2024年春アニメ
2024年の春アニメをまとめる。
終末トレインどこへいく?
激変した埼玉を引き返せない電車で旅するロードムービーで、こういうアニメはたまに見たくなる。高速で交わされる中身のない会話も割と好きだった。各駅で「体調の悪い時に見る夢」みたいな世界が現出するが、各駅の住人が異常を割と受け入れてしまっていること、その不安定な世界のほうが都合が良いと感じている人(各駅のヴィラン)がいること、(起源弾の傷跡のように)問題が解決されても完全に元には戻らないことなどは、ここ数年の我々と重なるものがあり時代性を感じられる。仕掛けは大きいものの、物語の焦点は2人の関係にあって、「起こったことは仕方がない」「でも何もしない理由にはならない」が世界と関係の修復で重なるロマンチックな作品だった。
ゆるキャン△ SEASON3
(正史とは限らないものの)映画で行き着くところを描いてしまったのもあって、全体的には「オープンワールドゲームでメインストーリーをクリアしたあとに残っているサブミッションをやっている」ような感触だった。各自が新しいことに挑戦しているものの、ドラスティックな変化ではない(僕が異世界転生ファンタジーアニメを見るようなもので、延長線上にある)。ただ、そのスローさも含めて深夜に眺めるにはいい時間だった。
ガールズバンドクライ
この世界で「怒り」を露骨に表現してしまえば、制御の効かない人間として扱われ、不利益を被ることになる。しかし、本作の登場人物(特に狂犬ニナ・イセリ)たちは怒りを隠さないし、対立も辞さない。それは人生経験が足りない(特殊な立場で特殊な経験を繰り返したベースとドラムは”人間ができている”ように描かれている)からかもしれないし、そうすることが相手への敬意だと思っているからかもしれない。いずれにせよ、「正論ばかりで融通が効かない」奴らのストレートな殴り合いは、「融通ばかりで正論が言えない」僕にとっては気持ちのいいものだった(苦しくなる場面もあったが)。最後の決断……というか、あらゆる決断に対して褒められるものはほとんどないが、褒められるためにバンドをやっているわけではないから仕方がない。毎回一筋縄では行かない、なんなら腹立たしいくらいの展開の連続で、人と内容を話したりして楽しめたのはよかった(これも狂犬にキレられそうだが)。
変人のサラダボウル
世間的に見て良くはない(どちらかというと悪い)人たちが自分の個性を失うことなく、関わったり関わらなかったりする文字通りのサラダボウルを優しい目線で描いていた。登場人物が全員大人だからか(サラは年齢的には子供だが、潜ってきた修羅場の数を考えれば一番大人といえる)、程良い距離感でほどほどにやって行こうという空気感が見やすさに繋がっていた(ヒモを飼ったりヒモを全裸で身体測定したりするなど距離感がバグっている教祖もいるが)。雰囲気が好きで(アニメの続きから)原作を買ってしまったが、アニメの部分より面白くてさらに驚いた。
夜のクラゲは泳げない
やりたいことが多すぎて焦点がぼやけてしまっていること、比喩が露骨すぎること、インターネット観に信頼がないことなどからあまりいい印象は持てなかった。あの世界に響く歌なんてないんじゃないだろうか(逆にいえば、もう斜に構えるのはやめましょうよということなのかもしれない)。
怪異と乙女と神隠し
乙たむが萌えだった。
デート・ア・ライブⅤ
1期からずっと見ているので最後まで見届けなければと思っていた。全体を通して、独りで奮闘してきた彼女が真のヒロインなのだと思う(これまで協力体制を取れなかったのは、裏切られたことが尾を引いているからといえる)。この後も確か展開があったはずだが、映像化されるのだろうか。
Coming Soon…
夏は「キミ戦」の2期や「異世界スーサイド・スクワッド」などが楽しみだ。あと、鹿のアニメも。
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