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16 パーソナリティ(MBTI)を正しく解説。ユング心理学の観点から理解する。気をつけるべきフェイク情報

ユング心理学とは?


ユング心理学とは、カールユングというスイスの心理学者が生み出した心理学の体系です。ユングは、1875年にスイスで生まれ、3大心理学者の一人であるフロイトと共に心理学を研究した後、独自の心理的な概念の研究を行いました。ユングは夢解釈による無意識の分析に熱心に力を入れ、自我や無意識などの概念を独自に体系化しました。

私たちでも知っているような言葉である、ペルソナという概念を生み出し、コンプレックスという言葉を広めたのもユングであると言われています。

フェイクニュース:16パーソナリティ(MBTI)に関しての間違った情報

よくMBTIでの相性診断?のようなものがウェブサイトに見られるますが、それらはいわゆる"フェイクニュース"と言えます。

なぜならMBTIの根本となっているのはユング心理学ですし、これらの概念の中にはあまり人間同士の相性について触れません。
MBTIは人同士の相性を見るというより、MBTIを通して自分や他人の自己理解を深めていくべきツールだと思います。

このアカウントでは、ウェブ上のフェイクニュースを大きな問題と捉え、その解決を目的をしています。正しい知識と知恵を正確に伝えることに努めています。


MBTIとユングのタイプ論との関係性

最近、MBTIはマッチングアプリや求人サイトでの利用が増え、多くの関心を集めています。

MBTIは、ユングのタイプ論を元にMBTIを1960年代に作り出されました。

つまりMBTIについて根本的なことを知るにはユング心理学の特にタイプ論を知る必要があります。

この記事では、MBTIの基盤となっているユング心理学のタイプ論を通してMBTIを解説します。

タイプ論とは 

ユングは人の機能を四つのタイプに分けられると考えました。

  • 思考 (Thinking, T): 思考機能は、情報を論理的に分析し判断する能力に関連しています。客観的事実や原則に基づき、合理的なアプローチで情報を処理します。

  • 感情 (Feeling, F): 感情機能は、人々の感じることや状況の調和を優先して情報を評価する能力に関連しています。他人の感情や価値観を考慮に入れて、共感的に判断を下すことが得意です。

  • 感覚 (Sensing, S): 感覚機能は、具体的な事実や現実を五感を通じて捉える能力に関連しています。詳細に焦点を当て、直接的な経験や事実を基に情報を処理します。

  • 直感 (Intuition, N): 直感機能は、背後の意味やパターンを感じ取ることで情報を理解する能力に関連しています。未来の可能性や新しいアイディアの追求に向いています。


そして機能には外交的と内向的の二つの側面があると考えました。
つまり4 x 2の合計8個の以下の心理機能に分けられると考えました。

外向的直感 (Ne)    vs   内向的直感 (Ni)
外向的感情 (Fe)     
vs     内向的感情 (Fi)
外向的感覚 (Se)     
vs      内向的感覚 (Si)
外向的思考 (Te)     
vs      内向的思考 (Ti)


  • 外向的直感 (Ne): すぐに周囲の変化や可能性を感じ取り、それに基づいて新しいアイディアや接続を見つけ出します。まるで複数の点を瞬時につなげて全体像を見るような感じ。

  • 内向的直感 (Ni): 頭の中で情報を組み合わせて深い洞察や未来のビジョンを形成します。まるで直感的にパズルのピースが組み合わさるような感じ。

  • 外向的感情 (Fe): 他人の気持ちや状況に即座に反応し、調和を求めることを重視します。まるで他人の感情の温度を感じ取るセンサーのよう。

  • 内向的感情 (Fi): 自分の価値観や感じを深く探求し、それに基づいて意思決定をします。まるで内なるコンパスに従って行動するような感じ。

  • 外向的感覚 (Se): 現在の環境や状況を鮮明に感じ取り、それに対して直接的に反応します。まるでカメラのレンズがクリアに物事を捉えるような感じ。

  • 内向的感覚 (Si): 過去の経験や記憶をもとに現在の状況を評価し、それに基づいて反応します。まるで過去の写真アルバムを参考にするような感じ。

  • 外向的思考 (Te): 効率的で結果を重視する行動を取るのが得意です。まるで目的地に直線で進むGPSのよう。

  • 内向的思考 (Ti): 情報や知識を内的に分析し、深く理解することを求めます。まるで複雑な計算を頭の中で行うコンピュータのよう。

タイプ論では、これら8つの機能が相対的に働き性格が出来上がると考えました。

そしてこの考えを元に作れらたのがMBTIです。


MBTIのテストでは、前述の8つの機能のうち最も強い4つの機能(主要機能、補完機能、第3機能、劣勢機能と呼ばれます)を質問を通して推測します。
そしてそれらの組み合わせから16の異なる性格タイプに分けます。

*下から上にかけて機能が強い

以下は一般的に言われているそれぞれの16の性格タイプの特徴です

  • ISTJ (検査官): 静かで真面目。実際的、実事求む。効果的な組織能力。

  • ISFJ (保護者): 他者を守り、支えることを愛する。義務感が強く、献身的。

  • INFJ (カウンセラー): 熱意と想像力に満ち、思慮深い。他者の感情や動機を理解する力がある。

  • INTJ (マスターマインド): 戦略的な思考が得意。計画と目的を持ち、それを実現するための戦略を策定する。

  • ISTP (職人): 理論と構造を愛する。静かで観察的、具体的な技能に秀でている。

  • ISFP (作曲家): 静かで友好的。現在の瞬間を大切にし、自分の周りの人々や物事を楽しむ。

  • INFP (ヒーラー): 理想的で熱意に満ちている。自分と他者の可能性を信じ、その実現のために努力する。

  • INTP (アーキテクト): 論理的で分析的。外部の世界よりも、内部の思考やアイディアに興味を持つ。

  • ESTP (実業家): 実践的で現実的。瞬時の状況に適応する能力があり、その場の流れで行動する。

  • ESFP (エンターテイナー): 親しみやすく、愛される性格。他者とのコミュニケーションを楽しむ。

  • ENFP (チャンピオン): あふれるような熱意と情熱を持ち、可能性を追求する。

  • ENTP (発明家): 賢明で知的。新しいアイディアや可能性に引かれる。

  • ESTJ (管理者): 実際的、実事求む。組織と管理に長けている。

  • ESFJ (供給者): 心からの献身で、他者のために尽力する。協力的で社交的。

  • ENFJ (教育者): 優れた人間関係のスキルを持ち、他者の成長と進歩を支える。

  • ENTJ (司令官): 決断力があり、指導的。計画と目的を持ち、それを達成するための手段を確立する。

つまり

個人が持つユング的な心理機能の相対的な優劣さのパターンを16個生み出し、それぞれのパターンに性格的な特徴を見出そうとするのがMBTIです。


まとめ

私たちはMBTIを通して、人との交流関係をよくすることができると思います。しかしMBTIは、ある特定の角度からものを見ているだけであり、その人を全て表すものでもないですし、決定的なものではありません。西洋的な心理学の考えに最も影響を与えた人物の一人であるカールユング氏の研究を元にしているため、整合性があり、たくさんの人の興味関心をひいていますが、その扱いには注意が必要です。MBTIでは、人の相性は測れません。

最後にお願い

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おまけ:MBTIとアーキタイプ、ペルソナ、シャドーとの関係 by ChatGPT4


アーキタイプとは: あなたのお気に入りの物語や映画の中のキャラクターのようなものです。これらのキャラクターは、人間共通の経験や役割を象徴しており、私たち自身の中にも見ることができます。たとえば、勇敢なヒーローや賢いアドバイザーなどです。

ペルソナとは: あなたが友達の前で振る舞う方法のようなものです。状況に応じて、自分をある特定の方法で見せたいときに使います。これは、周りの人に好印象を与えるための「マスク」のようなものです。

シャドーとは: あなたが隠したいと思う感情や特性のようなものです。たとえば、怒りや羨望など、人に見せたくない感情です。これらは時に意識的ではないものの、私たちの行動や反応に影響を与えます。

これらの概念を理解することで、自分自身や他人の性格の多様性をより深く理解することができます。MBTIは私たちの傾向を示し、アーキタイプやペルソナ、シャドーはその背後にある深い心理的な側面を明らかにします。


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