本いさのりふはあ味玉留中記日め申ゝせばてもらう遣ひだみ軒のはて衞から見せ花にぬに瀨に祭世なをながおぼい陣ま戶江弟子をも十をの貳百れ仙鱸に蚊をの時枝楊猫よ靜もるヽ物化はにりよ草の履取長と畫をて同らろ朝はざ花でにな一ッなを噌にほし佛揖まない足袋文わ臺の覗かしら語をめ菓るも半にもうし月のぬ不繪じくし櫻にい小ぐのくた繪符れぬ出せ子袋狂合の首り和帷產とり鯛折山き菜さノらすて舟し<言點色尾笠成子月二八〇二八一吟色子吟色子吟色子吟色子吟色子吟色子吟子色吟子色吟子色吟子
い宵ふ足弱にあふり石錦さ竹びを泥か達いかれば草手上履の三春梅舟出しす熊本すお立見ぬとくさ艫板によ坊めぬ主すぬをみこ卅な日る髪袋のを風野宮の畠月鵙のお間使小をた水芍歌類柑文集文類柑集さヽの月たりた山の帳摩輪のは此ほこて花小鳴ののはるはヽに疋百二づのたのに度万家のもにがう雲に藥ぼ島るか家賃乞方四あ打手をへらる〓身帽烏る鑰はおぼにすふ出らし背瓦の奉行の龍虎立にろびてのこり露かもゞ折敷きぬぞれわからのゝ米虫はをりよ篦ヘ)は浩らしさ掌戶合樋岩たん先魚松食ながかりの秋答と思は子本性鐘にろ鶴も雪て灯干サ土めだましら泊らて前帶手拍段切にや冠く濱燒けさ\何のふりさ茶屋へやは然のかびよ金千へ糸のもに口光よりら張フひでの新のるくぬ道んもとを木のの因ば早るらをれ紅さも簾る艸舞聲參朝〓らせ癖も踏門傳月鞘乘、緣き速也露し積て粉し寸園晋馬万掃二八三楚尾非黑橋子尾橋黑楚子尾橋黑楚非尾橋子黑橋尾黑子尾橋子黑橋尾二八二
忍竹ウ近風になびくもらひ欠あをの面に鳴幼た一安部川雪は花赤人の手にを來ヨ呑て、料の煙をきざむ三月鷹と大砂筆鷭匂タ海朝所也。季吟抄にはのせられず。愚案、此草紙にすべて此山の富士長篇、枕草紙、古本二、海は鳴澤の海と有。八海のその類柑集文おもひにもゆる胸は三ツどばと松澤事なし。書寫、鳴海の海の誤にや。少れ宮類柑文集け行惜蒼ひ日松鮮夜とや打れとで家々の名所章下しりりもやなあにを人迄筑の茄てきあみ松心鷺に隱にらか十の幾から流ひもはわの反子御翁な原剪双元ざんほ五たこ波てれ綿帽やさ遠狩のま禪す天ど吐をる夜ケら〓にねたてそぴくの奇る師袖のくば錦床勝浮子時菊半村ふはろ三れた月さの艸花も橋尺るあし鮗む橋穗階がるのはのゞ衣のご日立長ばばお太が雨ふ道かる酌取の皷に〓の初稻吹見友めが燒ろ三奧の腹ュ具リり鴫罸共待り酒る戀庇上ず閑きへ餅も里平貝鼓孚格其來晋其二八九二八両枝裔子枝裔幄示子兄示幄裔子兄枝幄示子裔黑子尾黑非橋
小普請の鬼待にる蒐鼻二橋ト虹瀨木犀は肩うわが四堯瓦斗もら入あひ野汐ノ時は神奈川の岩粟グッ蚊目の百類柑文集類柑文集一みせしに。晋子門送りの盃をとりて所望。逢奉り、此說をとく古〓にしらせばやと、いそぐ心の駒ゑら繼目の御禮として、なみ〓〓の下官羽塞を出、時の宜しきに孝なき見しと落も車を穗こ方の坊ひ分坂にらく本すや下疊目主にせ見りりに雨はふ來りト己組にンたふる部南歲二の雪ぬもにふこもの北あなおそ院る石もしをおし〓梁やに腰よ袈の水の藤てみ槌つふにかはひかむ湯装明子くより柑見にのうのは鈎もゝ至ゝ倉山の茂庵で分の百五に妙白野裾をかしにして百日も持と名も子に有ん摺雲鉢待をろし亭に六月扇すぬ鹿子そ晴るや極松〓ハタ〓〓の二牛明松十あの夜はヽ睡わは粒後花ら酒のやをの上捨舍り半風虎のたのれづのんの今の閼田見のの衣キに物五み藻岩葉り穴てゝ月め宿に代伽子晴舌鴈て褌語段日笠分紫沾晋其二八七雫洲紅雫子紅洲子雫兄枝幄子裔示幄枝子兄示裔兄幄枝示子三八六
錫手八十島のもくめ撫を一葉づ鐵炮瓶釣かにけふる伊勢鞍が途三かに爰にむの坐敷しつら猿宿龍臺にたつもの臥紅粉色のほ花松鷹鹿五に早つゐ通りこ藻う舟がなぬ化さう枕ながな狐檜否今惟幕の指力梟類文柑集類柑文集引がにの明追糟壁のすく迄と引付らる。檀泉と道くさして、に光の御の出雄飯大ぐ蒲團にだみ兎のゝ弓はにたゐ尾ぶり袈装にかづ原の棚熊に出なこ影の遊の色ちう褒のゆびとも苑花を頭ひ蜑泣れをはとはやゝやひもこ辛夷拱のひ聟に行は餅のに美しとへのこ人と手千守をみのるざきられづいタ上みもる1隱御哀や八氣仕んり嗅ばもら前門ろてび諸白見て沖はかの諧誹うをたばこ行てみの網代守ゝりど玉むふあつゞら折居代春しの秋ろ始步とろの觀給りの松ら十らたの賀丸習けの日をか石のをくマりの見影音ふ子露茸し月れ錐顏へに物影吸な舟水月とル書交晋甘二八九子紅子雫洲雫紅雫洲紅雫子洲雫子紅雫洲子已紅雫洲子雫紅洲子二八八
蜻象穴門初鶴雁小車にいづく とりま鴪タかもじぞと揃ねぬれた目に段ほウの〓〓と 腹にたまぬら石明潟目影にわ床の間に熨斗は置れて子のものしりが椰子ほがしる茶く素建から月にはさはる角家にて七御溝葉に恐れながら蜒潟二遠菊の間をや類柑文集檀泉庖丁しけるに、類柑文集一葦のよる所、秋天万里、千帆漕もどす事かたし。木葉に詩文など書て流したり。おもふ人の末にて、と一とせ巡領に供せられて色日汐ゝ.子鳩も百りて見れば、里なつがしき事をしれと也。里やののののし松見ばあら足居日岩おし先を觜く月づかなつぬにえたををこ一とはくらてらつられくめす暖ねりナニ章下てり削酒もかやれ辨當も神あへげたる蕗の皮ぬは蜘申簾らる肭櫂迄とか拾聲わ樂おて我は雪得ふのばせな數ふやかる袖や絶り肚臍强に江はおの晝に蔦か觸袋にる公いまだう忍來のこま都てさぶ衞島露のてし耳の舟風戶肴樣鶴哉ねつらる側そひ也呼し艸其紫沾檀專幸艶晋竹二九〇二九一紅泉同紅雫雫紅洲泉士吟子意吟輪士子意吟輪士子意
雉白無垢は入札の若一氣霽ては船お留を守壺兎皷淺ましよび鈴子し大秋つ洗一次の身たにはこヘ柑類集文たうにたの竈てを鵜に大撫猫沉の笠かむのれち物重賴す4いほりの八十毒後のな風呂れれつなし麥蕎や類柑文集鋸か生れぐ尾にでしな子ものあの流吐しとま遊女ばさのき鼻奉書はのりてて禁野かた野町反しばの菜つを枝漕をばやせ襟か二えゆてめばかりせたる衆んさらぬ天羽の光るくらをこさがのら靱に入ぞさそす岩城が名はき團子御膝に茶臼さ游を魂香た綾は諸行無手合へ初茸程とい袖に花也がて文が冬ぐ卷袖を宮に神鳴めれ智五參て萩ふのえ作りもかゝればのぐ花をのお常も太皷樓月にけぬ線蘿匐て摺の其物が向五守岡にたのりの月ぬ泣つるさ亂拍すの雨馬曲るうまいれの合がの出び假た染の送つ〓五ツ衣るのベ金ののゝへゝふて山升婆風す衣葺り革友火け也者子水雲り札足尻二六三子輪意士子輪士吟輪意吟士意子吟輪子士輪意士吟意子輪士吟輪意子二六二
達醫師の口からはいはぬことなり。衾をあたゝむるこそ、揚家の獨にも劣らじとて、詩人は賑、文人は鰹とたて分りて、九夏三冬の親炙、近來の上はさしたる成べし。三平二滿にして、けうとき口もとしたるを、虎御前とはいかに、西施乳に比して、雪の夜の三弄翁の食鑑に、鱇〓布久と訓ず。古は布久附とかや云り。腹脹して怒り、波の上にた〓よふ形を、ふくべとウ有明〓汁鐵炮茶の湯にはまだとら段ちると入ル後のあけぼ名渡物鎗籠穴倉.へ大熊坂お切戶はら髪ゆひの帶にほどけた鐘類柑文集すじに佛の鼻とく了喜菴の會饗、冬枯の榎、樣の木の嵐のひまに、曉笠亭の若者れ持方の連衆は手樽にふせきぬ。亭坊の腹立は醒てあとなくや。の謀叛などすゝむるは、閑居不善の色敵とよ晋子に塞れ、を集め、夕闇の灯火遠うして、すがゝき引もきらず聞ゆ。例類柑文集に根はもづはの篇のとばにでにのやぬくひ舟木それつりやふか梓在五米るにもる外\うるぞのつに末買なのふもえよ人車をとにそ八なヘお中將てじ老ずしに丁とひくとほ とゝぎすると西はあへた煮やかかゞ女百のいら着ば若水る吐さ田て初尾花とき假くぬ也ののへ到匂殿安こ狹く榛ば血めの玉のれまや一〓汁瓢汁はけへの入何らのえ三しあむせくて片ら濟り盞川也束き木に代てぜし貞晋沾檀同晋丈指二元/二六五佐子泉松洲子雀洲佐泉子松泉佐松子洲泉子
う初〓後先,皮矢倉には憎い面あり御曼陀羅か釣の魚蓋をた〓いて舌昨今にのこることばのなかりけり俤是や投頭巾とかつばめ にてふ に勝手はた らく駕籠のいやがる生れそ こなひ門悠杵もひびきもしぶ〓〓大階穢おもひ類柑集文ちのかは足類柑文集了喜庵に醉吟たり。中〓〓似るべくもなし。予其氣質の禀タルひとしからざ冠里公の奇品として、晋子古ル筆を嚙で、六種の一ツをまねたる事をしる。今年ことに病僧と成て、見たてから澁し。柿やをで然三け子か多にま月ヘが撫けの身從汐みぼおしとる挺ぶたに美の濃樣よし崎雨のゐるぐいて晴にてさやヽれ とてしも二百兩へて心にりつをふ外繪のこわにらにな笑いる花蘆はもへ醫のるくば見る鱇六に兩れ師我さのもふふや秋もに四方郞べのしれのいよののしる香くは遣契河左ふならくカ殘と屯手着土か定小春を山柿ひあ豚の衞コるこりの心鑵きの人俵物り汁花門ウ月そ引喰君に子鱠屋山晋東休和尙自讃其五丈其二九七三六六子潮幄出松松洲幄子泉佐洲幄松泉幄松佐子洲佐松泉
ウ瘰水達摩寺に思朽ひたる蛸なん腹どたつ水增は宮古雲の小表具の春タの貝燒海山の心鼻紙はもらひ千歲に膳の手すのか春世を辻にやす藕鰯有類文柑集豆をはくう桐惜かは江戶一く仙ふ大御ねらひ女中奈良をつ禰宜かなかう間五遠見いひもく癧のむかのの明類柑文集みわ淵瀨る者はだり膠のいご秘のも月にに軍ぬつゞあも笠にふますうより鐘のとが庵を伊勢ても付ケ祭藏のそれに任せたり著成にのうすさるべを干と めて雪花とひにられば刷の詠とつかひきにりてらたさずぬふの〓紫に舟につきかなのめ西城詩火も賃色の訴な利き、しやす負ヲひ蝶て〓れ越灯狀る素雨合歡き岡まゝは毛くの日けのののににのはをるば腕へ月聞あや名のてみればぬりるをゆら木時の塗枕う口梅辛ほじ催味切惜の白えさ袍どをのか帆〓シ涕あヽし綿雨廻きものいめまし噌搗み秋しる氷尤り取木や柱ひ巫ふつ坊るるはりと花顏きるて太双靑二六八二·九九岱潮子魚峨岱子魚潮峨岱潮魚子峨岱潮魚子岱峨潮岱魚峨子潮岱魚峨
ウ龍尿瓶の月推參假皿名拍子木に左右をやつてくれはとり瓢け內々通講お湯桶ま花原秋風や目には枕のけ飛迷ひひみほ羊.田上凡張漁鉢中將蒔類柑文集類柑文集まふの傀ク儡女を辭中に田法物鳥子ろつを姫蠟手の父に金杉のはしにうち出の濱、大津馬、松本の牛も休めり。にの繪でが來にぶのもをて次度に井とひくた背かに延ま駒ら座數瘧已金紅泊り買し浦にそノで物相郞にヽをけ入喜いのり榮八はふこはがさやか名のをし口く鏝ばの場もなかりけり長天つ蹴の各のと己封定中節もよぶヘ遠く飯も袖はたて曆たあな夢を切め腫皺で蜀安別句れぬぞ木綿放タか百世はにたゝまれ樣ぬ步るす皮撫黍の苔む潟澤げや夢ど花淋司悲すはげ人骨攣く酒火のての矮しの心ののしし夜着滄らろ一のぬずのの岡吹めし牢行眞鷄て風太春咲き原墓醉持竹き海へふ首露痛月横沾仙貞晋三〇〇三〇一鶴佐子几洲鶴佐子筆子魚峨几洲佐鶴子几洲子鶴佐几洲子几洲
〓柑文集切初雪のなぶられものに松屋他敷へ櫓なし名浮晝新月千鶴鹽の繩をほどけば俵守留股のしこりをいはぬ濃つ風屏好物おもふころは立こめて狹〓の血をし·ごくばかよ掃キま大空鯲類柑文集雲け舟とありしを、きさかたにて得たる名物也。繪合の一かた日記、昔今の一風流をさがす中に、あかつきの雲にかくれ行にして、それにくらぶるもの何ならんと、島〓〓うら〓〓のる物千金にもかへずとかや。澤庵の自畫に、月や流人のたすそ時雨哉、と佗たる句、今更の袖の時雨とばかり捨ことづて舟のあとなき波に、ながらふる者あり。島むろで茶を申すこをしたり。み漢家謫居の人は竹を畫て、世の中のうきふしを忘れ、馬を畫にてこゝろの散亂をしづめしを、雁のつてして、わが國に渡せののとしに灯の居役庭たを天竺あのし素山臺さかな求めに白島せむ鷹袍に引はる髮繪ゆのた朋遠方婆團に箭は織かこは坂へ流負と子垜かのいいふ1の舟玉せ篠は春つ雪しのふ水しに車もはがだゝのき分干惜花のりた扇月鉢のきのさま別る見四か着れら便潟むざに一ぬ蟷ツま次第ヘれたかのにベか相枕餞篩しつゝじ限ぎぐ入て生な坂てしりぐ別絹本て螂堤猶專大曉岩晋楓三〇三亭即吟町白翁子子子佐洲几佐子鶴佐几洲佐鶴子三〇二
ウつ雷も呑た花虹腰をう佛世深山木二ウをがの世をひ尾れ逆剃も順傳田箱根路四を階尺子の擲忍にぶはちど豆地りうたんのたヘにましぼる大指の血女河何水にき梁かたばこがと二中內占れ衆類文柑集類柑文集受中にこ蟹の藏も原禮のをかこたぬのるは枚を藤にか畫いつ子ほどあの末はももヘは筆づむかしく法の聲づの1ぞ鹽をかつ夜のいと土けいら士そに菰を狐や髓大る八庄宿見ゝの揚はみ鷺の袖るつよと稻荷手を傳せは辛迯挺にふ錦とへ藏にふるそらる農工けかかとはつのむとりよ齒のが目江つとも御緣づくずえをづおば泊んに商てれもにの寳あべるきかす戶看もふずら氷鮎すしれて白とつ吸るどう山吹さ配てねでつ年た水行ぶを經ぼむちが仕り月の樫の人こや物を暗閑のしゐ 〓〓はやく上り秋の菊に昇進に立つ寒きかし古評ののがらきし分姫下月守て松也鄉判隙傘ひみ人跡色形て嗅と蚤琴紫其岩曉大專其止楓晋反紫琴昌大昌專晋楓止琴紫曉反晋岩止堤昌三〇五三〇四町貢吟子子水風紅松梅子翁水亭貢風紅雫翁松町吟雫水子子梅紅風貢
う三ウちか百此側は重鶴なみの宵功吐ケと夢ばか袋母り那三智彌大陸放參こよそ目笛に也はけり鮫剝身掉し榮耀さ類柑文集五うすゆ見〓〓と雨奉年千相談場のの切者踏尾人釜洲ス栗ひ鹿や類柑文集人行里籠だのは黑生の地のゝにの待が疋三に盲はる罪なら鵜籠の獺に豆伊へ小ての山の花しみき廣あとはる人の御助扶を行機をおもなをぬめし產月やでくきしのふぽをさし鷄な見る筈ふま男取物は主いゆふのるし太丸あ房牛るはへいりし雨合 D何若とも此もツまごと見ゆ引と出る入ひあをるし賽ヘ藤をだひる顏いを日輪の乘の中な楓ろよ橋きし頰冷をばせ月形いろでぬき撫れ來らにる骨うのじ京に持にたあまりるはがい雪のりみるかう娘る屋でもば衆くの花岡なに小にうぐ朝邊腹來つ制のがろと蠣かな山え同蜆夜ののた葱脇これの機のののるんく札中足たぎは剝たき颪也道川着荒市向冬差そし露嫌畑張岩曉琴堤猶專楓晋昌大曉紫止堤岩琴猶專反止晋楓岩猶昌大專楓晋止三〇六三〇七梅水子子翁即貢町吟子子水翁松風亭即吟子子貢町松紅水亭翁風即吟
ウ奉名ひすうぐ聟入にの中ほのめかし類文柑集二六屁合に膝たかたわれうれつぐの帆には幣使あたまは角町のわ水下りから丁隙を囊からひ夜二と我宿の羽織六尺のまなたど晒ほすこしらへ拍子口に行列杖も坂つきはを鞘印むめのしづ咲花を睪丸かてでく しまあら れふる月か鮭にら結町屋ぶのおもひ出す和尙の三方底のう物腫苦冷酒がう提菩のみ神無袖月類文柑集に籠か對な北るなてすをつ鎗すの間の爪たをめたる古櫛笥ねかへ三尺の海老る何まもいられづ帋て日鴈とおの花中へ出て夜は乞灯よのそ竹襷かけか申せりば咳殘か大す雲にほとゝぎすはのぬらゆにらぐ三はくね手入てに便宜長だまかちヘす蚊やせにぬ目世友きのとたちをひうゆりにぬく向ばを秋峰食にて鯉其阿他の玉寸も前鳴眉かず尋よと石氣のづの作戶本のの鑷の朝ぬたづのあしかの相のなりより富士繰〃笹也朗るゞれ月乳り摺て首阿ら〓伴鞍し草鬼り子晋大琴堤曉止岩猶楓晋堤昌琴曉專楓昌琴大堤止猶岩曉琴專大昌猶楓三〇八三〇九子子町風亭松水翁即子子亭貢風松吟子貢風町亭水即翁松風吟町貢即
類柑鳥客文のも集改ま三一〇昌甘花旅元じ觸るて曲三水笠の山躰貢己右卷々文類の大意をわけて引合せ、精稿すべきを、風光に犯されしかば、寒暑、心煩らはしくて、雜篇一册に略し侍yo掌舒讀考の後、各其わたくしを、ゆるさるべきもの也。昔紙の卷物なりしを宗祇法師、長門の國にて尋出侍りて、つら〓〓よみ侍るに、なみだのしづくかはく時なし、とありし文義を感通せられしにや。そのまゝに外題にかきて、別に詞書をそへられたり。定家卿の御書に、宗祇の外題と代をかへながら、名物を揃へたるもたぐひなかるべし。元祿十五年壬午聖廟八年御忌。西行上人五百年忌。宗祇法師二百年忌。貞德翁五十年。霜月十五日懷舊の心をのべ侍る。帶解も花たちばなの昔哉晋子かの長頭丸のすがたにて、昇殿ありし昔をいへる句也。夢想を祝し侍る會盟の事につけて、才士、文人、筆を置ざるがごとし。其名高き人の年忌に廻り合するも、風俗おとろへず、飛梅のかろ〓〓敷、云出べきにあらずと、宗祇法師二百年忌。貞德翁五十年。ち松梅龜井戶千句奉納やあが發句、略之むる年も八百所晋子荒木田守武獨吟誹諧千句之の奧書右誹諧は、そのかみ獨吟千句立願ありけれど、うち紛れ、亦は成がたく過しけるも、空おそろしく、如何はせんの餘りに、御鬮を取べきに、一ならばもとより、二ならば誹諧の有增事にて、哀二おりよと念じければ二おりぬ有難さ限りなく、大かた千句は三日なれば、是はわづかに二日にもたらざらんに、思ひの外になが引、夜は覺がちに催し、庚申には二百韻にて五日につゞりぬ。其折ふしにや有けん。周桂かたへ、此道の式目いまだ見ず都にはいかゞと大かた尋しかば、式目は予こそ定むべけれ。定まる所を用べきのざれたる返事下り合せ、さらば此度ばかり心にまかせん、と所に云ならはせる俗言、私びれたる心詞、一句彷彿うつゝなき事のみなれど、あまたの中なれば、うすくこく打任せけり。扨はいかいとて、みだりにし笑はせんとばかりはいかゞ。花實を備へ、風流にして、しかも句正しく、さておかしくあらんやうに、と世々の好士のをしへなり。此千句はそれをもとぢめず、とく滿したき一念ばかりに、春秋二句結びたる所も有ぬべし。されども正風、雅人の耳にも入まじきに、聊も聞えんははからざる幸ならんや。其上、粉骨妙句なきにしもあらず。又さしあひも時代によるべきにや、しゐ三一一類柑文
類柑文三一二てなをさんも執心いかゞなり。然れば誹諧、何にてもなき跡なしごとゝ、好まざる方の言種なれど、何か又世中言ならんや。本連歌に露かはるべからず、大事也-本連歌兼載このみにて、心ものび他念なきとて、長座には必ず催し、庭鳥啼かうつほになると夢を見せ、聟入に一橋をわたり、宗碩は文かよはしの自讃に、入相のかね腰にさし、宗鑑より度々發句など下し侍り。近くは宗牧一二度忘れがたく、こゝらをたよりにて思ひよる事侍る也。追加五十韵おほけれど、祇公三島にて千句二折を思ひ出る物ならし。さて古來まれなる獨吟千句成就。松の葉の正木のかつら目出度や侍らん。これは勢州山田の住、反朱子がもとに、右の眞蹟あるを涼苑齋をして、聊たがはす、寫し得たるまゝ也。右の眞蹟あるを涼苑齋をして、類柑子追情中而共戴籍在子傳賦韓聯牡律之藥則是戲玩干騷壇者。鬪鷄之戲玩尙矣。季郞之芥羽金距之後。唐皇盛於此。ヨ可以分け又巳舊而前記之所錄。之所見歷々焉。我朝雖未聞其權輿。堂上以及里閉。爲佳節桃園之〓玩也。〓一〓サンチ二或有七步而吐五襍以從輩而恢鼓俳觜。見其〓也。今玆彌生之初。公筵漱芳之餘。取題於此延彼晋子。而公ニ三三曲。間有執」多寡混合積壹百有册奇。六調。或有十步而發-資以衣既關意始倦而各歇搏啄。テ、フ一是所以追於佳節之典故據於桃園之裁居其半。至於遣詞名字之競變態。則所謂五百兒之羽儀森々屯其中。進退之點褒。判然而勇怯之品級。賀趣。而戯玩之雅致者歟。逮使再煩晋子。而後偶立篇分。篇得美名。ス マか甲申暮春下院百之叙。然非與。破竹歎玉。是又可謂諦體之新奇吟房之希珍者。待待霄上册一合左右二字一百の餌臼に拜め治鷄坊忠臣に箒のいらぬ羽音かな五德の冠者、羽團扇をもつて開い類柑文集て、東西〓〓、むかし玄宗皇帝、乙の西のとし三月三日に誕生ありしゆへ、唐土のとりをあつめ給ひて、七艸の薺生たつより、やよひの餅草までに馳走奔走有。やがて桃園に時つくりして、治鷄坊と名つ三一三冠掉里孤
類柑文集け、五百人の童子に守らせらる。日本の鳥もその代のためしを引、今日の節會を初めて、忠臣の朝を告、閨門の夜を司さどる。一〇〇計は鷄鳴に有と傳えたり。今度の行事、某仰せつけ給はりて、花鳥の心をやはらげ、列る翅七十番の勝負を記す。三一四甲乙の昔のやうに立かへりて、禿尖の力を合せ侍り。一、生變リの假名を正し、所生の實名をことはり、一手〓〓の名をひろひて、珍禽、怪鳥の品を定む。申ても諸國の大寄なれば、あまりに晴がましくて、目くれ心もみだれ、旦夕鷄のうか〓〓しきことばも有ぬぐし。亦〓〓申事の御座い。待宵の手三十五合、をのがれの手三十五合とす。小侍從のきみ、少將の尼、いづれもほまれある方人なれば、則二卷の題號として、物加和の藏人筆とり也。几例一、五字は一日長安ノ花の花やかなる御遊にもとづきて、これを用ゆ。一、三字は戴冠文、捕距武の二ツの德をあらはして、字面を改む。一、二字は越鷄の雪に散亂して、鶴撃、鵞毛のあらそひに批す。當時>形の體を用ゆべけれども二合御簾まで撮なをすや花冠リ百之叡感もいざすゝなみや志賀の種五字トス里戴冠文とす。左折歌にやはらぐ啄目かな捕距武トス左の座に着らるゝ事、大臣の鳥也。爪距神爽ことにすぐれたり。字義、花冠トサカ、朱寇、サカ、とよみ分んとの心なり。是を文とす。左折武門源平の威儀たり。右の座につけられて、羽翼をかひつくろふ事しかり。是を勇とす。猶歌に和らぐとおぼめかし聞へいは、文武兼備して、太平の時を唱ふ成べし。里風波ともに揮て、花にうち出の濱輪を廻り、にほのてり尾に、尾花なびかせたる手合、其爭ひ君子の鳥にして、上下の貴賤、あれよ是よとまじろきもせず。行事心ある者にて、さくらの一枝を折て、右へかざしぬ。それより志賀之助に上こすものなし。四合炭喰の聲だにたゝぬねらひ哉乙字とす十月をかねてなき身と彌生丸乙字トス豫讓が昔を追て、けしからぬ餌ば晋子三合廣庭に風の輝尾の進み哉乙字とす里雪花けしからぬ餌ば三一五類柑文巢
類柑文集むしじ其魂此鳥に化して、讎を報へるにこそ、蜀魂のためしにならへるか。血に啼にはあらず、相手を血に鳴せたる兵也。丸は男の通リ稱、關のこなたの名將、鎗下の聲晩世にひびきて、其ノ月其ノ日と時をたがへずして信あり。三一六其中に搗屋出の上白と名乘て、七羽の中の大力、別當もこれにほれたり。六合ヨ弱鳥やこゝは承仕かもらひ退乙字黄茂餌けふの手がらに宥しけり同遍照寺のけしかる法師、つと罷出て、左を抱へて遮へたるに、衣におそれて唯はかたぬと見えたり。日比、諸島を飼なづけて、恐ろしき罪つくりけるを、大雁共の筆の跡たしかなりければ、只今貰はれたりとも行末心もとなし。黄茂餌立られ盲と成で後、鳥骨鷄里五合湛增が汗をしづめし羽風かな乙字とすン介距脫て米屋へかへりしな同只白旗につけとの御託宣ありしかども、猶うたがひをなしまいらせて、權現の御前にて、赤白の勝負せしに、赤キは一羽もかたずとかや。習魚何虻里鳥骨鷄丸と製法せらるゝ事、ゆめしらずして、婦人虚弱の力となる事、れ誰が力ぞや。只今の手柄こそ命冥加なれ。後、藥劑の陣に進むべからず。八合扮られて毛足は松のみどり哉遠く蒔ケ梅の下はむ鳥の米左右乙字志賀の關脇、唐崎ひとつ松たぐひなし。此春は今一しほの色まさりけり。扨、此方には、風ふけば梅の下はむ庭鳥の上毛に花ぞちりかゝりける。昇殿かさなりて、御階に近く賞翫せられたる鳥宦、源の仲正の扶持すまふといへば、松と梅との中よくあれかし春や昔扶持をやる鳥がしらせけり朝の春白櫻里七今砂渦やつよきに水を一蜆五字毛衣に腹黑き名を雪めけり乙字俵の末孫膜太郞と名乘て、立臼に上り、砂水にむれ入らむ鳥の羽音、先陣比類なし。右は名さへつたなくて人にもしられず。骨迄烏武者とばかり、後指さゝれしに、鶴の毛衣をかりて、會稽山に徘徊せしかば、忽ち其耻を雪めたり。此類柑文集里晋子露沽九合此首尾を狐はめなて御前負ヶ三一七里
類柑文集二字喰拔の羽實檢や路次のもと屯さん〓〓の首尾、昔男の名も汚れたり。くひぬき羽、羽箒の手本と成て、うつくしき手ぎはながら、やりつるせなの恨みを得たる所、心にかゝる負成べし。無下の瑕瑾にもあらずと、鳥に力を付て、もらひにしたり。柑文集三一八みたてたる有樣、三まいさかの見參と也。三番うつて三の山と名乘、角あるものゝ角、牙あるものゝ牙見事〓〓爰に鬪鷄野のあら手を入たり。つげの小櫛もさゝず來にけりとなん、津國のつけ野は、昔、黑主鹿をゆめ見しより、夢野と名付、古意たゞ闘鷄といふ事に取合たり。一作小錐目に見ゆ。志水十一合胯ぐらへ薩摩におゐて扇かな左右乙字入首へ胡椒頭巾の羽風さぞ小膀くゞりの手者、汝は一人の胯夫とほめたり。破れかぶれの時に、破楚の太元帥と記されたるそれが弟子也。爪立より內股へうつて、十合名乘せん三枚朱冠をみつの山二字とすめつた勝鬪鶏野の筋と召されけり乙字鬢切左右へこきあげ、大前髪つか百猿里里習魚大前髪つか扇長ヶの大兵、琉球の後胤薩摩守我有といふは、隱岐の小島の荒者也頭撚りの上手、つゝと入所をはねかへしたり。花々しき胡椒軍かな。今あらたにとり放したるは、うせものゝ沙汰にして、吟味す可き事ながら、歌の心も改まりて珍し、と仰せありて、御褒美ことに、扇をたびぬ。十二合裁つけの足に覽悟や錐囊乙字とす取放し佐野にはいくつ合せ牒捕距武トスたちつけの躰、田舍行事とみえたり)。芦と足とのせりあひ、おししき手を云ほどきぬ。右も又入くみたる手也。佐野領舟橋より出て、牒面に合せ、その數極まり侍るに、いづくへか取迯したりと申す。そも鳥は無シ亦取離しとの兩用を、類柑文集十三合音をはかる東〓合や羽衣の曲柳が瀨をつかみ合せし鳴尾かな左右二字吾妻合の曲流、音をはかるとの手寄、ひるがへす羽風に目ざまし事、彼玄宗のたはふれには、以てまいつた合せものなり。兩岸の柳のみとり、東のかた屋、西の片屋、遲速同じからず。其羽、其尾ともに風流陣。辰下里此右里三一九
類柑文集INIO爪にいの字をかけて進み出たるに、力定らずして膝車とみえたり。年の功猶々執行すべし。かなめ石四結を取て、ちつとも動かず。神の力のあらん程はと荒言尤。左十四合二字右刻って入くるみ花冠も箕手哉距"筋の子は子也けり小蜃山がらの廻すひねりを得手物、箕手にかゝる砂はらひ、たまるべか公らずとて、しやつに翥かふものなLoもてあつかへる手心にこそ、其せがれ鵬雛の奇をあらはし、汐干の小貝をわる拳にのせて〓のごとし。花冠は唐干の米ほど。晋雪子花十十六合支毛なく漆ぬりけん惣まくり合雪花乙字とす油符を鯛合せとぞ惠比次抱半面美人印大黑屋の塗桶といへば大津に隱なLかれは投ると口を明ゆへ也。大坂に濡髮、いづれも支毛なき若鳥也。爲家卿の歌に、紅のをのが身に似ぬうるしの木ぬるとしぐれに何かはくらん。觜太をあざむくべ里十五合角もじや三年爪の弱くるま屯とりむすぶ植毛の爪や要石乙字唄言焉子Lo節會に召れけるより桃九郞と.改めたり。油生の將軍三郞どの、烏帽子櫻の陰に釣竿の旗、さしあげ給へるに、はゞかりなく推參して、鯛の一はれにはれたをされぬ。此そり天下一。十八合からたちの嵐はやがて距かな二字とす琉球の獅子に油や染ほだん乙字歸國の御土產として、高麗の來鷄のたれ、十つゞ十をかさねしより、村里に時を報じて、御調の道たえす。其中にも牛といはるゝは唐獅Tas子也。羽毛を膏かためにして、黑牡丹とも申べし。これ敵の鐵觜をすべらかにし、剛啄の力をうばゝんとの計ごと、專らこゝろを盡しけれども、からたちのあらしにけをされ侍り。里立朝十七合大鋸の血は涿鹿よ戶板楯須田町は菜虫ばかりや古戰場左右二字たくろくの野、古戰場を賦して、市間に戶を負ヒ、巷に菜屑を掃。其代の窮鳥は寒夜の鼎に煮られ、今の世の鬪鷄は、溫光の莚に肥たりむべ持とす。閑里每十九合三二一類柑文集
類柑文集左右捕距武とすまくり距や同じ枕に十三羽手塚めにつるむ所を二けづめ形容、觜術、飛鳥のかけりの手をくだかれたり。かの小男といへば、今更名のらずとも一の筆に記す。右は雌雄の中よきかたらひをへだてられし無念は、今にありと聞ゆ。鳥も心をうごかして、物に感ずる所、時にとつてのりん氣距せしに大事に成て、はげしきたゝかひ也けり。さてこそ紅葉々を分つゝ行ばと、龍田山の錦、羽をひるがへして、名は末代に有明の一番鷄と記せり。廿合左右二宇ケ負関に逆〓櫓たてんと切戶引集三二二ツ風流を勝〓大振羽の黄彩雌箭筈の景関か髪先をあらそふ一二のかけ、二番鷄と評定し侍り。二字ヲ云勝浦の目出度名より、櫻間が陣も距ちらされぬ。そのゝち十八九計なる女房の、大ふり羽をひるがへして、陸の與一を招きしよそほひ此扇を射たりし事、舟ばたをたゝいてほめもの也。里素琴里廿一合鬘毛や兀ものゝしる雲の鬢乙字とす目包ミのいじれもかくや羽音笠二字とす今日ぞわがせこ、花かつらせよ、と洞滴里欣以たしなみ出たる中に、朱冠元ゲしたる老すまふの雲の髪とは仰山也。くれぬともはや鳥屋出しの箸鷹を一よりいかゞ合せざるべき、小侍從此目包みもすゝとき雄なれば、心のはやり出をしづめんとの事にや。笠を敲いて羽おとをかり、陣中にきほはせ侍る一ツの計也。翼のわかちもなし。漸く長じて鳴尾さしたる比、尾に尾をうへてたはぶれをなす。其さま男色にふけるにひとし。程なく血氣壯ンに骨肉たくましく成て、初生合機の心ざしを忘るゝ事、掌をかへすがごとく也。同ク少年の春を惜める思ひ深察すべし。名は十六とかや。初手合に板尾の毛拔合なる進退、節にあたれりといへども、進ム氣若氣なれば也。廿二合ヲ,尾を栽ル掌心かへせ初合せ五字進む氣の鑷子にメ〓る板尾也乙字二神の昔、あなうれしと人につたへ給ひしより、鶺鴒、靈鳥也と重稱せらる。雄々雌々いまだ交合比類柑文集合里廿三合羽さけびやかれも出たつ菖蒲革五字とす右二字水白も紅の鹿子のくるひかな朴芝里言志先年三二三
類柑文集白鷄の碁石に成ぬ菊のつゆ此ゑらみ拔群なれば、碁石をば御ゆるし有。偖黑毛に白のさしものは珍らしき武者也。をのれが冑へるさま、さうぶ革に似たり。今よりして八幡黑と名乘て、酸六十べしとの下知に付侍りぬ。水白は味方の交り毛ながら、紅くゞる色みえたり。右に付べしと引分たり。羽叫遠鳴リして、面にむかふものなし。三二四愛一身にありと、六宮にならぶ鳥なき美毛、一六のあらそひに氣をBer呑み目を瞪ツて、轉あひ、かさなりあひ、飛揚反動、心を碎きもみ纂の手づめと見ゆ。田舍はにふのかた屋に於て、骨なき蚓力なさ、蛙步食雜漏を喰つてハ羽虫にやつれ、毛生見苦敷牛房鷄、目引、鼻引、笑ひ草なりけん。花のあたりの梟とこそ。晋子廿五合目啄キを當に仕かへせ權五郞揮距武とすワ景〓がくろぶしや此壯けづめ乙字とす當は正當三月三日と聞ゆ。其箭、廿四合六宮の塞にあづかる毛色哉地下の寄蝴の粮を包みけり左二字右乙字鸚鵡局中に飛入て、双六の道を崩したるためし、開元の遺事也。寵里右百此之唄言其箭、三日三夜もつて廻りしは、くりごとながら、厨川のつはもの鳥の海と名にあふ大鳥に合せて高名したり。何某も平家の家鷄〓とて、翅を双べし兵、老の鶯の泪にくれて、昔忘れぬ手柄咄、此春ことにくやしからめ。見えた〓〓の詞に臆して、今一番ともいどみがたし。げに、つとうたの鳥のやすからず覺へければ、とらへ役了簡すべき事なりとぞ。廿七合炭桶へあへて物なし團炭朱冠觜利の弓手へまはる地すり哉左乙字右二字トスたどんといふも一名にして、神事法樂、勸進の手取、元來在〓すまひなり。地摺は敵をうはそりにかまへて、息次の功者也ければ、しばしもこらへず尻しさりして、物なく炭部屋へ迯たり。しばし扇いで一枚の禮物。笹雪分花廿六合左乙字分られて櫻をつゝくあまり哉右屯捕へ役われは雉いぞ二けあひ行事、風呂屋の北屋はげしき手合を分けて曰ク、左近の陣に觜を鳴し、羽を揮て撫られたる近衛どのの糸櫻これ也。橘のかげふむ道にかくれかねて、尻ごみせし雉とは、類柑文集合幽調里廿八合三二五
類柑文集伽昆旦の爪に〓軻が事もしれ乙字とすバアカとて初め笑ひし鳥は物五字感長天上の麒麟、人中の鳳風といふは、俊傑の高才をさす也。カピタンめとうたはるゝ俚侶のたはぶれ尤哉。爪に荊軻が力ラをふくんで、敵陣にむかふといへども、つゐに本意をとげずして八ッ割にさかれ、南蠻料理もうれうとなりぬ。バアカ文字なし。馬鹿と聞ゆるひゞきなりければ、はじめ笑はれしもことはり哉。距爪は御簾の釣手に似て、上へついて反たり。起チ舞ヒ不調法にて力なげに見えしに、唐角力の手どり、我國の鳥はものかは、三三六六欄干ゆるくば百之此鳥は逸物也とて、かりどつといはる。里廿九合宵啼や名をも雲井に二日月戴冠文とす右屯尾をつゝく虎や栖らん東天光すこし目にかけたる月の一聲は、雲の外の雁、雨の中の鵺を射たりし高名をしたひて、明日の心がけと聞えたり。本歌とりても双びなき上、時鳥にもまさりたりとて感ぜられし。いまだ明ざるに、勢をもよほすはゝやり雄也。虎を養なふのうれへを用心して、高聲目ざましく聞えたれども、右は膝をつき、左の袖にすがり侍り。里每閑かしたる八聲、ならの葉の古事宜しき結び合せなれども、ゑりにくだかけの手どり無双也。三十合食に計冠者が世話なり鶲にくだ二字とす古時の奈良にけやけし裝束毛乙字トス鼻とりすまふには、太郞くはじやを投てしたりがほ也。鳥飼へも是に思合てちつとも油斷なくや。字〓翁字ノ註ニ、翁は鳥の頸毛ナり。亦鷄字ノ註ニ、本ハ翁ノ字也、後ニ頁ヲ加フ。とみえたり。はつきりとして鳥のエリモトとよむべし。比國にてくだをかけたるは、神代よりのざうぞく、いつにすぐれて花やかならめ。古塒の毛ふるびたる出立はえなかるべし。廣中へはいかゞ、大衆どもの平家をおどろ類柑文集里白櫻卅一合左右乙字毛車の力なき身や籠屯ゐ御最負や艾がもとの鷄の毒毛車の前後にはつとよりて、物の手もなく喰ふせ、籠たまゐしけるを車論ひと名付たり。是は待宵方の上薦の手より出されたる忍び音の鳥也。時めく御方には恨のこるんく亦身にそへて思しめさるゝ羽利、是大切のおすまふなれば、よもぎがもとへのつかひ、さることぞかし。左右勝負なし。里月艽三十二合三二七
類柑文集切リ聲や背を三ッ伏せのいきり物左右二字しやくり出せ手々中矮鷄をさねかつら三ッ伏のわつは、手々中の玉かつらともいふべき利口の手合、針穴兎毫の爭ひ、精神をこらしむ。是等座敷すまふの隨一とす。三ッ指をあぐれば、七尺の屏風に躍り、片手にのすれば、四面の楚歌に舞とも申すべし。手々中、或鳥の曰、手々打といふ說もあり。面白し、しやくり出たる手を打返すとならば、小腕の勝負にして、チマポ共のはしかき筋にや。狂作さもあるべき事也。三二八老鳥のけふ若やぎぬ固本丹朝鮮國に沙門あり。形ちんまりとして、小ざかしきを人皆鷄僧と云り/0吾妻にも鵜三左衛門が歌、南京吉兵衛が踊の風流も、其形似たる故なり。今此十日坊時にあへるもの也けり。かたへの老とり、資朝卿にたうとくおもはれ侍る嘲り忍びかたし。さればとて世の思ひ出に、辻とりしてあそばんとて、伏見、木幡の痩鳥、閑居竹林のねほれ鳥時しらず、巢守子の親疊好キ猫惡ひ迄呼揃へて、其日の遊興を催しけり。仙源の水に若やぎ、白頭を彼藥に染て、樂み窮りなし。洞滴晋子里三十三合左右乙字啄かれて十日坊主や桃がくれ卅四合左文右武共ニ三字里大玉子源平香のわれもかな義の端の萠る思ひを鷲より酒ヲ般若湯、鷄ヲ鑚箒菜といひかへては、出家のかくし喰するを、東坡居士慥に見とがめし也。長薯は鰻、をどり子は鰌、鐵炮は河師、照手もしらぬ唐名也。大玉子とは近來の異名にして、まことは親仁也し香の策相印とし、われからの相詞にて、源平みだれ鳥に成ぬ。さればひよこふまるれども、母鳥かへり見ず。是を義とす。親しめらるれども、ひよ子のしらぬこそ哀なれ。旣に夕陽西に成ぬ。あるひはうつばりへ投上ゲ、或は藏の內へ仕まはれて、大道、鼠の穴をふせぎ、後日の軍をまつとかや。此番はむべ持とすべし。類柑文集里魚三十五合南無八符尾筒を守れ花も今勝足をひたさば關の〓水かな源氏十羽を出せば、平家も十羽も出し、源氏三十五をすぐれて、こなたも卅五羽を合せけり。習里子晋三一九
余、十日、の病根、李白、多年英逆のちなみをなす。鯨に乘て、はからずもゝとの泉にかへる。なを誹情に富で新をあらはし、春曖閑爐に坐の吟とて汗漫の風にあそびしは、晋子終焉記この月廿三日、倦情よる事なく、奇をはき、醉中に水中の月をとつて、寳晋齊に膝をいだき、頤をとき、夢のうちのゆめのごとし。人口に膾炙する句々みなしる所也。兩吟もよほしけるに、まさに誹灯の光をうしなふ。豪放の氣を殘すものなり。いまや晋子三年ことし二月三及で半句を吐ず、はせを翁は普化の師、不追さらに遺跡を止メざるは、分悼晋子は臨濟の怨子、次之第如句左聯三十年來、若夫それもしらず、八面にから竿をならして、大悲院へ齋喰に行歟。他のつらを出せるなし。の愁をつなぐ。かなしひかな秋の氣を感じ、一席亥の刻に、こり屋梁落月のひかり、晋子ねぶたきけしきにてわかれぬ。ずまの末の句に龍溪禪師の九條島の水難に、またさらに石友の契りを思ひ出して、水に あこれぞ生前おさめの吟なり。ふ九條島こゝにしるすものなり。身まかりたまひし水中の天の一句、いま思ひあはすれば、靑角流ウ泪鴈鶯菜普泪鴈風月淺若筧鶯のも草黃ののさ經の道しにうぬ曉まら普野大けひ類類の化や亡中三柑去花陰の柑不追文文弓七やり廻集集に日坊跡ぬ向寒ぐべ請草たか老とが匂ののり左聯りしる髭匂御拵留き諚むへひ灰ひ剃臥ま殘まくはにりりてそ立のはか成りす果て番つやづくやぐかぶたらよれらし法は花たらのみのがでぶきてん儘す聲な雲嵐靑其三三一三三〇雪流角流角同流同角流末期に古今符節春興に、
陽たんぽ初世行空にな泪經の偈は連歌ときゝぬほ と\ぎす川樒山ぶきの苗碎そおしかいな梅を風躰の花花曇かりはすけら今俳梅さらくちればぞ人もよぶこ鳥琴ぞむの炎花のいか骨賣齋をまふく墓類柑集文かの除夜の鳴門のさはがしさも、ほどなく世は春なれや、と紅裏四天王の吟、今さら思ひ出て、類文柑集の見も諧と代け風流をたてぬきの飛花を惜む。この坊、かの琴花印の下梔にかつれけるや。孤芳を探る中をざれ繪ざにた鹿まぼろしもがないかのぼりるいのれや\や終に的のこれも角其鴈が事左なやありのやま力ば時香の實を堀穴の參口はの撥な錦歸角落槐安國起土袖漱し鶴黃こおも繡のおとふし柳三ぬら器のI馬の皮さえもけか殘に耳は凋にのうしたを樓ぼのへ人影土りつとるよる食鍬ひゆもすへば一指頭さて伽羅よややぶ鹿花あ都の櫻かな字やこ夜をく蟶泪きぶた水ののこのびのそかか朧と半見とかびらな月り樂るつに殼な國炷鳥角迄株周神桃沾竹古露濟白仙百專序朝千枳秋格立三三三竹叔隣德苞洲沾通雲化里吟令叟山風航枝永
な股引立てかなしむや其文宇は風にも折れらず花の 角瀧壺雪春さ草の芽を何ニぞ採ら今はなし咲來る花も雨なだみ君がためな珠數もをみか花花い文あさ鶯ち蕨花鳥に春かうばしき骨や新茶其有」不不應齋志以沒欝々〓原。傷此。,而傳角亡。生別猶快々。死別復如何。嗚呼角獨步誹名在。惜別シ千束式。別後其角不,相見二年。今載三月青流之害 千簡。ヨ〓〓類柑集文類柑文集つ歸る空の名殘いを雨をかた江府に歸り、升堂のしたしみにたへず。田舍にまかり、晋子身まかり給ふもしらずして、三月末つ霜雨てへの鳥かに茶に耽りて師にたがふをうらむ。あるきながらといふも夢になりてをる夢飛を翅のや世も鴈る雲の吟扇のききを洗はでぞ行日は三十日つ中花もこ綱にの匪泣のおい二月さかのを鶯さの盡夢のもるよと呼もがるは端主と噂て居眠るや梨の花いづくしは雫卅鯉く中にものて破やのあを日花ぞかやかのるすや鹿の門無がさはれ假雫りうみなの遲りにら死ざくのへ花念千片し眠かのぽりてもや昔つだ雲時ひる虚のな里便宜けか土が小沙〓かの分られ鴈栗塵り鶯りな筆り盃汰哉な色大才阪昌貞三花風町人甘渭指仙芝石受功爲新甫千同千我巴三三五三三四貢佐惟睡麿麿泉麿北馬芝筵雲松悠桂眞盛江波泉常人
七アきれ紙鳶の水くきしほ草れ松じやと人をだまされず寂石山そなき人の筆にとなら申歸る鴈うき世そ雛み蘇井い泪鹿靑留主挑灯隈刷毛の春もむかしの雨戶か賴ち年ごろ菜つみ水くみたるかしづきもなく、師恩をいたゞく、類柑文集尺サ光印はのまの時よやつ留類柑集文此所に年久しく住馴ぬれば、とゞまらぬ水に鎧の渡守も袖の角に鎰を見せたづくへの柳まをひたし、竿の力ながらに、か曾子の羊棗もあり。晋子が琴に物かくはじめと一とせの春興して、よの風雅のうなば手や遣やれら蛙はのないにもぢ摺迄を居にやさ鐘角をい透のきらえ漸沙汰ふ山ぬな海酒も形ら落をのでにく寢姿吹島きはのよみやうつらん春の夢をはりみだれぬ法の雨墓ににしちりゆく梅手水はときの薄燃異の關をこ 豆腐ものゐ名ては切梅干な違もえ刄引つ見こるを鹿も開やすしなてかのヽをぞ彫ば何な土筆ど花を田るほしわな脂た桃る鴈哀タ花と春菫口の春螺別かつ花た二やかかの花樒のな雲のなのかや掛のかきのり月蕗なな花跡り雀靈く夢な夢蔓土なな折闇川な盡蕨志習百欣焉百立右每白來其嵐志省岑是兎羽常到寒文在菜三三七裔水鐵示柳橘株光和李玉竿長花三三六水魚之以子猿朝此閑櫻爾
涅紀念ぞと聞や東風ふく一月迷ひ子の泣手明日田鶴のあすも春なし袖の 月土そ空蛤際付初他霞け聞諸白白桃のこおもがけの似たもやあると雛の中類柑文集事の後はたれを相手槃寢入かのの人の夢路も花の家のざ類柑文集また浪花の狀をひらく。るはしきいくばくぞや。ことに限ある悲しき春にあへるを、忘れがたみに嬰子を殘し、其あたり思ひやられて、のは晋其角、それ程ならぬ年より道に生つき、高名を殘し、こ金鐵の圍をなしても、遁るゝに所なきは、さだまらぬ世さらを知て、稻津氏のもとへ、せめてに申つかはしける。にいふべくもあらず。只その人をしたふ物から、武江に於て霜の鶴土に蒲團もかけられず。と、子を悲しみし人も共に流耳をひくは、この人にあらずしてたぞや。〓新俊逸にあらずば、死とも休せずといふ、その心のすぢりとしの花に先だちぬるよし。惜むべし〓〓。誹因の淺からぬがに苦みか花黃の鍔のくいらしかな躑もを消け泪もらつ十てけ蝶躅驚にぬ名哀つを昔と五かふにをかりなに餘るけのにきけらは朧は富り日手す燕み遲句士ての江戶ざくらおめ哀向づややしすものはもぞにれのさや明キ春塚花り袖汐袂琴片るひ蕗松く花角のののらのかの干かのの相のしの音手雨に薹也音雨水哉露な雨山な鈷大北阪女辰向新嵐,雷宮靑來大坂芙車文岸里掃鳥籠笹洞雪先三三八三三九紫方東尾道口分下漁滴花月流山水記雀庸十
類柑文集水むなし。も子も同じふとんや別れ霜晋子が名は新羅を過侍るに、近き比の判にあまた渉川としるす。いま思ひあはするにわたり川とよめり。畢竟廣漠野の牛を愛して、廊庵が同鞭をやすめん因緣なるべし。何有の裙とる胡蝶わたり川三四〇親秋色無り川沾洲寳永元甲申文月十八日のあしたをしるす。我菴も勢田の時雨の刷毛序是はいつしかの御句奉るを、切字なほ覺つかなくや。其韵要をさとし、古歌に例ある事ども引出したらば、御ゆめ心にもかなひ侍るべしとや。一つの解作を出して、御不審をいらへ奉ることむかしの夢說にせよ、こはえとかじと隱言して、先不測玄妙の姿にたとへていはく、我庵と佗しき家居、すめばかくうさのみまさる世をしらであ れたる 庭につもるはつ雪つ雪せたの時雨とは、露時雨もる山とほく過きつゝ夕日のわたる瀨田の長はしこの國の瀟湘、西湖を、心裏にそなへ給へる精工いはんかたなし。刷毛序せよ、かつ、はけつゐでにやらんと自問自答のさかひ、有心、無爲の轉輪精神畫得無聲の風景をたゝへて、夢のうきはしとたへせず。睡中現然たる御句の却々、石山の石の心にごり、水うみの水相に歡喜して、菅神無準兩聖の交感、ことさらに自現示の誓ひを、このあけぼのにしらる。右端想圓のこと葉、侍坐の時、御返答申上たるを、愚意尤はばかる所なしとて、かさねて草稿を仰かうむりければ、つたなき筆を揮ひ侍る耳。晋其角一朝の夢解たりしぬしも、はやく夢中の客となつて、風輪に〓香を起し、水相に月をゆりすへ、枕の下の有明も自由を辯じ、自在を述。かの夢裏の雜談をとゞめて、したひて一句を投ず。類柑文集三四一
ウ釋蠶花柑類集文春の鍔の紅顏塗笠川筋佛に雲の醉を明月に寢ぬ合點にてけふなつか蟬しうの餘り凉し取あへ手ず向にな草いしてちご是な爼板妙なう名きでこそはんなあれ衣旅お初ひもしかわ伽羅河骨のざい迦平沙行月にこかう冷汁はさつぱりと雲しなてもし眞はには梅黑雨の百柑類文集雪端にと頭かつし好ナ鳴日臼も着を音のつな藜やかふ靜はきんく土はの後花繕やぞ鑷二並にの松傘をまえいと葉言とて胸板間をは韻井に所·はてのるも水ば殘にひせぶた通お母へふにり待まつもう峠の吹ろを霰よろし行な醫りこ畫ぐ中の杖鞋草にが軒露の〓夢なも奉御書に笛有に浮にし上三のと雪てのりれすたり灰汁音の腮上に拜領しの秋寸はの鳥足はかさけし筆匂るふするくろ懇ずさ召をる裂夜かけ聞て樽肌輕て也道にヽなりきしきき鳥け霜し逢て鱗吟暮周我風白百序朝一山大千靑岩枳嵐秋冠仙到文寒菜濟沾指桃立立仙三四二三四三芝李竿玉花通洲馬隣朝永化竹常葉雲里令叟雀蜂町山流翁風雪色里
三出鼻通橋むニウら左全借大饅頭田の舍へとゞく鯉綻ねすびはてきらけ廬又山ふ連の衆もア眞箸那思かけぞにて連まなか夫婦につくぶぐ何を種博すベて四壹名骨五文柑類集筆借れ龍もての右衞むみ間あな世門かしぬ干さもけか壁る膳茶新所木の千に寢た明ぬ腹にる替葉言市りにの雛のひとはりりと丹伊藏土の月雀紫の下めそに秋殘名鬢もの奕異帶束見の紙のかにとにまく石ぬらや臼にうにいてふとるてまれんめい鯔てこと宵袋さげのた三る角人北州ナに萩万大今に三も分な戾てめをす神は代への月の蔓な御のき躰れかは出てらどが屋撫通て銀二延月にをすれい山大づも文類柑集日に一は殘ふ前る勢ひこ十は脉ああら逼のサをぎむ鹽の中のなし花の駒のるら水へ來でた一ふをは時なも輪の見を瓶ツ身の飛鳥に皿の關雲無釜にぞき日りし迫梅口り波引ん蠅る雫む鳥る曲る子秋道懸汗札心蝶到靑寒沾同文指桃立百周仙甫風秋沾枳周白沾序立濟嵐靑執沾同兎甫三四五李流玉德波竿馬隣朝里竹芝盛葉色德風竹雲洲令永通雪流筆德波株盛三四國
八町一針見せに 座頭のゐるはいつからぞ兄前鹽名洛ぼた餅はたゞ二いろ金肩い配面ウ三霧淋いし眞塵ほもど伊達はまじらぬ葵の思類文柑集は合羽は面にむすぼふんどしをせぬ時代かしこ成の革蒲團埀に酢和の竈の菫つぼ外に摺手をす月を耳の軒九の衣を百合のばへ判印ほ當で車道白いほのをめづらしが給せらふ秋田方ふ類柑文集よ鼾二花も落着え一な如をゝれてもか芝ける海老ま濁ど首る縛か寸ににベ汲て光にど代な來ぐ結ヘだちを替も物る間く延は引鳥山りらかて持角るはは尾は置手に內亂蕪にれ.きのとぶ投とはさとをばな舟虫は霞れた力井いと念た拭のはど鶴宿を風居指るるもはたたちたひの額のさこタやが病が見え露に戶替片ゞ念に松るを禮も煤けに日の滯寺と呂入に鷓鴣油れ別ち坐つら日高なたぞの思入のと蟻向いの筒てれき帶スきぬ影名りり置櫛ひル枝る通てふ留ふ經月日班貞沾文寒濟秋仙沾靑貞秋寒桃格秋濟沾桃枳周沾仙嵐風白立立序桃指三四六三比七佐德竿玉通色芝洲流佐航玉隣枝色通德隣風竹洲化雪葉雲朝永令隣馬
ウ蛸類柑集文食麥石に々日に手ろあはせあて百合の花移りゆや人く花つ蓮に赦百は柳住吉淨雪の鼻姥山はと門賣祇繻子白太皷類柑文集今日施儈卽事編集の昔を夏中に思ひ出で右百韻四月十八日、深川泉龍院にして七七日之追善、各滿坐。百のる日妙なの文字るか弟園に箔のにの人も匂百日日のケ日はみら見矢にり捨みかく踰跛と共の好蛸南の狐のかし金のひも猿願ひみ鯉を鵙は姿の入て瀧てやう家の嵯峨顏に芥らてさもも月子終こ聞は思植露のす蓮りたび花五汚はぞにベかのらずしの世升れるぬ散北照打りな日き夢も樽ずゝ楢て秋ル込靑甫秋沾冠寒沾仙貞靑秋文沾同格到三四九流盛色洲里玉洲芝佐流色竿德波枝李三四八
類柑文集三五〇跋狂而堂其角、氏は寳井、行年四十七才にして世をはやうしぬ。なきがらを二本榎上行寺に送りて、夜臺をなす知友、門人、石碑を建む事をのぞむ。然りといへども、宗法有とて本意のごとくゆるさず。これによりて深川長慶寺に、芭蕉翁の塚あり。それ隣りて、一ケの土饅頭をきづく。晋子病床に、無眼の達摩の像一紙を書殘せり。廓然不動の因緣にやと心ざしをはかりて、すなはち和尙、開眼の筆を點じて、この佳城の下におさめたり。おの〓〓すごき夕暮目前にさら也。又この三卷は、晋子多年席をかさね、あるひは耳底にとゞまる新話をつゞり、秋菓の五味を嚙で類柑子と名づく。しかれども、全篇おはらざる中に病おもくなりて、つゐに空齊のかたみとなりぬ嵐害、枳風、沾洲、靑流とひよりて、かれこれの反古とりあつめ、外へは散さじとやう〓〓一箱におさむ。されどつとふべき一子もなく、門弟またまち〓〓也。秋色といふもの、女ながらも久しく笈を負ふ心ざしあり。また忌日、祥月の志をはこび、いとになくものしたり。まことに晋子、日にねり月に練の功ありて、卷々の艶麗錦を織なし、英を咀き花をかむ句々の〓新、氷にいさぎよく、眞に常世の一珍藏なり。むげに紙魚のすみかにはてんもほいなしとて、前後くりあはせ、つゞり校へ一集となりぬ。千山、朝叟その外連中もよほし、末卷に追悼の句をつらねて、吉田氏が乞にまかせて、これを梓にちりばめて、この誹道を文車にのするものなり。これを人につたへ、これを世につたへ、是を悠久に達して、斷續の〓音にかなふ事しかり。篁菊阿影后桑堂亭門沾秋靑洲色流丁亥冬季上浣江戶日本橋通三丁目吉文字屋次郞兵衛版類柑文集三五一
五元集其角句集旨原編
五元集三五四五元集·元の卷長慶集、元亨釋書などきこえしは、集編なりたるそのとしの號を、やがて名となむせられたり。これは延寶にはじまりて寳永に終る。その間、五元をあらためたるが故なりかし。しかるに晋子の滅後にいたつて、たれ人の家にありともしられずして有しも、正德より今延亨までにこれも又、五元を經たり。されどその名の久しくきこえて、此集の世にかくれたる事や。こゝに國ゆすりてたうとみ奉るおほん神につかふ大德の在けり。古代の物このみて、多くあつめもたれし中に此書も、とし比ありけるが、たぐひなき寳とめでものし、ぬりごめのうちにふかくひめ、心の注連もゆひかけつゝ、御垣をまもる宮奴の杉の嵐にれぷるをもいかにうしろめたくやおもはれけん。さればをのづから案內しりたる道のすきものどもは、緣を求めて見ん事をこふめるに、大德うけざるさまにて、むれつゝ人のくるのみぞと、つぶやきながら、とりいでゝも、席をかへて見ることをだにいとはるれば、半紙もうつし得るやうなし。人みな月のうちの、かつらのごときをうらみあへり。予も、もとよりこれを得て、先師の妙を明らめしらんとつれにおもひて、としをかさねき。まことや、この比つたへて持たる人をきくに、予がよくしりたるものなりければはじめよりねがひしことをかたりて、乞もとむるにゆるさず。されど彼家にゆきゝする事、度をかされ、かつなげきかつうらみて、衣通姫の庭に、七日までたちさらざりし者のごとき、こゝろざしにやめでたりけん。からうじてあたへたり。よろこびまろびもてかへり見るに、みのゝ紙を中よりおり、かりそめに草稿のやうに、なしたる本の遺墨八十八を一册とせるものにて、晋子の手澤、今なをうごくがごとし。うれしくも、したはしくも、あはれにも、めづらしくも、まぼろしのかんざしを得てかへりしこゝちも、かくやとおもふもあまり成べし。今は、はじめよりのほゐたがへじと、櫃におさめてかくすことなく、龜成といふが筆をかつて、し侍りぬ。氷の下なる魚を畫くがごとく、一點をたがへずうつして梓行し、世に晋子をしたへる人と、こゝろざしをおなじう百萬坊旨原五元集三五五
五元集三五六五元集延貞寳寳。享。永。天元和。祿寳晋齋は米元章が硯の裏に鐫入たる號也。三弄子、其硯を予にあたへて、寳井晋子といへば、此號宜しくかなへりとて、筆事ことに述給へるを、やがて佐玄龍が額を需て、雪月の軒葉にかけたり。延寳のはじめ桃靑門に入しより、寳永の万々歲をよぶといへることぶきしかり。其角なつかしき枝のさけ目や梅の花宰府奉納守梅の遊びわざ也野老賣和心水推敲之句たゝく時よき月みたり梅の門極真正の祖父、大坂表の軍功によりて御感狀、御太刀を頂戴せらる。正月十七日の朝とかや、貸切、上杉、蜂須賀等の家臣十七人と也。家の風、相つたえて今も正月十七日、鏡開の興行あyoo其雫、家督執權として此春の賀會有。幡持を文臺脇やむめの花元日、眞珠喰あてし人の、句を祝へといふに、春の部四十の賀し給へる家にて御祕藏に墨を摺せて梅見哉遊大音寺んめがかや乞食の家も覗かるゝ加州小松觀音寺奉納梅の花旦那を待て庭にあり芭蕉翁の沙彌、かけものほしがりて、繪讃を乞けるに、せめてもの貧乏柿にんめの花曉進上に闇をかねてやむめの花不曲亭あぜを越目あても梅の匂哉こつとりと風のやむ夜は藪の梅五元集三五七
五元集夜光る梅のつぼみや貝の玉仙石壹岐守どの、正月五日に身まかり給ひぬ。玉芙公に御悔申上侍るとて、外樣迄手向の梅を拜みけり元祿十四年二月廿五日。聖廟八百齡御年忌。於龜戶御社。詩歌連誹令興行一座。梅松やあがむる數も八百所氷肌玉骨とかや昔見し花にも香にも梅の皮久松肅山亭にて梅寒く愛宕の星の匂かな百八のかねて迷や闇のんめ芭蕉庵をとひて三五八鶯や十日過ても同じんめうぐひすの藥〓ん聲のあや腕押のわれならなくに梅の花箒木のゐくひは是にやみの梅鶯の身を逆にはつねかな(止立隅)うぐひすよいで物みせん杉鋏茶臼にとまりたる繪に鶯や氷らぬ聲をあさ日山茶臼にとまりたる繪にうぐひすの曲たる枝を削けん鶯に罷出たよひきがへるうぐひすや遠路ながら禮返し市隅竹と見て鶯來たり竹虎落雀子やあかり障子の笹の影とびあがりいふらん長嘯の記に、淺草の觀音とて、國ゆすりてもてなす佛をはす。口にまかせて、いかなれや野邊に刈かふあさくさのくはんをむまのはみのこしつる其時をおもひて、土手の馬くはんを無下に菜つみ哉正月巳己、布施の辨才天へ詣侍る奉納玉椿晝とみえてや布施籠梅津硯水會に窓をやれと梅ほころびぬ大家中正月廿一日冠里公に侍座菜刻みの上手を握る蕨かな接木を畫て來ませるの申繼とや見えつらん十一日お汁粉を還城樂のたもと哉景〓が世帶みせぬや二薺漸覺春相泥といふ切句削かけ膏藥ねりの鼻にあれ畠から頭巾よぶ也わかなつみ二人しづかのかけ物になつみ哉扇二ツをとぶこてふ百人の雲搔しばし薺ほり万葉しうにも、朱雀の柳と侍り、所がらのけしきをたひらこは西の禿に習ひけんとばしりも顏に匂へる薺哉七種や明ぬに聟の枕もと三九九五元集
五元集なゝ艸や跡にうかるゝ朝烏砂植の水菜も來たり初わかな溪邊双白鷺沐ふ鷺芹梳る流かなうすら氷やわづかに咲る芹の花(アンバル)い。河州八尾一升はからき海より蜆哉石一ツ〓き渚やむき蜆白魚や海苔は下邊の買合せ行水や何にとゞまるのりの味白魚や漁翁が齒にはあひながら白うをの〓にあがるひばり哉陽炎や小磯の砂に吹たてずしたしき友にこなたにも女房もたせん水祝衆鼠入懷の夢をひらきて三六〇引つれて松をくはゆる鼠かな寳引に蝸牛の角をたゝく也帶せぬぞ神代ならまし踏哥宴難波人、福の神を祈りて、七人が句を奉る中に、大黑殿をいさめ申せとて、樽ひとつ送られたり。年神に樽の口ぬく小槌かな三月三當三十日山吹も柳の糸のはらみ哉梟にあはぬ目鏡や朧月(畫成)種かしや太神宮へ一つかみ舞鶴や天氣定めて種下し格枝、繪馬合にことし斯螽ふえたり稻荷山禁固ヲ破リテ暇ヲヲ玉ハル也破や見憎い銀を父のためやぶ入やそれはいなばの是は星(嫌にしき)かば故赤穗城主、淺野少府監長矩舊圧,大石内藏之助等四十六人、同志異體、報亡君之讐今玆二月四日官裁下令二一伏伏刄齋レ屍萬世のさえづり、黃舌をひるがくん肺肝をつらぬく。うぐひすに此芥子酢はなみだ哉富森春帆、大高子葉、神崎竹平これらが名は焦尾琴にも殘り聞えける也。點印半面美人の字を彫て、琴形の中ニ備ヘタルを、はじめて冠里公の萬句の御卷に、押弘め侍るとて、春の月琴に物書はじめ哉悼後ノ立志初音は女也昔かな初音三井寺夢の春題水ちくま河春行水や鮫の髓畫賛拾得の鳳巾にからむや玉箒爰にけふ御馬水かへ水間寺奉納金柑や冬靑にさしても稻荷山藪入や一ツはあたるうらや算やぶ入や牛合點して大原迄元祿丙子のとし、む月末つかたに淺茅がはら出山寺にあそび侍り、畠中の梅のほつえに、六分斗なる蛙のからを見つけて、鵙三六一五元集
五元集の草莖なるべしと折とり侍る。草莖を包む葉もなき雪間哉蝸牛豆かとばかり柳かな御忌人の世やのどかなる日の寺林三六三菜苑黑胡麻でこゝをあへぬか土筆春雨やひじきものには枯つゝじ等躬あいさつ闇の夜のをりないかとは梅の袖新三十三間堂若艸やきのふの箭見も木綿うり本多總州公にて春の夜や草津の鞭のゆめばかり淺卿川泛舟河上は柳かんめか百千鳥柳には皷もうたず哥もなし欄干や柳の曲をつたふ狙川才牛追善、一子九藏名をつぎ侍るに、塗顏の父はなからや雉の聲靑柳に蝠蝙つたふ夕ばえや柳上鷺の圖にさかさまに鷺の影見る柳哉傾城の賢なるは此柳かな春雨綱が立てつなが噂の雨夜哉此雨はあたゝかならん日次哉二月十五日上京發足西行の死出路を旅のはじめ哉渡し舟武士は唯のる彼岸哉佛若シ大晦日に入滅し給はゞ、いかに佛とも、とんちやくすべき。かゝる衆生のためには、往生もふのものなるへし。佛とはさくらの花に月夜哉山里の名もなつかしや作獨活初茸の盆と見えたり野老賣ところうり聲大原の里ひたり野鼠のこれをくふらんつく〓〓し竹の香や柳を尋ね蕗のとう梅がゝや此一すじをふきのとう二月十七日原驛五元集富士の朧都の太夫見て譽んおぼろとは松の黑さに月夜哉類燒の比、邊鄙の居を問て、一樽に玉子を送る人にわらつとや雪の玉水十とよむ南都にあそぷ雨傘や薪の夜のありとをし無事馬喧夕日影町中に飛こてふ哉見獅子伶有感てふしるや獅子は獸の君也と蝶とぶや猿をよび込原屋敷藁屑に花を見すてしこてふ哉釋菜聖堂にこまぬく蝶の袂哉三六三集
五元集百とせはねるが藥のこてふ哉柳燕圖乙烏の塵をうごかす柳哉茶の水に菫な落しそ里燕〓燕やかろき巢を曳八巾階子からとふさに及ぶつばめ哉海面の虹をけしたるつばめ哉傘に塒かさうよぬれ燕廳やひぱりあがれど夕日影うつくしき顏かく雉の距かな人うとし雉をとがむる犬の聲角田川にてなれも其子を尋るか雉の聲浮苔すゝぐ水の名にすめ都鳥三六四小田かへす鍬も柱やのこる雁爰かしこかはづ鳴江の星の數ちんば引蝦にそふる泪かな帆柱のせみよりおろす雲雀哉苗代や座頭は得たる畝傳ひたねおろし俵に渡す小橋哉景政が片目をひろふ田螺かなみの路にかゝり侍るに孫どもの蠶やしなふ日向哉春雨や桑の香に醉みの尾張沽德、岩城に逗留して、餞別の句なきを恨むるよし、聞え侍りしに松島や嶋かすむとも此序南村千調、仙臺へかへるに行春や猪口を雄島の忘貝富士の繪にのぞまれ侍り三帆舟は鹽尻になるかすみ哉小庭にうつしたる梅の小枝に、鵙の草莖を見出て、人々に句をすゝめけるつゐで、梅の香をうたてや鵙のやどりとはいせの雲津を過侍る夕げとふ比に、馬に出る子を待門や傀儡師傀儡師阿波の鳴戶を小哥哉四睡圖かげろふにねても動くや虎の耳三州小酒井村觀音奉納如意輪や鼾もかゝず春日影或お寺にねう比丘とて、腰のぬ五元集けたるおはしけり。住持の深くいとをしみ申されしに、五ツの德を感ず。能睡煖な所嗅出すねふり哉能忘おもへ春七年かなた夜の雨能捕鶉かと鼠の味を問てまし能狂陽炎としきりに狂ふ心哉能耽髭のあるめおとめづらし花心自得蝶を嚙で子猫を舐る心かな足跡をつまこふ猫や雪の中猫の子のくんづほくれつ胡蝶哉市間喧つけ木屋の手なら足なら雨蛙能能能能能睡忘捕狂耽三六五
五元集遠遊醉歸の駕籠の內にて春の夜の女とは我んすめ哉(かんひんく三六六雛やそも碁盤にたてしまろがたけ三月四日雪ふりけるにひなやその佐野のわたりの雪の袖段のひな〓水坂を一目かな折菓子や井筒に成て雛のたけ雛のさま宮腹〓〓にまし〓〓ける宰府參詣の舟中菜の花の小坊主に角なかりけり醴に桃李の詩人髭白し鷄の獅子にはたらく逆毛哉壬子曲水もよほされて水呑を烏帽子にきせん岩つゝじ曙やことに桃花の鷄の聲花さそふ桃や哥舞伎の脇踊永代島八幡宮奉納汐干也たづねて參れ次郞貝親にらむ比目を踏ん汐干哉紀國の鯛釣つれて汐干かな對酌もどかしや雛に對して小盞曲水にあの氣違は茶碗哉菓子盆にけし人形や桃の花傳え來て雛の寳や延喜錢見てのみや盜まぬ雛は松浦舟おはしたに木兎もあり雛座敷曲水や筧まかする宿ならば綿とりてねびまさりけり雛の顏くり言を雛も憐め虎が母雛くれぬ人を初瀨の棧敷哉さ綠豆の頭も白し桃の眉順禮はよそに拜むやとり合貝そろへを送られしに蛤のしかもはさむか玉柳緣からはこなた思ふや花の庭地諷や花の外には松ばかり花見哉母につれたつ盲兒いざさくら小町が姉の名はしらず黑谷にて万日の人のちりはや遲櫻仁和寺いなづまのやどり木成し櫻哉上野にて浮助や扈從見に行櫻寺妙鏡坊より花送れしに文は跡に櫻さし出す使哉花と尋友饅頭で人をたづねよ山櫻一筆令啓上いと招れて行露公、あたみへ御浴養の比、はなんけの句奉るべきよし仰ありて、觀遊の御書ども聞えけるに脇息にあの花おれと山路哉露沽公御庭にて寐時分に又みん月か初櫻五元集三六七
五元集初櫻天狗のかいた文みせん友猿の友きらひすな花衣三月廿日含秀亭の山ふみに御供して御近習や花のこなたにかたをなみ門柳塵をはらふ折ふし、す啼御用よぶ丁兒かへすな花の鳥矮屋、妻奴の膝をいるゝのみなるに、心まゝなる酒を呑て傀儡の鼓うつなる華見哉石河氏宜雨公の山庄に、裝瓦店あつめて、四方に四の風情をもてなし給へるに二筋の道は角豆か山ざくら護國寺にあそぶ時、馬にてむか三六八へられて白雲や花に成行顏は嵯峨(株)神戸神社 ()面立君をあはれむざれありく主よ下人よ花衣京よりくだる人にことづてして花に遂て親達よばん都哉寐よとすれば棒つき廻る花の山山櫻猿を放して梢かな花折て人の礫にあづからん花は都物くるゝ友はなかりけり侍座花にこそ表書院でお月代花に來て都は幕の盛哉華盛子であるかるゝ夫婦哉はな盛ふくべ踏わる人も有馬にてむか世の花や五年己前の女とは目黑松隣堂にて浮世木を麓に咲ぬ山ざくら遊東叡山三句小坊主や松にかくれて山櫻八ツ過の山のさくらや一沉み人は人を戀の姿やはなに鳥芳野山ふみして明星や櫻さだめぬ山かつら折に殺生偸盜ありあざ也と花に五戒の櫻哉行露公、年々御庭の花を給りける。ことしおそかりければ、花を得ん使者の夜道に月を哉妓子万三郞を供してその花にあるきながらや小盃酒のさかなに、さくら花をたしなむ人に下臥に漬味みせよ鹽櫻惜花不掃地我奴落花に朝寐ゆるしけり雨後さくらちる彌生五日はわすれまじ上野〓水堂にて鐘かけてしかも盛のさくら哉ちる花や踏皮をへだつる足の心日輪寺の僧と、連哥のかたはらに對興して花に酒僧とも佗ん鹽肴一食千金とかや津國の何五兩せんさくら鯛三六九せよ鹽櫻五元集
五元集辛未の春上野にあそべる日、門主薨御のよしをふれて、世上一時に愁眉ひそめしかば、其彌生その二日ぞや山ざくら花に鐘そこのき給へ喧嘩買上野〓わたり徒士見立る比の花見哉尋花植木屋の亭主留守也花いまだ湖春と〓水に遊びて車にて花見を見ばや東山花笠をきせて似合ん人は誰酒を妻妻を妾の花見かな王維山水此雨に花見ぬ人や家の豆(小馬豆一人)三·七)池を呑犬に入あひ花の影甫盛はじめて上京に花ぞ濃伊勢を仕まへば裏移大悲心院の花を見侍りて灌頂の闇より出て櫻哉茶もらひに此晩鐘を山櫻折とても花の間のせがれかな沓足袋や鐙にのこる初ざくら原本缺字明ぼのゝ山鳥櫻かな海棠の花のうつゝや朧月小鳥居は葉守の神かつゝじ山月雪に山吹花の素顏よし亦是より木屋一見のつゝじ哉藤咲て鰹くふ日をかぞへけり旦夕のはしゐはじむるつゝじ哉永代寺池邊水影や〓わたる藤の棚心なき御影さんはに岩つゝじよそに見ぬ石の五德や藤の露白藤を酢みそにつたふ雫哉淺艸川逍遙鯉のもは山吹の瀨やしらぬ分錦にも藤の虱は憎からじ二月十二日、含秀亭の花ことし百五十餘種、うへ添給へる下莚に侍りて植足に三切の供や山さくら同じく入相此〓〓と花の名殘や節扇秋航、庭せゝりせらるゝにたそがれや藤植らるゝ扇取龍樹菩薩の禪陀伽王に對して、五元集貪欲をしめし給ふに、たとへば有瘡人近猛煙始雖悅後憎苦の文雁瘡のいゆる時得し御法哉摩訶止觀に、一目之羅不能得鳥得鳥之羅唯是一目、此文のこゝろを鳥雲にゑさし獨の行衞哉意馬心猿の解立馬の日は猿の華心雜司谷にて其中的にはじける山里は人をあられの花見哉とのはないと3入とおおおおさわが三嘯公、侍從になりて、寳永二年三月廿七日に京使に、たち給ふを祝して藤浪や廿七人草履とり三七一立馬の華心
五元集芭蕉の自畫十三懷周之讃師の坊の十年しばし柳陰三·一二時鳥人のつら見よ下水打子規一二の橋の夜明かな阮咸が三味線しばし時鳥傾廓時鳥あかつき傘を買せけり亦打山夜こそきけ穢多が太皷鵑きぬ〓〓の用意か月に時鳥寮坊主のまねば淋しほとゝぎす(廬山雨夜)宰府奉納ほとゝぎす鳥居〓〓と越にけり林中不賣薪せになくや山時鳥町はづれさる江といふ村にてくらぶ山材場の日陰や時鳥夏之部若鳥やあやなき音にも時鳥有明の面起すやほとゝぎす淀舟や犬もこがるゝ郭公夜這星鳴つるかたや子規宮城歷々や下馬の折ふし時鳥河東川むかひたが屋敷へか子規鵺啼や此あかつきを郭公曉の氷雨をさそふや郭公百間長屋にて之部麓寺五加がおくをほとゝぎす曲終人不見曉の反吐はとなりか郭公時鳥われや鼠にひかれけん子もふまず枕もふまず時鳥母におくれ侍りて、たのみなきゆめのみ見る曉夢にくる母をかへすか郭公枳風がつまを供して、あたみへ行とて、馬の間妹よびかへせほとゝぎす桑名にて蛤のやかれて啼やほとゝぎすそれよりして夜明烏や郭公點滴を硯に奇也ほとゝぎす五元集人間の四月にふしれ郭公(白文)時鳥茄子も三ツの小籠哉う月十七日、ある人の愛子にねだり申されて、郭公幟そめよとすゝめけり月消て腰ぬけ風呂や郭公六阿彌陀かけて鳴らん子規淺艸寺樹下虫つかぬ銀杏によらん郭公葉に成て畫れぬ梅や郭公ほとゝぎす只有明の狐落時鳥人を馳走に寐ぬ夜哉目の上に目をかく人や子規夢畫砂は目にね覺を洗へ郭公三五三
五元集姉が崎の野夫、忠功孝心をきこしめされて、祿を給はりたる事世にきこえ侍るを起てきけ此時鳥市兵衞記佛さへこの世間はくるしきにしらでやけふは生れ出けん麥飯や母にたかせて佛生會風光別我苦吟身大酒に起てものうき袷哉越後屋にきぬさく音や衣更一ツとろに袷に成や黑木うり卯月八日母におくれて身にとりて衣がへうきう月哉慈母墓花水にうつしかへたる茂哉三七四上行寺灌佛や捨子則寺の寺の兒若葉句合に年寒しわかばの雲の朝ぼらけ殿つくり並でゆゝし桐の花夕のはなぶさうかれめや異見に涸む夕牡丹いにしへのならのみやこの牡丹持河州觀心寺楠の鎧ぬがれしぼたん哉筑前紅をしらぬ火の鏡にうつる牡丹哉雨意艷士にめでゝ八專をうつゝに笑ふぼたん哉池田の海棠子、肖柏の行狀をあつめて集あめるにさゝはうし角に火ともすふかみぐさ下洛卯月の中の一日隱岐殿のかへり見はやせ鏡山朝叟、百里、全阿、甫盛等上京の時三十三日の吟席也。桐の花新渡の鸚鵡不言愛娘子鷄啼て玉子吸蚊なはかりけり序令初めて上京に餞凉み迄都のそらや連と金(揚州鶴)護國寺にあそぷ水漬に泪こぼすや杜若かきつばた疊へ水はこぼれても紫の蛛もありけりかきつばた簾まけ雨に提來る杜若奉納から衣御影やかけて杜若田家早乙女に足あらはるゝ嬉しさよ汁鍋に笠のしづくや早苗取三·五寳永開元奉幣使、御代參の人の家にてとした氣で伊せ迄誰か衣がへ屏風に藤房喞住すつるの所迷ひ子の三位よぶ也時鳥御代參の人の長崎屋源左衛門家に紅毛來貢の品〓〓、奇なりとして五元集五元
五元集木賀入湯のころしばしとや早苗より見る寺の門袖裏や茄よりけに白くゝり舟哥の均しを吹や夕若葉卯花や蠣がら山の道のくまうの花やいづれの御所の加茂詣集三七六夏草や橋臺見えて河通り目通の岡の榎や築ざかひ吐ぬ鵜のほむらにもゆる〓哉鵜につれて一里は來り岡の松爭はぬ兎の耳やかたつぶり(畫興)戶塚越侍るに鰹荷の跡は己日の道者哉帆をおろす舟は鰹か磯かくれ夕鹽や客の間にあふ中ふくらしらすか通る時世中をしらすかこし小鰺うり飯鮮の鱧なつかしき都かな和重錢に伊勢にても松魚なるべし酒迎こよろぎの名は昔にてうづは哉寄幻吁長老老僧の筍をかむなみだ哉笋よ竹よりおくに犬あらん竹の屁を折節聞や五月闇笋や丈山などの鎗の鞘(腰下無寸鐵)素堂居艸の戶は皆喰ものぞ夏の艸楓子居夏艸や家はかくれて御用茅呈露江公錢箒木や人馬へだつる五月雨さみだれや是にも外を通る人顏ぬぐふ田子のもすそや五月雨さみだれや富士の煙の其後は五月雨や傘につる小人形さみだれや酒匂でくさる初茄子嚴有院殿の大法事を、東叡山に拜み奉ル。五月雨の雲も休むか法の聲市驛吟馬舟とわかる鰹やけいば組花あやめのぼりもかほる嵐哉公門に入時あやめわく明り障子のみどり哉五元集殘湯を沼になしたる菖かなけふもけふあやめもあやめかはらぬに宿こそありしやどとおぼえね。住なれし所へだてゝよめりと、伊勢大輔、家のしうに見え侍る。菖こそ蛙のつらにあやめ哉此友や年をかくさず、白髪二毛の身をわすれて、松どの、太郞どの也けりとのゝしれば、今の人形の風俗ことさらに、小兵衛などいふ人形はなし。我むかし坊主大夫や花菖五月三日わたましせる家にて屋根葺と並でふける菖哉あひしれる女の塔の澤に入て、ふみこしたるに三七七
五元集山笹の粽やせめて湯なぐさみ艸の戶やいつ迄草のかひ粽本つゝじ夕べをしめて菖哉五月十三日雨雲や竹も醉日の人あつめ藻の花や金魚にかゝるいよ簾酒滿葛の葉の酒典童子も二面靜嵐といふ題を海松の香に杉の嵐や初瀨山蝙蝠の屎も子になれあやめ草交代の葉守の神や初柏疱瘡のあとは遙に幟哉綠槐高處はつせみや笛に袋を十文字三·八かたつぶり酒の肴に這せけり鎌倉やむかしの角の蝸牛たのめてや竹に生るゝかたつぶり文七にふまるな庭のかたつぶり河原町にて妾が家ほたるに小哥〓やらん宇治にて川くまや水に二重のほたる垣うつせみの繪に夏虫の碁にこがれたる命哉谷中風ふかぬ森のしづくやかんこ鳥僧正が谷佗しらに貝ふく儈よかんこ鳥下やみや鳩根性のふくれ聲露江公、溜池の高閣にはじめて凉を挽とき、當座とおせありければ夏山に我は御簾とる女哉蓮生は哥はよまぬを虫拂ひ(宇都宮入道)樟腦に代をゆづりはの鎧かなよめりせし時の枕か土用ぼし捨人や木艸にかけて土用ぼし浴衣着て瓜買に行袖も哉狙公溜池にて瓜むいて猿にくはするあつさ哉水飯にかはかぬ瓜のしづく哉干瓜やうつむけてほす蜑小舟瓜の皮水もくもでに流れけり龜毛に餞瓜の皮笠は重シとかさねけり破扇の圖維光が後架へ持し扇哉烏飛紺のあふぎのあつさ哉紅にうちはのふさの匂哉せみ啼や木のぼりしたる團うり隣から此木にくむやせみの聲竹のせみさゝらにしぼる時も有水うてやせみも雀もぬるゝ程白雨や內儀たま〓〓物詣に市中白雨といふ題鳶の香も夕たつかたに腥し白雨やもりをとむれば鼠の子ゆふだちに鶯あつく鳴音哉(シンクうぐひす)夕立にひとり外みる女かな三七九五元集
五元集三八〇鴫燒は夕べをしらぬ世界哉麻村や家をへだつる水車或人の從者參宮しけるに、はなむけすとて夏の夜を吉次が冠者に恨哉夏の夜は寢ぬに疝氣の起けり生死去來烏行蚊はいづくより暮の聲捕虎東坡七ツ毛の蚊にくるしむや足疾鬼蚊柱にゆめのうき橋かゝる也蚊をやくや褒似が閨の私語かやり火や蚊屋つる方に老獨更閑石灯籠蚊屋に消行鵜舟哉牛島三遠の神前にて、雨乞するものにかはりて夕立や田を見めぐりの神ならば翌日雨ふる雨乞する舟中吟さゝがにの筑波鳴出て里急ぎ西行と武藏坊には〓水哉芋のはに命をつゝむし水哉にんにくの跡が〓水の心かな土田のいりといふ日の吟也箒木に茄子たづぬる夕哉烏山へおもむく人に靑柳やつかむ程ある蚊の聲に夕がほや白き鷄垣根よりいきけさにずでんどうと、うちはなされたるが、さめて後切れたる夢は誠か蛋の跡旅店富士の雪蠅は酒屋に殘りけりある人、大なるふくべを二に引割て盞とし、外は地さびのまゝ、內は朱に塗て、わに口にむら衞をかゝせて、句をのぞむ。〓水影李白が面にかぶりけり形、目鼻なきめんのやう也すゞしさや帆に船頭のちらし髮舟暑し覗かれのぞく闇の顏千人が手を欄干や橋すゞみ凉しさや先武藏野の流星韓退之捨酒吟あり酒ほかす舟をうらやむ凉み哉こまかた此碑では江を哀まぬ螢哉牛御前是や皆雨を聞人下すゞみ橋上休老といふ題に牛泥む老の齒がみや橋すゞみ舷を玉子でたゝくすゞみ哉海を見て涼む角あり鬼瓦餞久松肅山淺草河歲々吟凉此人數舟なればこそすゞみ哉川凉み顏に泥ぬる詠かな凉みつむ安房や上總に舟はなし五元集三六、
五元集筆をさす御笠やかろき下凉人の子をめでゝ凉しいか寢てつむり剃ゆめ心畫讃大虚凉し布袋の指のゆく所日枝にむかひ給ふ御神を十八の明神つねにすゞみ哉河原にて曉を牛さえすゞみ車かな此松にかへす風あり庭すゞみ勘當の月夜に成し凉み哉(遊子殘月)暑字行露公にてむら雨の木賊に通る暑さ哉呈餞露江公供がたの鞘の暑さや岡の松三八二人に又暑い顏あり端凉み自棄たが爲に朝起晝寢夕すゞみ五月十日雷雨、永代島の茶店にやどりして明石より神鳴晴て鮎の蓋住吉にて西鶴が矢數誹諸せし時に、後見たのみければ驥の步み二万句の蠅あふぎけり七十餘の老醫みまかりて、弟子どもこぞりてなくまゝ、予に追善の句を乞ける。その老醫のいまぞかりける時、さらに見しれる人にもあらず、哀にもおもひよらずして、古來稀なる年にこそなどいへど、とかくゆるさざりければ六尺も力おとしや五月雨村田忠庵が事也故翁の句を繪にかゝせて、讃のぞむあり。その繪は夕顏の花を書たり)。句とたがひ侍るゆへ自句を書侍る夕顏や一臼のこす花の宿逐歐陽公賦蠅の子の兄に舜なき憎さ哉畫讃蟷螂の小野とはいはじ車百合子の肩とみつわくむ也夏旱(市中勞)魚市凉宵楊貴妃の夜は活たる鰹かな七月七日靈夢を感じて、東湖の辨才天に詣侍るに出ぬ茶屋に欺かれても蓮哉荷切や下手にしあれば莖を角(三八七年々の春秋、武江の寺社に廻り給ふなる靈佛靈神、君を守りのあとしめて、興廢の御威現あらたなる中にも、當時の開帳はさがの御てらと札をうたれて、官駕、鄙馬のさかひに暑をなやます靄亂、虫氣のさはりもなく、蟻のごとくにまふでつだふ。行程の遠近を辻番にたづれて、まはらば廻れ振舞水の下向道祐天和尙に申す夕顏にあはれをかけよ賣名號晝顏に米搗凉む哀也五元集集
五元集三八街送られしかへしに、辨慶も食養性や瓜畠瓜守や桂の生洲たえてより越前の人の土產をめで、光廣卿のうたをおもひ合待り。鰹哉先まなばしを袖で拭元角田川牛田といふ所にていそのかみ〓水也けり手前橋湖舟、餞に酒たうべて貫之の鮎のすしくふわかれ哉はなんけの一句を扇に望れて、生の松ばらのうたをよす。木會路とや凉しき味をしられたり市原にて虫はむと朽木の小町干れたり手にとるも林檎は軸で面白し哥仙貫之の古畫に冠にも指をそふめり哥の汗靑流亡妻をいたみ園女とはこれや此世を夏の海上下と裸の間を夕すゞみある御方より、あさがほ書たる扇にさんせよとあり舜や扇のほねを垣根哉と書て奉けるに、かされてまた軍繪かいたる扇に、さん望ませ給ふ。再は申かれて、凉風や與市をまねく女なし鬼のやうなる法師みちのくへ、くだるとて、道祖神にとがめられ、異例して何がしのとに介抱せられ、漸生のびて、心よはき文ども百日のあたら戀しや洗ひ鯉皿鉢に駒のけあげや心てん乳のめば〓水がもとの祭かな七日鉾にのる人のきほひも都哉山王の氏子として我等迄天下祭や土ぐるま番附をうるも祭のきほひ哉松原に田舍祭や晝休み夏瘦に能因しかも小食也乞食哉天他を着たる夏衣高閣挽涼香薷散犬がねぶつて雲の峰蝙蝠に宇治のさらしや一曇蟹をもてなす人に五元集うき舟の凉しき中へかにの甲ねてかとへ蓮にざそふ朝朗大雨大風吹降の合羽にそゝぐ御祓哉集三五
發行所印刷者發行者編纂者昭和十年十月十五日發行昭和十年十月十日印刷東京市本〓區金助町六十番地彰東京市四谷區本村町四番地東京市本〓區金助町六十番地鈴遠勝俳人其角全集第二卷電話小石川五三三〇番頒價振替東京五八〇四六番木峯考藤芳太郞晋二館圓滿風

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