地図Tableauユーザー会の始動にあたってのメモ

2024年の初めから取り組んでいた地図Tableauユーザー会の活動が、だんだんと形になってきました。3/5に行った初回イベントの前後のアンケートを眺めて、3/24にメンバーと議論したところ、自分達のやりたいことと、参加者のニーズは合致していると確信しました。

そして、現メンバーにおいては、大きく2つの活動に分かれると考えました。

2つの活動の柱

  1. 技術的な側面の活動

    1. Tableauと地図系ツール・サービス(QGISやPythonなどの)を使いこなして、分析力や表現力を上げていこうという技術的な側面の活動。

  2. フィールドワーク

    1. 足を使ってデータを作るところから始めて、最後のアウトプットまで繋げるという、総合的な活動。

    2. 地図Tableauユーザー会に限らない内容ですが、地図ととても親和性が高いと思われます。そして今後Tableauユーザーが身につけるべきスキルだと思います。

これらの柱に従って、メンバーは粛々と活動を続けることになると思います。

2つの潜在的なタスク

上記の2つの活動とは別になりますが、もう2つ潜在的なタスクがあると見ています。

1.新規ユーザーへのアプローチ
この文章を読んでいる人はTableauユーザーが多いかもしれません。ですのでピンと来ないかもしれませんが、地図をコンピュータ・ソフトウェア的に表示するときにTableauという選択肢は、いま世間的には0に近いです。Tableauユーザーがやり方を知っているだけで、世間的にはぜんぜん認知度が低いです。地図Tableauユーザー会には、そういった世間にTableauという選択肢を提示するという潜在的なタスクがあるような気がしています。潜在的にというのは、意識しなくても、進めていくと実はそういった結果になっているだろう、というくらいの意味です。

地図の業界は古いし、地学などの複数の領域とも接していて、カバーする領域が広いです。その中にいる関係者は多い。先日レギュラー番組としては終了したとはいえ、ブラタモリなどのTV番組を通じた地学ファン的な人は莫大にいるはずです。

Tableauは簡単に地図表示ができるけど、地図表現という意味では限界もあります。一方で、データと絡めたインフォグラフィックに仕立て上げることができるので、最終的なアウトプットとしての訴求力があります。センスもいいです。この利点を活かしていくと、本格的な取り組みは無理だけど、気軽に地図を使いたい人、言い方を変えると、新規ユーザーにとって有力な選択肢になり得る。既存のツールとの摩擦は起こるかもしれないです。でも、むしろ地図表現ユーザーが増えることの方が望ましい、と思います。

2.包括的なデータ活用スキームの確立

データ分析の最大の課題の一つは、データを設計する人と、データを分析する人とが別の人だという構造です。これによって、データと現実問題とのタイムラグが発生して、現実の方が早く進んでしまい、課題解決できないという事態が、いたるところで起こっています。オープンデータにおいてもこの問題の構図が現れています。何かしらの補完スキームが必要なのです。

データを作るところから始める

次なるアプローチとして、課題に対して、分析に耐え得るデータを設計し、作るスキルを身につけることが求められます。さらにデータの取得・蓄積を継続的に行い、長期間の課題に対応できるようにする。そして自動化する。短期的な調査分析ならまだしも、長期的な課題については全て人間がトラッキングするわけにもいかないので、システム的な仕組みとして実装できる必要があります。今までは資本力のある大規模な組織、例えば研究機関や企業の研究所といったところでしかできなかったことが、センサー類やクラウドサービスなどの利用ハードルが下がっていることで、スキルと設計力さえあれば実現可能になってきています。

テーマ・課題設定からデータ作成、分析と解決策の提示、アクションとフィードバックまでのタイムスパンをいかに短くするのかが、課題解決にとっての勝負です。これが長いと結局解決しないで終わります。その点、地図Tableauユーザー会は新しいユーザー会ということもあり、上記のような課題に取り組むための包括的なスキームを揃えようという人達が集まった気がしています。このスキームによって、地図に限らずさまざまなテーマ※1に取り組めるようになると良いですね!


*1 私が別途参画している「Tableauねこ会」では、ペットの殺処分をゼロにするという、キャットラバーの究極のテーマに取り組みたいと思っています。しかしこの目標は、現在利用可能なデータだけでは充分に理解し、分析することが難しいです。既存の情報だけでは、この問題に対する効果的な対策を講じることができません。では、どのようなデータがあれば、この課題を正確に把握し、深く掘り下げることができるのでしょうか?また、浮き彫りにされた問題点とその解決策を関係者に伝え、実際に行動を促すためには、どのようなアプローチが必要でしょうか?

このような課題に取り組むには、現状を正確に把握し、問題を明確にするために必要なデータを特定し、集める能力が不可欠です。さらに、そのデータを基に具体的な解決策を設計し、関係者を巻き込んで変化を促すための戦略を立案する能力が求められます。このプロセス全体を通じて、データの設計から収集、分析、そして行動への移行まで、一貫したスキルと戦略的な思考が必要とされるのです。しかもタイムリーに!


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