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劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』視聴感想。完全版

注意:この感想には、映画のネタバレに含め、ウマ娘アプリの育成ストーリーのネタバレと史実の内容も含まれます。

公開から時間が過ぎ、特典の小冊子とパンフレットも読み込んだので、そろそろ本格的にネタバレを突いてもいいかなと思った今日このごろ。
むしろXで呟かないようにするのが大変でもう限界だったとも言ふ。

また、前回は簡潔な採点方式で書いたが……評判がよろしくない。
個人的には気持ち悪い口語体の長文を垂れ流すよりスマートだと思っているのだが、どうやらそっちのほうがウケがいいというようけわからん状態となっている。

んだらば仕方ない、思いの丈をぶちまけておこう。

【ジャングルポケット】
 それは、数多の輝きよりも、己が最強であることを示すために。

https://jra.jp/gallery/column/syouzou/pdf/2018-10.pdf

今映画の表の主人公。
フジキセキの走りに憧れ、トレセン学園へと来た少女。
そのフジキセキ、アグネスタキオン、テイエムオペラオーの輝きに時に憧れ、時に苦悩しつつも、最終的には常に手にしていたサンキャッチャーのように他者の光を浴びながら、それでも自身こそが最も輝く存在であると駆け抜けた。

フジキセキに憧れたというのは、史実ではフジキセキと同じ陣営であることが由来かつ、当事者たちが「フジキセキでダービーを勝ちたかった」と言っているところからである。
一応言っておくと、フジキセキの産駒ではない(たまにネタで流れてくるが)

【アグネスタキオン】
 それは、ただ光よりも先へ、可能性の果てを求め続けるために。

https://www.jra.go.jp/gallery/column/syouzou/pdf/2019-23.pdf

 裏の主人公であるのがアグネスタキオン。サンキャッチャーの正しい使い方をしている方。

 ウマ娘の可能性の果てを求めるために走り続けている彼女は、一見現実主義のマッドサイエンティストだが、その根底は泥臭いロマンチストである。

 映画の流れに近しいのは本人の育成シナリオではなく、マンハッタンカフェの育成シナリオである。
 むしろ本人の育成シナリオではトレーナーとの絆によって別方向へシフトするので、映画を見てアグネスタキオンを気に入ったのなら、ぜひマンハッタンカフェの育成シナリオを見てほしい。

 ネタバレすると明示したのでもう完全に書いてしまうが、
プランAが自分の脆弱な足をどうにかして克服しようであり、
プランBが、他者を強化してそいつに達成させようである。 

基本的に彼女は皐月賞の後でプランBを選択しようとするが、自身の育成シナリオではトレーナーによって、それ以外では自身の導き出した果てに到達しようとする他者の姿によって”感情”という鍵を手にすることで再びプランAへと舵を切ることになる。

なぜなら、彼女もウマ娘だからだ。
ウマ娘は夢を胸に抱いたのなら、走らなければならないのだから。

【マンハッタンカフェ】
 それは、お友だちの背中を追い続ける漆黒の影。

……なんでヒーロー列伝はともかくとして名馬の肖像も作られてないのか。
推しの扱いにことごとく憤慨している私でございます。
一応、この世代の中ではG1獲得数上位なんですけどねぇ。

えー、正直映画でも要所要所で姿は出ているものの下手すればダンツフレームよりもパッとしない役回りだったんじゃないかな。
まあ、ジャングルポケットが主人公の時点で半分以上予想内でしたが。

映画の内容だけではそもそも結局「お友だち」ってなんぞやって事もわからんだろうし、その正体はまあ育成シナリオでも確実な明言はされてないのですが……んー、ネタバレしてもいいけどそれは直接的に映画とはやっぱり関係ない事になってしまうのでいいや別に(オイ

とりあえず、語弊がある表現をするなら「お友だち」というのは彼女が子どもの頃から見えるようになった「イマジナリーフレンド」です。
ただ「お友だち」以外の一般的に霊とかゴーストと呼ばれるものも彼女には見えます。

映画の範疇での話をするなら菊花賞がサラッと地味に流されたのは、様々理由はあると思いますが、正直史実の扱いもあんなもんでした。クラシック序盤に出て、後半まで休養してたので仕方ないのですが……。

次のG1レースに勝つまでは「まぐれ勝ち」だとよく言われましたし、海老名ジョッキーも次のG1の勝利者インタビューで「力があるってことを見せられた」とコメントしてたはずです。

まあ、それをやっちゃうと正直ジャンポケが目立たんので仕方ない。

【ダンツフレーム】
 それは、ただひたすらに輝きを追い求める。

https://www.jra.go.jp/gallery/column/syouzou/pdf/2022-12.pdf

 カフェに続いて準主役的な役回りですが、タキオンとジャンポケと同じレースを走っている分目立っていた感じ。
 ネット上ではもう完全にオッチャッホイとマシュマロボディのミームが大量発生している。

……うーん、正直それ以上のコメントに困っている。

やはり史実の思い出からたどってみても、印象深いのはペリースチームことクロフネさんなんだよなぁ……。後の某ウマ娘オタクウマ娘の一件も含めて。

【フジキセキ】
 それは新たなキセキの舞台を魅せるために。

 先輩ポジにして、表で裏で様々手を回してポッケを導いてくれる。
そして、正直カフェやダンツよりも第3の主人公的な立ち位置。
ただ、その……やっぱりあの勝負服はおかしいやろ。

 彼女の諦めたくないという感情がタキオンの行動の証左であると言う部分には素直に感動した。
それからタナベトレーナーとの絡みも、トレーナーとウマ娘の絆という、ウマ娘の大事な要素を表現してくれていてとてもよかった。

【テイエムオペラオー】
 それは覇王である。

いわゆるラスボス的な立ち回りのため、普段は含まれているオトボケ的な要素はほぼカットされ、明確な強者として描かれている。
逆にそのせいでキャラ的な深堀りも特にされず、ただただ強いやつとして役をまっとうした。

まあそのあたりはRTTPや育成シナリオに任せたというところだろう。尺もあるし。

それ以外のウマ娘は省略。

【タナベトレーナー】
 フジキセキとジャングルポケットのトレーナー。そしてメインヒロインである(オイ
 まさか、ナリタトップロードの沖田トレーナーより更に年上のトレーナーが出てくるとはびっくらポンであった。
 次にその声に更に驚愕することになるのだが、逆にこれはもう演技抜群やろという期待に、期待以上で応えてくれた。

冗談抜きで、この映画で一番好きになったのはウマ娘ではなくタナベトレーナーかもしれない。

それくらい、彼の言葉には様々な感情が滲んでは、その言葉でジャングルポケットを導いていった。

【4DXと総評】

最後に4DXでも見たのでその感想と全体的な総評でしめよう。

4DXはこのウマ娘の映画で初体験だったのが……正直個人的にはよろしくなかった。

まず酔いやすく、腰が悪いのは自前の体質ことなので目を瞑ろう。

ただそれ抜きにしてもなんだろう、こうメリハリよく的確に演出で差し込んでくれるならいいのだが、基本的にずーっと揺れるか水が飛ぶか香りを噴射している。
一度見た映画なので映像を補完することはできるが、逆にそうしないと映像に全く集中できない。

初見が4DXだったら、映像をほとんど覚えてないんじゃないかな。

なので、個人的に4DXは映像に集中できず、慢性的に演出が飛び交っており「映画視聴」ではない何かであるという感想である。
恐らく、今後別の映画で4DXが出ても、普通の方でしか見ないだろう。

総評としては前回の感想とそう変わらないのだが、ウマ娘を詳しくは知らなくても楽しめる内容であり、既存のウマ娘トレーナーも満足でき、これからウマ娘に興味を持ってもらえる内容でもあるだろう。

特にレースシーンはアニメ1期から日々レベルアップしており(そのたびに短いはずの中山の直線が長くなる現象が発生しているが)普通に演出としても見ていて熱が入るものであった。

欲を言うのであれば、ダービー後の winning the soul のライブも見たかった。
まあ、あの歌詞だとポッケがダービーで吹っ切れちゃうかw


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