少しさよなら、

オリオン座から離れてく
少しさよなら、と言った
ロケットができる前の人たちに
「春」と呼ばれた場所に来た 
平安時代の霞と雲がかかる山
恐竜時代の光が降るほとり
僕の衣は使い古しで
なのに何も分からない
思い出すこともあまりない
温かい君を抱いて
分かった気分になった
僕と僕以外の境界線が
君と君以外の境界線が
きれいだね
どこまでも広がっていって
重なれないままだね
懐かしさだけが幸せの
生きものになっている、今は

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