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ジムニーを借りて田舎を走る

ジムニー(JB64)は軽乗用車のクロスカントリー車です。

田舎で暮らすということはどういうことか、それはそれは人によっても違うので一概には言えません。でも、私にとっては、「自分のことは自分で頑張る」生活の事だと感じています。畔の草を刈り畑の手入れをしたり、デスクワークな仕事以外にも地域の仕事やらなんやらに付き合ったり、お金ではなく「ずく」を出す生活(長野の方言で「惜しまず働く力」みたいな感じ)なのかな、と。

そして、生活の伴侶としてジムニーが欲しいんです。正確に言うと、発注しても納期が1年ぐらいかかるそうなので、欲しくなる1年前に決断して発注しないといつまでも購入することができません。そして、発注して1年間も発作が収まって不安になったり、待ちくたびれて疲れたりするのは御免こうむりたい。

よって、一日借り出してちゃんと考えてみることにしました。

今回、大町と白馬から、電気自動車・キャンピングカーのレンタルやツアーなどをコーディネートしているジャパンディスカバリーセンタ―さんが、ジムニーも貸してくれると聞いて、ゴールデンウィーク真っただ中ですが一日貸していただきました(関連リンク ジャパンディスカバリーセンター)。

貸出は白馬駅前の店舗から。一番高いグレードのオートマチックで色はジャングルグリーン。オドメーターを見るとまさかの3桁、ええっと、いいんでしょうか?

急な坂を八方尾根のほうに登っていきます。軽くアクセルを踏んでもそこそこの力感で走ります。あれ、こんなに力あるんだ、と思ってタコメーターを見ると、ゆうに4000回転は回っていて、いやいや、こんなに静かなんだ!

大町に向かって、仁科三湖を下っていきます。順に青木・中綱・木崎湖とめぐって大町市街へ。細かいピッチングが気になりますが、ふんわりした乗り心地、タイヤがショックを吸収してくれてますね。ハンドルに力を入れると、すっと向きが変わり始めます。ただ、その後切り足しても向きがなかなか変わらない、、、。

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ここらへんは、ゴールデンウィークが田植えのタイミングです。大きな窓からは景色がすごくよく見えます。幅が狭いこともあり、農耕車とのすれ違いも楽々だしいいなぁこの車。

ちょっと足を延ばして、西国三十三番観音像を巡ることにしました(関連リンク  るるぶ)。きれいな砂利道ですが、ところどころ倒れた木があったりします。でも、基本林道は軽トラが通れるように整備するので、丁寧に走れば当たらずに通れます(レンタルの規約に自動車の通行が想定されていない悪路は禁止とありますが、ここは地図にも記載されている自動車道路ですので良いと判断しました)。

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なんというか、タイヤやサスペションが頑張って仕事をしているのと、自分たちが囲まれているボディが分離されている感覚が新鮮です(ま、フレーム構造ってことは本当に分離されているのですが)。なるほど、これはハマる気持ちもわかりますね。

でも、ちょっとペースを上げて(といっても法定速度よりずっと低い速度)山道を走ると、あれあれ、、縦の力と横の力が一緒に来ると、なんといいますか、ぐにゃん、、と捩れる嫌な感じはなんなのでしょう。よく見ると、トラクションコントロールもちょっと動いたりして、接地が失われているってことか。ゆっくり走れってことなんですね、、でも、これじゃ軽トラのほうが遥かに速いような気がする。

150kmぐらい走って、燃料は10リットル消費しました。15km/lは車載燃費計とも一致しますし、4速のオートマでエンジンブンブン回っているので妥当なのじゃないかと。私はゆっくり走る派なので、パワー不足は全然感じませんでした。

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私がジムニーを欲しいと思っているのは3つの理由があります。

1. セルフメンテナンスができるから
田舎では現金は貴重です。なので、車のメンテはできる限り自分でやる必要があります。ちょっとぶつけたら、フェンダーばらしてハンマーで叩き出して直すぐらいの事は普通です。なので、構造がシンプルで直しやすい車がうれしい。

2. 軽乗用車であるから
田舎では現金は貴重です。なので、余計な税金は払いたくない。そして、先ほども触れましたが、軽乗用車は軽トラックと同じ横幅です。大きな車は、ガリガリ、ゴリゴリ、自宅近くであろうと除草・剪定されるまでは、草や枝をかき分けて進むことになります。

3. 相対的に安全であろうから
田舎でも車に乗ることは大きなリスクがあります。ヨーロッパでも販売されているジムニーは、日本ドメスティックな軽乗用車よりも安全性が高いと思われます。一応EURO NCAPでも★3つは取れているし(参考リンク EURO NCAP)。

上記に照らし合わせて、今回ゆっくり車両を観察することができました。フレーム構造はボディとの役割分担が明白なので、ぶつけても強度に影響なく修理できそうで良い感じ。ただ、後部座席後端はリアガラスすぐ近くなので、後ろに人を乗せるのは最低限にしたほうが良いでしょうね(後ろ乗ってみましたが、ヘッドクリアランスは十分なので、前席の人がちょっと我慢してくれさえすれば、十分快適でした)。

一方、安全性については、ダイナミックセーフティーが不安だということもわかりました。これ、そこそこのスピードで山道を走っていて、鹿とかに出会ってハンドル切ったら、結構大きな挙動になるだろうし、切り返しで車両のロールと周期があったら転倒しかねない予感がします。そう思って探すと、いわゆるMoose Testの結果を見つけました。ホーシングが広くてトレッドのあるジムニーシエラ相当ですが、なかなかデンジャラスな動画。しかし、スタビリティコントロール優秀で、無理やり挙動は抑え込めているのですが(参考リンク YouTube km77)、この動きはやっぱり怖いなぁ、、。

結論として、みんなより少しゆっくり走ることを心に誓うことができるなら、とっても素敵な乗り物ということがわかりました。足回りをちょっと良くするとか、ちょっと手を加えればよさそうな予感がします。



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