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「失敗を語ろう。」 ナレッジラボ 国見 編

こんにちは、ナレッジラボCEOの国見です。

失敗を語ろうシリーズ、HIRAC FAUND古橋さん、R&AC花松さん、 マネーフォワードベトナム都築さん、スマートキャンプ林さん、クラビス菅藤さんからのバトンを受けて私の番が回ってきました。

私もナレッジラボを2013年に創業して以来、いろんな失敗をしてきましたが、今回は2016年にナレッジラボが大きな方向転換をしたときの経験を書いてみたいと思います。

ナレッジラボは創業してからしばらくの間、事業再生コンサルティングを主軸とする事業を展開していましたが、創業して3年ほど経った2016年に予算管理クラウドサービスの『Manageboard』を開発したいと思い立ち、そこから大きく経営の舵を切りました

今から思えば結構大きな意思決定だったのですが、その時はあまり深く考えずに「やってみたい」という勢いで舵を切りました。

しかし、それまでプロダクト開発の経験のなかった私には、SaaSプロダクト開発がどんなものか全く見えていなかったこともあって、全てが想定外というくらい毎日壁にぶつかっていました。

一歩めで大きくつまずく・・・

まずは、友人、知り合いのエンジニアに連絡をしまくって「こんなプロダクトを作りたい!」という相談から始めていきました。

当初のプロダクトのイメージは、会計をベースにした事業計画を管理できるプロダクト。事業再生で数字の管理に苦労しているクライアントからヒントを得て、私たちが普段作っているエクセルの財務モデルシートをSaaS化したようなものを考えていました。

「このプロダクトを使えば世の中の会社が経営データを利用しやすくなって、絶対に経営の解像度を上げることができるからぜひやろう!」というような話をしていったのですが、会計、事業計画さらに経営というコンテキストの深い話だったこともあり、私のイメージがなかなかうまく伝わりませんでした・・・。

何人かのエンジニアさんにはプロダクトのイメージを出してもらったのですが、

・思っているものと何かが違う・・・
・イメージしたものができ上がってこない・・・
・細かいニュアンスが全然が伝わらない・・・

という感覚を拭えませんでした。

でもどう伝えたらよいかも当時は全然分からず、話がかみ合わないまま数ヶ月が過ぎていきました。

このままではやばいと思い、まずは私のイメージする最低限のプロダクトを外注してでも実際に動くものを作って、そこからエンジニアを集めようということになったのですが、本当に最低限のものを作るためだけの見積もりを取ると、びっくりするくらいの金額が出てきました。

しかも見積もりに書かれている成果物の内容も私がイメージしたものとは全然違う・・・。

このように『Manageboard』を作り始める一歩めでつまずいてしまいました。

見つからないなら自分たちで作ろう

こんな感じでプロダクト開発に着手すらできなかったのですが、どうしても『Manageboard』を作りたいと考えていた時に、古田(現ナレッジラボ取締役CPO)がいることに気づきました。

古田は当時入社2年目、事業再生コンサルタントとしてナレッジラボの最前線で活躍していましたが、前職では大手SIerでSAPエンジニアをしていたのです。そんな古田に「プロダクト開発に興味はないか?」と聞いてみたら、「WEBアプリケーションの開発経験はないけど面白そうですね、やりましょう!」と二つ返事で答えてもらいました(笑)。

ということで、次の日から私と古田で『Manageboard』の開発をするための壮大な旅が始まりました。

しかし、やっと開発がスタートできると思いきや、そんな簡単なものではなかったです・・。

まずは当時の最新の開発フレームワークを二人で学び直しながら、作りたいものをひたすら設計して実装して、ほとんどうまくいかないので壊す。初めの2〜3ヶ月は朝から晩までずーっとこの繰り返しでした。

当時はテストユーザーも自分たちだけなので、「このフィードバックは自分たちの思い込みなのでは?」「本当にこれでいいの?」というモヤモヤ感を抱えながらひたすら失敗して、そこから繰り返し学ぶという日々を送っていました。

社内にも「国見さんと古田さんは何してるの?いつできるの?本当に大丈夫?」という雰囲気が漂い始め、半年くらい経ったある日、私たちが想定していた『Manageboard』のプロトタイプが私のPCで動き出しました!

初めて『Manageboard』を作りたいと思ってから1年近く経っていましたが、ここまでの失敗が無駄じゃなかったという嬉しさを当時のメンバーで分かち合いましたね。

その後、ナレッジラボはマネーフォワードグループにジョインし、『Manageboard』も多くのユーザー様に育てていただいていますが、今があるのは当時の数え切れない失敗があったからだと思っています。

当社には「チャレンジ」「信頼」「課題追求」という3つのValueがあります。

このうち「チャレンジ」はまさに失敗をビビらずになんでもやってみて、うまくいかなかったらそこからしっかり学んでいこう、というものなんですが、『Manageboard』の開発に舵を切ったというのはまさにこれを体現した当社のチャレンジだったなと今では思っています。

これからも迷った時には失敗をおそれないチャレンジを選択できるチームでありたいですね。

興味を持っていただけた方は、是非本編も読んでいただけると幸いです。

この本に関わる印税は、コロナ禍で苦しむ子供たちを支援されている認定NPO法人フローレンス、認定NPO法人カタリバをはじめとする団体に、全額寄付させていただきます。

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