思い込みに惑わされてはいけない

もしかして、あなたは
売り上げノルマという数字に縛られていませんか?
その商品はその価格だと本当に売れないんでしょうか??


少し前の話ですが、こんなことがありました。
顧問契約をしているアパレル企業さんで、
サンプルの商品会議をしていたときのことです。

ロングカーディガンの企画について、
昨年の同じポジションの商品売上げは300枚でした。
上代は12,000円でした。
今年の企画は昨年の店頭の評価を反映させて
改善を加え、見た目の価値観も改善されていました。
その分、製造コストも上がったので、
どうしても15,000円を超えてしまいます。
「これでは昨年の売り上げをキープできない。
何とか12,000円以内で作る方法はないか?どこを削る?」
生産管理の方と企画の方と店舗リーダーが、
商品価値を下げる方向で議論を始めました。

「少しお尋ねしたいのですが、
昨年のその12,000のカーディガンの粗利益はいくらでしたか?」
と質問してみました。
「その粗利益を300枚でかけると〇〇〇万円だったのですね。
今回のこのデザインの15,000円にしたときの粗利益は
いくらですか?
何枚販売できれば、その利益を確保できますか?」

管理の方は計算してみました。
すると170枚売れれば昨年の粗利益を超すことが
できるとわかりました。
このアパレルさんは10店舗の直営店お持ちです。
という事は単純計算でこの一方のデザインを
1店舗当たり17枚売れれば170枚販売できると言うことになります。
一方あたり17枚と言う事は、全色あったとすれば
一色5~6着販売できれば昨年の利益は確保できることがわかりました。

店舗リーダーの方はおっしゃいました。
「一色6着なら販売できると思う!」

この15,000円のカーディガンは、
昨年のベーシックなカーディガンより編み方に凹凸感を加えた
無地の柄が施され縫製も昨年より格段に凝っています。
お客様からすれば自分に15,000円でも価値があると
認めてくださる商品だと私は思って提案しましたが、
昨年より3000円も値段が高くなるセーターカーディガンを
売る自信が最初はなかったのです。
それは昨年と同じ枚数を販売しなければならないと
無意識に思い込んでいたからです。

でも、会社が重要なのは本当は売上ではなく利益です。
枚数でもありません。
これに気づいていない経営者はたくさんいらっしゃいます。
なのでどうしても目標数値が売上げベースだったりするし、
どうしても売上げや枚数の呪縛から逃れられない。。。
そのために商品の価値を下げる方向一辺倒で議論をするのは
どうなんでしょう?
それは本当にお客様のためになるんでしょうか?

価格以上の価値とは何なのか…

皆さんもちょっと視点を変えて商品企画をしてみてはいかがですか。

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