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21歳の頃、たくさん叱ってくれた恩師と8年ぶりに再会した話

最近は「上司が部下を怒りにくい時代」になっている昨今、若いうちに怒られる経験ってすごく大事だったなと今になって感じることがあります。

今週、21歳の頃にタイでインターンをさせていただいた会社の社長と、元上司であり現役員の方と"8年ぶり"に再会し、飲みに行った時の話をまとめておきたいと思います。

21歳の頃、マルタ留学後にタイでインターンを決意

学生時代の私を一言で表すと「井の中のノッポ」。

偏差値30台で笑われていた状況から関西の有名大学に逆転合格、まさに下克上のような成功体験は、圧倒的な優越感や万能感を与えるには十分な経験でした。

そして、21歳の頃に初海外でマルタ留学に行き、日本人がほとんどいない中で世界中の人々と友達になり、英語も上達していた自分は、完全なる「井の中のノッポ」状態で、「自分はなんでもできる」と思い込んでいる状態でした。

留学も半年ほどで飽きてしまい、環境を変えるためにヨーロッパからアジアに移り、そこでは語学力を生かしてインターンをしようと決意。2016年の4月、タイ・バンコクでインターンをすることになりました。

「俺にかかれば、なんだってできる。圧倒的な成果を残してやるよ」と、経験も知識もない中で根拠のない自信を持っていました。

プライドが高いだけの自分はすぐに挫折や屈辱を味わう

過去の小さな成功体験の連続で優越感に浸り、変に尖っていた21歳の自分は、タイのビジネス環境に身を置いて、どうだったのか。

言わずもがな、本当にダメダメで、毎日のように怒られ、20代で一番の挫折や屈辱を味わいました。

等身大の自分を見ることができれば、そんなことは起きなかったと思うのですが、「自分はなんでもできる」「人の教えなど必要ない」と言わんばかりに我流で仕事を進めていました。

例えば、他のインターン生が社長や上司の教えに熱心に耳を傾けている中、自分は聞かずに一人で作業をしているなど、とにかくヤバい問題児インターン生でした。

もちろんそれで成果なんて出るわけがないので、怒られ、詰められ、叱責叱咤の毎日。ほんの1ヶ月でぽきんと出鼻をくじかれてしまいました。圧倒的な優越感でスタートした20代は、初っ端からズドーンと底に落ちていきます。

それでも自分は相当頑固な奴だったみたいで、なかなか自分を変えようとしない、でも成果が出ない。毎日怒られるが、なんで怒られているかわからない。そんな辛い日々が続き、もうメンタルはズタボロでした。

仕事中、何回か泣いたこともあるし、みなさんの前で多くの恥を晒して、ほとんど自我は崩壊していた気がします。笑

ボロ雑巾のようになった状態で帰国し、就活に突入

結果、インターンでは成果を出すことができず、帰国する前日の最後の最後まで怒られて、日本に帰ることになりました。

帰国後は就活が待っていましたが、「もう働きたくないなぁ。」「ゆるゆるの企業に入って、ちょっとした給料もらって定時で帰りたいな」と思っていましたが、就活するにつれて、「なんか悔しいな。このままでは終われないな」という気持ちも強くなり、新卒入社でベンチャー企業に入ることにしました。

帰国から新卒入社まで1年半以上の時間がありましたが、その間でご指摘いただいたことを自分の中で消化し始めていて、「今度こそやってやるぞ」と、リベンジ的な気持ちで社会人生活を迎えました。

新卒入社後、半年で再び修羅の国「タイ」へ

新卒入社時には、インターン時の変な尖りも解消され、フラットで等身大の自分だった気がします。

どういう立ち振る舞いをするべきか、チャンスをもらう人はどういう人なのか、信用とは何か、インターン後に自分の中で消化したことを愚直に実践していると、すぐにその成果は目に見えてきました。

そして、入社6ヶ月後にタイでの事業責任者的ポジションを任されることになります。

新卒入社した会社の上司からは常々「バランスが取れているので、任せても安心できる」と言って頂いて、これも全てインターン時の上司が最後まで教えてくださったからこそ、実現できたことかもしれません。

そして、最大の屈辱を味わったタイに再び向かうことになります。

責任者の業務を通じて当時のアドバイスが骨の髄までしみこむ

インターンの出来事がトラウマみたいになっていたので、「タイに行くの、億劫だなぁ」という気持ちでタイでの仕事が始まりました。

そこからあらゆる事業の立ち上げに携わることになります。1年目からメンバーの採用、評価、数値目標を追う中で、インターンで教わったことが徐々に自分の中でより腑に落ちて、「そういうことだったのか」と感じる瞬間が何度もありました。

同時にインターン時にお世話になった社長、上司への感謝の気持ちが強くなっていき、「いつか感謝の気持ちを伝えたいな」と思うようになりました。

タイ駐在時に一度お会いしようと思い、連絡を取ってみたのですが、「今忙しいからまた連絡する」とだけ返信があり、その後、結局飲みに行くことがなかったので「やっぱり、もう会えないのかな…。」「やはり一度壊れた信用は、なかなか回復できないのか」とちょっと落ち込みました。

先日飲みに行った時に知ることになるのですが、当時は本当にただ忙しかっただけのようでした。笑

ただ当時、勘違いをした自分はその時から「一度壊れた信用は回復できない」と強く反省することになります。

インターン後から8年ぶりに飲みに行くことに

そこからというものの、仕事でも大変なことはありましたが、それでもどんな仕事でも順調に進めることができ、職場でも良好な人間関係を築けていたと思います。

全てインターン時に教えていたことが、その後の全てに繋がっています。

インターンを通じてたくさんの恩恵を受けて、自分は何も返せていない、感謝の気持ちも伝えられていない。というモヤモヤが20代中盤から後半で強くなっていき、社長と上司とお会いして、談笑する夢を見るほどでした。

インターンから8年後の今年のそんなある日のこと、その社長と上司の方が元歴代インターン生と日本で飲んでいる様子をFacebookで拝見しました。

自分はタイにいて行けなかったものの「さすがにそれは俺もいきたかった!」と思った勢いで「今度飲みにいきましょう」と連絡しました。

ありがたいことにその日にお返事をいただいて飲みに行くことに。

お誘いした当時は「まだ自分のこと、よく思われていないかもなぁ。」「悪い印象のままだろうなぁ。」と、マイナススタートでの会食に、めちゃくちゃ緊張しました。

20代が終わるまでに感謝の気持ちを伝えることができた

そして約束の日になり、8年ぶりにバンコク・アソークの居酒屋で会食が始まります。

直近の記憶は目の前のお二人に怒られ続けたあの日々だったので、本当に緊張していて「お前緊張しすぎや」と言われてしまいましたが、そこから素の自分でこれまでの近況報告や、8年間溜め込んだ感謝の気持ちを伝えることができました。

そして本当に嬉しいことに「成長したな。ここまで変わる人はあまりいないよ」と、すごく優しい目で言っていただいて、29歳にして泣きそうになりました。

そこからたくさんいろんな話をして、相談もして、小さなお子さんもいらっしゃるにもかかわらず、遅くまでご一緒していただきました。

本当にその時間が楽しくて、嬉しくて、今までの長年のモヤモヤが一気に解消されて、すごく気持ちの良い日になりました。

謙虚に感謝の気持ちを持ち続けること

陳腐な言葉になってしまうのですが、謙虚に、感謝の気持ちを持ち続けることさえできれば、仕事も人間関係も大きく転ぶことはなく、遅かれ早かれ状況は常に好転すると思っています。

生きていく中でどうしてもプライドが邪魔する瞬間はあると思いますが、「あ、今の自分の発言、ただ自分を守りたい、よく見せたいだけの、変なプライドからの発言やなぁ。」と気付けるかどうかが結構大事だと思います。

あとプライドは外向きと内向きの2種類あると思っており、「俺は成果を残さんと気が済まんのや」という外向きのプライドと、「自分を守りたい」「すごい自分と思われたい」という内向きのプライドがあり、経験上、「内向きのプライド」は百害あって一利なしです。

しかし、「自分を守りたい」「すごい自分と思われたい」という気持ちは一種の生存本能に近いものだと思うので、意図的に排除しようとする努力が必要だと思います。

まだまだ道半ば、20代で精神も成熟していないので、引き続き、全力で教えていただいたことは、今後も忘れず愚直に実行していきたいと思う所存です。

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