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祈る

いつも歩いていた道、いつも見ていた景色。
考えるでもなく、あたりまえに過ぎていた時間。
すべてが愛おしい、あまりにも。

毎日届けられるネガティブな数字。
それを見るたび心は沈む。
これがあたりまえになるのだとすれば、耐えるには重すぎる。

ここから学ぶこと、あたりまえはないということ。
毎日が、毎時間が、多くのことが重なり合った貴いもの。
それらは、同じようでも同じではなかったことに気づく。

批評するということが、とても空虚に感じる。
求める事さえ、無意味に感じる。
この無力を決して忘れない、いかに驕っていたかということを。

家を出て、信号も人気もない畑道を歩いて海岸へ向かう。
夕暮れ時、茜色に染まる海。
景色はいつもと変わっていない、空気はむしろ澄んでいる。

どこへ向かうのか、どこまで向かうのか。
それでも、あたりまえに時間は過ぎる。
厳しい毎日を、照らす太陽はきっと来年も同じなのだろう。

いまは、祈る。
ひたすら、祈る。
神仏でもなく、誰にでもなく、なににでもなく。
ただ、あたりまえのように家で祈る。

※動く心情を note しておきます 未来のために 2020.04.17

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