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理想と現実の狭間で

こんにちは、虚空亡です!

今回はなんか真面目っぽいタイトルですが、テレビゲームの話です(笑

何について話すかというとこちら↓

ゴーストオブツシマです!

2020年7月に発売されて以来世界中で売れに売れ続け、売上累計500万本を達成した2020年最高傑作と名高いソフトです。

そんなソフトですので、ゲームの詳しいレビューは探せば山ほど出てきます。

本記事はゲーム内の一部のストーリーについての個人的な感想ですのでご承知おきください💧

とりあえず、本記事でゴーストオブツシマを知った方のためにざっくり説明しますと。。

ときは鎌倉時代。元が日本を征服すべく、手始めに対馬に攻めこんできました。
(日本史で勉強した元寇というやつですね!)

日本の武士は一対一の正攻法で戦おうとしますが、元の蒙古軍は多対一でタコ殴りにしてくるわ火薬兵器のてつはうをブン投げてくるわで日本軍はあっという間に壊滅状態になってしまいます。

主人公の「境井仁(さかいじん)」は日本の武士で、やはり正々堂々と蒙古軍に立ち向かいますが歯が立たずに負けてしまいます。

死にそうなところを仲間に助けられなんとか生き延びますが、やめときゃ良いのにもう一度蒙古軍に戦いを挑み、またもや負けてしまいます。

消え行く意識のなか、武士の戦い方では蒙古軍に勝てないと悟ります。

運良く九死に一生を得た仁は、対馬を守るために武士道を重んじた誉れある戦いを捨て、闇討ち・狙撃・毒殺と何でもありの戦い方に目覚めていくのでした。

その何でもありの戦い方を見て、対馬の民は仁のことを「冥人(くろうど)」と呼び始めました。。

…とこんな感じで物語がはじまりまして、あとは蒙古軍の拠点を潰しながら仲間を集めながら温泉に入りながら竹を切りながら狐を追いかけながら神社にお参りしながら和歌を詠みながらコオロギを集めながら対馬を蒙古から取り戻していくワケです。

「~ながら」の部分も書きたいところですが、全部書いてると本題に入るのが来年になりそうですので止めておきます(笑


本題に入る前にもう少し説明をすると、主人公の仁は幼い頃に両親を亡くしており、伯父である「志村」という地頭(偉い人)に育てられました。

志村は「武士そのもの」といった感じの性格で、武士道に則った誉れある生き方を仁に叩き込んだ人物です。

仁は志村に両親を亡くした自分を育ててくれた恩義を感じているだけではなく、自分に武士道を教え鍛えてくれた志村殿を尊敬しており、親子以上の固い絆で結ばれている関係です。

物語の序盤で志村は蒙古軍の捕虜にされてしまうため、序盤は志村を蒙古軍から救い出すのが目的となります。

蒙古軍はもともと対馬に建てられていた城を拠点にしているため、正面から攻めたらすぐに気づかれ、捕虜である志村は殺されてしまいます。

仁は闇に紛れ城に潜入し、ときには蒙古兵を音もなく暗殺する必要がありました。

自分に武士道を教えた志村を救うために武士道に反した冥人の戦いをする、という仁の心の葛藤も本作品の見所なのであります。

志村を助けた後も、仁は対馬を救うために武士道に反した戦い方を続けます。
(仁は独りで対馬に何千と上陸してきた蒙古軍と戦うので、正面切って戦うという選択肢は基本的にありません)

たまに志村とともに戦うこともありますが、冥人として戦ってきた仁にとって、志村の戦い方はどうにも間違っているように見えてきてしまいます。

志村は、武士は民の模範にならなければならないため、武士道を守り誉れある戦いをせねばならないという信条の持ち主ですので、正々堂々真っ向勝負を好みます。

志村的には、武士道に則った戦いをした結果命を落としても、それは誉れある死なのです。

志村は「武士道に反するような戦い方は民を怖れさせ世を乱す」と仁を諭します。

言いたいことはなんとなく分かります。

武士の戦い方は武士にしか出来ませんが、虚に乗ずる冥人のような戦い方は民でも強者に勝てる可能性があります。
そんな戦い方を良しとすれば、世の平穏は乱れてしまいますもんね。

しかし志村が拘る誉れある戦い方では、いま目の前で起こっている事態は解決できません。

物語の中盤、蒙古軍の城の門を破らなければならない状況になります。

志村が提案したのはやはり正面突破。
でっかい破城槌で門を破ろうとします。

しかし当然ながら蒙古軍がそれを見逃すはずがなく、破城槌を押す日本軍の兵士たちに矢と爆薬の雨を降らせます。
どんどん死んでいく兵士たち。
志村にとってはそれは誉れある死なのですが、どう考えても無駄死にですよね。。

それを見かねた仁は、その夜に独りで城に忍び込むことを決めました。
夜の闇に紛れ城内に忍び込み、闇討ちを繰り返した後で蒙古軍の飯に毒を仕込みます。
その飯を食べた蒙古兵たちは次々に倒れていきました。

城内の蒙古兵が減り、門の守りが手薄になったところで志村たちが門を破り城内に入ってきます。

城内で倒れている蒙古兵を見て、志村は仁がやったことを叱責します。
「誉れある戦いはどうした!」と。

これだけ見ると志村が脳筋バカみたいに思えますが、このシーンの後のエピソードで志村は志村なりに蒙古軍から対馬を取り戻した後の対馬の平穏を考えていることが分かります。

平穏を取り戻した後、冥人の噂は世を乱す原因となる、というのもよく分かります。

武士は武士道に則り戦わなければならない、というのは正論ですし理想ですが、冥人の戦い方でなければ目の前の状況が解決できない、というのもまた現実です。

理想と現実の狭間で揺れ動く主人公。
どちらが正しいと思うかは物語の最後、僕たちプレイヤーの手に委ねられます。


…とここまで書いて思い出しましたが、テイルズオブヴェスペリアというゲームも理想と現実を問う物語でした。

テイルズオブヴェスペリアの世界では騎士は暴力的だわ役人は腐敗していているわで、市民の多くは虐げられて生きています。

市民は、強大な権力を持つ役人から理由なしに殴られても文句は言えないですし、どう考えても勝てない魔物と戦わされて死んだりします。

このゲームの主人公は下町の気の良い兄ちゃんという感じの皆から慕われている系の人物(右)でして、主人公の親友(左)は超高潔な精神を持つ騎士です。


このゲームのとあるエピソードで、ある役人の横暴が過ぎて市民がたくさん殺されそうになります。

主人公はツシマの仁さんの如くその役人を暗殺。
とりあえずは市民の多くは死ななくて良くなりました。

ただそれを知った親友から暗殺を咎められます。
「法が間違っているなら、まずは法を正す事が大切だ。そのために、僕は、今も騎士団にいるんだぞ!」という感じです。

それに対しての主人公の反論は「あいつら(役人)が今死んで救われたやつがいるのも事実だ。おまえは助かった命に、いつか法を正すから、今は我慢して死ねって言うのか!」という感じです。

これもどちらが正しいのか悩むところですよねー…。
親友の言うことは正論であり理想ですが、目の前の状況に対してあまりにも無力過ぎます。
かといって主人公の行いも到底許されるものではありません。
横暴な役人は殺して良い、という風潮が市民に浸透したら、志村が言っていたように世は乱れてしまいます。

ちなみに、あなたにとって大切な人たちが理不尽に殺されそうになっていて、あなたにそれを止める力があったとき、あなたはどうしますか?
「いつか法を正すから、今は我慢して死ね」と言えますか?

…まぁそのときにならないと分からないですよね💧

理想と現実。世の中うまくいかないことばかりですね。。


現実世界の仕事でも、理想と現実の狭間で悩んでしまうことがあります。

僕が勤めている会社は企画やデザインをすることもありまして、お客さんがやりたいことをカッコよく可愛く素晴らしい状態にして世の中に出すことが僕たちの役割となります。
(といっても僕は営業なので直接考える立場ではありませんが)

僕たちは頑張って素晴らしい(と思われる)企画を考えますが、その企画の100%が採用されることはあまりありません。

多くの場合、僕たちが考えた企画に対してお客さんから「これは要らない」「ここはこう変えたい」「これも企画に盛り込んで」みたいな感じで注文が入り、当初の企画やデザインを整えていきます。

お客さんがやりたいことやりたくないことって大事ですし、それを形にすれば当然お客さんは喜んでくれます。

ただ企画のプロやデザインのプロからすると、そのお客さんがやりたいことやりたくないことって間違っているように見えることもあるんですよね。
(お客さんは企画やデザインのプロではないので当たり前かもしれませんが。。)

お客さんが言っていることが間違っているよう思えたとき、それを指摘するか指摘しないか悩むことがあります。

僕は企画やデザインの良し悪しって最終的には個人の感覚でしか計れないと思っているので、こちらが間違っていると感じてもそれがお客さんにとって良いものであればそれは「良い企画・デザイン」になるのです。

うまく文章にできませんが、、、例えば「赤色が好きで青色が嫌いなお客さん」からとある製品の広告デザインの依頼を受けた場合。

その製品の特質や開発の背景から、デザインのプロ的にはどう考えても青を基調とした広告デザインになるとします。

そのお客さんから「赤を基調にしたデザインに変えて」と言われた場合、どうするのが正しいのでしょうか?

もちろん青いデザインにした理由は説明しますが、そもそもそのお客さんは青が嫌いなので「虚空亡さんの言うことも分かるけど赤にして頂戴」と言われてしまいます。

それでも食い下がりますか?

こちらはプロとしてのプライドがありますのでなんとか説得したいところですが、予算も納期あるのでそう何回もリテイクは出来ません。

「相手が納得するように説明すれば良い」というのは正論であり理想ですが、お客さんの好みに合わせたり予算納期を守らなければならない、という現実もあります。

テイルズオブヴェスペリアの主人公に言わせたら「お客さんの言うことを聞いて、満足したお客さんと儲かった会社があるのも事実だ。おまえはいつかお客さんは説得できるから、お客さんの好みも予算も納期も無視して説得し続けろって言うのか!」っていう感じですかね(笑

もちろん、こんな分かりやすい状況ってなかなかないので、実際はこちらが良いと思うこととお客さんがやりたいことやりたくないことを折衷しながら形にしていくのですが💧

もう良い年なのでこんなことで悩んでてはいけないんですけどねー…。

いつまで経ってもヒヨッこの虚空亡なのでした😱



いやぁしかし久しぶりに長文を書くと疲れますね!

明日は早く起きて、起きたら子供と遊んで、家事を片付けたらプラモデル作るんだ!(死亡フラグ)

この理想にどんな現実が待っているかは分かりませんが、とにかく自分を信じるのみです!💤

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!

それでは!ノシ

サポートいただいたお金が貯まったらジャイアントロボのフィギュアを買います!(笑