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「おもいで」

この一瞬一瞬も、その一部にしかならないだろうけど、思い出になっていく。
勝手に一人で泣き叫んだ昼も、「目腫れてる?」と伯父や伯母に言われたことも、親の前で漫画を読みながら静かに大粒の涙を流し続けてしまったことも。この先の未来で何が残るかが変わっていくのだろう。もしかすると、今記さなかった出来事が思い出に変わっていくかもしれない。

どこで知ったか分からない。気がつけば読んでいた、あるノンフィクションSS。自分に重ねて、投稿して載ってみたりもして。その漫画の最終巻を読んで泣いていた。青春って、恋愛って、儚くて尊いものだなあ。
漫画の最終話で涙が止まらなくなった。
私にもあったのだろうか。それとも、今その道の最中にいるのだろうか。わからない。
幼い恋愛というのは可愛らしくて儚いもの。思い出という存在に留まってしまうことも少なくないその恋愛を叶えた両親はすごいなあ、と思う。
今付き合っている人と、生涯を共にできたら。そう考える人間は少なくないはずだ。しかしそれを叶えるのは1割ほどの確率であるということがたまに頭をよぎる。1割。10人いて1人である。なんて少ない。その1割になりたがるのは誰だってそうだろう。私だって失敗している。ある種失敗が当然の世界で、共にいることを選び、そして最期までその手を離さなかった祖父母は。すごいなあ。

その奇跡も、叶わなかった90%も、いずれは思い出になっていく。
例え10年後共に歩んでいる相手がいようとそうでなかろうと、今誰かと生きているという思い出は消えることは無いんだと思う。

永遠なんてない、確実なんてない。残酷な世界だけど、奇跡に満ち溢れた世界でもある。
生きづらいけど、そう思うのもまた。

こはく

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