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グレーさん、ありがとう

自分の気持ちを整理させようと書いてます。
あと辛いので言葉として出したかった。長いです。

あざらしさんとグレーさん

北海の魔獣あざらしさん。
LINE スタンプで人気のキャラで、ダウンロード数で月間 MVP を取ったこともある。

自分ら夫婦はこのスタンプとあざらしさんが大好きで、スタンプが出たら即買いし、先に買った方からスタンプ試用として相手のトークに送りまくっていた。
日常会話でもよくスタンプのセリフが出てきたりして、あざらしさんはわりと生活の一部になってる。
あざらしさんのスタンプはギャグ性の高いものからほっこりするものまで色々で、セリフも痒いところに手が届くようなものが多くて使いやすい。
自分たちが言いたいことを大胆かつ繊細に伝えてくれる。それがあざらしさんのスタンプ。
グッズも結構出ていて、うちには等身大あざらしさんと、等身大のこざらしさんのぬいぐるみがいる。引っ越してからは嫁さんがベッドの頭の方にある出窓の部分に鎮座させている。特にあざらしさんの方は抱き枕としても使えるくらいデカい。
あざらしさんとこざらしさんについては下記のインタビュー記事を読むとどんなのか分かる。

また、作者のグレーさん本人もよくファンの人達と交流を図ってくれる人で、ツイッターでのやり取りもあったが、交流という意味では主にツイキャスを配信してくれていた。
顔出しではないが、声だけの配信でファンのみんながコメントしてくれた事に対して答えてくれたり、自分が好きなものについて熱く語ったり。
時には愚痴や辛い時などを吐き出したりなどもあったけど、ファンのみんなが聞いてくれたり、励ましてくれたりという時もあった。
自分も遊びに行ける時は行って、コメントしていた。

グレーさんとの思い出: 天気の子

あざらしさんはコラボカフェとか個展などもあったので、東京で開催されている時はだいたい行って、グッズを買ったりカフェを楽しんだ。
個展でグレーさんご本人にお会いしたこともある。
ちょうどその直前くらいに、自分のツイートがグレーさんに拾われた。そのツイートがこれ。

この頃は映画「天気の子」がちょうど上映中で、嫁さんが今まで出ていたあざらしさんのスタンプだけでその内容を再現する遊びをしていた。
映画を観た人ならわかる!合ってるwって思うくらいには結構忠実に再現されていて、面白かったからツイッターにあげてみた。
そのまま一晩過ごしたけど、起きたら iPhone からめちゃくちゃ通知の嵐。
なにごとなにごとと思いながらツイッターを開いたら、グレーさんがこのツイートを拾ってくれていて、それを見た人たちがめちゃめちゃリツイートやスキを押してくれていたのだった。
しかしグレーさん本人は映画を観てなかったのでよく分からなかったらしい。笑

そんな事もあってその後個展でご本人にお会いした時にはグレーさんは自分のことを認知してくれていた。
サイン会みたいなのもやっていたので、個展で販売していた画集にイラスト付きでサインを頂いた。
映画を観ていないのに想像で描いてくれた天気の子のあざらしさん。
ちなみに日付の 8 月のところを間違えて 7 月と書いてしまって力づくで 8 にしてたの面白かった。

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あとスマホケースにもサインとリクエストしたイラストを描いてくれた。

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グレーさんとの思い出: どうぶつの森

去年の 3 月に「あつまれ どうぶつの森」が発売された。
自分らも買って遊んでいたけど、グレーさんも買ったらしい。
オンラインで他人の島に遊びに行ける機能があるので、そのうちグレーさんが自分の島を開放してくれた。
同時に遊びに行けるのは 10 人まで。その少数の中に自分も入る事ができ、嫁さんも横で楽しんでた。
グレーさんはみんなを歓迎してくれて、その様子を音声だけではあるけどツイキャスで配信してくれていた。
ツイキャスのグレーさんの声を聴きながら、島に入れた人は一緒に遊んでいたし、島に入れなかった人も雰囲気だけ楽しんでいた。
誰かが写真撮りたいですと言ったので、集まって写真も撮った。
王様の格好をしているのが自分。真ん中の寝てるのがグレーさん。いや寝るんかい。

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王様の格好を最初に見た時に「王様が!王様がいらっしゃったっ」とイジってくれるグレーさん。
グレーさん自身は普段からスカジャンが好きで着てるから、ゲーム内でもスカジャンを着てる事でみんな納得のグレーさんって感じだった。笑
そして頑張って作ったというカフェスペースを見てくれと案内してくれて、そこで暫くテキストチャット機能を用いての談笑というのか、グレーさんが楽しんでくれている様子をツイキャスで聞くことができた。

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最後にみんなにお土産を渡してくれて一言、「みんな土産は持ったか?よし、帰れっ」と唐突な辛辣な言葉でみんな笑い、解散した。
ゲームで交流できるなんて思ってなかったから楽しかったなぁ。

突然の訃報

そんな、あざらしさん、こざらしさん、その他皆に愛されるキャラクターを生み出してくれて、自身もファンのみんなからも、もちろん自分ら夫婦からも愛されていたグレーさん。

そんなグレーさんの訃報が届いた。

グレーさんは 10 年以上も日頃から持病と闘っていた。暫くはどういうご病気だったのかは知らなかったのだが、後にツイッターで肺 MAC という病気だと明かされた。

闘病生活が大変な事は普段のツイッターや、ツイキャスで不安を吐露する事もあったので、ファンのみんなも知っていた。
だからグレーさんが不安に襲われた時に話しを聞いてあげられる、励ましてあげられる、ツイキャスはそんな場所でもあった。
それでも辛そうなグレーさんの声を聴いて、自分らの想像以上に大変な病気なのだろうと、歯痒さと心苦しさを感じる事もあった。
自分らファンとしては具体的に何かをしてあげられるわけではない。そのもどかしさも感じていた事だろう。自分はそうだったし、きっとみんなそうだった。

グレーさんの訃報を知った時、本当に頭が真っ白になった。
思考が停止した。
嫁さんに「…これ見た?」と絞り出して言うのが精一杯だった。
テレビを観ながら洗濯物を干してた嫁さんも一瞬思考停止してたと思う。
その後も洗濯物を干す作業に戻ったけど、頭の中はぐちゃぐちゃだったろう。
心の整理がつかないまま日常を過ごし、晩ご飯の時に無理矢理明るい動画を流したけど、あんまり喋る事ができなかった。

晩ご飯の後は嫁さんは寝室に行き、自分はリビングにいた。
ツイッターで色んな人のツイートを見た。特にグレーさんと近しい間柄だった人たちは葬儀に参列していた事もあり、既に 1 ヶ月前にその事実を知っていたのもあって、訃報が公となってからグレーさんに感謝を伝えるツイートや、葬儀に参列して最期のお別れをしたことを伝えてくれる note の記事を書いてくれていた。

そんな記事を読んでは、グレーさんはもうこの世にいないという現実をようやく感じ始めていた。
同じように嫁さんも色々見てしまっていたのだろう。寝室からすすり泣く声がずっと聞こえていた。
声をかけてあげたかったけど、なんて声をかけて良いかも分からず、なんなら自分もまだいろいろ受け止めきれていなかった。

というか、この記事を書いてる今だって受け止めきれていない。
嫁さんだって今日も泣いていた。
ふとした瞬間に考えてしまう。思い出してしまう。その度に悲しくなってしまう。

あざらしさんの新しいスタンプやイラストはもう出ないこと。
グレーさんのツイートがもう投稿されないこと。
ツイキャスでもう声が聞けないこと。
ゲームで交流することももうできないこと。
ご本人に会って話すことももうできないこと。
全てがまだ受け止めきれていない。自分たちにとってこの事実は受け止めるにはデカ過ぎた。

家族ではないし、ましてや友達と呼べる間柄でもない。
クリエイターと、そのファンだ。
だというのに、ここまで深く悲しくなるのは自分でも戸惑うほどだ。
それほどまであざらしさんは自分たちの生活に入り込んでいたし、グレーさんの事が好きだった。

グレーさんは亡くなる 1 週間前に 1 枚のイラストをツイッターにあげていた。そしてこのイラストが最後の更新となった。

きっといろいろ体力的にも辛い中描いたのだろう。線もいつもより少し歪つ。
でもこれを見て、グレーさんは自分の死期を悟ってたのかなと思った。
自分がいなくなっても、あざらしさん達をよろしくね。
そんな気持ちを伝えようと描いたのかなと。
このイラストがツイッターに上がる 2 週間ほど前にも、同じような気持ちが文章で投稿されていた。
その気持ちを絵に表してくれたのかなと。グレーさんなりのお別れの言葉だったのかもしれない。
全部想像でしかないけど、自分はそう受け取った。

グレーさんへ

グレーさん、長い闘病生活お疲れ様でした。
そしてあざらしさん、こざらしさん、ひとくん、まなてぃーさん、ネコー、ジョン鮫、その他いろんなキャラクターやイラストを描いてくれてありがとうございました。
グレーさんにもう会えないなんて未だに信じられないし、受け止めるには時間がかかりそうです。
グレーさんはとてもファンとの距離を近く感じられる人だったから。
もう勝手に、ちょっとお友達みたいな感覚がありました。

グレーさんの訃報を知って、みんな悲しんでますよ。うちの嫁さんも気が緩むとまだすすり泣いてます。
いろんな人のグレーさんとの思い出、あざらしさん達との思い出を読んで、みんなグレーさんのこと大好きだったんだと改めて感じます。
グレーさんの絵に、人柄にみんな惹かれたんです。だからこんなに悲しいんです。
ツイッターにみんなたくさん想いを寄せてくれているし、note に吐露してくれている人もいる。
知ってます?ツイキャスの方にもコメントを寄せてくれている人もいますよ。みんなとワイワイやったあの場に。
最後のツイキャス、自分行けなかったからとても悔やんでます。

グレーさんが描いた絵はうちの至るところにありますよ。
画集だって飾ってるし、仕事机の上に置いて日々使っているコースターやマグカップ、T シャツだってあります。
等身大のぬいぐるみたちもいるし、ガチャガチャで全種引き当てたマスコットボールチェーンだってあるんすよ。
もちろんスタンプだって全部買ってます。日々使いまくりです。
もうナスのこともナァスとしか言えないんですよ!もうね、ナスって言うと逆に違和感を感じるんだもの。
それくらい我が家に浸透してて身近な存在なんです。
うちは結構ゆるキャラのグッズを買ってしまう方なんだけど、うちの一番の推しキャラはあざらしさんだなって嫁さんと話したこともあるから。
スタンプ以外にもたまに pixiv も覗いて、センスあるシュールなギャグセンスを見ては笑っています。
4 コマ漫画、本で出してほしかったなぁ。
ギャグじゃない温かい言葉を載せてくれた絵も、あざらしさん以外の絵も、好きですよ。

なんかいろいろごちゃごちゃ書いたけど、結局今思ってることは 1 つで。
店長も note で書いてたけど、寂しいんです。
身内でもない、ネットを介さないリアルでお友達だったわけでもないけど、グレーさんがもういないというだけでこんなに寂しいの、ビックリです。
誰かが亡くなったという報せを聞いて寂しくなったこと、ありますよ。
友達、家族以外でもあります。
でもグレーさんほど寂しい、悲しいと思うこと、そうそうないです。
こんなに感傷的な文章を書いてしまうくらい、悲しい。寂しい。
グレーさんはみんなのこと、愛してるぜ!ってよく言ってくれていたけど、みんなも、自分らも同じでしたよ。
まだ何度でも、お会いしたかったし話したかったです。
こんな風に思わせてくれるグレーさんはすごいですね。
ちゃんぐれは天才だから!さすが!これだから天才はなー。

昨日あつ森のグレーさんの島、遊びに行ってきたんですよ。
あの島はこれからもずっと残っていきますね。たまに遊びに行ってグレーさんに会いに行きます。あつ森持ってる人はいつでも遊びに行けますね。
話かけた時のセリフがあの頃からずっと「きやがれ」のママだけど。
あれグレーさんらしくて笑っちゃうんですよね。
喪服は持ってなかったから、スーツで遊びに行きました。写真も撮りました。スカジャンとスーツの組み合わせ、シュールぅ。

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自分ら夫婦は笑ってグレーさんのことを話せるようになるまで、きっとまだ受け止めるのに時間がかかります。
でもグレーさんが生きた証はいっぱいあるから。
おいちゃんはいつでもボウズの傍にいてくれるから。これからもそれを感じながら過ごしていきます。グレーさんの魂はみんなの心に、あざらしさんに、イラストに生き続けている。
グレーさんの傍にも、あざらしさん達がきっといますね。
あれですよね、ナァスに乗って迎えに来てくれたんですよねきっと。
乗れ!つってね。なんかもう想像できちゃうし。
途中でこざらし電車に乗り換えて、たんぽぽ畑駅まで連れてってくれたかもしれないなぁ。

グレーさんもゆっくり休みながら、好きな絵をいっぱい描いてください。
シチュエーション CD もいっぱい聴けば良いじゃない!新しい仮面ライダーもまた 9 月から始まりますよ。好きなこと、できなかったこと、いっぱいしてください。
いつかそちらに行った時にいろいろお話させてくださいね。

でもすぐお盆ですね。グレーさんもしかして帰ってくるかもですね。
今考えてみるとお盆の時って馬に見立てたキュウリに乗ってやってきて、牛に見立てたナスに乗って帰って行くんですよね。
グレーさんはきっとナスに乗ってやってきますね当然。でもグレーさん自身はナスはそんなに好きじゃないんでしたっけ。笑

四十九日の日にはグレーさんが好きだったひまわりでも買ってきて、お見送りしますね。

グレーさん、 本当に、ありがとう。

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