「倭寇・人身売買・奴隷の戦国日本史」渡邊大門
最近こういう本が出たらしく、レビューや関連記事が結構出てます。
「倭寇・人身売買・奴隷の戦国日本史」渡邊大門
著者の渡邊大門氏による記事から引用します。
他のライターによる以下のような記事もあります。
こんな感じで鎌倉時代から室町時代まで、奴隷売買、人身売買が行われていたようです。
なぜ、こんなことにこだわるかというと、豊臣秀吉による伴天連追放令(キリスト教禁止令)と関わってくるのです。秀吉の伴天連追放令はキリスト教宣教師による日本人奴隷売買を禁止するためだと言われてきました。
こんな感じで、「イエズス会の宣教師は、5万人もの日本人を奴隷として海外に売り渡す最低の連中だ。それに引き換え、秀吉はなんて人道的で愛国者なんだ!」と持ち上げられてきたのです。
しかし、最近の記事からすると、どうもそんな簡単なことではないようです。宣教師が来る前から日本人は奴隷売買をしており、また、スペイン人やポルトガル人は大西洋でも奴隷貿易を行い、東アジアでも一般的に行われていることに従事したに過ぎない、と考えられます。
日本の奴隷売買の歴史を見ていくと、宣教師コエリョの回答も別に不思議な感じはしません。
日本の戦国大名がポルトガル商人などに売り渡しており、ポルトガル人宣教師はむしろポルトガル国王に日本人の人身売買禁止令を求めていたようです。
なんか南京大虐殺のような様を呈してきましたが、東洋経済の記事では日本人5万人が奴隷として海外に売り渡された、とされていますが、ウィキペディアでは数百人とされています。
確かに秀吉は、ポルトガル人による奴隷売買も禁止しましたが、同時に奴隷売買が盛んにおこなわれていた東国(関東)でも禁止しました。つまり、上の記事にあるような戦場における「乱取り」(奴隷狩り)が、人々の戦争へのインセンティブ(誘因)になっていて、それを抑えようと思ったのではないでしょうか。
実際、秀吉は無茶ぶりの朝鮮出兵で間接的に戦国大名の力を失わせ、また刀狩や検地を実施したりして、それまでの「ガンガン行こうぜ」モードから「まったり行こうぜ」モードにペースダウンさせていきます。
しかも秀吉自身も朝鮮人を奴隷として日本に連れてきたり、耳や鼻を切って集めたりしているわけです。秀吉もイエズス会宣教師もどっちもどっちかな、という感じがします。
今の我々の行動も500年後くらいにはなんと言われているでしょうか。例えば「金で不本意な行動を強要する賃労働なんて、なんて野蛮で非人道的なのだろう」とかきっと言われているのでしょう。
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