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グレン・ブランカ「Lesson No.1 for Electric Guitar」(1980)

こんばんわ。今夜はオススメの音楽です。
グレン・ブランカの「Lesson No.1 for Electric Guitar」(1980)です。

ミニマル・ミュージックというとスティーブ・ライヒのような近寄りがたい難しい音楽か、ミニマル・テクノという音数の少ないストイックなテクノのどちらかを連想するはず。

今日紹介するグレン・ブランカは、前者のライヒの文脈で語られるミュージシャンですが、ずっとロックしてます。とりあえずウィキペディアの抜粋します。

グレン・ブランカ(Glenn Branca)は、アメリカ合衆国の実験音楽の作曲家。
ブランカは「最も音の大きなミニマル・ミュージックのアーティスト」としてその名を知られている。その膨れ上がった過剰な音圧から「ミニマリズムではなくトータリズムの生みの親」と言われることも多い。

当初はテープコラージュの作家であったが、やがてエレキギターアンサンブルに移る。ブランカはアメリカのミニマル・ミュージックを先導した存在として名高いものの、ブランカの功績は純正律から派生した様々な微分音程と強大すぎる音圧にあった。ヨーロッパの現代音楽の複雑さや難解さとは一貫して無縁の音楽を作曲し続けている。

そんなブランカの記念すべきデビュー作の1曲目がこれ。

Glenn Branca - Lesson No.1 for Electric Guitar

1曲8分の長い曲です。金属的で単調に聞こえるギター、ベース、ドラムが少しずつ少しずつ展開してクライマックスまで緊張感ある高揚が続きます。クラシック楽器を頻用したライヒとは違い、ロック的なダイナミズムも兼ね備えた奇跡な一曲。

ライブを経験したことのある人の話では音圧が凄かったそうで、ノイズ/アヴァンギャルドのパンク・バンドのようにも映ったと思います。

90年代以降のテクノ・ミュージシャンでは、ライヒやグレン・ブランカ、マニュエル・ゴッチングなどの延々と単純なフレーズが反復して織りなすサイケデリズムをアイデアの源泉として挙げる人が多くいました。グレン・ブランカのこの「Lesson No.1」は、ロック、テクノ、現代音楽の丁度ミッシング・リンクのような一品です。

自分は、この曲でサビやクライマックスがなくても音楽は楽しめるということに気づきました。またダブのような音の抜き差しや重ねを生楽器でやっているようにも聴こえ、コンサート・ホールなど絶対想定していないその音楽は、孤高の位置だと思います。
そしてミュージシャンのエゴがないギターも現代的。

以後のシンフォニー・シリーズではさらに実験を深めていきますが、衝撃のデビュー作「レッスンNo.1」をぜひ聴いてみて欲しいです!

9マスに区切られたジャケットも少しアフリカ・バンバータのDeath Mixを彷彿とさせるカラーリングで、超カッコいいと思います!

頂けるなら音楽ストリーミングサービスの費用に充てたいと思います。