見出し画像

雪を食べた

↑豪雪地帯住んでるニキこそ大雪大学へ行け

私は、雪があまり降らない地域に住んでいる。


冬の本当に寒い時期、1月や2月の初めに、たまに降って5,6cmほど、少し積もるくらいだ。

そんなわけで、高校生になった今でも雪が積もると少しはしゃいでしまう。豪雪地帯なら、かまくらをを作ったり屋根の雪落としをしたりとすることもたくさんあるのだろうが、あいにくそんなことをするほどは積もらないので、弟と小さめの雪だるまを作るなどしている。

(弟です)

私が小学生だった時、平日の冬に雪が降った。
学校での休み時間、クラスメイトいや全校生徒が校庭へ
駆け出して行き、男の子は雪合戦をしたり、女の子は雪うさぎや雪だるまを作ったりと、楽しそうに遊んでいた。

私はと言うと、外で体を動かすのが好きではなく、普段の休み時間はもっぱら図書室に入り浸っていたのだが、この日ばかりはと、少ない友達と一緒に雪合戦を楽しんだ。

友達と雪遊びなど初めての経験だったので興奮したのか、私はまだ誰も触っていないであろう、綺麗そうな雪を口に運んで、食べた。

美味しいはずもないのだが、私は「うまいよ!」などと言って雪を友達にも食べさせようとしていた。(結局友達は食べなかった)

その後担任が「雪は実はとっても汚いから、食べちゃダメですよ〜」と言っているのを聞き私は絶望することになるのだが、あのとき小学校で友達と遊びながら雪を食べたことは忘れることはないだろう。

時は流れ小学5年生になった私は、今でも大好きな恩師が担任となる。この企画に参加したのも、この先生に出会って国語を好きになったからと言っても過言ではない。授業の初めに百人一首をしたり、化石掘りキット(キットといえど本物の石、化石が入っているかどうかも運次第)を学年全員に購入させてみんなを楽しませたり。 そんな個性的で面白い先生が担任になって迎えた冬、雪が降った。私は雪が汚いということは覚えていたので、食べたい気持ちを抑え、友達と休み時間に雪合戦をして遊んでいた。

休み時間も終わり、教室に戻ってきた私たちに、先生はこう言った。


「雪をかき氷にして、お風呂で食べたいですね〜」


「雪をかき氷にして、お風呂で食べたいですね〜」?



た   し   か   に   ✨


私は雪が汚いことなんて忘れ、自分も早く帰ってお風呂を入れて雪にかき氷のシロップをかけてお腹いっぱい食べたいと考えていた。今思えば、その先生は子供の夢みたいなことを冗談混じりに言ったのだろうが、私は真に受けてしまっていた。 

家に帰った私は、すぐに雪を集めて、器に入れて、何故か都合よく家にあったメロンのシロップをかけて、お風呂は親が入れてくれなかったので部屋で1口食べた。



パク


ウ   マ   ー   ー   ー   ー   ー

あの冬、兄と食べたかき氷も、これまた忘れることはないだろう。

(兄もいます)

(その時弟はまだちっちゃかったのでかき氷は食べませんでした)


また冬が来る。今年の冬は雪が降るのだろうか。
降ってくれるならば、あの冬の思い出を雪が蘇らせてくれるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?