見出し画像

スライ&ザ・ファミリー・ストーン/ Africa Talks to You "The Asphalt Jungle"(1971)

4大ファンク・ミュージシャンの一つとして必ず挙がるのが、このスライ&ザ・ファミリー・ストーン。スライ・ストーンという若者を中心に成立したバンドで、ベースにはラリー・グラハム、ブーツィー・コリンズといったファンク・サウンドを確立するうえで欠かせないベーシストが在籍した。

初期のスライは、サンフランシスコを発祥としたヒッピー・ムーブメントに触発され、多幸感あふれる人種融和的な歌詞とサウンドを志向した。ウッドストックを描いたドキュメンタリー・フィルムで「I'll take you higher」を歌うシーンは強烈なインパクトを残した。

しかしその後は、ヒッピー・ムーブメントと黒人解放運動に板挟みとなり、ブラック・パンサーからバンド内の白人ミュージシャンを追い出すように脅迫される事件にも見舞われた。

ヒッピー・ムーブメントの沈静化により、スライは一転してダークな作風の「ゼアズ・ライオット・ゴーイング・オン」を発表。その中の一曲が、今日紹介する「アフリカ・トークス・トゥ・ユー(ザ・アスファルト・ジャングル)」。

ゆっくりしたドラム・マシーンのリズムに、つま弾くようなギター、クラヴィネットが乗り、そこにブーツィーの奔放なベースが這いまわる。

ミュージシャンに演奏してもらった音源を自らミックスしたようで、非常に一体感のある緻密な、それでいて空間を感じさせる絶妙なサウンドになっている。

歌詞は、
watch out cause the summer get cold when today gets too old
Who's believing who who's doing the fishin'
If you are doing good Why are you crying
Do what you want to do or you can keep on wishin
Timber all fall down

The summerが恐らくsummer of love(ヒッピー・ムーブメント)のことかなと思う。サイケデリック・ムーブメントがファンク・ミュージックの誕生に大きな影響を与えたことを示す例としても重要。

同アルバム収録の「ファミリー・アフェアー」方が名曲として取り上げられることが多いのだが、こちらの曲の方が私は好き。

頂けるなら音楽ストリーミングサービスの費用に充てたいと思います。