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絶対的なものの裏側に目をつぶりたい

絶対的なものがどんどんそうではなくなることが、大人になることなのかもしれない。

親の存在は絶対的だと思っていた。母は絶対的だと思っていた。夜は絶対的だと思っていた。

だけどほんとうは、親も間違いをするただの人間で、母もただのひとりの女性だった。夜はただ太陽が地球の反対側を回ってる間というだけのことだった。

夜だからって世界は変わらないし、眠っても起きていてもどちらでもいいものだった。

わたしがみていた絶対的はわたしが知らないだけだった。それを破ったら恐ろしいことになると、勝手に信じていただけ。

そういうことを知ってしまったら、もう子どもではなくなるね。

知らないで信じているのが子ども。

絶対的と信じるものがなくなることが、大人になること。うれしいような、かなしいことだ。

だからいつまでも世界が理解の範疇をこえていて、と願っている。

知りたいけれど明かされないままでいてほしい。絶対的をどこかに残しておいてほしい。


ふと、宗教は絶対的で信じられる何かがほしくてできたのかなとおもったよ。

大人になると、今度は絶対的に信じるものをじぶんでつくっていくんだろう。そんなものはないけれど、あると思いたいからね。

信じたいから信じてる。裏側には目をつぶりたい幼い気持ち。

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