強い伝え方を恐れている
人と話すのは好き。
相手の意図を、手で形を確かめながら受け取るように話を聞く。
自分の考えには、相手の手をひいて沿わせるように伝える。
でも、ときどきそれを強い言葉でする人がいる。
強い力で考えを投げつけたり、押し付けたりするみたいに。
相手の手をひっぱって、自分の考えに触らせるみたいに。
本人にそのつもりはないのかもしれないけど、強い伝え方をしてくる気配を、わたしは敏感に感じとる。
そういう物言いがわたしは苦手で、話を終えてしまうことがたびたびある。
強く短く放たれた言葉を、わたしの手を引こうとする力を、身をかわしておしまいにする。
それがもっとやさしく、手を添えるように渡されたなら、もっと形に触れあってお互いのことを知れたかもしれない。
考えを乗せあってお互いの考えがもっと深まったかもしれない。
そういうことがあると、悲しい気持ちになる。
もっと分かり合えたはずだった。伝えたいことがあった。もっと相手の考えに触れたかった。
でも、わたしに強い言葉を受け止める気はない。
強い言葉は自分の考えが正しいと相手に思わせようとする力があるようで、こわい。
わたしの考えに触れる気がないみたいで、こわい。
そういう強い力から離れたい。
伝え方で、伝わるものも伝えようとする心も変わる。
こわい伝え方は、気をなくす。悲しいけれど、話したくない。
もっと柔らかく伝え合っていたい。
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