立憲が弱い。その根本的な原因を探る。

4月24日参院石川選挙区補欠選挙、立憲大敗。

党本部も力を入れていた参院石川の補欠選挙、
ご存じの通り、立憲民主党の候補者は自民党候補に大敗をしました。
得票数において約3倍の差。
そして投票率は、過去最低の30%を切っていたとの事です。

投票率の低下はイコール岩盤地盤を持つ自民党に有利に働きます。
それゆえに、なんとかして投票から足を遠ざけている、
政治に関心を寄せていない人達の希望になれる候補者を立てることが
対抗する立憲には求められるのですが、そうはならなかった模様。
これは結果が出ている話なので、異論をはさむ必要はないと思います。

この選挙結果を受けて、泉代表は反省の弁を述べるとともに
敗因を分析し次に生かす事を約束していました。
そのうえで、「立憲に御力をお寄せください」と仰っておられました。

私はtwitterのリプでにて、
「お力はお寄せします。その代わりにこちらの声に耳を傾けてください。
勝つためにも厳しい声に耳を傾けてください」と書き込みました。
泉代表からは、「いいね」を頂戴したので、少なくともこの意見に関しては目に入れて下さったのだと思いました。

対して、逢坂誠二代表代行は、
反省の弁を述べるとともに、地盤と時間がない中健闘をした、といった事を
twitterに書き込んでおられました。

私はこの敗戦の弁が一番嫌いです。
キライというか、一番意味のない生産性が一ミリもない発言だと思っています。
それは、地盤がないなんて事はとうの昔から分かっている事だからです。
自民党が盤石だという事も誰もが分かっている。
そんな中でも野党第一党として、政権交代を掲げる政党が果敢にチャレンジをする、その使命と義務を帯びている人達が発する言い訳としては
最低レベルの発言だと言わざるを得ません。

じゃあ勝つためにどんな活動をしてきたのか、に話は移ります。

もう落選をされたので、敢えて名前は申し上げませんが、
私は党員として候補者の発言や書き込みなどをチェックをしておりました。
地盤がないのであれば、飛び道具で戦うしかない。空中戦が何より大切。
であるにも関わらず、インスタグラムに投稿されているのは風景画等が中心。文章も少なく、どっかの女性が細々とやっている趣味のアカウントのようでした。
これで果たして何を伝えたかったのか。
どんな飛び道具として機能すると思っていたのか。
まるで分かりません。

演説や動画で話されている訴えのど真ん中にあるのは、
「女性の参加が政治を変える」「多様な生き方を選ぶ権利がある」です。
立憲の女性候補者、議員がほぼほぼ口をそろえて言う訴え。
これは、2019年参院選からほぼやり方が変わっていません。

私は以前のnoteで、「多様性の敵は多様性」という記事を書きました。
多様性を大事にする事はもちろん大切。それは人それぞれの権利だからです。
たとえば、自分と少し違うからと、他者を罵倒し傷つけるなんて事はあってはならない。
それは侮辱罪になるかもしれなし、そうなると法律違反ですよね。
ただ、誰の事をどう思うかはその人それぞれの自由です。内心の自由です。
現在、法律で認められていないもの(たとえば同性婚)を認めようとする意見に対し、
「それは反対だ」というのは、権利を阻害している行為ではなくて
人それぞれの自由ではないですか?
法律で認められているものを認めないのはダメでしょう。ルール違反です。
しかしながら、今は認められていないものを認めようとするのは大きなパワーがいる。
時間もかかる。法律もいる。それ以前に理解を得るため話し合いがいる。
多様性はマイノリティである事が多いゆえに、マジョリティの理解を得るには相当な努力が必要になります。
私は同性婚の合法化も、選択的夫婦別姓も、自民党が目指す憲法改正も、同様の理由で非常に慎重な立場です。圧倒的に話し合いと相互理解が足りていない。その状況で何かをなすのは非常に危険だと思います。

であるにも関わらず、それを一回の選挙の主要テーマに掲げるのが立憲です。
たとえば自民党が「今回の選挙のテーマは憲法改正です!」と言って戦いますか?
戦いませんよ。負けますから。
だから彼らは戦略として、選挙では主張を主要なテーマの一つとして抑え、
主張はするんだけど、地域の生活や外交の安定などを軸足に論じるわけです。多くの方々の生活に直面する訴えをする自民党候補が勝つのは当たり前です。

ですが、立憲の特に女性候補は「多様性を!!私たちを女性を国会へ!!」と一番の大きな訴えとしてこれを持ってきます。
そして女性候補を、男性候補よりも先んじて公募をする。女性割合を高めるために。
”おじさん政治から脱却を”と言う議員もいます。
”○○議員と語る女性集会”というイベントを開催する候補者だっています。

なんでしょうか。我々、男性は敵ですか?
多様性なんてテーマが身の回りにないからよく分からないよ、と言う人は無理解ですか?
立憲は、女性やマイノリティにだけ目を向けて我々の事は無視ですか?
私はすごく疎外感を受けますよ。立憲議員・候補者の主張が胸に響いてこない。

奇しくも本日立憲が発表した泉代表の新ポスター「生活安全保障」。
このキャッチの方がよっぽど胸に響きますよ。
違法な行為や不適切な言動をする議員がいるのに、「まっとうな政治」とキャッチを付けるより、よっぽどいいな、と思いました。

枝野さんの頃からの風習ですが、
各議員は普段、各種政策について取り組んでいたり、発信したりされておられます。
それは私もよく存じ上げています。
しかし事、選挙になると急に「多様性!女性!」となるんです。
そして、安倍政治は否定するくせに、そこに同調圧力を掛けてきます。
こういう苦言をすると、立憲コア支持者から「無理解な奴がまた何か言ってる」といった言葉を吐きかけられますよ。つまり同調しないこいつはダメだ、と圧力かけてくるんです。

これが今の立憲の最重要問題であり、立憲が支持されない理由です。
立憲の唯一の岩盤ともいうべき「コア支持者」。
これが今の立憲の選挙に勝てない理由を、議員や候補者や政党自体に押し付けている最大の問題点なのです。

さかのぼって2017年。
安倍政権で、多くの弱者が切り捨てられ、安倍政権に迎合する人達だけが
旨い飯にありつけるような体制が確立されていました。
それは国民も、メディアも、官僚も、自民党議員ですら、です。
そこに反旗を翻そうもんなら新聞社は炎上し、石破議員は総理の芽を絶たれました。

原因は民主党が弱かったから。そう全ては民主党の責任であるともいえます。
そんな中立ち上がったのは、まっとうな政治を掲げ、お互い様に支えあう社会を目指し、
弱者を救おうと立憲を立ち上げた枝野さんでした。
感動しました、本当に。

その時に予想を超える人たちが集まり、支持をし、票を投じた事で
希望の党をいったんは終了に追い込み、立憲は100名を超える勢力を獲得できたのです。
そう、コア支持者にはあの時の記憶と成功体験があるんです。
あの時の興奮と気持ちよさが忘れられず、あの時の純血を望んでいます。

自分達に居場所が出来たコア支持者たちは、旧国民民主から合流した議員を露骨に攻撃します。
これは旧国民民主から来た議員さんに直接聞いた話ですが、
やはりその攻撃はすさまじく、言いたい事も言えない。でも逆らったら仲間であろうと攻撃される、と。
マイノリティの権利を認め、お互い様に支えあおう、と訴えるコア支持者が
純血を望み、排他的に自らと合致しない人達の事を扱うのです。

どこが「お互い様に支えあう」なのですか?
そしてコア支持者たちは一種の後援会的な勢力を保っており、動員もするし、選挙も手伝う。
そんな人たちが回りを囲うので、政治家も、何より枝野さんもそちらの方ばかりを見る。
ゆえに、主張が極めて差別的な「女性優位」「マイノリティ優位」なものばかりになる。
自分たちが新しい差別をしている事に気づかないような状況にまで追い込んでしまうのです。
結果、有権者から忌避される存在に立憲は残念ながら成り下がってしまいました。前回の総選挙、まさかの議席減ですよ。あり得ますか?むしろ気持ち悪がられる存在にすらなってしまっています。

これまた以前のnote記事なのですが、
私は2019年参院選にて、京都選挙区に電話かけのボランティアに入りました。
選挙事務所で若いスタッフたちが、「キャッキャ」と笑っている最中、奥の小部屋で同じくおばさま達のボランティアと電話掛けを必死にやっていました。
おばさま達も次第にお話に興じはじめ、事務所からは相変わらず笑い話が聞こえる。
劣勢が伝えられている立憲の京都事務所がこんなに明るいのだと心底驚きました。

少しでも多くの方に電話して、一票でも掘り起こさなきゃと思っていた自分は新しい名簿をもらいに事務所に行くと、おじさん一人だけでスタッフが誰もいない。
「名簿もらえますか?」と聞くと、
「あれ?あなたはいかなかったの?街頭演説始まるからみんな行っちゃったよ」
と言われました。
「まあ、それは別の方に任せたらいいので、自分は電話掛けしますよ。名簿下さい」
と言うと、
「そんなに頑張らなくてもいいけどね、休憩しながらやってね」
といった感じで名簿を追加で頂きました。

私はこの時の経験と記憶が強烈に残っています。
彼女たちがどんな笑い話をしていたのかも、電話掛けをしながら耳に入っていました。
立憲民主党が、居場所がなかったあなた方の新しい居場所になったのであれば、それはそれでいい。でも、ここはあなた方の遊び場じゃない。
立憲民主党は、今も苦しんでいる・困っている人たちを、
自民党や維新から救うための政党組織なんですよ。

働きたい女性ばかりじゃないですよ。
旦那の給料が少ないから、家事と育児と両立が大変だけどパートに出なきゃいないお母さんだっている。
別に社会進出とか、出世とか、女性が輝くとか、そんな事はどうでもいいから、とにかく安心して暮らしていける、旦那をサポートして育児が出来る環境をまずは整えてくれよ。余裕が出て働きに出られるようになったら、自分で行くから。
そんな女性だって大勢います。
あたかも自分達が「女性代表」「マイノリティ代表」のような顔をして、
男性や、マイノリティを受け入れられない人達を糾弾するような活動をして
どうやって多数派を形成する自民党を倒せると思っているんですか。

こういった事を理解せず、まだ自分達が正義だと思っているコア支持者と議員・候補者たち。
ここが立憲民主党が支持率を伸ばせず、選挙に勝てない根本的な原因になっています。

違うというなら、なぜ支持率が伸びないのか、選挙に勝てないのか理由を言えますか?
言えないと思いますね。
また「地盤・カバン・看板がない」とか言うつもりでしょうか。
立憲はまだ出来て5年の若い政党だから、今後時間を掛けて組織を作り上げて~とか言うつもりでしょうか。
聞き飽きました。いい加減にしてくれ。

twitterではなかなか短文で、想いを伝えられないので、
今回noteで時間を掛けて文章を書いてみました。

私は、立憲民主党が政権交代を果たしてくれないと、日本破壊を遅らせる事が出来ないと思っています。
つまりは立憲が政権を獲っても、日本破壊は進んでいくと悲観的に見ています。
だけど私の政治信条は、「政治にbestはなく、betterを選ぶもの」です。
そのbetterが立憲民主党である限り、私は党員としてこの党を支援し続けます。
時間やお金を使っているからこそ、人によって「なんだこいつ」と思われるような、
こんな文章を書く資格があると思っています。

立憲民主党滋賀県総支部連合会から届いた「2022年度(第三回)定期大会」の
議案書がいま手元にあります。
残念ながら、この日は仕事で定期大会には参加できませんでした。
この議案書の9ページに、こう記載があります。

「選挙に勝利するために全ての活動を集中する」

大賛成です。議案書に対する意見書を送ってください、という案内も来ていて送ろうと思ったのですが、これまた仕事で送るのを失念してしまいましたが、

「全ての活動を、選挙に勝利するために行う」

に変えて下さい。と言おうと思っていました。
間違った活動を集中しても、勝てないのであれば意味がありません。
これは「成績」や「実績」が求められる仕事をしている人ならば分かりますよね?

政治は結果が全てです。だたし、結果は、その過程が間違っていれば出ません。
私はこの立憲民主党の弱さである「コア支持者」と話し合えると思っていません。もはや無理だと確信をしています。そんな4年間でしたから。
せめて、候補者と所属議員にはいい加減目を覚まして欲しい。そう願っています。

~最後に~

主張し始めた時は孤立していたのですが、
最近は多様性政策を主要政策のど真ん中に据えて選挙を戦う事の危険性に
気付いてくれた党員やパートナーズの仲間が増えてきて、
本当は心の底から安堵し、ホッとしています。
めちゃくちゃうれしいです。ありがとう。

3年前とかにこれいうと、twitterで滅茶苦茶叩かれたんです。
「自分は分かってます感を出しているやつ」
「民進”しぐさ”みたいな奴がまた出た」
「お前、本当にパートナーズ?絶対ネトウヨだろ」
とかね。

言った人たち、何人か覚えていますが
今もアカウントがある人達は、コア支持者に分類されます。
すごい酷い事いうのに、表では「女性に権利を!」「rainbow pride!」
とかやってるんですよ。いやあ、すごい人達。

立憲民主党が気持ち悪がられるのはそういう所だと思うんですよ。
私は勝つためにあらゆる方策を続けていきます。
敗けるのキライなんで。

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