見極める力

現代社会において「情報」を入手することは容易になっている。特にインターネット出現後、複数の情報ソースから一気に情報を吸い上げることが容易になっていて、分析もある意味では楽になったともいえる。

一方でこの情報ソースの危うさや分析の難しさも存在する。よく考えて、何をキーにして比較するかということを意識しないと、Excelのピボットテーブルでさえ危うい。数字の海に飲み込まれてしまう。

COVID-19関連の情報を眺めていて思うことは、恣意的と思われる情報の公開やそれに基づいた分析(のような)コメントだ。良し悪しは別の議論として、自分自身でraw dataを扱い、自分の頭で考え、自分なりの結論・考えをまとめるスキルはもはや現代人に必須のスキルと言えよう。

分母・分子は何で、どんな「率」を比較したいのか。どのパラメータの傾向をみたいのか。非常にシンプルだが大事なことをすっ飛ばしてはいけない。数学で言えば中学レベルまでの知識で十分だ。問題はちゃんと自分の目的にかなったデータのハンドリングをしているのかどうかということだ。

もうひとつ。メディアや世論に流されないようにするということも大事だ。雰囲気や世の風潮(←これはメディアによってコントロールし易い)に流されずに目の前の数字だけを信じるということは非常に大切。

自然科学を大学時代に学んだ私は、実験開始時に立てた仮説と逆の結果が出たとしても、結論を曲げずに、出てきたデータに沿って分析、結論をまとめるというトレーニングをしてきた。仮説はあくまで仮説、真の姿は予想とは全く正反対ということはしばしば存在する。これはベテランでもルーキーでも同じだ。(ベテランは若干、経験による仮説の立て方が上手いのですが)

周囲に惑わされず、自分の考えを自分でまとめる。何事にも通じる大事なスキルかつ態度は今後も意識しながら前に進みたい。

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