出演舞台が無期限延期となり。

コロナの影響で、出演予定だった舞台が無期限の延期となりまして、本日がその千秋楽となる予定の日だったのでここに書かせていただきます。

3月15日現在まで、劇場からコロナウイルスに感染した人が出たという報道はありません。この先も願わくば出ないことを祈っております。ほら、止めれば良かったのに。と言われないで欲しい。

主宰がキャストに舞台延期をする決断を取ろうと思う、と伝えたあと全員と個人面談を行いました。そこで僕は誠に勝手ながら公演を打つべきだと主張しました。
このまま公演を延期し、負債を負い、彼が作品を作れないことになってしまってはいけないと思ったからです。下北沢で、劇場入り3日前ということを考えると、負債は100万を超えるだろうと予測は立ちます。コロナが出たら彼は一生公演が出来ない可能性があるのは分かった上で主張しました。
それでもやる価値はあるのではないかと。
本来なら本番であったこの1週間、考えてきました。
こういうのはどうだろうか。

キャストスタッフ全員でコロナ対策をする。
マスク、消毒液。劇場は毎公演後、換気と消毒。

そして、お客さまと共に誓うこと。
「この騒ぎの中、公演を見に来て下さってありがとうございます。この公演は僕たちだけの力では成し遂げられません。みんなでコロナを出さずに、作品を完走させるために、力を貸してください。きっと生涯忘れられない作品になるかと思います。あのコロナ騒ぎの時に見た作品、今思い返しても素敵だったなと。劇場でみんなと協力して公演を成功させたなと。皆さま、マスクはしましたね?入口で手の消毒はしましたね?目とか鼻とか触らないようにしましょうね。さぁ。物語の世界に参りましょう。今だけはコロナを忘れて。」
と。
そうしたら、もしかしたら、
作品を世に送り出すことが出来たのではないだろうか。

全ては本日までコロナが劇場で出ていないから。公演をしている全ての会場で、このような助け合って作品を生み出すという作業がなされているからかも知れません。ありがとうございます本当に。このままどこからもコロナが出た、という報道が起きないように助け合って作品を生み出してください。

僕は野田秀樹さんの声明に勇気をもらった人間です。
実施されるべきだと思います。しかしそれはきっと僕達からの一方的な作品を作りたいからというエゴでは成り立ちません。お客さまの協力を無くしては実施されるべきではないと思います。
そのために僕はお客さまに呼びかけたいです。

一緒にお芝居を作りましょう。
この世に素敵な作品を生み出しましょう。

と。
僕は、作品を生み出さないと存在が死んでしまいます。身体は健康でも、バイトをして稼ぎを得ても、それでも公演を打てないと無価値になってしまう。

僕達はお芝居があって救われた経験があるから、お芝居で時には人を救い、時には訴え、笑ったり、泣いたり、考える時間を作りたい。

今回公演が打てなかったことが、次回へのエネルギーになるでしょう。しかし、やはり、あの時公演が打てていたらと思ってしまうのです。一生この思いは消えないと思います。それほどに無念でした。
きっと他の業界の皆様も同じかそれ以上の無念を感じているでしょう。

ですから、今、公演が行われている団体を応援してあげてください。見に行くぞという方は公演の完走&成功を一緒に作り出してあげてください。公演を中止した団体を忘れないであげてください。

コロナの収束を切に願います。

#演劇

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