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前進

別れって前に進む前触れというか、進む中での1つの区切りだよなー。って。

始めはシャイで無愛想気味な子だった。
計算だけ早くて、あとは何もしない。できないんじゃなくてできない。そんな生徒。
親戚じゃない他人に勉強を教えるのは初めてではなかったけれど、ある意味担任、その上当時は唯一の教え子になった。
高校に近いし、、と比較的軽い気持ちで応募し、それに後悔しつつ重い腰を上げて出勤したことも少なくはなかったけれど、今となればもう名残惜しくて仕方がない。

今日、2年半担当した生徒の最後の授業だった。
先述の通り最初はなかなか扱いづらい、気難しいThe思春期ボーイだったが、今では勉強の愚痴だけでなく学校のこと、家族のこと、真剣な世間話、お互いの恋人の話、、授業の合間に沢山のことを話した。教え子というか、年の離れた後輩のような。

シャイで無愛想な幼い少年が、未来を、キラキラした将来を追いかける青年に変わるさまを、2年半追っていた。その過程すら今思えばすごく輝いていた、そんな彼。彼の少しばかり大きな夢は、私も高校時代夢に見ていた、そして少し前までそこで働いていたとあるお仕事だった。

目まぐるしい勢いで彼は進んでいた。そしてこれからも彼はどんどん進んでいくのだろう。空を翔ける流れ星のように。
いつか、そのちょっと大きな夢を叶えた彼と再会できたらいいなあ。私にも小さな夢ができた。

この先まだ続く人生の、通過点でしかないこの瞬間が、一つ一つ脳内で永遠になる。
そう思うと、人生って…愛おしいよなー

アノ


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