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【論評】菅義偉首相、総裁選出馬せず

菅総理の「自民党総裁選不出馬」の決意表明に心から安堵すると共に、その決断を全面的に評価します。

遅ればせながら。ですが、菅総理の事実上の退陣には心からホッとしました。安倍政権は、安倍晋三という政治家の浅ましさ・卑しさを体現したかのような、憲法違反・法律違反・改竄・不正・隠ぺいなど、「犯罪政権」だったと論評できましたが、菅政権に対しては、たった一年間ではありましたが、意外や意外、安倍政権よりも厳しい言葉で評価せざるを得なくなりました。

TWITTERでは何度かつぶやいたのですが、菅政権は、《国民殺し》政権だったと断言できます。

誰もが分かっていた失敗として、負のスパイラルが挙げられます。

繰り返す緊急事態宣言をはじめとした感染抑制。そして感染が若干収まったときに早々と繰り出される規制緩和、そして再びのリバウンド感染からの規制強化、そしてまた抑制からの緩和、、、

この負のスパイラルを一年の間に何度も繰り返しました。これがベターじゃないだろう、とみんな思っているのに、その間にワクチンが国内に回り、重症化や感染が抑制できるはずだ。という希望的観測に心酔し切り、結局は体制がしっかりと整わず、ワクチン一本打法に頼りきり、そして国民の気持ちを一気に緩めた五輪開催、と。

全てが希望的観測の下で繰り出される対策と支援に、国民は疲れ切り、もうマスクをせずに街中をうろつく老人・若者まで出てくる始末。

もう闇時代に突入していると言っても過言ではありません。

安倍犯罪政権でさえ、一律給付金を支給したり、野党に押されて持続化給付金を支給したり等をしていましたが、菅政権は一切なし。

もちろん細かくみれば、様々な補助金や給付、支援などは政府から打ち出されているし、利用している方々もいらっしゃるわけですが、本当にミニマム。そしてその範囲は、限りなく限定的で、ちょっとでも枠から外れたら弾かれるようなもの。

自民党を支援する企業団体向けの支援制度は、ほどほどに厚いですよ。「こんなものまであるの?」と思う制度もたくさん出ています。でもミニマムなものが頻発しているので乱雑。数打ちゃ当たれ、と言わんばかりの支援群。それでも範囲が限定的なのですから、救われない人は本当に救われません。

負のスパイラルに陥って感染が抑制できない現状で、失敗している政策は繰り返すのに、支援や給付だけを繰り返さないというのはどういう理屈なのかよく分からない。

無理やり理解するとしたら、各支援制度の悪用や不正利用に懲り、そして一律給付に関しては麻生政権での効果や安倍政権での効果を踏まえ、「どうせ貯蓄に回るんだから、貯蓄に回らないような支援制度にすべきだな」という、まさに御上からの考え方によって抑制をされているんだと思います。

なぜ感染対策に関しては反省を一切しないのに、給付や支援に関しては反省を繰り返し、御上の都合に合わせて政策を変えていくのでしょうか。

支援企業や団体向けの支援制度はたっくさんあるのにね。。。

間違いなく、「財務省的」な発想になっている麻生太郎が、安倍・菅以上の長きにわたって財務相を務め、財布をぎゅっと握りしめているせいと言えるでしょう。

これも、派閥という悪しきパワーバランスの上に成り立つ自民党で、様々な思惑によって生み出された菅政権が、国民を見ずに自分たちの都合でしかものを考えられない、考えないと自民党自体に引きずり降ろされるような状態に陥っているせいです。支持率が下がり、地方選や予備選に連敗し、総選挙の危機が迫ってくると起こる現象。これだけ取ってみても自民党が政権を握ると悪い事しか起こらない事が分かります。保身のために、国民をまったく見なくなる。国民殺し政権へと変貌をしてしまう。そのくせ、「精一杯仕事をした。評価してくれ」とのうのうと言い放つ。

あなた方の政策決定の果てに、死んでいった人達に自信満々に「仕事をした」と胸を張って言ってみればいいですよ。菅政権の明らかな判断ミスが、感染を抑制できなかった全ての要因につながっていると思います。

菅政権は国民殺し政権。滅んで当然。同情も共感も感謝も一切ありません。明かりなど全く見えていません。官房長官時代に繰り返した横柄な態度の報いをその身に受けてざまあみろとしか言いようがありません。

まあ、こんな事を書くと、人の心がないとか、お前の方がよっぽど邪悪とか、いろんな事を言われるのがネットですが、実際に菅政権下で、その政策決定で煽りを食らった事がないから、そんな仏みたいな態度で菅政権を見ていられるのですよ。被害を食らった人たちはホッとしていると思いますよ。

「ようやく悪夢が終わった」と。


菅総理の事実上の退陣を受けて、自民党総裁選が盛り上がっています。

埋没する野党。そして立憲民主党。焦った立憲は色々と打ち出している事も承知していますが、総裁選のインパクトが強すぎて、せっさくのプロモーションも浮上していません。

遅かったんですよ、打ち出しがね。次回はここについて色々書いてみたいと思います。


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