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傍にいた隣人

あいばのうさぎさんに触発されて…
私の不思議体験を1つ。

あまり長文を書かないので箇条書き風になってしまうのと、おかしなところがあったらすみません。

私は愛知県のとある地域の城下町の生まれです。
古くは古事記に記載があり、戦国時代にはかの有名な武将もきたり、と歴史的な経緯がある町です。

そんな町の農家に生まれた私は、幼い頃から何不自由なく生活してきたと思います。
ただ一点を除いては。


そう、家の中の誰もいない空間に何かいるってこと以外は。

幼い頃にふと気づいたんです。
二階で何か音がするなぁって。
気になったんで、すぐ見に行ったものの、何もない。

え、なに?


そんなことが何回も続くうち、それが当たり前になり、誰にも言わないでいました。

そしてまたある時、音がしました。
その時はちょっとイラついていたこともあり、家族の前で『また出た…』とぼやいてしまいました。

すると、『あぁ、ちょこちょこ出るよね』って。
なんだ、知っていたのは私だけじゃなかったんだ。
変に安堵したのを覚えています。

この日を境に、家族の間でその何者かの話が出ることが増えました。
みんな知ってたけど、皆一様に自分だけ、とか気のせいと思っていたようです。

しかし、家族公認になったその何者かは相も変わらず家の中のどこかで音を鳴らすといったことをずっと、ずぅっと続けていました。

もちろん、それをただ見過ごす訳でなく、一度家族でその正体を突き止めようと、音がする方へ一人ずつ向かって、その何者かを追い詰めようとローラー作戦をしたことがありましたが、その作戦を嘲笑うかのようにその何者かは尽く家族のいない場所で音を鳴らし、それを楽しんでいるような節で作戦は失敗に終わりました。

結局実害があるわけでもないので、その何者かは我が家の一員のようなものとして家族の間で扱われるようになりました。
『また出たね』とか『今日はよく動きなさる』とか。

動き的にはどう考えても人ならざる者なんですが、怖い感情は一切ありませんでした。
※2階で音がしていたから覗きにいったら次は1階で音がするなど。

時は流れて、私が就職で一人暮らしすることになった時のことです。
長い付き合いだったけど、もうお別れかな、と感慨深く思いながら荷解きをしていると…

ギィ…
パタパタパタ…

ドアが開き、人が歩く音が…

鍵あいてたっけ?引っ越しを手伝ってくれた父が戻ってきたかな?と思っていたのですが…

『どうしたー?忘れ物?』

リビングから玄関に続くドアを開けながら語りかけた私の声は何もない空間に響いただけでした。

あ、まさか…
憑いてきた!?

憑いてきたんか~

その後も実家と変わらない日々が続きました…

後日、逆に実家はどうなんだろう?と思い、電話してみました。

すると…

『昨日はしゃいでたよ』

なんと、実家と私の家をハシゴしてる模様www

そんなこんなで、この憎めない隣人はずっと先日まで傍にいたのです。

しかし昨年ふと気づいたんです。
音がしない。

私の両親は既に他界しているので実家には確かめようがなかったのですが、少なくとも数ヶ月は音がしていなかった気がする。

仕事に忙殺され、家にも寝に帰るだけ…
そんな日々が続いていく中でふと気づいた隣人の不在。

物心ついた時から傍にいた隣人。
それが今はいない。

なんとも言い様がない不安感と喪失感。

存在を気にかけることがなくなったからいなくなってしまったのか、それとも別の理由でいなくなってしまったのか…

そして、いなくなってしまったことを自覚してからは、坂道を転げ落ちるかのように悪いことが続き、財布を盗られたり、財布を落としたり、車にはねられたり、骨折したり、と災難続きです。

私が思うに、隣人は座敷童子だったのかなと思います。
宝くじが当たるだとか、仕事が成功するだとか、目に見えるような幸福をもたらす存在ではなく、当たり前の日常を当たり前に過ごさせてくれていたのかなと今では思います。

今はいなくなってしまったから悪いことが続いてるみたいな書き方をしてしまいましたが、注意不足など、全て自分が悪いと思っており、上述の当たり前のことを当たり前にできていなかったので今に至っていると思います。

某映画でありましたが、存在を忘れられたら悲しいですよね。

以上が私が1年前にお別れした不思議体験でした。

私の体験談的は怖いというより、不思議な話が多いかもしれません。
もちろん怖い体験もそこそこしておりますが、それはまた別のお話。

それではまた。


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