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一人だけど、独りじゃないっぽい

普段は気ままなシングルライフを送っているけれど、時々とても一人が辛くなるときがある。
そう、力仕事が必要なときだ。

ソファを粗大ごみに出したいけれど運び出すことができない。
新居にフロアタイルを敷きたいけれど一人では完遂できそうにない。
家具もひとりでは組み立てられない。

こういう場面ではどうしても一人の不便さだとか、世の中は複数人で生きることを前提としているのだな、うおーん!と感じてしまう。(感じすぎ)
女性おひとりさまだとどうしても成し遂げられないことだとか、そういうのが色々あるのだ。

打ちひしがれていると幼馴染が
わたし手伝い行くよ~?新居見たいしお安い御用!」と言ってくれた。

新居は彼女の家から比較的近いとはいえ、貴重な休日を奪うことになるわけで。申し訳ないなぁと思っていたけれど
作業が終わったらこの居酒屋に行ってみたい♡
と激渋な居酒屋のリンクが届いた。わたし以上にわたしの住む町を調べていて、ノリノリで、笑ってしまった。


まだ空っぽの部屋でフロアタイルを敷きながらいつものようにおしゃべりを続ける。
10歳からの付き合いのわたしたちは気づけばもう35歳になっていて、ここ最近は話題も愛だとか恋だとかではなく『最近の若手との付き合い方』『働くということ』『健康ってだいじ』みたいなものになってきた。

「いまは健康だから一人が楽だとか言っているけれど、病気して入院ってなったときに一人を辛く思うのかもしれないな~」

そうわたしがこぼすと、
「そうなったらしょっちゅう会いに行く」
「ぐったりするこむぎの横で、アイスばくばく食べながら、いつも通りにあれこれ喋るねw」
と返ってくる。
その光景は容易に想像ができて、いつも通りな彼女の振る舞いに救われる未来の自分が見えた。

話題がどんなに変わっていっても、友達っていいなと噛みしめる気持ちは昔から変わらなかった。

空っぽの、BGMもなにもかかっていない家の中で気づけば5時間も経っていた。

「もう飽きた」「もう飲みたい」と申し出てくれる友人はビールを最高に美味しく飲むために5時間の間いっさい水分を取っていなくて、
昭和の部活か!と二人でケラケラ笑って居酒屋に向かった。

でーん!いいお店ー!!

こういうメニューでお酒を飲むようになったわたしたちって、なんかいいよね。
そう話しながら、ふたりで最後は鯛の骨酒を飲んで店を出た。
気の置けない友達と気軽に会える距離ってのはいいものだね。



ちなみにソファの廃棄についても、別の友人が運び出しを手伝ってくれることになった。

そんなに近所じゃないのに、仕事を早く終わらせて車できてくれるんだって。「夜ごはんオゴリな!」と小さな対価を提示してくれるのも気づかいだなぁと思う。ありがてぇぜ‥‥!

思えばいつも、なんだかんだ困ったときにいろんな人が手を貸してくれて乗り切ってこれている。ほんと人には恵まれてきたよなぁとしみじみ。
(年々感動屋になっているのは老化だろうか)

一人だけど独りで生きてるわけではないんだなってそんな当たり前のことを最近よく感じる。
もしかしたらこの先、時に寂しくなったりすることもあるかもだけど。そういうときは周りの優しさに甘えてみてもいいのかもしれないな。


さて、引っ越しは来週だ!
物も心もどんどん片付けていくぞ。

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