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2024年冬アニメ

「あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、そのバラの花のために、時間を無駄にしたからだよ」

サン=テグジュペリ「星の王子さま」

2024年の冬アニメをまとめる。


魔法少女にあこがれて

「不思議な生き物にスカウトされる」「魔法少女が出てくる」あたりのイントロダクションは「まどマギ」っぽかったけど、これは「ブレイキング・バッド」だね。うてなちゃんが自分の気づいていなかった嗜好と才能に気づいてどんどん深みにハマっていく過程は、まるで”ホワイト先生”から”ハイゼンベルク”への変貌みたいでワクワクしたよ。エノルミータ(「エルカミーノ」を連想するよね。トッド役の人太りすぎてて最初誰だかわからなかったよ)の他のメンバーもかわいそうな魔法少女の子たちもみんな魅力的だったな。ロード団はそうでもなかったかな……。
僕の国ではあんまり大っぴらにできないんだけど、僕はこりすちゃん/ネロアリスの回が好きだね。一人でいることが多かった彼女が才能(破格の能力だよね……何か”縛り”があるのかな?)を見出されて、”友達”を見つける流れはベタだけど良かったよ。その”友達”の2人が変態なのは教育に悪そうだけどね……。早く日本版の”ディスク”を買って、《超あこがれVer.》を見たいよ。

(25歳/男性/アメリカ、ニューメキシコ州)

ぽんのみち

アニメを見る前、Mahjongってボードゲームは知らなかったの。で、最後まで見ても結局ルールがよくわからなかったけど、Mahjongに重心があるわけじゃなくて、仲間内の共通言語としてMahjongが使われている(そう、私たちがアニメを通じて会話するようなものね)ってことに気付いたから、視聴の妨げにはならなかったわ。私はテニスをしないテニスアニメ「てーきゅう」が好きなんだけど、その空気感を思い出したわ。
でも、「てーきゅう」と違うところは、時間がゆっくり流れていくということね。もちろん、単純に放送時間の違いもあるけれど、「何もない」オノミチってロケーションがゆったりした穏やかなムードを作っているんだと思うわ。中盤で”お約束”みたいに観光回を入れたのも堂々としていて良かったと思う。入浴シーンが一瞬で終わったから、男性諸氏は残念だったかもしれないわね。
5人のキャラクター(と、喋る変な鳥)もみんな可愛かった。最初、みんな胸が大きいことに少し驚いたけど(キャラクター・デザイナーの趣味って聞いたわ)、みんなヘルシーなスタイルだったから気にならなくなった。みんな好きだけど、彼(注:筆者)の言葉を借りるなら私はハネル”一本で行く”ね。彼女がMahjongをやろうとするたびにいろんな理由で延期されるのは不憫だけど、パペットで遊んだりチキンを焼いたりしてコミュニティの一員であろうとする姿勢が良いと感じた。ちなみに、彼はリーチェいっぱ……一本らしいわ。軟弱よね。
「コミュニティ」といえば、”テーブル”が壊れて彼女たちがだんだん疎遠になってしまう描写はリアルだと感じたわ。学校や会社や血縁に基づかないコミュニティって、ちょっとしたことで消えてしまうのよね。Mahjongがなくても彼女たちは友達なんだけど、それでも”テーブル”を直す決断をして(リーチェがお金を全額出さなかったのは偉いわ。彼と違って立派ね)、ジャン=ソウという居場所を真の意味で自分たちのものにしたところに意義があると思う。費やしてきた時間が価値を与えるって思想は、サン=テグジュペリ「星の王子さま」にも通じていて凄く響いたわ。

(27歳/女性/フランス、リヨン)

Coming Soon…

春は続編も含めて見たいアニメが多い。「終末トレインどこへいく?」「夜のクラゲは泳げない」あたりが気になっている。

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