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【絵本 木を植えた男】〜プロヴァンス地方の美しさを満喫できる絵本

【並べて楽しい絵本の世界】

原作 ジャン・ジオノ
絵  フレデリック・バック

長いこと実話だと思われていたらしいですが、作者ジャン・ジオノの創作だそうです。1989年初版発行。

当時、書店で働いていた私は、新店舗のオープンに伴って、多数のジャンルの品揃えを任されて、毎日搬入される大量の本に、文字通り泣きそうになりながら格闘していました。 
文庫、新書、ビジネス書、文芸書と順番に陳列しながら、楽しみにしていたのが絵本の棚だったのですが、体力は限界…

その時に出会ったのが「木を植えた男」です。

荒野に住む孤独な羊飼いの男が、一粒ずつ植えていった何十万ものどんぐりの種が長い年月を経て、荒れ果てた地を、幸いの地としてよみがえらせます。

大量の本と格闘していた私は、この絵本を書店の目立つ場所に陳列して、

「私たちが手渡す本は、土を耕し種を蒔き、やがて大きな木になってくれるでしょう。」と緑色のマーカーで書いて棚に掲示しました。今思えばそれは、クタクタだった自分に向けての言葉だったと思います。

あらためて絵本を読むと、悲しかったことや辛かったことなどが甦ってきて、深い感動を覚えます。

大人こそ絵本を!

そう思わせてくれる絵本です



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