分離

　生きる意味なんて考える方がナンセンス。
そんなの数年前から分かってる。あったほうが恐ろしい。

　そのうえで、「私にはこれが生きる意味」と勝手に決めている。
少しでも生きる意味をもっていないと自分が保たれないことを知っているから。同時に、決めきることで生きる意味をこれ以上追求しないようにしている。

　なのにまた最近私は生きる意味を探している。

　会いたい人に会いに行くために生きているなんてものすごく幸せなのに、私は何か足りないと思っているのかしら。足ることなんてないのに。

　何もしなくたって一日は終わる。
　何かをしても一日が終わる。

　当たり前のこと、当たり前、か。

　やっぱり自分一人のことに集中しすぎると迷走するから、今度は自分哲学を少し分解した。どこかの国では体は借り物とされているらしい。今は自身で心と体は個人のもので、切り離せないという哲学をもっていたけれど、なるほど、一回切り離してみよう、と思うようになった。

　自分のものでないのなら、もうちょっと丁寧に扱った方がよさそうだ。もう少し運動を増やして綺麗にみせることもできそうだし、ちょっと汚しすぎたかも。糖分も塩分も入れすぎたかな、もう少し中身を綺麗な色にしようかな。どうやら私は自分のことには甘いらしい、切り離しただけで随分と責任感が増した、どちらも私なんだけれど。

　歯磨きしてうがい薬を使ってのどの薬を入れて。体をできるだけ綺麗にリセットにもっていく。

　心ももしかしたら明日は違う人が入るかもしれないから、記録しておこうかと日記を書く。ハルナの人生結構おもしろいから。

　さて、今日も返却の時間だ。心も体もおやすみ。