下書きに残された7月7日

地上から見た空はいちめん灰色の雲で

いまにも雨が降りそうだけど、

そのずっとむこうがわで

今夜ふたりは出逢うのだ。

あいにくの目隠し空模様に

落胆する人々のことはつゆ知らず、

毎年くりかえす逢瀬のときを

また今年も迎えられたと、

誰に見られなくとも

ただひとときだけ瞬いて

夜をこえていくのだろう。

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