奥田民生さん

 高校生のころ、ユニコーンというバンドを好きになった。その中で一番好きだったのが奥田民生さんだった。心の琴線に触れるシャープとフラットの入った楽曲、ハスキーでもなく太くもない声。彼が人の曲をカバーするときさらに魅力が増す。声に色気が漂うように感じる。
 当初はとても黄色い感性に包まれていた感じがあったけど、髪の毛が短くなりキャップを被るようになってから気負わないところが彼の良さとなりさらに引きこまれた。当時、私自身も若かったこともあり音楽雑誌などももれなく読んでいた。1992年に発売された「奥田民生ショウ」という本で東南アジアのリゾート地を訪れ暑くてビールがおいしくて最高だと語っていたものを読んだ。その写真に惹かれ私の行ってみたい場所のひとつになっていた。
 それが頭の隅っこにあり、なんとなく趣味で始めたその国の言語を学ぶサークルに入りそれが縁で夫に出会った。奥田民生さんがきっかけで私の人生に訪れた縁があることは誰にも言ってない。
 のちに奥田民生さんが沖縄を訪れて暑くてビールがおいしくてさらに日本語が通じるなんてやっぱりここが最高だという内容のことを言っていて少しだけ拍子抜けしたことも覚えている。
 


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