フィナ・トレス『追想のオリアナ』ベネズエラの"エル・スール"は女性の普遍的な戦いを描く
1985年カンヌ映画祭カメラドール受賞作、フィナ・トレス長編一作目。オリアナが亡くなった。その報を受けた姪のマリアは、幼少期に少しだけ滞在したオリアナの屋敷を相続したことを知って、フランスからベネズエラへと飛ぶ。結婚せずに田舎の館に引きこもり、現地人の召使と共に生活していたオリアナ。晩年には模様替えどころか掃除すらさせなかったほど過去に拘った屋敷で、オリアナは何を思って過ごしていたのか?過去と変わらない屋敷を歩き回るマリアは、つい先日のことのように滞在時の記憶を思い出す。そこ