詩 鋭敏なる

空間の彼方に飛ばされていく現実感
耳元では絶叫そして抜け殻の身体
お前は居ない居ない居ない居なかった
街灯が照らし損ねた暗闇に独り凍える僕がいる
合わせ鏡に連なる私、私、私が見つめる私の目
そして衝動的な、……

正しい日本語を間違いのタイミングで喋る機械
ロボットが泣いているよと嗤われる
そろそろ脳髄に油を差してやらないとなあ
身体が壊れちゃいました
私が私を壊してしまいました

骨は僕を震わす全ての音となり
肺は膨張する世界を捉え続け
心臓は全てを置き去りにする
僕は耳鳴りの太さの線となる
それなのに、こんなに静かなんだここは

足の指や肋骨の隙間が妙に空いてて
この身体は居心地が悪いなあ
早く脱いじまいたいなあ
さもないと裏返りそうで掻きむしって
早く脱いじまいたいなあ





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